JP2010236926A - 臨床検査用試薬収容容器 - Google Patents
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Abstract
臨床検査用自動分析装置で用いられる試薬収容容器において、容器の成形がし易く、凍結乾燥処理を行うことが可能であり、安価な、試薬を収容可能な臨床検査用試薬収容容器を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、臨床検査用試薬を収容し、臨床検査用自動分析装置に用いられる臨床検査用試薬収容容器であって、シクロオレフィンコポリマーを一体成形することにより得られ、凍結乾燥処理に適用可能であることを特徴とする臨床検査用試薬収容容器を提供する。
【選択図】図1
Description
特許文献2記載の技術は、光透過性に優れ、かつ液状試薬の保存性に優れた容器を提供することを課題とする技術である。この技術課題を解決するために、実施例では、ポリプロピレンを用いた樹脂製容器が記載されている。
しかしながら、凍結乾燥試薬の場合、試薬容器に対象試薬をいれて−40℃から−50℃の低温で凍結し、真空排気後、乾燥することにより製造される。このため、ポリプロピレン製の試薬容器では凍結乾燥処理に伴う温度変化や圧力変化に対して十分な強度がない。このような事情から、凍結乾燥試薬用の試薬容器としては、一般的にガラス製の試薬容器が使用されている。
一方、血液凝固自動分析装置でキャリブレータ試料やコントロール試料として用いられている血漿試薬は凍結乾燥試薬であるが、血漿試薬中に含まれる血液凝固因子とガラスのような陰性荷電を有する固相とが接触することにより血液凝固因子が活性化するため、ガラス製の試薬容器に血漿試薬をそのまま収容することができない。そのため血漿試薬用の試薬容器としては、一般的に容器の内壁がシリコナイズ処理されたガラス製の試薬容器が使用されている。しかしながら、この試薬容器では、シリコナイズ処理を施すコストがかかるという問題がある。また、シリコナイズ処理が不均一であれば容器間差が生じ正確な検査の妨げになるため、試薬容器の品質管理を行う必要性が生じる。
本実施形態におけるシクロオレフィンコポリマーとしては、凍結乾燥処理に伴う温度変化や圧力変化に対して十分な強度がある環状オレフィン系樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、エチレンとノルボルネンとの共重合体や、エチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体による樹脂である。エチレンとノルボルネンとの共重合体は「TOPAS(登録商標):ポリプラスチックス社製」として、エチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体は「APEL(登録商標):三井化学株式会社製」として市販されている。
例えば、図1及び図2に示す試薬容器が挙げられる。図1は、本発明の一実施形態に係る臨床検査用試薬収容容器1の斜視図であり、図2は図1の容器本体2の中心軸線A−A’を含む断面図である。臨床検査用試薬収容容器1は、容器本体2と蓋体3とから成る。容器本体2は、上端側に開口部4を有し、下端側に底部5を有する円筒形状の外観を有している。蓋体3は前記開口部4に螺合し、前記容器本体2の開口部4を閉鎖する。底部5の内面は、平底状の内底面5aを有している。
これら所定の検査項目を測定する場合、検査項目に応じた試薬を用いる。例えば、血液凝固検査用試薬の場合、PT測定ではトロンボチェックPTプラス(シスメックス社製)、APTT測定ではトロンボチェックAPTT−SLA(シスメックス社製)、フィブリン濃度測定ではトロンボチェックFib(シスメックス社製)、複合因子測定では、複合因子T「コクサイ」(シスメックス社製)等が用いられる。
キャリブレータ試料は、臨床検査用自動分析装置の較正に用いられる試料である。例えば、血液凝固自動分析装置では、キャリブレータ試料としてヒト血漿が用いられ、具体的にはコアグトロールN(シスメックス社製)等が挙げられる。このヒト血漿は、凍結乾燥処理されることにより保存が容易となり、使用時に精製水で溶解して用いられる。
以下に本発明の臨床検査用試薬収容容器の一実施形態において、凍結乾燥処理を行った場合の血液凝固因子を含む血漿試薬の安定性試験および容器間差試験を実施した例を示す。
エチレンとノルボルネンとの共重合体(TOPAS(登録商標):ポリプラスチックス社製)を用いて、インジェクションブロー成形によりCOC製容器を作製した。このCOC製容器にヒト血漿1mLを収容し、COC製容器の開口部を半打栓した。
次にCOC製容器に収容された血漿の凍結乾燥を行った。凍結乾燥は、−70℃〜−10℃程度で凍結させ、その後、高真空下で乾燥を行った。乾燥時の温度は−40℃〜4℃程度とした。凍結乾燥処理後、COC製容器の開口部を閉栓した。
凍結乾燥処理後のCOC製容器において、強度低下による割れや変形、透明性低下による白濁等は見られなかった。
凍結乾燥されたヒト血漿を用いて、容器間差試験を行った。
容器間差試験は、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、フィブリン濃度時間、トロンボテスト及びヘパプラスチンテストの検査項目を測定して試験を行った。測定装置として血液凝固測定装置コアグレックス(シスメックス社製)を使用し、測定試薬としてトロンボチェックPT、トロンボチェックAPTT、トロンボチェックFib、複合因子・T「コクサイ」、複合因子・H「コクサイ」(シスメックス社製)を使用し、上記測定装置の取扱説明書に従って各検査項目について20検体ずつ測定した。
各検査項目において20検体測定した結果から、平均値(AVG.)標準偏差(SD)変動係数(CV)を算出した。
実施例1のCOC製容器を、シリコナイズ処理を施したガラス製容器を用いた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて測定した。
実施例1および比較例1で得られた結果を図3及び図4に示す。実施例1および比較例1で得られた結果を比較すると、各検査項目において、ガラス製容器よりもCOC製容器の方がCVの値(%)が小さかった。このため、COC製容器は上記試薬において、ガラス容器よりも容器間差が少ないことがわかる。よってCOC製容器はガラス製容器と同等以上に使用可能であることが示された。
エチレンとノルボルネンとの共重合体(TOPAS(登録商標):ポリプラスチックス社製)を用いて、インジェクションブロー成形によりCOC製容器を作製した。このCOC製容器にヒト血漿1mLを収容し、COC製容器の開口部を半打栓した。
次にCOC製容器に収容された血漿の凍結乾燥を行った。凍結乾燥は、−70℃〜−10℃程度で凍結させ、その後、高真空下で乾燥を行った。乾燥時の温度は−40℃〜4℃程度とした。凍結乾燥処理後、COC製容器の開口部を閉栓した。
凍結乾燥処理後のCOC製容器において、強度低下による割れや変形、透明性低下による白濁等は見られなかった。
凍結乾燥されたヒト血漿を2〜8℃で0、30,60,90、120、180日間保管し、それぞれの期間保管した後のヒト血漿を用いて安定性試験を行った。
安定性試験は、プロトロンビン時間測定、活性化部分トロンボプラスチン時間測定、フィブリン濃度時間測定、トロンボテスト及びヘパプラスチンテストを行った。各検査を行うための測定装置として血液凝固測定装置コアグレックス(シスメックス社製)を使用し、検査試薬としてトロンボチェックPT、トロンボチェックAPTT、トロンボチェックFib、複合因子・T「コクサイ」、複合因子・H「コクサイ」(シスメックス社製)を使用し、上記測定装置の取扱説明書に従って上記検査項目を測定した。
実施例2のCOC製容器の代わりにガラス製容器にシリコナイズ処理を施したものを用いた以外は上記実施例と同様の方法を用いて測定した。
実施例2及び比較例2で得られた結果を図5〜図9に示す。図5〜図9は、0日保管した血漿の測定結果を100%としたときの、各日数保管した血漿の測定結果を各検査項目においてグラフ化したものである。
実施例2と比較例2とを比較すると、図5〜図9において、保存安定性においては、シリコナイズ処理を施したガラス製容器とCOC製容器とでは長期安定性においてほとんど差は見られなかった。このことから、COC製容器は、従来使用されていたガラス製容器と同等に使用可能であることが示された。
Claims (9)
- 臨床検査用試薬を収容し、臨床検査用自動分析装置に用いられる臨床検査用試薬収容容器であって、
シクロオレフィンコポリマーを一体成形することにより得られ、
凍結乾燥処理に適用可能であることを特徴とする臨床検査用試薬収容容器。 - 前記シクロオレフィンコポリマーが、エチレンとノルボルネンまたはテトラシクロドデセンとの共重合体である、請求項1に記載の臨床検査用試薬収容容器。
- 臨床検査用試薬が、臨床検査用自動分析装置のキャリブレータ試料またはコントロール試料であることを特徴とする、請求項1または2に記載の臨床検査用試薬収容容器。
- 臨床検査用試薬が、所定の検査項目の検査試薬であることを特徴とする、請求項1または2に記載の臨床検査用試薬収容容器。
- 臨床検査用自動分析装置が血液凝固検査用自動分析装置であって、臨床検査用試薬が血液凝固検査用試薬である、請求項1または2のいずれかに記載の臨床検査用試薬収容容器。
- 前記容器は、インジェクションブロー方式により成形される、請求項1〜5のいずれかに記載の臨床検査用試薬収容容器。
- 血液凝固検査用試薬を収容する容器であって、
シクロオレフィンコポリマーで一体成形されていることを特徴とする血液凝固検査用試薬収容容器。 - 血液凝固検査用試薬は、血液凝固検査用自動分析装置のキャリブレータ血漿またはコントロール血漿であることを特徴とする、請求項7に記載の血液凝固検査用試薬収容容器。
- 血液凝固検査用試薬は、プロトロンビン時間測定試薬、活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬、フィブリン濃度測定試薬または複合因子測定試薬のいずれかである、請求項8に記載の血液凝固検査用試薬収容容器。
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