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JP2010288070A - 画像符号化装置 - Google Patents

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JP2010288070A JP2009140222A JP2009140222A JP2010288070A JP 2010288070 A JP2010288070 A JP 2010288070A JP 2009140222 A JP2009140222 A JP 2009140222A JP 2009140222 A JP2009140222 A JP 2009140222A JP 2010288070 A JP2010288070 A JP 2010288070A
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Abstract

【課題】非圧縮映像素材には、映像の有効画素データ領域の最下位ビットに補助データを多重して伝送する場合がある。この補助データは情報を欠落することなく伝送する必要があるが、映像素材の情報圧縮にデータが欠落し、映像信号に多重された補助データが伝送できないという問題があった。
【解決手段】入力した画像の最下位ビットに多重された補助データを、量子化係数の最下位ビットに置き換え、置き換えられた量子化係数を画像符号化装置に内蔵された可変長符号化処理部に入力し圧縮符号化を行うことにより、補助データの情報量圧縮伝送を実現する。復号化では、可変長符号化されたデータを、量子化係数に復号し、復号した量子化係数の最下位ビットを抽出して、適応予測部から出力される再構成画像データの最下位ビットに置き換えることにより、入力映像に多重された補助データを欠落なく効率的に伝送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像符号化及び画像復号化技術に関する。
近年、地上波デジタル放送の開始によりSD( Standard Definition )からHDTV( High Definition Tele-Vision )への移行が急速に進んでいる。
従来から配備されているSD非圧縮映像素材伝送回線の伝送帯域幅は、270Mbpsである。従って、この伝送帯域を有するSD非圧縮映像素材伝送回線を用いて、1.5Gbps相当のHD素材を伝送するためには、HD素材の圧縮伝送が必要となる(特許文献1参照。)。
このHD素材の圧縮には、MPEG2( Moving Picture Experts Group ,ISO/IEC 13818-1 )、H.264( ISO/IEC 14496-10 )等で知られる映像符号化技術が用いられることが多い。
これら映像符号化技術は、入力画像を周波数成分に分解し、人間の目では劣化が知覚し難い高周波成分に関わる情報を削減することで情報量の圧縮を行う、ロッシー符号化技術を用いている。
特開2004−180238号公報
非圧縮映像素材には、映像の有効画素データ領域の最下位ビットに補助データを画素毎に多重して伝送する場合がある。この補助データは、情報を欠落することなく伝送する必要がある。しかし、映像素材の情報圧縮にロッシー符号化技術を用いる場合、この最下位ビットの情報が欠落するという問題があった。また多重された補助データを抽出して、抽出した補助データのみを非圧縮伝送を行う場合には、100Mbps以上の伝送帯域を必要とし、映像素材の圧縮データに割り当てられる伝送帯域を圧迫し、映像素材の画質低下を招くという問題がある。
また、補助データを可逆符号化方式で圧縮して伝送する方法もある。しかし、この場合でも、ランダムノイズのように、エントロピー最大の場合のような、最悪のケースでは、非圧縮伝送と同等程度のビットレートを確保する必要がある。
本発明の目的は、情報の欠落なく、効率的に、補助データを伝送し、かつ映像素材の圧縮伝送を実現する画像符号化装置及び画像復号化装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、入力映像を複数のブロックに分割したブロック毎に、適応予測、変換量子化及び可変長符号化を用いる画像符号化装置において、適応予測を行う前に、入力画像の最下位ビットを抽出する手段と、量子化係数の最下位ビットを前記抽出した最下位ビットに置き換える手段を有する。また、画像復号化装置においては、可変長データから復号された量子化係数の最下位ビットを抽出する手段と、適応予測された再構成画像の最下位ビットに前記量子化係数から抽出した最下位ビットを置き換える手段を有するものである。
好ましくは、入力映像を、マクロブロックと呼ばれる、16×16画素の正方ブロックに分割したブロック毎に、適応予測、変換量子化及び可変長符号化を用いる画像符号化に適用する。
本発明によれば、補助データの情報量圧縮伝送が可能な画像符号化、及び画像復号化を実現できる。この場合の画像符号化装置における可変長符号化処理部での圧縮処理では、情報の欠落がないため、画像復号装置側でも情報の欠落なく補助データを復元することが可能である。
また画像復号化装置においては、可変長符号化されたデータを、量子化係数に復号し、復号した量子化係数の最下位ビットを抽出して、適応予測部から出力される再構成画像データの最下位ビットに置き換えることにより、補助データを復元することを可能とする。
本発明によれば、補助データを抽出して映像符号化データとは別に伝送する場合に比べ、映像符号化データと補助データの伝送帯域を共用できるため、別々に伝送する場合よりも画質が向上する。
本発明における画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。 本発明における画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。 本発明における画像符号化装置の発生符号量予測部の詳細を説明した図である。 本発明の一実施例のマクロブロック単位でのSAD値と発生符号量予測値の関係を示す図である。 本発明の一実施例で、量子化値をパラメータとした、マクロブロック単位でのSAD値と発生符号量予測値の関係を示す図である。 本発明の一実施例のSAD値の総和を演算する処理動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施例の推定量子化値を定めたときの発生符号量予測処理動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施例の平均量子化値の決定処理動作を説明するためのフローチャートである。 本発明における画像復号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。 本発明における補助データ多重識別情報のストリーム多重方法の一例である。
以下に本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施例における画像符号化装置を図1に示す。図1は、本発明における画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。1は画像符号化装置、10は適応予測部、11はLSB抽出部、12は直交変換部、13は量子化部、14は遅延部、15はLSB多重部、16は切替(SW)部、17は可変長符号化部、18は逆量子化部、19は逆直交変換部である。また、100は映像信号、101は差分画像、102は補助データ(映像信号の最下位ビット)、103は直交変換係数、104は量子化係数、105は補助データの遅延データ、106は補助データが多重された量子化係数、107は補助データ多重識別信号、108は量子化係数、109は符号化ストリーム、110は逆量子化係数、111は逆変換画像である。
図1において、本発明の一実施例の画像符号化装置1には、映像信号100と、補助データ多重識別信号107が入力される。
映像信号100は、例えば、HD−SDI( SMPTE−292M )等で規定される入力信号である。また、補助データ多重識別信号107は、何らかのピクセル位置情報を示すための信号で、例えば、肌検知領域、画像位置合わせ場所、等を抽出するためのデータである。
即ち、図1の画像符号化装置1は、映像信号100を入力し、補助データ多重識別信号107に応じて、量子化係数104に補助データ102の遅延データ105を多重するかどうかを切り替え、圧縮された画像符号化ストリーム109を出力するものである。以下、図1の画像符号化装置1の詳細について説明する。
なお、例えば、符号化方式が、H.264の場合には、入力される映像信号は、マクロブロックと呼ばれる16×16画素ブロック単位で符号化処理される。
図1の画像符号化装置1において、映像信号100は、適応予測部10及びLSB抽出部11に入力される。
適応予測部10は、逆直交変換部19より入力した逆変換画像111から参照画像を生成し、さらに生成した参照画像と入力した映像信号100とを比較しながら適応予測処理に用いる好適な予測画像を生成する。そして、生成した予測画像と入力画像の差分を算出した後、差分画像101を直交変換部12に出力する。
また、LSB抽出部11は、入力した映像信号100の最下位ビットを抽出し、映像信号の最下位ビットとなる補助データ102を遅延部14に出力する。
直交変換部14は、入力された差分画像101に対し、4×4画素ブロック、若しくは8×8画素ブロック単位に、DCT( Direct Cosign Transform )等の直交変換処理を実施し、直交変換係数103を量子化部13に出力する。
量子化部13は、入力された直交変換係数103に、量子化処理を実施して量子化係数104をLSB多重化部15とSW部16に出力する。
遅延部14は、入力した映像信号100が、量子化処理を経てLSB多重部15に入力するまでの遅延時間に合わせて、抽出した補助データ102を遅延させ、遅延データ105としてLSB多重部15に出力する。
LSB多重部15は、量子化係数104及び補助データ102の遅延データ105を入力し、入力した量子化係数104の最下位ビットを補助データ102の遅延データ105に置き換え、補助データ106をSW部16に出力する。
SW部16は、補助データ多重識別信号107が制御端子からアサートされていれば、補助データ105(補助データ102の遅延データ)が多重された量子化係数106を、量子化係数108として可変長符号化部17及び逆量子化部18とに出力する。
またSW部16は、補助データ多重識別信号107が制御端子からディアサートされていれば、入力した量子化係数104を量子化係数108として可変長符号化部17及び逆量子化部18とに出力する。
逆量子化部18は、入力された量子化係数108に、逆量子化処理を実施し、逆量子化係数110を逆直交変換部19に出力する。逆直交変換部19は、逆量子化係数110に逆DCT演算を実施し、逆変換画像111を適応予測部10に出力する。
可変長符号化部17は、入力した量子化データ108に可変長符号化処理を実施し、符号化ストリーム109として出力する。さらに可変長符号化部17は、入力した補助データ多重識別信号107を、符号化ストリーム109のヘッダ情報に多重して出力する。
ここでシステムによっては、輝度信号の有効画像領域のみに補助データが多重される場合や、クロマ信号の有効画像領域のみに補助データが多重される場合がある。この場合、補助データ多重識別信号107は、輝度成分Y、Pb成分、Pr成分、それぞれ、1bitずつを要し、計3bitの信号により制御を行う。
補助データ多重識別信号107の符号化ストリーム109への多重方法の一例を図10に示す。図10は、本発明における補助データ多重識別情報のストリーム多重方法の一例であり、H.264画像符号化標準におけるストリームシンタクスのSEI( Supplementary Enhancement Information )の一部を抜粋したものである。31はanc_data_insertion、32はanc_data_insertion31の下位3bitである。
本発明では、補助データ多重識別信号107は、SEIのユーザデータ領域に多重し、anc_data_insertion31の下位3bit32にデータを多重し伝送するのが望ましい。
上記図1、図10の実施例によれば、補助データの情報量圧縮伝送が可能な画像符号化を実現できる。この場合の画像符号化装置における可変長符号化処理部での圧縮処理では、情報の欠落がないため、画像復号装置側でも情報の欠落なく補助データを復元することが可能である。
またその結果、画像符号化装置側では、可変長符号化されたデータを、量子化係数に復号し、復号した量子化係数の最下位ビットを抽出して、適応予測部から出力される再構成画像データの最下位ビットに置き換えることにより、補助データを復元することを可能とする。
さらに上記実施例によれば、補助データを抽出して映像符号化データとは別に伝送する場合に比べ、映像符号化データと補助データの伝送帯域を共用できるため、別々に伝送する場合よりも画質が向上する。
H.264符号化方式では、マクロブロックと呼ばれる16×16画素ブロック単位で符号化処理を行う。画面内あるいは画面間予測においては、16×16画素や4×4画素、8×8画素等にマクロブロックをブロック単位に分割し、各ブロック単位で予測処理を行い、予測画像との差分をDCT( Discrete Cosine Transform :離散コサイン変換)などの変換及び量子化処理を行った後に可変長符号化を行い、符号化を行うことが規定されている。
H.264では、マクロブロックの画像の状態により発生符号量に違いが生じる。また、量子化を粗く施すことにより発生符号量を抑制することが可能である。しかしその際、画質が劣化するという副作用が生じる。そのため、与えられるビットレートを十分に使用し符号化を行うことが重要である。それ故、何らかの手段を用いて発生符号量を予測し、予測結果に基づいて量子化制御などを行い高画質かつ求められる符号量に調整するレート制御が行われる。
図2によって、本発明の符号化装置の一実施例の構成を説明する。図2は、本発明の画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。図1と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。203は直交変換部12と量子化部13で構成される変換・量子化部、208は発生符号化量予測部、209は閾値のデータ、210はビットレートを示すデータ、211はマクロブロック分割部、212は差分処理部、213は加算処理部、214は予測部202から出力されるSAD値のデータ、215はマクロブロック数を示すデータ、216は符号量を示すデータ、217は量子化値のデータ(符号量予測値を示すデータ)である。
図2の動画像符号化装置は、例えば、LSI( Large Scale Integrated circuit )内に構成される。図2は、例えば、H.264形式で符号化する動画像符号化装置である。
図2において、変換・量子化部203は、適応予測部10から入力されたデータを、例えば、直交変換等によって変換し、さらに量子化して、逆量子化部18及び可変長符号化部17に出力する。可変長符号化部17は、入力されたデータを可変長符号化して、符号化ストリーム109として出力する。また、可変長符号化部17は、可変長符号化したデータの符号量を示すデータ216を発生符号化量予測部208に出力する。
また適応処理部10は、予測実行時に、発生符号量の予測に必要なデータ、例えば、SAD値のデータ214を発生符号量予測部208に出力する。
発生符号量予測部208は、マクロブロック数を示すデータ215、閾値のデータ209、ビットレートを示すデータ210、可変長符号化したデータの符号量を示すデータ216、及び、SAD値のデータ214に基づき、各マクロブロックの量子化値を定め、その量子化値のデータ217を変換・量子化部203に出力する。なお、発生符号量を予測するためのマクロブロック数のデータ215は、例えば、1列以上のマクロブロックラインを対象領域(例えば水平画素数が1920画素の場合、1マクロブロックラインの対象領域では、マクロブロック数が120である。)とする場合から、複数のフレームを対象領域とする場合まで、任意の数で良い。
発生符号量予測部208について、詳細を図3に示す。なお、図3〜図8は、本発明と同一出願人が出願した特願2008−293447号から引用したものである。
図3によって、本発明の動画像符号化装置の発生符号量予測部の一実施例を説明する。図3は、図2の発生符号量予測部208の詳細を説明した図である。301は閾値制御部、302はSAD値比較部、303はSAD値蓄積制御部、305は区分1のSAD値蓄積部、306は区分1のSAD平均値算出部、307は区分1の符号量予測値算出部、308は区分2のSAD値蓄積部、309は区分2のSAD平均値算出部、310は区分2の符号量予測値算出部、311はSAD値/符号量対応テーブル、312は比重加算部、304は量子化値決定部である。
図3の発生符号量予測部208において、閾値制御部301は、発生符号量予測部208の外部より入力された閾値のデータ209を保持し、SAD値比較部302の要求に応じて閾値のデータを出力する。SAD値比較部302は、発生符号量予測部208の外部より入力されたSAD値と閾値制御部301から入手した閾値のデータを比較し、SAD値が閾値より大きいか小さいかの情報をSAD値と共に、SAD値蓄積制御部303に出力する。SAD値蓄積制御部303は、以下の2つの動作を行う。第1の動作は、SAD値比較部302より入力されたSAD値、及びSAD値と閾値の比較情報に基づき、当該マクロブロックを区分1か区分2に分類する選択を行い、当該マクロブロックのSAD値を選択された区分に出力する。例えば、区分1に分類された場合には、当該マクロブロックのSAD値を区分1のSAD値蓄積部に出力し、区分2に分類された場合には、当該マクロブロックのSAD値を区分2のSAD値蓄積部308に出力する。第2の動作は、発生符号量予測部208の外部より入力された対象マクロブロック数を示すデータ215を保持し、SAD値の蓄積動作を行ったマクロブロック数がデータ215の値と同一になった時に、区分1のSAD値蓄積部305と区分2のSAD値蓄積部308にSADの総和と対象となるマクロブロック数の出力を命じるコマンド、及び、量子化値決定部304に量子化値決定の実行を命じるコマンドを出力する。
区分1のSAD値蓄積部305は、SAD値蓄積制御部303より入力されたSAD値の総和の演算、及びマクロブロック数のカウントを実行する。そして、SAD値蓄積制御部303の要求に応じてSAD値の総和並びに対象のマクロブロック数のデータをSAD平均値算出1部306に出力する。
区分1のSAD平均値算出部306は、区分1のSAD値蓄積部305より入力されたSAD値の総和の演算、及びマクロブロック数のデータからSADの平均値を算出し、算出した平均値のデータを区分1の符号量予測値算出部307に出力する。
区分1の符号量予測値算出部307は、区分1のSAD平均値算出部306より入力されたSADの平均値のデータを保持し、量子化値決定部304の要求に応じて、SADの平均値のデータと量子化値決定部304から入手した推測量子化値のデータ並びにSAD値/符号量対応テーブル311からの情報に基づいて符号量予測値のデータと対象マクロブロック数のデータを比重加算部312に出力する。
区分2のSAD値蓄積部308、区分2のSAD平均値算出部309と区分2の符号量予測値算出部310は、区分1のSAD値蓄積部305、区分1のSAD平均値算出部306、区分1の符号量予測値算出部307それぞれと同様の動作を区分2のデータに対して実行する。
SAD値/符号量対応テーブル311は、量子化値決定部304より入力された量子化値のデータに基づき、SAD値から発生符号量を予測するための情報を、区分1の符号量予測値算出部307と区分2の符号量予測値算出部310に出力する。
比重加算部312は、区分1の符号量予測値算出部307と区分2の符号量予測値算出部310より入力されたそれぞれの発生符号量予測値のデータと、マクロブロック数のデータから比重加算を行い、比重加算された発生符号量予測値のデータを量子化値決定部304に出力する。
量子化値決定部304は、SAD値蓄積制御部303より量子化値決定コマンドが入力された時に動作を開始し、推測量子化値を定める。そして、量子化値決定部304は、区分1の符号量予測値算出部307、区分2の符号量予測値算出部310、SAD値/符号量対応テーブル311、それぞれに定めた推測量子化値を出力すると、同時に、実行要求を出力する。
即ち、量子化値決定部304は、発生符号量予測部208の外部より入力されるビットレートを示すデータ210及び符号量を示すデータ216から、対象領域の発生符号量を決定し、比重加算部312から入手する発生符号量予測値のデータとの比較により、対象領域の平均量子化値を決定する。決定された量子化値217は、発生符号量予測部208の外部(図2参照)に出力される。
なお、図2及び図3において、マクロブロック数示すデータ215、閾値のデータ209、及びビットレートを示すデータ210は、ディップスイッチでデータを保持しても良いし、LSIのレジスタ内に保持しても良い。
図4によって、発生符号量予測にて説明した区分1と区分2についてさらに説明する。図4は、本発明の一実施例のマクロブロック単位でのSAD値と発生符号量予測値の関係を示す図である。横軸がSAD値、縦軸が発生符号量予測値である。また、量子化値は固定である。
図4のSAD値に対する発生符号量予測値は、図1で示した分布から、区分1と区分2の2つの一次式となるように、直線近似を行った結果である。401は特定のSAD値、402−1と402−2は近似式を示す直線である。
即ち、図4の実施例における発生符号量予測値は、特定のSAD値401にて折れ曲がりを持つ直線にて近似を行う。本実施例では、折れ曲がり点の数を1点としている。このため、SAD値401を境界として、SAD値401よりSAD値が小さい領域を、直線402−1で近似し、その領域を区分1としている。また、SAD値401を境界として、SAD値401よりSAD値が大きい領域を、直線402−2で近似し、その領域を区分2としている。なお、図2及び図3における閾値のデータ209が、SAD値401のデータに相当する。式(1)は、SAD値に対する発生符号量予測値( bits )について、図4のように2つの一次式(直線402−1及び直線402−2)で近似した場合の一実施例である。
図4及び式(1)は、発生符号量予測値とSAD値の関係をプロットした図1に示す分布のデータから、例えば、最小二乗法近似を行い、1次関数にて近似したものである。この場合、発生符号量予測値( bits )とSADには、定数b0、b1、c0 、及びc1を用いている。定数b0とb1は、それぞれの直線の傾きで、定数c0とc1は、それぞれの直線のY切片である。ここで、Nは全てのマクロブロックの数、Mは区分1内のSAD値を有するマクロブロックの数、N−M は区分2内のSAD値を有するマクロブロックの数、iは、0〜N−1のいずれかのマクロブロックのSAD値である(M、及びNは自然数、0<i<N、及び0<i<M)。
Figure 2010288070
図5によって、発生符号量予測にて説明した区分1と区分2についてさらに説明する。図5は、本発明の一実施例で、量子化値をパラメータとした、マクロブロック単位でのSAD値と発生符号量予測値の関係を示す図である。横軸がSAD値、縦軸が発生符号量予測値である。501は特定のSAD値(即ち、閾値)、502−1及び502−2は、近似式を示す直線であり、直線502−1は、区分1内(SAD値が閾値以下)の発生符号量予測値を算出するための一次式、直線502−2は、区分2内(SAD値が閾値以上)の発生符号量予測値を算出するための一次式である。同様に、複数の異なる量子化値について、それぞれ区分1内のSAD値によって発生符号量予測値を算出するための一次式を示す直線503−1、504−1及び505−1、並びに、それぞれ区分2内のSAD値によって発生符号量予測値を算出するための一次式を示す直線503−2、504−2及び505−2を作成している。ここで、直線502−1と502−2で1つの量子化値の一次式を構成し、直線503−1と503−2、直線504−1と504−2、及び直線505−1と505−2でもそれぞれ1つの量子化値による一次式を構成している。
このように、図5の実施例では、異なる量子化値においても、区分1と区分2とに分類する特定のSAD値(即ち、閾値)を同一としている。そのため、複数の量子化値をパラメータとして、発生符号量予測値を算出するために作成された一次式の組み合わせは、全て、同一のSAD値で折れ曲がる複数の折れ線となる。これらの量子化値をパラメータとした、SAD値に対応する発生符号量予測値は、テーブル化して図3のSAD値/符号量対応テーブル311に格納される。また、その演算式のまま、として、図3のSAD値/符号量対応テーブル311の替りに、演算処理を実行して発生符号量予測値を算出しても良い。
図5の実施例のように、量子化値の異なる複数の近似式を作成する場合に、特定のSAD値(閾値)を同一のSAD値に設けることによって、発生符号量予測値の算出に要する演算量が低減できる。
図6〜図8を用いて、本発明の発生符号化量予測部の一実施例の処理動作を説明する。図6は、本発明の一実施例のSAD値の総和を演算する処理動作を説明するためのフローチャートである。図7は、本発明の一実施例の推定量子化値を定めたときの発生符号量予測処理動作を説明するためのフローチャートである。図8は、本発明の一実施例の平均量子化値の決定処理動作を説明するためのフローチャートである。図6〜図8の処理は、図2若しくは図3の発生符号化量予測部208が実行する。
図6を用いて、まず、SAD値の総和を演算する処理動作について説明する。
最初に、ステップ601では、区分1のSAD値蓄積メモリとマクロブロック( MB )数カウンタを初期化し、ステップ602では、区分2のSAD値蓄積メモリとマクロブロック( MB )数カウンタを初期化する。なお、ステップ601とステップ602の処理の順番は、逆でも良いし、同時でも良い。
続いて、対象領域のマクロブロックを1つ選択し(ステップ603)、選択したマクロブロックのSAD値を読み込む(ステップ604)。
続いて、ステップ605では、選択されたマクロブロックのSAD値と、設定された閾値との比較を行う。選択されたマクロブロックのSAD値が閾値未満の場合には、区分1を選択しステップ606の処理に移行する。閾値以上の場合には、区分2を選択しステップ610の処理に移行する。なお、この実施例では、閾値未満と以上とで、選択されたマクロブロックのSAD値を区分1か区分2かに選択したが、閾値以下を区分1とし、閾値超を区分2にしても良い。
ステップ6060〜609では、区分1のマクロブロック数カウンタを1増加し(ステップ606)、
区分1のSAD値蓄積メモリより総和値を読み込む(ステップ607)。そして、総和値に選択したマクロブロックのSAD値を加算し(ステップ608)、結果を区分1のメモリに書き込みステップ614の処理に移行する(ステップ609)。
ステップ610〜613では、区分2のマクロブロック数カウンタを1増加し(ステップ610)、区分2のSAD値蓄積メモリより総和値を読み込む(ステップ611)。そして、総和値に選択したマクロブロックのSAD値を加算し(ステップ612)、結果を区分1のメモリに書き込みステップ614の処理に移行する(ステップ613)。
ステップ614では、対象領域の処理の終了判定を行い、終了していない場合は、ステップ603に戻り、再度別のマクロブロックを選択し、ステップ614までの処理を繰り返す。また、対象領域の処理が終了したと判定した場合には、図6の処理を終了する。
次に、図7を用いて、推定量子化値を定めたときの発生符号量予測処理動作を説明する。まず、推定量子化値を選択し(ステップ701)、区分1のSAD値の総和と区分1のマクロブロック数のデータによりSADの平均値を算出する(ステップ702)。続いて、図5で説明した一次式(若しくは、SAD値/符号量対応テーブル)を使用して、区分1の発生符号量予測値を算出する(ステップ 703)。さらに、区分2のSAD値の総和と区分2のマクロブロック数のデータとよりSADの平均値を算出する(ステップ704)。続いて、図5で説明した一次式(若しくは、SAD値/符号量対応テーブル)を使用して、区分2の発生符号量予測値を算出する(ステップ705)。最後に、区分1の発生符号量予測値と区分2の発生符号量予測値を、それぞれの区分のマクロブロック数を用いて加重平均をして、発生符号量予測値とする(ステップ706)。
なお、ステップ702〜703の処理とステップ704〜705の処理の順番は、逆であっても良いし、同時に実行しても良い。
最後に、図8を用いて平均量子化値を決定する処理動作について説明する。
まず、ステップ600では、図6で説明したSAD値の総和処理を実行する。
引き続いて、ステップ700では、図7で説明した推定量子化値を定めたときの発生符号量予測処理を実行する。
ステップ801では、上記ステップ600と700の処理の結果得られた発生符号量予測値と量子化値を保持する。そして、ステップ802では、実行すべき量子化値を満たしたかの判定を行い、満たしていない場合は、推定量子化値を定めたときの発生符号量予測処理(ステップ700)に戻る。また、満たしている場合は、ステップ803の処理に移行する。そして、ステップ803では、量子化値を出力し、平均量子化値の決定処理を終了する。
なお、図6〜図8の実施例では、SAD値を用いて発生符号量を予測したが、SAD値である必要はない。例えば、各画素の差分値をアダマール変換した後に絶対値和をとった値でも良いし、アダマール変換に替わりDCT変換(離散コサイン変換)を適用しても良い。
また、SAD値と発生符号量予測値の関係で折れ曲がり点は1点としたが、2点以上であっても良い。
次に本発明の実一施例における画像復号化装置を図9に示す。図9は、本発明における画像復号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。9は画像復号化装置、20は可変長復号化部、21は逆量子化部、22はLSB抽出部、23は逆直交変換部、24は適応予測部、25は遅延部、26はLSB多重部、27は切替(SW)部である。また、299は符号化ストリーム、290は量子化係数、291は補助データ多重識別信号、292は逆量子化係数、293は逆変換画像、294は再構成画像、295は補助データ、296は遅延データ、297は補助データが多重された差分画像、298は復号画像である。
図2において、本発明の画像復号化装置2には、符号化ストリーム299が入力され、所定の復号化処理を実施したのち、復号画像298を出力する機能を有する。
符号化ストリーム299は、まず画像復号化装置2の可変長復号化部20に入力する。可変長復号化部20は、入力された符号化ストリーム299に所定の可変長復号処理を実施し、ストリームのヘッダ情報に多重された補助データ多重識別信号291をSW部27に出力し、可変長符号化された量子化係数を復号し、復号された量子化係数290を、逆量子化部21とLSB抽出部22とに出力する。
逆量子化部21は、入力された量子化係数290に逆量子化処理を施し、逆量子化係数292を逆直交変換部23に出力する。
逆直交変換部23は、入力された逆量子化係数292に逆DCT演算を実施し、逆変換画像293を適応予測部24に出力する。
適応予測部24は、適応予測画像を生成し、入力された逆変換画像293と加算して、再構成画像294をLSB多重部26とSW部27とに出力する。
LSB抽出部22は、入力した量子化係数290の最下位ビットを抽出し、補助データ295を遅延部25に出力する。
遅延部25は、入力した量子化係数290が、逆量子化部21からLSB多重部21に入力するまでの遅延時間に合わせて、抽出した補助データ295を遅延させ、遅延データ296としてLSB多重部26に出力する。
LSB多重部26は、入力された再構成画像294の最下位ビットを、補助データ情報296に置き換え、補助データ多重された297に出力する。
SW部27は、入力した補助データ多重識別信号291がアサートされている場合は補助データ297から入力したデータを線298へ出力し、ディアサートされている場合には、再構成画像294を復号画像298として出力する。
上記図9の実施例によれば、補助データの情報量圧縮伝送が可能な画像復号化を実現できる。この場合の画像符号化装置における可変長符号化処理部での圧縮処理では、情報の欠落がないため、画像復号装置側でも情報の欠落なく補助データを復元することが可能であり、また画像復号化装置においては、可変長符号化されたデータを、量子化係数に復号し、復号した量子化係数の最下位ビットを抽出して、適応予測部から出力される再構成画像データの最下位ビットに置き換えることにより、補助データを復元することを可能とする。
上記図9の実施例によれば、補助データを抽出して映像符号化データとは別に伝送する場合に比べ、映像符号化データと補助データの伝送帯域を共用できるため、別々に伝送する場合よりも画質が向上する。
本発明による画像符号化装置は、HD素材伝送への適用が期待できる。
1:画像符号化装置、 2:画像復号化装置、 10:適応予測部、 11:LSB抽出部、 12:直交変換部、 13:量子化部、 14:遅延部、 15:LSB多重部、 16:SW部、 17:可変長符号化部、 18:逆量子化部、 19:逆直交変換部、 20:可変長復号化部、 21:逆量子化部、 22:LSB抽出部、 23:逆直交変換部、 24:適応予測部、 25:遅延部、 26:LSB多重部、 27:SW部、 100:映像信号、 101:差分画像、 102:補助データ(映像信号の最下位ビット)、 103:直交変換係数、 104:量子化係数、 105:遅延データ、 106:補助データが多重された量子化係数、 107:補助データ多重識別信号、 108:量子化係数、 109:符号化ストリーム、 110:逆量子化係数、 111:逆変換画像、 201:入力画像データ、 202:予測処理部、 203:変換・量子化部、 204:可変長符号化部、 205:逆量子化・逆変換部、 206:フレームメモリ、 207:ビットストリームデータ、 208:発生符号化量予測部、 209:閾値のデータ、 210:ビットレートを示すデータ、 211:マクロブロック分割部、 212:差分処理部、 213:加算処理部、 214:予測部202から出力されるSAD値のデータ、 215:マクロブロック数を示すデータ、 216:符号量を示すデータ、 217:量子化値のデータ(符号量予測値を示すデータ)、 290:量子化係数、 291:補助データ多重識別信号、 292:逆量子化係数、 293:逆変換画像、 294:再構成画像、 295:補助データ、 296:遅延データ、 297:補助データが多重された差分画像、 298:復号画像、 299:符号化ストリーム。

Claims (1)

  1. 入力映像を複数のブロックに分割したブロック毎に、適応予測、変換量子化及び可変長符号化を用いる画像符号化装置において、適応予測を行う前に、入力画像の最下位ビットを抽出する手段と、量子化係数の最下位ビットを前記抽出した最下位ビットに置き換える手段を有する画像符号化装置。
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