JP2011185094A - ターボ分子ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸気口15を有する上ケース12内には、ロータ4に設けられたロータ翼4aとステータ翼6が多段に積層された翼排気部2が構成されている。ステータ翼6は上下に配置されたスペーサ5に挟まれて取り付けられる。最上段のスペーサ5の上面は、最上段のロータ翼4aの上面より吸気口15側に配置され、この最上段のスペーサ5上に上ケース12の絞り部12aの内面から離間して衝撃干渉部材20が設けられている。
【選択図】図2
Description
ターボ分子ポンプは排気速度を大きくするためにロータの回転速度を大きくし、また、ロータ翼の直径を可能な限り大きくしている。このため、ターボ分子ポンプが取り付けられる装置の排気系の口径よりもターボ分子ポンプのロータ翼の直径の方が大きくなることもある。この場合には、ターボ分子ポンプの吸気口の直径を、取り付けられる装置のサイズに合わせる必要がある。このためには、ケース部材に、ロータ翼の外周部分を覆う絞り部を設けて、ケース部材に設ける吸気口の直径をロータ翼の直径よりも小さいサイズにする。
しかし、ロータが分裂した場合、ロータには、遠心力による半径方向外側への力と共に軸方向へのスラスト力が作用しているため、破片は螺旋状を描きながら吸気口側に飛散する。
このため、ロータ翼の直径より小さい吸気口を有し、そのためにロータ翼の直径より小さい絞り部を有するケース部材を備えたターボ分子ポンプに対しては、上記先行文献に記載された内部ケースでは、ケース部材への衝撃を低減することができない。
図1は、以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明によるターボ分子ポンプの一実施の形態を示す断面図である。図1に図示されたターボ分子ポンプ1は、磁気軸受式ターボ分子ポンプである。ターボ分子ポンプ1は、上ケース12とベース13とがシール部材42により外部から密封されたケース部材11を備えている。ケース部材11の内部中心には、複数段のロータ翼4aを有するロータ4が回転可能に配置されている。
しかし、本発明のターボ分子ポンプにおいては、上ケース12の絞り部12aの前面に衝撃干渉部材20が配置されている。分裂したロータ4の破片は衝撃干渉部材20に衝突し、衝撃干渉部材20が変形することにより、破片のもつ運動エネルギが吸収される。
実施形態1におけるターボ分子ポンプ1は、最上段のロータ翼4aと上ケース12の絞り部12aとの間に配置された衝撃干渉部材20のみを有する。
分裂したロータ4の飛散運動を考慮すれば、実施形態1に示されたターボ分子ポンプ1は、十分、ケース部材11への衝撃を緩和することが可能である。
実施形態2として図3に示すターボ分子ポンプ1Aは、ケース部材11への衝撃緩和に対し、より厳密な構造を有する。
図3に図示されたターボ分子ポンプ1Aが、実施形態1のターボ分子ポンプ1と異なる1つの相違点は、ケース部材11内に衝撃干渉部材20と共に保護用の内ケース61を備えている点である。また、他の相違点は、ネジステータ63が内ケース61と成形により一体化して形成されている点である。
その他の構成および機能は、実施形態1におけるものと同様であり、同一の構成要素に同一の参照番号を付して説明を省略する。
衝撃干渉部材20は、図2に図示される構造に限られるものではなく、種々、変形して用いることができる。以下に、衝撃干渉部材20の変形例を数例示す。
図4は、衝撃干渉部材の変形例1を示す斜視図である。図4に図示された衝撃干渉部材70は、基部71と、基部71に一体に形成された多数の突出部72を有する。各突出部72は中心側に向けて上昇するように傾斜しており、各突出部72間はスリット状の開口部73により離間されている。
すなわち、この変形例1は、衝撃干渉部材70に、真空排気の抵抗を緩和するために設けられる開口部を、スリット状にしたものである。
図5は、衝撃干渉部材の変形例2を示す斜視図である。図5に図示された衝撃干渉部材80は、全体が平坦な形状とされたものである。
この衝撃干渉部材80は、リング状の基部81に、その内周側において連通する多数のスリット状の開口部83を設け、この開口部83により相互に離間された多数の突出部82が形成されている。換言すれば、変形例1に示す衝撃干渉材70を、その全体を平坦としたような形状を有している。
この場合、内周側に連通するスリット状の開口部83を、内周側に連通しない、円形や楕円形の貫通孔としてもよい。
図6は、衝撃干渉部材の変形例3を示す斜視図である。図6に図示された衝撃干渉部材90は、基部91上に、メッシュ部92が設けられた構造を有する。
メッシュ部92は、多数の細孔が形成されるように金属細線を織った金属織布あるいは、無数の細孔が形成された金属板等により形成されている。メッシュ部92は、図6では基部91に対して傾斜して形成されているが、基部91と平坦状に形成してもよい。
4 ロータ
4a ロータ翼
5 スペーサ
6 ステータ翼
11 ケース部材
12 上ケース
13 ベース
15 吸気口
20、70、80、90 衝撃干渉部材
22 傾斜部
23、73、83 開口部
Claims (6)
- スペーサに支持されたステータ翼と、ロータ翼とがロータの軸方向に積層して配置され、最上段のロータ翼側に吸気口が形成されたケース部材を有し、前記ケース部材の吸気口の直径が前記ロータ翼の直径より小さいサイズであるターボ分子ポンプにおいて、
前記最上段のロータ翼の上面側における前記ケース部材内面と前記最上段のロータ翼の上面との間に、少なくとも一部が前記ケース部材の内面から離間した衝撃干渉部材が設けられていることを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、前記衝撃干渉部材は、前記ケース部材の内面に案内されて回動可能なリング形状を有することを特徴とするターボ分子ポンプ。
- 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、最上段のスペーサは前記最上段のロータ翼の上面より前記吸気口側に近い上面を有し、前記衝撃干渉部材は、前記最上段のスペーサの上面上に載置されていることを特徴とするターボ分子ポンプ。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のターボ分子ポンプにおいて、前記ステータ翼と前記ロータ翼が積層された領域における前記ケース部材の内面に、前記ケース部材の内面から離間して保護用の内部ケースが設けられていることを特徴とするターボ分子ポンプ。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のターボ分子ポンプにおいて、前記衝撃干渉部材は、厚さ方向に貫通する開口部を有することを特徴とするターボ分子ポンプ。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のターボ分子ポンプにおいて、前記衝撃干渉部材は、平坦な基部と、前記基部に一体に形成され、内周側が前記吸気口側に向かって上り勾配である傾斜部とを有することを特徴とするターボ分子ポンプ。
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