JP2010225658A - 半導体レーザ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)第1の導電型クラッド層23、(b)ガイド層17、19に挟まれた活性層21、及び(c)第2の導電型クラッド層15を順に積層して成るレーザ構造単位5、7、9を複数備えるとともに、前記レーザ構造単位5、7の間に設けられたトンネルジャンクション9と、前記レーザ構造単位5、7と前記トンネルジャンクション9との間に設けられ、前記第1の導電型クラッド層23及び前記第2の導電型クラッド層15よりも屈折率が低い低屈折率層11、13と、を備えることを特徴とする半導体レーザ構造1。
【選択図】図3
Description
また、SCHにおいて光閉じ込めを大きくするためにはガイド層を充分に厚くする必要がある。必要なガイド層の厚さはガイド層の屈折率や光の波長によるが、例えば、1.5μmのInP系レーザの場合、約300nm以上のガイド層の厚さが必要となる。ガイド層はノンドープ層で形成することが望ましいので、このようにガイド層を厚くした場合には、抵抗が高くなってしまう。
また、本発明の半導体レーザ構造は、あるレーザ構造単位のクラッド層を、隣接するレーザ構造単位におけるクラッド層の一部として利用できるため、各レーザ構造単位のクラッド層を薄膜化できる。そのため、異なるレーザ構造単位に属する活性層間の距離が大きくなってしまったり、抵抗が大きくなってしまうようなことがない。
低屈折率層は、クラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置することが好ましい。こうすることにより、例えば、クラッド層内に低屈折率層を配置した場合に比べ、トンネルジャンクションでの光導波の抑制効果が一層高い。このことは、シミュレーションにより確認できる。低屈折率層をクラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置した場合と、クラッド層内に配置した場合とのそれぞれについて、半導体レーザ構造の各層における電界強度分布をシミュレーションした結果を図2に示す。図2に示すように、低屈折率層をクラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置した場合の方が、クラッド層内に配置した場合に比べ、トンネルジャンクションでの光導波の抑制効果が一層高い。
スタック型半導体レーザ構造1の構成を図3に基づき説明する。
スタック型半導体レーザ構造1は、n−GaAsから成る基板3上に、第1のレーザ構造単位5と、第2のレーザ構造単位7とが積層された構造を有する。
また、第1のレーザ構造単位5と、トンネルジャンクション9との間には、p−AlAsから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層11が設けられ、トンネルジャンクション9と第2のレーザ構造単位7との間には、n−AlAsから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層13が設けられている。
スタック型半導体レーザ構造1における光の電界強度分布を図6に示す。比較のため、基本的にはスタック型半導体レーザ構造1と同様の構成を備えるが、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造(図6では「低屈折率層なし」と表記)における光の電界強度分布も図6に示す。
それに対し、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造では、トンネルジャンクション9への導波が著しい。
スタック型半導体レーザ構造101の構成を図7に基づき説明する。スタック型半導体レーザ構造101は、n−GaAsから成る基板103上に、第1のレーザ構造単位105と、第2のレーザ構造単位107と、第3のレーザ構造単位109とが積層された構造を有する。
本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、前記実施例1におけるスタック型半導体レーザ構造1と略同様の効果を奏することができる。
スタック型半導体レーザ構造1の構成を図8に基づき説明する。スタック型半導体レーザ構造1は、n−InPから成る基板3上に、第1のレーザ構造単位5と、第2のレーザ構造単位7とが積層された構造を有する。
また、第1のレーザ構造単位5と、トンネルジャンクション9との間には、p−InPから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層11が設けられ、トンネルジャンクション9と第2のレーザ構造単位7との間には、n−InPから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層13が設けられている。
スタック型半導体レーザ構造1において、p型低屈折率層11は、隣接するp型クラッド層23と同一の導電型(p)である。また、n型低屈折率層13は、隣接するn型クラッド層25と同一の導電型(n)である。
スタック型半導体レーザ構造1における光の電界強度分布を図11に示す。比較のため、基本的にはスタック型半導体レーザ構造1と同様の構成を備えるが、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造(図11では「低屈折率層なし」と表記)における光の電界強度分布も図11に示す。
0.98x + y=0.47
それに対し、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造では、トンネルジャンクション9への導波が著しい。
本実施例におけるスタック型半導体レーザ構造1の構成を図12に基づき説明する。本実施例におけるスタック型半導体レーザ構造1の構成は、基本的には、前記実施例3と同様である。ただし、本実施例では、第1のレーザ構造単位5におけるp型クラッド層23の厚みが200nmであり、第2のレーザ構造単位7におけるn型クラッド層25の厚みが600nmである。すなわち、トンネルジャンクション9を介して対向するp型クラッド層23とn型クラッド層25とでは、p型クラッド層23の方が薄い。
スタック型半導体レーザ構造1における光の電界強度分布を図13に示す。比較のため、基本的にはスタック型半導体レーザ構造1と同様の構成を備えるが、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造(図13では「低屈折率層なし」と表記)における光の電界強度分布も図13に示す。
なお、第2のレーザ構造単位7においても、第1のレーザ構造単位5と同様に、同様にトンネルジャンクション9での光吸収を抑制できる。
スタック型半導体レーザ構造101の構成を図14に基づき説明する。スタック型半導体レーザ構造101は、n−InPから成る基板103上に、第1のレーザ構造単位105と、第2のレーザ構造単位107と、第3のレーザ構造単位109とが積層された構造を有する。
本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、前記実施例1におけるスタック型半導体レーザ構造1と略同様の効果を奏することができる。
本実施例におけるスタック型半導体レーザ構造101の構成は、図15に示すように、基本的には、前記実施例5と同様である。ただし、第1のレーザ構造単位105におけるp型クラッド層131、及び第2のレーザ構造単位107におけるp型クラッド層141の膜厚はそれぞれ200nmである。また、第2のレーザ構造単位107におけるn型クラッド層133、及び第3のレーザ構造単位109におけるn型クラッド層143の膜厚はそれぞれ600nmである。
本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、前記実施例5におけるスタック型半導体レーザ構造101と略同様の効果を奏することができる。
例えば、前記実施例2、5、6では、レーザ構造単位を4段以上積層してもよい。その場合は、最下層(基板に隣接する層)に第1のレーザ構造単位を設け、最上層に第3のレーザ構造単位を設け、それらの間に必要な段数で、第2のレーザ構造単位を積層すればよい。
5・・・第1のレーザ構造単位、7・・・第2のレーザ構造単位、
9、111、113・・・トンネルジャンクション、
11、115、119・・・p型低屈折率層、
13、117、121・・・n型低屈折率層、
15、25、123、133、143・・・n型クラッド層、
17、27、127、137、147・・・ガイド層、
21、31、125、135、145・・・活性層、
23、33、131、141、151・・・p型クラッド層、
35、153、157・・・p型トンネルジャンクション層、
37、155、159・・・n型トンネルジャンクション層、
105・・・第1のレーザ構造単位、107・・・第2のレーザ構造単位、
109・・・第3のレーザ構造単位
Claims (6)
- (a)第1の導電型クラッド層、(b)ガイド層に挟まれた活性層、及び(c)前記第1の導電型クラッド層とは反対の導電型である第2の導電型クラッド層を順に積層して成るレーザ構造単位を複数備えるとともに、
前記レーザ構造単位の間に設けられたトンネルジャンクションと、
前記レーザ構造単位と前記トンネルジャンクションとの間に設けられ、前記第1の導電型クラッド層及び前記第2の導電型クラッド層よりも屈折率が低い低屈折率層と、
を備えることを特徴とする半導体レーザ構造。 - 前記低屈折率層は、隣接する前記第1の導電型クラッド層又は前記第2の導電型クラッド層と同一の導電型であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ構造。
- 前記トンネルジャンクションを介して対向する前記第1の導電型クラッド層と前記第2の導電型クラッド層とのうち、p型であるクラッド層は、n型であるクラッド層よりも薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ構造。
- 前記トンネルジャンクションを介して対向する前記第1の導電型クラッド層と、前記第2の導電型クラッド層とは、屈折率が実質的に同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ構造。
- 前記低屈折率層がInPから成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ構造。
- 前記低屈折率層がAlAsから成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ構造。
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