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JP2010269385A - S字加減速軌道生成方法および多関節型ロボットシステム - Google Patents

S字加減速軌道生成方法および多関節型ロボットシステム Download PDF

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JP2010269385A JP2009121811A JP2009121811A JP2010269385A JP 2010269385 A JP2010269385 A JP 2010269385A JP 2009121811 A JP2009121811 A JP 2009121811A JP 2009121811 A JP2009121811 A JP 2009121811A JP 2010269385 A JP2010269385 A JP 2010269385A
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Abstract

【課題】加減速時の振動を極力抑えつつ、ロボットの動作サイクルタイム短縮や機構やモータへの過大な負荷を軽減することが可能なS字加減速軌道生成方法および多関節型ロボットシステムを提供する。
【解決手段】基準関節軸の暫定的なS字加減速軌道を生成し、この暫定的なS字加減速軌道において、加速度が最大となる区間のうち速度が最大となる時刻tm1または加速度が最小となる区間のうち速度が最大となる時刻tm2を算出する。次に、予め設定された動力学モデルを用いて、時刻tm1または時刻tm2における各関節の推定トルクτを算出する。その後、S字加速度到達時間を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクτが予め設定された目標トルクτtgになるように、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、S字加減速軌道生成方法および多関節型ロボットシステムに係り、とりわけ加減速時の振動を極力抑えつつ、ロボットの動作サイクルタイムの短縮や機構やモータへの過大な負荷を軽減することが可能なS字加減速軌道生成方法および多関節型ロボットシステムに関する。
一般に、多関節型ロボットのアームを各関節軸を中心として回転させる際、回転を開始したからの時間と角速度との関係を示すグラフがS字を描くように制御(S字加減速制御)することが行われている。すなわち、回転開始時に角加速度を0から徐々に上昇させてゆき、次いで一定時間等角加速度とした後、角加速度を徐々に低下させ、0とする。この状態で一定時間等角速度でアームを回転した後、角加速度を0から徐々に低下させてゆき、一定時間負の等角加速度で回転させる。その後、角加速度を徐々に上昇させて0としている。
一方、特許文献1には、第i軸における発生トルクが許容最大トルクとなるような限界加減速時間を求める技術が開示されている。
特開平7−261822号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術の場合、角加速度を変更するために加速時間全体を伸縮させている。この技術をS字加減速軌道制御に対して適用する場合、S字加速度到達時間(回転を開始してから等角加速度に達するまでの時間)も含めて時間を伸縮させることになる。この結果、動作パターンによっては、S字加速度到達時間が「アームの固有周波数」よりも小さくなることがある。これにより、振動が発生してしまう場合がある。この場合、制動時などに位置決め精度が低下し、非常に使いづらいものとなる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、S字加速度到達時間を一定に保持することにより、加減速時の振動を極力抑えつつ、ロボットの動作サイクルタイム短縮や機構やモータへの過大な負荷を軽減することが可能なS字加減速軌道生成方法および多関節型ロボットシステムを提供することを目的とする。
本発明は、複数の関節軸を有するロボットについて、各々の関節軸を駆動するためのS字加減速軌道を生成するS字加減速軌道生成方法において、ロボットの動作目標位置と動作パターンとに基づいて、動作目標位置までの各関節軸の移動時間を求め、最も移動時間の長い関節軸を基準関節軸に決定する工程と、基準関節軸に対する暫定的なS字加減速軌道を生成する工程と、暫定的なS字加減速軌道において、加速度が最大となる区間のうち速度が最大となる時刻tm1を算出し、または加速度が最小となる区間のうち速度が最大となる時刻tm2を算出する工程と、予め設定された動力学モデルを用いて、時刻tm1または時刻tm2における各関節軸の推定トルクを算出する工程と、各関節軸毎に加速を開始してから最大加速度に到達するまでの最大加速度到達時間、または減速を開始してから最小加速度に到達するまでの最小加速度到達時間を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める工程と、このようにして求めた基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度に基づいて、基準関節軸のS字加減速軌道がこの修正最大加速度または修正最小加速度をもつよう修正した修正S字加減速軌道を生成する工程と備えたことを特徴とするS字加減速軌道生成方法である。
本発明は、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める工程は、動力学モデルを用いることにより、暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最大加速度または最小加速度と、時刻tm1または時刻tm2における各関節軸の推定トルクが予め設定された各関節軸の目標トルクに一致するとした場合の各関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度との比である加速度変更率を全関節軸分算出する工程と、算出された各関節軸の加速度変更率のうち、最小となる最小加速度変更率を求める工程と、この最小加速度変更率を暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最大加速度または最小加速度に乗じることにより、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める工程とを含むことを特徴とするS字加減速軌道生成方法である。
本発明は、複数の関節軸を有する多関節型ロボットシステムにおいて、ロボット本体と、ロボット本体を制御する制御装置とを備え、制御装置は、ロボットの動作目標位置と動作パターンとに基づいて、動作目標位置までの各関節軸の移動時間を求め、最も移動時間の長い関節軸を基準関節軸に決定する基準関節軸決定処理部と、基準関節軸に対する暫定的なS字加減速軌道を生成する第1S字加減速軌道生成部と、暫定的なS字加減速軌道において、加速度が最大となる区間のうち速度が最大となる時刻tm1を算出し、または加速度が最小となる区間のうち速度が最大となる時刻tm2を算出する時刻算出部と、予め設定された動力学モデルを用いて、時刻tm1または時刻tm2における各関節軸の推定トルクを算出する演算処理部と、各関節軸毎に加速を開始してから最大加速度に到達するまでの最大加速度到達時間、または減速を開始してから最小加速度に到達するまでの最小加速度到達時間を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める角加速度変更処理部と、このようにして求めた基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度に基づいて、基準関節軸のS字加減速軌道がこの修正最大加速度または修正最小加速度をもつよう修正した修正S字加減速軌道を生成する第2S字加減速軌道生成部と有することを特徴とする多関節型ロボットシステムである。
本発明によれば、各関節軸の最大加速度到達時間または最小加速度到達時間(S字加速度到達時間)を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める。この結果、加減速時の振動の発生を抑えつつ、ロボットの動作パターンや負荷条件に合わせて加速度を最適化することができる。また、S加減速軌道動作において、位置決め精度を低下させること無く、ロボットの関節軸をスムーズに加速、減速させることができる。
本発明の一実施の形態による多関節型ロボットシステムを示す概略構成図。 本発明の一実施の形態によるS字加減速軌道生成方法を示すフロー図。 暫定的なS字加減速軌道における、時刻と基準関節軸の角速度との関係および、時刻と基準関節軸の角加速度との関係を示すグラフ。 加速時における、時刻と基準関節軸の角速度との関係および、時刻と基準関節軸の角加速度との関係を示すグラフ。
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。ここで、図1乃至図4は、本発明の一実施の形態を示す図である。
(多関節型ロボットシステムの構成)
まず、図1により、多関節型ロボットシステムの全体構成について説明する。ここでは、多関節型ロボットシステムとして、3つの関節軸を有する多関節型ロボットを含むシステムを例に挙げて説明する。
図1に示すように、多関節型ロボットシステム100は、ロボット本体10と、ロボット本体10に接続されるとともに、ロボット本体10を制御する制御装置20とを備えている。
このうちロボット本体10は、床面に固定された基台11と、基端側(基台11)から先端側に向かって順次設けられ、互いに異なる3つの関節軸J1〜J3を介してそれぞれ連結された3つのアーム体(第1アーム体12、第2アーム体13、および第3アーム体14)とを有している。
このうち第1アーム体12は、第1関節軸J1を中心に基台11に対して回動可能となっている。また第1アーム体12と第2アーム体13との間に第2関節軸J2が介在され、第2アーム体13は、第2関節軸J2を中心に回動可能となっている。また第2アーム体13と第3アーム体14との間に第3関節軸J3が介在され、第3アーム体14は、第3関節軸J3を中心に回動可能となっている。
一方、制御装置20は、RAM30と、RAM30に接続されたCPU40とを有している。
このうちRAM30には、教示情報31と、S字加減速パラメータ情報32と、モデルパラメータ情報33と、目標トルク情報34とが記憶されている。以下、これらの情報の概要について簡単に説明する。
教示情報31には、ユーザーにより設定される動作プログラムに基づいて定められた、ロボットの動作目標位置(例えば教示点)および動作パターン(例えば補間方法)等の情報が含まれている。
S字加減速パラメータ情報32には、暫定的なS字加減速軌道を生成する際に用いられる、各関節軸J1〜J3の最大角速度、各関節軸J1〜J3の最大角加速度および最小角加速度、ならびに各関節軸J1〜J3の最大角加速度到達時間および最小角加速度到達時間(以下、S字加速度到達時間ともいう)等の情報が含まれている。なお、S字加減速パラメータ情報32に含まれる各種情報は、上述した動作プログラムに関わらず、予め関節軸J1〜J3毎に所定の値に設定されているものである。
モデルパラメータ情報33には、モデルパラメータ(アーム質量(Kg)、リンクオフセット量(mm)、重心オフセット(mm)、重心周り慣性モーメント(Kg・m2)等)、および各関節軸J1〜J3の摩擦係数等の情報が含まれている。
目標トルク情報34には、各関節軸J1〜J3毎に予め設定された、各関節軸J1〜J3の目標トルクの情報が含まれている。
他方、CPU40は、プログラムで与えられた目標位置までの各関節軸の移動時間を求め、最も移動時間の長い関節軸を基準関節軸に決定する基準関節軸決定処理部48と、基準関節軸の暫定的なS字加減速軌道を生成する第1S字加減速軌道生成部41と、後述する時刻tm1および時刻tm2を算出する時刻算出部42と、動力学モデルを用いて演算処理を行う演算処理部43とを有している。
またCPU40は、基準関節軸の修正最大角加速度および修正最小角加速度を求める角加速度変更処理部44と、基準関節軸の修正最大角加速度および修正最小角加速度に基づいて、基準関節軸のS字加減速軌道がこの修正最大角加速度および修正最小角加速度をもつよう修正した、修正S字加減速軌道を生成する第2S字加減速軌道生成部45とを有している。
さらに、CPU40内には、基準関節軸の修正S字加減速軌道に基づいて処理周期毎の各関節軸J1〜J3の目標位置を算出する目標位置算出部46と、目標位置に基づいてロボット本体10を作動させるサーボ部47とが設けられている。
(基準関節軸決定方法およびS字加減速軌道生成方法)
次に、図2乃至図4により、本実施の形態による基準関節軸決定方法およびS字加減速軌道生成方法について説明する。
まず、CPU40の基準関節軸決定処理部48は、教示情報31に含まれるロボットの動作目標位置および動作パターンと、S字加減速パラメータ情報32に含まれる情報、具体的には、各関節軸J1〜J3の最大角速度とに基づいて、プログラムで与えられた目標位置までの各関節軸J1〜J3の移動時間を求め、最も移動時間の長い関節軸を基準関節軸に決定する(図2のステップS0)。
次にCPU40の第1S字加減速軌道生成部41は、教示情報31に含まれるロボットの動作目標位置および動作パターンと、S字加減速パラメータ情報32に含まれる情報、具体的には、各関節軸J1〜J3の最大角速度、各関節軸J1〜J3の最大角加速度および最小角加速度、ならびに各関節軸J1〜J3の最大角加速度到達時間および最小角加速度到達時間の情報とに基づいて、基準関節軸に対する暫定的なS字加減速軌道を生成する(図2のステップS1)。この暫定的なS字加減速軌道を求める方法は、従来一般的に行われるS字加減速軌道算出方法と同様にして行うことができる。
この暫定的なS字加減速軌道に基づくグラフを図3に示す。図3において、上段のグラフは、移動開始時刻(T0)からの時刻と基準関節軸の角速度との関係を示している。また下段のグラフは、移動開始時刻(T0)からの時刻と基準関節軸の角加速度との関係を示している。
続いて、CPU40の時刻算出部42は、暫定的なS字加減速軌道において、加速時に角加速度が最大となる区間(図3では時刻T1と時刻T2との間の区間)のうち、角速度が最大となる時刻tm1(図3では時刻T2)を算出する。同様に、CPU40の時刻算出部42は、減速時に角加速度が最小となる区間(図3では時刻T5と時刻T6との間の区間)のうち、角速度が最大となる時刻tm2(図3では時刻T5)を算出する(図2のステップS2)。
次に、CPU40の演算処理部43は、モデルパラメータ情報33と、予め設定された動力学モデルとを用いて、時刻tm1および時刻tm2における各関節軸J1〜J3の推定トルクを算出する(図2のステップS3)。なお上述したように、モデルパラメータ情報33には、モデルパラメータ(アーム質量(Kg)、リンクオフセット量(mm)、重心オフセット(mm)、重心周り慣性モーメント(Kg・m2)等)、および各関節軸J1〜J3の摩擦係数等の情報が含まれる。
ここで動力学モデルは、以下の式で示される。
τ=M(Θ)Θ”+B(Θ)[Θa’Θb’]+C(Θ)[Θ’2]+G(Θ)+D(Θ’)+τFcsgn(Θ’) ・・・(1)
なお、動力学モデルの式(1)中、各項の意味は以下の通りである。
τ:各関節軸の推定トルク行列(n行1列の行列)
Θ、Θ’、Θ”:それぞれ関節軸角度行列、関節軸角速度行列、関節軸角加速度行列(n行1列の行列)
Θ’2:同じ関節軸の角速度積行列(n行1列の行列)
Θa’・Θb’:異なる軸の角速度積行列({n・(n−1)/2}行1列の行列)
M(Θ):慣性(質量)行列(n行n列の行列)
B(Θ):コリオリ力項行列(n行{n・(n−1)/2}列の行列)
C(Θ):遠心力行列(n行n列の行列)
G(Θ):重力行列(n行n列の行列)
D(Θ’):粘性摩擦力行列(n行1列の行列)
τFcsgn(Θ’):クーロン摩擦力行列(n行1列の行列)
なお、上記において、nは関節軸J1〜J3の軸数(本実施の形態においてはn=3)を表している。
ところで、動力学モデルの式(1)のうち、コリオリ力項行列、遠心力行列、重力行列、粘性摩擦力行列およびクーロン摩擦力行列は、いずれも角加速度Θ”の関数ではないので、これらの行列を合算してτother(n行1列の行列)とおく。この場合、上述した動力学モデル(1)は、以下のように表すことができる。
τ=M(Θ)Θ”+τother(Θ、Θ’) ・・・(2)
(但し、τother(Θ、Θ’) =B(Θ)[Θa’Θb’]+C(Θ)[Θ’2]+G(Θ)+D(Θ’)+τFcsgn(Θ’))
続いて、CPU40の角加速度変更処理部44は、各関節軸J1〜J3毎に加速を開始してから最大角加速度に到達するまでの最大角加速度到達時間(図3では時刻T0と時刻T1との間の時間)を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最大角加速度を求める。
同様に、CPU40の角加速度変更処理部44は、各関節軸J1〜J3毎に減速を開始してから最小角加速度に到達するまでの最小角加速度到達時間(図3では時刻T4と時刻T5との間の時間)を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最小角加速度を求める。
具体的には、以下のようにして基準関節軸の修正最大角加速度および修正最小角加速度を求める。
まず、時刻tm1および時刻tm2において、S字加速度到達時間は一定としたまま、角加速度のみを変更することにより、目標トルク(τtg)(n行1列の行列)を発生させることを考える。
ここで、上述した時刻tm1(図3では時刻T2)における関節軸J1〜J3の角度行列、角速度行列、角加速度行列を、それぞれΘAcc、ΘAcc’、ΘAcc”(それぞれn行1列の行列)とおく。
また、上述した時刻tm2(図3では時刻T5)における関節軸J1〜J3の角度行列、角速度行列、角加速度行列を、それぞれΘDec、ΘDec’、ΘDec”(それぞれn行1列の行列)とおく。
さらに、修正最大角加速度および修正最小角加速度を求めるための角加速度変更率を含む行列を、αAcc(加速時)、αDec(減速時)(それぞれn行1列の行列)とする。
なお、加速時の角加速度変更率(αAccの各成分)は、上述した暫定的なS字加減速軌道(図3、および図4(a)(b)の点線参照)における各関節軸J1〜J3の最大角加速度(ΘAcc”の各成分)と、時刻tm1における各関節軸J1〜J3の推定トルク(τ)が予め設定された各関節軸J1〜J3の目標トルク(τtg)に一致するとした場合(すなわちτ=τtg)の各関節軸J1〜J3の修正最大角加速度(後述するΘAcc_N”の各成分)との比となる(図4(b)参照)。すなわち、加速時の角加速度変更率は、{(ΘAcc_N”の各成分)/(ΘAcc”の各成分)}となる。
同様に、減速時の角加速度変更率(αDecの各成分)は、上述した暫定的なS字加減速軌道(図3、および図4(a)(b)の点線参照)における各関節軸J1〜J3の最小角加速度(ΘDec”の各成分)と、時刻tm2における各関節軸J1〜J3の推定トルク(τ)が予め設定された各関節軸J1〜J3の目標トルク(τtg)に一致するとした場合(すなわちτ=τtg)の各関節軸J1〜J3の修正最小角加速度(後述するΘDec_N”の各成分)との比となる。すなわち、減速時の角加速度変更率は、{(ΘDec_N”の各成分)/(ΘDec”の各成分)}となる。
なお、図4(a)は、加速時における、移動開始時刻(T0)からの時間と各関節軸J1〜J3の角速度との関係を示しており、図4(b)は、加速時における、移動開始時刻(T0)からの時間と各関節軸J1〜J3の角加速度との関係を示している。図4(a)(b)において、上述した暫定的なS字加減速軌道のグラフを点線で示し、後述する修正S字加減速軌道のグラフを実線で示している。
この場合、上述した動力学モデル(2)は、以下のように書き直すことができる。
τtg=M(ΘAcc)αAccΘAcc”+τother(ΘAcc、ΘAcc’) ・・・(3)
τtg=M(ΘDec)αDecΘDec”+τother(ΘDec、ΘDec’) ・・・(4)
この(3)式および(4)式を変形すると、角加速度変更率行列(αAcc、αDec)は、以下のようにして求めることができる。
Figure 2010269385
このようにして、上記(5)式を用いることにより、各関節軸J1〜J3の加速時の角加速度変更率行列(αAcc)を求め、全ての各関節軸J1〜J3の加速時の角加速度変更率(αAccの各成分)を算出する(図2のステップS4)。
同様に、上記(6)式を用いることにより、各関節軸J1〜J3の減速時の角加速度変更率行列(αDec)を求め、全ての関節軸J1〜J3の減速時の角加速度変更率(αDecの各成分)を算出する(図2のステップS4)。
次に、CPU40の角加速度変更処理部44は、全ての関節軸J1〜J3の加速時の角加速度変更率(αAcc)の中からその値が最小となる関節軸を選択し、この角加速度変更率を最小角加速度変更率(αAcc_MIN)とする(図2のステップS5)。
同様に、CPU40の角加速度変更処理部44は、全ての関節軸J1〜J3の減速時の角加速度変更率(αDec)の中からその値が最小となる関節軸を選択し、この角加速度変更率を最小角加速度変更率(αDec_MIN)とする(図2のステップS5)。
続いて、この最小角加速度変更率(αAcc_MIN、αDec_MIN)を、暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最大角加速度および最小角加速度にそれぞれ乗じることにより、基準関節軸の修正最大角加速度および修正最小角加速度を求める(図2のステップS6)。
すなわち、加速時における基準関節軸の修正最大角加速度を、ΘAcc_NB”、暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最大角加速度をΘAcc_B”とおくと、この修正最大角加速度ΘAcc_NB”は、、
ΘAcc_NB”=αAcc_MIN・ΘAcc_B” ・・・(7)
により求められる。
同様に、減速時における基準関節軸の修正最小角加速度を、ΘDec_NB”、暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最小角加速度をΘDec_B”とおくと、この修正最小角加速度ΘDec_NB”は、
ΘDec_NB”=αDec_MIN・ΘDec_B” ・・・(8)
により求められる。
続いて、CPU40の第2S字加減速軌道生成部45は、この変更された基準関節軸の修正最大角加速度(ΘAcc_NB”) および修正最小角加速度(ΘDec_NB”)に基づいて、基準関節軸のS字加減速軌道が修正最大角加速度(ΘAcc_NB”)または修正最小角加速度(ΘDec_NB”)をもつよう修正した修正S字加減速軌道を生成する(図2のステップS7)。
その後、CPU40の目標位置算出部46が、基準関節軸の修正S字加減速軌道に基づいて処理周期毎の各関節軸J1〜J3の目標位置を算出する。次いで、サーボ部47が、この目標位置に基づいてロボット本体10を作動させる。
このように本実施の形態によれば、各関節軸J1〜J3のS字加速度到達時間(最大角加速度到達時間および最小角加速度到達時間)を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、修正最大角加速度および修正最小角加速度を求めている。この結果、加減速時の振動の発生を抑えつつ、ロボットの動作パターンや負荷条件に合わせて角加速度を最適化することができる。また、S加減速軌道動作において、位置決め精度を低下させること無く,スムーズに加速、減速させることができる。
なお本実施の形態において、加速時および減速時の両方の場合に修正最大角加速度および修正最小角加速度を求めているが、これに限らず、加速時または減速時の一方の場合にのみ、上述した方法で修正最大角加速度または修正最小角加速度を求め、この修正最大角加速度または修正最小角加速度のいずれか一方に基づいて修正S字加減速軌道を生成しても良い。
また本実施の形態において、各関節軸J1〜J3がそれぞれ回転動作する場合について説明してきたが、直線運動する関節についても同様の考え方を適用することができる。この場合、本実施の形態中の「角度」、「角速度」、および「角加速度」の語をそれぞれ「位置」、(狭義の)「速度」、および(狭義の)「加速度」と置き換えて読むことができる。
10 ロボット本体
11 基台
12 第1アーム体
13 第2アーム体
14 第3アーム体
20 制御装置
30 RAM
31 教示情報
32 S字加減速パラメータ情報
33 モデルパラメータ情報
34 目標トルク情報
40 CPU
41 第1S字加減速軌道生成部
42 時刻算出部
43 演算処理部
44 角加速度変更処理部
45 第2S字加減速軌道生成部
46 目標位置算出部
47 サーボ部
48 基準関節軸決定処理部
100 多関節型ロボットシステム
1〜J3 関節軸

Claims (3)

  1. 複数の関節軸を有するロボットについて、各々の関節軸を駆動するためのS字加減速軌道を生成するS字加減速軌道生成方法において、
    ロボットの動作目標位置と動作パターンとに基づいて、動作目標位置までの各関節軸の移動時間を求め、最も移動時間の長い関節軸を基準関節軸に決定する工程と、
    基準関節軸に対する暫定的なS字加減速軌道を生成する工程と、
    暫定的なS字加減速軌道において、加速度が最大となる区間のうち速度が最大となる時刻tm1を算出し、または加速度が最小となる区間のうち速度が最大となる時刻tm2を算出する工程と、
    予め設定された動力学モデルを用いて、時刻tm1または時刻tm2における各関節軸の推定トルクを算出する工程と、
    各関節軸毎に加速を開始してから最大加速度に到達するまでの最大加速度到達時間、または減速を開始してから最小加速度に到達するまでの最小加速度到達時間を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める工程と、
    このようにして求めた基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度に基づいて、基準関節軸のS字加減速軌道がこの修正最大加速度または修正最小加速度をもつよう修正した修正S字加減速軌道を生成する工程と備えたことを特徴とするS字加減速軌道生成方法。
  2. 基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める工程は、
    動力学モデルを用いることにより、暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最大加速度または最小加速度と、時刻tm1または時刻tm2における各関節軸の推定トルクが予め設定された各関節軸の目標トルクに一致するとした場合の各関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度との比である加速度変更率を全関節軸分算出する工程と、
    算出された各関節軸の加速度変更率のうち、最小となる最小加速度変更率を求める工程と、
    この最小加速度変更率を暫定的なS字加減速軌道における基準関節軸の最大加速度または最小加速度に乗じることにより、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める工程とを含むことを特徴とする請求項1記載のS字加減速軌道生成方法。
  3. 複数の関節軸を有する多関節型ロボットシステムにおいて、
    ロボット本体と、
    ロボット本体を制御する制御装置とを備え、
    制御装置は、
    ロボットの動作目標位置と動作パターンとに基づいて、動作目標位置までの各関節軸の移動時間を求め、最も移動時間の長い関節軸を基準関節軸に決定する基準関節軸決定処理部と、
    基準関節軸に対する暫定的なS字加減速軌道を生成する第1S字加減速軌道生成部と、
    暫定的なS字加減速軌道において、加速度が最大となる区間のうち速度が最大となる時刻tm1を算出し、または加速度が最小となる区間のうち速度が最大となる時刻tm2を算出する時刻算出部と、
    予め設定された動力学モデルを用いて、時刻tm1または時刻tm2における各関節軸の推定トルクを算出する演算処理部と、
    各関節軸毎に加速を開始してから最大加速度に到達するまでの最大加速度到達時間、または減速を開始してから最小加速度に到達するまでの最小加速度到達時間を一定に保持したまま、動力学モデルを用いて求めた推定トルクが予め設定された目標トルクになるように、基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度を求める角加速度変更処理部と、
    このようにして求めた基準関節軸の修正最大加速度または修正最小加速度に基づいて、基準関節軸のS字加減速軌道がこの修正最大加速度または修正最小加速度をもつよう修正した修正S字加減速軌道を生成する第2S字加減速軌道生成部と有することを特徴とする多関節型ロボットシステム。
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