JP2011068847A - 画像形成材料及び色素含有組成物、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、前記ペリミジン系スクアリリウム色素全体に対する、温度25℃におけるテトラヒドロフランへの溶解度が1×10−5mol/L以下である前記ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が80モル%以上である、画像形成材料。
【選択図】図1
Description
そして、その750nm以上1000nm以下の近赤外領域に吸収を有する画像形成材料としては、例えば、ナフタロシアニン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素などを用いた画像形成材料が挙げられる(例えば、下記特許文献1から6を参照)。
すなわち、請求項1に係る発明は、
下記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素全体に対する、温度25℃におけるテトラヒドロフランへの溶解度が1×10−5mol/L以下である前記ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が80モル%以上である、画像形成材料である。
前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーにより分析して得られる前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークのうち、最も長い保持時間において現れるピークのピーク面積の割合は、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークすべてのピーク面積の合計の80%以上である、画像形成材料である。
粒度が5μmであり、内径が4.6mmであり、長さが150mmであるオクタデシルシリルカラムを用い、移動相としてアセトニトリルと水とを8:2の体積比で混合した混合溶液を用い、カラム温度が45℃であり、測定サンプルの流速が1ml/minであり、かつ、検出波長が254nmである条件において、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーによって分析したとき、保持時間が50±2分である領域に、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークが現れない、請求項1又は請求項2に記載の画像形成材料である。
電子写真用トナー、インクジェットプリンター用インク、又は活版、オフセット、フレキソ、グラビア若しくはシルク印刷用のインクである、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成材料である。
前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルの少なくとも一方を含む溶媒により洗浄する洗浄工程を有する、画像形成材料の製造方法である。
下記式(2)で表されるペリミジン中間体と、下記式(3)で表されるスクアリン酸と、を反応させて、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程をさらに有する、請求項5に記載の画像形成材料の製造方法である。
25℃における誘電率が14(単位:Fm−1)以下であるアルコールが1質量%以上20質量%以下の範囲で含まれる溶媒を用い、前記式(2)で表されるペリミジン中間体と前記式(3)で表されるスクアリン酸とを反応させて、前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程を有する、画像形成材料の製造方法である。
前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素全体に対する、温度25℃におけるテトラヒドロフランへの溶解度が1×10−5mol/L以下である前記ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が80モル%以上である、色素含有組成物である。
前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーにより分析して得られる前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークのうち、最も長い保持時間において現れるピークのピーク面積の割合は、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークすべてのピーク面積の合計の80%以上である、色素含有組成物である。
粒度が5μmであり、内径が4.6mmであり、長さが150mmであるオクタデシルシリルカラムを用い、移動相としてアセトニトリルと水とを8:2の体積比で混合した混合溶液を用い、カラム温度が45℃であり、測定サンプルの流速が1ml/minであり、かつ、検出波長が254nmである条件において、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーによって分析したとき、保持時間が50±2分である領域に、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークが現れない、請求項8又は請求項9に記載の色素含有組成物である。
前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルの少なくとも一方を含む溶媒により洗浄する洗浄工程を有する、色素含有組成物の製造方法である。
前記式(2)で表されるペリミジン中間体と、前記式(3)で表されるスクアリン酸と、を反応させて、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程をさらに有する、請求項11に記載の色素含有組成物の製造方法である。
25℃における誘電率が14(単位:Fm−1)以下であるアルコールが1質量%以上20質量%以下の範囲で含まれる溶媒を用い、前記式(2)で表されるペリミジン中間体と前記式(3)で表されるスクアリン酸とを反応させて、前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程を有する、色素含有組成物の製造方法である。
[画像形成材料]
本実施形態に係る画像形成材料は、下記式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素(以下、「ペリミジン系スクアリリウム色素」と称する場合がある)を含有する。
本実施形態の画像形成材料は、難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が上記範囲であることにより、優れた耐光性が得られる。また上記難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量は、90モル%以上がより好ましい。
50mgのペリミジン系スクアリリウム色素を1LのTHFに加えて超音波を30分照射し、室温に戻るまで静置する。沈殿物を0.05μmフィルターを用いてろ過して分離し、その重さを計測する。最初に加えた重さとの差分が溶解量であり、(溶解量)÷(分子量)でTHF溶解度が求められる。
前記複数のピークは、具体的には、保持時間が12±1分に現れるピーク(以下、「ピークA」と称する場合がある)、保持時間が42±1分に現れるピーク(以下、「ピークB」と称する場合がある)、保持時間が46±2分に現れるピーク(以下、「ピークC」と称する場合がある)、保持時間が50±2分に現れるピーク(以下、「ピークD」と称する場合がある)、及び保持時間が57±2分に現れるピーク(以下、「ピークE」と称する場合がある)によって構成されている。なお、上記保持時間は、小数点第1位を四捨五入して得られた値である。
まず、ペリミジン系スクアリリウム色素をTHFに溶解させ、1×10−4mol/L以下のTHF溶液を調整する。なお溶媒のTHFとしては、例えばHPLC用THFが用いられる。また上記THF溶液の調整においては、ペリミジン系スクアリリウム色素が溶解するように、例えばTHF溶液に超音波を30分照射してもよい。
HPLC用カラムとしてはオクタデシルシリルカラム(ODSカラム)が用いられ、具体的には、例えば製造元:株式会社ケムコ、商品名:CHEMCOSORB、品番:5−ODS−H、粒度:5μm、内径:4.6mm、長さ:150mmのものが挙げられる。ここで、オクタデシルシリルカラムとは、オクタデシルシリル基で表面が修飾された化学結合型多孔性球状シリカゲルが固定相として充填されているカラムである。
また測定条件としては、例えば、カラム温度:45℃、測定サンプルの注入量:10μl、測定サンプルの流量:1ml/min、検出波長:254nm、移動相:アセトニトリルと水との混合溶液(体積比は、アセトニトリル:水=8:2)の条件が挙げられる。
なお、前記複数のピークを示すペリミジン系スクアリリウム色素のうち、ピークAからピークDを示すペリミジン系スクアリリウム色素は、THF溶解度が1×10−5mol/Lより大きいものである。また、ピークEを示すペリミジン系スクアリリウム色素は、THF溶解度が1×10−5mol/L以下のものであり、上記「難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素」である。
すなわち、ピークAからピークEすべてのピーク面積の合計に対する、ピークEのピーク面積の割合が80%以上であるということは、ペリミジン系スクアリリウム色素全体に対する難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素の割合が80モル%以上であることを意味する。
まず、前記ペリミジン系スクアリリウム色素をHPLCにより分析すると、ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークが複数表れることを発明者らは見出した。この複数のピーク(すなわち上記ピークAからピークE)を示す化合物は、上記式(1)で表される化合物の異性体であると考えられる。すなわち、上記式(1)で表される化合物には、少なくとも5種類の異性体が存在すると考えられる。
一方、発明者らは、上記ピークAからピークEを示す化合物が上記の通り異なるTHF溶解度を示すことを見出した。そして、鋭意検討の結果、ピークEのピーク面積がピークAからピークEのピーク面積の合計の80%以上、すなわちピークEを示す化合物である難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素がペリミジン系スクアリリウム色素全体の80モル%以上であることにより、優れた耐光性が得られることを見出した。
その理由は次のように考えられる。一般的に複数の異性体のうち、相対的に対称性の高い異性体が、他の異性体に比べて、より難溶性を示すものと考えられる。つまり本実施形態において、ピークAからピークEを示す化合物のうち最も難溶性であるピークEを示す化合物が、相対的に対称性の高い化合物であると考えられる。また、対称性の高い異性体は、他の異性体に比べて、光などの外部刺激に対して安定であり、劣化しにくいと考えられる。このことから、本実施形態においては、HPLC分析においてピークEを示す難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量を従来よりも高くすることによって、室内のみならず屋外においても優れた耐光性が得られたのであると推測される。
そして、上記ピークDが現れないことにより、ピークDを示すペリミジン系スクアリリウム色素の異性体が画像形成材料の特性等に与える影響が小さくなり、画像形成材料の品質安定性が向上すると考えられる。
本実施形態の画像形成材料は、後述するようにペリミジン系スクアリリウム色素以外の成分を更に含有してもよいが、画像形成材料全体に対するペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が0.05重量%以上3重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上2重量%以下がより好ましい。
帯電制御剤としては正帯電用のものと負帯電用のものがあり、正帯電用の帯電制御剤としては、例えば、第4級アンモニウム系化合物が挙げられる。また、負帯電用の帯電制御剤としては、例えば、アルキルサリチル酸の金属錯体、極性基を含有したレジンタイプの帯電制御剤等が挙げられる。オフセット防止剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等が挙げられる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
有機溶媒は、吸湿性、保湿性、ペリミジン系スクアリリウム色素の溶解度、浸透性、インクの粘度、氷点等を考慮して選択される。インクジェットプリンター用インク中の有機溶媒の含有率としては、例えば、1重量%以上60重量%以下の範囲が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、アルコールアミン類、アンモニウム塩類、金属水酸化物等が挙げられる。また、比抵抗調製剤としては、例えば、有機塩類、無機塩類が挙げられる。金属封鎖剤としては、例えば、キレート剤等が挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等の天然樹脂;ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂;レゾール型フェノール樹脂尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
また、有機溶媒としては、例えば、上記インクジェットプリンター用インクの説明において例示された有機溶媒が挙げられる。
以下、上記本実施形態に係る画像形成材料の製造方法について説明する。
(第1の製造方法)
まず、第1の製造方法について説明する。第1の製造方法は、上記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を、THF及びアセトニトリルの少なくとも一方を含む溶媒により洗浄する洗浄工程を有する。
本実施形態においては、上記工程を経て画像形成材料を製造することにより、耐光性の優れた画像形成材料が得られる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
1回の上記洗浄工程で用いる溶媒(THF及びアセトニトリルの少なくとも1種以上を含む溶媒)の量としては、例えば、ペリミジン系スクアリリウム色素1gに対し、50ml以上500ml以下の範囲が挙げられる。
以下、ペリミジン系スクアリリウム色素の合成方法について説明する。
ペリミジン系スクアリリウム色素は、例えば以下の反応スキームに従って得られる。
次に、第2の製造方法について説明する。第2の製造方法は、25℃における誘電率が14(単位:Fm−1)以下であるアルコールが1質量%以上20質量%以下の範囲で含まれる混合液を溶媒として用いて、前記式(2)で表されるペリミジン中間体と前記式(3)で表されるスクアリン酸とを反応させて、前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程を有する。
本実施形態においては、上記工程を経て画像形成材料を製造することにより、耐光性の優れた画像形成材料が得られる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
また、上記アルコールの25℃における誘電率は、14(単位:Fm−1)以下がよく、13(単位:Fm−1)以下がより好ましい。
さらに、上記アルコールの含有量は、1質量%以上20質量%以下がよく、この中でも4質量%以上16質量%以下が好ましい。
混合液は、25℃における誘電率が上記範囲から外れるアルコールを含まないことがよく、含んでも10質量%以下であることがよい。
上記低極性化合物又は無極性化合物としては、例えば、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、ノナン等が挙げられ、1種でもよく、2種以上用いられてもよい。
上記低極性化合物又は無極性化合物の25℃における誘電率は、3(単位:Fm−1)以下であってもよく、2(単位:Fm−1)以下であってもよい。
また第2の製造方法は、上記合成工程を経て得られたペリミジン系スクアリリウム色素を洗浄する洗浄工程を含んでも含まなくてもよい。
ピークDが現れないペリミジン系スクアリリウム色素を得る方法としては、例えば、洗浄工程において、25℃における誘電率が4(単位:Fm−1)以上9(単位:Fm−1)以下である溶媒を用いる方法が挙げられる。上記溶媒を用いて洗浄を行うことによりピークDが現れないペリミジン系スクアリリウム色素が得られる理由は定かではないが、ピークDを示すペリミジン系スクアリリウム色素の極性と上記溶媒の極性とが近く、上記溶媒に対するピークDを示すペリミジン系スクアリリウム色素の溶解度が高いためであると推測される。
上記溶媒の25℃における誘電率としては、4(単位:Fm−1)以上9(単位:Fm−1)以下であってもよく、5(単位:Fm−1)以上8(単位:Fm−1)以下であってもよい。
本実施形態に係る画像形成材料は、下記式(6)及び(7)で表される条件を満たすことが好ましい。下記式(6)及び(7)で表される条件を満たすことで、画像形成材料の色味によらず、情報の不可視性と不可視情報の読み取りやすさとが両立され、不可視情報が記録された記録媒体における長期信頼性が実現される。
式(6):0≦ΔE≦16
式(7):(100−R)≧75
ただし、上記式(6)中、ΔEは下記式(8)で表されるCIE1976L*a*b*表色系における色差を示し、式(7)中、R(単位:%)は前記画像部における波長850nmの赤外線反射率を示す。
上記L1、a1、b1、L2、a2、b2は反射分光濃度計を用いて得られる。本実施形態においては、反射分光濃度計として、例えばエックスライト株式会社製、x−rite939を用いて測定される。
上述した難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素を80モル%以上含有するペリミジン系スクアリリウム色素は、上記画像形成材料に限られず、例えば、赤外光の吸収により発熱する発熱体や赤外線フィルター等に用いる色素含有組成物に適用しても、優れた耐光性が得られる。
<ペリミジン系スクアリリウム色素の調製:二段階合成>
1,8−ジアミノナフタレン4.843g(98%,30.0mmol)、3,5−ジメチルシクロヘキサノン3.886g(98%,30.2mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物10mg(0.053mmol)とトルエン45mlの混合液を窒素ガスの雰囲気中に攪拌しながら加熱し、5時間還流させた。反応中にできた水を共沸蒸留により除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体はアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製し、乾燥してから、茶色固体7.48g(収率93.6%)を得た。得られた茶色固体の1H−NMRスペクトル(CDCl3)による分析結果を以下に示す。
δ=7.25、7.23、7.22、7.20、7.17、7.15(m,4H,Harom);6.54(d×d,J1=23.05Hz,J2=7.19Hz,2H,Harom);4.62(br s,2H,2×NH);2.11(d,J=12.68Hz,2H,CH2);1.75、1.71、1.70、1.69、1.67、1.66(m,3H,2×CH、CH2);1.03(t,J=12.68Hz,2H,CH2);0.89(d,J=6.34Hz,6H,2×CH3);0.63(d,J=11.71Hz,1H,CH2)
上記色素化合物Aを以下のようにして洗浄した。
具体的には、色素化合物A5gに対してTHFを800ml加え、超音波を30分照射し、溶液が室温に戻ったら不溶物を吸引ろ過によりろ別した。
上記洗浄工程を、3回繰り返して行い、色素化合物Bを得た。
νmax=3487、3429、3336(NH),3053(=C−H),2947(CH3),2914、2902(CH2),2864(CH3),2360,1618、1599、1558、1541(C=C ring),1450、1421、1363(CH3、CH2),1315、1223、1201(C−N),1163、1119(C−O−),941,924,822,783,715cm−1
δ=10.52(m,2H,NH);7.80、7.78(d,2H,Harom);7.35、7.33(m,2H,Harom);7.25(m,2H,NH);6.82、6.80、6.78(m,4H,Harom);6.74、6.72、6.52、6.50(m,2H,Harom);2.17(m,5H,CH2);1.91(m,3H,CH2);1.71(m,2H,CH、CH2);1.15、1.12(m,4H,CH2);0.92、0.91(m,12H,4×CH3);0.66(m,2H,CH2)
m/z=610(M+,100%),611(M++1,47.5%)
C:78.6%(実測値)、78.66%(計算値)
H:6.96%(実測値)、6.93%(計算値)
N:9.02%(実測値)、9.17%(計算値)
O:5.42%(実測値)、5.24%(計算値)
λmax=809nm(テトラヒドロフラン溶液中)
εmax=1.68×105M−1cm−1(テトラヒドロフラン溶液中)
得られた色素化合物Bを蒸留水(溶媒)中に分散させた分散液(試料濃度0.165質量%)40.4μlと、ポリスチレンアクリル酸n−ブチルを蒸留水(溶媒)中に分散させた分散液(試料濃度40質量%)15μlと、蒸留水5gと、を混合した混合液を、ウルトラタラックスで分散化処理して、混合スラリーとした。得られた混合スラリーにPAC凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を加えて顔料ラテックス複合体の分散液を調整し、220nmフィルターでろ過して画像形成材料1(顔料ラテックス複合体)を得た。なお、画像形成材料1はトナーと同様な色特性を示す複合体である。
得られた画像形成材料1のHPLC測定を以下のようにして行った。
まず、画像形成材料1から以下のようにして色素化合物Bを分離した。具体的には、5gの画像形成材料1を1Lのアセトンに加えて超音波を30分照射し、室温に戻るまで静置する。この溶液を、220nmフィルターを用いてろ過し、色素化合物Bを得た。
得られた色素化合物B6.1mgを100mlのメスフラスコに入れ、HPLC用THFを加えて超音波を30分照射して溶解させ、100mlのTHF溶液を調整した。この溶液を用いて、上記装置及び上記条件により色素化合物BのHPLC測定を行った。その結果、上記ピークAからピークEが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の92%であった。
得られた色素化合物Bを50mg取り、1LのTHFに加えて超音波を30分照射し、室温に戻るまで静置する。沈殿物は非常に細かいので、0.05μmフィルターを用いてろ過し、その重さを計測したところ、42mgであった。難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素以外はTHFに溶解するので、上記HPLC結果を踏まえて、色素化合物B中に含まれる難溶性ペリミジン系スクアリリウム色素の量は50×0.92=46(mg)と分かる。この重さと、ろ過によって得られた沈殿物の重さの差分4mgが溶解量なので、(溶解量)÷(分子量)でTHF溶解度は7×10−6mol/Lと分かった。
洗浄工程において、THF洗浄操作を3回の代わりに1回だけした以外は、色素化合物Bと同様にして色素化合物Cを得た。
色素化合物Bの代わりに色素化合物Cを用いた以外は、画像形成材料1と同様にして画像形成材料2を得た。
得られた画像形成材料2についてのHPLC測定を、画像形成材料1と同様にして行った。
その結果、上記ピークAからピークEが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の80%であった。
洗浄工程において、THF洗浄操作を3回の代わりに5回した以外は、色素化合物Bと同様にして色素化合物Dを得た。
色素化合物Bの代わりに色素化合物Dを用いた以外は、画像形成材料1と同様にして画像形成材料3を得た。
得られた画像形成材料3についてのHPLC測定を、画像形成材料1と同様にして行った。
その結果、上記ピークAからピークEが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の95%であった。
洗浄工程において、THFを用いる代わりにアセトニトリルを用いた以外は、色素化合物Bと同様にして色素化合物Eを得た。
色素化合物Bの代わりに色素化合物Eを用いた以外は、画像形成材料1と同様にして画像形成材料4を得た。
得られた画像形成材料4についてのHPLC測定を、画像形成材料1と同様にして行った。
その結果、上記ピークAからピークEが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の80%であった。
色素化合物Bの代わりに色素化合物Aを用いた以外は、画像形成材料1と同様にして画像形成材料5を得た。
得られた画像形成材料5についてのHPLC測定を、画像形成材料1と同様にして行った。
その結果、上記ピークAからピークEが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の70%であった。
得られたフィルター上の画像形成材料を、120℃で熱圧着を行い、単位面積あたりの顔料量が0.045g/m2の評価用画像を作製した。
得られた評価用画像に対し、48時間、光照射(光源:キセノンランプ、放射照度:540W/m2=100kルクス、UVカットフィルタなし)を行った。
上記光照射前及び光照射後における評価用画像の810nmにおける吸光度を、日立製作所製の分光光度計U−4100により測定し、光照射前の吸光度を100%としたときの光照射後の吸光度を求めて耐光性の評価を行った。
<ペリミジン系スクアリリウム色素の調製>
n−ブタノール38.4gとトルエン61.6gの混合液を用いる代わりに、n−ヘキサノール17gとトルエン83gの混合液を用いた以外は、色素化合物Aと同様にして、色素化合物Fを得た。
色素化合物Bの代わりに色素化合物Fを用いた以外は、画像形成材料1と同様にして画像形成材料6を得た。
得られた画像形成材料6についてのHPLC測定を、画像形成材料1と同様にして行った。
その結果、上記ピークAは現れず、ピークBからピークEのみが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の80.6%であった。
<洗浄工程>
上記色素化合物Fを以下のようにして洗浄した。
具体的には、色素化合物F5gに対してTHFを75ml加え、超音波を30分照射し、溶液が室温に戻ったら不溶物を吸引ろ過によりろ別した。
上記洗浄工程を、5回繰り返して行い、色素化合物Gを得た。
色素化合物Bの代わりに色素化合物Gを用いた以外は、画像形成材料1と同様にして画像形成材料7を得た。
得られた画像形成材料7についてのHPLC測定を、画像形成材料1と同様にして行った。
その結果、上記ピークA及びピークDは現れず、ピークB、ピークC、及びピークEのみが検出され、ピークEのピーク面積の割合は、ピークAからピークEのピーク面積の合計の85.2%であった。
画像形成材料6及び画像形成材料7についても、画像形成材料1と同様に耐光性の評価を行った。その結果、実施例5及び実施例6では、比較例1に比べて優れた耐光性を有することが確認された。
Claims (13)
- 下記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素全体に対する、温度25℃におけるテトラヒドロフランへの溶解度が1×10−5mol/L以下である前記ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が80モル%以上である、画像形成材料。
- 前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーにより分析して得られる前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークのうち、最も長い保持時間において現れるピークのピーク面積の割合は、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークすべてのピーク面積の合計の80%以上である、画像形成材料。 - 粒度が5μmであり、内径が4.6mmであり、長さが150mmであるオクタデシルシリルカラムを用い、移動相としてアセトニトリルと水とを8:2の体積比で混合した混合溶液を用い、カラム温度が45℃であり、測定サンプルの流速が1ml/minであり、かつ、検出波長が254nmである条件において、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーによって分析したとき、保持時間が50±2分である領域に、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークが現れない、請求項1又は請求項2に記載の画像形成材料。
- 電子写真用トナー、インクジェットプリンター用インク、又は活版、オフセット、フレキソ、グラビア若しくはシルク印刷用のインクである、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成材料。
- 前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルの少なくとも一方を含む溶媒により洗浄する洗浄工程を有する、画像形成材料の製造方法。
- 下記式(2)で表されるペリミジン中間体と、下記式(3)で表されるスクアリン酸と、を反応させて、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程をさらに有する、請求項5に記載の画像形成材料の製造方法。
- 25℃における誘電率が14(単位:Fm−1)以下であるアルコールが1質量%以上20質量%以下の範囲で含まれる溶媒を用い、前記式(2)で表されるペリミジン中間体と前記式(3)で表されるスクアリン酸とを反応させて、前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程を有する、画像形成材料の製造方法。
- 前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素全体に対する、温度25℃におけるテトラヒドロフランへの溶解度が1×10−5mol/L以下である前記ペリミジン系スクアリリウム色素の含有量が80モル%以上である、色素含有組成物。 - 前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を含有し、
前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーにより分析して得られる前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークのうち、最も長い保持時間において現れるピークのピーク面積の割合は、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークすべてのピーク面積の合計の80%以上である、色素含有組成物。 - 粒度が5μmであり、内径が4.6mmであり、長さが150mmであるオクタデシルシリルカラムを用い、移動相としてアセトニトリルと水とを8:2の体積比で混合した混合溶液を用い、カラム温度が45℃であり、測定サンプルの流速が1ml/minであり、かつ、検出波長が254nmである条件において、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を逆相系液体クロマトグラフィーによって分析したとき、保持時間が50±2分である領域に、前記ペリミジン系スクアリリウム色素に由来するピークが現れない、請求項8又は請求項9に記載の色素含有組成物。
- 前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルの少なくとも一方を含む溶媒により洗浄する洗浄工程を有する、色素含有組成物の製造方法。
- 前記式(2)で表されるペリミジン中間体と、前記式(3)で表されるスクアリン酸と、を反応させて、前記ペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程をさらに有する、請求項11に記載の色素含有組成物の製造方法。
- 25℃における誘電率が14(単位:Fm−1)以下であるアルコールが1質量%以上20質量%以下の範囲で含まれる溶媒を用い、前記式(2)で表されるペリミジン中間体と前記式(3)で表されるスクアリン酸とを反応させて、前記式(1)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を合成する合成工程を有する、色素含有組成物の製造方法。
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