JP2011102867A - 光学補償フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明樹脂フィルム基材上に少なくとも2層以上のマレイミド系樹脂層を積層したフィルムを一軸延伸した光学フィルムであって、光学フィルムの面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸、面外方向をz軸、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny、z軸方向の屈折率をnzとして光学フィルムの延伸軸方向をx軸とした際、3次元屈折率関係がnx>ny>nzであること特徴とする光学補償フィルム。
【選択図】 なし
Description
一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位におけるR1は、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基,炭素数1〜18の分岐状アルキル基,炭素数1〜18の環状アルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基であり、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ラウリル基等が挙げられ、炭素数1〜18の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜18の環状アルキル基としては、例えばシクロヘキシル基が挙げられ、ハロゲン基としては、例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等があげられ、好ましくはn−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基であり、特に好ましくはn−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基である。
Re=|(nx−ny)|×d (2)
(ここで、dは光学補償フィルムの膜厚(nm)を示す)
更に、下記式(3)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲にあることが好ましく、さらに30〜1000nm、特に30〜500nmであることが好ましい。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (3)
(ここで、dは光学補償フィルムの膜厚(nm)を示す。)
該マレイミド系樹脂層の各層の厚みは、位相差フィルムとしての適応が期待できる光学補償フィルムとなることから10μm以下が好ましく、特に2〜10μmが好ましい。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、ジメチルホルムアミドを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
示差走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
透明性の一評価として、JIS K 7361−1(1997年版)に準拠して光線透過率の測定を行った。
透明性の一評価として、JIS K 7136(2000年版)に準拠してヘーズの測定を行った。
JIS K 7142(1981年版)に準拠してアッベ屈折率計(アタゴ製)を用いて測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器(株)製、商品名KOBRA−WR)を用いて仰角を変えて測定波長589nmの光でフィルム面内位相差量(Re)ならびに3次元屈折率を測定した。さらに、3次元屈折率より面外位相差量(Rth)を算出した。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド32.4g、重合開始剤としてジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.054gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し20gのN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は120,000であった。また、ガラス転移温度(以下、Tgと称する)は185℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ヘキシルマレイミド40g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.05gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し32gのN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は160,000であった。また、Tgは148℃であった。
ガラス封管中に、N−n−オクチルマレイミド28g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.032gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し15gのN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は270,000であった。また、Tgは138℃であった。
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂を50重量%のトルエンと50重量部のメチルエチルケトンからなる混合溶剤に溶解し、13重量%の樹脂固形分溶液を調整し、フィルムコーターを用いて厚み60μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルム基材(富士フィルム製、製品名フジタックTD60UL、厚さ60μm)の両面に塗工し、室温にて24時間乾燥することでそれぞれ幅270mm、厚さ5μmの塗工膜(マレイミド系樹脂層)を2層形成した。この塗工膜を形成したフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用いて、温度145℃、延伸速度10mm/min.、自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
実施例1において塗工膜を形成した後、自由幅一軸にてx軸方向に1.05倍延伸した以外は同様にしてフィルムを作成した。
トリアセチルセルロース樹脂フィルム基材(富士フィルム製、製品名フジタックTD60UL、厚さ60μm)の両面にそれぞれ幅270mm、厚さ7μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜を形成した後、この塗工膜を形成したフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用いて、温度145℃、延伸速度10mm/min.、自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
実施例1において塗工膜を形成した後、この塗工膜を形成したフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用い、延伸加工温度を180℃とした以外は、実施例1と同様の方法により自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
トリアセチルセルロース樹脂フィルム基材(富士フィルム製、製品名フジタックTD60UL、厚さ60μm)の片面に2回に分けてそれぞれ幅270mm厚み4μmの塗工膜を合計2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜を形成した後、この塗工膜を形成したフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用いて、温度145℃、延伸速度10mm/min.、自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
合成例2で得られたN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂を用い、溶剤としてクロロホルムを用いて、トリアセチルセルロース樹脂フィルム基材(富士フィルム製、製品名フジタックTD60UL、厚さ60μm)の両面にそれぞれ幅270mm厚み3μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜を形成した後、この塗工膜を形成したフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用いて、温度145℃、延伸速度10mm/min.、自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
合成例3で得られたN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂を溶剤としてクロロホルムを用いて、トリアセチルセルロース樹脂フィルム基材(富士フィルム製、製品名フジタックTD60UL、厚さ60μm)の両面にそれぞれ幅270mm厚み3μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜を形成した後、この塗工膜を形成したフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用いて、温度145℃、延伸速度10mm/min.、自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
実施例1において塗工する膜を片面2層、裏面1層の合計3層コートとし、それぞれの膜厚さを3μmとした以外は同様にして塗工、乾燥した後、自由幅一軸延伸した。
実施例2において、塗工するためのフィルム基材として環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン製、製品名ゼオノアフィルムZF14、厚さ100μm)である厚さ100μmに変えた以外は同様にして塗工膜を形成し、延伸加工を実施した。
実施例1においてN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂の溶液からなる塗工膜を形成させず、トリアセチルセルロース樹脂フィルム基材のみを用いた以外は、同様の方法によりこのフィルムを井元製作所製の二軸延伸装置を用いて、温度145℃、延伸速度10mm/min.、自由幅一軸にてx軸方向に1.2倍延伸した。得られた光学フィルムの物性を以下に示す。
実施例1においてN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂の溶液からなる塗工膜として片面に1層厚さ12μm形成させた以外は同様にして延伸加工を実施した。
実施例1において塗工膜を2層形成した後、一軸延伸しなかった。
Claims (6)
- 透明樹脂フィルム基材上に少なくとも2層以上のマレイミド系樹脂層を積層したフィルムを一軸延伸した光学フィルムであって、光学フィルム面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸、面外方向をz軸、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny、z軸方向の屈折率をnzとして光学フィルムの一軸延伸方向をx軸とした際、3次元屈折率関係がnx>ny>nzであることを特徴とする光学補償フィルム。
- 透明樹脂フィルム基材の片面2層以上或いは両面に1層以上にマレイミド系樹脂層を積層したフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
- それぞれ測定波長589nmの光で測定した際の下記式(2)で示される面内位相差量(Re)が10〜150nmの範囲内にあり、かつ下記式(3)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償フィルム。
Re=|(nx−ny)|xd (2)
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (3)
(ここで、dは光学補償フィルムの膜厚(nm)を示す。) - 40度傾斜させ、測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示される位相差量の波長依存性(R450/R589)が1.1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償フィルムよりなることを特徴とする液晶表示素子用光学補償フィルム。
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