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JP2011102871A - 広角レンズ、撮像装置、広角レンズの製造方法 - Google Patents

広角レンズ、撮像装置、広角レンズの製造方法 Download PDF

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JP2011102871A
JP2011102871A JP2009257385A JP2009257385A JP2011102871A JP 2011102871 A JP2011102871 A JP 2011102871A JP 2009257385 A JP2009257385 A JP 2009257385A JP 2009257385 A JP2009257385 A JP 2009257385A JP 2011102871 A JP2011102871 A JP 2011102871A
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Abstract

【課題】大画角でありながら高い結像性能を有する広角レンズを提供する。
【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とを有し、前記第2レンズ群G2を像面側へ、前記第3レンズ群G3を物体側へ移動させることにより無限遠物点から近距離物点への合焦を行い、所定の条件を満足することを特徴とする広角レンズ。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮影光学系に最適な広角レンズ、撮像装置、および広角レンズの製造方法に関する。
従来、カメラに使用されるリアフォーカス方式のレトロフォーカス型広角レンズ(以後、本明細書中では単に「広角レンズ」と記す。)が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平9−113798号公報
しかしながら、従来のリアフォーカス方式の広角レンズは、さらに大画角化を実現しようとすると、高い結像性能を維持することが難しいという問題があった。
上記課題を解決するため、本発明は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、
前記第2レンズ群を像面側へ、前記第3レンズ群を物体側へ移動させることにより無限遠物点から近距離物点への合焦を行い、
以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズを提供する。
0.01 < (−X3) / X2 < 0.90
ただし、X3は無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第3レンズ群の移動量、X2は無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第2レンズ群の移動量をそれぞれ示す。ただし、移動量は像方向に移動する場合を正とする。
また、本発明は、前記広角レンズを備えたことを特徴とする撮像装置を提供する。
また、本発明は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する広角レンズの製造方法において、前記第2レンズ群を像面側へ、前記第3レンズ群を物体側へ移動させることにより無限遠物点から近距離物点への合焦を行うように、物体側から順に、前記第1レンズ群と、前記第2レンズ群と、前記第3レンズ群とを配置し、以下の条件を満足するようにしたことを特徴とする広角レンズの製造方法を提供する。
0.01 < (−X3) / X2 < 0.90
ただし、X3は無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第3レンズ群の移動量、X2は無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第2レンズ群の移動量をそれぞれ示す。ただし、移動量は像方向に移動する場合を正とする。
本発明によれば、大画角でありながら高い結像性能を有するリアフォーカス方式の広角レンズと、これを有する撮像装置と、広角レンズの製造方法を提供することができる。
第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦状態、近距離合焦状態における諸収差を示す図である。 第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦状態、近距離合焦状態における諸収差を示す図である。 第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦状態、近距離合焦状態における諸収差を示す図である。 第1実施例に係る広角レンズを備えた撮像装置(カメラ)の構成を示す図である。 実施の形態に係る広角レンズの製造工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るリアフォーカス方式の広角レンズについて説明する。なお、以下の実施形態は、発明の理解を容易にするためのものに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を施すことを排除することは意図していない。
本実施形態に係る広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、第2レンズ群を像面側へ、第3レンズ群を物体側へ移動させることにより無限遠物点から近距離物点への合焦を行い、以下の条件式(1)を満足する。
(1) 0.01 < (−X3) / X2 < 0.90
ただし、X3は無限遠物点から近距離物点への合焦時における第3レンズ群の移動量、X2は無限遠物点から近距離物点への合焦時における第2レンズ群の移動量をそれぞれ示す。ただし、移動量は像方向に移動する場合を正とする。
このような構成により、本広角レンズは、大画角化を実現しつつ、無限遠物点から近距離物点への合焦時における諸収差変動、特に像面湾曲、コマ収差の収差変動を少なくすることができる。
条件式(1)は、合焦時における第2レンズ群と第3レンズ群との移動量の比の適切な範囲を規定する条件式である。条件式(1)を満足することにより、無限遠物点から近距離物点への合焦時において高い結像性能を有する広角レンズを達成することができる。
条件式(1)の上限値を上回る場合、合焦時における第2レンズ群と第3レンズ群の移動量の絶対値が同量に近づく。第2レンズ群と第3レンズ群とは逆方向に移動するため、この場合、第2レンズ群と第3レンズ群との間の空気間隔が減少し、レンズ群同士が干渉する。また、近距離物点に近づくにつれて、像面湾曲が正の大きな値となり、結像性能が悪化する。
なお、条件式(1)の上限値を0.80にすることにより、諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(1)の上限値を0.70にすることにより、諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(1)の上限値を0.60にすることにより、諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
条件式(1)の下限値を下回る場合、第2レンズ群と比較して、合焦時における第3レンズ群の移動量が著しく小さくなる。この場合、いわゆるフローティングによる収差補正の効果が薄れ、近距離物点に近づくにつれて、像面湾曲が負の大きな値となり、結像性能が悪化する。
なお、条件式(1)の下限値を0.03にすることにより、諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(1)の下限値を0.05にすることにより、諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(1)の下限値を0.08にすることにより、諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本広角レンズは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) 0.10 < F3 / F2 < 0.90
ただし、F3は無限遠合焦時における第3レンズ群の焦点距離、F2は無限遠合焦時における第2レンズ群の焦点距離をそれぞれ示す。
条件式(2)は、合焦群である第2レンズ群と第3レンズ群の焦点距離の比(屈折力の比)の適切な範囲を規定する条件式である。条件式(2)を満足することにより、小型で高い結像性能を有する広角レンズを達成することができる。
条件式(2)の上限値を上回る場合、第3レンズ群の焦点距離よりも第2レンズ群の焦点距離が短くなり、第2レンズ群の屈折力が大きくなる。その結果、無限遠物点から近距離物点への合焦時における諸収差変動、特に像面湾曲、非点収差、コマ収差の収差変動が大きくなる。
なお、条件式(2)の上限値を0.80にすることにより、像面湾曲、非点収差、コマ収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(2)の上限値を0.70にすることにより、これらの補正をより良好に行うことができる。また、条件式(2)の上限値を0.60にすることにより、これらの補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
条件式(2)の下限値を下回る場合、第3レンズ群の焦点距離よりも第2レンズ群の焦点距離が長くなり、第2レンズ群の屈折力が小さくなる。その結果、合焦時における第2レンズ群と第3レンズ群の移動量が大きくなり、第2レンズ群と第3レンズ群が移動するための大きなスペースの確保が必要となるため、広角レンズが大型化する。また、無限遠物点から近距離物点への合焦時における諸収差変動、特に像面湾曲、球面収差、コマ収差の収差変動が大きくなる。
なお、条件式(2)の下限値を0.20にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(2)の下限値を0.25にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(2)の下限値を0.30にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本広角レンズは、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 1.05 < M2 < 5.00
ただし、M2は無限遠合焦時における第2レンズ群の横倍率を示す。
条件式(3)は、合焦群である第2レンズ群の無限遠合焦時における横倍率の適切な範囲を規定する条件式である。条件式(3)を満足することにより、小型で高い結像性能を有する広角レンズを達成することができる。合焦群である第2レンズ群の無限遠合焦時における横倍率を適切な範囲にすることは、第2レンズ群の移動量を適切にし、収差変動を少なくするために重要である。
条件式(3)の上限値を上回る場合、合焦群である第2レンズ群の横倍率が高くなり、その結果第2レンズ群の屈折力を大きくしなければならず、無限遠物点から近距離物点への合焦時における諸収差変動、特に像面湾曲、非点収差、コマ収差の収差変動が大きくなる。
なお、条件式(3)の上限値を4.50にすることにより、像面湾曲、非点収差、コマ収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(3)の上限値を4.00にすることにより、これらの補正をより良好に行うことができる。また、条件式(3)の上限値を3.80にすることにより、これらの補正をさらに良好に行うことができる。また、条件式(3)の上限値を3.50にすることにより、これらの補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
条件式(3)の下限値を下回る場合、合焦群である第2レンズ群の横倍率が低くなり、第2レンズ群の屈折力が小さくなる。このため合焦時における第2レンズ群の移動量が大きくなり、第2レンズ群が移動するための大きなスペースの確保が必要となるため、広角レンズが大型化する。また、無限遠物点から近距離物点への合焦時における諸収差変動、特に像面湾曲、球面収差、コマ収差の収差変動が大きくなる。
なお、条件式(3)の下限値を1.30にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(3)の下限値を1.50にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(3)を下限値を1.60にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正をさらに良好に行うことができる。また、条件式(3)の下限値を2.00にすることにより、コマ収差等の諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本広角レンズは、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 0.20 < (−F1) / F0 < 3.00
ただし、F1は無限遠合焦時における第1レンズ群の焦点距離、F0は無限遠合焦時における広角レンズの焦点距離をそれぞれ示す。
条件式(4)は、第1レンズ群の焦点距離(屈折力)の適切な範囲を規定する条件式である。条件式(4)を満足することにより、バックフォーカスを確保しつつ、小型で高い結像性能を有する広角レンズを達成することができる。
条件式(4)の上限値を上回る場合、第1レンズ群の焦点距離が長くなり、第1レンズ群の屈折力が小さくなる。その結果、レトロ比が小さくなり、バックフォーカスの確保が困難になる。ここで、「レトロ比」とは、バックフォーカスBFに対する全系の焦点距離F0の比率すなわちF0/BFを示す。また、前玉径が大径化し、広角レンズが大型化する。この状態で無理にバックフォーカスの確保や小型化を行うと、コマ収差等の軸外収差が悪化する。
なお、条件式(4)の上限値を2.50にすることにより、諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(4)の上限値を2.00にすることにより、諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(4)の上限値を1.80にすることにより、諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
条件式(4)の下限値を下回る場合、第1レンズ群の焦点距離が短くなり、第1レンズ群の屈折力が大きくなる。第1レンズ群が著しく大きい屈折力を有すると、歪曲収差、像面湾曲、コマ収差が悪化する。
なお、条件式(4)の下限値を0.50にすることにより、諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(4)の下限値を0.60にすることにより、諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(4)の下限値を0.80にすることにより、諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本広角レンズは、無限遠物点から近距離物点への合焦時に、第1レンズ群が固定されていることが望ましい。このような構成により、全てのレンズ群を移動させる場合に比べてレンズ群の移動機構を簡素化することができる。また、径が大きく重い第1レンズ群で合焦する場合に比べて合焦群を軽くすることができ、合焦を素早く行うことができる。
また、本広角レンズは、第1レンズ群が少なくとも1枚の非球面負メニスカスレンズを有し、当該非球面負メニスカスレンズは、レンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有することが望ましい。
第1レンズ群が非球面負メニスカスレンズを少なくとも1枚有し、この非球面負メニスカスレンズは、レンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有することで、大画角化を達成するとともに、像面湾曲、歪曲収差、コマ収差の補正を良好に行うことができる。
また、本広角レンズは、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5) 0.30 < |Rasp| / hasp < 0.90
ただし、Raspはレンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有する非球面負メニスカスレンズの非球面の近軸曲率半径、haspはレンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有する非球面負メニスカスレンズの有効径の1/2(最大有効半径)をそれぞれ示す。
条件式(5)は、レンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有する非球面負メニスカスレンズの非球面量の大小に関する条件式である。条件式(5)を満足することにより、小型で大画角を有しつつ高い結像性能を有する広角レンズを達成することができる。なお、「非球面量」とは、非球面の球面からの変位量を示す。
非球面の近軸曲率半径(|Rasp|)を、非球面負メニスカスレンズの有効径の1/2の値(hasp)で割った値が1.00を下回る場合、球面は半球を超えることとなるが、非球面レンズの場合、この値が小さいほど、非球面量が大きくなることを示す。
本広角レンズでは、第1レンズ群に、非球面量の非常に大きな非球面負メニスカスレンズを少なくとも1枚有し、この非球面負メニスカスレンズによって諸収差の補正を行うことで、大画角化と小型化を達成するとともに、諸収差の補正、特に非点収差、像面湾曲、コマ収差、歪曲収差の補正を良好に行う構成としている。したがって、非球面の近軸曲率半径(|Rasp|)を、非球面負メニスカスレンズの有効径の1/2の値(hasp)で割った値の適切な範囲を規定することは、小型で大画角を有する広角レンズを実現するために重要である。
条件式(5)の上限値を上回る場合、球面では半球を超えない形状となり、非球面量が小さくなる。その結果、本広角レンズの場合、収差補正に必要な非球面量に満たないことになり、諸収差の補正、特に像面湾曲、非点収差、コマ収差の補正が困難になる。
なお、条件式(5)の上限値を0.80にすることにより、諸収差の補正を良好に行うことができる。また、条件式(5)の上限値を0.73にすることにより、諸収差の補正をより良好に行うことができる。また、条件式(5)の上限値を0.70にすることにより諸収差の補正をさらに良好に行うことができ、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
条件式(5)の下限値を下回る場合、非球面負メニスカスレンズの非球面量が著しく大きくなり、非球面の製造が困難になる。また、歪曲収差の曲がりが著しく大きくなる。なお、「曲がり」とは、像高の違いによる収差値の差を示す。
なお、条件式(5)の下限値を0.35にすることにより、歪曲収差の曲がりを良好に抑制でき、非球面の製造困難性を招来することもない。また、条件式(5)の下限値を0.40にすることにより、本発明の効果を発揮することができる。また、条件式(5)の下限値を0.50にすることにより、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本広角レンズは、第1レンズ群が前記非球面負メニスカスレンズとは別に非球面レンズを有することが望ましい。このような構成により、軸外収差の補正、特に歪曲収差、像面湾曲、コマ収差の補正を良好に行うことができる。
また、本広角レンズでは、前記非球面レンズは、レンズ中心部よりも周辺部において負の屈折力が大きいことが望ましい。このような非球面レンズと、前述の非球面負メニスカスレンズ(レンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる非球面負メニスカスレンズ)は逆の非球面効果を有するため、これらを組み合わせることで、本広角レンズは、大画角を有しつつも像面湾曲、非点収差、コマ収差の補正を良好に行うことができる。なお、レンズ中心部よりも負の屈折力が大きくなるのは最周辺部であることがより望ましい。
また、本広角レンズは、第1レンズ群が負レンズのみからなることが望ましい。このような構成により、前玉径を小径化することができる。また、歪曲収差の曲がりを抑制することができる。
また、本広角レンズは、無限遠物点から近距離物点への合焦の際、第2レンズ群と第3レンズ群とは同時に移動することが望ましい。このような構成により、移動機構を簡素化することができる。
以下、本実施形態に係る広角レンズの各数値実施例について添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係る広角レンズのレンズ構成を示す断面図である。
第1実施例に係る広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成され、無限遠物点から近距離物点への合焦の際、第2レンズ群G2を像側に、第3レンズ群G3を物体側に同時に移動する構成である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向け像側の面に非球面量が大きい非球面を設けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向け像側の面に非球面を設けた負メニスカスレンズL13とから構成されている。また、負メニスカスレンズL13は、ガラスレンズと樹脂との複合よりなる複合型非球面レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL24と両凹形状の負レンズL25との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL26と、開口絞りSと、両凸形状の正レンズL27と両凹形状の負レンズL28との接合よりなる接合負レンズとから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、両凹形状の負レンズL32と両凸形状の正レンズL33との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL34と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35との接合よりなる接合正レンズとから構成されている。
以下の表1に第1実施例に係る広角レンズの諸元値を示す。
表中の(面データ)において、物面は物体面、面番号は物体側から数えたレンズ面の番号、rはレンズ面の曲率半径、dはレンズ面間隔、ndはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(波長λ=587.6nm)に対するアッベ数、(可変)は合焦における可変面間隔、(絞り)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ表している。なお、空気の屈折率をnd=1.000000と記載している。また、曲率半径r欄の「∞」は平面を示している。また、レンズ面が非球面である場合には面番号に*印を付して曲率半径の欄には近軸曲率半径を示している。
(非球面データ)には、(面データ)に示した非球面について、その形状を次式で表した場合の非球面係数を示す。
X(y)=(y/r)/[1+[1−κ(y/r)]1/2]
+A4×y+A6×y+A8×y+A10×y10
+A12×y12+A14×y14+A16×y16+A18×y18
ここで、光軸に垂直な方向の高さをy、高さyにおける光軸方向の変位量(サグ量)をX(y)、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をr、円錐係数をκ、n次の非球面係数をAnとする。なお、「E-n」は「×10-n」を示し、例えば「1.234E-05」は「1.234×10-5」を示す。
(各種データ)において、F0は焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角(単位:°)、Yは像高、TLはレンズ系の全長、BFはバックフォーカス、haspはレンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有する非球面負メニスカスレンズの有効径の1/2をそれぞれ表している。
(可変面間隔データ)は、各合焦位置における撮影倍率、物面までの距離、可変面間隔をそれぞれ示す。diは面番号iでの可変面間隔値をそれぞれ表している。
(レンズ群データ)は、各レンズ群の始面番号と、各レンズ群の焦点距離をそれぞれ示す。
(条件式対応値)は、各条件式の対応値をそれぞれ示す。
なお、以下の全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さ等は、特記の無い場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これらに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されること無く他の適当な単位を用いることもできる。さらに、これらの記号は、以降の他の実施例においても同様とし説明を省略する。
(表1)第1実施例
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1) 43.3283 4.0000 1.816000 46.63
2) 24.0441 6.3000 1.000000
3) 28.4320 3.5000 1.729030 54.04
4)* 9.8843 14.3852 1.000000
5) 203.7704 2.0000 1.497820 82.56
6) 40.0000 0.5000 1.553890 38.09
7)* 53.2395 (可変) 1.000000
8) 103.6242 9.9182 1.717360 29.52
9) -18.7399 1.5000 1.816000 46.63
10) 9.5569 10.7268 1.620040 36.30
11) -40.5784 0.8000 1.000000
12) 219.4076 2.5000 1.516800 64.12
13) -10.3951 1.0000 1.755000 52.29
14) 304.2368 0.1000 1.000000
15) 25.0985 4.1670 1.517420 52.32
16) -15.1651 0.5000 1.000000
17> (絞り) ∞ 1.5000 1.000000
18) 108.6101 2.5000 1.516800 64.12
19) -11.1953 0.8000 1.772500 49.61
20) 150.0647 (可変) 1.000000
21) 368.0403 3.0000 1.516800 64.12
22) -20.0562 0.1000 1.000000
23) -86.4414 1.0000 1.834810 42.72
24) 22.2385 5.5000 1.497820 82.52
25) -23.9030 0.1000 1.000000
26) 86.6834 7.5000 1.497820 82.52
27) -14.7423 1.0000 1.772500 49.61
28) -38.2138 (可変) 1.000000
像面 ∞

(非球面データ)
第4面
κ= 0.1808
A4= -5.83460E-06
A6= 4.61020E-08
A8= -9.21750E-11
A10= -2.39720E-13
A12= -0.19598E-15
A14= 0.12623E-18
A16= -0.16852E-19
A18= -0.21704E-22

第7面
κ= -12.4060
A4= 2.63310E-05
A6= -4.69130E-08
A8= 1.69210E-11
A10= 5.79640E-13
A12= 0.27098E-14
A14= -0.21332E-16
A16= -0.19412E-19
A18= 0.32926E-21

(各種データ)
F0= 10.30
FNO= 4.10
ω= 64.87°
Y= 21.60
TL= 132.66
BF= 38.10
hasp= 16.54

(可変面間隔データ)
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.02500 -0.1000
物面 ∞ 389.8539 80.8156
d7: 6.16247 6.49070 7.46118
d20: 3.50000 3.07330 1.81167
d28: 38.09947 38.19794 38.48909

(レンズ群データ)
群 始面 焦点距離
G1 1 -13.25993
G2 8 85.07702
G3 21 33.73429

(条件式対応値)
(1): (−X3)/X2 = 0.300
(2): F3/F2 = 0.397
(3): M2 = 2.538
(4): (−F1)/F0 = 1.287
(5):|Rasp|/hasp = 0.598
図2(a)、(b)はそれぞれ、第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図、第1実施例に係る広角レンズの近距離合焦撮影時(β=−0.025倍)の諸収差図を示す。
各諸収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Yは像高、dはd線(波長λ=587.6nm)、およびgはg線(波長λ=435.8nm)をそれぞれ示す。また非点収差において、実線はサジタル像面、点線はメリジオナル像面を示す。コマ収差における実線はメリジオナルコマ収差を示す。なお、以下に示す他の実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用い以後の説明を省略する。
各諸収差図より、第1実施例に係る広角レンズは諸収差が良好に補正され優れた結像性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
図3は、第2実施例に係る広角レンズのレンズ構成を示す断面図である。
第2実施例に係る広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成され、無限遠物点から近距離物点への合焦の際、第2レンズ群G2を像側に、第3レンズ群G3を物体側に同時に移動する構成である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向け像側の面に非球面量が大きい非球面を設けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向け像側の面に非球面を設けた負メニスカスレンズL13とから構成されている。また、負メニスカスレンズL13は、ガラスレンズと樹脂との複合よりなる複合型非球面レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23との接合よりなる接合正レンズと、両凸形状の正レンズL24と両凹形状の負レンズL25との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL26と、開口絞りSと、両凸形状の正レンズL27と両凹形状の負レンズL28との接合よりなる接合負レンズとから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、両凹形状の負レンズL32と両凸形状の正レンズL33との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL34と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35との接合よりなる接合正レンズとから構成されている。
以下の表2に第2実施例に係る広角レンズの諸元値を示す。
(表2)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1) 42.3831 4.0000 1.816000 46.63
2) 23.2938 6.3000 1.000000
3) 27.5491 3.5000 1.729030 54.04
4)* 9.7702 14.2885 1.000000
5) 273.4999 2.0000 1.755000 52.29
6) 40.0000 0.5000 1.553890 38.09
7)* 55.6948 (可変) 1.000000
8) 49.1830 7.0000 1.672700 32.11
9) -16.1713 1.5000 1.816000 46.63
10) 9.7963 10.7268 1.620040 36.30
11) -36.6819 0.1000 1.000000
12) 533.9192 5.0000 1.516800 64.12
13) -10.9681 1.0000 1.755000 52.29
14) 233.8827 0.1000 1.000000
15) 26.0608 4.0000 1.517420 52.32
16) -15.6077 1.0000 1.000000
17> (絞り) ∞ 1.0000 1.000000
18) 103.7491 3.8000 1.516800 64.12
19) -11.1953 1.0000 1.772500 49.61
20) 171.1107 (可変) 1.000000
21) 204.9527 3.0000 1.516800 64.12
22) -20.2930 0.1000 1.000000
23) -82.6214 1.0000 1.834810 42.72
24) 22.2173 5.5000 1.497820 82.52
25) -24.2790 0.1000 1.000000
26) 84.6349 7.5000 1.497820 82.52
27) -15.1083 1.0000 1.772500 49.61
28) -38.2138 (可変) 1.000000
像面 ∞

(非球面データ)
第4面
κ= 0.1747
A4= -5.40210E-06
A6= 3.09140E-08
A8= -1.36590E-10
A10= -3.34770E-13
A12= -0.37424E-15
A14= -0.19508E-18
A16= -0.17694E-19
A18= -0.21704E-22

第7面
κ= -13.1668
A4= 2.72000E-05
A6= -5.96150E-08
A8= -2.51320E-11
A10= 4.73940E-13
A12= 0.20073E-14
A14= -0.18435E-16
A16= 0.60550E-20
A18= 0.37962E-21

(各種データ)
F0= 10.30
FNO= 4.17
ω= 64.84°
Y= 21.60
TL= 132.78
BF= 38.10
hasp= 16.06

(可変面間隔データ)
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.02500 -0.1000
物面 ∞ 389.4939 80.4779
d7: 6.16247 6.48714 7.44994
d20: 3.50000 3.14287 2.08379
d28: 38.09977 38.13223 38.22851

(レンズ群データ)
群 始面 焦点距離
G1 1 -11.45313
G2 8 65.78006
G3 21 33.23661

(条件式対応値)
(1): (−X3)/X2 = 0.100
(2): F3/F2 = 0.505
(3): M2 = 2.746
(4): (−F1)/F0 = 1.112
(5):|Rasp|/hasp = 0.608
図4(a)、(b)はそれぞれ、第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図、第2実施例に係る広角レンズの近距離合焦撮影時(β=−0.025倍)の諸収差図を示す。
各諸収差図より、第2実施例に係る広角レンズは、諸収差が良好に補正され優れた結像性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
図5は、第3実施例に係る広角レンズのレンズ構成を示す断面図である。
第3実施例に係る広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成され、無限遠物点から近距離物点への合焦の際、第2レンズ群G2を像側に、第3レンズ群G3を物体側に同時に移動する構成である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向け像側の面に非球面量が大きい非球面を設けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向け像側の面に非球面を設けた負メニスカスレンズL13とから構成されている。また、負メニスカスレンズL13は、ガラスレンズと樹脂との複合よりなる複合型非球面レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL24と両凹形状の負レンズL25との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL26と、開口絞りSと、両凸形状の正レンズL27と両凹形状の負レンズL28との接合よりなる接合負レンズとから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、両凹形状の負レンズL32と両凸形状の正レンズL33との接合よりなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL34と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35との接合よりなる接合正レンズとから構成されている。
以下の表3に第3実施例に係る広角レンズの諸元値を示す。
(表3)第3実施例
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1) 44.7672 4.0000 1.816000 46.63
2) 24.5770 6.3000 1.000000
3) 28.7072 3.5000 1.729030 54.04
4)* 9.8772 15.4198 1.000000
5) 227.4516 2.0000 1.497820 82.56
6) 40.0000 0.5000 1.553890 38.09
7)* 60.5653 (可変) 1.000000
8) 100.2184 10.5567 1.717360 29.52
9) -18.3051 1.5000 1.816000 46.63
10) 9.8841 10.7268 1.620040 36.30
11) -40.9234 0.8000 1.000000
12) 209.2887 2.5000 1.516800 64.12
13) -10.4796 1.0000 1.755000 52.29
14) 293.3894 0.1000 1.000000
15) 26.0919 3.9432 1.517420 52.32
16) -15.0216 0.5000 1.000000
17> (絞り) ∞ 1.5000 1.000000
18) 102.8124 2.5000 1.516800 64.12
19) -11.1953 0.8000 1.772500 49.61
20) 151.9214 (可変) 1.000000
21) 360.5447 3.0000 1.516800 64.12
22) -20.1968 0.1000 1.000000
23) -82.8925 1.0000 1.834810 42.72
24) 22.5220 5.5000 1.497820 82.52
25) -23.9026 0.1000 1.000000
26) 99.3551 7.5000 1.497820 82.52
27) -15.0235 1.0000 1.772500 49.61
28) -38.2138 (可変) 1.000000
像面 ∞

(非球面データ)
第4面
κ= 0.1806
A4= -6.66750E-06
A6= 4.71250E-08
A8= -8.12750E-11
A10= -2.00840E-13
A12= -0.86484E-16
A14= 0.40631E-18
A16= -0.16090E-19
A18= -0.21704E-22

第7面
κ= -13.5207
A4= 2.63080E-05
A6= -4.19140E-08
A8= 3.00130E-11
A10= 5.91010E-13
A12= 0.23634E-14
A14= -0.22355E-16
A16= -0.17331E-19
A18= 0.40068E-21

(各種データ)
F0= 10.30
FNO= 4.12
ω= 64.90°
Y= 21.60
TL= 134.12
BF= 38.10
hasp= 16.35

(可変面間隔データ)
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.02500 -0.1000
物面 ∞ 390.2937 81.2892
d7: 6.16246 6.42633 7.20786
d20: 3.50000 3.10420 1.93191
d28: 38.09954 38.23147 38.62224

(レンズ群データ)
群 始面 焦点距離
G1 1 -13.49375
G2 8 81.46648
G3 21 34.59158

(条件式対応値)
(1): (−X3)/X2 = 0.500
(2): F3/F2 = 0.425
(3): M2 = 2.820
(4): (−F1)/F0 = 1.310
(5):|Rasp|/hasp = 0.604
図6(a)、(b)はそれぞれ、第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図、第3実施例に係る広角レンズの近距離合焦撮影時(β=−0.025倍)の諸収差図を示す。
各諸収差図より、第3実施例に係る広角レンズは諸収差が良好に補正され優れた結像性能を有していることがわかる。
以上の各実施例によれば、包括角2ω=129.7°を超え、さらにF4程度の口径を有し、小型で前玉径が小さく、球面収差、像面湾曲、非点収差、コマ収差が良好に補正され、無限遠物点から近距離物点への合焦時における諸収差変動が少ない高性能な広角レンズが実現できる。
なお、以下の内容は、本願の広角レンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
本願の広角レンズの数値実施例として3群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、4群等)の広角レンズを構成することもできる。具体的には、本願の広角レンズの最も物体側や最も像面側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。なお、レンズ群とは、空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
また、本願の広角レンズは、無限遠物点から近距離物点への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、又は複数のレンズ群を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させる構成としてもよい。また、かかる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ、例えば超音波モータ等による駆動にも適している。特に、本願の広角レンズでは第2レンズ群と第3レンズ群を合焦レンズ群とすることが好ましい。
また、本願の広角レンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振レンズ群として光軸に垂直な成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることで、手ブレによって生じる像ブレを補正する構成とすることもできる。特に、本願の広角レンズでは第3レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とすることが好ましい。
また、本願の広角レンズを構成するレンズのレンズ面は、球面又は平面としてもよく、或いは非球面としてもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができるため好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないため好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
また、本願の広角レンズにおいて開口絞りは第2レンズ群中に配置されることが好ましいが、開口絞りとして部材を設けずにレンズ枠でその役割を代用する構成としてもよい。
また、本願の広角レンズを構成するレンズのレンズ面に、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜が施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
次に、本願の広角レンズを備えた撮像装置について図面を参照しつつ説明する。図7は、第1実施例に係る広角レンズを備えた撮像装置(カメラ)の構成を示す図である。
本カメラ1は、図7に示すように撮影レンズ2として上記第1実施例に係る広角レンズを備えたデジタル一眼レフカメラである。
本カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして焦点板4に結像されたこの光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へ導かれる。これにより撮影者は、被写体像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の被写体からの光は撮像素子7上に被写体像を形成する。これにより被写体からの光は、当該撮像素子7により撮像され、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者は本カメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
ここで、本カメラ1に撮影レンズ2として搭載した上記第1実施例に係る広角レンズは、上記第1実施例において説明したように、その特徴的なレンズ構成によって、像面湾曲、非点収差、コマ収差が少なく、大画角を有する広角レンズを実現している。これにより本カメラ1は、像面湾曲、非点収差、コマ収差が少なく、大画角を有し広角撮影可能な薄型撮像装置を実現することができる。
なお、上記実施例では第1実施例に係る広角レンズを撮影レンズ2として搭載してカメラ1を構成した例を示したが、上記第1実施例以外の実施例に係る広角レンズを搭載しても上記カメラ1と同様の効果を奏することは言うまでもない。
以下、本願の広角レンズの製造方法の概略を図8に基づいて説明する。図8は、本願の広角レンズの製造方法を示す図である。
本願の広角レンズの製造方法は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する広角レンズの製造方法であって、図8に示す各ステップS1,2を含むものである。
ステップS1:
ステップS1は、広角レンズが、以下の条件式(1)を満足するように、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを含む光学部材を円筒状の鏡筒内に配置する。
(1) 0.01 < (−X3) / X2 < 0.90
ただし、X3は無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第3レンズ群の移動量、X2は無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第2レンズ群の移動量をそれぞれ示す。ただし、移動量は像方向に移動する場合を正とする。
ステップS2:
ステップS2は、無限遠物点から近距離物点への合焦を行う際に、前記第2レンズ群を像面側に、前記第3レンズ群を物体側に移動させる機構を配置する。
かかる本願の広角レンズの製造方法によれば、大画角を有し良好な光学性能を備えた広角レンズを製造することができる。
なお、上記各実施例は本発明の一具体例を示しているものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
G1: 第1レンズ群
G2: 第2レンズ群
G3: 第3レンズ群
S: 開口絞り
I: 像面
1: カメラ
2: 撮影レンズ
3: クイックリターンミラー
4: 焦点板
5: ペンタプリズム
6: 接眼レンズ
7: 撮像素子

Claims (12)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、
    前記第2レンズ群を像面側へ、前記第3レンズ群を物体側へ移動させることにより無限遠物点から近距離物点への合焦を行い、
    以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ。
    0.01 < (−X3) / X2 < 0.90
    ただし、
    X3:無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第3レンズ群の移動量
    X2:無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第2レンズ群の移動量
    ただし、移動量は像方向に移動する場合を正とする。
  2. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の広角レンズ。
    0.10 < F3 / F2 < 0.90
    ただし、
    F3:無限遠合焦時における前記第3レンズ群の焦点距離
    F2:無限遠合焦時における前記第2レンズ群の焦点距離
  3. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の広角レンズ。
    1.05 < M2 < 5.00
    ただし、
    M2:無限遠合焦時における前記第2レンズ群の横倍率
  4. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の広角レンズ。
    0.20 < (−F1) / F0 < 3.00
    ただし、
    F1:無限遠合焦時における前記第1レンズ群の焦点距離
    F0:無限遠合焦時における前記広角レンズの焦点距離
  5. 無限遠物点から近距離物点への合焦時に、前記第1レンズ群は固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  6. 前記第1レンズ群は少なくとも1枚の非球面負メニスカスレンズを有し、当該非球面負メニスカスレンズは、レンズ中心部から周辺部に向かうにつれて負の屈折力が小さくなる形状を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  7. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載の広角レンズ。
    0.30 < |Rasp| / hasp < 0.90
    ただし、
    Rasp:前記形状を有する前記非球面負メニスカスレンズの非球面の近軸曲率半径
    hasp:前記形状を有する前記非球面負メニスカスレンズの有効径の1/2(最大有効半径)
  8. 前記第1レンズ群は、前記非球面負メニスカスレンズとは別に非球面レンズを有することを特徴とする請求項6または7に記載の広角レンズ。
  9. 前記非球面レンズは、レンズ中心部よりも周辺部において負の屈折力が大きいことを特徴とする請求項8に記載の広角レンズ。
  10. 前記第1レンズ群は負レンズのみからなることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の広角レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
  12. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する広角レンズの製造方法において、
    前記第2レンズ群を像面側へ、前記第3レンズ群を物体側へ移動させることにより無限遠物点から近距離物点への合焦を行うように、物体側から順に、前記第1レンズ群と、前記第2レンズ群と、前記第3レンズ群とを配置し、
    以下の条件を満足するようにしたことを特徴とする広角レンズの製造方法を提供する。
    0.01 < (−X3) / X2 < 0.90
    ただし、
    X3:無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第3レンズ群の移動量
    X2:無限遠物点から近距離物点への合焦時における前記第2レンズ群の移動量
    ただし、移動量は像方向に移動する場合を正とする。
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