JP2010273325A - 交換レンズ及びカメラボディ - Google Patents

Abstract

【課題】滑らかな動画像を撮影可能にする交換レンズ及びそのような交換レンズを装着可能なカメラボディを提供する。
【解決手段】交換レンズは、カメラボディに着脱可能で、カメラボディからのコマンドに応じて動作するものであって、開口径を変更することにより被写体からの光量を調整する絞り（２６０）と、絞りの開口径を変更する駆動手段（２６１）と、カメラボディからの指示に応じて、絞りの開口径を変更するように駆動手段を制御する制御手段（２４０）と、を備え、制御手段は、絞りの開口径の変更中に、カメラボディから新たな指示を受け付けると、開口径の変更完了を待つことなく、新たな指示に基づいて絞りの開口径を変更するよう駆動手段を制御する。
【選択図】図１

Description

本発明は、カメラボディに着脱可能な交換レンズ及び交換レンズを装着可能なカメラボディに関する。

電子スチルカメラには、撮像素子で撮像した被写体の動画像を液晶ディスプレイで表示できる機能を有するものがある（例えば、特許文献１参照）。このような電子スチルカメラでは、そのような機能がＯＮされると、被写体の動画像を液晶ディスプレイに表示する。

また、電子スチルカメラは、レリーズボタンが操作されていない時は、絞り手段を予め設定した絞り値に固定し、電子シャッタのみを制御して露出制御する。一方、レリーズボタンが操作されると、絞り手段を適正絞り値に制御するとともに電子シャッタを制御して露出制御する。このような制御により、電子スチルカメラは、被写体の動画像を表示する際には、絞りの切り替えによる不自然な輝度変化を防止し、かつ消費電力を極力抑えるとともに、静止画の撮影時には、スミアなどのない良好な画像を記録できるようにしている。

特開平１１−１１２８６５号公報

しかしながら、特許文献１が開示する電子スチルカメラは、静止画の記録を前提としており、動画の記録を前提としていない。すなわち、特許文献１の電子スチルカメラは、シャッタースピードの変更のみによって露出調整を行っているため、動画撮影において、周囲の明るさが所定以上明るくなったときにシャッタースピードが速くなってしまう。そのため、特許文献１の電子スチルカメラでは、滑らかな動画像の撮影が困難である。

本発明は、滑らかな動画像を撮影可能にする交換レンズ及びそのような交換レンズを装着可能なカメラボディを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の交換レンズは、カメラボディに着脱可能で、カメラボディからのコマンドに応じて動作する交換レンズであって、開口径を変更することにより被写体からの光量を調整する絞りと、絞りの開口径を変更する駆動手段と、カメラボディからの指示に応じて、絞りの開口径を変更するように駆動手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、絞りの開口径の変更中に、カメラボディから新たな指示を受け付けると、開口径の変更完了を待つことなく、新たな指示に基づいて絞りの開口径を変更するよう駆動手段を制御する。

本発明のカメラボディは、絞りを有する交換レンズを装着可能であって、画像データを生成する撮像手段と、交換レンズから絞りの絞り値を取得する絞り値取得手段と、交換レンズから、動画撮影に適しているか否かを示す動画対応情報を取得する動画対応情報取得手段と、撮像手段により生成された画像データ、絞り値取得手段により取得された絞り値、及び動画対応情報取得手段により取得された動画対応情報に応じて、絞りの開口径の変更に関してカメラボディを制御する制御手段とを備える。

本発明によれば、交換レンズが、絞りの開口径の変更中にカメラボディから新たな指示を受け付けると、開口径の変更完了を待つことなく、新たな指示に基づいて絞りの開口径を変更するため、滑らかな動画像を撮影できる。

本発明の交換レンズとカメラボディを含むカメラシステムの構成を示すブロック図 動画対応情報を示す図 撮影準備動作を示すシーケンス図 撮影動作を示すフローチャート 動画撮影に対応していない交換レンズにおける絞り調整のシーケンス図、 動画撮影に対応した交換レンズにおける絞り調整のシーケンス図

以下、添付の図面を参照し本発明の実施の形態を説明する。

１．実施の形態
１−１．概要
図１に、本実施の形態のカメラシステムを示す。カメラシステム１は、カメラボディ１００と交換レンズ２００を含む。交換レンズ２００は、光量を調整するための絞り２６０を有する。交換レンズ２００は、カメラボディ１００から受けた指示に応じて、絞り２６０を駆動する。本実施の形態の交換レンズ２００は、動画に適した交換レンズであって、絞り２６０の開口径の変更中に、カメラボディ１００から新たな指示を受け付けると、開口径の変更完了を待つことなく、新たな指示に基づいて絞り２６０の開口径を変更する。このような交換レンズ２００と、そのような交換レンズ２００を装着したカメラボディ１００とを含む本実施の形態のカメラシステム１によれば、絞り２６０の制御を柔軟に行うことができ、滑らかな動画像を撮影できる。

１−２．構成
１−２−１．カメラボディの構成
カメラボディ１００は、主として、ＣＣＤイメージセンサ１１０と、液晶モニタ１２０と、カメラコントローラ１４０と、ボディマウント１５０と、電源１６０と、カードスロット１７０と、を備える。

カメラコントローラ１４０は、レリーズ釦１３０等の操作部材からの指示に応じて、カメラシステム１全体（例えば、ＣＣＤイメージセンサ１１０）を制御する制御手段である。カメラコントローラ１４０は、垂直同期信号をタイミング発生器１１２に送信する。また、カメラコントローラ１４０は、垂直同期信号をタイミング発生器１１２に送信するタイミングと相関のある周期で、露光同期信号を交換レンズ２００のレンズコントローラ２４０に通知する。カメラコントローラ１４０は、制御動作や画像処理動作の際に、ＤＲＡＭ１４１をワークメモリとして使用する。

フラッシュメモリ１４２は、カメラコントローラ１４０が制御する際に使用するプログラムやパラメータ等を保存する。

ＣＣＤイメージセンサ１１０は、交換レンズ２００を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する撮像手段である。ＡＤコンバータ１１１は、ＣＣＤイメージセンサ１１０で生成された画像データをデジタル化する。カメラコントローラ１４０は、ＡＤコンバータ１１１でデジタル化された画像データに対して様々な画像処理を施す。この様々な画像処理とは、具体的には例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、ＹＣ変換処理、電子ズーム処理、ＪＰＥＧ圧縮処理などの画像圧縮処理等である。

ＣＣＤイメージセンサ１１０は、タイミング発生器１１２で制御されるタイミングに基づいて動作する。具体的には例えば、ＣＣＤイメージセンサ１１０は、タイミング発生器１１２で制御されるタイミングに基づいて、静止画像の撮像、動画像の撮像、スルー画像の撮像等を行う。ここで、スルー画像とは、撮像後、メモリーカード１７１に記録しない画像である。スルー画像は、主に動画像であり、静止画像の撮像時に構図を決めるために液晶モニタ１２０に表示される。

液晶モニタ１２０は、カメラコントローラ１４０で画像処理された表示用画像データが示す画像を表示する。液晶モニタ１２０は、動画像と静止画像を選択的に表示可能である。

カードスロット１７０は、メモリーカード１７１を装着可能である。カードスロット１７０は、カメラコントローラ１４０からの制御に基づいて、メモリーカード１７１を制御する。メモリーカード１７１は、カメラコントローラ１４０の画像処理により生成された画像データを格納可能である。例えば、メモリーカード１７１は、ＪＰＥＧ画像ファイルを格納できる。また、メモリーカード１７１は、内部に格納する画像データ又は画像ファイルを出力できる。メモリーカード１７１から出力された画像データ又は画像ファイルは、カメラコントローラ１４０で画像処理される。例えば、カメラコントローラ１４０は、メモリーカード１７１から取得した画像データ又は画像ファイルを伸張して表示用画像データを生成する。

電源１６０は、カメラシステム１で消費される電力を供給する。電源１６０は、例えば、乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電源コードにより外部から供給される電力をカメラシステム１に供給するものであってもよい。

ボディマウント１５０は、交換レンズ２００のレンズマウント２５０と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント１５０は、レンズマウント２５０を介して、交換レンズ２００との間で、コマンドやデータを送受信可能である。ボディマウント１５０は、カメラコントローラ１４０から受信した種々の制御信号を、レンズマウント２５０を介してレンズコントローラ２４０に送信する。また、ボディマウント１５０は、電源１６０から受けた電力をレンズマウント２５０を介して交換レンズ２００全体に供給する。

本実施の形態のボディマウント１５０は、交換レンズ２００から絞り２６０の絞り値を取得する絞り値取得手段と、交換レンズ２００から動画撮影に適しているか否かを示す動画対応情報２７０を取得する動画対応情報取得手段と、制御信号を交換レンズ２００に送信するボディ通知手段と、を構成する。本実施の形態のカメラコントローラ１４０は、ＣＣＤイメージセンサ１１０により生成された画像データと、ボディマウント１５０により取得された絞り値及び動画対応情報２７０とに応じて、絞りの開口径の変更に関してカメラシステム１を制御する制御手段を構成し、絞り２６０の開口径を変更するか否かを判定する判定手段と、絞り２６０を制御する制御信号（駆動要求信号）を生成する生成手段と、を含む。

１−２−２．交換レンズの構成
交換レンズ２００は、主として、光学系と、レンズコントローラ２４０と、レンズマウント２５０と、を備える。交換レンズ２００の光学系は、ズームレンズ２１０、ＯＩＳレンズ（図示せず）、絞り２６０、及びフォーカスレンズ２３０を含む。

ズームレンズ２１０は、交換レンズ２００の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ２１０は、１枚又は複数枚のレンズで構成される。駆動機構２１１は、使用者が操作可能なズームリング等を含み、使用者による操作をズームレンズ２１０に伝え、ズームレンズ２１０を光学系の光軸方向に沿って移動させる。検出器２１２は、駆動機構２１１における駆動量を検出する。レンズコントローラ２４０は、この検出器２１２における検出結果を取得することにより、光学系におけるズーム倍率を把握することができる。

絞り２６０は、光学系を通過する光の量を調整するための部材である。絞り２６０は、例えば、複数の絞り羽根からなり、羽根で構成する開口部を開閉することにより、光量を調整可能である。絞りモータ２６１は、絞り２６０の開口部を開閉するための駆動手段（変更手段）である。検出器２６２は、絞り２６０の開口径を検出する。検出器２６２は、例えばＭＲセンサで実現可能である。

フォーカスレンズ２３０は、光学系でＣＣＤイメージセンサ１１０上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ２３０は、１枚又は複数枚のレンズで構成される。フォーカスモータ２３３は、レンズコントローラ２４０の制御に基づいて、フォーカスレンズ２３０が光学系の光軸に沿って進退するよう駆動する。これにより、光学系でＣＣＤイメージセンサ１１０上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させることができる。フォーカスモータ２３３は、本実施の形態では、ステッピングモータを用いる。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、サーボモータ、超音波モータなどによって、フォーカスモータ２３３を実現できる。

レンズコントローラ２４０は、カメラコントローラ１４０からの制御信号に基づいて、交換レンズ２００全体を制御する制御手段である。また、レンズコントローラ２４０は、検出器２１２などから信号を受信して、カメラコントローラ１４０に送信する。レンズコントローラ２４０は、レンズマウント２５０及びボディマウント１５０を介して、カメラコントローラ１４０と送受信を行う。レンズコントローラ２４０は、制御の際、ＳＲＡＭ２４１をワークメモリとして使用する。

フラッシュメモリ２４２は、レンズコントローラ２４０の制御の際に使用されるプログラムやパラメータ等を保存する記憶手段である。特に、本実施の形態においては、フラッシュメモリ２４２は、交換レンズ２００が動画撮影に適した交換レンズであるか否かを示す動画対応情報２７０を記憶する。動画対応情報２７０の詳細については後述する。

レンズマウント２５０は、カメラボディ１００のボディマウント１５０と機械的及び電気的に接続可能である。レンズマウント２５０は、ボディマウント１５０を介して、カメラボディ１００との間で、コマンドやデータを送受信可能である。レンズマウント２５０は、レンズコントローラ２４０から受信した種々の制御信号を、ボディマウント１５０を介して、カメラコントローラ１４０に送信する。

１−２−３．動画対応情報
本実施の形態の交換レンズ２００が備える動画対応情報２７０について説明する。図２に動画対応情報２７０を示す。「動画対応情報」とは、交換レンズ２００が動画撮影に適しているか否かを示す情報であり、具体的には交換レンズ２００が動画撮影に適した絞り２６０の制御が可能な交換レンズか否かを示す情報である。本実施の形態では、図２に示すように、動画対応情報２７０として、１ビットの情報を用いる。フラグ「１」は、交換レンズが動画撮影に適している交換レンズであることを示し、フラグ「０」は、交換レンズが動画撮影に適していない交換レンズであることを示す。すなわち、動画撮影に適している交換レンズは、動画対応情報２７０として「１」をフラッシュメモリ２４２に記憶する。一方、動画撮影に適していない交換レンズは、動画対応情報２７０として「０」をフラッシュメモリ２４２に記憶する。

本実施の形態において、交換レンズが動画撮影に適しているかどうか（すなわち、フラグ「１」と「０」のいずれを設定しておくか）は、絞り２６０を連続して駆動できるか否かで決定する（連続駆動要件）。具体的には、カメラボディ１００からの絞りの駆動指示に基づいた絞りの制御が完了する前に、カメラボディ１００から新たな絞りの駆動指示が通知されたときに、新たな駆動指示に基づいて絞り２６０を駆動制御することが可能かどうかで決定する。

前の駆動指示に基づく絞り２６０の制御が完了していなくても、新たな駆動指示に基づいて絞り２６０を駆動制御することが可能な交換レンズに対しては、動画撮影に適した交換レンズとして、フラグ「１」を設定する。このような交換レンズ２００がカメラボディ１００に装着されて動画撮影が実行された場合、パン撮影等により周囲の明るさが急に変化した場合であっても、絞り２６０の駆動を柔軟に制御することができる。そのため、明るさの変化が滑らかな動画像を撮像することができる。よって、前の駆動指示に基づく絞り２６０の制御が完了していなくても、新たな駆動指示に基づいて絞り２６０を駆動制御することが可能な交換レンズを、動画撮影に適した交換レンズとして設定する。

一方、前の駆動指示に基づく絞り２６０の制御が完了していない場合に、新たな駆動指示に基づいて絞り２６０を駆動制御することが不可能な交換レンズに対しては、動画撮影に適していない交換レンズとして、フラグ「０」を設定する。このような交換レンズがカメラボディ１００に装着されて動画撮影が実行された場合、パン撮影等により周囲の明るさが急に変化すると、絞り２６０の駆動を柔軟に制御することができない。絞り２６０の制御を柔軟にすることができない場合、カメラコントローラ１４０は、露出を制御するためにシャッタースピードを変更する必要が生じる。しかし、周囲の明るさが所定より明るくなって、カメラボディ１００がシャッタースピードを所定値より速くすると、滑らかな動画像を撮影することができなくなる。よって、絞り２６０の駆動が完了する前に新たな絞り駆動の指示を受け付けたとしても、新たな指示に基づいて絞りの駆動を行うことができないような交換レンズは、動画に適さない交換レンズとして設定する。

本実施の形態において、図１に示す交換レンズ２００は動画撮影に適しているレンズを例示しているため、フラッシュメモリ２４２は、動画対応情報２７０として、フラグ「１」を記憶している。

１−３．撮影準備動作
カメラシステム１による撮像準備の動作について説明する。図３に、本実施の形態にかかるカメラシステム１の撮像準備動作のための信号の送受信のシーケンスを示す。カメラボディ１００に交換レンズ２００を装着した状態で、使用者が、カメラボディ１００の電源をＯＮすると、電源１６０は、ボディマウント１５０及びレンズマウント２５０を介して、交換レンズ２００に電力を供給する（Ｓ１１）。次に、カメラコントローラ１４０は、レンズコントローラ２４０に対して、交換レンズ２００の認証情報を要求する（Ｓ１２）。交換レンズ２００の「認証情報」には、交換レンズ２００が装着されているか否かに関する情報及びアクセサリーが装着されているか否かに関する情報が含まれる。レンズコントローラ２４０は、カメラコントローラ１４０からのレンズ認証要求に応答する（Ｓ１３）。

カメラコントローラ１４０は、レンズコントローラ２４０に対して、初期化動作をするよう要求する（Ｓ１４）。これを受けて、レンズコントローラ２４０は、絞り２６０のリセット、ＯＩＳレンズのリセット等の初期化動作を行う。その後、レンズコントローラ２４０は、カメラコントローラ１４０に対して、レンズ初期化動作が完了した旨を返信する（Ｓ１５）。

カメラコントローラ１４０は、レンズコントローラ２４０に対して、レンズデータを要求する（Ｓ１６）。レンズデータは、交換レンズ２００のフラッシュメモリ２４２に格納されている。そこで、レンズコントローラ２４０は、フラッシュメモリ２４２からレンズデータを読み出して、カメラコントローラ１４０に返信する（Ｓ１７）。ここで、レンズデータとは、レンズ名称、Ｆナンバー、焦点距離、動画対応情報等を含む交換レンズ２００に特有の特性値である。

カメラコントローラ１４０が、カメラボディ１００に装着されている交換レンズ２００のレンズデータを把握すると、撮像可能な状態になる。

撮影可能な状態になると、カメラコントローラ１４０は、レンズコントローラ２４０に対して、交換レンズ２００の状態を示すレンズ状態データを定期的に要求する（Ｓ１８）。レンズ状態データは、例えば、ズームレンズ２１０によるズーム倍率情報、フォーカスレンズ２３０の位置情報、絞り２６０の絞り値情報などを含む。この要求に応えて、レンズコントローラ２４０は、カメラコントローラ１４０に対して、要求されたレンズ状態データを返信する（Ｓ１９）。

１−４．撮影動作
次に、図４及び図５Ａ、５Ｂを用いて、カメラシステム１による撮像の動作について説明する。カメラシステム１は、撮影可能な状態になると、使用者がレリーズ釦１３０等の操作部材を操作することにより、撮影動作を開始する。図４に、カメラボディ１００による動画撮影時の交換レンズ２００の絞り２６０の制御のフローを示す。

カメラコントローラ１４０は、ＣＣＤイメージセンサ１１０で撮像された画像データの輝度情報に基づいて、絞り値の目標値を算出する（Ｓ４１）。また、カメラコントローラ１４０は、露光同期信号の周期と相関のある周期で、レンズコントローラ２４０から絞り値及び焦点距離に関する情報を取得している。カメラコントローラ１４０は、動画撮影中、交換レンズ２００の絞り２６０の絞り値の変更が必要かどうかを判断する（Ｓ４２）。例えば、カメラコントローラ１４０は、ＣＣＤイメージセンサ１１０により生成された画像データから算出した絞り値の新たな目標値と、レンズコントローラ２４０から取得した絞り値とが異なるかどうかを判断する。

絞り値の変更が必要であると判断すると、カメラコントローラ１４０は、図３のステップＳ１７で交換レンズ２００から取得した動画対応情報２７０に基づいて、装着している交換レンズが動画撮影に適しているかどうかを判断する（Ｓ４３）。交換レンズ２００が動画撮影に適している場合、すぐに絞りの駆動を指示する絞り駆動要求を交換レンズ２００に通知する。具体的には、絞り２６０を制御する制御信号である駆動要求信号を生成し（Ｓ４５）、その駆動要求信号を交換レンズ２００に送信する（Ｓ４６）。一方、交換レンズが動画撮影に適していない場合、前回の絞りの駆動要求に対する終了通知を交換レンズから受信したかどうかを判断する（Ｓ４４）。前回の絞りの駆動要求に対する終了通知を既に受信している場合は、絞り２６０を制御する制御信号である駆動要求信号を生成し（Ｓ４５）、その駆動要求信号を交換レンズ２００に送信する（Ｓ４６）。一方、前回の絞りの駆動要求に対する終了通知を受信していない場合は、終了通知を受信するまで待機した後、絞り駆動要求を交換レンズ２００に通知する。

図５Ａ及び図５Ｂは、動画撮影を行う際における、カメラボディ１００と交換レンズ間の絞り駆動を説明した図である。図５Ａに、動画撮影に適していない交換レンズがカメラボディに装着された場合の絞りの制御を例示する。図５Ｂに、動画撮影に適した交換レンズである本実施の形態の交換レンズ２００がカメラボディ１００に装着された場合の絞り２６０の制御を示す。

最初に、図５Ａを用いて、カメラボディ１００が、動画撮影に適していない交換レンズ（「動画対応情報＝０」の交換レンズ又は動画対応情報を備えていない従来の交換レンズ）を装着した場合の絞りの制御について、具体的に説明する。

カメラボディ１００は、動画撮影中に絞り２６０の調整が必要になると、露光同期信号に同期して、絞りの駆動を指示する駆動要求信号を交換レンズに通知する（ｔ４）。本例では、カメラボディ１００は、絞り値をＦ８からＦ２．８に駆動するように指示するとする。

交換レンズは、駆動要求信号を取得すると、Ｆ２．８を目標値として絞りの駆動を開始する（ｔ４）。絞りの開口径が、目標値であるＦ２．８と焦点距離とから求まる開口径に到達し、Ｆ値がＦ２．８になると、交換レンズは、カメラボディ１００に対して絞り駆動の終了を意味する終了通知を通知する（ｔ５）。

その後、カメラボディ１００は、新たに絞りの駆動が必要になると、再度、交換レンズに対して新たに駆動要求信号を通知する（ｔ６）。ここでは、カメラボディ１００は、絞りの絞り値をＦ２．８からＦ５．６に駆動するように指示する。交換レンズは、駆動要求信号を取得すると絞りの駆動を開始し、絞りの駆動が終了すると、カメラボディ１００に対して終了信号を通知する（ｔ７）。

このように、本実施形態のカメラボディ１００は、交換レンズが動画撮影に適していない場合、すなわち、動画対応情報が「０」の場合（または、動画対応情報が取得できなかった場合）は、交換レンズからの終了通知を取得するまでの間に絞りの変更の必要が生じたとしても、交換レンズから終了通知を取得するまでは、交換レンズに新たに絞りの駆動を指示する駆動要求信号を通知しない。例えば、交換レンズから、Ｆ値がＦ２．８に達したことを示す終了通知を受け取る前に、絞り値をＦ５．６に変更する必要が生じたとしても、新たな駆動要求信号を、終了通知を受け取る前には通知せず、終了通知を受け取った後の露光同期信号のタイミングで通知する（ｔ６）。

次に、図５Ｂを用いて、カメラボディ１００が、動画撮影に適している交換レンズ（「動画対応情報＝１」の交換レンズ）を装着した場合の絞りの制御について、具体的に説明する。

本実施の形態の交換レンズ２００は動画撮影に適したものである。カメラボディ１００は、絞り２６０の調整が必要になると、露光同期信号に同期して、絞り２６０の駆動を指示する駆動要求信号を交換レンズ２００に通知する（ｔ１）。ここでは、カメラボディ１００は、絞り２６０の絞り値をＦ８．０からＦ２．８に駆動するように指示する。交換レンズ２００は、駆動要求信号を取得すると、Ｆ２．８を目標値として絞りの駆動を開始する（ｔ１）。

カメラボディ１００に装着されている交換レンズが動画撮影に適している場合、すなわち、動画対応情報２７０が「１」の場合、カメラボディ１００は、交換レンズ２００から終了通知を取得する前であっても、絞りの変更の必要が生じたときに、露光同期信号のタイミングに応じて新たに駆動要求信号を交換レンズ２００に通知する。例えば、交換レンズ２００から、Ｆ値がＦ２．８に達したことを示す終了通知を受け取る前に、絞り値をＦ５．６に変更する必要が生じた場合、新たな駆動要求信号を露光同期信号のタイミングで通知する（ｔ２）。

交換レンズ２００は、カメラボディ１００から新たな駆動要求信号を取得すると、絞り２６０の開口径が目標値であるＦ２．８と焦点距離とから求まる開口径に到達する前であっても、Ｆ値が新たな目標値となるよう絞り２６０の駆動を開始する（ｔ２）。例えば、時間ｔ２の時点ではＦ値が「４．０」であり、交換レンズ２００の明るさは最初にカメラボディ１００から指示された目標値であるＦ２．８に到達していない。しかし、交換レンズ２００は、新たにカメラボディ１００から指示された目標値「５．６」に基づいて、絞り２６０の駆動を開放方向への駆動から閉鎖方向への駆動へと切り替えて、Ｆ値が「５．６」となるように絞り２６０を駆動する。Ｆ値が５．６になると、交換レンズ２００は、カメラボディ１００に終了通知を通知する（ｔ３）。

このように、動画対応の交換レンズ２００は、絞り２６０の駆動中に新たにカメラボディ１００から絞り２６０の駆動指示を受け付けた場合、絞り２６０の駆動が完了していなくても、新たな駆動指示に基づいて、絞り２６０を駆動制御する。

１−５．まとめ
本実施の形態の交換レンズ２００は、動画撮影に適した交換レンズである。すなわち、絞り２６０の開口径の変更完了を待つことなく、カメラボディ１００からの新たな指示に基づいて、絞り２６０の開口径を変更する。よって、滑らかな動画像を撮影できる。

また、本実施の形態の交換レンズ２００は動画対応情報２７０を備え、カメラボディ１００は、撮像準備段階で、この動画対応情報２７０を取得する。そのため、カメラボディ１００は、装着された交換レンズが動画撮影に適した交換レンズであるか否かを認識することができる。これにより、例えば、動画撮影に適さない交換レンズがカメラボディ１００に装着されたとしても、カメラボディ１００は、その交換レンズに対して絞りの駆動を指示する駆動要求信号を一旦通知した後、その駆動要求信号に対する終了通知を交換レンズから取得するまでの間、新たに駆動要求信号を通知しないようにすることができる。これにより、以下の不具合を防ぐことができる。

カメラボディ１００が、動画撮影に適していない交換レンズに対して駆動要求信号を一旦通知後、その駆動要求に対する終了通知を取得する前に、新たな駆動要求信号を通知した場合、カメラボディ１００は、交換レンズが新たに通知した駆動要求信号に基づいて駆動していると誤認してしまう。一方、動画非対応の交換レンズは、終了通知を通知する前に取得した新たな駆動要求信号の通知を無視する。従って、実際には、交換レンズの絞り値は、カメラボディ１００によって新たに通知された駆動要求信号で通知されたものではなく、一つ前に通知された駆動要求信号で通知された値となる。そのため、カメラボディ側は新たな駆動要求信号に基づいて交換レンズが駆動していると認識するのに対し、交換レンズは一つ前の駆動要求信号に基づいて駆動しているといった不具合が生じてしまう。しかし、本実施の形態のように、カメラボディ１００が動画対情報２７０に基づき、装着された交換レンズが動画撮影に適していない場合は、終了通知を交換レンズから取得するまでは新たに駆動要求信号を通知しないように制御することにより、以上のような不具合を防止できる。

なお、本実施の形態において、動画対応情報２７０（すなわち、動画撮影に適した交換レンズであるか否か）は、交換レンズ２００が絞り２６０の駆動が完了する前に新たな絞りの駆動指示をカメラボディ１００から取得した場合に、新たな指示に基づいて絞り２６０の駆動を制御できるか否かのみによって、設定した。すなわち、絞り２６０の駆動の完了を待たずに、新たな指示に基づいて絞り２６０の駆動を制御できること（連続駆動要件）を、動画対応であると決定する要件とした。しかしながら、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、上記連続駆動要件に、所定以上静かに（すなわち、絞りの駆動音が所定レベル以下で）絞りを駆動できるか否かの要件（静音要件）を加えてもよい。具体的には、交換レンズ２００が、絞り２６０の駆動が完了する前に、カメラボディ１００から新たな絞りの駆動指示を取得したときに、新たな指示に基づいて絞り２６０の駆動を制御でき、かつ、所定レベル以下の駆動音で絞り２６０を駆動できる場合にのみ、動画撮影に適していると判断して、動画対応情報２７０を「１」に設定するようにしてもよい。例えば、交換レンズ２００による絞り２６０の駆動音が所定レベル以上であった場合、交換レンズ２００が絞り２６０を頻繁に駆動させると、その駆動音が動画の音声としてメモリーカード１７１に記録されてしまう。そのため、このような場合は、駆動音ができるだけ記録されないようにするために、絞り２６０が頻繁に駆動されないようにすることが好ましい。よって、動画対応（動画対応情報＝１）であるとする要件として、駆動音が所定レベル以下であるか否かの要件を加える。これにより、カメラボディ１００は、雑音を比較的低減した動画像を撮影できるようになる。さらに、連続駆動要件及び静音要件に加えて、絞り２６０の停止精度が所定レベル以上かどうかの要件（停止精度要件）を加えても良い。

本実施の形態においては、取得した動画対応情報２７０に応じて、駆動要求信号を交換レンズに通知するか否かを切り換えた。具体的には、ステップＳ４３及びＳ４４の処理をステップＳ４５の前に実行することにより、カメラコントローラ１４０が、取得した動画対応情報２７０に応じて、駆動要求信号を生成するか否かを切り換えた。すなわち、絞りの駆動が完了する前に絞り値の新たな目標値の算出が行われた場合において、動画対応情報が「１」である場合は、カメラコントローラ１４０は絞りの駆動が完了する前であっても駆動要求信号を生成し、動画対応情報が「０」である場合には、絞りの駆動が完了する前は駆動要求信号を生成しない構成とした。しかしながら必ずしもこのような構成とする必要はない。カメラコントローラ１４０は、動画非対応の交換レンズが、前の絞り駆動要求に対する絞りの駆動が完了する前に新たな絞り駆動要求を受信してしまうことを、任意の処理段階で回避すればよい。

例えば、カメラコントローラ１４０は、ステップＳ４３及びＳ４４の処理をステップＳ４５とステップＳ４６の間に実行して、動画対応情報２７０の内容に応じて、絞り変更途中における新たな絞り駆動要求信号の送信の可否を決定することにより、動画非対応の交換レンズが、前の絞り駆動要求に対する絞りの駆動が完了する前に新たな絞り駆動要求を受信してしまうことを回避してもよい。

また、例えば、カメラコントローラ１４０は、ステップＳ４３及びＳ４４の処理をステップＳ４１の前に実行して、動画対応情報２７０に基づいて、絞り値の新たな目標値の算出を行うか否かを切り換えても良い。具体的には、動画対応情報が「１」である場合には、カメラコントローラ１４０は、絞りの駆動が完了する前であっても絞り値の新たな目標値の算出を行うが、動画対応情報が「０」である場合には、絞りの駆動が完了する前は絞り値の新たな目標値の算出を行わないようにしてもよい。

また、例えば、カメラコントローラ１４０は、ステップＳ４３及びＳ４４の処理をステップＳ４１とＳ４２の間に実行して、動画対応情報２７０に基づいて、絞りの開口径を変更する制御を行うか否かの判定（すなわち、絞り値の変更が必要か否かの判定）を実行するか否かを切り換えても良い。具体的には、動画対応情報が「１」である場合には、カメラコントローラ１４０は、絞りの駆動が完了する前であっても、絞りの開口径を変更する制御を行うか否かの判定を実行するが、動画対応情報が「０」である場合には、絞りの駆動が完了する前は絞りの開口径を変更する制御を行うか否かの判定を実行しないようにしてもよい。

本実施の形態においては、動画像を記録するカメラシステム１の動作について説明したが、カメラシステム１の動作は必ずしも上述したものである必要はない。例えば、スルー画像を撮像するカメラシステム１の動作中に、カメラコントローラ１４０は、本実施の形態で説明した制御と同一の制御を適用してもよい。

本発明は、滑らかな動画像を撮影できるという効果を有し、カメラボディに装着可能な交換レンズであって、カメラボディから交換レンズ内の絞りの制御が可能な交換レンズ、及びそのような交換レンズを装着可能なカメラボディに有用である。

１ カメラシステム
１００ カメラボディ
１１０ ＣＣＤイメージセンサ
１１１ ＡＤコンバータ
１１２ タイミング発生器
１２０ 液晶モニタ
１３０ レリーズ釦
１４０ カメラコントローラ
１４１ ＤＲＡＭ
１４２ フラッシュメモリ
１５０ ボディマウント
１６０ 電源
１７０ カードスロット
１７１ メモリーカード
２００ 交換レンズ
２１０ ズームレンズ
２１１ 駆動機構
２１２ 検出器
２３０ フォーカスレンズ
２３３ フォーカスモータ
２４０ レンズコントローラ
２４１ ＳＲＡＭ
２４２ フラッシュメモリ
２６０ 絞り
２６１ 絞りモータ
２６２ 検出器

Claims (6)

1. カメラボディに装着可能で、前記カメラボディからのコマンドに応じて動作する交換レンズであって、
   開口径を変更することにより被写体からの光量を調整する絞りと、
   前記絞りの開口径を変更する駆動手段と、
   前記カメラボディからの指示に応じて、前記絞りの開口径を変更するように前記駆動手段を制御する制御手段と、
   を備え、
   前記制御手段は、前記絞りの開口径の変更動作中に、前記カメラボディから新たな指示を受け付けると、開口径の変更動作の完了を待つことなく、前記新たな指示に基づいて前記絞りの開口径を変更するよう前記駆動手段を制御する、
   交換レンズ。
2. 前記交換レンズが動画撮影に適しているか否かを示す動画対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
   前記記憶手段に記憶されている前記動画対応情報が、動画撮影に適していることを示す場合に、前記制御手段は、前記絞りの開口径の変更動作中に、前記カメラボディから新たな指示を受け付けると、開口径の変更完了を待つことなく、前記新たな指示に基づいて前記絞りの開口径を変更するよう前記駆動手段を制御する、
   請求項１に記載の交換レンズ。
3. 請求項２に記載の交換レンズを装着可能なカメラボディであって、
   画像データを生成する撮像手段と、
   前記交換レンズから前記絞りの絞り値を取得する絞り値取得手段と、
   前記交換レンズから、動画撮影に適しているか否かを示す動画対応情報を取得する動画対応情報取得手段と、
   前記撮像手段により生成された画像データ、前記絞り値取得手段により取得された絞り値、及び前記動画対応情報取得手段により取得された動画対応情報に応じて、前記絞りの開口径の変更に関してカメラボディを制御する制御手段と、
   を備える、カメラボディ。
4. 前記制御手段は、
   前記撮像手段により生成された画像データと前記絞り値取得手段により取得された絞り値とに基づいて、前記絞りの開口径を変更するか否かを判定する判定手段を含み、
   前記絞りが開口径を変更している最中における、前記判定手段による前記判定を実行するか否かを、前記取得された前記動画対応情報に応じて切り替える、請求項３に記載のカメラボディ。
5. 前記制御手段は、
   前記撮像手段により生成された画像データと前記絞り値取得手段により取得された絞り値とに基づいて、前記絞りの開口径を変更するか否かを判定する判定手段と、
   前記判定手段による判定結果に基づいて、前記絞りを制御する制御信号を生成する生成手段と、を含み、
   前記絞りが開口径を変更している最中における、前記生成手段による前記制御信号の生成を実行するか否かを、前記取得された前記動画対応情報に応じて切り替える、請求項３に記載のカメラボディ。
6. 前記制御手段は、
   前記撮像手段により生成された画像データと前記絞り値取得手段により取得された絞り値とに基づいて、前記絞りの開口径を変更するか否かを判定する判定手段と、
   前記判定手段による判定結果に基づいて、前記絞りを制御する制御信号を生成する生成手段と、
   前記生成手段により生成された前記制御信号を前記交換レンズに送信するボディ通知手段と、
   を含み、
   前記絞りが開口径を変更している最中における、前記ボディ通知手段による前記制御信号の送信を実行するか否かを、前記動画対応情報取得手段により取得された前記動画対応情報に応じて切り替える、請求項３に記載のカメラボディ。

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