JP2010284045A - 熱供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子の保護および熱量の確保を図るとともに、装置の体格を抑えることができる熱供給装置を提供する。
【解決手段】熱供給装置は、走行用のモータ102の作動を制御するインバータ21と、インバータ21による電力変換を調整し、スイッチング作動に応じて発熱量が変化するパワー素子210と、通電量に応じて発熱量が変化する電気作動式のヒータ40と、パワー素子210およびヒータ40を有し、流通する熱輸送媒体を通じてエンジン11等の熱利用機器と連通するように設けられた熱交換器140と、を備える。パワー素子210とヒータ40の両方は、熱交換器140の発熱体として熱交換器140の筐体141の内部に配置されている。
【選択図】図3
【解決手段】熱供給装置は、走行用のモータ102の作動を制御するインバータ21と、インバータ21による電力変換を調整し、スイッチング作動に応じて発熱量が変化するパワー素子210と、通電量に応じて発熱量が変化する電気作動式のヒータ40と、パワー素子210およびヒータ40を有し、流通する熱輸送媒体を通じてエンジン11等の熱利用機器と連通するように設けられた熱交換器140と、を備える。パワー素子210とヒータ40の両方は、熱交換器140の発熱体として熱交換器140の筐体141の内部に配置されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両に搭載される機器を暖機するための熱供給装置に関する。
従来の車両における暖機のための熱供給装置として、例えば特許文献1に記載のシステムが知られている。この従来の熱供給装置は、車両用の燃料電池の始動冷機時における発電効率を向上するために、ヒータに通電して発生する熱を用いて燃料電池を暖機するものである。
特許文献1に係る従来技術では、燃料電池の内部を流通する冷却水が循環する循環回路を備え、燃料電池の温度が20℃よりも低いときに燃料電池を断続運転して発電し、発電した電力により電気ヒータを発熱させて冷却水を加熱して燃料電池を昇温させる。この従来技術は、暖機のための熱を暖機専用の電気ヒータによってのみ供給するものであり、車両のエネルギー効率の面で好ましくない。
そこで、出願人は、特許文献1の従来技術における課題を解決する発明として、車両の駆動用機器や車室内の空気調和のための空調用機器に対する暖機の要求を受けると、電子部品の出力を調整するためのスイッチング素子を通常の動作状態に比べて発熱量が増加するように作動させる制御を行い、この作動によりスイッチング素子から意図的に発生させた熱を暖機用の熱源として用いる技術を出願した。
しかしながら、出願人が出願した上記非公知の技術においては、スイッチング素子の上記作動によって大きな熱量を得ようとした場合には、スイッチング素子が過度に発熱し、劣化が進行して寿命を縮めてしまうことがある。また、スイッチング素子が劣化すると、車両の電子制御系統に影響があり、自動車の各種性能を確保できないこともある。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、スイッチング素子の保護および熱量の確保を図るとともに、装置の体格を抑えることができる熱供給装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲および下記各手段に記載の括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
請求項1に記載の熱供給装置に係る発明は、車両の走行用のモータ(102)の作動を制御するインバータ(21)と、インバータによる電力変換を調整するスイッチング素子であって、スイッチング作動に応じて発熱量が変化するスイッチング素子(210)と、通電量に応じて発熱量が変化する電気作動式のヒータ(40)と、スイッチング素子およびヒータを有し、流通する熱輸送媒体を通じて熱利用機器と連通するように設けられる熱交換器(140)と、を備え、スイッチング素子とヒータの両方は、熱交換器の発熱体として熱交換器を形成する筐体(141)の内部に配置されることを特徴とする。
この発明によれば、暖機時等に熱の供給を必要とする熱利用機器に対し、スイッチング素子およびヒータが配された熱交換器から、両方の発熱体から得られる発熱量を必要に応じて熱輸送媒体を通じて搬送することができる。これにより、熱利用機器が必要とする要求発熱量を充足する熱量供給が確保し易くなる。また、スイッチング素子からの発熱量では不足の場合やスイッチング素子の負荷が大きくなる場合にはヒータの熱量で補足することができる。またスイッチング素子およびヒータを筐体内に配置して一体化するため、別体にする場合よりも小型化、コストの低減が図れる。したがって、スイッチング素子の保護および熱量の確保を図り、体格を抑えた熱供給装置が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、スイッチング素子は、筐体の内部においてヒータよりも熱輸送媒体の上流側に配置されていることを特徴とする。この発明によれば、ヒータを下流側に配することにより、ヒータからの熱によってスイッチング素子が劣化することを回避することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、スイッチング素子の作動およびヒータへの通電量のそれぞれを制御する制御手段を一体にした制御装置(120)を備え、制御装置は筐体に隣接することを特徴とする。この発明によれば、スイッチング素子とヒータの両方が単一の筐体内に配置される構成に加え、さらに両発熱体の作動を制御する制御装置が筐体に隣接して配置される構成により、熱供給装置の熱交換器および発熱体の制御手段が一体化されて、車両搭載性に優れた熱供給装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、スイッチング素子およびヒータのそれぞれは、両面側において熱輸送媒体と熱交換することを特徴とする。この発明によれば、スイッチング素子およびヒータの熱交換面積の拡大が図れるため、熱輸送媒体への熱の供給効率を向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、ヒータはPTCヒータであることを特徴とする。この発明によれば、PTCヒータはキューリー温度をヒータとして利用した自己温度制御性を有するため、経時変化が小さく安定な発熱体としての熱源を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、熱輸送媒体は液体であることを特徴とする。この発明によれば、スイッチング素子およびヒータの熱を効率的に熱利用機器に与えることができ、気体の場合に比べ熱回収の効率が向上する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、スイッチングの作動を制御する制御装置(120)を備え、当該制御装置は、熱利用機器に対する暖機の要求を受けると、スイッチング素子を、電流値および電圧値が増減する過渡状態の回数または当該過渡状態の時間を通常の動作状態に比べて多くすることにより、スイッチング素子からの発熱を増大させる発熱増大作動を実施することを特徴とする。
この発明によれば、スイッチング素子を、電流値および電圧値が増減する過渡状態の回数または過渡状態の時間を通常の動作状態に比べて多くなるように作動させることにより、スイッチング素子はスイッチング損失、導通損失等が通常状態よりも増大して発熱するようになる。したがって、既設の部品であるスイッチング素子をこのような動作状態に意図的に制御することによって発熱を促して有効活用することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、制御装置は、スイッチング素子に、駆動周波数およびデューティ比の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて増加させる制御信号を入力することによって、発熱増大作動を実施することを特徴とする。
この発明によれば、スイッチング素子に、駆動周波数およびデューティ比の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて増加させる制御信号を入力することにより、スイッチング素子はスイッチング損失、導通損失等が通常状態よりも増大し、発熱するようになる。したがって、既設の部品であるスイッチング素子への入力信号をこのように意図的に制御することによって発熱を促して有効活用することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の発明において、制御装置は、熱利用機器に対する暖機の要求を受けると、スイッチング素子の温度が予め定められた温度よりも高いときは発熱増大作動を実行しないでヒータに対して通電し、スイッチング素子の温度が予め定められた温度よりも高くないときは発熱増大作動を実行することを特徴とする。
この発明によれば、スイッチング素子の温度が高いときはヒータへの通電によって発熱量を確保し、スイッチング素子の温度が高くないときはスイッチング素子を発熱増大作動させることにより発熱量を得ようとすることができる。これにより、スイッチング素子の温度に応じた負荷の大きさを考慮した当該発熱増大作動を実施できるので、スイッチング素子の劣化を抑制できる暖機運転の実施が可能になる。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の発明において、制御装置は、スイッチング素子から得られる発熱量が熱利用機器の暖機に要求される要求発熱量よりも大きくないときは、スイッチング素子を発熱増大作動させるとともに、ヒータに対して通電を実行することを特徴とする。
この発明によれば、スイッチング素子から得られる発熱量が十分でないときには、ヒータへの通電を行い、要求発熱量の不足分を補充することができる。したがって、スイッチング素子からの発熱を主体とした熱量供給制御において、ヒータの発熱を有効かつ効果的に用いることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の発明において、車両の減速時にモータを発電機として作用させて、減速エネルギーの一部が回生エネルギーとして充電される電池(101)を備え、
制御装置は、
減速時に回生できる減速エネルギーが電池に充電される回生エネルギーよりも大きいときは、減速エネルギーを使用してスイッチング素子を前記発熱増大作動させ、
減速エネルギーの残余量に応じて、ヒータへの通電量を制御することを特徴とする。
制御装置は、
減速時に回生できる減速エネルギーが電池に充電される回生エネルギーよりも大きいときは、減速エネルギーを使用してスイッチング素子を前記発熱増大作動させ、
減速エネルギーの残余量に応じて、ヒータへの通電量を制御することを特徴とする。
この発明によれば、減速エネルギーの大きさに応じて、当該発熱増大作動による熱回収およびヒータ加熱による熱回収を行うことにより、十分な減速エネルギーが得られる場合には、従来では外部に捨てられていたエネルギーを暖機用の熱エネルギーとして効率的に回収することができる。したがって、コスト面および低燃費性に優れた熱供給装置を提供できる。
請求項12に記載の発明は、請求項1または請求項7に記載の発明において、制御装置は、熱利用機器に対する暖機の要求を受けると、スイッチング素子を、電流値および電圧値の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて大きくする作動に制御することを特徴とする。
この発明によれば、スイッチング素子を、電流値および電圧値の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて大きくなるように作動させることにより、スイッチング素子はスイッチング損失、導通損失等が通常状態よりも増大して発熱するようになる。したがって、熱交換にヒータとともに配置した既設のスイッチング素子をこのような動作状態に意図的に制御することによって発熱を促して有効活用することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である熱供給装置およびこれを備える熱輸送システムについて図1〜図13を用いて説明する。第1実施形態の熱供給装置および熱輸送システムは、電池に充電された電力によって駆動されるモータと内燃機関とを組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車、電池に充電された電力によって駆動されるモータを走行駆動源として推進する電気自動車、燃料電池と二次電池のハイブリッドシステムである燃料電池自動車等に用いられる。
本発明の一実施形態である熱供給装置およびこれを備える熱輸送システムについて図1〜図13を用いて説明する。第1実施形態の熱供給装置および熱輸送システムは、電池に充電された電力によって駆動されるモータと内燃機関とを組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車、電池に充電された電力によって駆動されるモータを走行駆動源として推進する電気自動車、燃料電池と二次電池のハイブリッドシステムである燃料電池自動車等に用いられる。
第1実施形態の熱供給装置は、走行用のモータ102の作動を制御するインバータ21と、インバータ21による電力変換を調整し、スイッチング作動に応じて発熱量が変化するパワー素子210と、通電する電流量(以下、通電量ともいう)に応じて発熱量が変化する電気作動式のヒータ40と、パワー素子210およびヒータ40を有し、流通する熱輸送媒体を通じてエンジン11、モータ102、ヒータコア13、電池スタック101等の熱利用機器と連通するように設けられた熱交換器140と、パワー素子210およびヒータ40のそれぞれの作動を制御する制御手段と、を備える。
熱輸送システムでは、所定条件が成立する暖機要求時にパワー素子210を発熱増大作動(例えば、通常の動作状態に比べて効率を低下させる作動させて発熱量を増大させる作動)させることにより、通常作動時よりも発熱量を増大させる。このときの発熱は、熱交換器140でパワー素子210から熱輸送媒体に移動し、熱輸送媒体によって暖機の要求があった熱利用機器に対して提供される。以下、熱輸送システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の熱供給装置を備える熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図2は、熱輸送システムの制御に関する構成を示すブロック図である。図1に示すように、熱輸送システムは、エンジン11を流れる通路を含む第1冷却水回路10と、インバータ21やDC/DCコンバータ110を流れる通路を含む第2冷却水回路20とを含み、これらの回路に関係する各機器はその作動が制御されて、車両で発生する熱の移動が制御される。第2冷却水回路20のインバータ21はDC/DCコンバータ110と一体となった状態で配置されている。
第1冷却水回路10は、内燃系のエンジン11によって駆動される自動車に搭載される冷却システムの一例であり、本実施形態の熱輸送媒体でありエンジン11を冷却する冷却水(例えば、エチレングリコールを含有する液体である冷却水)が流通する回路である。第1冷却水回路10は、冷却水が流れる冷却水通路と空気が通過する空気通路とを有するラジエータ15と、エンジン11に接続されるヒータコア13と、を備えている。
エンジン11は、水冷式の内燃機関であり、ポンプ12によってエンジン11内部のウォータジャケットへ送られる冷却水によって冷却される。第1冷却水回路10は、エンジン11のウォータジャケットを流れる高温の冷却水が循環する回路である。第1冷却水回路10の冷却水通路は、ラジエータ15とエンジン11を接続し、エンジン11内部のウォータジャケットに接続されるラジエータ側通路と、ヒータコア13とエンジン11を接続するヒータ側通路と、を備えている。ラジエータ15は、高温の冷却水を冷却する熱交換器であり、ポンプ12によってラジエータ側通路を流れる冷却水を外気との熱交換により冷却する。
ラジエータ側通路には、エンジン11を流出した冷却水がラジエータ15を迂回してエンジン11に戻ってくるバイパス通路17が接続されている。バイパス通路17とラジエータ側通路の接続部には、サーモスタット16が設けられている。特に、暖機運転を実施するときには、ラジエータ15での放熱を抑えるため、バイパス通路17側の冷却水量を増加して暖機が促進されることになる。つまり、ラジエータ15による冷却水の過冷却が防止されることになる。例えば、ラジエータ側通路を構成する配管は、他の通路を構成する配管よりもその管内径が大きくなっており、多量の冷却水が流れることになる。また、サーモスタット16は、流量調整バルブ等で構成してもよく、ラジエータ15を流通する冷却水量とバイパス通路17を流通する冷却水量との流量比率を0%〜100%の範囲で調節するようにしてもよい。
さらにラジエータ側通路には、エンジン11を流出した冷却水がラジエータ15に流入しないで第2冷却水回路20に流入するように、第2冷却水回路20に接続されるバイパス通路18が分岐している。バイパス通路18とラジエータ側通路の接続部には、通路面積を調節する通路調節装置14が設けられる。通路調節装置14は、冷却水が流下する通路をラジエータ15側または第2冷却水回路20側に切り替えることができる。また、通路調節装置14は、流量調整バルブ等で構成してもよく、ラジエータ15へ流れる冷却水量とバイパス通路18を通って第2冷却水回路20に流入する冷却水量との流量比率を0%〜100%の範囲で調節するようにしてもよい。
ラジエータ側通路とつながっているヒータ側通路には、ポンプ12によって冷却水が循環される。ヒータコア13は、第1冷却水回路10の冷却水が流通する冷却水通路と空気通路とを備えている。ヒータコア13は、車室内41(エンジンルームを除く)に配置される車両用空調装置の空調ユニットケース(図示せず)の内部であって、蒸発器54よりも空気流れの下流に配され、送風機55によって送風される空調空気を冷却水との熱交換により加熱する。
第2冷却水回路20は、回路中にインバータ21、ヒータ40、DC/DCコンバータ110および走行用のモータ102が配置される。第2冷却水回路20は、DC/DCコンバータ110、インバータ21およびヒータ40から発生する熱と冷却水(本実施形態の熱輸送媒体である)との間で熱交換が行われるようにインバータ21を通る通路と、モータ102から発生する熱と冷却水との間で熱交換が行われるようにモータ102を通る通路と、を含んで構成される。インバータ21を通る通路は、インバータ21による電力変換を調整するスイッチング素子であるパワー素子210とヒータ40とを順に冷却水が通過する通路でもある。第2冷却水回路20は、インバータ21やモータ102の温度調節を行う冷却水(例えば、エチレングリコールを含有する冷却水)が流通する回路である。第2冷却水回路20は、インバータ21から流出した冷却水をモータ102に流入させるための冷却水通路28と、冷却水と熱交換する空気が通過する空気通路とを有するラジエータ24と、を備えている。
ラジエータ24は、冷却水を空気との熱交換を行う熱交換器であり、ポンプ22によってインバータ21やモータ102から流れてきた冷却水を外気との熱交換により冷却する。ラジエータ24とモータ102との間の通路には、モータ102を流出した冷却水がラジエータ24を迂回してインバータ21に流入するバイパス通路26が接続されている。バイパス通路26の接続部にはサーモスタット23が設けられている。サーモスタット23は、冷却水が流下する通路をラジエータ24側またはポンプ22側に切り替えることができる。特に、暖機運転を実施するときには、ラジエータ24での放熱を抑えるため、バイパス通路26側の冷却水量を増加して暖機が促進されることになる。また、サーモスタット23は、流量調整バルブ等で構成してもよく、ラジエータ24を流通する冷却水量とバイパス通路26を流通する冷却水量との流量比率を0%〜100%の範囲で調節するようにしてもよい。
さらに第2冷却水回路20には、インバータ21を流出した冷却水がモータ102に流入しないで第1冷却水回路10のエンジン11に流入するように、第1冷却水回路10に接続されるバイパス通路27と、インバータ21を流出した冷却水がモータ102に流入しないで第1冷却水回路10のヒータコア13に流入するように、第1冷却水回路10に接続されるバイパス通路29と、が分岐している。第2冷却水回路20には通路調節装置25が設けられている。通路調節装置25は、冷却水が流下する通路をモータ102側、ヒータコア13側、エンジン11側のいずれかに切り替えることができる。また、通路調節装置25は、モータ102へ流れる冷却水量と、ヒータコア13に流入する冷却水量と、エンジン11に流入する冷却水量と、の流量比率が0%〜100%の範囲で調節するように構成してもよい。このように通路調節装置25は、流量調整バルブ、流路切り替えバルブ等で構成されている。
走行駆動源であるモータ102に対して走行用の電力を供給する電池スタック101は、例えば、ヒータコア13等が配置される車室内41(エンジンルームを除く)に配置されている。電池スタック101は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等で構成される二次電池である。電池スタック101は、複数個の電池モジュールの集合体で構成されている。複数個の電池モジュールは、インバータ21、DC/DCコンバータ110、昇圧コンバータ109、電池監視ユニット等の電子部品によってその充電、放電、温度調節が制御されるようになっている。
電池スタック101は、電池スタック101に対して強制的に送風を供給する送風部材130と合わせて一体化した組み電池または電池パックとして自動車に搭載されている。電池スタック101は、例えば、筐体内に収納された状態で自動車の座席下、後部座席とトランクルームとの間の空間、運転席と助手席の間の空間などに配置してもよい。送風部材130は、ヒータコア13によって加熱された空気を引き込んで電池スタック101に送風することができる。つまり、電池スタック101には、冷却水の熱を吸熱した温風が送風され、送風部材130は電池スタック101を暖機する温風を提供することができる。
次に、熱輸送システムの制御に関する構成について図2を参照して説明する。制御装置(ECU)120は、第1冷却水回路10、第2冷却水回路20等の構成部品の作動を制御して、暖機要求があった場合の熱移動の制御を司る電子制御ユニットである。制御装置120は、例えば、車室内の空調を制御する電子制御ユニットや、エンジン11の冷却を制御する電子制御ユニット等に当該制御を担当させるような構成としてもよい。
制御装置120は、マイクロコンピュータと、エンジン11の起動信号、各種センサ等からの信号が入力される入力回路と、各種アクチュエータ(ポンプ12,22、通路調節装置14,25)、パワーコントロールユニット(インバータ21、昇圧コンバータ109およびDC/DCコンバータ110を含む。)に出力信号を送る出力回路と、を備えている。マイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、各種演算に使用される各種プログラムを有している。制御装置120は、各種プログラムにより演算された結果に基づいて、上記の各種アクチュエータ、インバータ21、ヒータ40、昇圧コンバータ109、DC/DCコンバータ110、電池スタック101、送風部材130等の各作動を制御する。制御装置120には、イグニッションスイッチがオンして補機バッテリの電力が供給されることにより電源が入るようになっている。また、制御装置120は、通信コネクタに接続される通信線を介して車両の各種制御装置(例えば車両ECU)と通信可能に構成されている。
制御装置120はパワー素子の作動を制御することによって、インバータ21の電力供給、昇圧コンバータ109の電圧供給、DC/DCコンバータ110の電力授受(電力変換)等を制御する。制御装置120は、暖機要求時の制御によって、インバータ21のパワー素子210、ヒータ40から発熱を促し、この発熱は熱交換器140で冷却水に放熱される。
電池スタック101の電池監視ユニットには、電池状態(例えば電圧、温度等)を監視する各種センサからの検出結果が入力される。電池監視ユニットは、電池スタック101の温度情報、電流情報、電圧情報、内部抵抗情報、周囲温度情報等が入力される高圧電池信号検出部と、補機類104の一例である補機バッテリ(低圧電池)の温度情報、電流情報、電圧情報、内部抵抗情報、周囲温度情報等が入力される低圧電池信号検出部と、昇圧コンバータ(昇圧部)を含むインバータと、を含んで構成されている。電池監視ユニットは、内部にDC/DCコンバータを備える構成でもよいし、外部に配されたDC/DCコンバータと通信可能である構成でもよい。
インバータ21は、モータ102に電力を供給する電子部品であり、この電力をパワー素子210(スイッチング素子の一例)によって調整するように構成されている。昇圧コンバータ109は、インバータ21に昇圧した電圧を供給する(例えば300Vを600Vに昇圧する)電子部品であり、この電圧はパワー素子210(スイッチング素子の一例)によって調整される。
DC/DCコンバータ110は、電池モジュールの充放電を制御するために用いられる場合には、ハイブリッド自動車等の発電用および走行用のモータ102等の高圧負荷に電力授受可能に接続された電池スタック101を含む高圧電源系と、低圧負荷に電力を供給する補機バッテリ(補機類104)を含む低圧電源系と、の間に設けられる。DC/DCコンバータ110は、モータ102等の高負荷に対する電力変換や低負荷に供給する電力変換を、パワー素子によって調整するように構成されている。
パワー素子210は、インバータ21の電力変換を調整する素子であり、例えば、トランジスタとダイオードからなり、電力を変換、調整するために電気回路の一部をオン・オフできるスイッチング素子である。パワー素子210はそのスイッチング作動に応じて発熱量が変化するインバータ21の発熱素子である。制御装置120は、例えば、パワー素子210に入力される駆動周波数およびデューティ比(入力電圧のオン・オフ時間の割合)の少なくとも一方を変更することで、出力電圧のレベルを変化させることができる。高圧電池の主機バッテリ(例えば定格約300V)である電池スタック101から耐圧電池の補機バッテリ(定格12V)に電力を出力する場合、制御装置120は通常、効率が90%程度になるようにパワー素子210の作動を制御する。
例えば、制御装置120がパワー素子210に入力される駆動周波数およびデューティ比の少なくとも一方を通常の作動時よりも増加させて、効率が通常時よりも低くして発熱量を増やす発熱増大作動をするようにパワー素子210の作動を制御する。この制御により、パワー素子210が発熱し、熱交換器140を流通する冷却水とパワー素子210からの発熱とが熱交換されることによって、モータ102、エンジン11、ヒータコア13を暖機することができる。
次に、熱供給装置の特徴部分である熱交換器の第1例について図3にしたがって説明する。模式的に示した図3のように、熱交換器140は、外殻を構成する筐体141の内部に、上流側に所定の間隔をあけて配列した複数個の素子210aの集合体であるパワー素子210と、複数個の素子210aのそれぞれの下流側に所定の間隔をあけて配列した複数個のPTCヒータ40aの集合体であるヒータ40と、備える。すなわち、パワー素子210とヒータ40の両方は、熱交換器140の発熱体として熱交換器140の筐体141の内部に配置されており、熱輸送媒体である冷却水に対して放熱する。上流側の素子210aと下流側のPTCヒータ40aとは、冷却水の流れる方向に直線状に延びるように並んでおり、素子210a間に形成された通路は、PTCヒータ40a間に形成される通路と直線状に連絡されるようになっている。このように、インバータ21の電力変換を調整するパワー素子210は、パワー素子210よりも発熱量が大きく専ら発熱することを主目的とするヒータ40よりも上流側に配置されるため、パワー素子210はヒータ40から熱によって加熱された冷却水と熱交換しない構成となっている。この構成により、パワー素子210よりも最大発熱量が大きいヒータ40を通過した熱輸送媒体がパワー素子210に当たることがないため、ヒータ40の熱によってパワー素子210が劣化することを防止できる。
また、筐体141には、パワー素子210の配置側の端部に設けられた冷却水流入口142と、ヒータ40の配置側の端部に設けられた冷却水流出口143と、が形成されている。筐体141の内部であって、ヒータ40側と反対側となるパワー素子210の側方には、冷却水流入口142と連通し、複数個の素子210aの配列方向に延びる上流側通路144が形成されている。筐体141の内部であって、パワー素子210側と反対側となるヒータ40の側方には、冷却水流出口143に向かうように、複数個のPTCヒータ40aの配列方向に延びる下流側通路145が形成されている。
これにより、第2冷却水回路20を流れる冷却水は、図3の矢印のように、冷却水流入口142から上流側通路144に流入し、上流側通路144の延設方向全体からすべての素子210a間を流下し、さらに下流側のPTCヒータ40a間を流下して下流側通路145を介して冷却水流出口143から流出する。このように、冷却水は筐体141内を流通する間に、パワー素子210およびヒータ40との間で熱交換を行って、パワー素子210およびヒータ40からの発熱により、加熱されるようになる。
また、筐体141の側方には、制御装置120が設置された回路基板121が設けられている。回路基板121は、複数個の端子211によって各素子210aおよび各PTCヒータ40aに電気的に連結されており、制御装置120からの制御信号が各素子210aおよび各PTCヒータ40aに通信可能となっている。このように、制御装置120は、パワー素子210の作動およびヒータ40への通電量のそれぞれを制御する制御手段を一体にした装置であり、筐体141に隣接して配置されている。そして、パワー素子210とヒータ40の両方が単一の筐体141内に収容されている構成と、両者の作動を制御する制御装置120が筐体141に隣接して配置される構成とにより、熱供給装置の特徴部である熱交換器140および発熱体の制御手段の小型化が図れ、車両搭載性に優れた熱供給装置が得られる。
次に、熱交換器の第2例について図4にしたがって熱交換器140と異なる構成を説明する。模式的に示した図4のように、熱交換器140Aは、外殻を構成する筐体141Aの内部に、冷却水の流れ方向(図4の矢印)に所定の間隔をあけて配列した複数個の素子210aからなるパワー素子210と、パワー素子210の下流側であって冷却水の流れ方向に所定の間隔をあけて配列した複数個のPTCヒータ40aからなるヒータ40と、を備える。これにより、上流側のパワー素子210とヒータ40は、冷却水の流れ方向に沿うように直線状に並ぶようになっており、冷却水に対して放熱する。さらに、すべての素子210aおよびPTCヒータ40aの一面は、筐体141Aの内部を略二分する仕切り壁146に接触している。仕切り壁146によって仕切られた筐体141A内の一方の空間はパワー素子210およびヒータ40が設置される空間であり、他方の空間は冷却水が流通する冷却水通路147となっている。このように、パワー素子210およびヒータ40のそれぞれは、仕切り壁146と接触している片面側において冷却水と熱交換する。
次に、熱交換器の第3例について図5にしたがって熱交換器140と異なる構成を説明する。模式的に示した図5のように、熱交換器140Bは、図4の熱交換器140Aと同様に、外殻を構成する筐体141Bの内部に、冷却水の流れ方向(図5の矢印)に所定の間隔をあけて配列した複数個の素子210aからなるパワー素子210と、パワー素子210の下流側であって冷却水の流れ方向に所定の間隔をあけて配列した複数個のPTCヒータ40aからなるヒータ40と、を備える。さらに、すべての素子210aおよびPTCヒータ40aにおける両側面は、それぞれ仕切り壁146Bに接触し、筐体141B内の空間は、素子210aおよびPTCヒータ40aといった発熱体が収容される空間と、これらの発熱体を挟むように形成される二つの冷却水通路147Bと、の三つの空間に区画されている。この構成により、パワー素子210およびヒータ40のそれぞれは、両面側の二つの面において冷却水と熱交換する。このため、熱交換面積の拡大が図れ、パワー素子210およびヒータ40からの熱の供給効率を向上することができる。
次に、熱交換器の第4例について図6にしたがって熱交換器140と異なる構成を説明する。熱交換器140Cおいて熱輸送媒体は空気である。模式的に示した図6のように、熱交換器140Cは、外殻を構成する筐体141Cの内部に、上流側に所定の間隔をあけて配列した複数個の素子210aの集合体であるパワー素子210と、複数個の素子210aのそれぞれの下流側に所定の間隔をあけて配列した複数個のPTCヒータ40aの集合体であるヒータ40と、を備える。パワー素子210間および素子210a間には、これらに接触する波形状のフィン148が伝熱促進のために配されている。すなわち、パワー素子210および素子210aとフィン148は、当該配列方向に交互に配され、フィン148が配置されるパワー素子210および素子210a間に空気が流通する。したがって、すべての素子210aおよびPTCヒータ40aは、における両側面は、両面側の二つの面においてフィン148を介して空気と熱交換するようになる。
次に、通常の動作状態に比べてパワー素子210からの発熱量を増加させる作動の一例について図7および図8にしたがって説明する。図7は、通常の動作状態におけるパワー素子210の作動を説明する図であり、図7(a)は入力される制御信号を示し、図7(b)は電流および電圧の波形を示している。図8は、暖機時におけるパワー素子210の発熱増大作動の一例を説明する図であり、図8(a)は入力される制御信号を示し、図8(b)は電流および電圧の波形を示している。
パワー素子210には、通常の動作状態、つまり、効率を重視した動作を行うときには、制御装置120によって図7(a)に示すパルス波形の制御信号が入力され、この場合の電圧値、電流値は図7(b)に示すような波形を示す。通常の作動時、パワー素子210のスイッチングのオン・オフが切り替わると、電圧値Vdと電流値Idとが増減する過渡状態において発熱が起こる。このため、パワー素子210の制御入力信号は、パワー素子210のオン・オフ切り替え時間が全体の時間に対して短くなるように、周波数を低くして発熱回数を減らし、平均の発熱量を抑制するようになっている。
一方、例えば電池等が効率的な作動ができない低温状態であるとき、要するに、熱利用機器、具体的には車両を駆動するために動作する車両駆動用機器(モータ102、エンジン11、電池スタック101等)および車室内の空気調和するために動作する空調用機器(ヒータコア13等)の少なくとも一方に対する暖機の要求があるときであって、所定の条件が成立する場合は、パワー素子210の発熱増大作動が行われる。この発熱増大作動では、制御装置120によって図8(a)に示すパルス波形の制御信号が入力され、この場合の電圧値、電流値は図8(b)に示すような波形を示す。この場合には、パワー素子210の制御入力信号は、駆動周波数が前述の通常作動時よりも増加する信号となる。この発熱増大作動時の制御入力信号が入力されると、パワー素子210のオン・オフ切り替え時間が一定であるが1周期の時間が短いため、単位時間当たりの発熱時間割合が大きくなり、さらに全体の時間に対して発熱の回数および発熱の時間が増加する。このため、発熱増大作動時は、通常作動時に比べて発熱量が増加することによる外部への放熱が暖機要求のある熱利用機器に伝わり、暖機が行われる。このように、ここでいう発熱増大作動の一例は、電流値および電圧値が増減する過渡状態の回数または過渡状態の時間が通常の動作状態に比べて多い作動であり、通常の動作状態に比べてインバータ21の効率を低下させて発熱量を増加させるものである。
また、図9に示すように、制御装置120は、暖機の要求があるときに、上記のようにパワー素子210に入力する駆動周波数を増加させる代わりに、デューティ比を増加させるようにしてもよい。また、当該駆動周波数の増加とデューティ比の増加とを組み合わせて、発熱増大作動を実施するようにしてもよい。
また、発熱増大作動の他の例として、制御装置120は、暖機の要求があるときに、パワー素子210に、図10に示すように、矩形状の波形ではなく台形状の波形を呈する信号を入力するようにしてもよい。このような波形は、スイッチングの立ち上げ時間や降下時間を長くする波形である。このような波形を呈する信号を入力することにより、電圧や電流が増減する過渡状態の時間が通常の動作状態に比べて多くなるため、発熱する時間が長くなり、パワー素子210の発熱が促進される。
また、制御装置120は、パワー素子210により出力される電流値および電圧値の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて大きくなるように制御して、パワー素子210からの発熱を増大させるようにしてもよい。この作動は、通常作動時よりもパワー素子210への負荷を高める作動であり、前述の図7(b)、図8(b)で示された出力電流値または出力電圧値を上回る出力が得られるようにする制御である。この制御により、前述の発熱増大作動時と同様にパワー素子210の発熱量を増加させることができる。制御装置120は、さらにこの作動と、前述の発熱増大作動とを組み合わせるように制御することにより、パワー素子210の発熱量をさらに増加することができ、暖機能力の向上が図れる。
次に、熱輸送システムが実行する暖機要求時の作動について図11〜図13を参照して説明する。図11は、熱輸送システムにおける暖機要求時の制御の流れを示すフローチャートである。図12は、暖機要求時の制御においてパワー素子210の温度と各処理との関係を示した説明図である。図12のパワー素子210の温度と素子の最大発熱量との関係を示したマップは制御装置120に予め記憶されており、以下の制御での演算において使用される。図13はパワー素子210の発熱増大作動制御の流れを示すフローチャートである。図11および図13に示す制御は、制御装置120によって実行される。
まず、制御装置120に電源が投入されると、制御装置120は、熱利用機器(車両駆動用機器および空調用機器の少なくとも一方)から暖機の要求があるか否かを判断する(ステップ10)。熱利用機器の一例である車両駆動用機器は、車両を走行させるときに使用される機器であり、例えば、エンジン11、モータ102、電池スタック101である。熱利用機器の一例である空調用機器は、車室内を空調するときに使用される機器であり、例えば、空調用冷凍サイクル50を構成する各部品、ヒータコア13である。暖機の要求がある場合とは、車両駆動用機器や空調用機器が低温状態であって、その機能を十分に発揮できる温度になっていない状態であるときである。このような状態であるときには、この状態を検出した検出手段から制御装置120に暖機要求の信号が送信されたり、当該検出手段から送られた機器の状態を示す信号に基づいて、制御装置120が暖機要求の可否を判断したりする。
以下に、例えば電池スタック101における暖機要求を例に挙げて各ステップの処理を説明する。まず各電池モジュールの温度に関する情報が制御装置120に読み込まれる。そして、電池温度を検出する。次に、検出された電池温度が所定温度未満であるか否かを判定する。電池温度が所定温度未満でないと判定されると、暖機の要求はないと判断し、ステップ70に飛び、電池モジュールが効率的な作動ができる所定の温度範囲(適切な温度範囲)となるように温度制御を行う運転(通常の温度制御)を実施するために、通路調節装置14,25を制御して冷却水流れの経路を制御し、ポンプ12,22の出力を制御して冷却水の流量を制御し、送風部材130の作動を制御する。この通常の温度制御の実施後は、再びステップ10に戻り、以降の各ステップの処理を継続する。ステップ70では、例えば電池冷却の制御を実施する。電池冷却の制御では、送風部材130により電池スタック101に対して送風することにより、各電池モジュールの温度を所定の温度範囲に制御して効率的な運転を実施できる環境にする。
一方、ステップ10で電池温度が所定温度未満であると判定されると、暖機の要求があると判断し、さらにステップ20でパワー素子210の温度が予め定められた発熱増大作動上限温度T2よりも高いか否かを判断する。パワー素子210の温度(以下、単に当該素子温度ともいう)は、例えばダイオードの電気信号を検出し、この検出信号に基づいた電圧値から算出する。発熱増大作動上限温度T2とは、パワー素子210を発熱増大作動することが可能な上限温度である。つまり、このT2を越える温度である場合は、発熱増大作動を実行すると、パワー素子210が自身の発熱によって故障、あるいは劣化し、車両の走行に支障をきたすことになる。
ステップ20で、当該素子温度が発熱増大作動上限温度T2よりも高いと判断すると、発熱増大作動による発熱は行わないため、パワー素子210の通常作動、回路10,20のバルブ制御、ポンプ22の流量制御、ヒータ40の通電量の増大制御を実行する(ステップ21)。つまり、ステップ21は、パワー素子210からの意図的な発熱は行わず、ヒータ40からの発熱によって熱利用機器に対する暖機のための熱量をまかなう制御である。このステップ21は、図12に示すように当該素子温度がT2を超える領域で実行される制御である。
具体的にバルブ制御は、第2冷却水回路20において熱交換器140を流出した冷却水がバイパス通路29を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置25を制御し、第1冷却水回路10においてヒータコア13を流出した冷却水がバイパス通路18を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置14を制御する。さらに、バイパス通路18を流れて第2冷却水回路20に戻ってきた冷却水はバイパス通路26を流れるようになる(図1の実線矢印)。このステップ21の処理により、通電量の増大によりヒータ40から発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。したがって、各電池の温度が昇温するようになり、電池の暖機が行われる。
ステップ21の次は、ステップ60で暖機要求が解除されたか否かを判断する。例えば、電池温度が所定温度以上であるか否かを判定する。ステップ60で電池温度が所定温度以上でないと判定すると、暖機がまだ必要であるため、ステップ20に戻り、以降の各ステップに移行する。ステップ60で電池温度が所定温度以上であると判定すると、暖機が必要でなくなり暖機運転を終了し、前述のステップ70に移行する。
前述のステップ20で当該素子温度が発熱増大作動上限温度T2よりも高くないと判断すると、当該素子温度が発熱増大作動による発熱の効果を得られる状態であることになり、後述するステップ41およびステップ50の各処理において、発熱増大作動が行われることになる。次にステップ30で当該素子温度が最大発熱上限温度T1よりも高いか否かを判断する。最大発熱上限温度T1とは、パワー素子210を作動することにより得られる発熱量が最大発熱量となり得る上限の温度である。さらに最大発熱上限温度T1は、当該温度T1を越える温度でパワー素子210から最大発熱量を発揮しようとすると、当該素子が熱によって故障する可能性のある温度である。これらのことから、当該T1以下の温度では、図12に示すように、パワー素子210からの発熱量(以下、単に素子発熱量ともいう)は最大値で一定であり、このT1を越える温度では、当該素子発熱量は温度上昇につれて減少するように制御される。
ステップ30で当該素子温度が最大発熱上限温度T1よりも高いと判断すると、まずステップ31で、素子発熱量を、図12に示すように当該素子温度がT1からT2の範囲の減少直線を満たす発熱量となるように低減する制御を実行する。次にステップ40に移行する。
ステップ30で当該素子温度が最大発熱上限温度T1よりも高くないと判断した場合や、前述のステップ31が実行された場合は、次にステップ40でパワー素子210から得られ得る最大発熱量(以下、単に素子最大発熱量ともいう)が現在熱利用機器に対して要求されている発熱量(以下、単に要求発熱量ともいう)よりも大きいか否かを判断する。ステップ40で素子最大発熱量が要求発熱量よりも大きくないと判断すると、ステップ41で、パワー素子210の発熱増大作動制御、回路10,20のバルブ制御、ポンプ22の流量制御、ヒータ40の通電量の増大制御を実行する。
当該発熱増大作動制御では、通常作動時の入力制御信号よりも、駆動周波数を増加したり、デューティ比を増加したり、スイッチングの立ち上げ時間等を増加したりする入力制御信号をパワー素子210に印加する。このように周波数の可変、デューティ比の可変、スイッチングの立ち上げ時間等の可変などによる入力信号処理により、電流値および電圧値が増減する過渡状態の回数や過渡状態の時間が通常作動時よりも多くなる。これにより、素子の発熱回数や平均発熱量が増加して通常作動時に比べて外部への放熱量が増加し、インバータ21の発熱素子であるパワー素子210の発熱量が増加する。
さらにステップ41では、前述のステップ21の処理と同様に、通路調節装置14,25を制御する。この処理により、パワー素子210およびヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。したがって、発熱増大作動によるパワー素子210の発熱量が要求発熱量に対して不足する分を、ヒータ40からの発熱量によって補充することにより、要求発熱量を満たす熱量が電池スタック101に供給されて適切な暖機運転が行われる。このようにして、当該素子温度に応じてパワー素子210に過剰な負担を与えず、適切な発熱が行われるため、パワー素子210を温度的に劣化させない暖機運転を実行することができる。
一方、ステップ40で素子最大発熱量が要求発熱量よりも大きいと判断すると、発熱増大作動によるパワー素子210の発熱量によって要求発熱量を満たすことができるため、ステップ50で、ヒータ40の通電量の停止、パワー素子210の発熱増大作動制御、回路10,20のバルブ制御、ポンプ22の流量制御を実行する。
さらにステップ50では、前述のステップ21の処理と同様に、通路調節装置14,25を制御する。この処理により、パワー素子210から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。したがって、発熱増大作動によるパワー素子210の発熱によって要求発熱量を満たす熱量を供給することにより、要求発熱量を満たす熱量が電池スタック101に供給されて適切な暖機運転が行われる。このようにして、当該素子温度が比較的高くない場合、要求発熱量が素子最大発熱量に比較して大きくない場合等には、ヒータからの出力を使用しなくても、適切な暖機が行われるため、発熱増大作動によるパワー素子210からの発熱を有効に活用して低消費エネルギーの暖機運転を実行することができる。
そして、ステップ41やステップ50の実行後は、ステップ60で暖機要求の解除条件が満たされれば、暖機運転を終了し前述のステップ70に移行する。ステップ60で暖機要求の解除条件が満たされなければ、暖機がまだ必要であるため、ステップ20に戻り、以降の各ステップに移行する。
次に、ステップ41およびステップ50の発熱増大作動制御を実行する場合の他の実施形態について図13にしたがって説明する。図13は、パワー素子210を発熱増大作動制御する場合に実行されるサブルーチンを示している。制御装置120は、減速時に発生する減速エネルギーを、当該減速エネルギーの大きさ、電池温度等の条件に応じて、モータ102を発電機として回転させるエネルギーと、その他のエンジンブレーキやメカブレーキ等で減速するエネルギーと、に振り分けるようにする。そして、このサブルーチンでは、発熱増大作動のための使用する電力を、減速時に減速エネルギーで回収される回生エネルギーから取得する場合とそうでない場合とに判断するものである。
図13に示すように、ステップ41またはステップ50で当該発熱増大作動制御を実行するときには、まず車両が減速状態であるか否かを判断する(ステップ100)。ステップ100で減速状態でないと判断されると、減速エネルギーは発生しないため、ステップ101で発熱増大作動のために減速エネルギーを用いないことを決定する処理を行い、本サブルーチンを終了する。
ステップ100で減速状態であると判断されると、当該減速エネルギーが、電池に充電可能なエネルギーと、通常回生時の損失エネルギー(パワー素子210の通常作動時等が含まれる)との和に対して、大きいか否かを判断する(ステップ110)。減速エネルギーは、例えば、ドライバーがブレーキペダルを踏む強度を用いて所定のプログラムで演算することにより算出される。ステップ110でNOと判断されると、前述のステップ101の処理を実行し、本サブルーチンを終了する。この場合は、当該減速エネルギーは、メカブレーキやエンジンブレーキ等で減速するエネルギーと、電池の充電に変換されるエネルギーと、パワー素子210の通常作動による損失エネルギーなどが含まれる通常回生時の損失エネルギーと、でほぼまかなわれることになる。
ステップ110でYESと判断されると、次に当該減速エネルギーが、電池に充電可能なエネルギーと、パワー素子210の発熱増大作動によって回収可能なエネルギーとの和に対して、大きいか否かを判断する(ステップ120)。ステップ120でNOと判断されると、当該発熱増大作動を用いた暖機運転によって当該減速エネルギーを熱回収する処理を実行する(ステップ121)。ステップ121では、具体的に、モータ102を発電機として通常の充電時よりも回転数を増大するように制御するとともに、発電機の回転数増大分から回収されるエネルギーを用いて当該発熱増大作動のための電力を供給して、熱回収を実施する。さらにこのとき、ヒータ40には当該回収エネルギーを用いた電力供給は行わないため、ヒータ40の発熱による熱回収は行わない。このようなステップ121の処理を実行し、本サブルーチンを終了する。
このステップ121の場合は、当該減速エネルギーは、メカブレーキやエンジンブレーキ等で減速するエネルギーと、電池の充電に変換されるエネルギーと、パワー素子210の発熱増大作動により回収される熱エネルギーと、パワー素子210の通常作動による損失エネルギーなどが含まれる通常回生時の損失エネルギーと、でほぼまかなわれることになる。したがって、通常ならば、外部に捨てられていた減速エネルギーを、発熱増大作動による熱エネルギーとして有効に活用して回収することができる。
ステップ120でYESと判断されると、当該発熱増大作動およびヒータ40による発熱を用いた暖機運転によって当該減速エネルギーを熱回収する処理を実行する(ステップ130)。ステップ130では、具体的に、モータ102を発電機として通常の充電時よりも回転数を増大するように制御するとともに、発電機の回転数増大分から回収されるエネルギーを用いて当該発熱増大作動のための電力供給およびヒータ40への電力供給を行い、熱回収を実施する。このようなステップ130の処理を実行し、本サブルーチンを終了する。
このステップ130の場合は、当該減速エネルギーは、メカブレーキで減速するエネルギーと、電池の充電に変換されるエネルギーと、パワー素子210の発熱増大作動により回収される熱エネルギーと、ヒータ40への通電により回収される熱エネルギーと、パワー素子210の通常作動による損失エネルギーなどが含まれる通常回生時の損失エネルギーと、でほぼまかなわれることになる。したがって、通常ならば、外部に捨てられていた減速エネルギーを、発熱増大作動による発熱およびヒータの発熱によって熱エネルギーとして有効に活用して回収することができる。
次に、電池スタック101以外の他の機器に対して暖機要求があったときの、熱輸送システムの各部の作動および発生させた熱の流れについて図1を参照して説明する。
エンジン11に対する暖機の要求がある場合であって、当該素子温度が所定の条件(ステップ41,50が実行可能な条件)が満たされるときに、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210について前述の発熱増大作動させる処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においては熱交換器140を流出した冷却水がバイパス通路27を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置25を制御し、第1冷却水回路10においてはヒータコア13を流出した冷却水がバイパス通路18を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置14を制御する。さらに、バイパス通路18を流れて第2冷却水回路20に戻ってきた冷却水がバイパス通路26を流れるように(図1の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、パワー素子210から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路27を通ってエンジン11で放熱される。そして、冷却水は、ヒータコア13、バイパス通路18、バイパス通路26を順に流れて、インバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はエンジン11に継続的に供給される。このようにして、エンジン11の温度が昇温するようになり、エンジン11の暖機が行われる。
走行用のモータ102に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、前述の条件が成立する場合に、パワー素子210について前述の発熱増大作動させる処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においては熱交換器140を流出した冷却水が冷却水通路28を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置25を制御し、モータ102を流出した冷却水がバイパス通路26を流れるように(図1の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、パワー素子210から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動して冷却水通路28を通ってモータ102で放熱される。そして、冷却水は、バイパス通路26を流れてインバータ21に戻り、インバータ21とモータ102の間を連絡する当該経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はモータ102に継続的に供給される。このようにして、モータ102の温度が昇温するようになり、モータ102の暖機が行われる。
車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機の要求を行う場合には、制御装置120は、前述の条件が成立する場合に、パワー素子210について前述の発熱増大作動させる処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においては熱交換器140を流出した冷却水がバイパス通路29を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置25を制御し、第1冷却水回路10においてはヒータコア13を流出した冷却水がバイパス通路18を流れるように(図1の破線矢印)通路調節装置14を制御する。さらに、バイパス通路18を流れて第2冷却水回路20に戻ってきた冷却水がバイパス通路26を流れるように(図1の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、インバータ21から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で車室内に送風される空気に放熱される。そして、冷却水は、バイパス通路18、バイパス通路26を順に流れて、インバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はヒータコア13に継続的に供給される。このようにしてヒータコア13からの放熱量が増加するようになり、暖房能力の向上が行われる。
本実施形態がもたらす作用効果について述べる。熱供給装置においては、パワー素子210とヒータ40の両方は、熱交換器140の発熱体として熱交換器140を形成する筐体141の内部に配置されている。
この構成によれば、熱利用機器に対し、熱交換器140から、パワー素子210とヒータ40の両方の発熱体から得られる発熱量を必要に応じて供給することができる。これにより、熱利用機器が必要とする要求発熱量を充足する熱量の供給を確保することが可能となる。また、パワー素子210からの発熱量では不足の場合やパワー素子210の負荷が大きくなる場合にはヒータ40の熱量で補足することができる。換言すれば、パワー素子210のみで熱利用機器に対して十分な熱量を供給しようとすると、パワー素子210の発熱量が大きくなり、劣化、故障を引き起こす可能性が高くなるが、このような問題を回避することができる。またパワー素子210およびヒータ40を筐体141内に配置して一体化するため、別体にする場合よりも小型化、コストの低減が図れる。したがって、コスト、体格を抑えつつ、パワー素子210の保護、必要熱量の確保が図れる。
ヒータ40はPTCヒータ40aによって構成される。これによれば、PTCヒータはキューリー温度をヒータとして利用した自己温度制御性を有する。したがって、ヒータ40は、経時変化が小さく安定な発熱体としての熱源となり、使用時間が長期間に亘っても、ヒータ40への通電量に係る制御が有効に実施され、暖機性能を長く確保できる熱供給装置が得られる。
また、制御装置120は、暖機運転時にパワー素子210を発熱増大作動に制御する。発熱増大作動は、電流値および電圧値が増減する過渡状態の回数または過渡状態の時間を前述の通常の動作状態に比べて多くする作動である。この制御によれば、パワー素子210を、当該過渡状態の回数または当該過渡状態の時間を通常の動作状態に比べて多くなるように作動させることにより、パワー素子210はスイッチング損失、導通損失等が通常状態よりも増大して発熱するようになる。したがって、既設の電子部品の作動をこのように制御することにより、熱輸送システムによる暖機の効果が確実に大きくなり、暖機を促進できる。なお、スイッチング損失は内蔵するトランジスタがオンからオフへ、あるいはオフからオンへ遷移したときに発生する損失であり、導通損失は当該トランジスタが完全にターンオンした状態の損失のことである。
また、パワー素子210を発熱増大作動させることにより暖機用の熱源を供給するため、暖機専用の機器を必要としないで暖機を実施でき、車両内で熱利用のサイクルが形成できる熱輸送供給装置が得られる。また、車両走行のために必要とされる電子部品を通常の作動とは異なる発熱増大作動させることによって、敢えて発熱させるため、コスト面に優れたシステムが得られ、また、車両におけるアイドルアップ要求の回数が低減するため、燃費性能の向上が図れる。
また、制御装置120は、パワー素子210に、駆動周波数およびデューティ比の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて増加させる制御信号を入力することによって、発熱増大作動を実施する。
この制御によれば、パワー素子210はスイッチング損失、導通損失等が通常状態よりも増大するようになり、発熱するようになる。したがって、既設の電子部品の作動をこのように制御することにより、熱供給装置による暖機の効果が確実に大きくなり、暖機を促進できる。
また、制御装置120は、暖機運転時にパワー素子210を、電流値および電圧値の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて大きくする作動に制御する。この制御によれば、パワー素子210を、電流値および電圧値の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて大きくなるように作動させることにより、パワー素子210はスイッチング損失、導通損失等が通常状態よりも増大して発熱するようになる。したがって、インバータ21のスイッチング作動に使用される既設のパワー素子210をこのような動作状態に意図的に制御することにより、熱輸送システムによる暖機の効果が確実に大きくなり、暖機を促進できる。
また、制御装置120は、熱利用機器に対する暖機の要求があると、パワー素子210の温度が予め定められた発熱増大作動上限温度T2よりも高いときは発熱増大作動を実行しないでヒータ40に対して通電し、パワー素子210の温度が当該T2よりも高くないときは発熱増大作動を実行する。
この制御によれば、パワー素子210の温度が高いときはヒータ40への通電によって発熱量を確保し、パワー素子210の温度が高くないときはパワー素子210を発熱増大作動させることにより発熱量を得ようとすることができる。これにより、パワー素子210の温度に応じた負荷の大きさを考慮する当該発熱増大作動が実施されるため、パワー素子210の劣化を抑制し、長く所望の制御性能を確保することができる。
また、制御装置120は、パワー素子210から得られる発熱量が熱利用機器の暖機に要求される要求発熱量よりも大きくないときは、パワー素子210を発熱増大作動させるとともに、ヒータ40に対して通電を行う。
この制御によれば、パワー素子210から得られる発熱量が十分でないときには、ヒータ40への通電を行い、要求発熱量の不足分を補充することができる。したがって、パワー素子210からの発熱を主体とした熱量供給制御において、ヒータ40の発熱を有効かつ効果的に使用した暖機運転制御を実現できる。
また、電池スタック101は、車両の減速時にモータを発電機として作用させて、減速エネルギーの一部が回生エネルギーとして充電される電池である。制御装置120は、減速時に回生できる減速エネルギーが当該電池に充電される回生エネルギーよりも大きいときは、減速エネルギーを使用してパワー素子210を当該発熱増大作動させ、減速エネルギーの残余量に応じて、ヒータ40への通電量を制御する。
この制御によれば、減速エネルギーの大きさに応じて、当該発熱増大作動による熱回収およびヒータ加熱による熱回収を行うことにより、十分な減速エネルギーが得られる場合には、従来では外部に捨てられていたエネルギーを暖機用の熱エネルギーとして効率的に回収することを可能にしている。
また、暖機時に発熱増大作動等により熱の供給を受ける車両駆動用機器は、車両走行のための動力発生源であるモータ102に対して走行用の電力を供給する電池スタック101である。この構成によれば、特に電池の低温時における内部抵抗の増大を低減することができるので、放電時の電流や電圧の不足を解消し、充電時の過電圧の印加を抑え電池の損傷を抑制することができる。
また、暖機時に発熱増大作動等により熱の供給を受ける車両駆動用機器は、車両のエンジン11である。この構成によれば、パワー素子210およびヒータ40の発熱をエンジン11に供給するシステムを構築されるので、エンジン11に対して低温時のフリクションを低減することができる。したがって、燃費低減や駆動性能向上が図れる。
また、暖機時に発熱増大作動等により熱の供給を受ける車両駆動用機器は、車両走行のための動力発生源であるモータ102である。この構成によれば、パワー素子210およびヒータ40の発熱を車両走行用のモータ102に供給するシステムが構築されるので、モータ102が所望の性能を発揮できる状態を確保するための熱源供給が提供できる。これにより、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の動力性能、低燃費および走行性の向上が低コストで得られる。
また、暖機時に発熱増大作動等により熱の供給を受ける空調用機器は、車室内に送風される空気を加熱するヒータコア13である。この構成によれば、パワー素子210およびヒータ40の発熱をヒータコア13に供給するシステムが構築されるので、暖房時の熱源不足を補充する熱源供給を実施できる。これにより、空調性能および空調環境の快適性の向上が図れる制御を実施できる。また、空調への車両内の熱利用を低コストで実現できる。
また、熱輸送システムは、熱交換器140で供給される熱を用いた暖機が可能な機器として、電池スタック101、モータ102、エンジン11、およびヒータコア13を備えている。この構成により、車両走行性向上、低燃費が図れる拡張性に富んだ車両内の熱利用を実現できる。また、本熱輸送システムは、設置搭載性、部品低減、コスト面等において優れている。
また、パワー素子210およびヒータ40を発熱体として備える熱交換器140および熱利用機器であるモータ102との両方は、冷却水が循環する同一の回路の途中に冷却水と熱交換するように設けられている。熱交換器140で供給される熱は、冷却水を熱輸送媒体として暖機要求があったモータ102に供給される。この構成によれば、同一の回路中にモータ102と電子部品とを配し冷却水を介した熱供給の経路が構築される。これにより、一系統の回路で実施できる簡単な構成により、モータ102の暖機を実現できる熱供給装置が得られる。
また、パワー素子210およびヒータ40を発熱体として備える熱交換器140および熱利用機器であるエンジン11、ヒータコア13のそれぞれは、冷却水が循環する別々の回路の途中に冷却水と熱交換するように配置されている。制御装置120は、熱交換器140が配置される回路を暖機要求のあった機器が配置される回路に接続させるように通路調節装置25を制御し、熱交換器140で供給される熱を、冷却水を熱輸送媒体として暖機要求がある機器に供給する。この構成によれば、別々の回路に配された暖機要求の機器と熱交換器140を、暖機要求時に冷却水の流路を介して接続し、冷却水を介した熱の輸送によって当該機器への熱源の供給経路が構築される。これにより、複数の系統の回路を組み合わせた暖機のシステムの実現により、拡張性に富んだ熱供給装置が得られる。
また、制御装置120は、電池に対する暖機を行うときに、車室内に送風される空気を加熱するヒータコア13と熱交換器140とを、冷却水を介して連通するように流路を接続させる制御を実施し、熱交換器140で供給される熱を、ヒータコア13によって加熱された空気を熱輸送媒体として電池スタック101に供給する。
この構成によれば、冷却水を介した熱の輸送と、空気を介した熱の輸送とによって電池に対する二つの熱源の供給経路が構築されるため、電池に対する熱源供給量を増大させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の熱輸送システムの他の形態について図14を用いて説明する。図14は第2実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図14において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態では、第1実施形態の熱輸送システムの他の形態について図14を用いて説明する。図14は第2実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図14において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図14に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第1実施形態の熱輸送システムが電池スタック101を送風空気を介して暖機する構成(空気を介した加温方式)であることに対して、電池スタック101を冷却水によって直接暖機する構成(水を介した加温方式)であることが相違している。本実施形態の熱輸送システムは、この相違する構成により、電池スタック101を第2冷却水回路20中に備え、第2冷却水回路20を流れる冷却水は電池スタック101と熱交換されるようになる。
また、第2冷却水回路20には、バイパス通路27、冷却水通路28およびバイパス通路29の他に、インバータ21を流出した冷却水がモータ102に流入しないでラジエータ24側に流れるように接続されるバイパス通路30が分岐している。第2冷却水回路20には通路調節装置25Aが設けられる。通路調節装置25Aは、冷却水が流下する通路をモータ102側、ヒータコア13側、エンジン11側、電池スタック101側のいずれかに切り替えることができる。また、通路調節装置25Aは、熱交換器140から、モータ102へ流れる冷却水量と、ヒータコア13に流入する冷却水量と、エンジン11に流入する冷却水量と、電池スタック101側(あるいはラジエータ24側)に流れる冷却水量と、の流量比率が0%〜100%の範囲で調節するように構成してもよい。このように通路調節装置25Aは、流量調整バルブ、流路切り替えバルブ等で構成されている。
次に、各機器に対して暖機要求があったときの熱輸送システムの各部の作動および発生させた熱の流れについて図14を参照して説明する。
電池スタック101に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においては熱交換器140を流出した冷却水がバイパス通路30を流れるように(図14の破線矢印)通路調節装置25Aを制御する。さらに、モータ102等を流れずバイパス通路30を流れてきた冷却水がバイパス通路26を流れるように(図14の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路30、バイパス通路26を通って電池スタック101で放熱される。そして、冷却水は、モータ102、ラジエータ24等の他の機器で放熱されることなくインバータ21に戻り、インバータ21と電池スタック101の間の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱は電池スタック101に継続的に供給される。このようにして、電池スタック101の温度が昇温するようになり、電池スタック101の暖機が行われる。
エンジン11に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においてはインバータ21を流出した冷却水がバイパス通路27を流れるように(図14の破線矢印)通路調節装置25Aを制御し、第1冷却水回路10においてはヒータコア13を流出した冷却水がバイパス通路18を流れるように(図14の破線矢印)通路調節装置14を制御する。さらに、バイパス通路18を流れて第2冷却水回路20に戻ってきた冷却水がバイパス通路26を流れるように(図14の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路27を通ってエンジン11で放熱される。そして、冷却水は、ヒータコア13、バイパス通路18、バイパス通路26を順に流れて、インバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はエンジン11に継続的に供給される。このようにして、エンジン11の温度が昇温するようになり、エンジン11の暖機が行われる。
走行用のモータ102に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においてはインバータ21を流出した冷却水が冷却水通路28を流れるように(図14の破線矢印)通路調節装置25Aを制御する。さらに、モータ102を流出した冷却水がバイパス通路26を流れるように(図14の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動して冷却水通路28を通ってモータ102で放熱される。そして、冷却水は、バイパス通路26を流れてインバータ21に戻り、インバータ21とモータ102の間の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はモータ102に継続的に供給される。このようにして、モータ102の温度が昇温するようになり、モータ102の暖機が行われる。
車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。第2冷却水回路20においてはインバータ21を流出した冷却水がバイパス通路29を流れるように(図14の破線矢印)通路調節装置25Aを制御し、第1冷却水回路10においてはヒータコア13を流出した冷却水がバイパス通路18を流れるように(図14の破線矢印)通路調節装置14を制御する。さらに、バイパス通路18を流れて第2冷却水回路20に戻ってきた冷却水がバイパス通路26を流れるように(図8の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で車室内に送風される空気に放熱される。そして、冷却水は、バイパス通路18、バイパス通路26を順に流れて、インバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はヒータコア13に継続的に供給される。このようにして、ヒータコア13からの放熱量が増加するようになり、暖房能力の向上が行われる。
本実施形態の熱輸送システムがもたらす作用効果について述べる。熱輸送システムは、熱交換器140で発生させた熱を、流体を介した輸送によって電池スタック101、モータ102、エンジン11、およびヒータコア13に供給する。この構成により、車両走行性の向上、低燃費が図れる拡張性に富んだ車両内の熱利用を実現できる。また、本熱輸送システムは、設置搭載性、部品低減、コスト面等において優れている。
また、熱輸送システムは、パワー素子210およびヒータ40がともに配置される熱交換器140と、暖機要求がある熱利用機器(電池スタック101およびモータ102)との両方を、冷却水が循環する同一の回路の途中に冷却水と熱交換するように備えている。熱交換器140で冷却水に与えられた熱は、冷却水の流通によって熱利用機器に供給される。この構成によれば、同一の回路中にモータ102および電池スタック101と熱交換器140とを配し冷却水を介した熱供給の経路が構築される。これにより、一系統の回路で実施できる簡単な構成によって、モータ102や電池スタック101の暖機を実現できる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態や第2実施形態の熱輸送システムの他の形態について図15を用いて説明する。図15は第3実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図15において前述の第1実施形態および第2実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第3実施形態では、第1実施形態や第2実施形態の熱輸送システムの他の形態について図15を用いて説明する。図15は第3実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図15において前述の第1実施形態および第2実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図15に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第2実施形態の熱輸送システムに対して、第2冷却水回路20の一部に、車室内空調装置に用いられる空調用冷凍サイクル50の構成部品である蒸発器54において冷媒が流れる冷媒通路に隣接させた冷却水通路を追加したものである。本実施形態の熱輸送システムは、この相違する構成により、蒸発器54を流れる冷媒と第2冷却水回路20を流れる冷却水との間で熱交換が行われるようになる。本実施形態の空調用冷凍サイクル50は、少なくとも圧縮機51、凝縮器52、減圧装置53および蒸発器54を備え、これらを順に配管等により接続して構成されるサイクルである。
また、第2冷却水回路20に設けられる通路調節装置25Aは、冷却水が流下する通路をモータ102側、ヒータコア13側、エンジン11側、空調用冷凍サイクル50側および電池スタック101側のいずれかに切り替えることができる。また、通路調節装置25Aは、熱交換器140から、モータ102へ流れる冷却水量と、ヒータコア13に流入する冷却水量と、エンジン11に流入する冷却水量と、空調用冷凍サイクル50側および電池スタック101側(あるいはラジエータ24側)に流れる冷却水量と、の流量比率が0%〜100%の範囲で調節するように構成してもよい。
また、図15には図示していないが、空調用冷凍サイクル50の蒸発器54は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、車両用空調装置の空調ユニットケース(図示せず)の内部に収納されていてもよい。この構成により、送風機55による送風によって蒸発器54を通過した空気は、ヒータコア13にも通過可能となる。
次に、各機器に対して暖機要求があったときの熱輸送システムの各部の作動および発生させた熱の流れについて図15を参照して説明する。
電池スタック101に対する暖機の要求がある場合については、制御装置120による制御、各部品の作動、および冷却水の流れは、前述の第2実施形態と同様である。
空調用冷凍サイクル50に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに制御装置120は、第2冷却水回路20の通路調節装置25Aおよびサーモスタット23について、前述の電池スタック101の暖機時と同様の制御を行う。なお、空調用冷凍サイクル50の暖機時には、空調用冷凍サイクル50内の冷媒は循環されている。このような処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路30、バイパス通路26を通って蒸発器54で冷媒に対して放熱される。蒸発器54において冷媒が加熱されることにより、冷凍サイクルの低圧側(減圧装置53の出口から圧縮機51の吸入口に至る冷媒通路に含まれる部位)における熱の放冷が促進されるようになり、車室内の暖房に寄与することができる。そして、冷却水は、モータ102、ラジエータ24等の他の機器で放熱されることなくインバータ21に戻り、インバータ21と電池スタック101の間の経路を循環し続けて、冷却水によって運ばれた熱は空調用冷凍サイクル50に継続的に供給される。このようにして、空調用冷凍サイクル50の冷媒が昇温するようになり、空調用冷凍サイクル50の暖機が行われる。
また、図15の蒸発器54を凝縮器52に置き換えた場合には、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷凍サイクルの高圧側(圧縮機51の吐出口から減圧装置53の入口に至る冷媒通路に含まれる部位)に供給されるようになる。この場合には、凝縮器52において冷媒が加熱されることにより、冷凍サイクルの高圧側における熱の放冷が促進されるようになり、車室内の暖房に寄与することができる。
また、前述の熱交換器140での熱供給を行わず、第2冷却水回路20の冷却水をラジエータ24で放熱させながら第2冷却水回路20で循環させる制御を行った場合には、冷却水と空調用冷凍サイクル50の冷媒とが熱交換することにより、空調用冷凍サイクル50の冷媒を冷却でき、冷媒の冷却を要する場合に支援し、冷却を促進することができる。
エンジン11に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第2実施形態における説明と同様に作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
走行用のモータ102に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第2実施形態における説明と同様に作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第2実施形態における説明と同様に作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
本実施形態の熱輸送システムがもたらす作用効果について述べる。熱輸送システムは、暖機可能な空調用機器として、車室内の空気調和するために動作する空調用冷凍サイクル50を採用する。制御装置120は、空調用冷凍サイクル50に対する暖機の要求を受けると、パワー素子210やヒータ40からの意図的な発熱により、空調用冷凍サイクル50に対して熱交換器140で発生した熱を供給する。
この構成によれば、熱交換器140内部に配されたパワー素子210およびヒータ40からの発熱を空調用冷凍サイクル50に供給するシステムを構築されるため、空調用冷凍サイクル50の冷媒に対して冷凍サイクル性能を向上させる熱源供給を実施することが可能になる。これにより、空調性能、低燃費および空調環境の快適性の向上が図れる制御を実施できる。また、空調への車両内の熱利用を低コストで実現できる。
また、熱輸送システムは、暖機可能な機器として、空調用冷凍サイクル50、電池スタック101、モータ102、エンジン11、およびヒータコア13を備えている。この構成により、車両走行性向上、空調環境向上が図れる拡張性に富んだ車両内の熱利用を実現できる。また、本熱輸送システムは、設置搭載性、部品低減、コスト面等において優れている。
また、熱輸送システムは、パワー素子210およびヒータ40が配された熱交換器140と、熱利用機器(モータ102、電池スタック101および空調用冷凍サイクル50(蒸発器54や凝縮器52))との両方を、冷却水が循環する同一の回路の途中に冷却水と熱交換するように備えている。パワー素子210およびヒータ40からの発熱は、冷却水を熱伝達媒体として熱利用機器に供給される。この構成によれば、同一の回路中にモータ102、電池スタック101および空調用冷凍サイクル50と熱交換器140とを配し冷却水を介した熱供給の経路が構築される。これにより、流体が循環する一系統の回路という簡単な構成によって、モータ102、電池スタック101、空調用冷凍サイクル50等の暖機を実現できる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態の熱輸送システムの他の形態について図16を用いて説明する。図16は第4実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図16において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第4実施形態では、第1実施形態の熱輸送システムの他の形態について図16を用いて説明する。図16は第4実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図16において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図16に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第1実施形態の熱輸送システムに対して、DC/DCコンバータ110を電池スタック101に隣接配置または一体に配置したものである。
電池スタック101に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第1実施形態における説明と同様に作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
また、電池スタック101の暖機を行うときには、インバータ21内部のパワー素子210を発熱増大作動させる制御に加え、DC/DCコンバータ110のパワー素子についても発熱増大作動させる処理を実行してもよい。そして、制御装置120は、第2冷却水回路20においては熱交換器140を流出した冷却水がバイパス通路29を流れるように(図16の破線矢印)通路調節装置25を制御し、第1冷却水回路10においてはヒータコア13を流出した冷却水がバイパス通路18を流れるように(図16の破線矢印)通路調節装置14を制御する。さらに、バイパス通路18を流れて第2冷却水回路20に戻ってきた冷却水がバイパス通路26を流れるように(図16の実線矢印)サーモスタット23が流路を切り替える。
以上の処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。したがって、電池近傍のDC/DCコンバータ110のパワー素子と、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40との両方から意図的に発生させた熱によって、各電池の温度が昇温するようになり、電池の暖機が促進される。
エンジン11に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第1実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
走行用のモータ102に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第1実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第1実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
本実施形態の熱輸送システムは、送風部材130による送風方向を第1の方向(電池を冷却する送風方向)と、第2の方向(電池を加温する送風方向)とに変更可能とすることによって、空気を介して電池スタック101を温度調節する構成を備える。この構成によれば、電池近傍のDC/DCコンバータ110のパワー素子を発熱増大作動および通常の作動にすることと合わせて、電池スタック101を冷却および加温することができる。したがって、暖機専用の機器を必要としないで電池の暖機および電池の冷却が行えるため、コスト面および低燃費面の向上が図れる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第4実施形態の熱輸送システムの他の形態について図17を用いて説明する。図17は第5実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図17において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第5実施形態では、第4実施形態の熱輸送システムの他の形態について図17を用いて説明する。図17は第5実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図17において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図17に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第4実施形態の熱輸送システムに対して、ヒータ40を電池スタック101に一体であるDC/DCコンバータ110に対して隣接配置または一体に配置したものである。
電池スタック101に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、第4実施形態における説明と同様に作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
また、電池スタック101の暖機を行うときには、インバータ21内部のパワー素子210を発熱増大作動させる制御に加え、DC/DCコンバータ110のパワー素子についても発熱増大作動させる処理や、DC/DCコンバータ110に一体であるヒータ40に通電する処理を実行してもよい。
このような処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。したがって、電池近傍のDC/DCコンバータ110のパワー素子と、DC/DCコンバータ110近傍のヒータ40と、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40と、から意図的に発生させた熱によって、各電池の温度が昇温するようになり、電池の暖機能力を一層向上させることができる。
エンジン11に対する暖機運転、走行用のモータ102に対する暖機運転、車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機運転を行う場合には、制御装置120は、第4実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、第1実施形態の熱輸送システムの他の形態について図18を用いて説明する。図18は第6実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図18において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第6実施形態では、第1実施形態の熱輸送システムの他の形態について図18を用いて説明する。図18は第6実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図18において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図18に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第1実施形態の熱輸送システムに対して、第2冷却水回路20を廃止してインバータ21、ヒータ40等が含まれる熱交換器140、DC/DCコンバータ110およびモータ102をエンジン冷却水回路10Aに設けた点に特徴を有する。つまり、本熱輸送システムは、エンジン11を冷却する冷却水が循環する第1冷却水回路10による1系統の回路を利用したり、送風部材130による送風を利用したりすることによって暖機を必要とする各機器を暖機するシステムである。なお、本システムにおいてインバータ21を構成するパワー素子210等の各部品は、エンジン冷却水が循環するときの使用温度に耐え得る耐熱温度を有している。
本熱輸送システムは、このような特徴点を有することにより、モータ102とエンジン11の互いの内部を連通させる連通路19と、エンジン冷却水回路10Aに設けられた通路調節装置31と、インバータ21(熱交換器140)を流出した冷却水がエンジン11に流入しないでヒータコア13に流入するように接続されるバイパス通路32と、を備えている。通路調節装置31は、冷却水が流下する通路をエンジン11やモータ102側、ヒータコア13側のいずれかに切り替えることができる。また、通路調節装置31は、熱交換器140から、エンジン11やモータ102へ流れる冷却水量と、ヒータコア13に流入する冷却水量と、の流量比率が0%〜100%の範囲で調節するようにしてもよい。また、通路調節装置31は、流量調整バルブ、流路切り替えバルブ等で構成されている。
暖機要求があったときの熱輸送システムの各部の作動および発生させた熱の流れについて図18を参照して説明する。
電池スタック101に対する暖機を行う場合には、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに制御装置120は、熱交換器140を流出した冷却水がバイパス通路32を流れるように(図18の破線矢印)通路調節装置31を制御する。さらにヒータコア13を流れてきた冷却水がバイパス通路17を流れてインバータ21に戻ってくるように(図18の実線矢印)サーモスタット16が流路を切り替える。そして、制御装置120は、ヒータコア13を通過した空気が電池スタック101に送風されるように、送風部材130を制御する。具体的には制御装置120は、送風部材130のファンの回転数を制御することにより行う。以上の処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路32を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。したがって、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱の移動によって、各電池の温度が昇温するようになり、電池の暖機が行われる。
エンジン11に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、当該発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。エンジン冷却水回路10Aにおいてインバータ21を流出した冷却水が通路33を流れるように(図18の破線矢印)通路調節装置31を制御する。さらにヒータコア13を流れてきた冷却水がバイパス通路17を流れてインバータ21に戻ってくるように(図18の実線矢印)サーモスタット16が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動して通路33を経てエンジン11で放熱される。そして、冷却水は、ヒータコア13、バイパス通路17を順に流れて、インバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はエンジン11に継続的に供給される。このようにして、エンジン11の温度が昇温するようになり、エンジン11の暖機が行われる。
走行用のモータ102に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、前述のエンジン11に対する暖機の要求があったとき同様の制御を実施する。これにより、モータ102は連通路19によってエンジン11と連通しているため、冷却水がエンジン11を流れるとともにモータ102にも流れるようになる。このようにして冷却水によって運ばれた熱はモータ102に継続的に供給され、モータ102の温度が昇温するようになり、モータ102の暖機が行われる。
車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、当該発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。制御装置120は、インバータ21を流出した冷却水がバイパス通路32を流れるように(図18の破線矢印)通路調節装置31を制御する。さらにヒータコア13を流れてきた冷却水がバイパス通路17を流れてインバータ21に戻ってくるように(図18の実線矢印)サーモスタット16が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路29を通ってヒータコア13で車室内に送風される空気に放熱される。そして、冷却水は、バイパス通路17を通ってインバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はヒータコア13に継続的に供給される。このようにして、ヒータコア13からの放熱量が増加するようになり、暖房能力の向上が行われる。
(第7実施形態)
第7実施形態では、第6実施形態の熱輸送システムの他の形態について図19を用いて説明する。図19は第7実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図19において前述の第6実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第7実施形態では、第6実施形態の熱輸送システムの他の形態について図19を用いて説明する。図19は第7実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図19において前述の第6実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図19に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第6実施形態の熱輸送システムに対して、DC/DCコンバータ110をインバータ21に一体する構造としないで、電池スタック101に対して隣接配置または一体に配置したものである。
(第8実施形態)
第8実施形態では、第7実施形態の熱輸送システムの他の形態について図20を用いて説明する。図20は第8実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図20において前述の第7実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第8実施形態では、第7実施形態の熱輸送システムの他の形態について図20を用いて説明する。図20は第8実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図20において前述の第7実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図20に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第7実施形態の熱輸送システムに対して、ヒータ42を電池スタック101に対して隣接配置または一体に配置したものである。さらに、ヒータ42は電池スタック101に対して送風部材130から近い他方側に配置されるとともに、DC/DCコンバータ110と隣接して一体に配置されている。ヒータ42は、ヒータ40と同様の構成を有する電気作動式のヒータである。
つまり、本熱輸送システムは、熱交換器140内のヒータ40の発熱によって冷却水に移動させた熱量を、ヒータコア13を介して温風として電池に供給する熱輸送経路と、電池スタック101に一体のヒータ42の発熱およびDC/DCコンバータ110のスイッチング素子であるパワー素子の発熱増大作動による発熱を空気に移動させて温風として電池に供給する熱輸送経路と、によって電池スタック101の暖機を実施するものである。
本熱輸送システムは、このような特徴点を有することにより、電池スタック101に対する暖機を行う場合にヒータ42からの発熱を活用するときは、パワー素子210の発熱増大作動やヒータ40への通電量を制御するとともに、ヒータ42への通電量も制御し、両方のヒータからの発熱を電池に対して供給するようにする。これにより、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路32を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。さらに、当該温風には、電池スタック101の上流側に配されているヒータ42からの発熱も加わるため、温風はヒータ42を通過する際にさらに加熱されて、各電池の温度が昇温するようになり、電池の暖機能力を向上することができる。
また、本熱輸送システムは、電池スタック101に対する暖機を行う場合にヒータ42からの発熱およびDC/DCコンバータ110のパワー素子の発熱増大作動による発熱の少なくとも一方を活用するときは、ヒータ40への通電量を制御するとともに、ヒータ42への通電量や当該パワー素子の発熱増大作動を制御し、両方のヒータからの発熱やDC/DCコンバータ110のパワー素子の発熱を電池に対して供給するようにする。これにより、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路32を通ってヒータコア13で外部の空気に放熱され、送風部材130によって温風として電池スタック101に供給される。さらに、当該温風には、電池スタック101の上流側に配されているヒータ42からの発熱やヒータ42に隣接配置されるパワー素子の発熱も加わるため、温風は電池スタック101の上流側でさらに加熱されて、各電池の温度が昇温するようになり、電池の暖機能力を向上することができる。
エンジン11に対する暖機運転、走行用のモータ102に対する暖機運転、車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機運転を行う場合には、制御装置120は、第7実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
(第9実施形態)
第9実施形態では、第6実施形態の熱輸送システムの他の形態について図21を用いて説明する。図21は第9実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図21において前述の第6実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第9実施形態では、第6実施形態の熱輸送システムの他の形態について図21を用いて説明する。図21は第9実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図21において前述の第6実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図21に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第6実施形態の熱輸送システムに対して、電池スタック101をエンジン冷却水回路10Bに備え、電池スタック101を冷却水を介して温度調節する点に特徴を有する。
本熱輸送システムは、このような特徴点を有することにより、インバータ21(熱交換器140)を流出した冷却水がエンジン11に流入しないでラジエータ15側および電池スタック101側に流れるように接続されるバイパス通路34を備えている。通路調節装置31は、冷却水が流下する通路をエンジン11やモータ102側、ラジエータ15および電池スタック101側、ヒータコア13側のいずれかに切り替えることができる。また、通路調節装置31は、熱交換器140から、エンジン11やモータ102へ流れる冷却水量と、ラジエータ15または電池スタック101へ流れる冷却水量と、ヒータコア13に流入する冷却水量と、の流量比率が0%〜100%の範囲で調節するようにしてもよい。また、通路調節装置31は、流量調整バルブ、流路切り替えバルブ等で構成されている。
暖機要求があったときの熱輸送システムの各部の作動および発生させた熱の流れについて図21を参照して説明する。電池スタック101に対する暖機を行う場合には、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。エンジン冷却水回路10Bにおいてインバータ21を流出した冷却水がバイパス通路34を流れるように(図21の破線矢印)通路調節装置31を制御する。さらにバイパス通路34を流れてきた冷却水がバイパス通路17を流れて電池スタック101に流入するように(図21の実線矢印)サーモスタット16が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動してバイパス通路34、バイパス通路17を順に流れ、ラジエータ15で放熱されずに電池スタック101で放熱される。そして、冷却水は、インバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱は電池スタック101に継続的に供給される。このようにして、電池スタック101の温度が昇温するようになり、電池スタック101の暖機が行われる。
エンジン11に対する暖機運転、走行用のモータ102に対する暖機運転、車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機運転を行う場合には、制御装置120は、第6実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
(第10実施形態)
第10実施形態では、第9実施形態の熱輸送システムの他の形態について図22を用いて説明する。図22は第10実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図22において前述の上記各実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
第10実施形態では、第9実施形態の熱輸送システムの他の形態について図22を用いて説明する。図22は第10実施形態に係る熱輸送システムを模式的に示す構成図である。図22において前述の上記各実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であり、同様の作動をし、同様の作用効果を奏するものである。
図22に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、第9実施形態の熱輸送システムに対して、エンジン11が備えられていない回路に暖機を必要とする熱利用機器(電池スタック101、モータ102、ヒータコア13等)を備えた点に特徴を有する。本熱輸送システムは、車両の駆動のために内燃機関を必要としない自動車、例えば電気自動車、燃料電池自動車に適用される。
本熱輸送システムは、このような特徴点を有することにより、熱交換器140を流出した冷却水が、モータ102に流入しないでラジエータ15側または電池スタック101側に流れるように接続されるバイパス通路34と、モータ102に流入しないでヒータコア13に流れるように接続されるバイパス通路32と、を備えている。
暖機要求があったときの熱輸送システムの各部の作動および発生させた熱の流れについて図22を参照して説明する。
電池スタック101に対する暖機を行う場合、車室内への暖房能力が不足しているときなどのヒータコア13に対する暖機を行う場合には、制御装置120は第9実施形態における説明と同様の作動を実行し、同様の作用効果が得られる。
モータ102に対する暖機を行う場合には、制御装置120は、インバータ21のパワー素子210についての前述の発熱増大作動およびヒータ40への通電の少なくともいずれか一方を行う処理を実行する。さらに以下の処理を実行する。冷却水が流れる回路10Cにおいて熱交換器140(インバータ21)を流出した冷却水が通路33を流れるように(図22の実線矢印)通路調節装置31を制御する。さらにモータ102およびヒータコア13を流れてきた冷却水がバイパス通路17を流れて電池スタック101に流入するように(図22の実線矢印)サーモスタット16が流路を切り替える。この処理により、熱交換器140内のパワー素子210やヒータ40から意図的に発生させた熱は、冷却水に移動して最初にモータ102で放熱される。そして、冷却水は、ラジエータ15を経ることなくインバータ21に戻り、この一連の経路を循環し続け、冷却水によって運ばれた熱はモータ102に継続的に供給される。このようにして、モータ102の温度が昇温するようになり、モータ102の暖機が行われる。
本実施形態の熱輸送システムは、走行用の駆動源として内燃機関を備えていない車両(例えば、電気自動車、燃料電池自動車)に適用されるシステムであり、冷却水が循環する一つの回路に暖機を必要とする各熱利用機器(電池スタック101、モータ102、ヒータコア13等)を備える形態である。この構成によれば、走行用のモータ102を冷却するための回路を活用して、他の機器の暖機を可能とすることにより、熱輸送システムを簡単化することができ、当該熱の供給経路を要する設置スペースの低減化が図れる。したがって、コスト面および車両のエネルギー活用面に優れた熱輸送システムを提供することができる。また、この構成によれば、モータ102を通過する熱輸送媒体を電池またはヒータコア13の暖機および冷却の両方に使用することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において説明した構成および作動は、水または空気を介して加温される電池スタック101は、ハイブリッド自動車や電気自動車で使用される走行用のモータに対して電力を供給する電池、燃料電池自動車で使用される燃料電池等に広く適用されるものである。
上記各実施形態において、回路中に配置された電池等の暖房要求を要する熱利用機器は、その配置箇所が回路中の図示される箇所に限定されるものではない。すなわち、当該機器は、発熱増大作動やヒータ通電による加熱によって発生された熱を供給可能な箇所に配置されていればよく、その配置箇所は任意である。
また、上記実施形態において、前述の発熱増大作動等の発熱を行わず、第2冷却水回路20の冷却水をラジエータ24で放熱させながらエンジン11に流通させて循環させる制御を行った場合には、第2冷却水回路20の冷却水を活用してエンジン11を冷却することができる。これによって、エンジン11の冷却を要する場合に支援し、促進することができる。
また、空気を介して電池を冷却する方式(いわゆる空冷方式)を採用する場合には、前述の発熱増大作動を行わず、第2冷却水回路20の冷却水をラジエータ24で放熱させながらヒータコア13に流通させるとともに、送風部材130により電池に対して送風を行うことにより、第2冷却水回路20の冷却水を活用して電池を冷却することもできる。
11…エンジン(熱利用機器)
13…ヒータコア(熱利用機器)
21…インバータ
40…ヒータ
101…電池スタック(熱利用機器、電池)
102…モータ(熱利用機器)
120…制御装置
140…熱交換器
141…筐体
210…パワー素子(スイッチング素子)
13…ヒータコア(熱利用機器)
21…インバータ
40…ヒータ
101…電池スタック(熱利用機器、電池)
102…モータ(熱利用機器)
120…制御装置
140…熱交換器
141…筐体
210…パワー素子(スイッチング素子)
Claims (12)
- 車両の走行用のモータ(102)の作動を制御するインバータ(21)と、
前記インバータによる電力変換を調整するスイッチング素子であって、スイッチング作動に応じて発熱量が変化するスイッチング素子(210)と、
通電量に応じて発熱量が変化する電気作動式のヒータ(40)と、
前記スイッチング素子および前記ヒータを有し、流通する熱輸送媒体を通じて熱利用機器と連通するように設けられる熱交換器(140)と、
を備え、
前記スイッチング素子と前記ヒータの両方は、前記熱交換器の発熱体として前記熱交換器を形成する筐体(141)の内部に配置されることを特徴とする熱供給装置。 - 前記スイッチング素子は、前記筐体の内部において前記ヒータよりも前記熱輸送媒体の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱供給装置。
- 前記スイッチング素子の作動および前記ヒータへの通電量のそれぞれを制御する制御手段を一体にした制御装置(120)を備え、前記制御装置は前記筐体に隣接することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱供給装置。
- 前記スイッチング素子および前記ヒータのそれぞれは、両面側において熱輸送媒体と熱交換することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱供給装置。
- 前記ヒータはPTCヒータであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱供給装置。
- 前記熱輸送媒体は液体であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の熱供給装置。
- 前記スイッチングの作動を制御する制御装置(120)を備え、
前記制御装置は、前記熱利用機器に対する暖機の要求を受けると、前記スイッチング素子を、電流値および電圧値が増減する過渡状態の回数または当該過渡状態の時間を通常の動作状態に比べて多くすることにより、スイッチング素子からの発熱を増大させる発熱増大作動を実施することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の熱供給装置。 - 前記制御装置は、前記スイッチング素子に、駆動周波数およびデューティ比の少なくとも一方を通常の動作状態に比べて増加させる制御信号を入力することによって、前記発熱増大作動を実施することを特徴とする請求項7に記載の熱供給装置。
- 前記制御装置は、前記熱利用機器に対する暖機の要求を受けると、前記スイッチング素子の温度が予め定められた温度よりも高いときは前記発熱増大作動を実行しないで前記ヒータに対して通電し、前記スイッチング素子の温度が予め定められた温度よりも高くないときは前記発熱増大作動を実行することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の熱供給装置。
- 前記制御装置は、前記スイッチング素子から得られる発熱量が前記熱利用機器の暖機に要求される要求発熱量よりも大きくないときは、前記スイッチング素子を前記発熱増大作動させるとともに、前記ヒータに対して通電を実行することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の熱供給装置。
- 前記車両の減速時に前記モータを発電機として作用させて、減速エネルギーの一部が回生エネルギーとして充電される電池(101)を備え、
前記制御装置は、
前記減速時に回生できる減速エネルギーが前記電池に充電される前記回生エネルギーよりも大きいときは、前記減速エネルギーを使用して前記スイッチング素子を前記発熱増大作動させ、
前記減速エネルギーの残余量に応じて、前記ヒータへの通電量を制御することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の熱供給装置。 - 前記制御装置は、前記熱利用機器に対する暖機の要求を受けると、前記スイッチング素子を、電流値および電圧値の少なくとも一方を前記通常の動作状態に比べて大きくする作動に制御することを特徴とする請求項1または請求項7に記載の熱供給装置。
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