JP2011062663A - 排ガス処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SOx及びNOxを含む排ガスと該排ガス中に供給されるNOx還元剤とを、触媒を担持するバグフィルタに通過させ、前記触媒を担持するバグフィルタの出口側における前記排ガス中のSOx濃度及びNOx濃度を減少させる排ガス処理方法であって、前記触媒を担持するバグフィルタの入口側において、前記排ガス中に供給される消石灰、重曹、生石灰、及び苛性ソーダのうち少なくとも1種を含む粉体、水溶液及びスラリーのいずれかの供給量を、前記触媒を担持するバグフィルタの出口側における前記SOx濃度に基づいて制御することを特徴とする排ガス処理方法。
【選択図】図2
Description
特許文献3には、触媒を担持しないバグフィルタを用いた排ガス処理装置において、排ガス中の酸性ガスを除去する際に、排ガスの温度、バグフィルタ入口側の酸性ガス濃度、及びボイラ蒸発量に基づいて、塩基性吸収剤の噴霧量を制御することが開示されている。
しかし、このように高温での排ガス処理では、排ガスを昇温させるための熱エネルギーが必要である上、ガス体積が大きくなり、集塵装置や触媒反応塔を大きくする必要がある。また、排ガス処理に要する熱エネルギーを低減させるために、排ガス処理を200℃以下で実施すると、触媒に対する酸性硫安被毒が顕著になり、長時間に亘る運転ができなかった。
本発明の排ガス処理方法は、従来の運転温度(200〜230℃)よりも低い温度であっても、十分にNOxが除去されることにより、触媒に対する被毒が抑制されるとともに、ダイオキシン類の除去率も向上される。また、ガス体積が低減され、バグフィルタを収容する集塵装置を小型化することができる。
第1実施形態に係る排ガス処理方法を、図面を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る排ガス処理装置の概略図である。排ガス処理装置20は、減温塔21、中和剤供給装置22、中和剤供給量コントローラ23、NOx還元剤供給装置24、集塵装置25、及び、SOx濃度検出装置26を備える。集塵装置25の内部は、複数の室に隔離され、各室内に触媒を担持するバグフィルタ(触媒バグフィルタ)が設けられる。
ゴミ焼却炉で発生した煤塵を含む排ガスは、高温排ガスの熱エネルギーを回収するための発電用ボイラを通過した後に、排ガス処理装置20の減温塔21に導入される。減温塔21内に、タンク27に貯蔵された水が水供給装置28により供給される。これにより、ボイラから流入した排ガスの温度が、例えば150〜200℃程度まで低減される。降温された排ガスは、減温塔21から排出される。
減温塔21と集塵装置25との間で、排ガス中に助剤粉体が助剤供給装置(不図示)により供給される。助剤粉体は、ゼオライト、アルミナ、ケイソウ土、パーライト、活性白土、カオリン、長石、石英などとされ、好ましくは、ケイソウ土、パーライト及びゼオライトの中から選択される1種または2種以上の混合物とされる。なお、助剤粉体は、予め集塵装置25に収容されていても良い。
上記工程により、集塵装置25から排出される排ガスは、煤塵、ダイオキシン類が除去され、SOx及びNOxも低減される。
中和剤供給装置22,42から、所定量の中和剤(標準中和剤供給量)が供給される。この標準中和剤供給量は、本実施形態の排ガス処理装置20,40,60の前段に設けられるボイラでの蒸気発生量に基づいて決定される。ボイラでの蒸気発生量は、ボイラの負荷の指標である。すなわち、蒸気発生量が多くなればボイラの負荷が高くなるため、SOx発生量も増大する。ボイラで発生する蒸気発生量と中和剤供給量との関係を、例えば試運転時に予め取得しておく。中和剤供給量コントローラ23は、排ガス処理時に計測された蒸気発生量を取得し、上述の蒸気発生量と中和剤供給量との関係に基づき、中和剤供給装置23からの標準中和剤供給量を制御する。
W=(一度に逆洗される室の数)×(一室当たりのろ過面積)
×(標準的な堆積層厚み)×(飛灰密度) ・・・(1)
逆洗は、通常1室ごとに実施する。標準的な堆積層の厚みは、約10mmである。飛灰密度は、約300kg/m3である。
なお、飛灰の性質はプラント毎に異なるため、プラントによってバグフィルタへの付着量に差が生じる。そのため、中和剤最低供給量は、式(1)で得た値を目安値として、中和剤供給量を目安値から増減させて試運転を行い、最適な標準中和剤供給量の最低量Wを決定すると良い。こうすることで、逆洗直後に堆積層が無い状態でも触媒の酸性硫安被毒を抑制できる。
触媒の反応活性率は、酸性硫安被毒により時間経過とともに低下する。反応活性率は、排ガス処理開始直後の触媒バグフィルタの反応活性度(反応速度定数)をK0、被毒後の反応活性度をKとしたとき、K/K0と定義される。反応活性率K/K0が、一定基準を下回った時点で、触媒の交換または逆洗(触媒再生)が必要となる。実用的には、例えば反応活性率が0.7まで低下したときに、触媒の交換または再生工程が実施されることもある。
図5は、出口側SOx濃度を変化させたときの反応活性率の経時変化の傾向を説明するための概念図である。同図において、横軸は排ガス処理時間、縦軸は反応活性率である。図5から、SOx濃度により、反応活性率K/K0の経時変化に差異があることが判る。例えば反応活性率K/K0=0.7で比較すると、排ガス処理時間は、出口側SOx濃度5ppmでは10000時間、1ppmでは20000時間、0.5ppmでは40000時間である。すなわち、出口側SOx濃度を低く設定することにより、長時間に亘り反応活性率を高く維持することができる。
図7は、第2実施形態に係る排ガス処理装置の概略図である。排ガス処理装置80は、第1実施形態の排ガス処理装置に、更にNOx還元剤供給量コントローラ81、アンモニアガス検出装置82及びNOx検出装置83を備えたものである。NOx還元剤は、排ガス処理装置80では減温塔21と集塵装置25との間で排ガス中に供給されるが、排ガス処理装置前段のゴミ焼却炉内に供給されても良い。第2実施形態においても、NOx還元剤としてアンモニアガス、アンモニア水、尿素水が使用できる。上述のように、アンモニア水及び尿素水は、排ガス中に供給されてアンモニアガスを生成する。
第2実施形態の装置を用いた排ガス処理方法では、第1実施形態と同様の工程にて触媒バグフィルタ出口側でのSOx濃度により中和剤の供給量が制御されるとともに、触媒バグフィルタ出口側でのNOx濃度及び未反応のアンモニアガス濃度の少なくとも一方に基づいて、NOx還元剤の供給量が制御される。これにより、酸性硫安の発生を抑制することができる。
コントローラ81は、検出されたアンモニアガス濃度値と設定値とを比較する。アンモニアガス濃度の設定値は、例えば5ppmとされる。検出されたアンモニアガス濃度値が設定値を超えた場合、還元剤供給量が過剰であるので、コントローラ81はNOx還元剤供給装置24から供給されるNOx還元剤量を減少させる。
コントローラ81は、検出されたNOx濃度値と設定値とを比較する。NOx濃度の設定値は、排ガス処理装置のバグフィルタ出口側NOx濃度の保証値とされ、例えば50ppmとされる。検出されたNOx濃度値が設定値を超える場合に、コントローラ81はNOx還元剤供給装置24から供給されるNOx還元剤量を増加させる。このとき、上述のようにバグフィルタ出口側のアンモニアガス濃度の監視を同時に行い、NOx還元剤供給量を制御すると、NOx還元剤の使用量が抑えられ、処理に要するコストを低減できるので好ましい。
11 保護層
12 堆積層
20,40,60,80 排ガス処理装置
21 減温塔
22,42 中和剤供給装置
23 中和剤供給量コントローラ
24 NOx還元剤供給装置
25 集塵装置
26 SOx検出装置
27 水タンク
28 水供給装置
29,41 中和剤貯蔵タンク
30 NOx還元剤貯蔵タンク
61 第1中和剤供給装置
62 第2中和剤供給装置
63 第1タンク
64 第2タンク
81 NOx還元剤供給量コントローラ
82 アンモニアガス検出装置
83 NOx検出装置
Claims (5)
- SOx及びNOxを含む排ガスと該排ガス中に供給されるNOx還元剤とを、触媒を担持するバグフィルタに通過させ、前記触媒を担持するバグフィルタの出口側における前記排ガス中のSOx濃度及びNOx濃度を減少させる排ガス処理方法であって、
前記触媒を担持するバグフィルタの入口側において、前記排ガス中に供給される消石灰、重曹、生石灰、及び苛性ソーダのうち少なくとも1種を含む粉体、水溶液及びスラリーのいずれかの供給量を、前記触媒を担持するバグフィルタの出口側における前記SOx濃度に基づいて制御することを特徴とする排ガス処理方法。 - 前記触媒を担持するバグフィルタの運転温度が、150℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
- 前記出口側のSOx濃度の上限値が、前記触媒を担持するバグフィルタの酸性硫安被毒による劣化に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
- 前記出口側のSOx濃度の上限値が、5ppm以下であることを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理方法。
- 前記バグフィルタの出口側における前記排ガス中の前記NOx濃度及びアンモニアガスの濃度の少なくとも一方を検出し、
前記検出されたアンモニアガスの濃度が所定値を超える場合に、前記NOx還元剤の供給量を減少させ、
前記検出されたNOx濃度が所定値を超える場合に、前記NOx還元剤の供給量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
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