JP2010232000A - 放電ランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電極からの伝熱体の漏れを、早期に精度よく検知することができる放電ランプ装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明の放電ランプ装置は、発光物質が封入された発光管の内部に一対の電極が対向配置された放電ランプ10と、この放電ランプ10の点灯状態を監視する測定手段30よりなり、放電ランプ10の少なくとも一方の電極は、内部の密閉空間に電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属からなる伝熱体が封入された放電ランプ装置において、測定手段30は、放電ランプ10の電力と発光物質から放射される放射光の両方を同時に一定間隔で順次測定し、最新の放電ランプの電力の測定値と最新の放射光の測定値の比率である最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力の測定値と放射光の測定値の比率である過去比率とを順次比較し、その比率の変化を検出する検出手段35を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の放電ランプ装置は、発光物質が封入された発光管の内部に一対の電極が対向配置された放電ランプ10と、この放電ランプ10の点灯状態を監視する測定手段30よりなり、放電ランプ10の少なくとも一方の電極は、内部の密閉空間に電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属からなる伝熱体が封入された放電ランプ装置において、測定手段30は、放電ランプ10の電力と発光物質から放射される放射光の両方を同時に一定間隔で順次測定し、最新の放電ランプの電力の測定値と最新の放射光の測定値の比率である最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力の測定値と放射光の測定値の比率である過去比率とを順次比較し、その比率の変化を検出する検出手段35を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は放電ランプ装置に関する。特に、液晶や半導体ウエハーの露光装置に用いられるショートアーク型放電ランプを用いた放電ランプ装置に関する。
放電ランプは、発光物質、電極間距離、発光管内圧力という観点から幾つかのランプに分類でき、このうち発光物質ではキセノンガスを発光物質とするキセノンランプ、水銀を発光物質とする水銀ランプ、水銀以外の希土類金属を発光物質とするメタルハライドランプなどに分類できる。また、電極間距離という観点では、電極間距離が短いショートアーク型放電ランプや電極間距離が長いロングアーク型放電ランプに分類できる。さらに、発光管内の蒸気圧という観点では、低圧放電ランプ、高圧放電ランプ、超高圧放電ランプに分類できる。
このうち、ショートアーク型高圧水銀ランプについて言えば、耐熱温度の高い石英ガラスを発光管としており、その内部にタングステン製の電極が2〜12mm程度の間隙をもって配置しており、さらに、発光管内部には発光物質として点灯時蒸気圧が105Pa〜107Paになる水銀やアルゴンなどの希ガスが封入されている。
このショートアーク型高圧水銀ランプは、電極間距離が短くて高輝度が得られるという利点を有することから、従来からリソグラフィーの露光用光源に広く使用されてきた。
このショートアーク型高圧水銀ランプは、電極間距離が短くて高輝度が得られるという利点を有することから、従来からリソグラフィーの露光用光源に広く使用されてきた。
その一方で、近年は、半導体ウエハーのみならず、液晶基板、特に、大面積の液晶ディスプレイに使う液晶基板の露光用光源として注目されており、製造工程におけるスループットを高める観点から光源であるランプとしても大出力化が強く求められている。
放電ランプの大出力化により定格消費電力が大きくなると、放電ランプに流れる電流値は、電流電圧の設計値にもよるが、大体の場合においては大きくなる。
このため、電極(特に、直流点灯における陽極)は、電子衝突を受ける量が多くなり、容易に昇温して溶融されるという問題を導いてしまう。また、陽極に限られず、垂直方向に配置する放電ランプにおいては、上側に位置される電極が、発光管内の熱対流などの影響を受けて、アークからの熱を受け易くなり、同様に高温化により溶融されてしまう。
このため、電極(特に、直流点灯における陽極)は、電子衝突を受ける量が多くなり、容易に昇温して溶融されるという問題を導いてしまう。また、陽極に限られず、垂直方向に配置する放電ランプにおいては、上側に位置される電極が、発光管内の熱対流などの影響を受けて、アークからの熱を受け易くなり、同様に高温化により溶融されてしまう。
また、電極、特に、その先端部分が溶融すると、アークが不安定になるばかりでなく、電極を構成する物質が蒸発して発光管の内表面に付着して放射出力が低下するという問題も生じる。
このような現象は、ショートアーク型高圧水銀ランプに限るものではなく、放電ランプを大出力化する場合に、一般的に生ずる問題であった。
このような現象は、ショートアーク型高圧水銀ランプに限るものではなく、放電ランプを大出力化する場合に、一般的に生ずる問題であった。
このような問題が生じないようにするには、電極の温度上昇を抑制する必要があり、電極内部に空洞を設けた密閉空間を形成し、この空間の中に、銀や銅などの伝熱体を封入する構造が提案されている(特開2004−6246号)。
伝熱体は、電極本体を構成する金属よりも融点の低い金属により構成されており、ランプ点灯時は、密閉空間内で液体状態となった伝熱体の対流作用や沸騰伝達作用を利用することで、電極先端の熱を、効率良く後部に輸送し、特に電極先端部分の温度上昇を抑制するものである。
伝熱体は、電極本体を構成する金属よりも融点の低い金属により構成されており、ランプ点灯時は、密閉空間内で液体状態となった伝熱体の対流作用や沸騰伝達作用を利用することで、電極先端の熱を、効率良く後部に輸送し、特に電極先端部分の温度上昇を抑制するものである。
しかしながら、上記構造の電極本体の内部に伝熱体を有する電極を採用しても、それ以前に存在する電極に比べて電極損耗という問題を解決することはできるが、完全に電極損耗が抑えられるというわけではなく、電極を構成する物質の蒸発を完全に抑えることはできず、電極からの蒸発物質が発光管の内表面に付着して、ランプ点灯時間の経過に伴い放射出力が徐々に低下するものである。
このような放射出力の低下を補うために、ランプ点灯時間の経過に伴い放電ランプの入力電力を上げて、常に所望の放射出力が得られるようにするものである。
このような方法は、照射面である被処理面での照度が一定になるように制御するものであり、定照度点灯モードと呼ばれている。(特開平10−294271号)。
このような放射出力の低下を補うために、ランプ点灯時間の経過に伴い放電ランプの入力電力を上げて、常に所望の放射出力が得られるようにするものである。
このような方法は、照射面である被処理面での照度が一定になるように制御するものであり、定照度点灯モードと呼ばれている。(特開平10−294271号)。
定照度点灯モードについて詳細に説明する。
図6は、放電ランプからの放射光を測定する時刻の説明図である。
図6に示すように、S1、S2、S3・・・S598、S599、S600、S601、S602の記号は、一定間隔(1秒間隔)で放射光を測定した時刻を表現している。
図6は、放電ランプからの放射光を測定する時刻の説明図である。
図6に示すように、S1、S2、S3・・・S598、S599、S600、S601、S602の記号は、一定間隔(1秒間隔)で放射光を測定した時刻を表現している。
従来の方法は、ランプ点灯後に安定経過時間を経過した時点、時刻S1において、放射光を測定し、その放射光の測定値と、所望の照度が得られる放射光の測定値である基準値と比較する。この測定値が基準値に対して許容範囲内であれば放射光が低下してないと判断し、放電ランプへの電力は変えないものである。
そして、ランプ点灯時間の経過に伴い、S598、S599、S600の時刻のように、順次、放射光を測定し、基準値と比較するものである。
S601の時刻で測定した放射光の測定値と基準値を比較し、測定値が基準値に対して許容範囲より低下している場合は、放電ランプへの電力を上げて、常に、所望の照度になるようにする。
次に、S602の時刻で測定した放射光の測定値と基準値を比較し、測定値が基準値に対して許容範囲内であれば放射光が低下してないと判断し、放電ランプへの電力は変えないものである。
そして、ランプ点灯時間の経過に伴い、S598、S599、S600の時刻のように、順次、放射光を測定し、基準値と比較するものである。
S601の時刻で測定した放射光の測定値と基準値を比較し、測定値が基準値に対して許容範囲より低下している場合は、放電ランプへの電力を上げて、常に、所望の照度になるようにする。
次に、S602の時刻で測定した放射光の測定値と基準値を比較し、測定値が基準値に対して許容範囲内であれば放射光が低下してないと判断し、放電ランプへの電力は変えないものである。
しかしながら、電極本体の内部に伝熱体を有する電極であっても、上述したとおり、完全に電極損耗が抑えられるというわけではなく、電極が損耗した場合は、放電が損耗形状に影響を受けることで著しく不安定となり、最悪の場合、電極本体に穴が開いて伝熱体が漏れ出すという問題があった。
一例として、発光管内に水銀が封入され、水銀の発光輝線365nmの光を利用する放電ランプの場合、電極本体に穴が開いて銀や銅などの伝熱体が漏れ出すと、伝熱体が高温に曝されて気化し、霧状になって発光管内に充満し、365nmの光が発光管外に透過しなくなり、照射面である被処理物の処理面での365nmの照度が低下するものである。
伝熱体の漏出と照度及びランプの電力の関係について詳細に説明する。
電極本体に、一瞬にして大きな亀裂が発生して穴があくと、電極内部の伝熱体は、ほぼ全て一瞬にして漏れ出すものであり、この場合、365nmの照度は、伝熱体の漏れと同時に低下するものである。
一方、電極本体に、微小な穴があき電極内部の伝熱体が徐々に漏れ出す場合は、伝熱体が漏れ出した初期段階では、365nmの照度の低下は少なく、時間をかけて徐々に365nmの照度が低下していくものである。
電極本体に、一瞬にして大きな亀裂が発生して穴があくと、電極内部の伝熱体は、ほぼ全て一瞬にして漏れ出すものであり、この場合、365nmの照度は、伝熱体の漏れと同時に低下するものである。
一方、電極本体に、微小な穴があき電極内部の伝熱体が徐々に漏れ出す場合は、伝熱体が漏れ出した初期段階では、365nmの照度の低下は少なく、時間をかけて徐々に365nmの照度が低下していくものである。
電極内部の伝熱体が一瞬にして、ほぼ全て漏れ出す場合は、光センサを組み込んだ光測定装置で365nmの照度を測定していると、伝熱体の漏れと同時に365nmの照度が急激に低下し、定照度点灯モードにしたがい、放電ランプの電力を一瞬にして上げても、電力上限値以上には電力を上げられないので、365nmの照度を上げることができず、伝熱体の漏れを瞬時に検知することがきる。
しかし、電極内部の伝熱体が徐々に漏れ出す場合は、初期段階では、漏れ出した伝熱体の量が少なく、光測定装置で365nmの照度を測定していると、365nmの照度は僅かに低下する程度である。
そして、365nmの照度の低下に伴い、定照度点灯モードによって、放電ランプの電力を上げると、365nmの照度も上がり、伝熱体の漏れを早期に検知できないという問題があった。
そして、365nmの照度の低下に伴い、定照度点灯モードによって、放電ランプの電力を上げると、365nmの照度も上がり、伝熱体の漏れを早期に検知できないという問題があった。
つまり、電極内部の伝熱体が、ほぼ全て一瞬にして漏れ出した場合は、定照度点灯モードで電力を上げても、365nmの照度が上がらず、伝熱体の漏出を検知できる。
しかしながら、電極内部の伝熱体が徐々に漏れ出した場合は、定照度点灯モードで電力を上げると、365nmの照度が上がり、伝熱体の漏出を早期に検知することができないという問題があった。
しかしながら、電極内部の伝熱体が徐々に漏れ出した場合は、定照度点灯モードで電力を上げると、365nmの照度が上がり、伝熱体の漏出を早期に検知することができないという問題があった。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、電極からの伝熱体の漏れを精度よく早期に検知することができる放電ランプ装置を提供することにある。
請求項1記載の放電ランプ装置は、発光物質が封入された発光管の内部に一対の電極が対向配置された放電ランプと、この放電ランプの点灯状態を監視する測定手段よりなり、前記放電ランプの少なくとも一方の電極は、内部に密閉空間が形成された電極本体と、この密閉空間内に封入された当該電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属からなる伝熱体より構成された放電ランプ装置において、前記測定手段は、前記放電ランプの電力と前記発光物質から放射される放射光の両方を同時に一定間隔で順次測定し、最新の放電ランプの電力の測定値と最新の放射光の測定値の比率である最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力の測定値と放射光の測定値の比率である過去比率とを順次比較し、その比率の変化を検出する検出手段を有することを特徴とする。
請求項2記載の放電ランプ装置は、請求項1記載の放電ランプ装置であって、特に、前記検出手段は、最新比率と過去比率の比を検出する比率検出手段であることを特徴とする。
請求項3記載の放電ランプ装置は、請求項1または請求項2に記載の放電ランプ装置であって、特に、前記電極本体は、タングステンを主成分とする金属から構成され、前記伝熱体は、金、銀及び銅のいずれか一種の金属を含むことを特徴とする。
電極本体内部に伝熱体を有する電極を用いた放電ランプと、この放電ランプの点灯状態を監視する測定手段を有する本発明の放電ランプ装置において、測定手段は、放電ランプの電力と発光物質から放射される放射光の両方を同時に一定間隔で順次測定し、最新の放電ランプの電力の測定値と最新の放射光の測定値の比率である最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力の測定値と放射光の測定値の比率である過去比率とを順次比較し、その比率の変化を検出する検出手段を有しているので、定照度点灯モードで電力を上げて所定の照度を維持するように放電ランプが点灯していても、放電ランプの電力と放射光の変化により、電極から伝熱体が漏れ出したことを、精度よく、早期に検出することができる。
さらに、検出手段は、最新比率と過去比率の比を検出する比率検出手段であるので、比率の変化によって、電極から伝熱体が漏れ出したことを、精度よく、早期に検出することができる。
さらに、電極本体は、タングステンを主成分とする金属から構成され、記伝熱体は、金、銀及び銅のいずれか一種の金属を含むものであり、電極先端の熱を、効率よく後部に輸送し、電極先端部の温度上昇を抑制できる。
図1は、本願発明に係る放電ランプ装置の全体構造を示す概略図である。
本発明に係る放電ランプ装置は、放電ランプ10と放電ランプ10の点灯状態を監視する測定手段30を必須の構成とし、さらに、放電ランプ10に電流を供給して点灯させるための点灯電源50と、この点灯電源50を制御する電源制御装置40を有する。
測定手段30は、後段で詳細に説明する。
本発明に係る放電ランプ装置は、放電ランプ10と放電ランプ10の点灯状態を監視する測定手段30を必須の構成とし、さらに、放電ランプ10に電流を供給して点灯させるための点灯電源50と、この点灯電源50を制御する電源制御装置40を有する。
測定手段30は、後段で詳細に説明する。
図2は放電ランプ10の拡大図を示す。放電ランプ10の発光管は石英ガラスからなり、略球状の発光管11の両端には封止部12が一体に連設されている。この発光管11には陽極2および陰極3が対向配置されており、各電極(2,3)はそれぞれ封止部12で保持されて、その中で図示略の金属箔を介して外部リード棒13につながり、図1の点灯電源50に接続される。
発光管11には、水銀、キセノン、アルゴンなどの発光物質や始動用ガスが所定量封入されている。そして、放電ランプ10は、点灯電源50より電力が供給されると、陽極2と陰極3でアーク放電することにより発光する。なお、この放電ランプ10は、陽極2を上、陰極3を下にして、発光管11の管軸が大地に対して略垂直方向に支持されて点灯されるいわゆる垂直点灯型の放電ランプである。
図3は陽極2の断面構造を示す。陽極2は、電極本体20とその内部に伝熱体Mを有する構造をしている。
電極本体20は、高融点金属、もしくは、高融点金属を主成分とする合金からなり、内部に密閉空間S(以後、「内部空間」ともいう)が形成される容器形状をしたものである。
伝熱体Mは、電極本体20の内部に気密に封入された金属であり、電極本体20を構成する金属より融点の低い金属から構成される。
電極本体20は、蓋部201、胴部202、先端部203から構成されており、蓋部201は陽極を支持するリード棒が挿入される挿入穴2011が形成されている。
電極本体20は、高融点金属、もしくは、高融点金属を主成分とする合金からなり、内部に密閉空間S(以後、「内部空間」ともいう)が形成される容器形状をしたものである。
伝熱体Mは、電極本体20の内部に気密に封入された金属であり、電極本体20を構成する金属より融点の低い金属から構成される。
電極本体20は、蓋部201、胴部202、先端部203から構成されており、蓋部201は陽極を支持するリード棒が挿入される挿入穴2011が形成されている。
電極本体20を構成する金属としては、タングステン、レニウム、タンタルなどの融点が3000(K)以上の高融点金属が採用される。特に、タングステンは内部の伝熱体Mと反応しにくい点で好ましく、さらに、純度99.9%以上のいわゆる純タングステンが好ましい。
また、高融点金属を主成分とする合金としては、例えば、タングステンを主成分とするタングステンーレニウム合金を採用できる。高温時の繰返し応力に対する耐性が高いものとなり、電極の長寿命化を図ることができる。
また、高融点金属を主成分とする合金としては、例えば、タングステンを主成分とするタングステンーレニウム合金を採用できる。高温時の繰返し応力に対する耐性が高いものとなり、電極の長寿命化を図ることができる。
伝熱体Mは、電極本体20を構成する金属よりも融点の低い金属により構成される。具体的には、電極本体20の構成材料としてタングステンを用いた場合は、伝熱体Mとして、金、銀、銅、あるいはこれらを主成分とする合金が採用できる。これら、金、銀、銅は、タングステンと合金を作らないので、安定的に熱輸送体として働くという意味においても望ましい金属とされる。このうち、金は高価である為に、銀、銅が実用上好ましい材料である。
また、別の具体例としては、電極本体20を構成する金属としてレニウムを用いた場合、伝熱体Mとしてタングステンを用いることができる。
電極本体20を構成する金属としてレニウムを採用する利点は、ハロゲンを封入した水銀ランプやメタルハライドランプの場合に、電極の腐食を防止できることであり、これにより、放電ランプの長寿命化を図ることである。
電極本体20を構成する金属としてレニウムを採用する利点は、ハロゲンを封入した水銀ランプやメタルハライドランプの場合に、電極の腐食を防止できることであり、これにより、放電ランプの長寿命化を図ることである。
電極本体20は内部に密閉空間Sを有する概略容器形状の構造をしている。このため、伝熱体Mが、高温化されて溶融し、その一部が蒸気化したとしても、発光部11の発光空間に漏出することはない。
測定手段30は、測定手段制御装置31と、放電ランプ10の放射光を測定する光測定装置32と、放電ランプ10の電力を測定する電力測定部33と、光測定装置32で測定した放射光の測定値と電力測定部33で測定した電力の測定値を記憶する記憶手段34と、測定値の変化を検出する検出手段35を有するものであり、検出手段35の具体的手段として、電力の測定値と放射光の測定値の比率を検出する比率検出手段36を備えるものである。
光測定装置32は、放電ランプ10の放射光を取り込むものであり、望ましくは、直射光として取り込むことができる位置に配置することが望ましいが、放電ランプ10の本来の使用目的との関係で邪魔にならない位置に設置される。
光測定装置32は、放電ランプ10の放射光のうち所定の光のみを透過するための波長選択フィルタ、波長選択フィルタを透過した所定の光を処理に適した強度に調整するための減光フィルタ、および、当該所定の光を受光して電気信号に変換するセンサ、電気信号を増幅するアンプから構成される。
光測定装置32は、放電ランプ10の放射光のうち所定の光のみを透過するための波長選択フィルタ、波長選択フィルタを透過した所定の光を処理に適した強度に調整するための減光フィルタ、および、当該所定の光を受光して電気信号に変換するセンサ、電気信号を増幅するアンプから構成される。
波長選択フィルタは、例えば、バンドパスフィルタや色ガラスフィルタが採用され、減光フィルタは、例えばNDフィルタが採用され、センサは、例えば、シリコンフォトダイオードが採用される。
本実施例では、光測定装置32は、波長選択フィルタ、減光フィルタを用いて放電ランプ10の発光管11内に封入された発光物質である水銀の発光輝線365nmの光をセンサで受光し、センサが受光した365nmの光量を電気信号に変換するものである。
なお、センサが受光した365nmの光量とは、波長選択フィルタを透過した365nmを中心に半値幅10nmの光である。
本実施例では、光測定装置32は、波長選択フィルタ、減光フィルタを用いて放電ランプ10の発光管11内に封入された発光物質である水銀の発光輝線365nmの光をセンサで受光し、センサが受光した365nmの光量を電気信号に変換するものである。
なお、センサが受光した365nmの光量とは、波長選択フィルタを透過した365nmを中心に半値幅10nmの光である。
電力測定部33は、電源制御装置40で点灯電源50を制御する際に、電源制御装置40から点灯電源50へ送られる電力信号を電力の大きさに対応した電気信号に変換して、放電ランプの電力を測定するものである。
電力信号とは、点灯電源50へ送られる電圧信号と電流信号から合成される信号のことである。
電力信号とは、点灯電源50へ送られる電圧信号と電流信号から合成される信号のことである。
測定手段制御装置31は、一定間隔で光測定装置32と電力測定部33を作動させるものであり、一例として1秒毎に信号を発信して、光測定装置32と電力測定部33を同時に作動させ、1秒間隔で放電ランプ10からの放射光と放電ランプ10の電力を順次測定するように制御するものである。
記憶手段34は、光測定装置32から発信された電気信号と、電力測定部33から発信された電気信号を記憶するものであり、測定手段制御装置31によって、一定間隔で光測定装置32から発信された電気信号と電力測定部33から発信された電気信号をそれぞれ個別に記憶するものである。
なお、光測定装置32は、放電ランプ10の発光管11内に封入された発光物質の光を測定するものであり、発光物質が水銀の場合は、365nm以外の光である405nmや436nmの光を測定してもよい。
放電ランプの発光管に封入された発光物質が水銀の場合は、点灯中に、銀や銅などの伝熱体が漏れ出すと、水銀の発光輝線である365nmや405nmや436nmの光が発光管外に透過する割合が顕著に減少するものである。
放電ランプの発光管に封入された発光物質が水銀の場合は、点灯中に、銀や銅などの伝熱体が漏れ出すと、水銀の発光輝線である365nmや405nmや436nmの光が発光管外に透過する割合が顕著に減少するものである。
検出手段35は、記憶手段34に記憶された最新の放電ランプの電力の測定値に対応する電気信号と最新の放射光の測定値に対応する電気信号の比率である最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力の測定値に対応する電気信号と放射光の測定値に対応する電気信号の比率である過去比率とを順次比較し、最新比率と過去比率の比率変化を検出するものある。
さらに、検出手段35は、最新比率の値と過去比率の値の比を検出する比率検出手段を有するものである。
そして、検出手段35によって検出した比率変化に対応する電気信号の変化が基準値から外れた場合や、比率検出手段36によって検出した比の値が基準値から外れた場合に、異常状態であることを表示させたり、検出手段35や比率検出手段36から異常状態であるとして電源制御装置40に電気信号を送ることにより、電源制御装置40を作動させ、電源制御装置40から点灯電源50に動作停止信号を送り、放電ランプ10を消灯させたりするものである。
ここで、放電ランプ10の陽極2が損耗することにより放電が不安定になる現象、電極本体素材による破損現象、および、伝熱体が電極本体の内部空間より漏出する現象を説明する。
陽極はタングステンなどの高融点金属から構成されるが、点灯時間の経過とともに、当該陽極を構成する材料は蒸発したり変形したりする。特に、陽極表面の一部に局部的にアークが集中したり、アークがふらふら揺れたりするなどの場合、当該部位の損耗は激しくなり、ついには電極本体を突き破るからである。
また、電極本体にクラックや鬆(す)などがあった場合、局部的に強度が落ちるために破損にいたる可能性がある。どちらにしても、内部に封じ込められていた伝熱体が放電空間に出る通路が出来てしまうことで、伝熱体の漏出が生じてしまう。
陽極はタングステンなどの高融点金属から構成されるが、点灯時間の経過とともに、当該陽極を構成する材料は蒸発したり変形したりする。特に、陽極表面の一部に局部的にアークが集中したり、アークがふらふら揺れたりするなどの場合、当該部位の損耗は激しくなり、ついには電極本体を突き破るからである。
また、電極本体にクラックや鬆(す)などがあった場合、局部的に強度が落ちるために破損にいたる可能性がある。どちらにしても、内部に封じ込められていた伝熱体が放電空間に出る通路が出来てしまうことで、伝熱体の漏出が生じてしまう。
図4は、放電ランプ10の電極から伝熱体が漏れ出した場合の放電ランプの照度変化を示すデータ説明図である。
図4において、縦軸は波長365nmの光をセンサが検知した光量をセンサ出力電圧(V)として示し、横軸は点灯経過時間(分)を示す。
なお、図4の事例は、放電ランプ10は、図2に示す構造のものであって、発光管11には水銀とキセノンが封入されており、電極本体20には伝熱体Mとして銀が封入されたものを例としている。
図4において、縦軸は波長365nmの光をセンサが検知した光量をセンサ出力電圧(V)として示し、横軸は点灯経過時間(分)を示す。
なお、図4の事例は、放電ランプ10は、図2に示す構造のものであって、発光管11には水銀とキセノンが封入されており、電極本体20には伝熱体Mとして銀が封入されたものを例としている。
図4において、横軸で、−3〜0分までの間は、放電ランプ10が安定点灯している時間帯であり、センサが検知した光量は安定している。つまり、被処理物の処理面での照度が安定している状態である。
そして、0分の時刻において、電極本体20から内部に封入された銀が発光管内に漏れ始め、この瞬間に、発光管内に新たに銀が混入されることになり、銀が高温に曝されて気化し、霧状になって発光管内に充満し、365nmの光が発光管外に透過しなくなり、結果として、センサが検知する波長365nmの光の光量が減少し始める。
さらに、0分以降は、徐々に、センサが検知する波長365nmの光の光量が減少しつづけている。
そして、0分の時刻において、電極本体20から内部に封入された銀が発光管内に漏れ始め、この瞬間に、発光管内に新たに銀が混入されることになり、銀が高温に曝されて気化し、霧状になって発光管内に充満し、365nmの光が発光管外に透過しなくなり、結果として、センサが検知する波長365nmの光の光量が減少し始める。
さらに、0分以降は、徐々に、センサが検知する波長365nmの光の光量が減少しつづけている。
次に、放電ランプ10からの放射光と電力の測定方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップ1において、点灯電源50を起動して放電ランプ10を点灯させる。
次に、ステップ2において、放電ランプ10が安定点灯する安定経過時間が経過したかどうか判定する。
安定経過時間が経過していない場合は、N0と判定し、再び安定経過時間を判定する。
安定経過時間が経過している場合は、YESと判定し、ステップ3に移行する。
ステップ3では、測定手段制御装置31が作動し、光測定装置32と電力測定部33が同時に一定間隔で放射光と電力を順次測定し、光測定装置32からの測定値に対応する信号Sa1、Sa2、Sa3・・・Sa(n−2)、Sa(n−1)、Sa(n)、Sa(n+1)と、電力測定部33からの測定値に対応する信号Sb1、Sb2、Sb3・・・Sa(n−2)、Sb(n−1)、Sb(n)、Sb(n+1)を、記憶手段34にそれぞれ個別に記憶する。
ステップ1において、点灯電源50を起動して放電ランプ10を点灯させる。
次に、ステップ2において、放電ランプ10が安定点灯する安定経過時間が経過したかどうか判定する。
安定経過時間が経過していない場合は、N0と判定し、再び安定経過時間を判定する。
安定経過時間が経過している場合は、YESと判定し、ステップ3に移行する。
ステップ3では、測定手段制御装置31が作動し、光測定装置32と電力測定部33が同時に一定間隔で放射光と電力を順次測定し、光測定装置32からの測定値に対応する信号Sa1、Sa2、Sa3・・・Sa(n−2)、Sa(n−1)、Sa(n)、Sa(n+1)と、電力測定部33からの測定値に対応する信号Sb1、Sb2、Sb3・・・Sa(n−2)、Sb(n−1)、Sb(n)、Sb(n+1)を、記憶手段34にそれぞれ個別に記憶する。
次に、ステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+1)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+1)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb1と放電ランプの放射光に対応する信号Sa1の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa(n+1)/Sb(n+1)
過去比率:E=Sa1/Sb1
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa(n+1)/Sb(n+1)
過去比率:E=Sa1/Sb1
次に、ステップ5において、D/Eの値と閾値Tを比較する。
このステップ5において、D/Eの値が閾値Tより小さい場合は、YESと判定し、ステップ6で、比率検出手段26から異常信号を発信する。
このステップ5において、D/Eの値が閾値Tより小さい場合は、YESと判定し、ステップ6で、比率検出手段26から異常信号を発信する。
ステップ5において、D/Eの値が閾値Tより大きい場合は、NOと判定し、ステップ3に戻り、光測定装置32と電力測定部33によって電力と放射光を同時に測定し、最新の測定値に対するSa(n+2)とSb(n+2)を、記憶手段34に記憶する。
そして、ステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+2)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+2)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb2と放電ランプの放射光に対応する信号Sa2の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa(n+2)/Sb(n+2)
過去比率:E=Sa2/Sb2
そして、ステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+2)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+2)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb2と放電ランプの放射光に対応する信号Sa2の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa(n+2)/Sb(n+2)
過去比率:E=Sa2/Sb2
次に、ステップ5において、D/Eの値と閾値Tを比較し、YES、或いは、NOの判定をする。
このステップ5で、NOと判定している間は、ステップ3からステップ5を繰り返し行うものである。
このステップ5で、NOと判定している間は、ステップ3からステップ5を繰り返し行うものである。
なお、ステップ6における異常信号は電源制御装置40に送られて、電源制御装置40から点灯電源50に動作停止信号が送られて、放電ランプ10が消灯する。
なお、上記の説明において、ステップ3において、光測定装置32からの測定値に対応する信号と、電力測定部33からの測定値に対応する信号を、記憶手段34にそれぞれ個別に記憶するように説明したが、記憶手段34の記憶容量が小さい場合には、測定毎に放射光の測定値と電力の測定値の比率を演算させた後、演算結果の比率の値のみを記憶手段34に記憶させても良い。
上記実施例は、ステップ4において、最新比率の値と過去比率の値の比を取ることを説明したが、最新比率の値と過去比率の値の差を取ってもよい。
放電ランプ10からの放射光と電力の測定方法について、最新比率の値と過去比率の値の差を取る方法について、図6のフローチャートを用いて説明する。
図6に示すフローチャートのステップ1〜3までは、図に示すフローチャートと同様であり、説明は省略する。
図6のステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+1)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+1)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb1と放電ランプの放射光に対応する信号Sa1の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・E−D
最新比率:D=Sa(n+1)/Sb(n+1)
過去比率:E=Sa1/Sb1
放電ランプ10からの放射光と電力の測定方法について、最新比率の値と過去比率の値の差を取る方法について、図6のフローチャートを用いて説明する。
図6に示すフローチャートのステップ1〜3までは、図に示すフローチャートと同様であり、説明は省略する。
図6のステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+1)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+1)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb1と放電ランプの放射光に対応する信号Sa1の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・E−D
最新比率:D=Sa(n+1)/Sb(n+1)
過去比率:E=Sa1/Sb1
次に、ステップ5において、E−Dの値と閾値Tを比較する。
このステップ5において、E−Dの値が閾値Tより大きい場合は、YESと判定し、ステップ6で、比率検出手段26から異常信号を発信する。
このステップ5において、E−Dの値が閾値Tより大きい場合は、YESと判定し、ステップ6で、比率検出手段26から異常信号を発信する。
ステップ5において、E−Dの値が閾値Tより小さい場合は、NOと判定し、ステップ3に戻り、光測定装置32と電力測定部33によって電力と放射光を同時に測定し、最新の測定値に対するSa(n+2)とSb(n+2)を、記憶手段34に記憶する。
そして、ステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+2)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+2)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb2と放電ランプの放射光に対応する信号Sa2の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・E−D
最新比率:D=Sa(n+2)/Sb(n+2)
過去比率:E=Sa2/Sb2
そして、ステップ4において、最新の放電ランプの電力に対応する信号Sb(n+2)と最新の放電ランプの放射光に対応する信号Sa(n+2)の最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力に対応する信号Sb2と放電ランプの放射光に対応する信号Sa2の過去比率を比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・E−D
最新比率:D=Sa(n+2)/Sb(n+2)
過去比率:E=Sa2/Sb2
次に、ステップ5において、E−Dの値と閾値Tを比較し、YES、或いは、NOの判定をする。
このステップ5で、NOと判定している間は、ステップ3からステップ5を繰り返し行うものである。
このステップ5で、NOと判定している間は、ステップ3からステップ5を繰り返し行うものである。
なお、ステップ6における異常信号は電源制御装置40に送られて、電源制御装置40から点灯電源50に動作停止信号が送られて、放電ランプ10が消灯する。
次に、図5と図7を用いて具体的な放射光の測定方法について説明する。
なお、図7は、測定時刻の説明図であり、S1等の記号は、一定間隔で放射光と電力を測定した時刻を表現している。
図5のステップ2において、放電ランプ10が安定点灯する安定経過時間10分が経過したかどうか判定する。
安定経過時間10分が経過している場合は、YESと判定し、ステップ3に移行する。
ステップ3では、図7に示すように、測定手段制御装置31が作動し、光測定装置32と電力測定部33が、S1、S2等の時刻に示すように1秒間隔で連続して、放射光と電力を順次測定し、光測定装置32からの測定値に対応する信号Sa1、Sa2、Sa3・・・Sa598、Sa599、Sa600、Sa601、Sa602と、電力測定部33からの測定値に対応する信号Sb1、Sb2、Sb3・・・Sb598、Sb599、Sb600、Sb601、Sb602を、記憶手段34にそれぞれ個別に記憶する。
ここで、S601とは、一番最初に測定した時刻S1から600秒後の時刻を意味しており、時刻S601で測定値した放射光の測定値に対応する信号はSa601であり、時刻S601で測定値した電力の測定値に対応する信号はSb601である。
なお、図7は、測定時刻の説明図であり、S1等の記号は、一定間隔で放射光と電力を測定した時刻を表現している。
図5のステップ2において、放電ランプ10が安定点灯する安定経過時間10分が経過したかどうか判定する。
安定経過時間10分が経過している場合は、YESと判定し、ステップ3に移行する。
ステップ3では、図7に示すように、測定手段制御装置31が作動し、光測定装置32と電力測定部33が、S1、S2等の時刻に示すように1秒間隔で連続して、放射光と電力を順次測定し、光測定装置32からの測定値に対応する信号Sa1、Sa2、Sa3・・・Sa598、Sa599、Sa600、Sa601、Sa602と、電力測定部33からの測定値に対応する信号Sb1、Sb2、Sb3・・・Sb598、Sb599、Sb600、Sb601、Sb602を、記憶手段34にそれぞれ個別に記憶する。
ここで、S601とは、一番最初に測定した時刻S1から600秒後の時刻を意味しており、時刻S601で測定値した放射光の測定値に対応する信号はSa601であり、時刻S601で測定値した電力の測定値に対応する信号はSb601である。
次に、ステップ4において、最新の時刻S601における放電ランプの電力に対応する信号Sb601と最新の時刻S601における放電ランプの放射光に対応する信号Sa601の最新比率Dと、600秒前の過去の時刻S1における放電ランプの電力に対応する信号Sb1と過去の時刻S1における放電ランプの放射光に対応する信号Sa1の過去比率Eを比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa601/Sb601
過去比率:E=Sa1/Sb1
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa601/Sb601
過去比率:E=Sa1/Sb1
ステップ5において、閾値となる値を予め決めておき、その閾値を0.8とする。
このステップ5において、D/Eの値と閾値0.8を比較し、D/Eの値が0.8より大きい場合は、電極から銀が漏れ出していないと判定し、ステップ3に戻り、次の時刻S602の放電ランプの電力に対応する信号Sb602と時刻S602の放電ランプの放射光に対応する信号Sa602を、記憶手段34に記憶する。
ここで、S602とは、二番目に測定した時刻S2から600秒後の時刻を意味している。
なお、このステップ5において、D/Eの値が1.0より小さく0.8より大きい場合は、電極から銀が漏れ出していない状態である。
これは、前述したように、電極本体の内部に伝熱体を有する電極を採用しても、電極を構成する物質の蒸発を完全に抑えることはできず、電極からの蒸発物質が発光管の内表面に付着して、ランプからの放射出力が低下したので、定照度点灯モードに伴い、放電ランプへの電力を上げた結果、時刻S601における最新比率Dの値が、600秒前の過去の時刻S1における過去比率Eの値に比べて小さくなるものである。
このステップ5において、D/Eの値と閾値0.8を比較し、D/Eの値が0.8より大きい場合は、電極から銀が漏れ出していないと判定し、ステップ3に戻り、次の時刻S602の放電ランプの電力に対応する信号Sb602と時刻S602の放電ランプの放射光に対応する信号Sa602を、記憶手段34に記憶する。
ここで、S602とは、二番目に測定した時刻S2から600秒後の時刻を意味している。
なお、このステップ5において、D/Eの値が1.0より小さく0.8より大きい場合は、電極から銀が漏れ出していない状態である。
これは、前述したように、電極本体の内部に伝熱体を有する電極を採用しても、電極を構成する物質の蒸発を完全に抑えることはできず、電極からの蒸発物質が発光管の内表面に付着して、ランプからの放射出力が低下したので、定照度点灯モードに伴い、放電ランプへの電力を上げた結果、時刻S601における最新比率Dの値が、600秒前の過去の時刻S1における過去比率Eの値に比べて小さくなるものである。
そして、ステップ4において、最新の時刻S602における放電ランプの電力に対応する信号Sb602と最新の時刻S602における放電ランプの放射光に対応する信号Sa602の最新比率Dと、600秒前の過去の時刻S2における放電ランプの電力に対応する信号Sb2と過去の時刻S2における放電ランプの放射光に対応する信号Sa2の過去比率Eを比較する。
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa602/Sb602
過去比率:E=Sa2/Sb2
具体的には、それぞれの信号から以下の式1の値を作る。
式1・・・D/E
最新比率:D=Sa602/Sb602
過去比率:E=Sa2/Sb2
ステップ5において、D/Eの値と閾値0.8を比較し、D/Eの値が0.8より小さい場合は、電極から銀が漏れ出したと判定し、ステップ6に移行し、比率検出手段26から異常信号を発信する。
これは、電極から銀が漏れ出していない場合であっても、前述した通り、電極からの蒸発物質が発光管の内表面に付着することにより、ランプからの放射出力が低下し、定照度点灯モードに伴い、放電ランプへの電力を上げた結果、D/Eの値が低下するが、電極から銀が漏れ出すと、D/Eの値の低下がはるかに大きく、通常の低下範囲を超えることになり、D/Eの値の変化を見ることにより、電極から伝熱体が漏れ出したことを、精度よく、早期に検出することができる。
これは、電極から銀が漏れ出していない場合であっても、前述した通り、電極からの蒸発物質が発光管の内表面に付着することにより、ランプからの放射出力が低下し、定照度点灯モードに伴い、放電ランプへの電力を上げた結果、D/Eの値が低下するが、電極から銀が漏れ出すと、D/Eの値の低下がはるかに大きく、通常の低下範囲を超えることになり、D/Eの値の変化を見ることにより、電極から伝熱体が漏れ出したことを、精度よく、早期に検出することができる。
なお、ステップ5において、最新比率Dと過去比率Dを、一般化して表現すると、最新の測定値と600秒前の測定値を比較するので、D=Sa(m+600)/Sb(m+600)、E=Sam/Sbmとなり、このDとEの値を用いたD/Eの値と閾値0.8とを比較することになる。
なお、本願発明では、電力と放射光の測定間隔は、記憶手段33の記憶容量によって適宜設定され、1秒に限るものでなく、5分より短い間隔であり、この好ましくは30秒より短い間隔である。
また、本発明では、最新の電力の測定値と放射光の測定値とは、実際の最新の電力の測定値と放射光の測定値以外にも、最新から5分以内に測定した測定値も、最新の電力の測定値と放射光の測定値と見なすものである。
これは、5分以内であれば、放射光の低下以外のランプ不具合の影響を受けないものであり、比率検出手段の演算能力や処理スピードに制限がある場合は、最新の電力と放射光を測定した値より、5分以内の値を利用してもなんら問題はない。
また、本発明では、最新の電力の測定値と放射光の測定値とは、実際の最新の電力の測定値と放射光の測定値以外にも、最新から5分以内に測定した測定値も、最新の電力の測定値と放射光の測定値と見なすものである。
これは、5分以内であれば、放射光の低下以外のランプ不具合の影響を受けないものであり、比率検出手段の演算能力や処理スピードに制限がある場合は、最新の電力と放射光を測定した値より、5分以内の値を利用してもなんら問題はない。
なお、定照度点灯モードで説明を行ったが、定電力点灯モードにおいても電極本体から伝熱体が漏れ出した場合、同様にD/Eの比が低下し、或いは、同様にE−Dの差が大きくなるので、本願発明は定電力点灯モードにおいても適用できる。
10 放電ランプ
30 測定手段
31 測定手段制御装置
32 光測定装置
33 電力測定部
34 記憶手段
35 検出手段
36 比率検出手段
30 測定手段
31 測定手段制御装置
32 光測定装置
33 電力測定部
34 記憶手段
35 検出手段
36 比率検出手段
Claims (3)
- 発光物質が封入された発光管の内部に一対の電極が対向配置された放電ランプと、この放電ランプの点灯状態を監視する測定手段よりなり、
前記放電ランプの少なくとも一方の電極は、内部に密閉空間が形成された電極本体と、この密閉空間内に封入された当該電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属からなる伝熱体より構成された放電ランプ装置において、
前記測定手段は、前記放電ランプの電力と前記発光物質から放射される放射光の両方を同時に一定間隔で順次測定し、最新の放電ランプの電力の測定値と最新の放射光の測定値の比率である最新比率と、この最新の放電ランプの電力と放射光を測定した時刻より一定の時間間隔をおいた過去の放電ランプの電力の測定値と放射光の測定値の比率である過去比率とを順次比較し、その比率の変化を検出する検出手段を有することを特徴とする放電ランプ装置。 - 前記検出手段は、最新比率と過去比率の比を検出する比率検出手段であることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。
- 前記電極本体は、タングステンを主成分とする金属から構成され、
前記伝熱体は、金、銀及び銅のいずれか一種の金属を含むことを特徴とする請求項1から2に記載の放電ランプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009077928A JP2010232000A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 放電ランプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009077928A JP2010232000A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 放電ランプ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010232000A true JP2010232000A (ja) | 2010-10-14 |
Family
ID=43047641
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JP2009077928A Pending JP2010232000A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 放電ランプ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103149000A (zh) * | 2013-02-28 | 2013-06-12 | 江苏斯莱特电器有限公司 | 卤素灯灯芯充气前的漏气检测装置 |
-
2009
- 2009-03-27 JP JP2009077928A patent/JP2010232000A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103149000A (zh) * | 2013-02-28 | 2013-06-12 | 江苏斯莱特电器有限公司 | 卤素灯灯芯充气前的漏气检测装置 |
CN103149000B (zh) * | 2013-02-28 | 2015-04-22 | 江苏斯莱特电器有限公司 | 卤素灯灯芯充气前的漏气检测装置 |
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