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JP2011068026A - インサート成形による加飾成形物およびその製造方法 - Google Patents

インサート成形による加飾成形物およびその製造方法 Download PDF

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JP2011068026A
JP2011068026A JP2009220943A JP2009220943A JP2011068026A JP 2011068026 A JP2011068026 A JP 2011068026A JP 2009220943 A JP2009220943 A JP 2009220943A JP 2009220943 A JP2009220943 A JP 2009220943A JP 2011068026 A JP2011068026 A JP 2011068026A
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Koji Imayoshi
孝二 今吉
Hayato Funaki
速人 舩木
Yuichi Hoshino
裕一 星野
Tadashi Takeda
忠 武田
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】物理的、化学的に耐性、強度の高い加飾成形物を提供することを目的とする。
【解決手段】成形樹脂上に加飾フィルムが積層された加飾成形物において、前記加飾フィルムは、少なくともベースフィルム表面に加飾パターンが形成されており、前記成形樹脂の表面に、前記加飾フィルムを、前記加飾パターンが形成された面からインサート成形によって固着された加飾成型物であって、前記加飾パターンが前記ベースフィルムおよび前記成形樹脂によって完全に封止されていることを特徴とする加飾成形物。
【選択図】図5

Description

本発明は、携帯電話やパソコンなどの電気機器、化粧品の容器などのプラスチックの表面加飾に関するものであり、特にフィルムインサート法による加飾成形物の構造と製造方法に関するものである。
近年プラスチック成形物の表面加飾は表現性の高いものが要求されている。一般に、プラスチック成形物の表面加飾は、直接印刷、転写印刷、箔押し、塗装、水中転写等、を利用して成形後のプラスチック成形物に対して加飾を行う方法と、インモールド成形法やインサート成形法などによる射出成形と同時絵付けを利用してプラスチック成形品に加飾する方法とがある。前記の加飾方法はそれぞれ、プラスチック成形物の形状により、加飾性に得手、不得手がある。
加飾の対象となるプラスチック成形物の形状が平面ないし奥行きが小さい3次元形状のものであれば上記の何れもが使用可能である。プラスチック成形物の形状が複雑で奥行きが大きい3次元形状のものは、タンポ印刷、水中転写法によるプラスチック成形後の加飾する方法や、インモールド成形法やインサート成形法による成形同時絵付けが使用可能である。
また、表面加飾に使用される絵柄も、抽象画や写真、木目調、デザイン調のもの、金属表面調、グラデーションなど多岐に渡り、上記記載の加飾方法により表現可能である。また、加飾には均一な光学膜も使用されており、メッキ法により金属光沢層の形成、真空成膜法により干渉膜や光沢層の形成、も使用されている。
インモールド成形法は、印刷加工済みの加飾フィルムを成形金型に挿入載置した状態で加熱した状態でブロー成形や真空成形を行い、成形樹脂を金型内に充填し加飾フィルムの絵柄のみを成形物に転移させ表面に固着して加飾するものである(特許文献1参照)。
インサート成形法は、印刷加工済みの加飾フィルムを加熱した状態でブロー成形や真空成形やプレス成形などの方法により成形金型の形状にプレフォームし、プレフォームした加飾フィルムを成形金型に挿入載置した状態で成形樹脂を金型内に充填し、加飾フィルムそのものを成形樹脂と一体成形してプラスチック成形物の所定の表面に固着して加飾するものである(特許文献2参照)。
インモールド成形法は、絵柄がプラスチック成形物の表面に露出しており、加飾パターンを保護する為に、別途表面にクリア樹脂層などを形成する必要がある。一方、インサート成形法は、プラスチック成形物の表面を加飾フィルムのベースフィルムが覆った状態で成形されているため、加飾パターンの保護効果が得られる工法である。加飾フィルムは、ベースフィルムに、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、真空スパッタ成膜、真空蒸着成膜などの方法を用いて形成する事ができ、前記方式を組み合わせる事で、さまざまな表現が可能となる。
成形された加飾成形物は、別に成形されたプラスチック成形物と組み立てられて、最終製品の筐体などに使用される。加飾成形物の加飾部の端部は成形時の絞りにより絵柄が伸ばされたり、加飾フィルムの切り抜きの端部が露出し、物理的擦れにより加飾フィルム層が剥がれ易い状態になっている。
また、印刷インキの成分は、顔料材料、染料材料、有機樹脂、硬化剤、溶剤、界面活性剤などが含まれており、界面活性剤などは印刷インキの乾燥過程で印刷層の中で被印刷フィルム界面ないし印刷インキ表面に移動することがあり、印刷インキと成形樹脂との間、印刷インキと被印刷フィルムとの間、を比較した場合、おのおの界面で密着力に差が生ずることがある。
このため、加飾成形物において、切り抜いた加飾フィルムの切断面に印刷インキ層が露出している場合、上記の印刷インキ界面の密着力の弱い部分で加飾フィルムが剥離する問題があった。
また、加飾パターンとしてアルミやその合金などの腐食性の高い金属膜を使用する場合、加飾成形物において、切り抜いた加飾フィルムの切断面に金属膜が露出していると、金属膜の露出している部分より腐食が進行し、金属膜の界面の密着力が低下し加飾フィルムが剥離する問題があった。
特願平8−219170 特願2002−202172
本発明は上述の様な事情に鑑みてなされたものであり、加飾フィルムをプラスチック成形物と一体成形してプラスチック成形物の所定の表面に固着して加飾するインサート成形において、物理的、化学的に耐性、強度の高い加飾成形物を提供することを目的とする。
第1の発明は、
成形樹脂上に加飾フィルムが積層された加飾成形物において、
前記加飾フィルムは、少なくともベースフィルム表面に加飾パターンが形成されており、
前記成形樹脂の表面に、
前記加飾フィルムを、前記加飾パターンが形成された面からインサート成形によって固着された加飾成型物であって、
前記加飾パターンが前記ベースフィルムおよび前記成形樹脂によって完全に封止されていることを特徴とする加飾成形物
である。
また、第2の発明は、
成形樹脂上に加飾フィルムが積層された加飾成形物において、
前記加飾フィルムは、少なくともベースフィルム表面に加飾パターンが形成され、さらに前記加飾パターンが形成された面にバックシートが積層された構成となっており、
前記成形樹脂の表面に、
前記加飾フィルムを、前記加飾パターンが形成された面からインサート成形によって固着された加飾成型物であって、
前記加飾パターンが前記ベースフィルムおよび前記バックシートおよび前記成形樹脂によって完全に封止されていることを特徴とする加飾成形物
である。
また、本願請求項3記載の発明は、
前記加飾パターンが、印刷パターン、金属膜、光学薄膜、のうちの1種類ないし複数の組み合わせにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の加飾成形物
である。
また、第4の発明は、
請求項1又は請求項3のいずれかに記載された加飾成型物の製造方法であって、
少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする華燭成形物の製造方法である。
(1)成形金型に挿入する加飾フィルムを作製する加飾フィルム作製工程。
(2)前記加飾フィルムを前記成形金型に挿入する加飾フィルム挿入工程。
(3)加飾フィルムを挿入した前記成形金型に成形樹脂を射出成形して中間加飾成形物を成形する中間加飾成形物成形工程。
(4)中間加飾成形物のダミー部を断裁する断裁工程
また、第5の発明は、
請求項2乃至3のいずれかに記載された加飾成型物の製造方法であって、
少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする加飾成形物の製造方法である。
(1)成形金型に挿入する前記成形用フィルムを作製する成形用フィルム作製工程。
(2)前記加飾フィルムを前記成形金型に挿入する成形用フィルム挿入工程。
(3)前記成形用フィルムを挿入した前記成形金型に成形樹脂を射出成形して中間加飾成形物を成形する中間加飾成形物成形工程。
(4)前記中間加飾成形物のダミー部を断裁する断裁工程。
本発明は加飾成形物の加飾層の端面の物理的、化学的な強度の向上に関しなされたもので、第1の発明によれば、
前記加飾成形物の成形金型の雌型の加飾部より加飾パターンを小さく形成した、加飾フィルムを成形金型に挿入し、インサート成形によって加飾パターン側に成形樹脂を注入することで、前記加飾成形物の加飾部に前記加飾パターンとその周囲の前記ベースフィルムとが固着し、前記加飾パターンが前記ベースフィルムと前記成形樹脂により封止された加飾成形物を得る事ができ、物理的、化学的に耐性の高い加飾成形物を提供することが可能となった。
また、第2の発明によれば、
前記加飾成形物の成形金型の雌型の加飾部より加飾パターンを小さく形成した、成形用フィルムを成形金型に挿入し、インサート成形によって加飾パターン側に成形樹脂を注入することで、前記加飾成形物の加飾部に前記加飾パターンとその周囲の前記ベースフィルムとが固着し、前記加飾パターンが前記ベースフィルムと前記成形樹脂により封止された加飾成形物を得る事ができ、物理的、化学的に耐性の高い加飾成形物を提供することが可能となった。
また、第3の発明によれば、
前記加飾パターンは、印刷パターン、金属膜、光学薄膜、のうちの少なくとも1種類又は複数の組み合わせにより形成することによって、物理的、化学的に耐性の高い加飾成形物を提供することが可能となった。
また、第4の発明によれば
本発明の製造方法によって得られた加飾成形物は、加飾パターンがベースフィルムと成形樹脂にて完全に封止された状態になるため、物理的、化学的に耐性の高い加飾成形物を提供することが可能となった。
また、第5の発明によれば
本発明の製造方法によって得られた加飾成形物は、加飾パターンがベースフィルムとバックシートと成形樹脂によって完全に封止された状態になるため、物理的、化学的に耐性の高い加飾成形物を提供することが可能となった。
本発明の加飾フィルムおよび成形用積層フィルムの断面形状を説明する模式図である。 本発明の加飾成形物の一例を示した平面図である。 本発明で作製された加飾成形物1の断面形状を説明する模式図である。 本発明に用いる成形金型の正面図及び断面図である。 本発明の加飾成形物の製造方法の一例を示した説明図である。 本発明の加飾成形物の製造方法の一例を示した説明図である。
本発明は、筐体を組み立てる際、加飾成形物の加飾部の端部を他のプラスチック成形物の端部に隠す事で、成形時の絞りにより加飾の劣る部分を隠し意匠性を得ると共に、加飾部の擦れによる端部の加飾フィルムの剥離の防止を図っている。以下、本発明の実施の形態を例を挙げて説明する。
本発明の加飾成形物およびその製造方法について説明する。図1は、本発明の加飾フィルム3の断面形状を説明する模式図である。図1(a)のように加飾フィルム3は、ベースフィルム11の上に加飾パターン12を形成して構成される。また、成形用フィルム4は、図1(b)のように、加飾フィルム3の加飾パターン12を有する面にバックシート14が積層されている。なお、図1(c)のように成形用フィルム4は、加飾フィルム3に接着剤層13を介してバックシート14を貼りあわせた構造としても良い。
図2は、本発明で作製された加飾成形物の一例を模式的に示した概略図である。射出成形すると最終製品となる加飾成形物1とダミー部6からなる、図2(a)のような中間加飾成形物2が成形される。ダミー部6には射出樹脂の注入口と位置合わせマークを設けている。そして、不要部分であるダミー部6を断裁位置16で断裁することによって、図2(b)のような加飾成形物が完成する。加飾成形物の表面には加飾部5が形成されている。
なお、本発明における加飾成形物の加飾部5とは、前記製品部分の意匠面のことである。意匠面は、加飾パターン12や、ベースフィルム11の色や材質、バックシートの色や材質だけでなく、射出形成による凹凸等によって表現される。また、図2では、加飾部5を加飾成形物の表面全体に表記しているが、これに限定するものではなく、加飾フィルムや成形用フィルムの一部に設けても良く、目的や用途によって適宜選択すれば良い。
図3は、本発明で作製された加飾成形物1の断面形状を説明する模式図であり、加飾パターン12と、ベースフィルム11、バックシート14および成形樹脂15との位置関係を説明したものである。図3では、射出成形後の中間加飾成形物2の状態を例示しており、加飾成形物1がダミー部6と一緒に成形された状態となっている。ダミー部6には位置合わせ穴が施されている。断裁位置16でダミー部6を断裁すると、加飾成形物が完成する。
図3(a)は、本発明の加飾成形物1における、加飾フィルム3と成形樹脂15との位置関係を説明したものである。
この場合、加飾フィルム3の状態では加飾パターン12が外気に露出しているが、加飾フィルム3と成形樹脂15とを固着して加飾成形物を作製する際に、加飾パターン12は成形樹脂15によって完全に封止される。不要部を断裁した断裁面はベースフィルム11と成形樹脂15が密着しており、断裁後も加飾パターン12は外部に露出しない構造となっている。加飾パターン12界面での剥離が低減され、高い密着性を有する。
図3(b)は、加飾成形物における、バックシート14を貼り合わせた成形用フィルム4と成形樹脂15との位置関係を説明したものである。
この場合、成形用フィルム4を用いているため、加飾パターン12が外気に露出することは無い。成形用フィルム4と成形樹脂15を固着して加飾成形物を作製する際に、加飾パターン12は成形樹脂15によって完全に封止される。不要部を断裁した断裁面は、ベースフィルム11とバックシート14と成形樹脂15が積層して密着しており、断裁後も加飾パターン12は外部に露出しない構造となっている。加飾パターン12界面での剥離が低減され、高い密着性を有する。
図3(c)は、加飾成形物1における、加飾パターン12の端部まで切り抜いた時の加飾フィルム3と、成形樹脂15との位置関係を説明したものである。
この場合、加飾フィルム3の状態では加飾パターン12が外気に露出し、さらに加飾パターン12が加飾フィルム3の端部まで存在している。加飾フィルム3と成形樹脂15とを固着して加飾成形物1を作製する際に、加飾パターン12は成形樹脂15によって完全に封止される。不要部を断裁した断裁面は、成形樹脂15のみが露出している。断裁後もベースフィルム11と成形樹脂15が密着しているため、加飾パターン12は外部に露出しない構造となっている。加飾パターン12界面での剥離が低減され、高い密着性を有する。
図3(d)は、加飾成形物1における、加飾パターン12の端部まで切り抜いた時の成形用フィルム4と、成形樹脂15との位置関係を説明したものである。
この場合、成形用フィルム4を用いるが、加飾パターン12が成形用フィルム4の端部まで存在しているため、成形用フィルム4断面には加飾パターン12が露出している。成形用フィルム4と成形樹脂15を固着して加飾成形物を作製する際に、フィルム端面で露出していた加飾パターン12は成形樹脂15によって完全に封止される。不要部を断裁した断裁面は、成形樹脂15が露出している。断裁後もベースフィルム11とバックシート14と成形樹脂15が密着しているため、加飾パターン12は外部に露出しない構造となっている。加飾パターン12界面での剥離が低減され、高い密着性を有する。
ベースフィルム11は有機樹脂から構成されており、成形樹脂15との間で、成形樹脂15を注入する際の熱により前記ベースフィルム11と前記成形樹脂15が溶融し強固な接合面を形成することができる。
ベースフィルム11及びバックシート14は成形樹脂15と密着性の高いものを選べば良い。またインサート成形により3次元的に加工するため、成型時の熱による伸縮性の高い成形用PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート),PP(ポリプリピレン)などのフィルムが使用可能である。
ベースフィルム11及びバックシート14の厚みとしては、ベースフィルム11及びバックシート14と射出成形樹脂15との間で十分な密着性を得る為に厚い方が望ましいが、射出成形時の耐熱性、3次元的な成形性を考慮し、50以上300μm以下が使用可能である。好ましくは75μm以上300μm以下が望ましい。
また、加飾フィルム3と成形樹脂15との間に接着剤やアンカー剤を塗工し、前記加飾フィルム3と前記成形樹脂15との固着力を向上させる事も可能である。
接着剤層1313はバックシート14自体が接着性を持ち、加飾フィルム3との密着力が十分であれば使用する必要は無く、公知の接着剤を目的や用途によって適宜選択すれば良い。
前記加飾パターン12は、印刷パターン、金属膜、光学薄膜、のうちの1種類ないし複数の組み合わせにより形成したものである。印刷パターンの形成法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが使用可能である。
なお、加飾パターン12のデザインは特に限定されるものではなく、用途や目的によって適宜変更される。
金属膜はその色合い、光沢性を利用して加飾に一般的に使用されており、クロム、アルミ、チタン、ニッケル、銅などやその合金が使用可能である。その形成方法としては、めっき法、真空スパッタ法、真空蒸着法などの他に、金属薄膜を分散したインキにて印刷する方法などがある。
光学薄膜としてはチタンや、珪素などの酸化、窒化膜を積層物した干渉膜や、ホログラム箔など加飾性の高い材料を分散した印刷膜などが使用可能である。その形成方法は真空スパッタ法、真空蒸着法や印刷法がある。
印刷インキの組成として、顔料材料、金属材料、パール材、ホログラム箔、有機樹脂、硬化剤、希釈溶剤、界面活性剤などが含まれている。
有機樹脂は、熱硬化性樹脂ないし光硬化性樹脂のクリア樹脂であり、ポリエステル、ポリスチレン、フェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、芳香族ナイロン樹脂、あるいはスチレン、芳香族酸、フェノール等を含む共重合体、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアミン樹脂を上げることができる。
界面活性剤は、基材との密着性向上、分散剤、印刷物表面の滑り性付与剤などであり、表面エネルギーを低下される材料やシランカップリング剤などが使用されている。表面エネルギーを低下させる材料には、添加量の増加に伴い、成形樹脂15や、ベースフィルム11との密着性が低下する原因となるものがある。
また、金属材料や、パール材、ホログラム箔などの分散材は、分散材と有機樹脂との界面で相間剥離し、密着力低下の原因となるものがある。
金属材料は大気中の水分や酸素及び汗などと化学反応し、曇りによる加飾フィルム3の意匠性の低下や、腐食による物理的密着力の低下の原因になる。
本発明の加飾成形物は加飾パターン12が露出しない構造となっているため、上記の材料を用いても問題は無い。
また、成形樹脂15としては、PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS、PS,PC(ポリカーボネート),PP(ポリプリピレン)などが使用可能である。
次に加飾成形物を作製するために用いる成形金型43について説明する。図4は、本発明の成形金型43における製品部分とダミー部6分、雌型45の加飾部5の位置関係を説明する模式図である。図4(a)は平面図、図4(b)は断面図である。
成形用金型は、雄型44と雌型45からなり、加飾成形物を成形する製品エリア41とダミー部を成形するダミーエリア42を成形するスペースができる。雄型44には加飾成形物を成形するための凹凸とダミー部6が作られており、ダミー部6には位置合わせピン47と成形樹脂15を注入するための貫通孔である成形樹脂注入口46が設けられている。位置合わせピン47は、雌型45との位置合わせに用いられるだけでなく、加飾フィルム3または成形用フィルム4を雄型44に正確に配置するために用いられる。
製品エリア41およびダミーエリア42の形状については特に限定するものではなく、今回は加飾成形物の端部の一部がテーパー形状の直方体を例示しているが、特に限定するものではなく、目的や用途によって適宜選択すれば良い。また、加飾部5の意匠性を向上させるために、雌型44の表面に凹凸などのさらに細かい立体形状を付与しても良い。前述の金型を用いると、加飾部の意匠性が向上した加飾成形物を得ることができる。前述の細かい立体形状は、目的や用途によって適宜選択すれば良い。
位置合わせピン47は、ダミー部6に少なくとも2箇所以上設けておくと位置合わせを正確に行うことができる。好ましくは、製品部分となるエリアを挟んで対向した位置に位置合わせピン47を設けるとより位置決めを正確に行うことができる。
成形金型43に対して加飾フィルム3を挿入する際、加飾フィルム3上に形成した2個以上の位置合わせピン47を使用する事で、上下-左右-傾きの位置合わせが可能となり1mm以下の位置精度の保証か可能となる。
位置合わせピン47の形状や形成位置は、成形金型43に挿入する加飾フィルム3の形態により設定すれば良い。
前記加飾フィルム3を成形金型43の中に治まる大きさに切り抜いた後、挿入し射出成形する場合は、前記ダミー部6分に数mmΦ程度の穴を金型により打ち抜いて形成し、成形金型43内の固定ピンを前記穴に差し込んで固定することで挿入位置の制御が可能である。
前記加飾フィルム3を連続したフィルム形態で間欠搬送し、成形金型43に挿入し射出成形する場合は、円の印刷パターンや金型で打ち抜いた穴を成形金型43の外側の位置に形成し、画像認識装置にて認識する方法や、固定ピンを前記穴に差し込んで固定する事が可能である。なお、位置合わせピン47の形状や大きさは規定するものではない。
また、雌型45には、最終製品を形成するための凹凸部と雌型45本体と雄型44の位置合わせピン47が接触しないように、位置合わせピン47に対応した全ての位置に位置合わせ穴7が用意されている。材料は雄型44に用いるものと同様のものを使用すればよい。
ベースフィルム11上に加飾パターン12を形成した加飾フィルム3を、成形金型43内にインサートし、加飾パターン12面に成形樹脂43を射出して加飾成形物1を成形する際、成形金型43の雌側が加飾成形物1の加飾部5となり、かつ加飾フィルム3のベースフィルム面12が接する側になる。また、インサート成形法において、成形樹脂は加飾パターン表面に射出される事になる。加飾成形物1の一般的な使われ方では、加飾部5が最終製品の外装面に来て、成形樹脂の射出面に固定用の造詣等が設けられている。
次に、本発明の加飾成形物の製造方法について説明する。
(1)加飾フィルム3作製工程
前記加飾フィルム3に加飾パターン12を形成する工程では、巻物や枚葉にて供給されたベースフィルムに、公知の印刷方法で2次元的なパターンを形成する。
その後、加飾フィルム3は、射出成形により3次元的な形状に成形される。そのため、加飾フィルム3上に2次元的なパターンを形成する際には、射出成形時の加飾フィルム3の伸縮に合わせ前記加飾パターン12の形状と大きさを調整する必要がある。
加飾パターン12の大きさについては、加飾パターン12を製品部分(加飾部5)のみにレイアウトする事が好ましい。ダミー部6を断裁除去する際、その切断面に加飾パターン12が露出するのを避けることできるからである。
加飾成形物に加飾フィルム3を固着した構成において、前記加飾パターン12層が加飾フィルム3の端面に露出した状態では、加飾パターン12層の密着力の弱い界面部分より加飾フィルム3が剥離する事となる。また、金属層が端面に露出した状態では、加飾パターン12端部より腐食が進行し、密着力の低下による加飾フィルム3の剥離や金属層の曇りが進行する事となる。
加飾パターン12のエリアを加飾成形物の加飾部5より小さく形成する事により、加飾パターン12をベースフィルムと成形樹脂15にて完全に封止し、加飾成形物の物理的、化学的強度を向上する事が可能となる。
加飾パターン12のエリアを成形金型43の雌型45の加飾部5より小さくする為には、加飾フィルム3をプレフォームし3次元的に加工した状態の加飾パターン12のエリアが、成形金型43内の雌型45の加飾部5より小さくなるよう、フィルム基材の伸縮を設計に反映し加飾パターン12エリアを設定することが望ましい。
なお、前記成形金型43の雌型45の加飾部5より加飾パターン12エリアを小さくする補正量に関して、特に規定するものでは無いが、成形装置の成形金型43に対する位置合わせの機械精度と同等以上設けることが望ましい。
前記加飾フィルム3を成形用金型の中に入る大きさに切り抜いて供給する場合は、加飾パターン12の周囲のベースフィルム部分を切り抜き、成形金型43に挿入し成形樹脂15を射出することで、加飾パターン12が加飾部5より小さく形成された加飾成形物を得ことができる。この際、切り抜いた加飾パターン12とベースフィルムとからなるエリアは、成形金型43の雌型45の加飾部5の面積より同等以下の大きさである事が望ましい。
また、前記加飾フィルム3を連続したフィルム形態で間欠搬送して、成形金型43へ供給する場合、加飾フィルム3を成形金型43内に挿入し、位置合わせ後、射出成形した得られた加飾パターン12のエリアが、成形金型43の雌型45の加飾部5より小さくなるよう、フィルム基材の伸縮を設計に反映し加飾パターン12のエリアを設定することが望ましい。この場合、加飾パターン12と周囲のベースフィルムとからなるエリアが成形金型43の雌型45の加飾部5と同等かそれよりも小さくなるよう設定すれば良い。
また、成形金型43にて射出成形する前に、加飾フィルム3を他の金型にてプレフォームし3次元形状に加工した後、成形金型43に供給することも可能である。
加飾フィルム3をプレフォームする際、成形金型43の内部に完全に収まる大きさに切り抜くことで、成形金型43が完全に閉じられ射出成形物の樹脂厚を安定制御することが可能となる。成形金型43の内部に完全に収まる大きさに切り抜く際、加飾パターン12の周囲のベースフィルムとのエリアで切り抜く場合と、加飾パターン12のエリア上で切り抜く場合とがあり得る。前者の場合、加飾パターン12と周囲のベースフィルムとからなるエリアが成形金型43の雌型45の加飾部5と同等かそれよりも小さくなるよう設定すれば良い。後者の場合、加飾パターン12のエリアが成形金型43内の雌型45の加飾部5よりも小さくなるよう設定することが望ましい。
また、加飾フィルム3を成形金型43に挿入する前に加飾パターン12の端部まで切り抜いて、加飾フィルム3の切断面に加飾パターン12層が露出した状態の加飾フィルム3を使用しても良い。その際は、加飾フィルム3を切り抜く大きさを、加飾成形物の加飾部5より小さくしておくと、後述の工程を経ると加飾パターン12層を前記ベースフィルムの端面と射出した成形樹脂15とで完全に封止する事が可能となる。
(2)加飾フィルム3挿入工程
続いて、加飾フィルム3を成形金型43に挿入する。成形金型43のパターンは、最終製品になる製品部分と、成形樹脂15の注入口となるゲート部分など最終製品では断裁除去されるダミー部6分とから構成されている。挿入の際には加飾フィルム3と成形金型43の位置合わせが重要となる。
成形金型43へ加飾フィルム3を挿入した時の位置合わせを行う方法としては、加飾フィルム3の加飾パターン12のエリア外に予め形成した位置合わせ穴7に固定ピンを挿入し保持する方法と、加飾フィルム3の加飾パターン12のエリア外に予め形成した位置合わせマークを射出成形装置側に設けた画像認識装置により視認し、加飾フィルム3の搬送装置側のX-Y-θ駆動により微調整してあわせ込む方法が可能である。位置合わせマークの位置は、射出成形品の製品部分から見て、対角2点以上で認識するのが望ましい。
また、各位置合わせマーク位置で画像パターンの伸縮にあわせ上下左右の位置を均等割りする制御方法や、加飾フィルム3の搬送時の張力の制御により微調整をかけて上下左右の位置を均等割りする制御方法が望ましい。
なお、加飾フィルム3を別の成形金型43でプレフォームして3次元形状に加工した加飾フィルム3を成形金型43に供給する場合、成形樹脂15を射出する面は、ベースフィルム側、バックシート14側、の何れの面でも良い。
また、加飾パターン12の端部まで切り抜いて、加飾フィルム3の切断面に加飾パターン12層が露出した状態の加飾フィルム3を成形金型43に挿入する際は、加飾フィルム3の加飾パターン12のエリア外に予め形成した位置合わせ穴7に固定ピンを挿入し保持する方法が望ましい。
(3)中間加飾成形物成形工程
続いて加飾フィルム3を挿入した成形金型43に成形樹脂15を射出する。本発明の成形機は溶融した成形樹脂を金型内に射出する方式である。成形する際の成形樹脂の温度は使用する樹脂によって設定すればよく、例えばPMMA(アクリル)は260℃、ABSは230℃で成形可能である。成形樹脂を成形金型に注入する際の熱やガスにより、加飾パターンや加飾フィルムが異常に変形しないように、金型の射出口の位置や、成形樹脂の注入する圧力や速度を、金型の形状や成形樹脂の種類に合わせて設定すればよい。
成形樹脂15は加飾フィルム3の加飾パターン12側に直接成形樹脂15を注入する方法がある。
加飾パターン12の端部まで切り抜いて、加飾フィルム3の切断面に加飾パターン12層が露出した状態の加飾フィルム3を使用する場合は、切り抜いた加飾フィルム3を成形金型43に挿入し、成形樹脂15を射出すると、ダミー部6から加飾パターン12面の切断面まで全体に射出成形樹脂15が回り込む。加飾パターン12層を前記ベースフィルムの端面と射出した成形樹脂15とで完全に封止する事が可能となる。
(4)断裁工程
加飾フィルム3を成形金型43に挿入し、成形樹脂15を射出して成形した後、ダミー部6を断裁し、加飾成形物の周囲に残ったバリを切り取ることにより、本発明の加飾成形物を得る事ができる。
また、加飾成形物の加飾部5の周囲にベースフィルムが残っている場合は、ベースフィルムを切り除いても良いし、トリミングして除去しても良い。そうすることで、加飾パターン12のエリアが加飾部5より小さく形成された加飾成形物を得ことができる。
また、前記積層構成からなる成形用フィルム4を連続したフィルム形態で間欠搬送し供給する場合、射出成形後、加飾成形物の加飾部5の周囲に残ったベースフィルムをトリミングすることで、加飾パターン12のエリアが加飾部5より小さく形成された加飾成形物を得ことができる。
また、加飾パターン12の端部まで切り抜いて、加飾フィルム3の切断面に加飾パターン12層が露出した状態の加飾フィルム3用いた時の加飾成形物の断面は、図3(c)のように加飾パターン12は露出せず、成形樹脂15のみが露出した状態となっている。
上記の製造方法にて得られた加飾成形物は加飾パターン12がベースフィルムと成形樹脂15にて完全に封止された状態になる。
以下に上記の製造方法を用いた加飾成形物の製造方法について、図を用いて説明する。
図5は、本発明のインサート成形による製造方法の各工程を示した図である。図5(a)は、加飾フィルム3作製工程の一例である。図5(a)では、加飾フィルム3を別金型でプレフォームし、成形金型43に挿入できるよう雌型45より小さく切り抜いている。
図5(b)は、加飾フィルム3挿入工程の一例を示したものである。図5(b)では、プレフォームして、切り抜いた加飾フィルム3の位置合わせ穴743を成形金型43の位置合わせピン47に挿入し位置合わせを行っている。
図5(c)は、中間加飾成形物成形工程の一例を示したものである。図5(c)では、加飾フィルム3を挿入した成形金型43に成形樹脂15を射出した状態である。射出後、成形金型43および成形金型43内の樹脂を冷却する。冷却後、成形金型43を取り外し、中間加飾成形物を取り出す。
図5(d)は、断裁工程の一例を示したものである。図5(d)では、ダミー部6分を断裁して得られた加飾成形物を完成させる。
図6は、本発明のインサート成形による製造方法の各工程を示した図である。図6(a)は、加飾フィルム3作製工程の一例である。図6(a)では、加飾フィルム3を成形金型43に挿入し、成形金型43内でプレフォームを行っている。この方法を用いると加飾フィルム3作製工程と加飾フィルム3挿入工程を同じタイミングで行うことが可能となる。この方法を用いると加飾フィルム3が加飾部5位外にも雌金型の側面や成形金型43からベースフィルムがはみ出てしまい、不要フィルム17となってしまう。
図6(b)は、中間加飾成形物成形工程の一例を示したものである。図6(b)では、加飾フィルム3を挿入した成形金型43に成形樹脂15を射出し、射出後、成形金型43および成形金型43内の樹脂を冷却する。
中間加飾成形物が離型できる状態まで冷却後、成形金型43を取り外し、中間加飾成形物を取り出す。上記の方法を用いた場合、取り出した中間加飾成形物は、不要フィルム17が付着したままとなってしまうため、中間加飾成形物の周囲にあるベースフィルムをトリミングする。
図6(c)は、トリミング後の中間加飾成形物の断面図である。ダミー部6の側面にまで加飾フィルム3のベースフィルムで覆われた状態になっている。
図6(d)は、断裁工程の一例を示したものである。図6(d)では、ダミー部6分を断裁して得られた加飾成形物を完成させる。加飾成形物の断面は、ベースフィルムと成形樹脂15のみが露出しており、加飾パターン12は完全に封止されている。
なお、上記の加飾成形物1の製造方法は、加飾フィルム3を用いて説明をしているが、加飾フィルム3の代わりに、加飾フィルム3とバックシート14とを貼り合わせた積層構成からなる成形用積層フィルムに置き換えても良い。その際は同様の材料及び方法を用いて加飾成形物を製造すると本発明の加飾成形物を得ることができる。
ベースフィルムとして125μmtの成形用易接着PET(東洋紡社製)、加飾パターンとしてアルミ蒸着膜を転写し、スクリーン印刷法により熱硬化性インキをパターニングした加飾フィルムを使用した。
射出成形用の樹脂との密着力を得る為、前記加飾フィルムに熱硬化性接着剤(DIC社製)を塗工した。
加飾パターンのエリアを成形金型の雌型の加飾部より1mmずつ小さく形成し、成形金型の外側に位置合わせマークを配置するように設計した。
加飾フィルムを成形金型に挿入し、成形金型内でプレフォームして加飾パターンの周囲にベースフィルムを残した状態になるように設計した。
射出成形用の樹脂としてはアクリル樹脂を使用し、加飾フィルムの加飾パターン側のダミー部分に設けた注入口より成形樹脂を注入することとした。
1)加飾フィルムを成形金型に挿入し、成形金型の外に形成した位置合わせマークを画像読み取り装置にて認識し、加飾フィルムの搬送系をX-Y-θ駆動させ、位置合わせを行った。
2)加飾フィルムを成形金型内でプレフォームを行った。
3)成形樹脂を加飾フィルムの加飾パターン側のダミー部分より射出した。
4)プラスチック成形物の、周囲に露出したベースフィルム部分をトリミングし、更にダミー部分を断裁して加飾成形物を得た。
本発明の加飾成形物の製造方法により、アルミ蒸着膜からなる加飾パターン層がベースフィルムと射出成形用樹脂とにより完全に封止され、加飾成形物の端面より腐食進行し、意匠性の低下や加飾フィルム層が剥離することの無い、化学的強度と物理強度の高い加飾成形物を得ることができた。
ベースフィルムとして125μmtの成形用易接着PET(東洋紡社製)、加飾パターンとしてUV硬化系のインキをインクジェット法により塗出しパターンを形成した加飾フィルムを使用した。
前記加飾フィルムに熱硬化性接着剤(DIC社製)を塗工し、アクリルフィルム(住友化学社製、75μmt)からなるバインダーフィルムを貼り合せ成形用積層フィルムを形成した。
加飾パターンのエリアを成形金型の雌型の加飾部より小さく形成し、プレフォームした後、加飾パターンの周囲のベースフィルム部分で切り抜いたインサートフィルムの大きさが加飾成形物の加飾部と同等になるように設計した。
また、加飾パターンのエリアの周囲のベースフィルム部分は1mm幅になる様に、ダミー部分に位置合わせ用の穴を配置して設計した。
射出成形用の樹脂としてはアクリル樹脂を使用し、成形用フィルムのバックシート側より射出成形することとした。
1)成形用フィルムをプレフォームし、成形金型に挿入する大きさに切り抜いた。
2)インサートフィルムを成形金型に挿入し、位置合わせ穴に成形金型の位置合わせピンを差し込み、位置合わせを行った。
3)上記の成形用フィルムを挿入した成形金型に、ダミー部分の注入口より成形樹脂をバックシート側に充填させるように射出した。
4)ダミー部分を断裁して加飾成形物を得た。
本発明の加飾成形物の製造方法により、インクジェット法にて形成された加飾パターン層がベースフィルムとバックシートと成形用樹脂とで完全に封止され、加飾成形物の端面より加飾フィルム層が剥離することの無い、物理強度の高い加飾成形物を得ることができた。
比較例
比較技術として、加飾成形物を形成後、加飾フィルムの加飾パターン上をトリミングし、加飾成形物の端部に加飾パターン層が露出した構成の、加飾成形物の製造方法を説明する。
ベースフィルムとして125μmtの成形用易接着PET(東洋紡社製)、加飾パターンとしてアルミ蒸着膜を転写し、スクリーン印刷法により熱硬化性インキをパターニングした加飾フィルムを使用した。
射出成形用の樹脂との密着力を得る為、前記加飾フィルムに熱硬化性接着剤(DIC社製)を塗工した。
加飾パターンのエリアは成形金型の雌型の加飾部を全て加飾パターンで覆えるよう、加飾部より大きく形成し、成形金型の外側に位置合わせマークを配置するように設計した。
加飾フィルムをプレフォームして加飾パターンの周囲にベースフィルムを残した状態で、成形金型に挿入するように設計した。
射出成形用の樹脂としてはアクリル樹脂を使用し、加飾フィルムの加飾パターン側のダミー部分に設けた注入口より成形樹脂を注入することとした。
1)加飾フィルムを成形金型に挿入し、成形用金型の外に形成した位置合わせマークを画像読み取り装置にて認識し、加飾フィルムの搬送系をX-Y-θ駆動させ、位置合わせを行った。
2)加飾フィルムを成形金型内でプレフォームを行った。
3)成形樹脂をインサートフィルムの加飾パターン側のダミー部分より射出した。
4)プラスチック成形物の、周囲に露出したベースフィルム部分を、加飾パターンの上でトリミングし、更にダミー部分を断裁して加飾成形物を得た。
従来どおりの加飾成形物の製造方法により、アルミ蒸着膜からなる加飾パターン層が加飾成形物の端部に露出した状態となり、最終製品として使用する中で、大気中の水分や空気による腐食が加飾成形物の端面より進行した。その結果、意匠性が低下すると共に、加飾成形物の端面より加飾フィルム層が剥離するに至り、加飾成形物の品質として不十分なものとなった。
本発明の成形品の構造およびその製造方法を用いることにより、色々な加飾手法を用いたプラスチック成形物を供給できると供に、密着性や耐腐食性などの物理強度の向上が図れるため、携帯電話やパソコンなどの電気機器、化粧品の容器、などのプラスチック成形物への表面加飾に応用することができる。
1 ・・・加飾成形物
2 ・・・中間加飾成形物
3 ・・・加飾フィルム
4 ・・・成形用フィルム
5 ・・・加飾部
6 ・・・ダミー部
7 ・・・位置合わせ穴
11・・・ベースフィルム
12・・・加飾パターン
13・・・接着剤層
14・・・バックシート
15・・・成形樹脂
16・・・断裁位置
17・・・不要フィルム
41・・・製品エリア
42・・・ダミーエリア
43・・・成形金型
44・・・雄型
45・・・雌型
46・・・成形樹脂注入口
47・・・位置合わせピン
48・・・位置合わせ雌穴

Claims (5)

  1. 成形樹脂上に加飾フィルムが積層された加飾成形物において、
    前記加飾フィルムは、少なくともベースフィルム表面に加飾パターンが形成されており、
    前記成形樹脂の表面に、
    前記加飾フィルムを、前記加飾パターンが形成された面からインサート成形によって固着された加飾成型物であって、
    前記加飾パターンが前記ベースフィルムおよび前記成形樹脂によって完全に封止されていることを特徴とする加飾成形物。
  2. 成形樹脂上に加飾フィルムが積層された加飾成形物において、
    前記加飾フィルムは、少なくともベースフィルム表面に加飾パターンが形成され、さらに前記加飾パターンが形成された面にバックシートが積層された構成となっており、
    前記成形樹脂の表面に、
    前記加飾フィルムを、前記加飾パターンが形成された面からインサート成形によって固着された加飾成型物であって、
    前記加飾パターンが前記ベースフィルムおよび前記バックシートおよび前記成形樹脂によって完全に封止されていることを特徴とする加飾成形物。
  3. 前記加飾パターンが、印刷パターン、金属膜、光学薄膜、のうちの1種類ないし複数の組み合わせにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の加飾成形物。
  4. 請求項1又は請求項3のいずれかに記載された加飾成型物の製造方法であって、
    少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする加飾成形物の製造方法。
    (1)成形金型に挿入する加飾フィルムを作製する加飾フィルム作製工程。
    (2)前記加飾フィルムを前記成形金型に挿入する加飾フィルム挿入工程。
    (3)加飾フィルムを挿入した前記成形金型に成形樹脂を射出成形して中間加飾成形物を成形する中間加飾成形物成形工程。
    (4)中間加飾成形物のダミー部を断裁する断裁工程。
  5. 請求項2乃至3のいずれかに記載された加飾成型物の製造方法であって、
    少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする加飾成形物の製造方法。
    (1)成形金型に挿入する前記成形用フィルムを作製する成形用フィルム作製工程。
    (2)前記加飾フィルムを前記成形金型に挿入する成形用フィルム挿入工程。
    (3)前記成形用フィルムを挿入した前記成形金型に成形樹脂を射出成形して中間加飾成形物を成形する中間加飾成形物成形工程。
    (4)前記中間加飾成形物のダミー部を断裁する断裁工程。
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