JP2011092010A - 電力安定化システム、電力安定化制御プログラム、電力安定化制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】風力発電機130の出力変動を電力貯蔵装置140の貯蔵電力量Esにて補償することで、風力発電機130が接続される電力系統110の有効電力の変動を防止する電力安定化システム100の制御装置150において、有効電力検出部151、補償目標値演算部152、補償電力演算部153、電力変換器制御部154、電力変換器141の制御経路に補正信号Pcを与える補正信号演算部156は、電力貯蔵装置140の貯蔵電力量Esに基づいて、貯蔵電力量Esが上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、貯蔵電力量Esが下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、補正信号Pcを演算する。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、フライホイールの制御装置において、フライホイールの回転速度(貯蔵電力量に相当)と目標回転速度(回転速度上限値と下限値の間に設定)との差異に基づいて回転速度が目標回転速度に近づくよう、フライホイールへの出力指令値に補正信号を加算することにより、フライホイールの充放電量の平均的な偏りを制御している。
このように、本発明の電力安定化技術によれば、電力貯蔵装置の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量が長期的に上下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補正信号によるステップ的外乱が発生せず、補償すべき電力変動成分自体が縮小することが無く、頻繁に補正動作が入り切りすることが無い、より効果的な電力変動補償が可能となる。
尚、本発明は、交流電力系統の有効電力変動を抑制する電力安定化システムに関するものであり、以下の説明では、上記自然エネルギーを利用した分散型電源が接続された交流電力系統を例にするが、この例に限らない。本発明の電力安定化システムは、負荷変動やマイクログリッド連系運転時の連系点潮流変動等、交流電力系統の有効電力変動を抑制する目的であれば適用できる。また、以下の説明では、上記自然エネルギーを利用した分散型電源の一例として、風力発電機を例にして説明するが、この例に限らず、例えば太陽光発電等であってもよい。
図1は、参考例1における電力安定化システムの構成の一例を示す概念図であり、図2は、参考例1の電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。
電力変換器141は、制御装置150からの電力変換器出力指令値PO(ここでは、電力貯蔵装置140から電力を放出する方向を、“正”とする)に基づいて、電力系統110と電力貯蔵装置140との間で電力の授受を行う。電力貯蔵装置140がフライホイールである場合は、フライホイール側の交流電力と電力系統110側の交流電力を双方向に変換し、電力貯蔵装置140が二次電池・キャパシタ等である場合には、二次電池・キャパシタ側の直流電力と電力系統110の側の交流電力を双方向に変換する。
すなわち、補正信号演算部156は、貯蔵電力量Esが上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、貯蔵電力量Esが下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、有効電力計測値PGを補正する補正信号Pcを演算する。
参考例1の場合、補正信号演算部156で求めた補正信号Pcを、補償目標値演算部152の前段に配置された加算部157において、有効電力計測値PGに加算して補正有効電力PG’を求め、補償目標値演算部152に入力する。
ただし、有効電力変動成分除去フィルタ152aとしては、有効電力変動成分を除去する機能を有していれば、何次のローパスフィルタを用いても良く、あるいは、一次ローパスフィルタを何段か直列させる構成でも良く、あるいは、移動平均処理により変動成分除去を行う構成としてもよい。
上述の構成の参考例1の制御装置150の特徴は、有効電力計測値PGに補正信号
Pcを加算した補正有効電力PG’を補償目標値演算部152の入力値とすることにある。
続いて、図3、図4、図5、図6に参考例2における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの構成図を示す。
すなわち、図3および図4の例では、制御装置150Aにおいて、補償目標値演算部152と補償電力演算部153の間に、加算部157を設け、この加算部157において、補償目標値演算部152から出力される補償目標値PAに対して、フィルタ158を介して補正信号Pcを加え、得られた補正補償目標値PA’を補償電力演算部153に入力している。
続いて、図7および図8に、実施の形態1における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの構成図を示す。
電力貯蔵装置140、電力変換器141については、上述の参考例1で説明した形態と同じであるため、説明は省略する。
有効電力変動成分抽出フィルタ153aにより、有効電力計測値PGから有効電力変動成分を抽出し補償電力ΔPG(ここでは、電力貯蔵装置140から電力を放出する方向を、“正”とする)を演算する。
上述のように、本実施の形態1の制御装置150Cの特徴は、補正信号演算部156において演算した補正信号Pcを、急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、補償電力ΔPGに加算することにある。
続いて、図9および図10に、実施の形態2における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの構成図を示す。
すなわち、本実施の形態2の制御装置150Dにおいては、補償目標値演算部152と補償電力演算部153との間に、加算部157およびフィルタ158を直列に配置している。
時定数TFとは無関係に自由に設定できる。
本実施の形態2の場合には、補償目標値PAに補正信号Pcを加算した後、急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通した値を補正補償目標値PA’とし、補償電力演算部153の入力値とするので、補償目標値PAに補正信号Pcを加算した後、急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通すことによって、補正信号Pcの加算開始時、或いは加算終了時の補正補償目標値PA’のステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。
図11に実施の形態3である電力安定化システムにおける補正信号演算部156の構成図を示す。なお、図11に記載の補正信号演算部156の構成は、上述の参考例1,2および実施の形態1,2における補正信号演算部156に共通して適用できる。
補正信号演算部156において、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを設ける。
本実施の形態3の場合には、貯蔵電力量Esと、LS、LE、HE、HSの各々との関係に基づいて、補正信号演算部156から、補正信号Pcとして、補正信号Pcm、0(零)、補正信号Pcpのいずれかが出力される。
ここでは、参考例1、実施の形態3に基づいた電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムにおいて、補正制御(以下「参考例1および実施の形態3による補正制御」と記す)を行った実測波形を示す。なお、参考例1および実施の形態3による補正制御では、参考例1における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムにおいて、実施の形態3に基づいて補正信号Pcを演算し、補償目標値演算部152に入力する有効電力計測値PGに補正信号Pcを加算する。
正動作が頻繁に入り切り(ON/OFF)することにより、補償目標値PAもハンチングを起こしていることが分かる。
110 電力系統
120 電力ケーブル
121 変圧器
122 変圧器
123 変圧器
130 風力発電機
140 電力貯蔵装置
141 電力変換器
150 制御装置
150A 制御装置
150B 制御装置
150C 制御装置
150D 制御装置
151 有効電力検出部
151a 電圧検出部
151b 電流検出部
152 補償目標値演算部
152a 有効電力変動成分除去フィルタ
153 補償電力演算部
153a 有効電力変動成分抽出フィルタ
154 電力変換器制御部
155 貯蔵電力量検出部
156 補正信号演算部
157 加算部
158 フィルタ
Es 貯蔵電力量
HE 高貯蔵電力量時補正終了しきい値
HS 高貯蔵電力量時補正開始しきい値
LE 低貯蔵電力量時補正終了しきい値
LS 低貯蔵電力量時補正開始しきい値
PA 補償目標値
PA’ 補正補償目標値
Pc 補正信号
Pc’ 補正信号
Pcm 正の補正信号
Pcp 負の補正信号
PG 有効電力計測値
PG’ 補正有効電力
PO 電力変換器出力指令値
ΔPG 補償電力
ΔPG’ 補正補償電力
Claims (9)
- 電力を貯蔵し、交流電力系統に対して電力の吸収または放出を行う電力貯蔵装置と、
前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間で入出力される前記電力を相互に変換する電力変換器と、
前記交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように前記電力変換器の変換動作を制御する制御装置と、
を含む電力安定化システムであって、
前記制御装置は、
前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し、補償電力を算出する補償電力演算手段と、
前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力とする加算手段と、
前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
を含むことを特徴とする電力安定化システム。 - 電力を貯蔵し、交流電力系統に対して電力の吸収または放出を行う電力貯蔵装置と、
前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間で入出力される前記電力を相互に変換する電力変換器と、
前記交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように前記電力変換器の変換動作を制御する制御装置と、
を含む電力安定化システムであって、
前記制御装置は、
前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出する補償目標値演算手段と、
前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力するフィルタと、
前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出する補償電力演算手段と、
前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
を含むことを特徴とする電力安定化システム。 - 請求項1または請求項2に記載の電力安定化システムにおいて、前記補正信号演算手段では、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、
貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、前記補正信号の出力を停止し、
貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、前記補正信号の出力を停止するよう動作することを特徴とする電力安定化システム。 - 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し、補償電力を算出する補償電力演算手段と、
前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力とする加算手段と、
前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
を実現させることを特徴とする電力安定化制御プログラム。 - 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出する補償目標値演算手段と、
前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力するフィルタと、
前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出する補償電力演算手段と、
前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
を実現させることを特徴とする電力安定化制御プログラム。 - 請求項4または請求項5に記載の電力安定化制御プログラムにおいて、前記補正信号演算手段では、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、
貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、前記補正信号の出力を停止し、
貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、前記補正信号の出力を停止するよう動作することを特徴とする電力安定化制御プログラム。 - 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御方法であって、
前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出し、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出し、
前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出して補償電力を算出し、
前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算し、
前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力を演算し、
前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御することを特徴とする電力安定化制御方法。 - 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御方法であって、
前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出し、
前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出し、
有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出し、
前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算し、
前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力し、
前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出し、
前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御することを特徴とする電力安定化制御方法。 - 請求項7または請求項8に記載の電力安定化制御方法において、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、
貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に充電電力の補正を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、充電電力の前記補正を停止し、
貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に放電電力の補正を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、放電電力の前記補正を停止するよう動作することを特徴とする電力安定化制御方法。
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