図1に示すように、固体撮像装置9は、矩形状の固体撮像素子10と、固体撮像素子10の上方に保持され、この固体撮像素子10を封止する透明なカバーガラス11とからなる。
固体撮像素子10は、その受光面となる撮像部10aに結像した光学像を光電変換して、画像信号として出力する。この固体撮像素子10は、2枚の基板を積層した積層基板12からなる。積層基板12は、同サイズの矩形状のチップ基板12a及び回路基板12bからなり、チップ基板12aの裏面に回路基板12bが積層されている。
チップ基板12aとして用いられる基板の種類は特に限定されず、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板、酸化膜、窒化シリコン等が用いられる。
チップ基板12aの表面中央部には、撮像部10aが設けられている。また、チップ基板12aの表面縁部には、複数の電極パッド17が設けられている。電極パッド17は、チップ基板12aの表面に設けられた図示しない信号線(ボンディングワイヤでも可)を介して、撮像部10aに電気的に接続されている。
回路基板12bの裏面には、前述の各電極パッド17の略下方位置にそれぞれ外部接続端子18が設けられている。各外部接続端子18は、積層基板12を垂直に貫通する貫通電極19を介して、それぞれ電極パッド17に接続されている。また、各外部接続端子18は、図示しない配線を介して、固体撮像素子10の駆動を制御する制御回路、及び固体撮像素子10から出力される撮像信号に画像処理を施す画像処理回路等に接続されている。
図2に示すように、撮像部10aは、受光素子21、カラーフィルタ22、マイクロレンズ23等の半導体基板25上に設けられた各部から構成される。図2(他の図も同様)では、各部を明確にするため、相互の厚みや幅の比率は無視して一部誇張して表示している。
半導体基板25は、前述のチップ基板12aと同様の周知の各種基板が用いられる。半導体基板25の表層にはpウェル層26が形成されている。このpウェル層26内には、n型層からなり光電変換により信号電荷を生成して蓄積する受光素子21が正方格子状(ハニカム状でも可)に配列形成されている。
受光素子21の一方の側方には、pウェル層26の表層の読み出しゲート部27を介して、n型層からなる垂直転送路28が形成されている。また、受光素子21の他方の側方には、p+ 型層からなる素子分離領域29を介して、隣接画素に属する垂直転送路28が形成されている。読み出しゲート部27は、受光素子21に蓄積された信号電荷を垂直転送路28に読み出すためのチャネル領域である。
半導体基板25の表面上には、ONO(Oxide−Nitride−Oxide)膜からなるゲート絶縁膜31が形成されている。このゲート絶縁膜31上には、垂直転送路28、読み出しゲート部27、及び素子分離領域29の略直上を覆うように、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなる垂直転送電極32が形成されている。垂直転送電極32は、垂直転送路28を駆動して電荷転送を行わせる駆動電極と、読み出しゲート部27を駆動して信号電荷読み出しを行わせる読み出し電極として機能する。信号電荷は、垂直転送路28から図示しない水平転送路及び出力部(フローティングディフュージョンアンプ)に順に転送された後、電圧信号として出力される。
垂直転送電極32上には、その表面を覆うようにタングステン等からなる遮光膜34が形成されている。遮光膜34は、受光素子21の直上位置に開口部を有し、それ以外の領域を遮光している。遮光膜34上には、BPSG(borophospho silicate glass)からなる絶縁膜35、及び本発明の保護層に相当し、P−SiNからなるデバイス保護層(パッシベーション膜ともいう)36等が設けられている。
デバイス保護層36は、受光素子21等が形成された半導体基板25の表面を外的な損傷から保護するための被膜であり、機械的損傷、化学的損傷、及び電気的損傷等から受光素子21等を保護する。デバイス保護層36は、高温下(例えば500〜800℃)でCVD法等を用いて窒化シリコン(Si3 N4 )等により形成される。デバイス保護層36としては、窒化シリコン以外に、酸化シリコン(SiO2 )、ガラス(PSG)、ポリイミドなどが挙げられ、特に窒化シリコンが不純物の拡散抑制、イオンの進入の抑制、高耐湿性の観点から特に好ましい。
図3に示すように、デバイス保護層36には、カラーフィルタ22の形成領域(着色画素形成領域)として略矩形状の凹部37が形成されている。このため、デバイス保護層36は、その凹部37以外の部分の厚みがカラーフィルタ22の膜厚よりも大きくなるように形成されている。このデバイス保護膜36を、デバイス信頼性が確保できる可能な限り薄膜で形成することで、デバイス(撮像部10a)を薄膜化することができる。
デバイス保護層36の最薄膜部(凹部37の下部)の膜厚は、0.10μm以上であることが好ましい。最薄膜部の膜厚は、デバイス保護層として機能を確保する点で、より好ましくは0.15μm以上であり、特に好ましくは0.20μm以上である。なお、固体撮像素子10の厚みを抑えるためには、0.5μm以下であることが好ましい。
デバイス保護膜36の凹部37の周縁部は、カラーフィルタ22の形成時(CMP処理時)に研磨ストッパー部38部となる。すなわち、デバイス保護膜36に研磨ストッパーとしての機能を持たせることができる。
カラーフィルタ22は、その表面がデバイス保護層36と略面一になるように形成されている。なお、以下の説明では、領域を区切らずに半導体基板25上に形成されている着色ベタ層(膜)を「着色(赤色、緑色、青色)層」といい、カラーフィルタ22を構成する要素を「着色(赤色、緑色、青色)画素」という。
図2に戻って、カラーフィルタ22は、2次元配列された複数色の透過性の着色画素、具体的には赤色画素40R、青色画素40B、緑色画素40Gから構成されている。各色画素40R,40G,40Bは、それぞれ受光素子21の上方位置に形成されている。緑色画素40Gは市松模様に形成されるとともに、赤色画素40R及び青色画素40Bは各緑色画素40Gの間に形成される(図25参照)。なお、図2〜図24では、カラーフィルタ22が3色の着色画素から構成されていることを説明するために、各色画素40R,40G,40Bを1列に並べて表示している。
各色画素40R,40G,40Bは、感光性成分(フォトリソ成分)を含まない公知の着色組成物、例えば着色熱硬化性組成物で形成されている。これにより、各色画素40R,40G,40Bの材料(組成物)に感光性成分を含有させる必要がなくなるので、固形分中の色材比率を高めることができ、カラーフィルタ22を薄膜化することができる。カラーフィルタ22が薄膜化されると、斜め光成分の透過量を低減することができ、色シェーディング特性が改善される。また、薄層化ができることにより、デバイスの小型化に寄与することができる。
各色画素40R,40G,40Bの境界には、各色画素40R,40G,40Bを互いに隔てて分離することで、各色の混色を防止する分離壁41が形成されている。分離壁41は、その壁面がチップ基板12aの法線方向と略平行になるようにドライエッチング法で形成される。このため、各色画素40R,40G,40Bは、その角部が丸まることなく、断面が矩形状に形成される。
分離壁41は、各色画素40R,40G,40Bよりも屈折率の低い低屈折材料で形成された低屈折率層(光反射層)であり、隣接する着色画素から斜め光が入射した時には、光を元の着色画素に向けて反射させる。各色画素40R,40G,40Bの屈折率は、1.55〜1.65であるので、分離壁41(低屈折率材料)の屈折率nをn≦1.5とすることで、各色画素40R,40G,40Bとの屈折率差を設けることができる。分離壁41の屈折率nとしては、より好ましくは1.45以下であり、各色画素40R,40G,40Bとの屈折率差をより大きくとる観点から、最も好ましくは1.4以下である。
低屈折材料としては、ガラス(n=1.52)、フッ素系ポリマー(n=1.3〜1.4)、シロキサンポリマー(n=1.5)などが挙げられる。フッ素系ポリマーとしてJSR社製のオプスター低屈折率材料JNシリーズ、シロキサンポリマーとして東レ社製のNR、LSシリーズなどが挙げられるが、本発明では多孔質シリカを用いる。
多孔質シリカ[SiO2 膜の多孔質層(シリカ;n=1.22〜1.35)]は、一般的にはLow−k剤と称されるものである。Low−k剤とは、LSI配線を支える層間絶縁材料として使われる誘電率の低い材料であり、誘電率が低いという性能に加えて低屈折率であるという特徴を持つ。Low−k剤は、極めて微細なポア(空乏)を多数含むことで素材の誘電率(k)及び屈折率を下げることができるが、その一方で機械的強度が弱い。このため、Low−k剤は、シロキサンポリマーなどに代表されるSOG(Spin On Glass)膜と比較してCMPの耐性が低いため、加工が容易である。本発明のLow−k剤には、SOD(Spin On Dielectric:塗布型)を好ましく使用することができる。
このように分離壁41を多孔質シリカで形成することで、分離壁41を光反射層とすることができる。例えば、斜め光が緑色画素40に入射すると、入射した光の一部は緑色画素40Gを透過するが、残りは隣の青色画素40Bに漏れ出そうとする。この漏れ出そうとする光は、分離壁41に対する入射角度が臨界角以上の時は分離壁41で全反射するため、青色画素40Bへの光漏れが抑制される。
また、漏れ出そうとする光が緑色画素40Gへ全反射することで、緑色画素40Gを透過する光の透過量が増加する。すなわち、各色画素40R,40G,40B内においてレンズ効果が得られるので、各色画素40R,40G,40B(カラーフィルタ22)を集光手段として機能させることができる。これにより、混色の防止、及び透過光増加による受光素子21の感度アップを図ることができる。
分離壁41のカラーフィルタ22の厚み方向と直交する方向における線幅(以下、単に線幅という)は、0.05μm以上0.2μm以下に形成されている。分離壁41の線幅が前述の範囲内(0.02μm以下)であると、カラーフィルタ22の全領域に対する各色画素40R,40G,40Bの面積比率を高くすることができるので、各色画素40R,40G,40Bの色純度を向上させることができる。また、分離壁41の線幅が0.05μm以上であれば、低屈折率層として機能させることができる。なお、分離壁41の厚みは、好ましくは0.08μm以上0.15μm以下である。
平坦化膜42は、カラーフィルタ22の上面を覆うように形成されており、平坦な上面を有している。マイクロレンズ23は、凸面を上にして設けられたレンズであり、平坦化膜42の上面且つ各受光素子21の上方に設けられている。各マイクロレンズ23は、被写体からの光を効率良く各受光素子21へ導く。なお、カラーフィルタ層直下に光電変換層を有する撮像装置(例としてパンクロマチック有機光電変換膜を有する素子)などは、カラーフィルタと光電変換層の距離が近く、且つ光電変換層の開口面積が大きいため、カラーフィルタ上層にマイクロレンズを有さずとも光の集光効率を劣化させない。このような構造にも本発明は適用可能である。
[赤色・緑色・青色熱硬化性組成物]
次に、各色画素40R,40G,40Bの材料である非感光性の着色熱硬化性組成物(赤色・青色・緑色熱硬化性組成物)について説明を行う。赤色・緑色・青色熱硬化性組成物は、着色剤と、熱硬化性化合物とを含み、全固形分中における着色剤濃度は30質量%以上100質量%未満であることが好ましい。着色剤濃度を高めることにより、より薄膜のカラーフィルタを形成することができる。
<着色剤>
着色剤としては、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を挙げることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、平均粒子径がなるべく小さい顔料の使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
このような顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント・イエロー11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.ピグメント・オレンジ36,71;
C.I.ピグメント・レッド122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.ピグメント・バイオレット19,23,32;
C.I.ピグメント・ブルー15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.ピグメント・グリーン7,36,58
C.I.ピグメント・ブラック1、カーボンブラック
本発明において、着色剤が染料である場合には、染料を組成物中に均一に溶解して非感光性の着色熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。このような染料としては、特に制限はなく、カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
着色熱硬化性組成物の全固形分中の着色剤含有率は特に限定はされないが、好ましくは30質量%以上100質量%未満であり、より好ましくは50〜80質量%である。30質量%以上とすることでカラーフィルタとして適度な色度を得ることができる。また、100質量%未満とすることで硬化を充分に進めることができ、膜としての強度低下を抑制することができる。
<熱硬化性化合物>
熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。このような熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
更に好ましい熱硬化性化合物としては、(a)エポキシ化合物、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。これらの中でも熱硬化性化合物としては、多官能エポキシ化合物が特に好ましい。
(a)エポキシ化合物としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれであってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物;同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物;同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物;同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物;ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、等が挙げられる。
また、市販されているものとしては、脂環式エポキシ化合物:「CEL−2021」等、脂環式固形エポキシ樹脂:「EHPE−3150」等、エポキシ化ポリブタジエン:「PB3600」等、可とう性脂環エポキシ化合物:等「CEL−2081」、ラクトン変性エポキシ樹脂:「PCL−G」等が挙げられる(何れもダイセル化学工業(株)製)。また、他には「セロキサイド2000」、「エポリードGT−3000」、「GT−4000」(何れもダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの中では、脂環式固形エポキシ樹脂が最も硬化性に優れており、さらには「EHPE−3150」が最も硬化性に優れている。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上組合せてもよく、以降に示す他種のものとの組合せも可能である。
上記(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が各化合物に置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。以下、(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物及びウレア化合物を総じて、(b)における(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシメチル基含有)化合物という。
(b)におけるメチロール基含有化合物は、(b)におけるアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。(b)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、(b)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、前記置換基を有する(b)における化合物の具体例を挙げる。メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサキス(メトキシエチル)メラミン、ヘキサキス(アシロキシメチル)メラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラキス(メトキシメチル)グアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラキス(メトキシエチル)グアナミン、テトラキス(アシロキシメチル)グアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラキス(メトキシメチル)ウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラキス(メトキシエチル)ウレア、などが挙げられる。
なお、これら(b)における化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
(c)における化合物、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物は、上述の(b)における化合物の場合と同様、上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)における(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシメチル基含有)化合物ということがある。
(c)における化合物に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基又はアルコキシメチル基の数としては、1分子当り最低2個必要であり、熱硬化及び保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位、4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位及びパラ位が全て置換されている化合物が好ましい。フェノール化合物の3位又は5位は、未置換であっても置換基を有していてもよい。また、ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
(c)におけるメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位又は4位が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。また、(c)におけるアルコキシメチル基含有化合物は、(c)におけるメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。また、(c)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、(c)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位又はパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
上述の(c)におけるフェノール化合物としては、例えば、トリメチロールフェノール、トリス(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリス(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラキス(メトキシメチル)ビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、テトラキス(メトキシメチル)−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサキス(メトキシメチル)体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレンジオール、等が挙げられる。
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、前記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部又は全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体、又はそれらのメチロール基がアルコキシメチル基及びメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
なお、これら(c)における化合物は、単独で使用してもよく、組合せて使用してもよい。
熱硬化性組成物中における熱硬化性化合物の総含有量としては、素材により異なるが、該硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.2〜40質量%がより好ましく、1〜35質量%が特に好ましい。
<各種添加物>
熱硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、バインダー、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤、等を配合することができる。
<バインダー>
バインダーは、顔料分散液調製時に添加する場合が多く、アルカリ可溶性を必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。
バインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
上述のアクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えばベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。これらのバインダー中に前記着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与している。
<硬化剤>
硬化剤は、熱硬化性化合物としてエポキシ樹脂を使用する場合に添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。前記硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。前記硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関しては熱硬化性化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
<硬化触媒>
高い着色剤濃度を実現するためには、前述の硬化剤との反応による硬化の他、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としては、エポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度、さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
<溶剤>
熱硬化性組成物は、各種溶剤に溶解された溶液として用いることができる。熱硬化性組成物に用いられるそれぞれの溶剤は、各成分の溶解性や熱硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されない
<分散剤>
分散剤は、顔料の分散性を向上させるために添加することができる。前記分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる
分散剤は、単独で用いてもよくまた2種以上組み合わせて用いてもよい。着色熱硬化性組成物への分散剤の添加量は、通常顔料100質量部に対して0.1〜50質量部程度が好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の着色熱硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を更に添加することができる。各種添加物の具体例としては、例えば、特開2005−326453号公報に記載の各種添加剤を挙げることができる。
次に、図4を用いて固体撮像素子10を形成する固体撮像素子形成工程50の一例について説明を行う。固体撮像素子形成工程50は、大別して、デバイス保護層形成工程51と、カラーフィルタ形成工程52と、平坦化膜形成工程53と、マイクロレンズ形成工程54とから構成されている。なお、カラーフィルタ形成工程52の前には、受光素子21等が形成された半導体基板25上に遮光膜34、絶縁膜35等を形成する工程が実行されるが、これは周知であるので説明は省略する。
図5に示すように、デバイス保護層形成工程51は、高温下でCVD法等を用いて、絶縁膜35上に窒化シリコンからなるデバイス保護層36を形成する。このデバイス保護層36の厚みは、上述したようにカラーフィルタ22の膜厚より厚くなるように形成されており、例えば0.7μmである。
図4に戻って、カラーフィルタ形成工程52は、デバイス保護層36に凹部37を形成した後、この凹部37内にカラーフィルタ22(各色画素40R,40G,40B及び分離壁41)を形成する。
カラーフィルタ形成工程52は、大別して、凹部形成工程58と、多孔質シリカ層形成工程59と、緑用開口部形成工程60と、緑色(ベタ)層形成工程61と、青用開口部形成工程62と、青色(ベタ)層形成工程63と、赤用開口部形成工程64と、赤色(ベタ)層形成工程65と、CMP工程66とから構成される。以下、図4及び図6〜図24を用いて各工程について詳しく説明する。なお、図面の煩雑化を防止するため、ここでは各色画素40R,40G,40Bが1列に並べて形成される場合(図24参照)を例に挙げて説明を行う。
凹部形成工程58は、デバイス保護層36をドライエッチング(異方性エッチング)して、凹部37及び研磨ストッパー部38部を形成する。この凹部形成工程58は、大別して、フォトレジスト層形成工程68と、露光・現像・ベーク工程69と、ドライエッチング工程70とから構成される。
図6において、フォトレジスト層形成工程68は、デバイス保護層36上に周知のスピンコータを用いてフォトレジストを塗布した後、ホットプレートやオーブンなどの周知の加熱装置により加熱処理を施して、フォトレジスト層72を形成する。ポジ型のフォトレジストとしては、紫外線(g線、i線)、KrF、ArFなどのエキシマレーザー等を含む遠紫外線、電子線などに感応するポジ型の感光性樹脂組成物を使用することができる。
露光・PEB(Post Exposure Bake:露光後加熱)・現像・ベーク工程69では、最初に、周知の露光装置(i線ステッパー)を用いて、フォトレジスト層72に露光光線を照射して、このフォトレジスト層72を露光処理する。例えば、ポジ型のフォトレジストを用いた場合には、露光光線は、フォトレジスト層72における凹部37の形成領域(以下、凹部形成領域という)上に照射される。次いで、PEB処理を行った後、露光処理済みのフォトレジスト層72を周知の現像液で現像処理する。
図7に示すように、現像処理によりフォトレジスト層72の露光部(ネガ型のフォトレジストを用いた場合には未露光部)が除去されて、デバイス保護層36上にレジストパターン72aが形成される。なお、現像液としては、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。レジストパターン72aは、デバイス保護層36の凹部形成領域を露呈させ、この領域以外を覆う。現像処理終了後、前述の加熱装置等を用いて、レジストパターン72aをポストベーク処理する。以上で露光・現像・ベーク工程69が終了する。
ドライエッチング工程70では、最初に周知のドライエッチング装置を用い、レジストパターン72aをマスクとして、デバイス保護層36をドライエッチングする。ドライエッチング処理は、フッ素系、塩素、臭素から選択されたガスと酸素ガスとを含む混合ガスを用いたドライエッチング処理によりデバイス保護層36の凹部形成領域を除去する形態で行うことが好ましい。
<ドライエッチング>
ドライエッチングで用いる混合ガスは、ドライエッチング法により除去される着色層部分(被エッチング部分)を矩形に加工可能であるという観点から、フッ素系ガスの少なくとも1種と酸素ガスとを少なくとも含む組成が最も好ましい。
フッ素系ガスとしては、公知のフッ素系ガスを使用できるが、下記式(1)で表されるフッ素系化合物のガスが好ましい。
Cn Hm Fl ・・・式(1)
上記式(1)中、nは1〜6を表し、mは0〜13を表し、lは1〜14を表す。
上記式(1)で表されるフッ素系ガスとしては、例えば、CF4 、C2 F6 、C3 F8 、C2 F4 、C4 F8 、C4 F6 、C5 F8 、及びCHF3 の群からなる少なくとも1種を挙げることができる。本発明におけるフッ素系ガスは、上記群の中から1種のガスを選択して用いることができ、また、2種以上のガスを組合せて用いることができる。さらに、これらの中でも、被エッチング部分の矩形性維持の観点から、フッ素系ガスはCF4 、C2 F6 、C4 F8 、及びCHF3 の群から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましく、CF4 またはC4 F6 がより好ましく、最も好ましいのがCF4 及びC4 F6 の混合ガスである。
また、ドライエッチングで用いる混合ガスは、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持する観点から、上述のフッ素系ガス及び酸素ガスに加え、他のガスを含むことが好ましい。他のガスとしては、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガス、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子を含むハロゲン系ガス(例えば、CCl4 、CClF3 、AlF3 、AlCl3 等)、N2 、CO、及びCO2 の群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、Ar、He、Kr、N2 、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、He、Ar、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
なお、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持することが可能である場合は、ドライエッチングで用いる混合ガスは、フッ素系ガス及び酸素ガスのみからなるものであってもよい。
また、ドライエッチングを行う際には、下記手法により事前にエッチング処理時間を求めておくことが好ましい。
(1)デバイス保護層36のエッチングレート[nm/分]を算出する。
(2)上記(1)で算出されたエッチングレートより、ドライエッチングにて所望の厚さをエッチングするのに要する処理時間を算出する。
図8に示すように、上述のドライエッチング処理を行うことで、デバイス保護層36に凹部37及び研磨ストッパー部38が形成される。この凹部37の深さは、カラーフィルタ22の膜厚と等しくなるため、凹部37の深さ(エッチング量)を調整することで、カラーフィルタ22の膜厚を調整することができる。また、研磨ストッパー部38は、CMP工程66時にCMPの終点確認に用いられる。
フッ素系ガス等を用いたドライエッチング処理の終了後、酸素プラズマを用いた酸素アッシングによりレジストパターン72a(フォトレジスト)を除去する。この酸素アッシングは周知の酸素アッシング装置を用いて行われる。酸素アッシングの条件は、例えば、酸素流量:100ml、圧力:5Paであり、その他の条件は適宜設定することができる。なお、デバイス保護層36が無機膜の場合にはWET洗浄を行ってもよい。以上でドライエッチング工程70が終了する。
図9に示すように、多孔質シリカ層形成工程59では、デバイス保護層36上を覆いつつ、凹部37を埋めるように、低屈折率層(材料層)である多孔質シリカ層74を形成する。この際に、凹部37上における多孔質シリカ層74の厚みは、凹部37の深さよりも大きくなるように形成されている。
多孔質シリカ層74は、特開2008−231174号に記載の膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の塗布方法によりチップ基板12a(デバイス保護層36)上に塗布した後、塗布層中の溶剤を加熱処理で除去して塗布層を硬化させることで形成される。塗布方法としては、スピンコーティング法、スキャン法が好ましく、スピンコーティング法が特に好ましい。
上述の塗布層の加熱処理方法は特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置が使用可能であり、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン(株)製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製造(株)製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業(株)製)等を使用することが好ましい。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン(株)製)等を使用することが好ましい。
上述の膜形成用組成物(塗布層)は、加熱により、例えば炭素三重結合が重合反応することで硬化する。加熱処理時の温度は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃である。また、加熱処理条件は、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。加熱処理は数回に分けて行ってもよい。また、この加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。なお、加熱処理を行う代わりに、塗布層に高エネルギー線を照射することで上述の炭素三重結合の重合反応を起こして、塗布層を硬化させてもよい。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらのうちのいずれかに限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは、0〜50keVが好ましく、0〜30keVがより好ましく、0〜20keVが特に好ましい。電子線の総ドーズ量は、好ましくは0〜5μC/cm2 、より好ましくは0〜2μC/cm2 、特に好ましくは0〜1μC/cm2 である。電子線を照射する際の基板温度は、0〜450℃が好ましく、0〜400℃がより好ましく、0〜350℃が特に好ましい。また、電子線照射時にチップ基板12aがセットされたチャンバー内を加圧する。この圧力は、好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。
なお、重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気をAr、He、窒素などの不活性雰囲気にすることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。更に電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じ条件にする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
また、高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2,000mWcm2 が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、250〜400℃がより好ましく、250〜350℃が特に好ましい。前述の電子線を使用した場合と同様に、重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気をAr、He、窒素などの不活性雰囲気にすることが好ましい。また、前述の圧力は0〜133kPaが好ましい。
図4に戻って、緑用開口部形成工程60は、凹部37上の多孔質シリカ層74をエッチングして、緑色画素40Gの形成領域(図25参照)を開口した緑用開口部76G(図12参照)を形成する。多孔質シリカ層74をエッチングする方法としては、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマ等を適宜使用して行うことができる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング後に、エッチングマスクとして使用したフォトレジスト(レジストパターン)は有機溶剤で溶解除去することが好適に用いられる。ただし、アッシング処理によりダメージ(減膜など)が発生しない場合にはアッシング処理を行ってもよい。また追加して洗浄処理を行ってもよい。
緑用開口部形成工程60は、フォトレジスト層形成工程77と、露光・現像・ベーク工程78と、ドライエッチング・剥離工程79とから構成される。
図10に示すように、フォトレジスト層形成工程77では、前述のフォトレジスト層形成工程68と同様に、スピンコータ等を用いて多孔質シリカ層74上にフォトレジスト(ポジ型、ネガ型のいずれでも可)を塗布した後、加熱装置により加熱処理を施して、フォトレジスト層81を形成する。
露光・PEB・現像・ベーク工程78では、前述の露光・現像・ベーク工程69と同様に、最初にフォトレジスト層81に露光光線を照射して、このフォトレジスト層81を露光処理する。例えば、ポジ型のフォトレジストを用いた場合には、露光光線は、フォトレジスト層81における緑色画素40Gの形成領域(図25参照)上に照射される。次いで、PEB処理を行った後、露光処理済みのフォトレジスト層81を周知の現像液で現像処理してポストベーク処理を行う。
図11に示すように、現像処理によりフォトレジスト層81(ポジ型)の露光部が除去されて、多孔質シリカ層74上にレジストパターン81aが形成される。レジストパターン81aは、多孔質シリカ層74の緑色画素形成領域を露呈させ、この領域以外(分離壁41となる箇所、及び青色・赤色画素形成領域)を覆う。そして、現像処理終了後、前述の加熱装置等でレジストパターン81aをポストベーク処理することで、露光・現像・ベーク工程78が終了する。
ドライエッチング・剥離工程79では、最初に周知のドライエッチング装置を用い、レジストパターン81aをマスクとして、多孔質シリカ層74をドライエッチングする。このドライエッチングは、第1段階のエッチング及び第2段階のエッチングの2段階で行われる。第1段階のエッチングは、フッ素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い、多孔質シリカ層74をデバイス保護層36が露出しない領域(深さ)までエッチングを行う。
また、第2段階のエッチングは、第1段階のエッチングの後に、窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い、デバイス保護層36が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行う。第2段階のエッチングでは、窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いることで、エッチング量を抑制することができる。その結果、エッチング量を正確にコントロールすることができる。更に、フッ素系ガスによるチップ基板12a(デバイス保護層36)のエッチングダメージを回避することができる。
<第1段階のエッチング>
第1段階のエッチングで用いる混合ガス(フッ素系ガス、酸素ガス)及びエッチング時間の算出方法は、基本的には上述のドライエッチング工程70におけるエッチングと同じであるため、説明は省略する。ただし、フッ素系ガスとしては、CF4 及び/またはC2 F6 が好ましく、CF4 が特に好ましい。
また、第1段階のエッチングでは、フッ素系ガスと酸素ガスとの含有比率(フッ素系ガス/酸素ガス)を、流量比で2/1〜8/1とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、エッチング処理時におけるレジストパターン81aの側壁へのエッチング生成物の付着を防止でき、更に後述するレジストパターン剥離時において、側壁保護膜の生成を抑制することでレジストパターン81aの剥離が容易になる。特に、被エッチング部分の矩形性を維持しながらエッチング生成物のフォトレジスト層側壁への再付着を防止するため、フッ素系ガスと酸素ガスとの含有比率が2/1〜6/1であることが好ましく、3/1〜5/1であることが特に好ましい。
また、第1のエッチング工程で用いる混合ガスがフッ素系ガス及び酸素ガスに加えて含んでいてもよい他のガスの含有量は、エッチングパターンの矩形性の点で、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることが好ましく、10以上20以下であることがより好ましく、14以上18以下であることが特に好ましい。
<第2段階のエッチング>
第2段階のエッチングで用いる混合ガスは、窒素ガスと酸素ガスと含むが、本発明の効果を損なわない範囲でフッ素系ガスを含んでいてもよい。フッ素系ガスの酸素ガスに対する含有比率(フッ素系ガス/酸素ガス)が流量比で5%以下であることが好ましく、フッ素系ガスを含まないことが特に好ましい。フッ素系ガスの含有量が上記範囲であることでチップ基板12a(デバイス保護層36)のダメージをより効果的に抑制することができる。
上述の混合ガスにおける窒素ガスと酸素ガスの含有比率(窒素ガス/酸素ガス)としては、流量比で10/1〜3/1とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、レジストパターン81aの側壁へのエッチング生成物の付着をより効果的に抑制することができ、更に、レジストパターン81aの剥離をより容易にすることができる。特に、被エッチング部分の矩形性維持、及びエッチング生成物の再付着防止の観点から、流量比は20/1〜3/1が好ましい範囲であり、15/1〜4/1であることがより好ましく、10/1〜5/1であることが特に好ましい。
また、上述の混合ガスは、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持する観点から、前記窒素ガス及び酸素ガスに加え、他のガスとしてさらに、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)の群から選ばれる少なくとも1種のガスを含んでいることが好ましく、He、Ar、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスを含んでいることがより好ましい。但し、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持することが可能である場合は、混合ガスを、窒素ガス及び酸素ガスのみから構成する。
上述の混合ガスが窒素ガス及び酸素ガスに加えて更に含有してもよい他のガスの含有量は、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることが好ましく、5以上20以下であることが好ましく、8以上12以下であることが特に好ましい。
第2段階のエッチングでは、例えば、第1段階のエッチングと同様にして算出した処理時間の経過後にドライエッチング処理を終了する。また、終点検出によってドライエッチング処理時間を管理してもよい。具体的には、デバイス保護層36がプラズマガスでエッチングされた際に発光するプラズマガスを周知のプラズマ発光モニタで検出した時点を終点とする。ドライエッチング処理時間の管理は、後者(終点検出)で行うことが好ましい。なお、エッチング処理時間としては10分以内であることが好ましく、7分以内で処理することがより好ましい。
また、第2段階のエッチングは、オーバーエッチング処理工程を更に含むことが好ましい。第2段階のエッチングにより多孔質シリカ層74の緑色画素形成領域を除去した後に、更にオーバーエッチング処理することで、パターンの矩形性を維持したまま残存するエッチング残渣を効率よく除去することができ、且つチップ基板12a(デバイス保護層36)のダメージの発生をより効果的に抑制することができる。
オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング時間を設定して行うことが好ましい。オーバーエッチング時間は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、第1段階のエッチングにおけるエッチング処理時間(t1)と、第2段階のエッチングにおけるエッチング処理時間(t2)との合計処理時間(t1+t2)の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、15〜20%であることが特に好ましい。
図12に示すように、ドライエッチング処理により、多孔質シリカ層74のレジストパターン81aで覆われていない部分が除去される。これにより、凹部37上の多孔質シリカ層74に、緑用開口部76Gが形成される。次いで、レジストパターン81a(フォトレジスト)の剥離処理が行われる。この剥離処理は、有機溶剤もしくはフォトレジストの剥離液を使用して行われる。第2段階のエッチングでは、窒素ガスと酸素ガスとを含む混合ガスを使用するため、有機溶剤や剥離液によるレジストパターン81aの剥離をより容易に行うことができる。なお、上述のデバイス保護層36のドライエッチング工程70におけるレジストパターン72aの剥離処理も同様の方法で行ってもよい。
図13に示すように、剥離処理により多孔質シリカ層74上のレジストパターン81aが除去される。なお、剥離処理後に脱溶剤処理(洗浄処理)、脱水処理(ベーク処理)を行ってもよい。
図14に示すように、緑用開口部76Gの線幅(多孔質シリカ層74の膜厚方向と直交する方向における幅)は、カラーフィルタ22の各色画素40R,40G,40BのピッチPよりも小さく形成されていることが好ましい。各色用開口部76R,76G,76B(図4、図24参照)を同サイズで形成することにより、各色画素40R,40G,40B間に、(P−W)×2の線幅を有する分離壁41を形成することができる。分離壁41の線幅としては、0.05μm以上0.20μm以下にすることが好ましい。
図15に示すように、緑色層形成工程61では、緑用開口部76Gを埋めるように、スピンコータ等を用いて多孔質シリカ層74上に前述の緑色熱硬化性組成物を塗布する。次いで、加熱装置等を用いて塗布層(膜)をポストベーク処理する。これにより、多孔質シリカ層74上に緑色層83Gが形成される。
青用開口部形成工程62(図4参照)は、前述の緑用開口部形成工程60と同様に、フォトレジスト層形成工程と、露光・PEB・現像・ベーク工程と、ドライエッチング・剥離工程とを順に実行して、青色画素40Bの形成領域(図25参照)を開口した青用開口部76B(図18参照)を多孔質シリカ層74に形成する。
図16に示すように、フォトレジスト層形成工程では、前述のフォトレジスト層形成工程77と同様にして、緑色層83G上にフォトレジスト層84を形成する。そして、図17に示すように、露光・PEB・現像・ベーク工程では、前述の露光・PEB・現像・ベーク工程78と同様にフォトレジスト層84を露光・PEB・現像・ベーク処理して、多孔質シリカ層74の青色画素形成領域を露呈させ、この領域以外(分離壁41となる箇所、及び緑色・赤色画素形成領域)を覆うレジストパターン84aを形成する。
次いで、図18に示すように、ドライエッチング・剥離工程では、前述のドライエッチング・剥離工程79と同様に、レジストパターン84aをマスクとして緑色層83G及び多孔質シリカ層74をドライエッチングした後、レジストパターン84aを剥離する。これにより、凹部37上の緑色層83G及び多孔質シリカ層74に、青用開口部76Bが形成される。青用開口部76Bは、分離壁41となる箇所が残るように、前述の緑用開口部76Gと同サイズで形成される(図14参照)。
図19に示すように、青色層形成工程63では、前述の緑色層形成工程61と同様にして、青用開口部76Bを埋めるように、多孔質シリカ層74(緑色層83G)上に青色層83Bを形成する。
赤用開口部形成工程64(図4参照)は、前述の各開口部形成工程60,62と同様に、フォトレジスト層形成工程と、露光・PEB・現像・ベーク工程と、ドライエッチング・剥離工程とを順に実行して、赤色画素40Rの形成領域(図25参照)を開口した赤用開口部76R(図22参照)を緑・青色層83G,83B、及び多孔質シリカ層74に形成する。
図20に示すように、フォトレジスト層形成工程では、緑色層83G上にフォトレジスト層85を形成する。そして、図21に示すように、露光・PEB・現像・ベーク工程では、フォトレジスト層85を露光・PEB・現像・ベーク処理して、多孔質シリカ層74の赤色画素形成領域を露呈させ、この領域以外(分離壁41となる箇所、及び緑色・青色画素形成領域)を覆うレジストパターン85aを形成する。
次いで、図22に示すように、ドライエッチング・剥離工程では、レジストパターン85aをマスクとして、緑・青色層83G,83B及び多孔質シリカ層74をドライエッチングした後、レジストパターン85aを剥離する。これにより、凹部37上の緑・青色層83G及び多孔質シリカ層74に、赤用開口部76Rが形成される。赤用開口部76Rは、分離壁41となる箇所が残るように、前述の各開口部76G,76Bと同サイズで形成される(図14参照)。
図23に示すように、赤色層形成工程65では、前述の各色層形成工程61,63と同様にして、赤用開口部76Rを埋めるように、多孔質シリカ層74(青色層83B)上に赤色層83Rを形成する。このように、開口部形成工程及び着色層形成工程を交互に3回繰り返すことで、各色画素40G,40B,40Rに対応した開口部76G,76B,76Rが多孔質シリカ層74に順番に形成されるとともに、各開口部76G,76B,76Rが形成される度にその開口部を埋めるように、各色層83G,83B,83Rが多孔質シリカ層74上に順番に積層される。
CMP工程66(図4参照)では、CMP装置を用いて、チップ基板12aの全露出面に研磨処理(平坦化処理)を施す。具体的には、デバイス保護層36の研磨ストッパー部38の表面が露出する(研磨ストッパー部38上の多孔質シリカ層74及び各色層83G,83B,83Rが除去される)まで、赤色層83R、青色層83B、緑色層83G、及び多孔質シリカ層74の表面に対して順番に研磨処理を施す。
[研磨処理]
CMP装置は、周知のように、回転する研磨パッド付きターンテーブルの研磨面に各層の表面を接触させつつ、両面間にスラリーを供給することで、各色層83R,83B、83G及び多孔質シリカ層74を研磨処理する。研磨条件としては、研磨剤にはシリカ微粒子を分散したスラリーを使用し、スラリー流量:100〜250ml/min、ウエハ圧:0.2〜5.0psi、リテーナーリング圧:1.0〜2.5psi、発砲ウレタンからなる研磨布を使用する。研磨時間は、研磨ストッパー部38が露出するまでの時間とし、オーバーポリッシング率を例えば20%と設定して、研磨処理を完了させる。なお、研磨ストッパー部38が露出した後で、オーバーポリッシングを実施してもよい。
図24に示すように、研磨処理により研磨ストッパー部38の表面が露出すると、各色層83R,83B、83G及び多孔質シリカ層74の厚みが均一、すなわち凹部37の深さと等しくなり、凹部37上に赤色・青色・緑色画素40R,40B,40G及び分離壁41からなるカラーフィルタ22が形成される。このように本実施形態では、凹部37の深さを調整することで、カラーフィルタ22の膜厚を容易に調整することができる。以上でカラーフィルタ形成工程52の全工程が終了する。
図25に示すように、カラーフィルタ形成工程52が終了すると、凹部37上に各色画素40R,40B,40Gが2次元配列されるとともに、各色画素40R,40B,40Gの境界に分離壁41が設けられる。なお、上述したように、図5〜図24では、図面の煩雑化を防止するため、各色画素40R,40G,40Bが1列に並べて形成される場合について説明したが、実際には図25に示す配列パターンで形成される。
図4に戻って、平坦化膜形成工程53では、カラーフィルタ22及びデバイス保護層36の表面を覆うように平坦化膜42を形成する。マイクロレンズ形成工程54では、平坦化膜42上で且つ受光素子21の上方にそれぞれマイクロレンズ23を形成する。以上で固体撮像素子形成工程50の全工程が終了して、固体撮像素子10が形成される。
以上のように本発明では、各色画素40R,40B,40Gと分離壁41とからなるカラーフィルタ22を製造する際に、このカラーフィルタ22をデバイス保護層36の凹部37に形成することにより、デバイス保護層36の研磨ストッパー部38を、CMP工程66における終点検出に用いることができる。その結果、研磨ストッパー層を別途形成する必要がなくなるので、カラーフィルタ22を形成するために必要な材料の種類が増えることが防止される。
また、各色用開口部形成工程と各色層形成工程とを交互に3回繰り返してから、CMP工程66を実行することで、CMP工程66の実行回数を1回に減らすことができる。
また、各色画素40R,40B,40Gの境界に分離壁41を形成することで、混色の発生が抑えられる。更に、各色画素40R,40B,40Gを、感光成分を含有しない着色熱硬化性組成物で形成することで、各色画素を感光性組成物で形成した時のように感光成分がカラーフィルタの膜厚に影響を及ぼすおそれが無くなる。その結果、各色画素40R,40B,40Gを薄膜化することができるので、色シェーディングの悪化や、混色の発生が抑えられる。
このように本発明では、混色を抑制して色再現性に優れ、且つ色シェーディングを抑えたカラーフィルタ22を従来よりも低コストに製造することができる。また、カーフィルタ22を低コスト化することで、固体撮像素子10の製造コストを下げることができる。
上記実施形態では、デバイス保護層36をドライエッチングして凹部37等を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹部37の深さのコントロールが可能であれば、例えばバッファードフッ酸を用いたウエットエッチングを代わりに行ってもよい。
上記実施形態では、各色層83R,83G,83Bの形成後、CMP処理を実行してチップ基板12aの全露出面に平坦化処理(研磨処理)を施す場合について説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、平坦化処理として、ドライエッチング装置を用いてエッチバック処理を行ってもよい。
上記実施形態では、緑色層83G、青色層83B、赤色層83Rの順番で形成する場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、順番は適宜変更してもよい。また、カラーフィルタが4色以上の着色画素で構成されている場合にも本発明を適用することができる。
上記実施形態では、分離壁41を多孔質シリカ等の低屈折率材料で形成する場合について説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、分離壁として非透過性の着色材料からなる所謂ブラックマトリックスを形成してもよい。この場合も混色の発生が抑えられる。
上記実施形態では、固体撮像素子に用いられるカラーフィルタの製造方法について説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶ディスプレイ等に用いられるカラーフィルタの製造にも本発明を適用することができる。
以下に、本発明に係わるカラーフィルタを得るための実施例について具体的に説明する。本実施例では、分離壁41の形成に用いられる多孔質シリカ、及び赤・緑・青色画素40R,40G,40Bの形成に用いられる赤・緑・青色熱硬化性組成物をそれぞれ下記のように調製した。
[多孔質シリカの調製]
多孔質シリカ(塗布液)は、特開2008−231174号公報に記載の方法に従って調製した。
[青色熱硬化性組成物の調製]
青色熱硬化性組成物を調製する前に、最初に下記に示す青色顔料分散液を調製した。
・「ピグメント・ブルー15:6」 125質量部
・「ピグメント・バイオレット」 25質量部
・分散剤 PLADDED211(楠本化成(株)製) 40質量部
・ベンジルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体 15質量部
・PGMEA 755質量部
上記の各素材をホモジナイザーにて攪拌処理し、その後0.3mmジルコニアビーズを用いた分散機(デイスパーマット、GETZMANN社製)で微分散処理を5時間実施して、青色顔料分散液を調製した。
次いで、上記青色顔料分散液に更に下記熱硬化性樹脂を添加することで、非感光性着色組成物、すなわち青色熱硬化性組成物を調製した。
・EHPE−3150 0.5質量部(上記青色顔料分散液に対し)
更に、上記青色顔料分散液と熱硬化性樹脂にPGMEAを添加し、組成物の固形分が13.0%になるように希釈した。
[赤色熱硬化性組成物の調製]
最初に下記に示す赤色顔料分散液を調製した。
・「ピグメント・レッド254」 80質量部
・「ピグメント・イエロー139」 20質量部
・分散剤 EDAPLAN472(楠本化成(株)製) 30質量部
・ベンジルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体 10質量部
・PGMEA 700質量部
以下、青色顔料分散液調製時と同様の処理を行って赤色顔料分散液を調製した。
次いで、上記赤色顔料分散液に更に熱硬化性樹脂を添加することで、非感光性着色組成物、すなわち、赤色熱硬化性組成物を調製した。
・EHPE−3150 0.8質量部(上記赤色顔料分散液に対し)
更に、上記赤色顔料分散液と熱硬化性樹脂にPGMEAを添加し、組成物の固形分が15.0%になるように希釈した。
[緑色熱硬化性組成物の調製]
最初に下記に示す緑色顔料分散液を調製した。
・「ピグメント・グリーン36」 90質量部
・「ピグメント・グリーン7」 25質量部
・「ピグメント・イエロー139」 40質量部
・分散剤 PALDDED151(楠本化成(株)製) 20質量部
・ベンジルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体 10質量部
・PGMEA 630質量部
以下、青色顔料分散液調製時と同様の処理を行って緑色顔料分散液を調製した。
次いで、上記緑色顔料分散液に更に熱硬化性樹脂を添加することで、非感光性着色組成物、すなわち、緑色熱硬化性組成物を調整した。
・EHPE−3150 0.8質量部(上記緑色顔料分散液に対し)
更に、上記緑色顔料分散液と熱硬化性樹脂にPGMEAを添加し、組成物の固形分が13.0%になるように希釈した。
[カラーフィルタの製造]
上記多孔質シリカ及び赤色・緑色・青色熱硬化性組成物を用いて、カラーフィルタ22を下記の手順で形成した。なお、本実施例では、上述のチップ基板12aの代わりに、Siウエハ基板上に、カラーフィルタ22を製造した。
[デバイス保護層形成工程]
CVD法を用いて、窒化シリコンからなる膜厚0.7μmのデバイス保護層36をSiウエハ基板上に形成した。その後850度で60分のアニール処理を行った。
[凹部形成工程]
<フォトレジスト層形成工程>
デバイス保護層36上に、フォトレジスト(FHi622BC:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を塗布した後、90℃×60秒のプリベーク処理を行って、膜厚3.0μmのフォトレジスト層72を形成した。
<露光・PEB・現像・ベーク工程>
i線ステッパー(ニコン製)を用いて300mJ/cm2 の露光量でフォトレジスト層72を露光処理し、更に、110℃で1分間のPEB処理を行い、現像液(FHD−5:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)にて2分間の現像処理を行った後、純水によるリンス処理、スピンドライによる乾燥処理を行った。その後、更に110℃で1分間のポストベーク処理を行って、枠形状のレジストパターン72aを形成した。
レジストパターン72aの外径及び開口部の形状は、共に長方形状に形成した。また、レジストパターン72aの膜厚方向と直交する方向における線幅を100μm、開口部の長径を4000μmにそれぞれ形成した。
<ドライエッチング工程>
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ製:U−621)を使用し、レジストパターン72aをマスクとして、下記エッチング条件にてデバイス保護層36にドライエッチング処理を施した。エッチング時間は、凹部37の深さ(本実施例では0.5μm)÷0.1(エッチングレート)=5(min)に設定した。
<エッチング条件>
・RFパワー:800W
・アンテナバイアス:400W
・ウエハバイアス:200W
・チャンバー内圧:4.0Pa
・基板温度:20℃
・混合ガス種および流量:Ar/CF4 /O2 =800/200/50ml
・Siエッチングレート:100nm/min
・フォトレジストエッチングレート:300nm/min
・オーバーエッチング率:0%
ドライエッチング処理の終了後、酸素アッシング処理によりレジストパターン72aを除去した。酸素アッシング処理の条件は、酸素流量:100ml、圧力:5Pa等に設定した。この後、Siウエハ基板に洗浄処理を施した。具体的には、フォトレジスト剥離液(MS−230C:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を使用して、120秒の洗浄処理を実施した後、純水洗浄、スピンドライを行い、Siウエハ基板のクリーニングを行った。次いで、100℃で2分間の加熱処理(脱水処理)を行った。
ドライエッチング処理により、デバイス保護層36に1000μm×4000μmの凹部37を形成した。この凹部37の深さは、約0.5μmに形成された。
[多孔質シリカ層形成工程]
前述の多孔質シリカを、凹部37を埋めるようにデバイス保護層36上に塗布した後、窒素気流下のホットプレート上において250℃で60秒間加熱し、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成して、膜厚0.55μm(凹部37上)の多孔質シリカ層74を形成した。
[緑用開口部形成工程]
<フォトレジスト層形成工程>
前述の凹部形成工程のフォトレジスト層形成工程と同様にして、膜厚0.8μmのフォトレジスト層81を多孔質シリカ層74上に形成した。
<露光・PEB・現像・ベーク工程>
基本的には前述の凹部形成工程のフォトレジスト層形成工程と同じ条件で、フォトレジスト層81を露光・PEB・現像・ベーク処理して、レジストパターン81aを形成した。ただし、i線ステッパーはキャノン(株)製に変更すると共に、現像処理時間は1分間に変更した。レジストパターン81aの開口部の開口幅を0.9μm、ピッチを1.0μmに形成した。
<ドライエッチング工程>
レジストパターン81aをマスクとして、下記条件にて多孔質シリカ層74をドライエッチング(第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、及びオーバーエッチング)した。
<第1段階のエッチング条件>
・RFパワー:800W
・アンテナバイアス:400W
・ウエハバイアス:200W
・チャンバーの内圧:4.0Pa
・基板温度:50℃
・混合ガス種及び流量:Ar/CF4 /O2 =800/200/40ml
・エッチング時間:60秒
<第2段階のエッチング・オーバーエッチング条件>
・RFパワー:600W
・アンテナバイアス:100W
・ウエハバイアス:250W
・チャンバーの内部圧力:2.0Pa
・基板温度:50℃
・混合ガス種及び流量:N2 /O2 /Ar=500/50/500ml
・オーバーエッチング率:20%
第1段階のエッチング処理での多孔質シリカ層74の削れ量は500nm、つまり、約91%のエッチング量となり、多孔質シリカ層74の残膜の厚みは約50nmになった。また、第2段階のエッチングにおける多孔質シリカ層74のエッチングレートは600nm/min以上であり、多孔質シリカ層74の残膜をエッチングするのに約10秒を要した。第1段階のエッチング時間の60秒と第2段階のエッチング時間10秒を加算したものをエッチング時間と算出した。その結果、エッチング時間:60+10=70秒、オーバーエッチング時間:70×0.2=14秒になり、全エッチング時間は70+14=84秒に設定した。
上記条件でドライエッチングを行って、多孔質シリカ層74に緑用開口部76Gを形成した。次いで、フォトレジスト剥離液「MS230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して、120秒間の剥離処理を実施してレジストパターン81aを除去した。緑用開口部76Gの開口幅Wは0.96μmであり、そのピッチPは1.0μmであるので、分離壁41の線幅は(P−W)×2=0.08μmと想定された。
[緑色層形成工程]
多孔質シリカ層74上に、その緑用開口部76Gを埋めるように緑色熱硬化性組成物を塗布した後、ホットプレートを使用して200℃で5分間のポストベーク処理を行って、緑色層83Gを形成した。緑用開口部76Gにおける緑色層83Gの厚みは0.61μmに形成され、多孔質シリカ層74の表面上(凹部37以外)における緑色層83Gの厚みは0.15μmに形成された。
[青用開口部形成工程]
緑用開口部形成工程と同様にして、緑色層83G上に膜厚1.2μmのフォトレジスト層84を形成した後、このフォトレジスト層84を露光・PEB・現像・ベーク処理して、レジストパターン84aを形成した。ただし、露光時の露光量は、375mJ/cm2 に変更した。また、レジストパターン84aの開口部の開口幅及びピッチは、前述のレジストパターン81aと同じにした。
次いで、前述の緑用開口部形成工程と基本的には同じ条件で、レジストパターン84aをマスクとして、緑色層83G及び多孔質シリカ層74をドライエッチングし、青用開口部76Bを形成した。ただし、第1段階のエッチングにおける「チャンバーの内部圧力」、「混合ガス種及び流量」、及び「エッチング時間」は下記のように変更した。
・チャンバーの内圧:3.0Pa
・混合ガス種及び流量:Ar/CF4 /O2 =800/200/50ml
・エッチング時間:78秒
第1段階のエッチング処理での緑色層83G及び多孔質シリカ層74の削れ量は463nmであり、多孔質シリカ層74の残膜の厚みは約398nmになった。また、第2段階のエッチングにおける緑色層83G及び多孔質シリカ層74のエッチングレートはそれぞれ7000nm/min以上、600nm/min以上であって、多孔質シリカ層74の残膜をエッチングするのに約34秒を要した。第1段階のエッチング時間の78秒と第2段階のエッチング時間34秒を加算したものをエッチング時間と算出した。その結果、エッチング時間:78+34=112秒、オーバーエッチング時間:112×0.2=22秒になり、全エッチング時間は112+22=134秒に設定した。
次いで、レジストパターン81aの剥離処理時と同じ条件でレジストパターン84aの剥離処理を行った。青用開口部76Bの開口幅Wは、0.95μmであった。
[青色層形成工程]
緑色層83Gの形成時と同様にして、緑色層83G(多孔質シリカ層74)上に、青用開口部76Bを埋めるように青色層83Bを形成した。青用開口部76Bにおける青色層83Bの厚みは、0.60μmになるように形成された。
[赤用開口部形成工程]
青用開口部形成工程と同様にして、青色層83B上にフォトレジスト層85を形成した後、このフォトレジスト層85を露光・PEB・現像・ベーク処理して、レジストパターン85aを形成した。次いで、青用開口部形成工程と同じ条件で、レジストパターン85aをマスクとして、緑・青色層83G,83B及び多孔質シリカ層74をドライエッチングして赤用開口部76Rを形成した後、レジストパターン85aを剥離処理した。ただし、ドライエッチング処理の第1段階のエッチング時間を98秒、第2段階のエッチング時間を34秒、オーバーエッチング時間を26秒、総エッチング時間:158秒に変更した。赤用開口部76Rの開口幅Wは、0.95μmであった。
[赤色層形成工程]
緑・青色層83G,83Bの形成時と同様にして、青色層83B(緑色層83G及び多孔質シリカ層74)上に、赤用開口部76Rを埋めるように赤色層83Rを形成した。赤用開口部76Rにおける赤色層83Rの厚みは、0.67μmになるように形成された。
[CMP工程]
研磨(CMP)装置(AMT製 BC−15)を用い、スラリーセミスパース25希釈液(原液:純水=1:19)にて、研磨ストッパー部38が露出するまで、赤・青・緑層83R,83B,83G及び多孔質シリカ層74を研磨処理した。このとき、スラリー希釈液流量:300ml/min、ウエハ圧:1.2psi、リテーナーリング圧:1.5psi、研磨PAD回転数50rpm、ウエハ回転数30rpmの条件により研磨処理を実施した。研磨処理により凹部37上に赤色・青色・緑色画素40R,40B,40G及び分離壁41からなるカラーフィルタ22が形成された。
また、研磨(CMP)処理により、カラーフィルタ22の表面と、研磨ストッパー部38の表面(デバイス保護層36の凹部37以外の表面)とは平坦に形成された。両者が平坦になる研磨時間は120secであった(両者の膜厚0.5μm)。更に30秒の追加研磨したところ、カラーフィルタ22の膜厚は約0.47μmであった。このため、追加研磨の研磨量は、オーバー研磨マージンの範囲内であると判断した。研磨処理後、純水洗浄,脱水ベーク処理を施して、CMP工程を終了した。
CMP工程で180秒の研磨処理を行った後のカラーフィルタ22の断面観察を行った結果、各色画素40R,40G,40Bのピッチは約1.0μmであり、各色画素40R,40G,40B及び分離壁41膜厚は約0.47μmで均一であった、また、分離壁41の線幅は0.08μm〜0.09μmであって、目的の形状が得られた。以上のように本実施例では、本発明のカラーフィルタ22が問題なく形成されることが確認された。