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JP2011022556A - スクリーン、投影システム、フロントプロジェクションテレビ及びスクリーンの製造方法 - Google Patents

スクリーン、投影システム、フロントプロジェクションテレビ及びスクリーンの製造方法 Download PDF

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JP2011022556A JP2010064037A JP2010064037A JP2011022556A JP 2011022556 A JP2011022556 A JP 2011022556A JP 2010064037 A JP2010064037 A JP 2010064037A JP 2010064037 A JP2010064037 A JP 2010064037A JP 2011022556 A JP2011022556 A JP 2011022556A
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Abstract

【課題】視認性を向上させることができるスクリーン及びスクリーンの製造方法を提供する。
【解決手段】スクリーン1は、投射光を反射する反射面を有している。スクリーン1の反射面には、複数個の凸部111が配置されている。凸部111は、光反射特性を有する1/4球面状の球面112と、球面112よりも曲率が大きく形成され、球面112の端部に沿って設けられた曲面113と、曲面113の端部に設けられた平面状の蓋面114とを有する。球面112は、プロジェクター2の投射光を正面方向に反射する。曲面113は、当該投射光の入射方向とは別方向からの外光を拡散して反射する。これにより、スクリーンゲイン及びコントラストを向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーン、投影システム、フロントプロジェクションテレビ及びスクリーンの製造方法に関する。
従来から、プロジェクター等の投射光を反射させて画像を視認可能とする反射型スクリーンが知られている。最近では、投射光の反射面に多数のマイクロレンズ(マイクロレンズアレイ)、すなわち微細な半球状凸部を形成する構造によって光学特性を向上させた反射型スクリーンが提案されている。
下記の特許文献1には、円形パターンの親液性領域に紫外線硬化樹脂を吐出し、親液性領域と他の領域(撥液性領域)との間の濡れ性の相違により、当該樹脂の組成物を親液性領域上に盛り上げ、硬化させることで半球状の凸部のマイクロレンズを形成する技術が提案されている。
また、下記の特許文献2の図2には、このようなマイクロレンズの形状を、半球状凸部を半分にした1/4球状の凸部によって構成する技術が開示されている。
特開2003−195029号公報 特開2006−215162号公報
しかしながら、このような反射面に多数の微細な凸部又は凹部が形成されたスクリーンにおいては、投射光が直接入射される部分についてはスクリーンゲインを向上させるが、投射光が直接入射されない部分はスクリーンゲインの向上に殆ど寄与しない。
例えば、スクリーンに対して投射光を下方から斜めに入射する場合、凸部のマイクロレンズの場合ではレンズ上部に光が入射されない部分が存在してしまい、凹部のマイクロレンズの場合ではレンズ下部に光が入射されない部分が存在してしまう。そして、これら部分はスクリーンゲインの向上には殆ど寄与しない。
従って、半球状凸部のマイクロレンズが反射面に形成されたスクリーンでは、スクリーンゲインを十分に向上できず、スクリーンに投射される画像の視認性も低下するという問題があった。
そこで特許文献2に記載されているような、1/4球状の凸部を投射光の入射方向に向けて隣接配置させることが考えられる。これによれば、前記スクリーンゲインの向上に寄与しない部分を減らし、寄与する部分を増やすことができる。
しかしながら、この場合、天井灯等の外光の影響を受けて、コントラストが低下するという課題があった。
すなわち、例えば、前記のようにスクリーンに対して投射光を下方から斜めに入射する場合、1/4球状の凸部の反射膜が形成された球面を下方に配置し、平面部を上方に配置することになる。材質にもよるが、反射膜が形成されていない平面部もある程度の反射特性を有している。したがって、この場合、天井灯等の外光が上方からスクリーンに入射されると、当該平面部において外光が反射され、その反射光が上隣の凸部の球面部に入射され、正面方向に反射されてしまい、コントラストが低下してしまう。このため、スクリーンに投射される画像の視認性も低下するという問題があった。
本発明は、投射される画像の視認性を向上させることができるスクリーン、投影システム、フロントプロジェクションテレビ及びスクリーンの製造方法を提供するものである。
本発明は、投射光を反射する反射面を有するスクリーンであって、前記反射面には、複数個の凸部が配置され、前記凸部は、1/4球面状の球面と、前記球面よりも曲率が大きく形成され、前記球面の端部に沿って設けられた曲面と、前記曲面の端部に設けられた平面状の蓋面とを有することを特徴とする。
ここで、前記1/4球面状の球面とは、1/4球の球面だけでなく、それに近似するものも含む。例えば、1/4球においては、2つの断面(半径方向の断面)の交差角度は90度であるが、この交差角度が例えば80度以上90度以下等に設定された略1/4球面状の球面等も含むものである。また、1/4球においては、2つの断面は半円状となるが、この断面形状を中心角が例えば120度以上240度以下の扇形に形成された略1/4球面状の球面等も含むものである。
また、平面状の蓋面とは、完全な平面のものに限定されるものではなく、多少湾曲していても全体として平面と見なせるものも含む。
さらに、球面の端部とは、1/4球における2つの断面のうち、反射面に対して公差する断面の外周円部分を意味する。また、曲面の端部とは、前記曲面において球面に連続しない側の外周縁部分を意味する。さらに、前記蓋面は、前記曲面の端部から連続して設けられ、前記反射面に交差する面である。
本発明では、1/4球面状の球面よりも曲率が大きい曲面を、当該球面の端部に沿って設け、さらに曲面の端部に沿って平面状の蓋面を設けているため、凸部全体の大きさを、前記1/4球面と同じ曲率の半球面を有する半球状凸部よりも小さくできる。
このため、本発明の凸部は、半球状の凸部に比べて、同じ面積内により多くの凸部を配置することができる。ここで、スクリーンに対して斜め方向から投射光が入射される場合、半球状の凸部では頂点を挟んで入射光側の面には光が当たるが、反対側は陰となって光が当たらない。すなわち、半球状の凸部においても光を反射できるのは、約1/4球面部分であり、本発明の凸部の球面と略同じ面積である。
従って、本発明の凸部は、同じ曲率の半球状の凸部に比べて光を反射する球面の部分が同じ面積である一方で、凸部全体の大きさを小さくできる。このため、本発明によれば、半球状の凸部を配置する場合に比べて、同一面積のスクリーン内により多くの凸部を配置でき、スクリーン全体における反射面積を大きくでき、スクリーンゲインを飛躍的に向上させることができる。
さらに、本発明では、凸部の球面に光が当たるようにスクリーンを配置する必要があるが、半球状の凸部と同様に、反射面に入射される投射光を球面によってスクリーン正面方向に効率よく反射することができる。従って、特に近接投射型のプロジェクター用のスクリーンとして適したものにできる。
また、本発明では、球面の端部に沿って曲面が設けられているため、当該曲面において、投射光の入射方向とは別方向から入射される外光が拡散して反射される。このため、この反射された外光が、外光の入射方向に隣り合って配置された他の凸部の球面に入射してスクリーン正面側に反射されるのを防ぐことができ、画像のコントラストを向上させることができる。
従って、本発明によれば、スクリーンゲインおよび画像のコントラストを向上できるの、スクリーンに投射される画像の視認性を向上させることができる。
例えば、スクリーンの中央前方斜め下側からスクリーンに向けて投射光が入射される場合には、各凸部の球面が垂直下方に向く方向にスクリーンを配置する。前記投射光を球面に入射すれば、投射光は、球面によってスクリーン前方にバランスよく反射される。
また、この場合、曲面は上方を向くことになる。スクリーンには、投射光以外に外光も入射される。スクリーンの上方から入射される天井灯等の外光は、スクリーンの特性に対する影響が大きい。曲面が設けられていない場合、上方から入射される外光は、蓋面によって反射され、この反射光がさらに上隣の凸部の球面に入射されて正面方向に反射されてしまう。しかし、本発明では、上方を向く曲面を有するため、上方から入射される外光は、この曲面で拡散反射される。したがって、外光の反射光が上隣の凸部の球面でさらに反射されるのを防ぐことができ、コントラストを高めることができる。
本発明のスクリーンにおいて、前記球面には、光反射特性が前記球面よりも優れた反射膜が形成されていることが好ましい。
この反射膜は、凸部が形成されたスクリーンの基板の球面に、蒸着等の方法で形成される。すなわち、反射膜は、凸部の球面上に積層される。
このように、凸部の球面に反射膜を形成すれば、球面に入射された光の反射特性を向上でき、スクリーンゲインもより一層向上できる。
また、凸部自体に反射特性を求める必要がないため、スクリーンの基板の材料選択の自由度も向上できる。
本発明のスクリーンにおいて、前記凸部は、前記反射面に沿った平面から突出して形成され、前記凸部の球面、曲面、蓋面が配置される第1方向に沿って、かつ、前記平面に直交するとともに、前記凸部の第1方向に直交する第2方向の中心を通る断面形状において、前記球面と平面とが交わる点を点A、球面と曲面とが交わる点を点B、曲面と蓋面とが交わる点を点C、蓋面と平面とが交わる点を点D、前記球面の中心点を点Oとすると、前記点A,B間は半径Rの円弧とされ、点B,C間は前記半径Rよりも小さい半径R1の円弧とされ、点C,D間は直線とされ、点D,A間は点Oを通る直線とされていることが好ましい。
なお、スクリーンが垂直に配置されている場合であり、第1方向がスクリーンの反射面に沿った上下方向であれば、第2方向はスクリーンの反射面に沿った水平方向となる。この場合、前記断面は、凸部の左右方向(水平方向)の中心軸を通り、かつ、反射面に直交する垂直な断面となる。
ここで、球面の曲率は半径Rの逆数である1/Rとなり、曲面の曲率は半径R1の逆数である1/R1となる。ここで、R>R1であるから、1/R<1/R1となり、曲面の曲率は球面の曲率よりも大きくなる。
このような構成によれば、曲面において、投射光の入射方向とは別方向から入射される外光が拡散して反射されるため、この反射された外光が、外光の入射方向に隣接する凸部の球面に入射してスクリーン正面側に反射されるのを防ぐことができ、画像のコントラストを向上させることができる。従って、本発明によれば、スクリーンゲインおよび画像のコントラストを向上でき、スクリーンに投射される画像の視認性を向上させることができる。
なお、本発明の凸部は、前記点A,B,C,Dで囲まれる断面形状を、点A,Dを結ぶ線分ADを回転軸として180度の範囲で回転させた際の軌跡によって区画される立体形状を備えるように構成できる。この際、球面は前記点A,B間の円弧の回転軌跡で表され、曲面は点B,C間の円弧の回転軌跡で表され、蓋面は点C,D間の直線の回転軌跡で表されることになる。
本発明のスクリーンにおいて、前記点D,O間の距離をL1とした場合、前記L1は、前記半径Rの1/4以上、1/2以下であることが好ましい。
前記距離L1が半径Rの1/2よりも大きいと、凸部全体の大きさが半球状凸部に近づくことになる。このため、反射面において凸部を配置できる数が少なくなり、スクリーンゲインが低下する。これに対し、本発明のように、距離L1が半径Rの1/2以下であれば、距離L1が半径Rの1/2よりも大きい場合に比べて、凸部全体の大きさを小さくでき、凸部を配置できる数も増加し、スクリーンゲインを向上できる。
また、距離L1が半径Rの1/4よりも小さいと凸部全体が略1/4球状となり、曲面の面積も小さくなる。このため、投射光以外の外光が曲面ではなく蓋面で反射されてしまい、この反射光が球面でスクリーン正面側に反射され、投影画像のコントラストを低下させる。これに対し、本発明のように、距離L1が半径Rの1/4以上であれば、距離L1が半径Rの1/4よりも小さい場合に比べて、曲面の面積を大きくでき、外光を曲面で散乱させてスクリーン正面側への反射を防止できるので、投影画像のコントラスト低下を防止できる。
本発明のスクリーンにおいて、前記第1方向に沿って配置される複数の凸部間の距離をL2とした場合、前記L2は、0以上、L1以下であることが好ましい。
ここで、距離L2が「0」とは、各凸部は第1方向に沿って隙間無く配置されていることを意味する。従って、各凸部は、第1方向に沿って、少なくとも距離L1以下の間隔で配置されていることになる。
このように、前記距離L2がL1以下であれば、L1は1/2R以下であるため、距離L2は1/2R以下となる。従って、各凸部は少なくとも、半球状凸部が隙間無く配置されている場合よりも互いに近接して配置されるため、凸部の配置数を増やすことができ、スクリーンゲインも向上できる。
本発明のスクリーンにおいて、前記凸部の球面から曲面に向かう方向を前記第1方向とした場合、前記第1方向の基端側に配置された凸部間の距離は、前記第1方向の先端側に配置された凸部間の距離よりも小さく設定されていることが好ましい。
例えば、プロジェクターがスクリーンの下側から斜め上方に光を投射している場合、前記凸部は球面が下側に向くように配置される。このため、凸部の球面から曲面に向かう方向(第1方向)は上方となる。この場合、第1方向の基端側つまりスクリーンの下端側に配置された凸部間の第1方向の距離は、第1方向の先端側つまりスクリーンの上端側に配置された凸部間の第1方向の距離よりも小さくされる。
このような構成によれば、投射光のスクリーン反射面に対する入射角度(スクリーンに直交する方向に対する投射光の角度)は、スクリーン下端側が小さく、スクリーン上端側が大きくなる。
入射角度が小さい場合には、投射光は、スクリーンに対して正面側から投射されることになる。このため、凸部の球面に対しても正面側から光があたり、隣に配置された凸部で光が遮られることが殆ど無い。従って、各凸部間の隙間を小さくすることができ、これにより反射面積を大きくしてスクリーンゲインも向上できる。
一方、入射角度が大きい場合には、スクリーンに対して斜め方向から投射されることになるため、凸部が近接して配置されているとその凸部で光が遮られるため、球面において光があたる面積が小さくなる。そこで、各凸部間の距離を大きくすることで、凸部の球面において光があたる面積を大きくできる。但し、前記凸部間の距離を広げすぎると、凸部の配置数が少なくなるため、前記凸部間の距離L2は最大でもL1以下に設定することが好ましい。
なお、前記点A,O間の線分AOと、点B,O間の線分BOの交差角度、すなわち、∠AOBは、80度以上、90度以下であることが好ましい。
前記角度が80度未満では、球面の面積が減るため球面による反射特性に影響するからであり、90度以上では、曲面の位置がずれてしまい、前記曲面による外光の反射に影響するからである。
また、前記点O,B間の線分OBと、点B,C間の線分BCの交差角度、すなわち、∠OBCは、30度以上、50度以下であることが好ましい。
前記角度が30度未満では、曲面での反射光が外光の入射方向に隣接する凸部の球面に多く入射されてしまいコントラストに影響するからであり、50度よりも大きいと曲面での反射光が反射面の正面方向に多く反射されてしまいコントラストに影響するからである。
さらに、前記曲面及び蓋面は、光吸収特性を有することが好ましい。
光吸収特性を備えさせることで、曲面及び蓋面における前記外光の反射を防止することができる。従って、より確実に前記隣接する凸部での外光の反射を防止することができ、よりコントラストを向上することができる。
本発明の投影システムは、前述したスクリーンと、前記スクリーンの凸部の球面に光を投射する投影機とを備えることを特徴とする。
本発明のフロントプロジェクションテレビは、前述したスクリーンと、前記スクリーンの凸部の球面に光を投射する投影ユニットと、前記スクリーンおよび投影ユニットが収納された筐体とを備えることを特徴とする。
このような投影システムやフロントプロジェクションテレビによれば、前述したスクリーンを備えているので、前述したスクリーンによる作用効果が得られる。このため、スクリーンゲインやコントラストを向上でき、投射される画像の視認性を向上させることができる
本発明のスクリーンの製造方法は、投射光を反射面で反射するスクリーンの製造方法であって、1/4球面状の球面と、前記球面よりも曲率が大きく形成され、前記球面の端部に沿って設けられた曲面と、前記曲面の端部に設けられた平面状の蓋面とを有する凸部が設けられた基板を形成し、前記凸部の球面に反射膜を形成してスクリーンを製造することを特徴とする。
本発明によれば、反射膜を有する前記スクリーンを製造できるので、スクリーンゲインおよび画像のコントラストを向上でき、スクリーンに投射される画像の視認性を向上させることができる。
本発明のスクリーンの製造方法において、原盤に、複数個の親液領域と、当該親液領域に対して相対的に撥液性を有する撥液領域とをパターニングするパターニング工程と、前記親液領域に樹脂液を塗布し、塗布した樹脂液を硬化させることで前記原盤上に凸部を形成する凸部形成工程と、前記凸部が形成された原盤の凸部形成面、又は、当該原盤の転写により凹部が形成された成形型を転写して形成された基板の凸部形成面に、反射膜を形成してスクリーンを製造するスクリーン製造工程とを有し、前記パターニング工程は、前記親液領域を半月状にパターニングし、前記スクリーン製造工程は、前記反射膜を前記半月状に基づき形成される球面に形成することが好ましい。
本発明では、撥液領域によって囲まれた親液領域上に樹脂液を塗布して塗布した樹脂液を硬化するため、親液領域上に盛り上がるように曲面状の凸部を形成することができる。そして、この凸部が形成された原盤を基板として用いてスクリーンを製造したり、当該原盤の転写により凹部が形成された成形型を転写して形成された基板を用いてスクリーンを製造するため、親液領域の形状に応じて半球状以外の形状の凸部をスクリーンの反射面に簡便に形成することができる。
パターニング工程において、親液領域を半月状としているため、当該半月状の親液領域上に盛り上がって形成された球面を有する構成の凸部を容易に形成することができる。
スクリーン製造工程において、反射膜を当該半月状に基づき形成される球面に形成するため、当該球面に光反射特性を持たせることができる。
以上のことから、本発明では、前記スクリーンと同様の形状の凸部が形成されたスクリーンを容易に製造することができる。
本発明の第1実施形態による画像投影システムの構成を示す図である。 スクリーンの反射面の部分的な斜視図である。 反射面の凸部形状中央部の断面形状を示す図である。 反射面の凸部形状の正面図である。 スクリーンの製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。 原盤製造工程を説明するための部分断面図である。 半月状の親液領域の形状を示す図である。 半月状の親液領域の他の形状の具体例1を示す図である。 半月状の親液領域の他の形状の具体例2を示す図である。 半月状の親液領域の他の形状の具体例3を示す図である。 半月状の親液領域の他の形状の具体例4を示す図である。 成形型製造工程を説明するための部分断面図である。 スクリーン製造工程を説明するための部分断面図である。 第2実施形態における親液領域の形状を示す図である。 変形例における画像投影システムの構成を示す図である。 変形例におけるフロントプロジェクションテレビを示す斜視図である。
以下、本発明のスクリーン及びスクリーンの製造方法について、実施形態を用いて順次説明する。
本発明のスクリーンは、投射光を反射する反射面に複数個の凸部が配置された構成を備えており、この凸部は、球面と曲面と蓋面を有する構成とされる。そして、前記球面によってプロジェクターの投射光を反射面の正面方向に反射し、前記曲面によって当該投射光以外の天井灯等の外光を拡散して反射する構成を有する。
一方、本発明のスクリーンの製造方法は、原盤に所定パターンの親液領域と撥液領域とをパターニングし、当該親液領域上に樹脂液を塗布して、親液領域上に樹脂液を盛り上げた状態で硬化させることで、本発明の態様によるスクリーンのような半球状以外の凸部を形成するものである。
[1.本発明の第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態におけるスクリーン及びその製造方法について図面を参照しながら順に説明する。なお、以下の各図面では、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を適宜変更している。
[1−1.スクリーン]
図1は、本発明の第1実施形態によるスクリーンを備えた画像投影システムを示す図である。図1における拡大部はスクリーンの断面形状を示している。
この画像投影システムは、スクリーン1とプロジェクター(投影機)2とを備えた構成とされている。スクリーン1は、プロジェクター2から投射される投射光を反射して視聴者に画像を視認させる反射型のスクリーンである。プロジェクター2は、スクリーン1との距離が短くてよい(例えば投射距離が60cm程度)、近接投射型のプロジェクターである。
[1−1−1.スクリーンの構成]
スクリーン1は、基板11と、基板11上に形成された反射膜12とを備えた構成を有している。スクリーン1において、この反射膜12が形成された面が画像を映し出す反射面となる。
基板11の材料は、一般的にスクリーン1の基板として用いられるものであればよく、特に限定されるものではない。この材料としては、具体的には、紫外線硬化樹脂等の各種樹脂材料、シリコーンゴム等が挙げられる。基板11の厚さは、基板材料やスクリーン1の種類に応じて適切な厚さであればよい。
基板11の反射面には、多数の微細な凸部111が形成されている。ここで、凸部111の形状について詳細に説明する。従来、基板上に微細な凸部によるマイクロレンズを形成して反射型のスクリーンを構成する場合、各凸部は、製造の困難性等の観点から全て半球状に構成していた。しかし、本実施形態の凸部111は、以下に説明する構成を有している。
本実施形態では、反射面に対して垂直斜め下方から入射されるプロジェクター2の投射光を、反射面において正面方向に反射する。また、スクリーンの特性に影響の大きい外光は、主として反射面に対して上方から入射される。例えば、ここでいう外光は、天井に設置されている照明である。スクリーンの設置環境において、通常、スクリーンの真上など非常に近接した位置に照明が位置することはなく、また、スクリーンから距離のある照明は、スクリーンへの影響が少なくなる。従って、天井等のスクリーンの上方に設置されている照明の場合、スクリーンに対して30〜60度程度の入射角を持つ外光がスクリーンの特性に影響を与えやすい。そこで、凸部111は、これら入射方向に応じて構成される。
図2は、スクリーン1の反射面の部分的な斜視図である。図3は、反射面の凸部形状中央部の断面図である。すなわち、図3は、凸部111の左右方向の中心を通り、かつ、平面110に対して直交する断面図である。また、図4は、凸部形状の正面図である。
図1,2に示すように、前記凸部111は、スクリーン1の反射面における平面110から突出して形成されている。本実施形態では、前記平面110は垂直面とされている。
図2〜図4に示すように、凸部111は、球半径Rの球面112と、曲面113と、蓋面114とを備えて構成されている。
球面112は、約1/4球状(半球を等分した形状)の凸面状の球面で構成され、垂直下方から斜めに向けて入射される投射光を反射面の正面方向に反射するように、当該球面が垂直下方を向くように設けられている。この球半径Rは、スクリーン1の解像度保持、生産性の観点等から適宜設定される。例えば、球半径Rは、50μm以上、画素サイズの4分の1以下であることが好ましい。これは、小さすぎると干渉縞が発生し外観を損ねるからであり、また、投影するプロジェクター2の画面の大きさに依存するが、大きすぎると画質が粗くなるためである。なお、球面112は、完全な球面であることが望ましいが、製造上の観点等から必ずしも完全な球面でなくてもよい。
投射光が反射面に対して垂直上方から斜めに投射される場合には、凸部111の形状を上下方向逆の構成としてもよい。また、投射光が水平左方から投射される場合には、球面112が水平左方を向き、曲面113が水平右方を向く構成としてもよい。同様に、投射光が水平右方から投射される場合には、球面112が水平右方を向き、曲面113が水平左方を向く構成としてもよい。これによって、球面112を、投射光の入射方向に応じた向きとすることができる。なお、垂直・水平方向に限らず、斜め方向からの投射に対応するように、球面112が斜め方向を向くようにしてもよい。
スクリーン1の反射面が回転自在な構造とされている場合には、球面112がいずれか一方向を向くようにしておけば、プロジェクター2の投射光の投射方向が変化しても、それに応じて球面112が向く方向を変えることができる。例えば、垂直下方からの投射であったものを垂直上方からの投射に変更する場合、スクリーン1を180度回転させることで球面112を垂直上方に向けることができ、垂直上方からの投射に対応させることができる。
凸面状の曲面113は、球面112の上端縁に沿って設けられている。すなわち、曲面113は球面112の上端縁から上方に延長されて設けられている。
また、曲面113の曲率は、球面112の曲率よりも大きく設定されている。すなわち、球面112の曲率半径をRとした場合、その曲率は曲率半径Rの逆数1/Rである。また、曲面113の曲率半径をR1とした場合、その曲率は曲率半径R1の逆数1/R1である。そして、図3にも示すように、曲面113の曲率半径R1は球面112の曲率半径Rよりも小さくされているので、曲面113の曲率(1/R1)は球面112の曲率(1/R)よりも大きくなる。
なお、曲面113の曲率は一定値でなくてもよく、途中で変化してもよい。すなわち、曲面113は、その曲率が球面112の曲率よりも大きい条件を満たせばよい。
蓋面114は、曲面113の上端縁から平面110まで連続して設けられている。本実施形態では、蓋面114は水平な平面とされている。なお、蓋面114は、完全な平面であることが望ましいが、製造上の観点等から必ずしも完全な平面でなくてもよい。すなわち、僅かに湾曲などしていても全体として平面と見なせるものであればよい。
このような形状の凸部111は、上下方向に複数個配置されている。これにより、凸部111に対して上方から入射し、スクリーンに対して30〜60度程度の入射角を持つ外光は、主に曲面113に入射される。なお、球面112及び曲面113が向く方向は、前述の通り、投射光の入射方向と、前記投射光でスクリーン1に表示される画像に対し、影響を与える外光の入射方向に応じて適宜設定すればよい。
凸部111の形状について、より詳しく説明する。
凸部111は、図3に示すように、凸部111の左右方向の中心軸を含み、かつ、平面110に対して交差する断面が、点A〜Dにより囲まれた形状を有している。すなわち、点AB間の円弧曲線は、球面112によるものであり、点BC間の円弧曲線は、曲面113によるものである。また、点CD間の直線は、蓋面114によるものであり、点DA間の直線は、凸部111の底面115によるものである。なお、底面115は、スクリーン1の平面110において、凸部111が形成された領域を示すものである。
なお、図示するように、点Aは、凸部111の底面115と球面112とが交わる点であり、点Bは、球面112と曲面113とが交わる点である。また、点Cは、曲面113と蓋面114とが交わる点であり、点Dは、蓋面114と凸部111の底面115とが交わる点である。さらに、点Oは、球面112の中心点であり、点Pは曲面113の中心点である。
すなわち、球面112の中心点を点Oとすると、点AB間は、半径Rの円弧曲線で構成される。なお、前記点Aと、点Oと、点Bとにより成す角度、すなわち∠AOBは、投射光の入射方向、反射特性等を考慮して、80〜90度で構成される(第1構成要件)。
点BC間は、点AB間の円弧曲線よりも曲率の大きい曲線で構成され、球面112の中心点Oと、点Bと、点Cとにより成す角度、すなわち∠OBCは、前記外光の入射方向等を考慮して、30〜50度で構成される(第2構成要件)。
また、点OD間の距離L1は、点AB間の円弧曲線の半径R(球面112の球半径R)の半分以下の距離とされている(第3構成要件)。点CDを結ぶ面(蓋面114)は、図示したように、水平面で構成することが好ましい。
上下に並ぶ凸部111間の間隔L2を一定値に設定する場合、蓋面114が水平面であれば、傾斜している場合や曲面である場合と比較して、凸部111を垂直方向において多く配置することができ、反射面における球面112の面積(反射面積)を大きくできるため、スクリーンゲインをより向上させることができる。
このように、蓋面114は、水平面で構成することが好ましいが、前記第1〜第3構成要件を全て満たすのであれば傾斜していてもよい。但し、蓋面114を傾斜させる場合には、後述するように、製造時に凸部111を型から外すことができるように、点Dは点Cよりも上方に位置する必要がある。すなわち、本実施形態では、蓋面114は水平面であるため、点OD間の距離L1は、点CP間の距離R1と一致する。
一方、蓋面114を傾斜させる場合、蓋面114がアンダーカットとならないように、点OD間の距離L1がCP間の距離R1以上となるように設定する。この場合、点OD間の距離L1を大きくして蓋面114の傾斜角度を大きくすると、上下の凸部111において球面112が配置される間隔も大きくなり、反射面積が小さくなる。このため、スクリーンゲインも低下してしまう。従って、蓋面114を傾斜させる場合、前記距離L1は、半径Rの1/2以下に抑えることが好ましい。
なお、蓋面114は、平面でなく曲面であってもよい。ただし、前述のとおり、蓋面114がアンダーカットとならないように、曲面(蓋面114)の頂点が点Dよりも上にならない面で、かつ、曲面の最下点が点Cとなるように構成する。このため、蓋面114を曲面で構成する場合、その曲率は非常に小さくなり、ほぼ平面と見なすこともできる。
このように蓋面114を構成するのは、基板11を型の転写により成形する場合に、型から基板11が抜けなくならないようにするためと、上隣の球面112との干渉を防ぐために、上隣の凸部111の位置を離す必要が生じるためである。
以上のように、凸部111は、凸部111の左右方向の中心軸(点AODを結ぶ軸線)を含み、かつ、平面110に対して交差する断面が点A〜Dにより囲まれた形状を有している。従って、凸部111の立体形状は、図3に示す断面における点ABCDで囲まれた部分を、前記中心軸(AOD)を中心に180度回転させた際の軌跡で表される形状とされている。
図2に示すように、基板11の反射面には、複数個の凸部111が反射面において2次元的に配置されている。本実施形態では、各凸部111は、図示するように正方格子状(縦横碁盤の目状)に配置されているが、これに限らず、千鳥状(六方稠密状)等、他の配置であってもよい。各凸部111は、反射面における反射面積(球面112の面積)の向上の観点から密接して設けることが好ましいが、製造上の観点等から、後述する作用効果に影響しない程度において、各凸部111間に平坦部が設けられていてもよい。
本実施形態では、図3に示すように、上下方向に並ぶ各凸部111間には高さ寸法L2の平面110が設けられている。
図1に示すように、基板11の凸部111の球面112には、反射膜12が形成されている。
反射膜12の材料は、高反射率を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)などの金属が挙げられる。高反射率を有する材料を用いることによって、スクリーンゲインを向上させることができる。なお、図示しないが、必要に応じて反射膜12が形成された面上に保護膜等の薄膜をさらに形成してもよい。反射膜12の厚さは、膜材やスクリーン1の種類に応じて適切な厚さであればよい。
反射膜12は、プロジェクター2の投射光が直接入射される部分の凸部111の球面112上に形成されている。反射膜12が形成されていることにより、球面112の当該形成部分は、基板11に比べて光反射特性が非常に優れた構成を有する。
[1−1−2.スクリーンの使用態様]
次に、スクリーン1の使用態様について説明する。
図1に示すように、スクリーン1は、反射面が設置面に対して略垂直となるように配置して使用する。プロジェクター2は、スクリーン1の反射面の中央部付近に向けて投射光が投射されるように、反射面の中央下側前方に設置する。視聴者は、反射面の正面側からスクリーン1に投影される画像を以下のようにして見ることになる。
プロジェクター2は、スクリーン1の反射面に向けて投射光を射出する。射出された投射光は、スクリーン1の反射面に対して垂直下方から斜めに入射される。スクリーン1の反射面に入射された投射光は、凸部111の球面112上の反射膜12に直接入射されるため、球面112上の反射膜12によって反射面の正面方向の広い範囲に効率よく反射される。これにより、視聴者はスクリーン1に投影される画像を見ることができる。
[1−2.スクリーンの製造方法]
次に、本実施形態によるスクリーン1の製造方法について説明する。
図5は、本実施形態でのスクリーンの製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、本実施形態のスクリーンの製造方法では、原盤を製造する原盤製造工程、成形型を製造する成形型製造工程、スクリーンを製造するスクリーン製造工程を順に経てスクリーン1が製造される。原盤製造工程は、パターニング工程と凸部形成工程とに分かれている。
スクリーン1は、スクリーン製造工程においてスクリーン成形型(適宜成形型と略する。)を用いて製造される。この成形型は、成形型製造工程において原盤を用いて製造される。原盤は、原盤製造工程において成形される。以下、原盤製造工程、成形型製造工程、スクリーン製造工程の順に説明する。
[1−2−1.原盤製造工程]
図6は、原盤製造工程を説明するための部分断面図である。
原盤製造工程では、パターニング工程と凸部形成工程とが順に行われる。パターニング工程では、撥液膜形成処理と親液領域形成処理とが順に行われる。凸部形成工程では、樹脂液塗布処理と樹脂液硬化処理とが順に行われる。
撥液膜形成処理では、図6(A)に示すように、前もって準備した成形前の原盤31の一方の板面(平滑面)に撥液膜32が形成される(ステップS1)。
原盤31の材質は特に限定されるものではなく、成形型の原盤として通常使用されるものを用いることができる。ただし、原盤31の材料としては、たわみが生じにくく、傷つきにくいものが好ましい。また、以後の処理において加工し易く、安価なものが好ましい。具体的には、各種ガラス、各種金属、プラスチックに代表される各種樹脂などが挙げられる。例えば、強度、加工性、製造コスト等の観点から原盤31の材料として青板ガラスを用いることができる。
撥液膜32の形成材料およびその塗布方法についても、特に限定されるものではない。例えば、フッ素系樹脂等の撥液性を有する熱硬化型、光硬化型等の樹脂を材料とした有機膜を撥液膜32とすることができる。撥液性の高くない樹脂を材料とする場合であっても、CF4ガスの大気圧プラズマを照射することで表面を撥液性にする方法、フッ素樹脂をコーティングする方法等によって、表面を撥液性にすることができる。また、例えば、材料の塗布方法としては、スピンコート法、バーコート法、自己組織化膜を形成する方法等、公知の方法を用いることができる。
撥液膜形成処理に続いて親液領域形成処理が行われる。
親液領域形成処理では、図6(B)に示すように、原盤31上に形成した撥液膜32に親液領域33が形成される(ステップS2)。親液領域33は、撥液膜32に比較してその表面エネルギーが高い領域である。これにより、原盤31の表面に、親液領域33と、親液領域33に対して相対的に撥液性を有する撥液領域32A(親液領域33が形成されていない部分)とがパターニングされる。
親液領域33は、例えば、撥液膜32の表面に所定パターンのマスクをして露光、現像処理を施すことで作製することができる。本実施形態では、親液領域33は、半月状の領域に形成される。
ここで、親液領域33の形状について詳細に説明する。親液領域33の形状は、図7に示すように、半径Rの完全な半月形状であってもよいが、半月形状に近い形状であってもよい。前記のように、完成品のスクリーン1の凸部111の形状は、約1/4球状を有するものであり、凸部111の形状は、以後の処理によって、親液領域33を底面として当該底面上に盛り上がるように形成された凸部に基づき形成されるからである。
図8〜図11は、半月状の親液領域33の具体例を示す。
図8に示すように、親液領域33は、例えば中心角が120°(図8(A))〜240°(図8(B))の扇形であってもよい。
図9に示すように、親液領域33は、例えば円弧曲線の両端A,Bと円弧曲線の中心点Pとを結んだ角度が120°(図9(A))〜240°(図9(B))となる形状であってもよい。
図10に示すように、親液領域33は、例えば円弧曲線と直線により構成される半月形状の領域に、その直線を一辺に含む長方形の領域を合体させた形状であってもよい。ただし、長方形の他の辺の高さH1は、H1=R×(1/2−sin(θ−180)未満となる
ようにする。
図10(A)は、円弧曲線と直線により構成される半月形の領域に、その直線を一辺とする長方形を合体させた形状としている。図10(B)は、図9(A)に示す形状に同様にして長方形を合体させた形状、図10(C)は、図9(B)に示す形状に同様にして長方形を合体させた形状としている。
図11に示すように、親液領域33は、例えば円弧曲線と直線により構成される半月状の領域に、その直線を一辺に含む三角形の領域を合体させた形状であってもよい。ただし、三角形の高H2は、H2=R×(1/2−sin(θ−180)未満となるようにする。
図11(A)は、円弧曲線と直線により構成される半月形状の領域に、その直線を一辺とする三角形を合体させた形状としている。図11(B)は、図9(B)に示す形状に三角形を合体させた形状としている。
なお、合体させる形状は、台形等の他の形状であってもよい。また、円弧曲線を閉じる線についても直線に限らず曲線であってもよい。
このような親液領域33の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、エキシマレーザー等のレーザー照射によって所定パターンのマスクを縮小撮影し、撥液膜32の樹脂をアブレーションさせ表面改質を行うことで形成してもよい。
親液領域形成処理に続いて樹脂液塗布処理が行われる。
樹脂液塗布処理では、図6(C)に示すように、親液領域33上に樹脂液34が塗布される(ステップS3)。本実施形態では、樹脂液34の材料として紫外線硬化樹脂を用い、液滴によって塗布している。なお、樹脂液34の材料は、親液領域33上に塗布でき、塗布したものを硬化させることができるものであれば、特に限定されるものではなく、紫外線硬化樹脂等の光硬化型樹脂に限らず熱硬化型樹脂等であってもよい。
樹脂液34の塗布には、インクジェット法等の液滴吐出法を利用することが好ましい。液滴吐出法を用いれば、他の方法に比べて、樹脂液34の塗布工程が簡便となるばかりでなく、高精彩なパターンを大面積に一工程で形成可能である。塗布する液量は、親液領域33のパターンの大きさと、製造後のスクリーン1の凸部111の形状等によって決定される。
吐出量が少ないと、製造後のスクリーン1における凸部111の断面(図3参照)において、点AB間の円弧曲線での点Aにおける接線が水平方向からずれて突出方向の上方に傾斜して、凸部111を上からつぶしたような形状になってしまう。
吐出量が多すぎると、親液領域33から樹脂液34が流れ出し、所定パターンを形成できなくなる。また、流れ出さない場合であっても、当該接線による角度αが鈍角になってしまう(図3において突出方向の下方に傾斜してしまう)と、後工程において成形型を製造する際に、この形状を転写するため、成形した成形型が抜けにくい又は抜けない構造となってしまう。したがって、当該接線による角度αが90度以下となる(接線が水平又は突出方向上方に傾斜する)ように液量を調整する必要がある。
また、点OD間の距離L1は、吐出する樹脂液34の表面張力によって決まる。距離L1の長さが長いと、頂点である点Bの位置が図3において上方に移動する。すると、その分、曲面113の曲率が大きくなり、点OBCの成す角度が垂直に近くなってしまう。距離L1が0である場合は、点Bが下方へ移動してしまい、反射面が適切に形成できない。
そこで、実験によって距離L1の長さは、1/4R(球面112の半径Rの4分の1)以上、1/2R(球面112の半径Rの2分の1)未満であることが好ましいとわかった。距離L1が1/2R以上になると、反射面における球面112の面積が少なくなるため好ましくない。
このような条件で樹脂液34を塗布することにより、樹脂液34は、撥液領域32Aの影響を受けて、図6(D)に示すように成長し、所望の形状の凸部341を形成することができる。
なお、本実施形態では、曲面113の半径R1はL1に等しいため、半径R1も半径Rの1/4以上、1/2以下に設定されることになる。
樹脂液塗布処理に続いて、樹脂液硬化処理が行われる。
樹脂液硬化処理では、塗布した樹脂液34を硬化する(ステップS4)。本実施形態では、樹脂液34として紫外線硬化型樹脂材料を採用しており、図6(D)に示すように、硬化処理として主に紫外線照射(UV照射)処理が行われる。これによって、原盤31上に樹脂液34による凸部341が形成される。このように、樹脂液34の液滴に対して紫外線を照射することで凸部341を簡便且つ確実に形成できる。この凸部341は、製造後のスクリーン1の凸部111の形状のもととなる。
なお、樹脂液34として熱硬化型樹脂材料を主成分とするものを用いた場合には、硬化処理として熱(加熱)処理を行うことで、原盤31上に凸部341を形成することができる。これによれば、樹脂液34の液滴に対して熱処理を施すことで凸部341を簡便且つ確実に形成できる。
以上によって、半月状の親液領域33に樹脂液34を盛り上げて形成された凸部341が一方の板面に形成された原盤31が成形される。このように、凸部341は、樹脂液34を盛り上げて形成しているため、輪郭部が曲面で形成される。したがって、樹脂液34の液滴と硬化を適切に行うことによって、親液領域33の形状が前述したいずれの形状であっても、完成品であるスクリーン1の曲面113に対応する曲面を形成することができる。
[1−2−2.成形型製造工程]
次に、成形型製造工程について説明する。
図12は、成形型製造工程を説明するための部分断面図である。
成形型製造処理では、先ず、成形型成形処理が行われる。
成形型成形処理では、図12(A)に示すように、原盤製造処理で成形した原盤31の転写面(凸部341が形成された面)を転写して成形型41を成形する。
成形型41の材質は特に限定されるものではなく、型として通常使用される材質を用いることができる。ただし、成形型41の材料としては、たわみが生じにくく、傷つきにくいものが好ましい。また、以後の処理において加工し易く、安価なものが好ましい。具体的には、各種ガラス、各種金属、プラスチックに代表される各種樹脂などが挙げられる。
また、成形型41の材料として原盤31から離型し易いものを選定することが好ましい。なお、接着性の良い材料を選定した場合であっても、原盤31の転写面に離型剤を塗布しておくなどの離型処理を施しておけばよい。これにより、転写を良好に行うことができる。
成形型41の厚さについても、成形型41を型として用いるのに十分な厚さであれば、適宜設定すればよい。
原盤31の転写面の転写方法についても特に限定されるものではなく、原盤31、成形型41の材質等によって適宜選定すればよい。例えば、2P法により転写する方法、ニッケル(Ni)等の導電材料を用いて電鋳法によって転写する方法を採用することができる。例えば、Niスパッタ、無電解Niメッキにより、80〜150nmのNi膜を形成し、さらに、Ni電鋳で500〜1000μmの厚みにNi膜形成する。そして、Ni面で剥離することにより、Niスタンパを形成する。これをもとに2Pまたは、熱プレスによりレプリカ(基板11)を作製することができる。
成形型成形処理に続いて成形型剥離処理が行われる。
成形型剥離処理では、図12(B)に示すように、成形型成形処理で成形された成形型41が原盤31から剥離される。
以上によって、図12(C)に示すような、一方の板面に凸部341が転写されたことによる、凹部411が形成された成形型41が製造される(ステップS5)。
[1−2−3.スクリーンの製造工程]
次に、スクリーン製造工程について説明する。
図13は、スクリーン製造工程を説明するための部分断面図である。
スクリーン製造処理では、先ず、基板成形処理が行われる。
基板成形処理では、図13(A)に示すように、成形型製造処理で製造された成形型41の転写面(凹部411が形成された面)を転写して基板11を成形する。
基板11の材質等の構成については、[1−1−1.スクリーンの構成]において説明したが、成形型41から離型し易いものを選定することが好ましい。なお、接着し易い材料を選定した場合であっても、成形型41の転写面に離型剤を塗布しておくなどの離型処理を施しておけばよい。これにより、転写を良好に行うことができる。
成形型41の成型面の転写方法についても特に限定されるものではなく、成形型41、基板11の材質等によって適宜選定すればよい。例えば、2P法により転写する方法、熱転写によって転写する方法を採用することができる。
基板成形処理に続いて基板剥離処理が行われる。
基板剥離処理では、図13(B)に示すように、基板成形処理で成形された基板11が成形型41から剥離される。
これにより、図13(C)に示すような、一方の面に凸部111が形成された基板11が製造される。基板11は、成形型41の転写面を転写したものであり、成形型41は、原盤31の転写面を転写したものであるため、基板11の凸部111の形状は、原盤31の凸部341と同様の形状となる。
基板剥離処理に続いて反射膜形成処理が行われる。
反射膜形成処理では、基板11の凸部111の球面112上に反射膜12を形成する。
反射膜12の材質等の構成については、「1−1−1.スクリーンの構成」において説明したのでここでは省略する。
反射膜12の形成方法については、特に限定されるものではなく、基板11、反射膜12の材質等によって適宜選定すればよい。例えば、反射膜12の形成方法として、蒸着法の他、アルミニウム粉末を含有する塗料等を塗布するスプレーコート方法、印刷方法等が挙げられる。
本実施形態では、投射光の入射方向となる方向に合わせて、球面112に反射膜12が形成されるように、斜め方向から蒸着法によって反射膜材料を蒸着させることで反射膜12を形成している。反射膜12は、投射光の入射方向及び球面112が向く方向等に応じて、蒸着の角度を適切に設定することで、球面112の投射光が直接入射される部分に適切に形成することができる。図示した例では、球面112の向いている左上方向から蒸着している。これにより、反射膜12を前記半月状に基づき形成される球面112に形成することができる。
このように斜め方向から蒸着法により反射膜12を形成することで、反射膜12の膜厚が反射膜12の非形成領域側の外縁に近づくに従って徐々に薄くなるように形成される。
また、反射膜12を蒸着法により形成することで、スプレーコート方法、印刷方法等よりも薄く高品質な反射膜12を形成することができる。
最後に、必要に応じて反射膜12上に保護膜等の薄膜(図示せず。)を形成する。
以上によって、図13(D)に示すように、一方の面に凸部111が形成され、さらに凸部111の球面112上に反射膜12が形成されたスクリーン1が製造される(ステップS6)。
[1−3.第1実施形態の作用効果]
以上説明したように、本発明の実施形態のスクリーン1では、1/4球面状の球面112よりも曲率が大きい曲面113を、球面112の端部に沿って設けているため、全体形状としては、同径の半球状凸部よりも小さくなる。また、複数個の光反射特性を有する凸部111を、反射面に規則的に隣接配置した構成を有している。具体的には、スクリーン1の中央前方斜め下側からスクリーン1に向けて投射光を入射しているため、球面112を垂直下方に向けて配置している。球面112は光反射特性を有するため、当該投射光を球面112によってスクリーン1の前方にバランスよく反射することができる。凸部111は、半球状凸部よりも全体形状が小さいため、半球状凸部を隣接配置した場合よりも、投射光が直接入射される球面112の面積を増やすことができる。このため、スクリーンゲインを飛躍的に向上させることができる。
また、球面112の端部に沿って曲面113が設けられているため、曲面113において、投射光の入射方向(垂直下方)とは別方向(主として上方)から入射されるスクリーン特性に影響の大きい外光が拡散して反射されるため、この反射された外光が、外光の入射方向である上方に隣接する凸部111の球面112に入射してさらに反射されるのを防ぐことができ、コントラストを向上させることができる。
さらに、図3に示す断面形状において、点AOBにより成す角度が、80度以上、90度以下である構成を有する。80度未満では、球面112の面積が減るため球面112による反射特性に影響するからであり、90度以上では、曲面113の位置がずれてしまい、曲面113による外光の反射に影響するからである。したがって、この範囲にすることにより、球面112によるスクリーンゲインの向上と曲面113によるコントラストの向上とを良好なものとすることができる。
また、曲面113は、図3に示す断面形状において、点OBCにより成す角度が、30度以上、50度以下である構成を有する。30度未満では、曲面113での反射光が外光の入射方向に隣接する凸部111の球面112に多く入射されてしまいコントラストに影響するからであり、50度よりも大きいと曲面113での反射光が反射面の正面方向に多く反射されてしまいコントラストに影響するからである。したがって、この範囲にすることにより、曲面113によるコントラストの向上を良好なものとすることができる。
さらに、蓋面114を、水平面で構成し、図3に示す断面形状において、点OD間の距離を、球面112の球半径Rの1/2以下とすれば、凸部111の間隔を詰めて配置することができ、反射面における球面112の面積(反射面積)を広くすることができるため、スクリーンゲインをより向上できる。
また、本実施形態によるスクリーンの製造方法では、撥液領域32Aによって囲まれた親液領域33上に樹脂液34を塗布して塗布した樹脂液34を硬化するため、親液領域33上に盛り上がるように曲面状の凸部341を形成することができる。そして、この凸部341が形成された原盤31の転写により凹部411が形成された成形型41を転写して形成された基板11によりスクリーン1を製造するため、親液領域33の形状に応じて半球状以外の形状の凸部111をスクリーン1の反射面に簡便に形成することができる。
パターニング工程において、親液領域33を半月状としているため、当該半月状の親液領域33上に盛り上がって形成された曲面(球面)を有する構成の凸部341を容易に形成することができる。
スクリーン製造工程において、反射膜12を当該半月状に基づき形成される球面112に形成するため、当該球面112に光反射特性を持たせることができる。
以上のことから、スクリーン1を容易に製造することができる。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、製造工程における親液領域33を所定方向において所定距離だけ接するように構成する、すなわち完成品であるスクリーン1の凸部111が所定方向において所定距離だけ繋がっている構成を有するという点で第1実施形態と異なっている。それ以外の点については、第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
[2−1.親液領域]
図14は、本実施形態における凸部111を形成するための親液領域33の形状を示す。本実施形態の親液領域33は、水平方向において隣り合う半月形の親液領域33A,33Bを、所定距離だけ接する構成を有している。また、親液領域33Aの円弧曲線の半径R1と、親液領域33Bの円弧曲線の半径R2とは、互いに異なる大きさとされている。
ここで、親液領域33A,33Bの各円弧曲線の中心間の距離Wは、結合部分の良好な形状の維持と反射面積の増加という観点から、W=3/4(R1+R2)以上、5/4(R1+R2)以下とすることが好ましい。すなわち、Wの値が3/4(R1+R2)未満であると、親液領域33A,33Bの重なり部分が大きくなり、親液領域33A,33Bに形成される凸部111の形状維持が難しくなる。一方、Wの値が5/4(R1+R2)よりも大きくなると、親液領域33A,33Bが互いに離れて配置されるため、単位面積内の凸部111の数も減少して反射面積も減少する。従って、距離Wは上記範囲に設定することが好ましい。
[2−2.第2実施形態の作用効果]
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる他、水平方向についても凸部111のピッチを詰めることができ、投射光を正面方向に反射するのに良好な球面112の中央部分の反射面積を増やすことができる、という効果も得ることが可能である。
また、隣り合う親液領域33A,33Bの半径を異ならせることにより、大径の親液領域33A間の隙間に小径の親液領域33Bを配置することができ、親液領域33Aを配置した隙間を利用して、より有効に反射面積を増加することができる、という効果を得ることが可能となる。
[3.変形例]
本発明は、前記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。例えば、前記実施形態では、垂直下方から投射光を投射する近接投射型プロジェクターに対応するスクリーンについて説明したが、これに限らず、上方から投射する構成であってもよいし、近接投射に限らず、通常の投射距離のプロジェクターに対応するスクリーン等に適用することも可能である。
また、前記各実施形態では、曲面113及び蓋面114の表面特性について触れなかったが、曲面113及び蓋面114は、光吸収特性を有する構成としてもよい。光吸収特性を備えさせることで、曲面113における前記外光の反射を防止することができ、より確実に隣接する凸部111での外光の反射を防止することができ、よりコントラストを向上することができる。
光吸収特性を備えさせる方法としては、基板11の材料として光吸収材料を用いる方法、反射膜12の形成前に、塗装等によって黒色に着色する方法等が挙げられる。
さらに、球面112は、必ずしも反射膜12を形成することで光反射特性を備えることに限らず、基板11の材料として光反射特性を有する材料を用いることによって光反射特性を備えさせても良い。この場合は、成形後に曲面113及び蓋面114に光吸収特性を備えさせることが好ましい。
また、前記実施形態では、凸部111の構成の説明において、球面112、曲面113及び蓋面114の各領域を鮮明に区分けして形成した構成を示したが、各領域の境界は、前記第1〜第3構成要件を満たすように連続的に変化する構成であってもよい。
さらに、前記実施形態によるスクリーン1の製造方法では、原盤31を転写して成形型41を作製し、作製した成形型41を転写することで基板11を成形してスクリーン1を製造していたが、原盤31の凸部341の形状に基づき、基板11の凸部111を成形するのであれば、スクリーン1の製造は、これに限ったものではない。例えば、原盤31をそのまま基板11としてスクリーン1を製造してもよいし、凹凸の転写をさらに繰り返して製造された成形型を用いて基板11を成形し、スクリーン1を製造してもよい。
また、前記実施形態では、スクリーン1の一方の面に凸部111を設けて反射面としたが、両面に同様に反射面を形成してもよく、互いの面において、凸部111の向き等を異ならせてもよい。これにより、一つのスクリーンで様々な使用環境に対応させることができる。
さらに、前記実施形態では、球面112に反射膜12を形成していたが、この反射膜12を設けずに、球面112で光を反射させてもよい。この場合、凸部111を形成する基板として反射特性に優れた材料を選択すればよい。
さらに、前記第1実施形態では、上下方向に並ぶ各凸部111の距離L2は一定寸法としていたが、図15に示すように、凸部111の配置場所に応じて前記距離L2を変化させてもよい。例えば、プロジェクター2がスクリーン1の下方に配置されている場合、プロジェクター2から投射される光がスクリーン1に入射する角度θは、スクリーン1の下端から上端に向かうに従って大きくなる。この入射角度θに合わせて、スクリーン1の下部では各凸部111間の距離L2を「0」等の小さな値とし、スクリーン1の上部側に向かうに従って、凸部111間の距離L2を大きな値に変化させればよい。
この際、前記距離L2は、「0」からL1の範囲で変化させればよい。例えば、図15のスクリーン1の下部では、凸部111間の隙間を無くしているので、距離L2は「0」となる。また、スクリーン1の上部では、凸部111間の距離L2を図3に示す点OD間の距離L1としている。なお、凸部111間の距離L2をL1よりも大きくすると、凸部111の配置間隔が大きくなって、配置できる凸部111の数が減少し、スクリーンゲインも低下する。従って、凸部111間の距離L2は、製造上の制約やスクリーンゲインなどを考慮して設定すればよい。
また、本発明のスクリーン1は、図1に示すような、投影システムに用いられるものに限定されない。例えば、図16に示すように、本発明のスクリーン301と、投影ユニットであるプロジェクター302と、これらを支持する筐体であるフレーム303とを備えたフロントプロジェクションテレビ300に適用してもよい。
1,301…スクリーン、2,302…プロジェクター、11…基板、12…反射膜、31…原盤、32…撥液膜、32A…撥液領域、33…親液領域、34…樹脂液、111…凸部(基板)、112…球面、113…曲面、114…蓋面、341…凸部(原盤)、41…成形型、411…凹部(成形型)、300…フロントプロジェクションテレビ。

Claims (10)

  1. 投射光を反射する反射面を有するスクリーンであって、
    前記反射面には、複数個の凸部が配置され、
    前記凸部は、
    1/4球面状の球面と、
    前記球面よりも曲率が大きく形成され、前記球面の端部に沿って設けられた曲面と、
    前記曲面の端部に設けられた平面状の蓋面とを有する
    ことを特徴とするスクリーン。
  2. 請求項1に記載のスクリーンにおいて、
    前記球面には、光反射特性が前記球面よりも優れた反射膜が形成されていることを特徴とするスクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスクリーンにおいて、
    前記凸部は、前記反射面に沿った平面から突出して形成され、
    前記凸部の球面、曲面、蓋面が配置される第1方向に沿って、かつ、前記平面に直交するとともに、前記凸部の第1方向に直交する第2方向の中心を通る断面形状において、
    前記球面と平面とが交わる点を点A、球面と曲面とが交わる点を点B、曲面と蓋面とが交わる点を点C、蓋面と平面とが交わる点を点D、前記球面の中心点を点Oとすると、
    前記点A,B間は半径Rの円弧とされ、点B,C間は前記半径Rよりも小さい半径R1の円弧とされ、点C,D間は直線とされ、点D,A間は点Oを通る直線とされていることを特徴とするスクリーン。
  4. 請求項3に記載のスクリーンにおいて、
    前記点D,O間の距離をL1とした場合、前記L1は、前記半径Rの1/4以上、1/2以下であることを特徴とするスクリーン。
  5. 請求項4に記載のスクリーンにおいて、
    前記第1方向に沿って配置される複数の凸部間の距離をL2とした場合、前記L2は、0以上、L1以下であることを特徴とするスクリーン。
  6. 請求項5に記載のスクリーンにおいて、
    前記凸部の球面から曲面に向かう方向を前記第1方向とした場合、前記第1方向の基端側に配置された凸部間の距離は、前記第1方向の先端側に配置された凸部間の距離よりも小さく設定されていることを特徴とするスクリーン。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のスクリーンと、
    前記スクリーンの凸部の球面に光を投射する投影機とを備えることを特徴とする投影システム。
  8. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のスクリーンと、
    前記スクリーンの凸部の球面に光を投射する投影ユニットと、
    前記スクリーンおよび投影ユニットが収納された筐体とを備えることを特徴とするフロントプロジェクションテレビ。
  9. 投射光を反射面で反射するスクリーンの製造方法であって、
    1/4球面状の球面と、前記球面よりも曲率が大きく形成され、前記球面の端部に沿って設けられた曲面と、前記曲面の端部に設けられた平面状の蓋面とを有する凸部が設けられた基板を形成し、
    前記凸部の球面に反射膜を形成してスクリーンを製造するスクリーンの製造方法。
  10. 請求項9に記載のスクリーンの製造方法において、
    原盤に、複数個の親液領域と、当該親液領域に対して相対的に撥液性を有する撥液領域とをパターニングするパターニング工程と、
    前記親液領域に樹脂液を塗布し、塗布した樹脂液を硬化させることで前記原盤上に凸部を形成する凸部形成工程と、
    前記凸部が形成された原盤の凸部形成面、又は、当該原盤の転写により凹部が形成された成形型を転写して形成された基板の凸部形成面に、反射膜を形成してスクリーンを製造するスクリーン製造工程とを有し、
    前記パターニング工程は、前記親液領域を半月状にパターニングし、
    前記スクリーン製造工程は、前記反射膜を前記半月状に基づき形成される球面に形成する
    ことを特徴とするスクリーンの製造方法。
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