JP2011016962A - 熱伝導性樹脂組成物及び電子回路用基板 - Google Patents
熱伝導性樹脂組成物及び電子回路用基板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011016962A JP2011016962A JP2009163994A JP2009163994A JP2011016962A JP 2011016962 A JP2011016962 A JP 2011016962A JP 2009163994 A JP2009163994 A JP 2009163994A JP 2009163994 A JP2009163994 A JP 2009163994A JP 2011016962 A JP2011016962 A JP 2011016962A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- conductive resin
- heat conductive
- magnesium carbonate
- crystalline polyester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】射出成形性に優れ、スクリュー等や二次加工時に使用する金型等の磨耗が少なく、加工性及び熱伝導性に優れた成形物を製造することができる熱伝導性樹脂組成物を提供する。また、該熱伝導性樹脂組成物を用いて製造される電子回路用基板を提供する。
【解決手段】液晶性ポリエステル樹脂に対し、炭酸マグネシウム無水塩、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの無機充填材を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、熱伝導性樹脂組成物に占める前記無機充填材の含有量は、20体積%以上70体積%以下である熱伝導性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】液晶性ポリエステル樹脂に対し、炭酸マグネシウム無水塩、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの無機充填材を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、熱伝導性樹脂組成物に占める前記無機充填材の含有量は、20体積%以上70体積%以下である熱伝導性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、射出成形性に優れ、スクリュー等や二次加工時に使用する金型等の磨耗が少なく、加工性及び熱伝導性に優れた成形物を製造することができる熱伝導性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該熱伝導性樹脂組成物を用いて製造される電子回路用基板に関する。
近年、電子機器の高性能化、小型化等の要求に伴い、電子部品の高密度化が進んでいる。高密度化された電子部品においては発熱量が増大し、発生した過度の熱量は、電子機器の性能及び使用上の安全性に悪影響を及ぼすことがあるため、効率よく速やかに排熱される必要がある。そのため、電子部品に用いられる電子回路用基板には高熱伝導性が求められており、熱伝導性基板として、例えば、アルミニウム等の放熱メタル基板が用いられている。しかし、このような放熱メタル基板は高価であり、かつ、重いという問題がある。
一方、安価で軽い基板として、ガラスエポキシ基板が多用されている。しかし、ガラスエポキシ基板は熱伝導性が不充分であり、また、熱硬化性樹脂が用いられるために生産性の観点からも充分とはいえない。
また、熱可塑性樹脂を用いれば射出成形性を改善することができるが、熱可塑性樹脂により成形された基板は耐熱性が低く、電子部品の製造方法において200〜260℃の高温で行われるリフロー工程に耐えることができないという問題がある。
また、熱可塑性樹脂を用いれば射出成形性を改善することができるが、熱可塑性樹脂により成形された基板は耐熱性が低く、電子部品の製造方法において200〜260℃の高温で行われるリフロー工程に耐えることができないという問題がある。
そこで、高熱伝導性及び高耐熱性を有する基板を製造することができる射出成形性に優れた基板材料として、300℃以上の高い融点を有し、かつ、溶融粘度が低いため射出成形性の良い液晶性ポリエステル樹脂に、熱伝導性の無機充填材を配合した液晶性ポリエステル樹脂組成物が注目されている。
例えば、特許文献1には、コロイダルシリカで表面処理した無機充填材を含有する液晶性ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
しかし、熱伝導性の無機充填材として一般に用いられるアルミナ(モース硬度9)、窒化アルミニウム(モース硬度7)等は硬度が高いため、樹脂組成物を射出成形することはできるものの、配合量によっては、スクリュー等や、成形物を二次加工する際に使用する金型等の磨耗が激しくなることがある。
しかし、熱伝導性の無機充填材として一般に用いられるアルミナ(モース硬度9)、窒化アルミニウム(モース硬度7)等は硬度が高いため、樹脂組成物を射出成形することはできるものの、配合量によっては、スクリュー等や、成形物を二次加工する際に使用する金型等の磨耗が激しくなることがある。
本発明は、射出成形性に優れ、スクリュー等や二次加工時に使用する金型等の磨耗が少なく、加工性及び熱伝導性に優れた成形物を製造することができる熱伝導性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該熱伝導性樹脂組成物を用いて製造される電子回路用基板を提供することを目的とする。
本発明は、液晶性ポリエステル樹脂に対し、炭酸マグネシウム無水塩、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの無機充填材を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、熱伝導性樹脂組成物に占める前記無機充填材の含有量は、20体積%以上70体積%以下である熱伝導性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
一般に、比較的硬度が低く、スクリュー等や、成形物を二次加工する際に使用する金型等の磨耗を防ぐために有効であると考えられる無機充填材として、例えば、炭酸マグネシウム無水塩(モース硬度3.5)が挙げられる。しかし、炭酸マグネシウム無水塩は熱伝導性が不充分であるため、高い熱伝導性が要求される場合には、多量に配合する必要があった。一方、炭酸マグネシウム無水塩を液晶性ポリエステル樹脂組成物に多量に配合すると、高粘度になるために流動性が低下しやすく、射出成形する際に、充填不足(ショートショット)等の不良が発生しやすいという問題があった。
本発明者らは、液晶性ポリエステル樹脂に対し、炭酸マグネシウム無水塩、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの無機充填材を所定の配合量で配合することにより、射出成形性に優れ、スクリュー等の磨耗が少ない熱伝導性樹脂組成物が得られることを見出した。更に、本発明者らは、該熱伝導性樹脂組成物を用いて、熱伝導性に優れ、二次加工する際に使用する金型等の摩耗が少ない成形物を製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、液晶性ポリエステル樹脂を含有する。
上記液晶性ポリエステル樹脂は溶融粘度が低く、かつ、融点が高いため、本発明の熱伝導性樹脂組成物は射出成形性に優れ、耐熱性に優れた成形物を製造することができる。
上記液晶性ポリエステル樹脂は溶融粘度が低く、かつ、融点が高いため、本発明の熱伝導性樹脂組成物は射出成形性に優れ、耐熱性に優れた成形物を製造することができる。
上記液晶性ポリエステル樹脂は、溶融状態で液晶性を示し、電子部品を製造するために一般に用いられる射出成形用の液晶性ポリエステル樹脂であれば特に限定されず、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸を主な構成単位とする液晶性ポリエステル樹脂、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエステル及び芳香族ヒドロキシカルボン酸を主な構成単位とする液晶性ポリエステル樹脂、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ヒドロキシカルボン酸を主な構成単位とする液晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
上記芳香族ヒドロキシカルボン酸を主な構成単位とする液晶性ポリエステル樹脂は特に限定されず、例えば、下記式(1)で表される構造及び下記式(2)で表される構造を繰り返し単位とする液晶性ポリエステル樹脂(以下、タイプII型の液晶性ポリエステル樹脂ともいう)が挙げられる。
上記タイプII型の液晶性ポリエステル樹脂は、280〜300℃の範囲内の温度で、ずり速度1000s−1における溶融粘度が10〜2000Pa・sであることが好ましい。上記溶融粘度が10Pa・s未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、充分な強度を有する成形物を製造することができないことがある。上記溶融粘度が2000Pa・sを超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形性が低下することがある。
上記タイプII型の液晶性ポリエステル樹脂のうち、市販品として、例えば、ベクトラAシリーズ(ポリプラスチック社製)、ザイダー(日本石油化学社製)、エコノールE7000(住友化学社製)が挙げられる。
上記芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエステル及び芳香族ヒドロキシカルボン酸を主な構成単位とする液晶性ポリエステル樹脂は特に限定されず、例えば、下記式(3)で表される構造及び上記式(2)で表される構造を繰り返し単位とする液晶性ポリエステル樹脂(以下、タイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂ともいう)が挙げられる。
上記タイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂は、280〜300℃の範囲内の温度で、ずり速度1000s−1における溶融粘度が10〜2000Pa・sであることが好ましい。上記溶融粘度が10Pa・s未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、充分な強度を有する成形物を製造することができないことがある。上記溶融粘度が2000Pa・sを超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形性が低下することがある。
上記タイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂のうち、市販品として、例えば、ノバキュレートシリーズ(三菱エンジニアリング社製)が挙げられる。
芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ヒドロキシカルボン酸を主な構成単位とする液晶性ポリエステル樹脂は特に限定されず、例えば、下記式(4)で表される構造、下記式(5)で表される構造及び上記式(2)で表される構造を繰り返し単位とする液晶性ポリエステル樹脂(以下、タイプI型の液晶性ポリエステル樹脂ともいう)が挙げられる。
上記タイプI型の液晶性ポリエステル樹脂は、320〜350℃の範囲内の温度で、ずり速度1000s−1における溶融粘度が10〜2000Pa・sであることが好ましい。上記溶融粘度が10Pa・s未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、充分な強度を有する成形物を製造することができないことがある。上記溶融粘度が2000Pa・sを超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形性が低下することがある。
上記タイプI型の液晶性ポリエステル樹脂のうち、市販品として、例えば、ベクトラEシリーズ(ポリプラスチック社製)、エコノールE2000シリーズ(住友化学社製)、スミカスーパーS1000(住友化学社製)が挙げられる。
上記液晶性ポリエステル樹脂として、なかでも、上記タイプII型の液晶性ポリエステル樹脂、上記タイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂が好ましく、更に、得られる熱伝導性樹脂組成物を用いてより高い熱伝導性を有する成形物を製造することができることから、上記タイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、炭酸マグネシウム無水塩、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの無機充填材を含有する。
炭酸マグネシウム無水塩はモース硬度3.5と硬度が低いことから、炭酸マグネシウム無水塩を含有することにより、スクリュー等の磨耗が少ない熱伝導性樹脂組成物が得られ、この熱伝導性樹脂組成物を用いて、二次加工時に使用する金型等の摩耗が少ない成形物を製造することができる。また、炭酸マグネシウム無水塩の熱伝導率は15W/mKであり、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムには及ばないものの、良好であることから、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形物の熱伝導性を高めることもできる。
炭酸マグネシウム無水塩はモース硬度3.5と硬度が低いことから、炭酸マグネシウム無水塩を含有することにより、スクリュー等の磨耗が少ない熱伝導性樹脂組成物が得られ、この熱伝導性樹脂組成物を用いて、二次加工時に使用する金型等の摩耗が少ない成形物を製造することができる。また、炭酸マグネシウム無水塩の熱伝導率は15W/mKであり、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムには及ばないものの、良好であることから、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形物の熱伝導性を高めることもできる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物において、炭酸マグネシウム無水塩は、結晶水を含まず、化学式MgCO3で表される化合物を意味する。炭酸マグネシウム無水塩には天然品と合成品とが存在するが、天然品は不純物を含み、耐熱性等の物性が安定しない可能性があるため、合成品を用いることが好ましい。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物において、炭酸マグネシウム無水塩は、例えば、化学式4MgCO3・Mg(OH)2・4H2Oで表されるヒドロキシ炭酸マグネシウム(単に、炭酸マグネシウムと呼ばれることもある)とは異なる。ヒドロキシ炭酸マグネシウムは、100℃前後に加熱されると結晶水を放出するため、射出成形やリフロー工程の際に発泡する可能性があり、本発明の熱伝導性樹脂組成物には適さない。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物において、炭酸マグネシウム無水塩は、例えば、化学式4MgCO3・Mg(OH)2・4H2Oで表されるヒドロキシ炭酸マグネシウム(単に、炭酸マグネシウムと呼ばれることもある)とは異なる。ヒドロキシ炭酸マグネシウムは、100℃前後に加熱されると結晶水を放出するため、射出成形やリフロー工程の際に発泡する可能性があり、本発明の熱伝導性樹脂組成物には適さない。
炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は100μmである。炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径が0.1μm未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、炭酸マグネシウム無水塩の分散性が低下したり、充分に高い熱伝導性を有する成形物を製造することができなかったりすることがある。炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径が100μmを超えると、熱伝導性樹脂組成物に炭酸マグネシウム無水塩を高密度に充填することが困難となったり、成形物の表面に色ムラが発生したりすることがある。
なお、本明細書中、平均粒子径は、レーザー式粒度分布計を用いて測定することにより得られる平均粒子径を意味する。
なお、本明細書中、平均粒子径は、レーザー式粒度分布計を用いて測定することにより得られる平均粒子径を意味する。
炭酸マグネシウム無水塩の形状は特に限定されないが、得られる熱伝導性樹脂組成物に高密度に充填され、成形物の熱伝導性を高めることができることから、アスペクト比が1〜2の範囲にある球状、多面体状、略多面体状又は立方体状であることが好ましい。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物において、最密充填構造を形成して充填され、成形物の熱伝導性を高めるために、形状及び/ 又は平均粒子径が異なる2種以上の炭酸マグネシウム無水塩を用いてもよい。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物において、最密充填構造を形成して充填され、成形物の熱伝導性を高めるために、形状及び/ 又は平均粒子径が異なる2種以上の炭酸マグネシウム無水塩を用いてもよい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物において、炭酸マグネシウム無水塩は、表面に有機樹脂、シリコーン樹脂又はシリカにより形成された被覆層を有する被覆体であってもよい。
上記被覆体は、炭酸マグネシウム無水塩をコアとし、有機樹脂、シリコーン樹脂又はシリカにより形成された被覆層をシェルとするコア/シェル構造を有する。上記被覆体は、上記被覆層を有することによって液晶性ポリエステル樹脂への分散性に優れる。
上記被覆体は、炭酸マグネシウム無水塩をコアとし、有機樹脂、シリコーン樹脂又はシリカにより形成された被覆層をシェルとするコア/シェル構造を有する。上記被覆体は、上記被覆層を有することによって液晶性ポリエステル樹脂への分散性に優れる。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物を用いて電子回路用基板を製造する際、エッチング工程を行う場合には、上記被覆体を用いることが好ましい。
炭酸マグネシウム無水塩は、例えば、強酸性のエッチング液に接触すると二酸化炭素を発生して分解するが、これに対して、上記被覆体は耐酸性に優れる。そのため、上記被覆体を用いることにより、得られる熱伝導性樹脂組成物は耐酸性に優れた成形物を製造することができる。なお、強酸性のエッチング液との接触等がなく耐酸性を必要としない場合には、必ずしも上記被覆体を用いる必要はない。
炭酸マグネシウム無水塩は、例えば、強酸性のエッチング液に接触すると二酸化炭素を発生して分解するが、これに対して、上記被覆体は耐酸性に優れる。そのため、上記被覆体を用いることにより、得られる熱伝導性樹脂組成物は耐酸性に優れた成形物を製造することができる。なお、強酸性のエッチング液との接触等がなく耐酸性を必要としない場合には、必ずしも上記被覆体を用いる必要はない。
上記有機樹脂は、炭酸マグネシウム無水塩の表面に被覆層を形成することができれば特に限定されず、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。ただし、液晶性ポリエステル樹脂は融点が高く、本発明の熱伝導性樹脂組成物の成形温度は300℃付近と非常に高いため、この温度で熱分解しない樹脂を選定する必要がある。
上記有機樹脂として、具体例には、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、熱硬化性ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、アミノアルキド系樹脂、フェノキシ樹脂、フタレート樹脂、ポリアミド系樹脂、ケトン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン、ポリベンゾオキサゾールとベンゾオキサジンとの反応物が挙げられる。なかでも、モノマーの種類が豊富で被覆層の設計を幅広く行うことができ、かつ、熱、光等により反応を容易に制御できるため、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂が好ましい。
上記有機樹脂として、具体例には、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、熱硬化性ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、アミノアルキド系樹脂、フェノキシ樹脂、フタレート樹脂、ポリアミド系樹脂、ケトン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン、ポリベンゾオキサゾールとベンゾオキサジンとの反応物が挙げられる。なかでも、モノマーの種類が豊富で被覆層の設計を幅広く行うことができ、かつ、熱、光等により反応を容易に制御できるため、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂が好ましい。
上記(メタ)アクリル系樹脂を構成するモノマーは特に限定されず、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記アルキル(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記アルキル(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記スチレン系樹脂を構成するモノマーは特に限定されず、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ジビニルベンゼンが挙げられる。
また、上記有機樹脂を構成するモノマーは、エッチング工程等における耐酸性を高めることができることから、分子中に2つ以上の反応基を有する架橋性モノマーを含有することが好ましい。
上記分子内に2つ以上の反応基を有する架橋性モノマーは特に限定されないが、上記有機樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である場合、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられ、上記有機樹脂がスチレン系樹脂である場合、例えば、ジビニルベンゼンが挙げられる。
上記分子内に2つ以上の反応基を有する架橋性モノマーは特に限定されないが、上記有機樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である場合、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられ、上記有機樹脂がスチレン系樹脂である場合、例えば、ジビニルベンゼンが挙げられる。
上記有機樹脂は、Okitsuの計算式によるSP値が10(cal/cm3)1/2以下であることが好ましい。上記SP値が上記範囲内にあることにより、上記有機樹脂により形成された被覆層を有する被覆体は、エッチング液の浸透を良好に防止することができる。
上記Okitsuの計算式は、具体的には、下記式(6)で表される。
δ=(ΣΔF)/(ΣΔv) (6)
上記式(6)中、δはSP値[単位(cal/cm3)1/2]であり、ΔFは分子中の各原子団のモル引力定数、Δvは各原子団のモル容積である。
なお、上記Okitsu式は、例えば、「接着」1996年40巻8号第342頁〜350頁に記載されている。
上記Okitsuの計算式は、具体的には、下記式(6)で表される。
δ=(ΣΔF)/(ΣΔv) (6)
上記式(6)中、δはSP値[単位(cal/cm3)1/2]であり、ΔFは分子中の各原子団のモル引力定数、Δvは各原子団のモル容積である。
なお、上記Okitsu式は、例えば、「接着」1996年40巻8号第342頁〜350頁に記載されている。
上記被覆層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は1μmである。上記被覆層の厚さが10nm未満であると、上記被覆体の分散性や耐酸性を向上させる効果が充分に得られないことがある。上記被覆層の厚さが1μmを超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形物は、熱伝導性が著しく低下することがある。
上記被覆層を形成する方法は特に限定されず、例えば、被覆層の原料となる有機樹脂若しくはシリコーン樹脂、又は、シリカ原料であるシランカップリング剤を溶解させた溶液中に炭酸マグネシウム無水塩を分散させ、分散液をスプレー乾燥する方法や、有機樹脂又はシリコーン樹脂を溶解させた溶液中に炭酸マグネシウム無水塩を分散させ、次いで、有機樹脂又はシリコーン樹脂の貧溶媒を添加することにより、炭酸マグネシウム無水塩の表面に有機樹脂又はシリコーン樹脂を析出させる方法や、炭酸マグネシウム無水塩を分散させた媒体中で有機樹脂、低分子量シロキサン又はシランカップリング剤等の重合性モノマーを反応させ、高分子量化した後、媒体中に溶けきれなくなった有機樹脂、シリコーン樹脂又はシリカを炭酸マグネシウム無水塩の表面に析出させる方法が挙げられる。
上記無機充填材が炭酸マグネシウム無水塩を含有する場合、上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量は、好ましい下限が30体積%である。上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量が30体積%未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、炭酸マグネシウム無水塩以外の無機充填材を多く含有することとなり、スクリュー等を磨耗させやすく、また、二次加工時に使用する金型等の磨耗が少ない成形物を製造することが困難となることがある。上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量のより好ましい下限は35体積%、更により好ましい下限は40体積%である。
また、上記無機充填材が炭酸マグネシウム無水塩を含有する場合、上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量は、好ましい上限が95体積%である。上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量が95体積%を超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、充分に高い熱伝導性を有する成形物を製造することができないことがある。
また、上記無機充填材が炭酸マグネシウム無水塩を含有する場合、上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量は、好ましい上限が95体積%である。上記無機充填材中の炭酸マグネシウム無水塩の含有量が95体積%を超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、充分に高い熱伝導性を有する成形物を製造することができないことがある。
アルミナ(熱伝導率20〜35W/mK)、酸化マグネシウム(熱伝導率45〜60W/mK)及び窒化アルミニウム(熱伝導率150〜250W/mK)は熱伝導率が高いことから、アルミナ、酸化マグネシウム又は窒化アルミニウムを含有することにより、高い熱伝導性を有する成形物を製造することのできる熱伝導性樹脂組成物が得られる。
アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムの平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は50μmである。上記平均粒子径が0.1μm未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物における、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムの分散性が低下することがある。上記平均粒子径が50μmを超えると、熱伝導性樹脂組成物中にアルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムを高密度に充填することが困難となったり、スクリュー等を磨耗させやすくなったり、二次加工時に使用する金型等の磨耗が少ない成形物を製造することが困難となったりすることがある。
また、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムの平均粒子径は、炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。
炭酸マグネシウム無水塩は、モース硬度が3.5以下と硬度が低いため、スクリュー等やや成形物を二次加工する際に使用する金型等を磨耗させる効果が小さく、平均粒子径は比較的大きくてもよい。一方、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムは硬度が高く(アルミナのモース硬度=9、窒化アルミニウムのモース硬度=7、酸化マグネシウムのモース硬度=6)、スクリュー等や成形物を二次加工する際に使用する金型等を磨耗させる効果が大きいことから、平均粒子径は比較的小さいことが好ましい。
従って、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムの平均粒子径が、炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径よりも小さいことにより、得られる熱伝導性樹脂組成物は、スクリュー等や成形物を二次加工する際に使用する金型等の磨耗をより軽減することができる。
炭酸マグネシウム無水塩は、モース硬度が3.5以下と硬度が低いため、スクリュー等やや成形物を二次加工する際に使用する金型等を磨耗させる効果が小さく、平均粒子径は比較的大きくてもよい。一方、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムは硬度が高く(アルミナのモース硬度=9、窒化アルミニウムのモース硬度=7、酸化マグネシウムのモース硬度=6)、スクリュー等や成形物を二次加工する際に使用する金型等を磨耗させる効果が大きいことから、平均粒子径は比較的小さいことが好ましい。
従って、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムの平均粒子径が、炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径よりも小さいことにより、得られる熱伝導性樹脂組成物は、スクリュー等や成形物を二次加工する際に使用する金型等の磨耗をより軽減することができる。
アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムの形状は特に限定されないが、得られる熱伝導性樹脂組成物に高密度に充填され、成形物の熱伝導性を高めることができることから、アスペクト比が1〜2の範囲にある球状、多面体状、略多面体状又は立方体状であることが好ましい。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物において、最密充填構造を形成して充填され、成形物の熱伝導性を高めるために、形状及び/ 又は平均粒子径が異なる2種以上の上記アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムを用いてもよい。
また、本発明の熱伝導性樹脂組成物において、最密充填構造を形成して充填され、成形物の熱伝導性を高めるために、形状及び/ 又は平均粒子径が異なる2種以上の上記アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムを用いてもよい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、下限が20体積%、上限が70体積%である。上記無機充填材の含有量が20体積%未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は高い熱伝導性を有する成形物を製造することができない。上記含有量の合計が70体積%を超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、非常に脆くなったり、加工性に優れた成形物を製造することが困難となったりすることがある。更に、得られる熱伝導性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、射出成形する際の充填工程等における取扱性に劣ることがある。上記無機充填材の含有量は、好ましい下限が30体積%、より好ましい下限が40体積%である。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、上記無機充填材の分散性を向上させるために、更に、シランカップリング剤及び分散剤を含有することが好ましい。
上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物における上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.01体積%、好ましい上限は5体積%である。上記シランカップリング剤の含有量が0.01体積%未満であると、上記無機充填材の分散性を向上させる効果が充分に得られないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が5体積%を超えても、上記無機充填材の分散性を更に向上させる効果は得られず、本発明の熱伝導性樹脂組成物の物性に悪影響を与えることがある。
上記分散剤は特に限定されず、例えば、ポリエステル系カルボン酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリアクリル系カルボン酸、脂肪族系カルボン酸、ポリシロキサン系カルボン酸、ポリエステル系リン酸、ポリエーテル系リン酸、ポリアクリル系リン酸、脂肪族系リン酸、ポリシロキサン系リン酸、ポリエステル系フェノール、ポリエーテル系フェノール、ポリアクリル系フェノール、脂肪族系フェノール、ポリシロキサン系フェノールが挙げられる。これらの分散剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物における上記分散剤の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.01体積%、好ましい上限は5体積%である。上記分散剤の含有量が0.01体積%未満であると、上記無機充填材の分散性を向上させる効果が充分に得られないことがある。上記分散剤の含有量が5体積%を超えても、上記無機充填材の分散性を更に向上させる効果は得られず、本発明の熱伝導性樹脂組成物の物性に悪影響を与えることがある。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じてチキソ性付与剤、難燃剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、成形温度で、ずり速度1000s−1における溶融粘度が10〜2000Pa・sであることが好ましい。上記溶融粘度が10Pa・s未満であると、得られる熱伝導性樹脂組成物は、充分な強度を有する成形物を製造することができないことがある。上記溶融粘度が2000Pa・sを超えると、得られる熱伝導性樹脂組成物の成形性が低下することがある。
なお、本明細書中、上記成形温度とは、熱伝導性樹脂組成物を成形することのできる温度であれば特に限定されないが、液晶性ポリエステル樹脂として上記タイプI型の液晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、320〜350℃の範囲内の温度を示し、なかでも、340℃を用いることが好ましい。上記タイプII型及びタイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、280〜300℃の範囲の温度を示し、なかでも、290℃を用いることが好ましい。上記溶融粘度は、例えば、東洋精機社製「キャピログラフ1B」等を用いて測定することができる。
なお、本明細書中、上記成形温度とは、熱伝導性樹脂組成物を成形することのできる温度であれば特に限定されないが、液晶性ポリエステル樹脂として上記タイプI型の液晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、320〜350℃の範囲内の温度を示し、なかでも、340℃を用いることが好ましい。上記タイプII型及びタイプIII型の液晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、280〜300℃の範囲の温度を示し、なかでも、290℃を用いることが好ましい。上記溶融粘度は、例えば、東洋精機社製「キャピログラフ1B」等を用いて測定することができる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、成形後の熱伝導率の好ましい下限が0.5W/mKである。上記熱伝導率が0.5W/mK未満であると、本発明の熱伝導性樹脂組成物を用いて電子回路用基板を製造する場合、得られる電子回路用基板の熱伝導性が不充分となることがある。上記熱伝導率のより好ましい下限は1.0W/mKである。
本発明の熱伝導性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、以下の方法が挙げられる。
上記液晶性ポリエステル樹脂、上記無機充填材及び必要に応じてその他の添加成分を、2軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出成形し、ペレットを作製する。得られたペレットを、タンブラーミキサー等を用いて均一化することにより、熱伝導性樹脂組成物を得ることができる。
上記液晶性ポリエステル樹脂、上記無機充填材及び必要に応じてその他の添加成分を、2軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出成形し、ペレットを作製する。得られたペレットを、タンブラーミキサー等を用いて均一化することにより、熱伝導性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物の用途は特に限定されないが、例えば、本発明の熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形し、得られたシートに導電層を積層することにより電子回路用基板を製造することができる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物を用いて製造されるシートに導電層が積層されている電子回路用基板もまた、本発明の1つである。
本発明の熱伝導性樹脂組成物を用いて製造されるシートに導電層が積層されている電子回路用基板もまた、本発明の1つである。
上記シートの厚みは特に限定されず、一般に使用される電子回路用基板の厚みに準じて適宜調整できるが、好ましい下限は100μm、好ましい上限は2000μmである。上記シートの厚みが100μm未満であると、シートの強度が不充分になり、また、シート状に成形することが困難になることがある。上記シートの厚みが2000μmを超えると、電子回路用基板の重量が大きくなりすぎることがある。
上記シートの成形方法は特に限定されず、例えば、本発明の熱伝導性樹脂組成物を押出成形する方法や、本発明の熱伝導性樹脂組成物を射出成形する方法が挙げられる。
押出成形する方法は大面積のシートを得ることができるが、無機充填材が多量に配合された熱伝導性樹脂組成物を用いる場合には、得られるシートの表面が荒れやすい。従って、小面積のシートを得る場合には、射出成形する方法が好ましい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、通常の液晶性ポリエステル樹脂よりも熱伝導率が高いことから、本発明の熱伝導性樹脂組成を射出成形する際には、金型温度を高くし、射出速度を速くすることができる。
押出成形する方法は大面積のシートを得ることができるが、無機充填材が多量に配合された熱伝導性樹脂組成物を用いる場合には、得られるシートの表面が荒れやすい。従って、小面積のシートを得る場合には、射出成形する方法が好ましい。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、通常の液晶性ポリエステル樹脂よりも熱伝導率が高いことから、本発明の熱伝導性樹脂組成を射出成形する際には、金型温度を高くし、射出速度を速くすることができる。
上記導電層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は6μm、好ましい上限は100μmである。上記導電層の厚みが6μm未満であると、導電層の電気抵抗が大きくなったり、断線が起こりやすくなったりすることがある。上記導電層の厚みが100μmを超えると、シートと導電層との線膨張率の差が大きくなり、シートが反ることがある。
上記導電層の積層方法は特に限定されず、例えば、本発明の熱伝導性樹脂組成物を用いて製造されたシートに、銅箔をプレスや熱ラミネート等で積層したり、メッキにより成形したりする方法が挙げられる。
本発明によれば、射出成形性に優れ、スクリュー等や二次加工時に使用する金型等の磨耗が少なく、加工性及び熱伝導性に優れた成形物を製造することができる熱伝導性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該熱伝導性樹脂組成物を用いて製造される電子回路用基板を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。実施例及び比較例で用いる材料を以下に示す。
(液晶性ポリエステル樹脂)
(1)ノバキュレートE322(タイプIII型、三菱エンジニアリング社製、充填材無し)
(2)エコノールE7000(タイプII型、住友化学社製、充填材無し)
(3)スミカスーパーS1000(タイプI型、住友化学社製、充填材無し)
(1)ノバキュレートE322(タイプIII型、三菱エンジニアリング社製、充填材無し)
(2)エコノールE7000(タイプII型、住友化学社製、充填材無し)
(3)スミカスーパーS1000(タイプI型、住友化学社製、充填材無し)
(炭酸マグネシウム無水塩)
(1)略多面体状合成マグネサイト6μm(神島化学工業社製、商品名「MSL」、平均粒子径6μm)
(2)略多面体状合成マグネサイト21μm(神島化学工業社製、商品名「MSPS」、平均粒子径21μm)
(1)略多面体状合成マグネサイト6μm(神島化学工業社製、商品名「MSL」、平均粒子径6μm)
(2)略多面体状合成マグネサイト21μm(神島化学工業社製、商品名「MSPS」、平均粒子径21μm)
(3)シリコーン樹脂被覆合成マグネサイト
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計が取り付けられた2Lの重合容器内に、分散媒体としてメチルイソブチルケトン1000gと、略多面体状の合成マグネサイト(神島化学工業社製、「MSL」、平均粒子径6μm)600gと、両末端メタクリロキシ基含有シリコーン(サイラプレーン「FM―7721」)50gと、アゾビスイソブチロニトリル1gとを加え、攪拌することにより混合し、表面処理溶液中にマグネサイトが分散された分散液を調製した。容器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素により内部を大気圧まで戻し容器内を窒素雰囲気とした。その後、攪拌しながら容器内を70℃に加熱し、8時間反応を行った。室温まで冷却した後、反応溶液をセントルにより脱溶剤し、更に真空乾燥することにより、表面がシリコーン樹脂により被覆された合成マグネサイト6μm(シリコーン樹脂被覆合成マグネサイト6μm)を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計が取り付けられた2Lの重合容器内に、分散媒体としてメチルイソブチルケトン1000gと、略多面体状の合成マグネサイト(神島化学工業社製、「MSL」、平均粒子径6μm)600gと、両末端メタクリロキシ基含有シリコーン(サイラプレーン「FM―7721」)50gと、アゾビスイソブチロニトリル1gとを加え、攪拌することにより混合し、表面処理溶液中にマグネサイトが分散された分散液を調製した。容器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素により内部を大気圧まで戻し容器内を窒素雰囲気とした。その後、攪拌しながら容器内を70℃に加熱し、8時間反応を行った。室温まで冷却した後、反応溶液をセントルにより脱溶剤し、更に真空乾燥することにより、表面がシリコーン樹脂により被覆された合成マグネサイト6μm(シリコーン樹脂被覆合成マグネサイト6μm)を得た。
(4)シリカ被覆合成マグネサイト
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計が取り付けられた2Lの重合容器内に、分散媒体としてのpH9に調整されたイオン交換水1000gと、略多面体状の合成マグネサイト(神島化学工業社製、商品名「MSL」、平均粒子径6μm)600gと、テトラエトキシシラン60gとを加え、攪拌することにより混合し、表面処理溶液中にマグネサイトが分散された分散液を調製した。その後、攪拌しながら容器内を70℃に加熱し、8時間反応を行った。室温まで冷却した後、反応溶液をセントルにより脱水し、更に真空乾燥することにより、表面がシリカにより被覆された合成マグネサイト6μm(シリカ被覆合成マグネサイト6μm)を得た。
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計が取り付けられた2Lの重合容器内に、分散媒体としてのpH9に調整されたイオン交換水1000gと、略多面体状の合成マグネサイト(神島化学工業社製、商品名「MSL」、平均粒子径6μm)600gと、テトラエトキシシラン60gとを加え、攪拌することにより混合し、表面処理溶液中にマグネサイトが分散された分散液を調製した。その後、攪拌しながら容器内を70℃に加熱し、8時間反応を行った。室温まで冷却した後、反応溶液をセントルにより脱水し、更に真空乾燥することにより、表面がシリカにより被覆された合成マグネサイト6μm(シリカ被覆合成マグネサイト6μm)を得た。
(炭酸マグネシウム水和物)
(1)炭酸マグネシウム水和物9μm(神島化学工業社製、商品名:GP−30、平均粒子径9μm)
(1)炭酸マグネシウム水和物9μm(神島化学工業社製、商品名:GP−30、平均粒子径9μm)
(炭酸マグネシウム無水塩又は水和物以外の無機充填材)
(1)破砕アルミナ(日本軽金属社製、商品名「LS−242C」、平均粒子径2μm)
(2)多面体状アルミナ(住友化学社製、商品名「AA−18」、平均粒子径18μm)
(3)窒化アルミニウム(東洋アルミ社製、商品名「TOYALNITE―FLC」、平均粒子径3.7μm)
(4)酸化マグネシウム(堺化学工業社製、商品名「SMO」、平均粒子径1.1μm)
(1)破砕アルミナ(日本軽金属社製、商品名「LS−242C」、平均粒子径2μm)
(2)多面体状アルミナ(住友化学社製、商品名「AA−18」、平均粒子径18μm)
(3)窒化アルミニウム(東洋アルミ社製、商品名「TOYALNITE―FLC」、平均粒子径3.7μm)
(4)酸化マグネシウム(堺化学工業社製、商品名「SMO」、平均粒子径1.1μm)
(実施例1〜17、比較例1〜2)
2軸押出機PCM−30を用い、上記材料を表1に示す配合で溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレットを作製した。このとき、シリンダー温度は、実施例1〜8及び10〜17、並びに、比較例1〜2では290℃とし、実施例9では340℃とした。得られたペレットを、タンブラーミキサーを用いて均一化することにより、表1に示す割合で無機充填材を含有する熱伝導性樹脂組成物を得た。
2軸押出機PCM−30を用い、上記材料を表1に示す配合で溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレットを作製した。このとき、シリンダー温度は、実施例1〜8及び10〜17、並びに、比較例1〜2では290℃とし、実施例9では340℃とした。得られたペレットを、タンブラーミキサーを用いて均一化することにより、表1に示す割合で無機充填材を含有する熱伝導性樹脂組成物を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた熱伝導性樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた熱伝導性樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)射出成形性
得られた熱伝導性樹脂組成物について、射出成形機IS30EPN(東芝機械社製)を用いて、15cm角、厚さ1mmのシート状の成形物を作製した。このとき、シリンダー温度は、実施例1〜8及び10〜17、並びに、比較例1〜2では290℃とし、実施例9では340℃とした。また、金型温度は、全ての実施例及び比較例において110℃に設定した。得られたシートの外観を観察し、射出成形性を以下の基準で判定した。
○:金型に充分に充填され、均一なシートを作製することができた
△:金型には充填されているが、フローマーク等の外観不良が若干発生した
×:金型への充填不足が発生した
得られた熱伝導性樹脂組成物について、射出成形機IS30EPN(東芝機械社製)を用いて、15cm角、厚さ1mmのシート状の成形物を作製した。このとき、シリンダー温度は、実施例1〜8及び10〜17、並びに、比較例1〜2では290℃とし、実施例9では340℃とした。また、金型温度は、全ての実施例及び比較例において110℃に設定した。得られたシートの外観を観察し、射出成形性を以下の基準で判定した。
○:金型に充分に充填され、均一なシートを作製することができた
△:金型には充填されているが、フローマーク等の外観不良が若干発生した
×:金型への充填不足が発生した
(2)溶融粘度
得られた熱伝導性樹脂組成物について、キャピログラフ1B(東洋精機社製)を用いて、ずり速度1000s−1における溶融粘度を測定した。このとき、測定温度は、実施例1〜8及び10〜17、並びに、比較例1〜2では290℃とし、実施例9では340℃とした。
得られた熱伝導性樹脂組成物について、キャピログラフ1B(東洋精機社製)を用いて、ずり速度1000s−1における溶融粘度を測定した。このとき、測定温度は、実施例1〜8及び10〜17、並びに、比較例1〜2では290℃とし、実施例9では340℃とした。
(3)熱伝導率
射出成形により得られたシートを1cm角に切り出して試験片を得た。この試験片の熱伝導率(W/m・K)を、熱拡散率計「ナノフラッシュLFA447」(ブルカーAXS社製)を用いて測定した。
射出成形により得られたシートを1cm角に切り出して試験片を得た。この試験片の熱伝導率(W/m・K)を、熱拡散率計「ナノフラッシュLFA447」(ブルカーAXS社製)を用いて測定した。
(4)二次加工時の金型摩耗性
以下のようにして、二次加工時の金型磨耗性の代用評価を行った。
射出成形により得られたシートに対し、幅20mm、厚み1mmのステンレス板を45度の角度で1kgの荷重をかけながら3cmの長さを500往復させた。処理前後のステンレス板の重量減少量(磨耗量)(mg)を測定した。
以下のようにして、二次加工時の金型磨耗性の代用評価を行った。
射出成形により得られたシートに対し、幅20mm、厚み1mmのステンレス板を45度の角度で1kgの荷重をかけながら3cmの長さを500往復させた。処理前後のステンレス板の重量減少量(磨耗量)(mg)を測定した。
(5)耐酸性
射出成形により得られたシートに、厚み35μmの銅箔を250℃でプレスし、積層することによって電子回路用基板サンプルを作製した。次いで、50℃に加熱されたエッチング液(サンハヤト社製「H−1000A」)に、得られたサンプルを30分間浸漬した。その後、サンプルの表面状態を観察し、耐酸性を以下の基準で判定した。
○:表面状態に変化はなかった
△:表面に若干ムラが観察された
×:表面に明らかな凹凸が観察された
射出成形により得られたシートに、厚み35μmの銅箔を250℃でプレスし、積層することによって電子回路用基板サンプルを作製した。次いで、50℃に加熱されたエッチング液(サンハヤト社製「H−1000A」)に、得られたサンプルを30分間浸漬した。その後、サンプルの表面状態を観察し、耐酸性を以下の基準で判定した。
○:表面状態に変化はなかった
△:表面に若干ムラが観察された
×:表面に明らかな凹凸が観察された
表1より、無機充填材の含有量が57.0体積%の実施例を比較すると、以下のことが判る。
炭酸マグネシウム無水塩単独の実施例3、11では、二次加工時の金型摩耗性が良好であるものの、耐酸性及び熱伝導率が若干低かった。耐酸性及び熱伝導率を改善するために、炭酸マグネシウム無水塩に加え、アルミナ、酸化マグネシウム又は窒化アルミニウムを更に配合した実施例4、5、6、7では、二次加工時の金型摩耗性も良好であり、かつ、耐酸性及び熱伝導率も良好であった。特に、炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径が大きく、アルミナ、酸化マグネシウム又は窒化アルミニウムの平均粒子径が小さい場合には、より良好な結果が得られた。
また、炭酸マグネシウム無水塩を配合しない実施例14、16、17では、耐酸性及び熱伝導率は高いものの、二次加工時の金型摩耗性が低くなった。
なお、無機充填材の含有量が74.1体積%の比較例1は、溶融粘度が高く射出成形性に劣っており、耐酸性も不充分であり、また、炭酸マグネシウム水和物を用いた比較例2では、熱伝導性樹脂組成物を作製する際に激しく発泡した。
炭酸マグネシウム無水塩単独の実施例3、11では、二次加工時の金型摩耗性が良好であるものの、耐酸性及び熱伝導率が若干低かった。耐酸性及び熱伝導率を改善するために、炭酸マグネシウム無水塩に加え、アルミナ、酸化マグネシウム又は窒化アルミニウムを更に配合した実施例4、5、6、7では、二次加工時の金型摩耗性も良好であり、かつ、耐酸性及び熱伝導率も良好であった。特に、炭酸マグネシウム無水塩の平均粒子径が大きく、アルミナ、酸化マグネシウム又は窒化アルミニウムの平均粒子径が小さい場合には、より良好な結果が得られた。
また、炭酸マグネシウム無水塩を配合しない実施例14、16、17では、耐酸性及び熱伝導率は高いものの、二次加工時の金型摩耗性が低くなった。
なお、無機充填材の含有量が74.1体積%の比較例1は、溶融粘度が高く射出成形性に劣っており、耐酸性も不充分であり、また、炭酸マグネシウム水和物を用いた比較例2では、熱伝導性樹脂組成物を作製する際に激しく発泡した。
本発明によれば、射出成形性に優れ、スクリュー等や二次加工時に使用する金型等の磨耗が少なく、加工性及び熱伝導性に優れた成形物を製造することができる熱伝導性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該熱伝導性樹脂組成物を用いて製造される電子回路用基板を提供することができる。
Claims (6)
- 液晶性ポリエステル樹脂に対し、炭酸マグネシウム無水塩、アルミナ、酸化マグネシウム及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの無機充填材を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、
熱伝導性樹脂組成物に占める前記無機充填材の含有量は、20体積%以上70体積%以下である
ことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。 - 無機充填材は、炭酸マグネシウム無水塩を30体積%以上含有することを特徴とする請求項1記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 炭酸マグネシウム無水塩は、表面に有機樹脂、シリコーン樹脂又はシリカにより形成された被覆層を有する被覆体であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 成形温度で、ずり速度1000s−1における溶融粘度が10〜2000Pa・sであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の熱伝導性樹脂組成物を用いて製造されるシートに導電層が積層されていることを特徴とする電子回路用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009163994A JP2011016962A (ja) | 2009-07-10 | 2009-07-10 | 熱伝導性樹脂組成物及び電子回路用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009163994A JP2011016962A (ja) | 2009-07-10 | 2009-07-10 | 熱伝導性樹脂組成物及び電子回路用基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011016962A true JP2011016962A (ja) | 2011-01-27 |
Family
ID=43594983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009163994A Pending JP2011016962A (ja) | 2009-07-10 | 2009-07-10 | 熱伝導性樹脂組成物及び電子回路用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011016962A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013256588A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Kaneka Corp | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物 |
JP2014001335A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Toyobo Co Ltd | 熱伝導性樹脂組成物 |
JP2014511922A (ja) * | 2011-04-06 | 2014-05-19 | サムスン ファイン ケミカルズ カンパニー リミテッド | 熱伝導性高分子複合素材及びそれを含む物品 |
JP2015012055A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 株式会社クラレ | 回路基板およびその製造方法 |
WO2019208476A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 樹脂組成物、樹脂フィルム、樹脂付き金属箔、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 |
WO2021187415A1 (ja) | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 三菱マテリアル株式会社 | 無機フィラー粉末、熱伝導性高分子組成物、無機フィラー粉末の製造方法 |
CN115023462A (zh) * | 2020-02-13 | 2022-09-06 | Nok株式会社 | 烯烃类橡胶组合物 |
EP4067424A1 (en) * | 2021-03-29 | 2022-10-05 | Omya International AG | Thermally conductive fillers |
US20220372245A1 (en) * | 2019-10-25 | 2022-11-24 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Resin composition, resin film, metal foil with resin, prepreg, metal-clad laminate, and printed wiring board |
-
2009
- 2009-07-10 JP JP2009163994A patent/JP2011016962A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014511922A (ja) * | 2011-04-06 | 2014-05-19 | サムスン ファイン ケミカルズ カンパニー リミテッド | 熱伝導性高分子複合素材及びそれを含む物品 |
JP2013256588A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Kaneka Corp | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物 |
JP2014001335A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Toyobo Co Ltd | 熱伝導性樹脂組成物 |
JP2015012055A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 株式会社クラレ | 回路基板およびその製造方法 |
AT522851B1 (de) * | 2018-04-27 | 2022-08-15 | Panasonic Ip Man Co Ltd | Harzzusammensetzung, Harzfilm, Metallfolie mit Harz, Prepreg, Metallkaschiertes Laminat und gedruckte Leiterplatte |
JP7209267B2 (ja) | 2018-04-27 | 2023-01-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 樹脂組成物、樹脂フィルム、樹脂付き金属箔、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 |
JPWO2019208476A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2021-05-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 樹脂組成物、樹脂フィルム、樹脂付き金属箔、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 |
US11617261B2 (en) | 2018-04-27 | 2023-03-28 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Resin composition, resin film, metal foil with resin, prepreg, metal-clad laminate, and printed wiring board |
WO2019208476A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 樹脂組成物、樹脂フィルム、樹脂付き金属箔、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 |
AT522851A5 (de) * | 2018-04-27 | 2022-08-15 | Panasonic Ip Man Co Ltd | Harzzusammensetzung, Harzfilm, Metallfolie mit Harz, Prepreg, Metallkaschiertes Laminat und gedruckte Leiterplatte |
CN112004888A (zh) * | 2018-04-27 | 2020-11-27 | 松下知识产权经营株式会社 | 树脂组合物、树脂膜、具有树脂的金属箔、预浸料、覆金属层压体和印刷线路板 |
US20220372245A1 (en) * | 2019-10-25 | 2022-11-24 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Resin composition, resin film, metal foil with resin, prepreg, metal-clad laminate, and printed wiring board |
US11814502B2 (en) * | 2019-10-25 | 2023-11-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Resin composition, resin film, metal foil with resin, prepreg, metal-clad laminate, and printed wiring board |
CN115023462A (zh) * | 2020-02-13 | 2022-09-06 | Nok株式会社 | 烯烃类橡胶组合物 |
CN115023462B (zh) * | 2020-02-13 | 2024-04-19 | Nok株式会社 | 烯烃类橡胶组合物 |
WO2021187415A1 (ja) | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 三菱マテリアル株式会社 | 無機フィラー粉末、熱伝導性高分子組成物、無機フィラー粉末の製造方法 |
EP4067424A1 (en) * | 2021-03-29 | 2022-10-05 | Omya International AG | Thermally conductive fillers |
WO2022207633A1 (en) * | 2021-03-29 | 2022-10-06 | Omya International Ag | Thermally conductive fillers |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011016962A (ja) | 熱伝導性樹脂組成物及び電子回路用基板 | |
TWI750287B (zh) | 液晶聚酯樹脂組成物 | |
JP5122116B2 (ja) | 熱伝導性樹脂組成物 | |
KR20190082951A (ko) | 육방정 질화붕소 분말, 그 제조 방법, 수지 조성물 및 수지 시트 | |
JP2009263640A (ja) | 熱伝導性樹脂組成物及びその用途 | |
US7214761B2 (en) | Highly thermal-conductive resin composition | |
JP2019014785A (ja) | 液晶ポリエステル樹脂組成物および成形体 | |
JP2004027021A (ja) | 全芳香族液晶ポリエステル樹脂成形体 | |
JP2008050555A (ja) | 熱伝導性樹脂組成物およびその用途 | |
KR20020058061A (ko) | 수지 조성물 및 플렉시블 프린트 배선판 | |
KR20140009107A (ko) | 수지 조성물 및 상기 수지 조성물로 이루어지는 성형체와 기판재 및 상기 기판재를 포함하여 이루어지는 회로기판 | |
KR20160089428A (ko) | 개선된 도금 성능을 갖는 높은 탄성률 레이저 직접 구조화 폴리카보네이트 조성물들 및 반사 첨가제들에 의한 넓은 레이저 윈도우 | |
TWI835723B (zh) | 樹脂材料、積層膜及多層印刷佈線板 | |
TWI836143B (zh) | 耐滾珠軸承滑動磨耗部件用液晶性樹脂組合物及使用其的耐滾珠軸承滑動磨耗部件 | |
JP2018168320A (ja) | 液晶ポリエステル組成物および成形体 | |
EP0283914B1 (en) | Aromatic polysulfone resin composition having excellent plating characteristics | |
CN114555703A (zh) | 树脂组合物、树脂膜、具有树脂的金属箔、预浸料、覆金属层压体和印刷线路板 | |
KR20050107999A (ko) | 동박적층판용 에폭시 수지 조성물 | |
TW201945464A (zh) | 液晶性樹脂組合物 | |
WO2014008669A1 (zh) | 用于沉积金属薄膜的改性树脂组合物、其制备方法以及其应用 | |
WO2002034832A1 (fr) | Composition de resine epoxy et son utilisation | |
JP4973114B2 (ja) | 樹脂組成物、それからなる錠剤の製造方法、および成形品 | |
JP5662858B2 (ja) | Bステージフィルム及び多層基板 | |
JP7468841B2 (ja) | 無機充填剤、窒化ホウ素組成物、無機充填剤の製造方法、および窒化ホウ素組成物の製造方法 | |
JP5169155B2 (ja) | 樹脂組成物の製造方法 |