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JP2011041418A - 電源回路及び電子機器 - Google Patents

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JP2011041418A JP2009188202A JP2009188202A JP2011041418A JP 2011041418 A JP2011041418 A JP 2011041418A JP 2009188202 A JP2009188202 A JP 2009188202A JP 2009188202 A JP2009188202 A JP 2009188202A JP 2011041418 A JP2011041418 A JP 2011041418A
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Abstract

【課題】基準電圧の急変に伴って出力に発生するオーバーシュートを軽減することが可能な電源回路及びそれを備える電子機器を提供すること。
【解決手段】入力電圧から負荷に供給する出力電圧を生成し、基準電圧に基づいて出力電圧を調整する電源回路において、誤差電圧を生成する誤差増幅器と、誤差電圧と出力インダクタに流れる電流に応じた検出電圧とを比較するコンパレータと、コンパレータの出力信号に基づいて出力トランジスタをオンオフ制御するスイッチング制御部と、クランプ電圧に基づいて誤差電圧の上限値を設定するクランプ回路と、クランプ電圧を生成するクランプ電圧生成回路と、を備える。クランプ電圧生成回路は、クランプ電圧を入力電圧に応じて変化させる。これにより、オーバーシュートを軽減することができる。
【選択図】図1

Description

本願は、LED等の負荷に電力を供給する電源回路及び電子機器に関する。
従来、入力電圧から所望の出力電圧を生成し、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)等の負荷に供給する電源回路がある。このような電源回路は、一般に、出力電圧に応じた帰還電圧と基準電圧との差分を増幅する誤差増幅器を備える。誤差増幅器が出力する誤差電圧を用いて、出力トランジスタのオンオフ制御を行う構成である。
これに関連して、誤差増幅器が出力する誤差電圧の上限値を設定するクランプ回路を設けることで出力電流を制限し、起動時の特性を改善する技術が知られている。
特開2007−185065 特開2008−178257
上記の構成を有する電源回路では、基準電圧を変化させることで、出力電圧を調整することができる。しかしながら、基準電圧を急峻に変化させた場合、出力にオーバーシュートが発生し、デバイスの耐圧を超えた電圧が出力されるおそれがある。また、負荷としてLEDを駆動する場合、出力電流の変動によってちらつきが発生することも考えられ、問題である。このような問題について、上記の特許文献1、2では、触れられていない。
本発明は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、基準電圧の急変に伴って出力に発生するオーバーシュートを軽減することが可能な電源回路及びそれを備える電子機器を提供することを目的とする。
本願に開示されている電源回路は、出力トランジスタのオンオフ制御によって出力インダクタを駆動して入力電圧から負荷に供給する出力電圧を生成し、基準電圧に基づいて前記出力電圧を調整する電源回路において、前記出力電圧に応じた帰還電圧と前記基準電圧との差分を増幅して誤差電圧を生成する誤差増幅器と、前記誤差電圧と前記出力インダクタに流れる電流に応じた検出電圧とを比較するコンパレータと、前記コンパレータの出力信号に基づいて前記出力トランジスタをオンオフ制御するスイッチング制御部と、クランプ電圧に基づいて前記誤差電圧の上限値を設定するクランプ回路と、前記クランプ電圧を生成するクランプ電圧生成回路と、を備え、前記クランプ電圧生成回路は、前記クランプ電圧を前記入力電圧に応じて変化させる。また、本願に開示されている電子機器は、当該電源回路と、前記入力電圧を供給するバッテリと、前記負荷としてのLEDと、を備える。
開示の電源回路、電子機器によれば、誤差増幅器が出力する誤差電圧の上限値を設定するクランプ回路のクランプ電圧を、入力電圧に応じて変化させることで、基準電圧の急変に伴って出力に発生するオーバーシュートを軽減することが可能である。
第1実施形態の回路ブロック図である。 クランプ回路の具体例を示す回路ブロック図である。 検出電圧SLOPEOUTの波形の概要図である。 オーバーシュート発生の概要図である。 クランプ電圧調整による効果の概要図である。 クランプ電圧生成回路の具体例1を示す回路ブロック図である。 クランプ電圧生成回路の具体例2を示す回路ブロック図である。 クランプ電圧生成回路の具体例3を示す回路ブロック図である。 クランプ電圧生成回路の具体例4を示す回路ブロック図である。 クランプ電圧生成回路の具体例5を示す回路ブロック図である。 入力電圧VIN=2.5[V]時における基準電圧Vrefの急変シミュレーション結果を示す波形図である。 入力電圧VIN=5.5[V]時における基準電圧Vrefの急変シミュレーション結果を示す波形図である。 第2実施形態の回路ブロック図である。
図1は、第1実施形態の回路ブロック図を示す。誤差増幅器ERRAMPの非反転入力端子には、基準電圧Vrefが入力される。誤差増幅器ERRAMPの反転入力端子には、LED40に直列に接続された抵抗R1とLED40に流れる電流ILEDとで決まる電圧が、抵抗R2を介して、帰還電圧として入力される。また、誤差増幅器ERRAMPの反転入力端子と出力端子との間に、抵抗R3、コンデンサC2が直列に接続される。抵抗R2、R3によって増幅率が調整され、コンデンサC2と合わせて位相補償が行われる。誤差増幅器ERRAMPが出力する誤差電圧ERROUTは、コンパレータICOMPの反転入力端子に入力される。
スロープ補償回路30は、nチャネルMOSトランジスタN1のオン・デューティが50%以上となると生ずる発振を防止する回路である。スロープ補償回路30には、インダクタL1に流れる電流が検出されて入力される。ここで、インダクタL1に流れる電流の検出は、例えば、nチャネルMOSトランジスタN1と直列に検出抵抗を設け、検出抵抗に生ずる電圧降下を検出することで行われる。スロープ補償回路30から出力される検出電圧SLOPEOUTは、コンパレータICOMPの非反転入力端子に入力される。
RSフリップフロップ10のセット端子には、クロック信号CLKが入力される。RSフリップフロップ10のリセット端子には、コンパレータICOMPの出力信号が入力される。RSフリップフロップ10の出力信号は、ドライバ回路20を介して、nチャネルMOSトランジスタN1のゲートに入力される。
上記の構成は、ピーク電流モード制御と呼ばれる。誤差増幅器ERRAMPは、出力電圧VOUTに応じた帰還電圧と基準電圧Vrefとの差分を増幅して誤差電圧ERROUTを出力する。コンパレータICOMPは、誤差電圧ERROUTと検出電圧SLOPEOUTとを比較して、検出電圧SLOPEOUTが誤差電圧ERROUTよりも低い場合にLレベルを出力し、検出電圧SLOPEOUTが誤差電圧ERROUTに到達するとHレベルを出力する。また、RSフリップフロップ10の出力信号は、クロック信号CLKの立上りエッジでHレベルとなり、コンパレータICOMPの出力信号の立上りエッジでLレベルとなる。したがって、固定周波数のクロック信号CLKの立上りでRSフリップフロップ10がセットされると、nチャネルMOSトランジスタN1はオン状態となる。nチャネルMOSトランジスタN1がオン状態となるとインダクタL1に流れる電流が増加し、検出電圧SLOPEOUTが上昇する。そして、検出電圧SLOPEOUTが誤差電圧ERROUTと等しくなるまで、nチャネルMOSトランジスタN1はオン状態を保ち、検出電圧SLOPEOUTが誤差電圧ERROUTと等しくなると、nチャネルMOSトランジスタN1は固定周期の残りの期間、オフ状態となる。
nチャネルMOSトランジスタN1のドレインは、インダクタL1の一端に接続されるとともに、ダイオードD1のアノードに接続される。インダクタL1の他端には、入力電圧VINが印加される。ダイオードD1のカソードは、LED40に接続されるとともに、コンデンサC1を介してグランドに接続される。
nチャネルMOSトランジスタN1がオン状態になると、インダクタL1に入力電圧VINからのエネルギーが蓄積される。そして、nチャネルMOSトランジスタN1がオフ状態になると、インダクタL1に蓄積されたエネルギーが放出され、電流はダイオードD1を介してコンデンサC1及びLED40に流れる。再度nチャネルMOSトランジスタN1がオン状態になると、インダクタL1に再びエネルギーが蓄積される。このとき、LED40にはコンデンサC1に蓄積されたエネルギーによって電流が流れ、ダイオードD1は逆流を防止する。第1実施形態の電源回路は、上記のピーク電流モード制御によりnチャネルMOSトランジスタN1をオンオフ制御し、入力電圧VINより高い出力電圧VOUTをLED40に供給する。また、基準電圧Vrefを変化させることで、出力電圧VOUTを調整し、LED40の調光を行うことができる。
クランプ回路50について、図2を参照して説明する。図2は、クランプ回路50の具体例を示す回路ブロック図である。クランプ回路50は、演算増幅器51、nチャネルMOSトランジスタN51を含む。演算増幅器51の反転入力端子には、クランプ電圧VCLMが入力され、非反転入力端子には、誤差電圧ERROUTが入力される。演算増幅器51の出力端子は、nチャネルMOSトランジスタN51のゲートに接続される。nチャネルMOSトランジスタN51のソースはグランドに接続され、ドレインは誤差増幅器ERRAMPの出力端子に接続される。これにより、クランプ回路50は、誤差増幅器ERRAMPが出力する誤差電圧ERROUTの上限値を、クランプ電圧生成回路60から出力されるクランプ電圧VCLMに設定する。
上記の電源回路における入力電圧VINと誤差電圧ERROUTとの関係について、図3を参照して説明する。図3は、スロープ補償回路30から出力される検出電圧SLOPEOUTの波形の概要図である。入力電圧VINが変化すると、出力電圧VOUTを一定に保つようにデューティ比が変化する。デューティ比が50%以上となると、スロープ補償回路30によってスロープ補償が加えられるため、検出電圧SLOPEOUTの波形は傾斜がきつくなる。ここで、図3に示されるように、入力電圧VINが低い場合と比較して、入力電圧VINが高い場合には、誤差電圧ERROUTは、より低いところで安定することになる。また、前述のように、誤差増幅器ERRAMPは、出力電圧VOUTに応じた帰還電圧と基準電圧Vrefとの差分を増幅して誤差電圧ERROUTを出力する。そのため、誤差電圧ERROUTは、基準電圧Vrefが高くなるにつれて上昇し、基準電圧Vrefが低くなるにつれて低下する。
従来、誤差電圧ERROUTの上限値であるクランプ電圧VCLMは、入力電圧VINが低い場合において目標とする出力電流ILEDを引けるようにするため、入力電圧VINが低い場合を基準に、一定値に設定されていた。そのため、入力電圧VINが低い場合において基準電圧Vrefを急峻に変化させた際には出力のオーバーシュートは小さいが、入力電圧VINが高い場合において基準電圧Vrefを急峻に変化させた際には出力のオーバーシュートは大きくなる。
図4は、このオーバーシュート発生の概要を示す。ここで、図4の縦軸はそれぞれ基準電圧Vref、誤差電圧ERROUT、出力電圧VOUT、出力電流ILEDの挙動を示し、横軸は時間tの経過を示す。また、図4において、実線は入力電圧VINが低い場合の挙動を示し、破線は入力電圧VINが高い場合の挙動を示す。
基準電圧Vref=V1のとき、誤差増幅器ERRAMPは、誤差電圧ERROUTを、入力電圧VINに応じて基準電圧Vref=V1に対する所定電圧1になるように制御する。その結果、出力電圧VOUT、出力電流ILEDは、基準電圧Vref=V1における目標値に保たれる。そして、基準電圧VrefがV1からV2へ急峻に上昇すると、誤差増幅器ERRAMPは、基準電圧Vrefの変動に追従して、誤差電圧ERROUTを上げる。最終的に、誤差電圧ERROUTは、クランプ電圧VCLMまで上昇する。そして、出力電圧VOUTが基準電圧Vref=V2における目標値に到達すると、誤差増幅器ERRAMPは、誤差電圧ERROUTを下げる。誤差増幅器ERRAMPは、誤差電圧ERROUTを、入力電圧VINに応じて基準電圧Vref=V2に対する所定電圧2になるように制御する。しかし、誤差電圧ERROUTがクランプ電圧VCLMから所定電圧2に戻るまでのリカバリタイムTR1、TR2の間に出力電流ILEDが余分に供給され、出力電圧VOUTにオーバーシュートが発生する。
図3で説明したように、誤差電圧ERROUTは入力電圧VINに依存し、入力電圧VINが高いほど誤差電圧ERROUTは低くなる。そのため、従来のように、入力電圧VINが低い場合を基準にしてクランプ電圧VCLMが一定値に設定されていると、入力電圧VINが低い場合のリカバリタイムTR1と比較して、入力電圧VINが高い場合のリカバリタイムTR2はより長くなる。したがって、入力電圧VINが高い場合、オーバーシュートはより顕著になる。特に、誤差増幅器ERRAMPの帯域が狭い場合、誤差電圧ERROUTの応答速度が低下するため、オーバーシュートは顕著になる。
そこで、第1実施形態の電源回路では、クランプ電圧生成回路60を設け、入力電圧VINによってクランプ電圧VCLMを調整する。また、前述のように、誤差電圧ERROUTは基準電圧Vrefによっても変化し、基準電圧Vrefが高いほど誤差電圧ERROUTは高くなる。そのため、第1実施形態の電源回路では、入力電圧VINとともに基準電圧Vrefによってクランプ電圧VCLMを調整する。図1に示されるように、クランプ電圧生成回路60には、入力電圧VINと基準電圧Vrefとが入力される。クランプ電圧生成回路60は、入力電圧VINと基準電圧Vrefとに応じてクランプ電圧VCLMを変化させ、クランプ回路50に出力する。
図5は、クランプ電圧VCLMの調整による効果の概要を示す。ここで、図5の縦軸、横軸は図4と同様である。また、図5においても、実線は入力電圧VINが低い場合の挙動を示し、破線は入力電圧VINが高い場合の挙動を示す。図5に示されるように、第1実施形態の電源回路では、入力電圧VINが低い場合と比較して、入力電圧VINが高い場合にはクランプ電圧VCLMを低くする。これにより、入力電圧VINが高い場合のリカバリタイムTR2を、入力電圧VINが低い場合のリカバリタイムTR1と同程度に短くすることができる。このように、第1実施形態の電源回路は、入力電圧VINによってクランプ電圧VCLMを調整することで、リカバリタイムを短くし、オーバーシュートを軽減することができる。また、前述のように、第1実施形態の電源回路では、入力電圧VINとともに基準電圧Vrefによってもクランプ電圧VCLMを調整する。具体的には、基準電圧Vrefが高くなると、クランプ電圧VCLMを高くする。これにより、クランプ電圧VCLMを低くし過ぎることを防止している。したがって、目標とする出力電流ILEDを流すことを困難にするほど低いクランプ電圧VCLMで誤差電圧ERROUTを頭打ちさせることがなくなり、目標とする出力電流ILEDを流すことができる。
続いて、上記のクランプ電圧VCLMの調整を実現するためのクランプ電圧生成回路60の具体例を説明する。図6は、クランプ電圧生成回路60の具体例1を示す。図6において、破線で囲まれた回路が基準電圧Vrefに応じてクランプ電圧VCLMを調整する部分であり、それ以外の回路が入力電圧VINに応じてクランプ電圧VCLMを調整する部分である。
pチャネルMOSトランジスタP61のゲートに基準電圧Vrefが印加される。pチャネルMOSトランジスタP61のドレインはグランドに接続され、ソースは抵抗R61を介してpチャネルMOSトランジスタP62のドレインに接続される。pチャネルMOSトランジスタP62は、pチャネルMOSトランジスタP63とともにカレントミラー回路を構成する。pチャネルMOSトランジスタP63のドレインは、nチャネルMOSトランジスタN61のドレインに接続される。nチャネルMOSトランジスタN61は、nチャネルMOSトランジスタN62とともにカレントミラー回路を構成する。また、nチャネルMOSトランジスタN63のドレインには、抵抗R62を介して入力電圧VINが印加される。nチャネルMOSトランジスタN63は、nチャネルMOSトランジスタN64とともにカレントミラー回路を構成する。そして、nチャネルMOSトランジスタN62、N64のドレインは共通に接続され、抵抗R63を介して、所定の定電圧の電源ラインに接続される。nチャネルMOSトランジスタN62、N64と抵抗R63との接続点がクランプ電圧VCLMの出力端となる。
基準電圧Vrefが高くなると、抵抗R61を流れる電流が減少する。pチャネルMOSトランジスタP62、P63を含むカレントミラー回路と、nチャネルMOSトランジスタN61、N62を含むカレントミラー回路とを介して、抵抗R63を流れる電流が減少する。その結果、クランプ電圧VCLMが上昇する。一方、入力電圧VINが高くなると、抵抗R62を流れる電流が増加する。nチャネルMOSトランジスタN63、N64を含むカレントミラー回路を介して、抵抗R63を流れる電流が増加する。その結果、クランプ電圧VCLMが低下する。このように、クランプ電圧生成回路60の具体例1によれば、入力電圧VINが高い場合にクランプ電圧VCLMを低くし、基準電圧Vrefが高い場合にクランプ電圧VCLMを高くすることができ、クランプ電圧VCLMの調整を実現することができる。
図7は、クランプ電圧生成回路60の具体例2を示す。差動増幅器71の非反転入力端子、反転入力端子には、それぞれ基準電圧Vref、入力電圧VINが適当な係数α、β倍されて、入力される。ここで、係数α、βは、分圧等により適宜、設定される。これにより、差動増幅器71の出力端子からは、入力電圧VINが高い場合に低く調整され、基準電圧Vrefが高い場合に高く調整されたクランプ電圧VCLMが得られる。
図8は、クランプ電圧生成回路60の具体例3を示す。図7の差動増幅器71と同様に、gmアンプ81の非反転入力端子、反転入力端子には、それぞれ基準電圧Vref、入力電圧VINが適当な係数α、β倍されて、入力される。また、gmアンプ81の出力端子とグランド間に抵抗R81が接続される。gmアンプ81は、β倍された入力電圧VINとα倍された基準電圧Vrefとの差分に応じた電流を出力する。gmアンプ81の出力電流は、抵抗R81によって電圧に変換される。これにより、入力電圧VINが高い場合に低く調整され、基準電圧Vrefが高い場合に高く調整されたクランプ電圧VCLMが得られる。
図9は、クランプ電圧生成回路60の具体例4を示す。pチャネルMOSトランジスタP91のゲートに基準電圧Vrefが印加される。pチャネルMOSトランジスタP91のドレインはグランドに接続され、ソースは抵抗R91を介してpチャネルMOSトランジスタP92のドレインに接続される。pチャネルMOSトランジスタP92は、pチャネルMOSトランジスタP93とともにカレントミラー回路を構成し、pチャネルMOSトランジスタP92、P93のソースには入力電圧VINが印加される。pチャネルMOSトランジスタP93のドレインは、nチャネルMOSトランジスタN91のドレインに接続される。nチャネルMOSトランジスタN91は、nチャネルMOSトランジスタN92とともにカレントミラー回路を構成する。nチャネルMOSトランジスタN92のドレインは、抵抗R92を介して、所定の定電圧の電源ラインに接続される。nチャネルMOSトランジスタN92と抵抗R92との接続点がクランプ電圧VCLMの出力端となる。
基準電圧Vrefが高くなると、抵抗R91を流れる電流が減少する。pチャネルMOSトランジスタP92、P93を含むカレントミラー回路と、nチャネルMOSトランジスタN91、N92を含むカレントミラー回路とを介して、抵抗R92を流れる電流が減少する。その結果、クランプ電圧VCLMが上昇する。一方、入力電圧VINが高くなると、抵抗R91を流れる電流が増加する。pチャネルMOSトランジスタP92、P93を含むカレントミラー回路と、nチャネルMOSトランジスタN91、N92を含むカレントミラー回路とを介して、抵抗R92を流れる電流が増加する。その結果、クランプ電圧VCLMが低下する。このように、クランプ電圧生成回路60の具体例4によれば、入力電圧VINが高い場合にクランプ電圧VCLMを低くし、基準電圧Vrefが高い場合にクランプ電圧VCLMを高くすることができ、クランプ電圧VCLMの調整を実現することができる。
図10は、クランプ電圧生成回路60の具体例5を示す。演算増幅器101、102の反転入力端子には、それぞれ基準電圧Vref、入力電圧VINが適当な係数α、β倍されて、入力される。演算増幅器101、102の出力端子はそれぞれnチャネルMOSトランジスタN101、pチャネルMOSトランジスタP101のゲートに接続され、各演算増幅器の非反転入力端子はそれぞれnチャネルMOSトランジスタN101、pチャネルMOSトランジスタP101のドレインに接続される。また、nチャネルMOSトランジスタN101、pチャネルMOSトランジスタP101のドレインは抵抗R101を介して互いに接続され、各トランジスタのソースはそれぞれグランド、所定の定電圧の電源ラインに接続される。nチャネルMOSトランジスタN102は、ゲートがnチャネルMOSトランジスタN101と共通に接続され、ソースがグランドに接続され、ドレインが抵抗R102を介して、所定の定電圧の電源ラインに接続される。nチャネルMOSトランジスタN102と抵抗R102との接続点がクランプ電圧VCLMの出力端となる。
基準電圧Vrefが高くなると、演算増幅器101の出力が下がるため、抵抗R102を流れる電流が減少する。その結果、クランプ電圧VCLMが上昇する。一方、入力電圧VINが高くなると、演算増幅器102の出力が下がるため、演算増幅器101の非反転入力端子に入力される電圧は上がる。したがって、演算増幅器101の出力が上がるため、抵抗R102を流れる電流が増加する。その結果、クランプ電圧VCLMが低下する。このように、クランプ電圧生成回路60の具体例5によれば、入力電圧VINが高い場合にクランプ電圧VCLMを低くし、基準電圧Vrefが高い場合にクランプ電圧VCLMを高くすることができ、クランプ電圧VCLMの調整を実現することができる。
ここまでに説明したクランプ電圧生成回路60の各具体例の特徴を説明する。図6の具体例1は、基準電圧Vrefに応じてクランプ電圧VCLMを調整する部分と、入力電圧VINに応じてクランプ電圧VCLMを調整する部分とを個別に備えるため、回路の合わせ込みが比較的容易である。図7の具体例2と図8の具体例3とは、他の具体例を網羅し、包括的に表現した具体例であると言える。図9の具体例4は、回路規模を抑えることができる。また、図10の具体例5は、演算増幅器101、102を用いて制御するため、精度が良い。
図11、図12は、それぞれ入力電圧VINが2.5[V]の場合と5.5[V]の場合とについて、基準電圧Vrefを150[mV]と300[mV]との間で急変させたときの基準電圧Vref、誤差電圧ERROUT、出力電圧VOUT、出力電流ILEDのシミュレーション結果を示す。なお、図11(A)、図12(A)は、ここまでに説明したクランプ電圧生成回路60の具体例を用いて、上記のクランプ電圧VCLMの調整を行った場合の回路特性を示す。図11(B)、図12(B)は、比較のため、従来のように、入力電圧VINが低い場合(すなわち、ここでは入力電圧VIN=2.5[V]の場合)を基準にしてクランプ電圧VCLMを一定値に設定した場合の回路特性を示す。
図11に示されるように、入力電圧VIN=2.5[V]のとき、今回のクランプ電圧VCLMの調整を行ったケースと従来のケースとは、ともに出力電圧VOUTのオーバーシュートは0.233[V]であり、同等である。一方、図12に示されるように、入力電圧VIN=5.5[V]のとき、従来のケースでは出力電圧VOUTのオーバーシュートは1.095[V]であるのに対して、今回のクランプ電圧VCLMの調整を行ったケースでは出力電圧VOUTのオーバーシュートは0.202[V]であり、オーバーシュートが約1/5に軽減される。
ここで、特許請求の範囲との対応は以下の通りである。
nチャネルMOSトランジスタN1は出力トランジスタの一例である。インダクタL1は出力インダクタの一例である。LED40は負荷の一例である。RSフリップフロップ10、ドライバ回路20はスイッチング制御部の一例である。また、抵抗R61、R62、R63はそれぞれ第1の抵抗、第2の抵抗、出力抵抗の一例である。pチャネルMOSトランジスタP62とpチャネルMOSトランジスタP63、nチャネルMOSトランジスタN61とnチャネルMOSトランジスタN62、nチャネルMOSトランジスタN63とnチャネルMOSトランジスタN64、はそれぞれ第1、第2、第3のカレントミラー回路の一例である。
以上、詳細に説明したように、前記実施形態によれば、クランプ電圧生成回路60は、誤差増幅器ERRAMPが出力する誤差電圧ERROUTの上限値を設定するクランプ回路50のクランプ電圧VCLMを、入力電圧VINに応じて変化させ、入力電圧VINが高い場合にクランプ電圧VCLMを低くする。これにより、基準電圧Vrefの急変に伴って出力に発生するオーバーシュートを軽減することができる。また、クランプ電圧生成回路60は、入力電圧VINとともに基準電圧Vrefに応じてクランプ電圧VCLMを変化させ、基準電圧Vrefが高い場合にクランプ電圧VCLMを高くする。これにより、クランプ電圧VCLMを低くし過ぎることを防止し、目標とする出力電流ILEDを確実に流すことができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、第1実施形態はピーク電流モード制御の電源回路であるが、図13に第2実施形態として示されるように、電圧モード制御の電源回路であってもよい。ここで、図13において図1と対応する部分には同一の符号を付して、説明を省略する。コンパレータCOMPの2つの非反転入力端子には、誤差電圧ERROUT、クランプ電圧VCLM、がそれぞれ入力される。コンパレータCOMPの反転入力端子には、最大値及び最小値の間で周期的に変化する周期電圧として、三角波電圧が入力される。コンパレータCOMPの出力信号は、ドライバ回路20を介して、nチャネルMOSトランジスタN1のゲートに入力される。
コンパレータCOMPは、誤差電圧ERROUT及びクランプ電圧VCLMのいずれか低い方と、三角波電圧とを比較して、誤差電圧ERROUT及びクランプ電圧VCLMのいずれか低い方が三角波電圧よりも高い場合にHレベルを出力し、低い場合にLレベルを出力する。したがって、クランプ電圧VCLMにより、nチャネルMOSトランジスタN1の最大オン・デューティが設定される。クランプ電圧VCLMを、第1実施形態で説明したクランプ電圧生成回路60を用いて、入力電圧VIN、基準電圧Vrefによって調整することで、第2実施形態の電圧モード制御の電源回路においても、同様の効果が得られる。
また、クランプ電圧VCLMの調整は、入力電圧VINと基準電圧Vrefとに応じて行うとしたが、入力電圧VINのみによってクランプ電圧VCLMを調整してもよい。その場合は、例えば、図6のクランプ電圧生成回路60の具体例1において、破線で囲まれていない回路のみを用いればよい。入力電圧VINのみによってクランプ電圧VCLMを調整しても、オーバーシュート軽減の効果は得られる。
その他、前記実施形態は昇圧型の電源回路であるが、クランプ電圧VCLMを入力電圧VIN、基準電圧Vrefに応じて変化させることによってオーバーシュートを軽減するという本発明の趣旨は、降圧型、あるいは昇降圧型の電源回路にも適用することができる。
なお、上述した電源回路と、入力電圧VINを供給するバッテリと、負荷としてのLEDと、を備える電子機器を構成してもよい。
10 RSフリップフロップ
20 ドライバ回路
30 スロープ補償回路
40 LED(負荷)
50 クランプ回路
60 クランプ電圧生成回路
COMP コンパレータ
ERRAMP 誤差増幅器
ERROUT 誤差電圧
ICOMP コンパレータ
L1 インダクタ(出力インダクタ)
N1 nチャネルMOSトランジスタ(出力トランジスタ)
R61 抵抗(第1の抵抗)
R62 抵抗(第2の抵抗)
R63 抵抗(出力抵抗)
SLOPEOUT 検出電圧
VCLM クランプ電圧
VIN 入力電圧
VOUT 出力電圧
Vref 基準電圧

Claims (7)

  1. 出力トランジスタのオンオフ制御によって出力インダクタを駆動して入力電圧から負荷に供給する出力電圧を生成し、基準電圧に基づいて前記出力電圧を調整する電源回路において、
    前記出力電圧に応じた帰還電圧と前記基準電圧との差分を増幅して誤差電圧を生成する誤差増幅器と、
    前記誤差電圧と前記出力インダクタに流れる電流に応じた検出電圧とを比較するコンパレータと、
    前記コンパレータの出力信号に基づいて前記出力トランジスタをオンオフ制御するスイッチング制御部と、
    クランプ電圧に基づいて前記誤差電圧の上限値を設定するクランプ回路と、
    前記クランプ電圧を生成するクランプ電圧生成回路と、
    を備え、
    前記クランプ電圧生成回路は、前記クランプ電圧を前記入力電圧に応じて変化させる
    ことを特徴とする電源回路。
  2. 前記クランプ電圧生成回路は、前記クランプ電圧を前記入力電圧とともに前記基準電圧に応じて変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  3. 前記クランプ電圧生成回路は、
    前記入力電圧が高くなると前記クランプ電圧を低くし、
    前記基準電圧が高くなると前記クランプ電圧を高くする
    ことを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
  4. 前記クランプ電圧生成回路は、
    前記入力電圧に応じた電圧と前記基準電圧に応じた電圧とを差動入力とする差動増幅器を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の電源回路。
  5. 前記クランプ電圧生成回路は、
    ゲートに前記基準電圧が印加されるpチャネルMOSトランジスタと、
    前記pチャネルMOSトランジスタのソースに接続される第1の抵抗と、
    前記第1の抵抗に流れる電流と同じ値の電流を、出力抵抗に中継する第1及び第2のカレントミラー回路と、
    一端に前記入力電圧が印加される第2の抵抗と、
    前記第2の抵抗に流れる電流と同じ値の電流を、前記出力抵抗に中継する第3のカレントミラー回路と、
    を備え、
    前記出力抵抗に生ずる電圧降下に基づいて前記クランプ電圧を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電源回路。
  6. 出力トランジスタのオンオフ制御によって出力インダクタを駆動して入力電圧から負荷に供給する出力電圧を生成し、基準電圧に基づいて前記出力電圧を調整する電源回路において、
    前記出力電圧に応じた帰還電圧と前記基準電圧との差分を増幅して誤差電圧を生成する誤差増幅器と、
    前記出力トランジスタの最大オン・デューティを設定するクランプ電圧を生成するクランプ電圧生成回路と、
    前記誤差電圧及び前記クランプ電圧のいずれか低い方と、最大値及び最小値の間で周期的に変化する所定の周期電圧とを比較するコンパレータと、
    前記コンパレータの出力信号に基づいて前記出力トランジスタをオンオフ制御するスイッチング制御部と、
    を備え、
    前記クランプ電圧生成回路は、前記クランプ電圧を前記入力電圧に応じて変化させる
    ことを特徴とする電源回路。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電源回路と、
    前記入力電圧を供給するバッテリと、
    前記負荷としてのLEDと、
    を備えることを特徴とする電子機器。
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