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JP2010225658A - 半導体レーザ構造 - Google Patents

半導体レーザ構造 Download PDF

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JP2010225658A JP2009068511A JP2009068511A JP2010225658A JP 2010225658 A JP2010225658 A JP 2010225658A JP 2009068511 A JP2009068511 A JP 2009068511A JP 2009068511 A JP2009068511 A JP 2009068511A JP 2010225658 A JP2010225658 A JP 2010225658A
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Abstract

【課題】抵抗が高くなってしまうことなく、トンネルジャンクションへの光の導波を抑制することができる半導体レーザ構造を提供すること。
【解決手段】(a)第1の導電型クラッド層23、(b)ガイド層17、19に挟まれた活性層21、及び(c)第2の導電型クラッド層15を順に積層して成るレーザ構造単位5、7、9を複数備えるとともに、前記レーザ構造単位5、7の間に設けられたトンネルジャンクション9と、前記レーザ構造単位5、7と前記トンネルジャンクション9との間に設けられ、前記第1の導電型クラッド層23及び前記第2の導電型クラッド層15よりも屈折率が低い低屈折率層11、13と、を備えることを特徴とする半導体レーザ構造1。
【選択図】図3

Description

本発明は半導体レーザ構造に関する。
従来、高出力化のため、レーザ発光部を複数配置した半導体レーザ構造が提案されている。しかし、計測や光通信に用いる場合、レーザ発光部が複数存在すると、各レーザ発光部の位置ずれが計測精度を低下させたり、光ファイバへの結合損失を生じさせたりしてしまう。
そこで、発光層を含む半導体レーザ構造単位を、基板の膜厚方向に積層することにより、複数の発光層が近接する構造を形成することが提案されている。例えば、特開平9−97943号公報(特許文献1)では、半導体レーザ構造単位を、はんだ層を介して重ね合わせている。この構造では、発光層を10μm以下程度まで近接できる。しかし、積層する半導体レーザ構造単位は2つに限られる。
これに対し、複数の半導体レーザ構造単位を、トンネルジャンクションを介して積層する構造が特開平6−90063号公報(特許文献2)や特開2008−47627号公報(特許文献3)で提案されている。この構造では、順バイアスを印加すると、トンネルジャンクションに逆バイアスが印加され、トンネル電流が流れるため、各発光層にキャリアが注入され、レーザ発光が得られる。また、この構造では、トンネルジャンクションを介して数μm間隔で発光層を多段化することができる。このようなトンネルジャンクションには、バンドギャップが小さいこと、及び高濃度不純物ドープが必要となる。例えば、特開平6−90063号公報では、バンドギャップの小さいInGaAs層をトンネルジャンクションに用いており、キャリア濃度を1〜50×1018cm-3としている。
特開平9−97943号公報 特開平6−90063号公報 特開2008−47627号公報
このように不純物濃度が高くバンドギャップの小さいトンネルジャンクションは、発光層からの光を吸収してしまう。さらに、屈折率が大きいため、光が導波しやすく、吸収の影響を受けやすい。
トンネルジャンクションに光が導波しないようにするためには、活性層からトンネルジャンクションを遠ざけたり、クラッド層によりガイド層を挟みこんだSCHと呼ばれる光閉じ込め構造において、光閉じ込めを大きくすることが考えられる。
しかしながら、活性層からトンネルジャンクションを遠ざけた場合には、発光層同士を2μm以上離す必要があり、その場合は、厚膜化により抵抗が増加してしまう。
また、SCHにおいて光閉じ込めを大きくするためにはガイド層を充分に厚くする必要がある。必要なガイド層の厚さはガイド層の屈折率や光の波長によるが、例えば、1.5μmのInP系レーザの場合、約300nm以上のガイド層の厚さが必要となる。ガイド層はノンドープ層で形成することが望ましいので、このようにガイド層を厚くした場合には、抵抗が高くなってしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、抵抗が高くなってしまうことなく、トンネルジャンクションへの光の導波を抑制することができる半導体レーザ構造を提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザ構造は、(a)第1の導電型クラッド層、(b)ガイド層に挟まれた活性層、及び(c)前記第1の導電型クラッド層とは反対の導電型である第2の導電型クラッド層を順に積層して成るレーザ構造単位を複数備える。また、本発明の半導体レーザ構造は、前記レーザ構造単位の間に設けられたトンネルジャンクションと、前記レーザ構造単位と前記トンネルジャンクションとの間に設けられ、前記第1の導電型クラッド層及び前記第2の導電型クラッド層よりも屈折率が低い低屈折率層とを備える。
本発明の半導体レーザ構造は、低屈折率層を備えることにより、トンネルジャンクションでの光の導波を減らし、光吸収による損失を抑制できる。
また、本発明の半導体レーザ構造は、あるレーザ構造単位のクラッド層を、隣接するレーザ構造単位におけるクラッド層の一部として利用できるため、各レーザ構造単位のクラッド層を薄膜化できる。そのため、異なるレーザ構造単位に属する活性層間の距離が大きくなってしまったり、抵抗が大きくなってしまうようなことがない。
前記低屈折率層は、トンネルジャンクションの両側に配置することが好ましい。こうすることにより、トンネルジャンクションの片側のみに低屈折率層を配置した場合に比べ、トンネルジャンクションでの光導波の抑制効果が一層大きい。このことは、シミュレーションにより確認できる。低屈折率層をトンネルジャンクションの両側に配置した場合と、トンネルジャンクションの片側のみに配置した場合とのそれぞれについて、半導体レーザ構造の各層における電界強度分布をシミュレーションした結果を図1に示す。図1に示すように、低屈折率層をトンネルジャンクションの両側に配置した場合の方が、トンネルジャンクションの片側のみに低屈折率層を配置した場合に比べ、トンネルジャンクションでの光導波の抑制効果が一層高い。
また、低屈折率層をトンネルジャンクションの両側に配置することで、それぞれのレーザ構造単位において、トンネルジャンクションでの光の導波を抑制できる。
低屈折率層は、クラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置することが好ましい。こうすることにより、例えば、クラッド層内に低屈折率層を配置した場合に比べ、トンネルジャンクションでの光導波の抑制効果が一層高い。このことは、シミュレーションにより確認できる。低屈折率層をクラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置した場合と、クラッド層内に配置した場合とのそれぞれについて、半導体レーザ構造の各層における電界強度分布をシミュレーションした結果を図2に示す。図2に示すように、低屈折率層をクラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置した場合の方が、クラッド層内に配置した場合に比べ、トンネルジャンクションでの光導波の抑制効果が一層高い。
前記低屈折率層は、隣接する前記第1の導電型クラッド層又は前記第2の導電型クラッド層と同一の導電型であることが好ましい。こうすることにより、電気抵抗増加の抑制効果が得られる。
トンネルジャンクションを介して対向する第1の導電型クラッド層と第2の導電型クラッド層とのうち、p型であるクラッド層は、n型であるクラッド層よりも薄いことが好ましい。p型クラッド層は光を吸収しやすい性質を有するので、p型クラッド層を薄くすることで、光吸収を抑制できる。なお、上記のようにp型クラッド層を薄くしても、トンネルジャンクションを介して対向する位置にある、p型クラッド層よりも厚いn型クラッド層と、低屈折率層とにより、光導波を抑制できる。
前記トンネルジャンクションを介して対向する前記第1の導電型クラッド層と前記第2の導電型クラッド層とは、屈折率が実質的に同じであることが好ましい。こうすることにより、光導波の抑制効果が一層高い。
前記第1の導電型クラッド層がp型クラッド層である場合、前記第2の導電型クラッド層はn型クラッド層である。また、前記第1の導電型クラッド層がn型クラッド層である場合、前記第2の導電型クラッド層はp型クラッド層である。
前記低屈折率層としては、例えば、InPから成るもの、AlAsから成るものが挙げられる。
低屈折率層をトンネルジャンクションの両側に配置した場合と、トンネルジャンクションの片側のみに配置した場合とにおける電界強度分布のシミュレーション結果を表すグラフである。 低屈折率層をクラッド層とトンネルジャンクションとの界面に配置した場合と、クラッド層内に配置した場合とにおける電界強度分布のシミュレーション結果を表すグラフである。 スタック型半導体レーザ構造1の構成を表す断面図である。 AlxGa1-xAsの屈折率のAl組成依存性を表すグラフである。 InxGa1-xAsy1-yの屈折率のIn組成依存性を表すグラフである。 低屈折率層がある場合と、低屈折率層が無い場合とにおける電界強度分布の実験結果を表すグラフである。 スタック型半導体レーザ構造101の構成を表す断面図である。 スタック型半導体レーザ構造1の構成を表す断面図である。 InxGa1-xAsy1-yの屈折率のIn組成依存性を表すグラフである。 AlxGayIn1-xyAsの屈折率のIn組成依存性を表すグラフである。 低屈折率層がある場合と、低屈折率層が無い場合とにおける電界強度分布の実験結果を表すグラフである。 スタック型半導体レーザ構造1の構成を表す断面図である。 低屈折率層がある場合と、低屈折率層が無い場合とにおける電界強度分布の実験結果を表すグラフである。 スタック型半導体レーザ構造101の構成を表す断面図である。 スタック型半導体レーザ構造101の構成を表す断面図である。
本発明の実施形態を説明する。
1.スタック型半導体レーザ構造1の構成
スタック型半導体レーザ構造1の構成を図3に基づき説明する。
スタック型半導体レーザ構造1は、n−GaAsから成る基板3上に、第1のレーザ構造単位5と、第2のレーザ構造単位7とが積層された構造を有する。
第1のレーザ構造単位5と、第2のレーザ構造単位7との間には、トンネルジャンクション9が設けられている。
また、第1のレーザ構造単位5と、トンネルジャンクション9との間には、p−AlAsから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層11が設けられ、トンネルジャンクション9と第2のレーザ構造単位7との間には、n−AlAsから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層13が設けられている。
上記第1のレーザ構造単位5は、n−AlGaAsから成り、厚さ1μmのn型クラッド層15と、AlGaAsから成る活性層21と、AlGaAsから成り、厚さ100nmの一対のガイド層17、19と、p−AlGaAsから成り、厚さ400nmのp型クラッド層23とから成る。なお、ガイド層17、19は、活性層21を両側から挟んでいる。
上記第2のレーザ構造単位7は、n−AlGaAsから成り、厚さ400nmのn型クラッド層25と、AlGaAsから成る活性層31と、AlGaAsから成り、厚さ100nmの一対のガイド層27、29と、p−AlGaAsから成り、厚さ1μmのp型クラッド層33から成る。なお、ガイド層27、29は、活性層31を両側から挟んでいる。
上記トンネルジャンクション9は、厚さ50nm、キャリア濃度1×1019cm-3のp++GaAsから成るp型トンネルジャンクション層35と、厚さ50nm、キャリア濃度5×1018cm-3のn++GaAsから成るn型トンネルジャンクション層37とから構成される。
p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13の屈折率をnとする。p型クラッド層23及びn型クラッド層25の屈折率をncladとする。ガイド層17、19、27、29の屈折率をnguideとする。p型トンネルジャンクション層35及びn型トンネルジャンクション層37の屈折率をntunnelとする。
上記の各屈折率の関係は、n<nclad<nguide<ntunnelとなる。なお、各屈折率の中で、nが最も低いことは、図4に示すAlxGa1-xAsの組成と、屈折率との関係から裏付けられる。
スタック型半導体レーザ構造1において、p型低屈折率層11は、隣接するp型クラッド層23と同一の導電型(p)である。また、n型低屈折率層13は、隣接するn型クラッド層25と同一の導電型(n)である。
第1のレーザ構造単位5において、p型クラッド層23は、n型クラッド層15よりも薄い。トンネルジャンクション9を介して対向する前記p型クラッド層23と、n型クラッド層25とは、屈折率が同じである。
スタック型半導体レーザ構造1は、基板3の上に、上述した各層を、公知の方法で順次エピタキシャル成長させることで製造できる。なお、エピタキシャル成長法としては、液相エピタキシ(LPE:Liquid-Phase Epitaxy)、分子線エピタキシ(MBE:Molecular-Beam Epitaxy)、有機金属気相エピタキシ(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)等の方法を用いることができる。
2.スタック型半導体レーザ構造1が奏する効果
スタック型半導体レーザ構造1における光の電界強度分布を図6に示す。比較のため、基本的にはスタック型半導体レーザ構造1と同様の構成を備えるが、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造(図6では「低屈折率層なし」と表記)における光の電界強度分布も図6に示す。
スタック型半導体レーザ構造1では、トンネルジャンクション9に導波する光が抑制され、活性層21で発生した光は、ガイド層17、19の内部に閉じ込められている。また、p型クラッド層23と屈折率が同じである、第2のレーザ構造単位7のn型クラッド層25がトンネルジャンクション9を介して配置され、第1のレーザ構造単位5のクラッド層として機能するため、薄いp型クラッド層23であっても、光閉じ込め効果が高い。
また、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を構成するAlAsは、図4、図5に示すようにGaAs基板に格子整合するAlGaAs、InGaAsP系材料において、屈折率が最も低い。そのため、トンネルジャンクション9への導波を抑制する効果が一層高い。なお、図5において、x、yは、GaAsに格子整合するように、以下の関係式を満たす。
x・y・6.059+(1-x)・y・5.654+x・(1-y)・5.869+(1-x)・(1-y)5.451= 5.654
それに対し、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造では、トンネルジャンクション9への導波が著しい。
なお、第2のレーザ構造単位7においても、第1のレーザ構造単位5と同様に、トンネルジャンクション9での光吸収を抑制できる。
1.スタック型半導体レーザ構造101の構成
スタック型半導体レーザ構造101の構成を図7に基づき説明する。スタック型半導体レーザ構造101は、n−GaAsから成る基板103上に、第1のレーザ構造単位105と、第2のレーザ構造単位107と、第3のレーザ構造単位109とが積層された構造を有する。
第1のレーザ構造単位105と、第2のレーザ構造単位107との間には、トンネルジャンクション111が設けられている。また、第2のレーザ構造単位107と、第3のレーザ構造単位109との間には、トンネルジャンクション113が設けられている。
また、第1のレーザ構造単位105と、トンネルジャンクション111との間には、p−AlAsから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層115が設けられ、トンネルジャンクション111と第2のレーザ構造単位107との間には、n−AlAsから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層117が設けられている。
また、第2のレーザ構造単位107と、トンネルジャンクション113との間には、p−AlAsから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層119が設けられ、トンネルジャンクション113と第3のレーザ構造単位109との間には、n−AlAsから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層121が設けられている。
上記第1のレーザ構造単位105は、n−AlGaAsから成り、厚さ1μmのn型クラッド層123と、AlGaAsから成る活性層125と、AlGaAsから成り、厚さ100nmの一対のガイド層127、129と、p−AlGaAsから成り、厚さ500nmのp型クラッド層131とから成る。なお、ガイド層127、129は、活性層21を両側から挟んでいる。
上記第2のレーザ構造単位107は、n−AlGaAsから成り、厚さ400nmのn型クラッド層133と、AlGaAsから成る活性層135と、AlGaAsから成り、厚さ100nmの一対のガイド層137、139と、p−AlGaAsから成り、厚さ400nmのp型クラッド層141から成る。なお、ガイド層137、139は、活性層31を両側から挟んでいる。
上記第3のレーザ構造単位109は、n−AlGaAsから成り、厚さ400nmのn型クラッド層143と、AlGaAsから成る活性層145と、AlGaAsから成り、厚さ100nmの一対のガイド層147、149と、p−AlGaAsから成り、厚さ1μmのp型クラッド層151から成る。なお、ガイド層147、149は、活性層145を両側から挟んでいる。
上記トンネルジャンクション111は、厚さ50nm、キャリア濃度1×1019cm-3のp++GaAsから成るp型トンネルジャンクション層153と、厚さ50nm、キャリア濃度5×1018cm-3のn++GaAsから成るn型トンネルジャンクション層155とから構成される。
上記トンネルジャンクション113は、厚さ50nm、キャリア濃度1×1019cm-3のp++GaAsから成るp型トンネルジャンクション層157と、厚さ50nm、キャリア濃度5×1018cm-3のn++GaAsから成るn型トンネルジャンクション層159とから構成される。
p型低屈折率層115、119及びn型低屈折率層117、121の屈折率をnとする。p型クラッド層131、141及びn型クラッド層133、143の屈折率をncladとする。ガイド層127,129、137、139、147、149の屈折率をnguideとする。p型トンネルジャンクション層153、157及びn型トンネルジャンクション層155、159の屈折率をntunnelとする。
上記の各屈折率の関係は、n<nclad<nguide<ntunnelとなる。なお、各屈折率の中で、nが最も低いことは、図4に示すAlxGa1-xAsの組成と、屈折率との関係から裏付けられる。
スタック型半導体レーザ構造101において、p型低屈折率層115は、隣接するp型クラッド層131と同一の導電型(p)である。また、p型低屈折率層119は、隣接するp型クラッド層141と同一の導電型(p)である。また、n型低屈折率層117は、隣接するn型クラッド層133と同一の導電型(n)である。また、n型低屈折率層121は、隣接するn型クラッド層143と同一の導電型(n)である。
第1のレーザ構造単位105において、p型クラッド層131は、n型クラッド層123よりも薄い。トンネルジャンクション111を介して対向する前記p型クラッド層131と、n型クラッド層133とは、屈折率が同じである。また、トンネルジャンクション113を介して対向する前記p型クラッド層141と、n型クラッド層143とは、屈折率が同じである。
スタック型半導体レーザ構造101は、基板103の上に、上述した各層を、公知の方法で順次エピタキシャル成長させることで製造できる。なお、エピタキシャル成長法としては、液相エピタキシ(LPE:Liquid-Phase Epitaxy)、分子線エピタキシ(MBE:Molecular-Beam Epitaxy)、有機金属気相エピタキシ(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)等の方法を用いることができる。
2.スタック型半導体レーザ構造101が奏する効果
本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、前記実施例1におけるスタック型半導体レーザ構造1と略同様の効果を奏することができる。
1.スタック型半導体レーザ構造1の構成
スタック型半導体レーザ構造1の構成を図8に基づき説明する。スタック型半導体レーザ構造1は、n−InPから成る基板3上に、第1のレーザ構造単位5と、第2のレーザ構造単位7とが積層された構造を有する。
第1のレーザ構造単位5と、第2のレーザ構造単位7との間には、トンネルジャンクション9が設けられている。
また、第1のレーザ構造単位5と、トンネルジャンクション9との間には、p−InPから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層11が設けられ、トンネルジャンクション9と第2のレーザ構造単位7との間には、n−InPから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層13が設けられている。
上記第1のレーザ構造単位5は、n−AlInGaAsから成り、厚さ1μmのn型クラッド層15と、AlInGaAsから成る活性層21と、AlInGaAsから成り、厚さ200nmの一対のガイド層17、19と、p−AlInGaAsから成り、厚さ400nmのp型クラッド層23とから成る。なお、ガイド層17、19は、活性層21を両側から挟んでいる。
上記第2のレーザ構造単位7は、n−AlInGaAsから成り、厚さ400nmのn型クラッド層25と、AlInGaAsから成る活性層31と、AlInGaAsから成り、厚さ200nmの一対のガイド層27、29と、p−AlInGaAsから成り、厚さ1μmのp型クラッド層33から成る。なお、ガイド層27、29は、活性層31を両側から挟んでいる。
上記トンネルジャンクション9は、厚さ50nm、キャリア濃度1×1019cm-3のp++InGaAsから成るp型トンネルジャンクション層35と、厚さ50nm、キャリア濃度5×1018cm-3のn++InGaAsから成るn型トンネルジャンクション層37とから構成される。
p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13の屈折率をnとする。p型クラッド層23及びn型クラッド層25の屈折率をncladとする。ガイド層17、19、27、29の屈折率をnguideとする。p型トンネルジャンクション層35及びn型トンネルジャンクション層37の屈折率をntunnelとする。
上記の各屈折率の関係は、n<nclad<nguide<ntunnelとなる。なお、各屈折率の中で、nが最も低いことは、図9に示すInxGa1-xAsy1-yの組成と、屈折率との関係から裏付けられる。なお、図9はInP基板に格子整合する組成を示しており、xとyは以下の関係式を満たす。
1 − x = 0.47y
スタック型半導体レーザ構造1において、p型低屈折率層11は、隣接するp型クラッド層23と同一の導電型(p)である。また、n型低屈折率層13は、隣接するn型クラッド層25と同一の導電型(n)である。
第1のレーザ構造単位5において、p型クラッド層23は、n型クラッド層15よりも薄い。トンネルジャンクション9を介して対向する前記p型クラッド層23と、n型クラッド層25とは、屈折率が同じである。
スタック型半導体レーザ構造1は、基板3の上に、上述した各層を、公知の方法で順次エピタキシャル成長させることで製造できる。なお、エピタキシャル成長法としては、液相エピタキシ(LPE:Liquid-Phase Epitaxy)、分子線エピタキシ(MBE:Molecular-Beam Epitaxy)、有機金属気相エピタキシ(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)等の方法を用いることができる。
2.スタック型半導体レーザ構造1が奏する効果
スタック型半導体レーザ構造1における光の電界強度分布を図11に示す。比較のため、基本的にはスタック型半導体レーザ構造1と同様の構成を備えるが、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造(図11では「低屈折率層なし」と表記)における光の電界強度分布も図11に示す。
スタック型半導体レーザ構造1では、トンネルジャンクション9に導波する光が抑制され、活性層21で発生した光は、ガイド層17、19の内部に閉じ込められている。また、p型クラッド層23と屈折率が同じである、第2のレーザ構造単位7のn型クラッド層25がトンネルジャンクション9を介して配置され、第1のレーザ構造単位5のクラッド層として機能するため、薄いp型クラッド層23であっても、光閉じ込め効果が高い。
また、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を構成するInPは、図9、図10に示すようにInP基板に格子整合するInGaAsP、AlGaInAs系材料において、屈折率が最も低い。そのため、トンネルジャンクション9への導波を抑制する効果が一層高い。
なお図10は、InP基板に格子整合する組成を示しており、xとyは以下の関係式を満たす。
0.98x + y=0.47
それに対し、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造では、トンネルジャンクション9への導波が著しい。
なお、第2のレーザ構造単位7においても、第1レーザ構造単位5と同様に、同様にトンネルジャンクション9での光吸収を抑制できる。
1.スタック型半導体レーザ構造1の構成
本実施例におけるスタック型半導体レーザ構造1の構成を図12に基づき説明する。本実施例におけるスタック型半導体レーザ構造1の構成は、基本的には、前記実施例3と同様である。ただし、本実施例では、第1のレーザ構造単位5におけるp型クラッド層23の厚みが200nmであり、第2のレーザ構造単位7におけるn型クラッド層25の厚みが600nmである。すなわち、トンネルジャンクション9を介して対向するp型クラッド層23とn型クラッド層25とでは、p型クラッド層23の方が薄い。
2.スタック型半導体レーザ構造1が奏する効果
スタック型半導体レーザ構造1における光の電界強度分布を図13に示す。比較のため、基本的にはスタック型半導体レーザ構造1と同様の構成を備えるが、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造(図13では「低屈折率層なし」と表記)における光の電界強度分布も図13に示す。
スタック型半導体レーザ構造1では、トンネルジャンクション9に導波する光が抑制され、活性層21で発生した光は、ガイド層17、19の内部に閉じ込められている。また、p型クラッド層23と屈折率が同じである、第2のレーザ構造単位7のn型クラッド層25がトンネルジャンクション9を介して配置され、第1のレーザ構造単位5のクラッド層として機能するため、薄いp型クラッド層23であっても、光閉じ込め効果が高い。
特に本実施例では、p型クラッド層23を薄くすることにより、p型クラッド層23での吸収損失を抑制できる。それとともに、n型クラッド層25を厚くすることにより、p型クラッド層23を上記のように薄くしても、クラッド層による光の閉じこめ効果を維持することができる。p型クラッド層23での吸収損失は、長波長帯レーザにおいて生じ易いので、本実施例のスタック型半導体レーザ構造1は、長波長帯レーザとして好適である。
それに対し、p型低屈折率層11及びn型低屈折率層13を備えないスタック型半導体レーザ構造では、トンネルジャンクション9への導波が著しい。
なお、第2のレーザ構造単位7においても、第1のレーザ構造単位5と同様に、同様にトンネルジャンクション9での光吸収を抑制できる。
1.スタック型半導体レーザ構造101の構成
スタック型半導体レーザ構造101の構成を図14に基づき説明する。スタック型半導体レーザ構造101は、n−InPから成る基板103上に、第1のレーザ構造単位105と、第2のレーザ構造単位107と、第3のレーザ構造単位109とが積層された構造を有する。
第1のレーザ構造単位105と、第2のレーザ構造単位107との間には、トンネルジャンクション111が設けられている。また、第2のレーザ構造単位107と、第3のレーザ構造単位109との間には、トンネルジャンクション113が設けられている。
また、第1のレーザ構造単位105と、トンネルジャンクション111との間には、p−InPから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層115が設けられ、トンネルジャンクション111と第2のレーザ構造単位107との間には、n−InPから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層117が設けられている。
また、第2のレーザ構造単位107と、トンネルジャンクション113との間には、p−InPから成り、厚さ50nmのp型低屈折率層119が設けられ、トンネルジャンクション113と第3のレーザ構造単位109との間には、n−InPから成り、厚さ50nmのn型低屈折率層121が設けられている。
上記第1のレーザ構造単位105は、n−AlInGaAsから成り、厚さ1μmのn型クラッド層123と、AlInGaAsから成る活性層125と、AlInGaAsから成り、厚さ200nmの一対のガイド層127、129と、p−AlInGaAsから成り、厚さ500nmのp型クラッド層131とから成る。なお、ガイド層127、129は、活性層21を両側から挟んでいる。
上記第2のレーザ構造単位107は、n−AlInGaAsから成り、厚さ400nmのn型クラッド層133と、AlInGaAsから成る活性層135と、AlInGaAsから成り、厚さ200nmの一対のガイド層137、139と、p−AlInGaAsから成り、厚さ400nmのp型クラッド層141から成る。なお、ガイド層137、139は、活性層31を両側から挟んでいる。
上記第3のレーザ構造単位109は、n−AlInGaAsから成り、厚さ400nmのn型クラッド層143と、AlInGaAsから成る活性層145と、AlInGaAsから成り、厚さ200nmの一対のガイド層147、149と、p−AlInGaAsから成り、厚さ1μmのp型クラッド層151から成る。なお、ガイド層147、149は、活性層145を両側から挟んでいる。
上記トンネルジャンクション111は、厚さ50nm、キャリア濃度1×1019cm-3のp++InGaAsから成るp型トンネルジャンクション層153と、厚さ50nm、キャリア濃度5×1018cm-3のn++InGaAsから成るn型トンネルジャンクション層155とから構成される。
上記トンネルジャンクション113は、厚さ50nm、キャリア濃度1×1019cm-3のp++InGaAsから成るp型トンネルジャンクション層157と、厚さ50nm、キャリア濃度5×1018cm-3のn++InGaAsから成るn型トンネルジャンクション層159とから構成される。
p型低屈折率層115、119及びn型低屈折率層117、121の屈折率をnとする。p型クラッド層131、141及びn型クラッド層133、143の屈折率をncladとする。ガイド層127,129、137、139、147、149の屈折率をnguideとする。p型トンネルジャンクション層153、157及びn型トンネルジャンクション層155、159の屈折率をntunnelとする。
上記の各屈折率の関係は、n<nclad<nguide<ntunnelとなる。なお、各屈折率の中で、nが最も低いことは、図9に示すInxGa1-xAsy1-yの組成と、屈折率との関係から裏付けられる。
スタック型半導体レーザ構造101において、p型低屈折率層115は、隣接するp型クラッド層131と同一の導電型(p)である。また、p型低屈折率層119は、隣接するp型クラッド層141と同一の導電型(p)である。また、n型低屈折率層117は、隣接するn型クラッド層133と同一の導電型(n)である。また、n型低屈折率層121は、隣接するn型クラッド層143と同一の導電型(n)である。
第1のレーザ構造単位105において、p型クラッド層131は、n型クラッド層123よりも薄い。トンネルジャンクション111を介して対向する前記p型クラッド層131と、n型クラッド層133とは、屈折率が同じである。また、トンネルジャンクション113を介して対向する前記p型クラッド層141と、n型クラッド層143とは、屈折率が同じである。
スタック型半導体レーザ構造101は、基板103の上に、上述した各層を、公知の方法で順次エピタキシャル成長させることで製造できる。なお、エピタキシャル成長法としては、液相エピタキシ(LPE:Liquid-Phase Epitaxy)、分子線エピタキシ(MBE:Molecular-Beam Epitaxy)、有機金属気相エピタキシ(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)等の方法を用いることができる。
2.スタック型半導体レーザ構造101が奏する効果
本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、前記実施例1におけるスタック型半導体レーザ構造1と略同様の効果を奏することができる。
1.スタック型半導体レーザ構造101の構成
本実施例におけるスタック型半導体レーザ構造101の構成は、図15に示すように、基本的には、前記実施例5と同様である。ただし、第1のレーザ構造単位105におけるp型クラッド層131、及び第2のレーザ構造単位107におけるp型クラッド層141の膜厚はそれぞれ200nmである。また、第2のレーザ構造単位107におけるn型クラッド層133、及び第3のレーザ構造単位109におけるn型クラッド層143の膜厚はそれぞれ600nmである。
2.スタック型半導体レーザ構造101が奏する効果
本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、前記実施例5におけるスタック型半導体レーザ構造101と略同様の効果を奏することができる。
特に本実施例では、p型クラッド層131、141を薄くすることにより、p型クラッド層131、141での吸収損失を抑制できる。それとともに、n型クラッド層133、143を厚くすることにより、p型クラッド層131、141を上記のように薄くしても、クラッド層による光の閉じこめ効果を維持することができる。p型クラッド層131、141での吸収損失は、長波長帯レーザにおいて生じ易いので、本実施例のスタック型半導体レーザ構造101は、長波長帯レーザとして好適である。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記実施例2、5、6では、レーザ構造単位を4段以上積層してもよい。その場合は、最下層(基板に隣接する層)に第1のレーザ構造単位を設け、最上層に第3のレーザ構造単位を設け、それらの間に必要な段数で、第2のレーザ構造単位を積層すればよい。
1、101・・・スタック型半導体レーザ構造、3、103・・・基板、
5・・・第1のレーザ構造単位、7・・・第2のレーザ構造単位、
9、111、113・・・トンネルジャンクション、
11、115、119・・・p型低屈折率層、
13、117、121・・・n型低屈折率層、
15、25、123、133、143・・・n型クラッド層、
17、27、127、137、147・・・ガイド層、
21、31、125、135、145・・・活性層、
23、33、131、141、151・・・p型クラッド層、
35、153、157・・・p型トンネルジャンクション層、
37、155、159・・・n型トンネルジャンクション層、
105・・・第1のレーザ構造単位、107・・・第2のレーザ構造単位、
109・・・第3のレーザ構造単位

Claims (6)

  1. (a)第1の導電型クラッド層、(b)ガイド層に挟まれた活性層、及び(c)前記第1の導電型クラッド層とは反対の導電型である第2の導電型クラッド層を順に積層して成るレーザ構造単位を複数備えるとともに、
    前記レーザ構造単位の間に設けられたトンネルジャンクションと、
    前記レーザ構造単位と前記トンネルジャンクションとの間に設けられ、前記第1の導電型クラッド層及び前記第2の導電型クラッド層よりも屈折率が低い低屈折率層と、
    を備えることを特徴とする半導体レーザ構造。
  2. 前記低屈折率層は、隣接する前記第1の導電型クラッド層又は前記第2の導電型クラッド層と同一の導電型であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ構造。
  3. 前記トンネルジャンクションを介して対向する前記第1の導電型クラッド層と前記第2の導電型クラッド層とのうち、p型であるクラッド層は、n型であるクラッド層よりも薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ構造。
  4. 前記トンネルジャンクションを介して対向する前記第1の導電型クラッド層と、前記第2の導電型クラッド層とは、屈折率が実質的に同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ構造。
  5. 前記低屈折率層がInPから成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ構造。
  6. 前記低屈折率層がAlAsから成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ構造。
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