JP2010275404A - ガラスクロス含有白色フィルム、金属積層体及びled搭載用基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂及び無機充填材を含有する樹脂組成物の白色フィルム100と、ガラスクロス400とからなり、所定の反射特性を有するガラスクロス含有白色フィルム。
【選択図】図1
Description
射効率が劣る傾向が見られ、今後の次世代高輝度LED搭載向け基板としては、依然改良の余地があった。また、従来の白色のプリント配線板を搭載した製品は、光照射下、特に紫外線照射下で黄変するなど白色度が低下し、反射率が劣る傾向が見られ、依然改良の余地があった。それに対し、セラミック基板については、耐熱性の点では優れているものの、硬く脆い性質から大面積、薄型化には限界があり、今後の一般照明用途や、ディスプレー用途向けの基板としては対応が困難になる可能性があり、高温熱負荷下、UV照射下で、変色しない、反射率の低下しない、大面積化に対応可能な、耐熱性を有する白色プリント配線板の開発が求められていた。
また、現在主流である白色LEDは、青色LED(波長470nm)と黄色蛍光体等から構成されており、可視光域(400〜800nm)と青色LEDの発光波長470nm付近の反射率が高いことが求められていた。
第1の本発明であるガラスクロス含有白色フィルムとしては、熱可塑性樹脂及び無機充填材を含有する樹脂組成物と、ガラスクロスとからなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が70%以上であって、かつ200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下のものであれば、特に制限されず、このガラスクロス含有白色フィルムは、寸法安定性に優れ、可視光域の反射率が高く、かつ高温熱負荷環境下における反射率の低下が極めて少ないという、優れた効果を奏することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いても良い。これらの中でも、耐熱性の理由から、特に結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂及び液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーから選択されるいずれか1種以上を用いることが好ましく、結晶融解ピーク温度(Tm)が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、及びガラス転移温度(Tg)が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂から選択されるいずれか1種以上を用いることがさらに好ましい。上記範囲の熱可塑性樹脂を用いることによって、Pbフリー半田リフローに対する耐熱性を有することが可能である。また、高熱環境下での酸化劣化を防止し、反射率の低下を抑えることが可能である。結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:Tg =145℃、Tm=335℃)、ポリエーテルケトン(PEK:Tg=165℃、Tm=355℃)等のポリアリールケトン(PAr)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Tg=100℃、Tm=280℃)等が好適に用いられる。ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアミドイミド(PAI:Tg=280℃)や260℃以上の高Tgを有するポリエーテルイミド(PEI)等が好適に用いられる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、チタン酸塩(チタン酸カリウム等)、硫酸バリウム、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。
上記ガラスクロスとしては、公知のものを用いることができ、例えば、可視光領域に吸収のないガラス繊維が用いられる。中でも、入手が容易なSガラス、Tガラス、NEガラス、石英ガラスを用いることが好ましい。また、ガラスクロスの表面をシランカップリング剤や各種界面活性剤等で処理することにより、熱可塑性樹脂との密着性を高めることが可能である。ガラスクロスの厚み、織り密度、織組織は目的とするガラスクロス含有白色フィルムに応じて選択される。また熱可塑性樹脂の含浸性を改良するために、ガラスクロスの糸束を物理的に開繊することも可能である。
本発明の白色フィルムは、200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることを必要とし、また中でも、260℃で5分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることが好ましい。
第1の本発明のガラスクロス含有白色フィルムの厚みは、3〜500μmであることが好ましい。より好ましくは、10〜300μmであり、さらには20〜100μmである。かかる範囲であれば、薄型が要求される携帯電話用バックライトや、液晶ディスプレー用バックライト用の面光源として使用されるチップLEDとして好適に使用することができる。
第1の本発明のガラスクロス含有白色フィルムを構成する樹脂組成物には、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填材以外の各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合しても良い。また本発明の樹脂組成物の調製方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、(a)各種添加剤をポリアリールケトン樹脂及び/又は非晶性ポリエーテルイミド樹脂などの適当なベース樹脂に高濃度(代表的な含有量としては10〜60重量%)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法、(b)使用する樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法などが挙げられる。上記混合方法の中では、(a)のマスターバッチを作製し、混合する方法が分散性や作業性の点から好ましい。さらに、フィルムの表面にはハンドリング性の改良等のために、エンボス加工やコロナ処理等を適宜施しても良い。
第1の本発明のガラスクロス含有白色フィルムの製造方法としては、公知の方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、無機充填材を含有した熱可塑性樹脂フィルムを採取しておき、その後ガラスクロスの両側をフィルムで挟み込み、該フィルム内部にガラスクロスを含有させる方法等を採用することができる。ガラスクロスを含有させる方法としては、真空プレスを用いてもよいし、加熱、加圧した金属ロールを用いて連続で挟みこむことにより含有しても良い。また、熱可塑性樹脂フィルムの製膜方法としては、公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法等を採用することができ、特に限定されるものではないが、シートの製膜性や安定生産性等の面から、Tダイを用いる押出キャスト法が好ましい。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね融点以上、430℃以下である。また、結晶性樹脂を使用した場合、耐熱性を付与するための結晶化処理方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出キャスト時に結晶化させる方法(キャスト結晶化法)や製膜ライン内で、熱処理ロールや熱風炉等により結晶化させる方法(インライン結晶化法)及び製膜ライン外で、熱風炉や熱プレス等により結晶化させる方法(アウトライン結晶化法) などを挙げることができる。
第2の本発明である金属積層体としては、上記ガラスクロス含有白色フィルムの少なくとも片面に金属層を積層したものであれば特に制限されず、金属層としては、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等の、厚さ5〜70μm程度の金属箔を使用することができる。これらの中でも、金属箔としては、通常銅箔が使用され、さらに表面を黒色酸化処理等の化成処理を施したものが好適に使用される。導体箔は、接着効果を高めるために、フィルムとの接触面(重ねる面)側を予め化学的又は機械的に粗化したものを用いることが好ましい。表面粗化処理された導体箔の具体例としては、電解銅箔を製造する際に電気化学的に処理された粗化銅箔などが挙げられる。
第3の本発明であるLED搭載用基板としては、上記金属積層体を用いてなるものであれば、特に制限されることはなく、例えば、両面基板やアルミ板との複合基板が挙げられる。
LEDの高輝度化に伴い、より放熱性が要求される場合には、アルミ板と複合化することにより放熱性を向上させることも可能である。アルミ板との複合基板の構成としては、アルミ板全面に本発明のガラスクロス含有白色フィルムからなる金属積層体を積層する場合や、本発明の白色フィルムからなる金属積層体にキャビティー(凹部)構造用の窓枠を抜き、積層する場合が挙げられる。使用するアルミについては、熱可塑性樹脂との密着性を考慮すると粗化されていることが望ましいが、キャビティー構造を考慮した場合には、LEDからの光を効率よく反射させるために鏡面アルミを用いることが好ましい。また放熱性を向上させる点においては、フィルムの厚みは薄い方が好ましい。
[実施例]
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準じて、試料10mgを加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラフから求めた。
分光光度計(「U−4000」、株式会社日立製作所製)に積分球を取りつけ、アルミナ白板の反射率が100%としたときの反射率を、波長400nm〜800nmにわたって、0.5nm間隔で測定した。得られた測定値の平均値を計算し、この値を平均反射率とした。
熱風循環式オーブンに、200℃で4時間、260℃で5分間加熱処理し、加熱処理後の反射率を上記の方法と同様に測定して、470nmにおける反射率を読みとった。
セイコーインスツルメンツ(株)製の熱応力歪み測定装置TMA/SS6100を用いて、フィルムから切り出した短冊状の試験片(長さ10mm)を引張荷重0.1gで固定し、30℃から5℃/分の割合で300℃まで昇温させ、MD(α1(MD))とTD(α1(TD))の熱膨張量の降温時の30℃〜140℃の温度依存性を求めた。
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm2、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過時間を計測し、これより酸化チタンの平均粒径を算出した。
[貯蔵弾性率測定]
得られたサンプルを4mmx60mmの大きさに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測(株)製:DVA−200)を用い、振動周波数1Hz、ひずみ0.1%、チャック間2.5cm、昇温速度3℃/分で−50℃から400℃までの範囲でTDについて測定し、260℃における貯蔵弾性率を測定した。
[比較例1]
[比較例2]
[比較例3]
一方、比較例1においては、加熱処理後の反射率の低下に優れているが、寸法安定性、実装工程に対する耐熱性に劣り、比較例2〜3においては、初期反射率は高いものの、加熱処理後の反射率の低下が大きいことが確認された。
20 導体パターン、配線パターン
30 ボンディングワイヤ
100 白色フィルム
200 LED
300 アルミ板
400 ガラスクロス
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂及び無機充填材を含有する樹脂組成物と、ガラスクロスとからなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が70%以上であって、かつ200℃で4時間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が10%以下であることを特徴とするガラスクロス含有白色フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂が、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂及び液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーから選択されるいずれか1種以上である、請求項1記載のガラスクロス含有白色フィルム。
- 前記無機充填材が、少なくとも酸化チタンを含有する、請求項1又は2記載のガラスクロス含有白色フィルム。
- フィルムの厚みが、3〜500μmである、請求項1〜3のいずれか記載のガラスクロス含有白色フィルム。
- 260℃で5分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が、10%以下である、請求項1〜4のいずれか記載のガラスクロス含有白色フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか記載のガラスクロス含有白色フィルムの少なくとも片面に、金属層を積層してなる金属積層体。
- 請求項6記載の金属積層体を用いてなるLED搭載用基板。
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