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JP2010134227A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2010134227A JP2008310686A JP2008310686A JP2010134227A JP 2010134227 A JP2010134227 A JP 2010134227A JP 2008310686 A JP2008310686 A JP 2008310686A JP 2008310686 A JP2008310686 A JP 2008310686A JP 2010134227 A JP2010134227 A JP 2010134227A
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Kenji Maeyama
健志 前山
Shigeo Uetake
重夫 植竹
Junya Hirayama
順哉 平山
Makiko Watanabe
麻紀子 渡邉
Toshiya Natsuhara
敏哉 夏原
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Konica Minolta Business Technologies Inc
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Abstract

【課題】複数のトナー担持体を設けたハイブリッド現像方式において、トナー担持体上の現像残トナーの回収を促進することで、高速現像時の濃度低下が発生することがなく、かつ現像履歴(ゴースト)が発生しない高画質な現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤担持体の回転方向上流側の第1のトナー担持体へのトナー供給によって現像剤中に生じたカウンターチャージが、下流側の第2のトナー担持体に現像剤が移動するまで減衰しきらず、現像剤中に残留するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に担持搬送するトナーで、像担持体上に形成された潜像を現像する複数のトナー担持体と、表面に現像剤を担持搬送し、前記複数のトナー担持体に前記現像剤中のトナーを供給する現像剤担持体とを有する現像装置、及び該現像装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置において、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像方式として、トナーのみを用いる一成分現像法及びトナーとキャリヤを用いる二成分現像法が知られている。
一成分現像法では一般的にトナーをトナー担持体とトナー担持体に押圧された規制板とによって形成される規制部を通過させることでトナーを帯電し、所望のトナー薄層を得ることができ、装置の簡略化、小型化、低コスト化の面で有利である。
一方で、規制部の強いストレスによりトナーの劣化が促進され易く、トナーの電荷受容性が低下しやすい。さらに、トナーへの電荷付与部材である規制部材やトナー担持体表面がトナーや外添剤により汚染されることでトナーへの電荷付与性も低下する。そのため、トナー帯電量がより低下し、かぶり等の問題を引き起こすなど、現像装置の寿命が短い。
比較すると、二成分現像法ではトナーをキャリヤと混合し、摩擦帯電で帯電するためストレスが小さく、さらに、キャリヤ表面積が大きいため、トナーや外添剤による汚染に対しても相対的に強く、長寿命に有利である。
しかしながら、二成分現像法では像担持体上の静電潜像を現像する際に、現像剤により形成される磁気ブラシによって像担持体表面を摺擦するため、現像された像に磁気ブラシ痕が発生するという課題を有している。さらに、像担持体にキャリヤが付着しやすく、画像欠陥となる課題を有している。
二成分現像剤を用いた二成分現像法の長寿命の特長を有しながら、画像欠陥の問題を解決し、一成分現像法なみの高画質を実現する現像方式として、現像剤担持体上に二成分現像剤を担持し二成分現像剤からトナーのみをトナー担持体に供給して現像に用いる、所謂ハイブリッド現像方式が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッド現像方式では、高速現像時の濃度低下や現像履歴(ゴースト)のような課題があった。
高速現像時の濃度低下とは、高速で画像形成した場合、現像ニップ時間に対してトナーの飛翔が追いつかず、画像濃度が低下する課題である。
非接触一成分現像と共通の課題ではあるが、通常の一成分現像ではトナーに強いストレスを与えるため、規制部での発熱やトナー融着の制約があり、低速領域のみで使用されてきた。そのため、これまでそれほど問題視されてこなかった。ハイブリッド現像ではこれらの制約がないため、かなり高速で画像形成することが可能になる。例えばシステムスピードが500mm/sを超えるような装置においては、上記の課題が発生する恐れが出てくる。
現像履歴(ゴースト)の問題とは、ハイブリッド現像方式が一般的に抱える課題であり、トナー担持体上の現像に使用されなかった現像残トナーが、次の現像工程において現像履歴(ゴースト)として画像上に現れる現象である。
トナー担持体にトナーを供給する現像剤担持体とトナー担持体の対向部(供給領域)では現像に供するトナーを供給しているが、現像残トナーの回収も同じ現像剤担持体との対向部で行っている。この際トナーを供給するため供給方向のバイアスを印加している。そのことがトナーの回収を阻害し、回収能力が不足してしまう。そのため現像残トナーが多い部分と少ない部分とが、次の現像工程において濃度のコントラストとして現れてしまう現象である。
高速現像時の濃度低下に対する方策として、トナー担持体を複数設け、トナーの飛翔に必要な総現像ニップ時間を稼いでトナー濃度を確保する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の構成では、感光体を高速回転させてもトナーが複数回に渡って飛翔するため、感光体上にトナー像を確実に形成させ、高速化に伴うトナー像の濃度低下を抑えることができる。また、この構成では1つのトナー担持体によって現像されるトナー量を、トナー担持体が1本のみの場合に比べて小さくできるため、トナーを現像した部分と現像しなかった部分の濃淡が抑えられ、ゴーストの発生も比較的小さくできることが開示されている。
特開平5−150636号公報 特開2005−37523号公報
しかしながら本発明者らが検討した結果、特許文献2に記載の構成によっても、実際にはトナー担持体上から現像残トナーを回収する能力がいまだ不足している。その結果、濃淡の上から次のトナー供給を行うことになるため、濃淡のコントラストをある程度小さくすることはできても、十分に濃淡をなくしたトナー層を形成することができず、ゴーストを完全に解消するには至っていないことがわかった。
本発明の目的は、上記の技術的課題を鑑み、複数のトナー担持体を設けたハイブリッド現像方式において、トナー担持体上の現像残トナーの回収を促進することで、高速現像時の濃度低下を抑えることができ、かつ現像履歴(ゴースト)の発生を抑制した高画質な現像装置及びそれを用いた画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.表面にトナーを担持搬送し、像担持体上に形成された潜像を前記トナーで現像する複数のトナー担持体と、
前記複数のトナー担持体と対向して配置され、表面に現像剤を担持搬送し、前記複数のトナー担持体に前記現像剤中のトナーを供給する現像剤担持体と
を有する現像装置において、
前記複数のトナー担持体は、前記現像剤担持体の回転方向上流側で該現像剤担持体と対向する第1のトナー担持体と、下流側で対向する第2のトナー担持体とを含み、
前記第1のトナー担持体との対向部で、前記現像剤担持体の担持搬送する前記現像剤からのトナー供給によって前記現像剤中に生じたカウンターチャージが、
前記第2のトナー担持体との対向部に前記現像剤が移動するまで減衰しきらず、前記現像剤中に残留するように構成された
ことを特徴とする現像装置。
2.前記現像剤担担持体上に担持搬送される前記現像剤の薄層における表面電荷の減衰時定数をτ、前記現像剤担担持体上の前記現像剤の薄層が前記第1のトナー担持体との対向部から前記第2のトナー担持体との対向部まで搬送されるのに要する時間をt12としたときに、
前記τと前記t12がt12/τ<10の関係を満たすよう設定された
ことを特徴とする前記1に記載の現像装置。
3.前記τと前記t12がt12/τ<0.1の関係を満たすよう設定された
ことを特徴とする前記2に記載の現像装置。
4.前記第1のトナー担持体と前記現像剤担持体の回転方向が互いにカウンター方向である
ことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の現像装置。
5.前記第2のトナー担持体と前記現像剤担持体の回転方向が互いにカウンター方向である
ことを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の現像装置。
6.前記第1のトナー担持体上のトナー量が、前記第2のトナー担持体上のトナー量より多くなるように設定されている
ことを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の現像装置。
7.前記第2のトナー担持体と前記現像剤担持体との最近接部での間隔が、前記第1のトナー担持体と前記現像剤担持体との最近接部での間隔よりも狭く設定されている、
ことを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の現像装置。
8.像担持体と、該像担持体上に形成された潜像を現像するための現像装置を備えた画像形成装置であって、
前記現像装置は前記1から7の何れか1項に記載の現像装置である
ことを特徴とする画像形成装置。
9.前記第1のトナー担持体が前記第2のトナー担持体より先に、前記像担持体上に形成された潜像を現像するように配置された
ことを特徴とする前記8に記載の画像形成装置。
本発明に係る現像装置及びそれを用いた画像形成装置によれば、複数のトナー担持体を設けたハイブリッド現像方式において、現像剤担持体の回転方向上流側の第1のトナー担持体へのトナー供給によって現像剤中に生じたカウンターチャージが、下流側の第2のトナー担持体に現像剤が移動するまで減衰しきらず、現像剤中に残留するように構成されている。
これにより、トナー担持体上の現像残トナーの回収を促進することができ、高速現像時の濃度低下を抑えることができ、かつ現像履歴(ゴースト)の発生を抑制した高画質な画像を得ることができる。
本発明の実施の一形態について図面を用いて説明する。
(画像形成装置の構成と動作)
図1に本発明の一実施形態による画像形成装置の主要部の構成例を示す。図1を用いて本実施形態に係る画像形成装置の概略構成と動作を説明する。
この画像形成装置は、電子写真方式により像担持体(感光体)1に形成されたトナー像を用紙等の転写媒体Pに転写して画像形成を行うプリンターである。
この画像形成装置は画像を担持するための像担持体1を有しており、像担持体1の周囲には、像担持体1を帯電するための帯電手段としての帯電部材3、像担持体1上の静電潜像を現像する現像装置2、像担持体1上のトナー像を転写するための転写ローラ4、及び像担持体1上の残留トナー除去用のクリーニングブレード5が、像担持体1の回転方向Aに沿って順に配置されている。
像担持体1は、帯電部材3で帯電された後に、レーザ発光器などを備えた露光装置6により露光されて、その表面上に静電潜像が形成される。現像装置2は、この静電潜像を現像し、トナー像を形成する。転写ローラ4は、この像担持体1上のトナー像を転写媒体Pに転写した後、図中の矢印C方向に排出する。クリーニングブレード5は、転写後の像担持体1上の残留トナーを、その機械的な力で除去する。
画像形成装置に用いられる像担持体1、帯電部材3、露光装置6、転写ローラ4、クリーニングブレード5等は、周知の電子写真方式の技術を任意に使用してよい。例えば、帯電手段として図中、帯電ローラが示されているが、像担持体1と非接触の帯電装置であってもよい。また例えば、クリーニングブレードはなくてもよい。
本実施形態に係るハイブリッド現像方式の現像装置2の基本部の構成を説明する。
現像装置2は、以下の構成要素を備える。すなわち、キャリヤとトナーを含む現像剤23を収容する現像剤槽17、現像剤槽17から供給された現像剤23を表面に担持して搬送する現像剤担持体13、現像剤担持体13からトナーのみが供給され、前記像担持体1上に形成された静電潜像を現像する第1のトナー担持体24及び第2のトナー担持体25を備える。
本実施形態では、上記のように第1と第2のトナー担持体を備えているが、3以上のトナー担持体を備えていてもよい。何れのトナー担持体も現像剤担持体13に対向して配置され、現像剤担持体13の回転方向で上流側を第1のトナー担持体、下流側を第2のトナー担持体、第3以降のトナー担持体の位置は任意とすれば、本実施形態の説明を準用することができる。
現像装置2の詳細な構成と動作については、後述する。
(現像剤の構成)
本実施形態に係る現像装置において使用する現像剤の構成について説明する。
本実施形態において使用する現像剤23はトナーと該トナーを帯電するためのキャリヤを含んでなるものである。
<トナー>
トナーとしては、特に限定されず、一般に使用されている公知のトナーを使用することができ、バインダー樹脂中に着色剤や、必要に応じて荷電制御剤や離型剤等を含有させ、外添剤を処理させたものを使用できる。トナー粒径としてはこれに限定されるものではないが、3〜15μm程度が好ましい。
このようなトナーを製造するにあたっては、一般に使用されている公知の方法で製造することができる。例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等を用いて製造することができる。
トナーに使用するバインダー樹脂としては、これに限定されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)やポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂単体もしくは複合体により、軟化温度が80〜160℃の範囲のものを、またガラス転移点が50〜75℃の範囲のものを用いることが好ましい。
また、着色剤としては、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができ、一般に上記のバインダー樹脂100質量部に対して2〜20質量部の割合で用いることが好ましい。
また、上記の荷電制御剤としても、公知のものを用いることができ、正帯電性トナー用の荷電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などがある。負帯電性トナー用荷電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カリックスアレーン化合物などがある。荷電制御剤は一般に上記のバインダー樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で用いることが好ましい。
また、上記の離型剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス等を単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができ、一般に上記のバインダー樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で用いることが好ましい。
また、上記の外添剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子を使用することができ、特にシランカップリング剤やチタンカップリング剤やシリコーンオイル等で疎水化したものを用いるのが好ましい。そして、このような流動化剤を上記のトナー100質量部に対して0.1〜5質量部の割合で添加させて用いるようにする。外添剤の個数平均一次粒径は10〜100nmであることが好ましい。
さらに上記外添剤として、トナーと逆極性の荷電性を有する逆極性粒子を使用してもよい。好適に使用される逆極性粒子はトナーの帯電極性によって適宜選択される。
トナーとして負帯電性トナーを用いる場合、逆極性粒子としては、正帯電性を有する微粒子が用いられ、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子を使用することができる。また樹脂中に正帯電性を付与する正荷電制御剤を含有させたり、含窒素モノマーの共重合体を構成するようにしてもよい。
上記の正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩等を使用することができ、また上記の含窒素モノマーとしては、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール等を使用することができる。
一方、正帯電性トナーを用いる場合、逆極性粒子としては、負帯電性を有する微粒子が用いられ、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子に加え、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子を使用することができる。また樹脂中に負帯電性を付与する負荷電制御剤を含有させたり、含フッ素アクリル系モノマーや含フッ素メタクリル系モノマーの共重合体を構成するようにしてもよい。上記の負荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸系、ナフトール系のクロム錯体、アルミニウム錯体、鉄錯体、亜鉛錯体等を使用することができる。
また、逆極性粒子の帯電性及び疎水性を制御するために、無機微粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理するようにしてもよく、特に、無機微粒子に正帯電性を付与する場合には、アミノ基含有カップリング剤で表面処理することが好ましく、また負帯電性を付与する場合には、フッ素基含有カップリング剤で表面処理することが好ましい。
逆極性粒子の個数平均粒径は、100〜1000nmであることが好ましい。トナー100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で添加させて用いるようにする。
<キャリヤ>
キャリヤとしては、特に限定されず、一般に使用されている公知のキャリヤを使用することができ、バインダー型キャリヤやコート型キャリヤなどが使用できる。キャリヤ粒径としてはこれに限定されるものではないが、15〜100μmが好ましい。
バインダー型キャリヤは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、キャリヤ表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたり、表面コーティング層を設けることもできる。バインダー型キャリヤの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御することができる。
バインダー型キャリヤに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂が例示される。
バインダー型キャリヤの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。その形状は粒状、球状、針状の何れであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。また、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリヤを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリヤ中に50〜90質量%の量で添加することが適当である。
バインダー型キャリヤの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、これらの樹脂を表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、帯電付与能力を向上させることができる。
バインダー型キャリヤの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリヤと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリヤの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与え、微粒子を磁性樹脂キャリヤ中に打ち込むようにして固定することにより行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリヤ中に完全に埋設されるのではなく、その一部を磁性樹脂キャリヤ表面から突き出すようにして固定される。
帯電性微粒子としては、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的には、有機系としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂及びこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子を用いることができ、帯電レベル及び極性については、素材、重合触媒、表面処理等により、希望するレベルの帯電及び極性を得ることができる。また、無機系としては、シリカ、二酸化チタン等の負帯電性の無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正帯電性の無機微粒子などが用いられる。
一方、コート型キャリヤは磁性体からなるキャリヤコア粒子に樹脂コートがなされてなるキャリヤであり、コート型キャリヤにおいてもバインダー型キャリヤ同様、キャリヤ表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたりできる。コート型キャリヤの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子により制御することができ、バインダー型キャリヤと同様の材料を用いることができる。特にコート樹脂はバインダー型キャリヤのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
トナーとキャリヤの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調整されれば良く、トナー混合比はトナーとキャリヤとの合計量に対して3〜50質量%、好ましくは6〜30質量%が適している。
(現像装置2の構成と動作)
図2は、図1における現像装置2を拡大した構成図である。図2を参照して本実施形態に係る現像装置2の詳細な構成例と動作例を説明する。
<装置構成>
現像装置2において使用する現像剤23は、既述したようにトナーとキャリヤからなり、現像剤槽17に収容される。
現像剤槽17は、ケーシング20により形成されており、通常は内部に混合撹拌部材18、19を収納している。混合撹拌部材18、19は、現像剤23を混合・撹拌し、現像剤担持体13へ現像剤23を供給する。ケーシング20の混合撹拌部材19に対向する位置には、好ましくは、トナー濃度検出用のATDC(Automatic Toner Density Control)センサ21が配設されている。
現像装置2は通常、像担持体1へと消費される分のトナーを現像剤槽17内に補給するための補給部15を有している。補給部15において、補給トナーを収納した図示しないホッパから送られた補給トナー22が現像剤槽17内へ補給される。ATDCセンサ21の出力に基づいて補給動作が制御されるようにすればよい。
現像装置2はまた、現像剤担持体13上の現像剤量を規制するための現像剤薄層化用の規制部材16を有している。
現像剤担持体13は通常、固定配置された磁石ローラ26と、これを内包する回転自在なスリーブローラ27とから構成され、画像形成時にはトナー担持体へとトナーを供給するためのトナー供給バイアスが印加される。
<トナー担持体構成>
2つのトナー担持体24及び25は、それぞれ現像剤担持体13及び像担持体1の両方に対向するように配され、像担持体1上の静電潜像を現像するための現像バイアスが印加されている。
トナー担持体24及び25は上記電圧を印加可能な限りいかなる材料からなっていてもよい。例えば、アルマイト等の表面処理を施したアルミローラが挙げられる。その他アルミ等の導電性基体上に、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コートやシリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングを施したものを用いてもよい。コーティング材料としては、これに限定されるものではない。
さらに上記コーティングのバルクもしくは表面に導電剤が添加されていてもよい。導電剤としては、電子導電剤もしくはイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤として、ケッチンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉、金属酸化物の微粒子等が挙げられるが、これに制約されない。イオン導電剤として、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や、両性化合物、その他イオン性高分子材料が挙げられるが、これにこだわらない。さらに、アルミ等の金属材料からなる導電性ローラであっても構わない。
<装置の動作>
同じく図2を参照して現像装置2の動作例について詳しく説明する。
現像剤槽17内の現像剤23は、混合撹拌部材18、19の回転により混合撹拌され、摩擦帯電すると同時に現像剤槽17内で循環搬送され、現像剤担持体13表面のスリーブローラ27へと供給される。
この現像剤23は、現像剤担持体13内部の磁石ローラ26の磁力によってスリーブローラ27の表面側に保持され、スリーブローラ27と共に回転移動して、現像剤担持体13に対向して設けられた規制部材16で通過量を規制される。
その後、現像剤23は第1のトナー担持体24と対向する第1のトナー供給領域8へと搬送される。
第1のトナー担持体24と現像剤担持体13との対向部の、トナー担持体回転方向下流側である第1のトナー供給領域8では、第1のトナー担持体24に印加された現像バイアスと現像剤担持体13に印加されたトナー供給バイアスの電位差に基づき形成された電界がトナーに与える力により、現像剤23中のトナーが第1のトナー担持体24側へ供給される。
通常、第1のトナー担持体24には直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられ、現像剤担持体13には直流電圧のみ、もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられ、第1のトナー供給領域8には直流電界に交番電界が重畳された電界が形成される。
また第1のトナー担持体24と現像剤担持体13の対向部の、トナー担持体回転方向上流側である第1のトナー回収領域9では、現像剤担持体13上の現像剤23による第1のトナー担持体24上の現像残トナーへの回収作用により、現像残トナーが回収される。
第1のトナー供給領域8及び第1のトナー回収領域9を通過した残りの現像剤23は、現像剤担持体13のスリーブローラ27と共に回転移動して第2のトナー担持体25と対向する第2のトナー供給領域11へと搬送される。
第2のトナー担持体25と現像剤担持体13との対向部の、トナー担持体回転方向下流側である第2のトナー供給領域11では、第1のトナー供給領域8と同様に、第2のトナー担持体25に印加された現像バイアスと現像剤担持体13に印加されたトナー供給バイアスの電位差に基づき形成された電界がトナーに与える力により、現像剤23中のトナーが第2のトナー担持体25側へ供給される。
ここでも第1の供給領域8と同様に、通常、第2のトナー担持体25には直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられ、現像剤担持体13には直流電圧のみ、もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられ、第2のトナー供給領域11には直流電界に交番電界が重畳された電界が形成される。
また第2のトナー担持体25と現像剤担持体13の対向部の、トナー担持体回転方向上流側である第2のトナー回収領域12では、第1のトナー回収領域9と同様に、現像剤担持体13上の現像剤による第2のトナー担持体25上の現像残トナーへの回収作用により、現像残トナーが回収される。
図2では現像剤担持体13と第1のトナー担持体24及び第2のトナー担持体25の回転方向を、すべて同方向に回転するように設定しているが、両方とも現像剤担持体13と逆回転に設定することもできる。あるいは片方だけ逆方向に設定することもできる。
図2のように同方向に回転させた場合は、現像剤担持体13とトナー担持体24及び25の対向部では互いにカウンター方向に回転する。
ハイブリッド現像方式では現像残トナーをできる限り回収し、トナーを現像した部分と現像しなかった部分の濃淡をできるだけ小さくした上で次のトナー供給を行うことが、現像履歴(ゴースト)の発生を抑制する上で重要である。現像剤担持体13とトナー担持体24及び25の対向部での動きがカウンターの場合、相対速度が大きくなることで機械的回収力がより高くなること、及び、詳しくは後述するが、トナー供給領域で発生したカウンターチャージによって電気的回収力が付与されること、といった点で、現像残トナーの回収に有利である。
そのため、現像剤担持体13とトナー担持体24及び25の回転方向をカウンターに設定した方が、現像履歴(ゴースト)の抑制に繋がり、望ましい。
また、第2の供給領域11では、現像剤23中のトナーが第1の供給領域8で使用されて減少しており、トナーの供給能力が低下する恐れがある。そのため第2のトナー担持体25と現像剤担持体13との最近接部での間隔を、第1のトナー担持体24と現像剤担持体13との対向部よりも狭くなるように設定すると、その供給能力の低下を補うことができる。
第1のトナー供給領域8で第1のトナー担持体24上に現像剤担持体13から供給されたトナー層は、第1のトナー担持体24の回転に伴って第1の現像領域7へと搬送され、第1のトナー担持体24に印加された現像バイアスと像担持体1上の潜像電位とによって形成される電界により第1段目の現像に使われる。
第1の現像領域7では、第1のトナー担持体24と像担持体1の間に設けられた現像間隔中を電界によってトナーが移動することで現像が行われる。
現像バイアスとしては公知の種々のバイアスが適用可能であるが、通常は直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられる。その後、第1の現像領域7でトナーを消費した現像残のトナー層は、第1のトナー担持体24の回転に伴って第1のトナー回収領域9へと搬送される。
また同様に、第2のトナー供給領域11で第2のトナー担持体25上に現像剤担持体13から供給されたトナー層は、第2のトナー担持体25の回転に伴って第2の現像領域10へと搬送され、第2のトナー担持体25に印加された現像バイアスと像担持体1上の潜像電位とによって形成される電界により第2段目の現像に使われる。
第2の現像領域10でも、第1の現像領域7と同様に、第2のトナー担持体25と像担持体1の間に設けられた現像間隔中を電界によってトナーが移動することで現像が行われる。
現像バイアスとしては公知の種々のバイアスが適用可能であるが、通常は直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられる。その後、第2の現像領域10でトナーを消費した現像残のトナー層は、第2のトナー担持体25の回転に伴って第2のトナー回収領域12へと搬送される。
第2のトナー回収領域12を通過した現像剤23は、スリーブ27の回転とともに現像剤槽17に向けて搬送され、現像剤回収領域14の位置に対応して磁石ローラ26に設けられた反発磁界によって、現像剤担持体13上から剥離され、現像剤槽17内へと回収される。
補給部15に設けられた図示しない補給制御部が、ATDCセンサ21の出力値から、現像剤23中のトナー濃度が画像濃度確保のための最低トナー濃度以下になったことを検出すると、図示しないトナー補給手段によってホッパ内に貯蔵された補給トナー22がトナー補給部15を介して現像剤槽17内へ供給される。
なお、上述した実施形態では第1のトナー担持体が第1段目の現像を行い、第2のトナー担持体が第2段目の現像を行っている。
後述するようなカウンターチャージによるトナー回収の促進、ゴースト発生の抑制を考慮すると、上記のように第1のトナー担持体が第2のトナー担持体より先に、像担持体上に形成された潜像を現像するような配置が好ましい。
第1のトナー担持体のトナー供給領域で発生したカウンターチャージが第2のトナー担持体のトナー回収領域でトナー回収の促進に寄与するため、像担持体上の潜像を後で現像する第2のトナー担持体でゴースト発生を抑制し、全体としてゴースト発生の抑制効果を大きくできるからである。
カウンターチャージによるトナー回収の促進、ゴースト発生の抑制については以下に説明する。
(カウンターチャージによるトナー回収の促進について)
以下では、各トナー担持体と現像剤担持体の対抗部近傍のトナー供給領域及び回収領域での現象について、さらに詳細に説明する。
図3は第1のトナー担持体24と現像剤担持体13の対向部周辺を拡大した図である。第1のトナー供給領域8では、現像剤担持体13表面に搬送されてきた現像剤23中から、トナーのみが第1のトナー担持体24に供給される。
このときトナーの極性としてマイナスの場合を考えると、現像剤23からはマイナス極性を持つトナーのみが第1のトナー担持体24へと移動するため、トナーを奪われた現像剤23表面付近では電気的中性が崩れ、キャリヤの持っていたプラスの電荷が余剰に存在する状態となる。このトナー離脱後の現像剤23中に余剰に残留するプラスの電荷はカウンターチャージと呼ばれる。
このカウンターチャージは、キャリヤの抵抗が高いなどの理由で現像剤23中から減衰することなく第1のトナー回収領域9まで搬送されてきた場合には、マイナスの電荷を持つ現像残トナーを引き付ける働きを持つため、現像残トナーの回収に寄与し、現像履歴(ゴースト)の課題に対し有利に働く。
実際には、図3のように第1のトナー担持体24と現像剤担持体13の回転がカウンター方向である場合にそのような効果が期待できる。すなわちカウンター方向に回転する場合、現像剤23はトナー供給領域8で供給に使われた後にトナー回収領域9に搬送されてくるため、カウンターチャージがトナー供給領域8からトナー回収領域9に搬送されてくる間に減衰しなければ、トナー回収領域9でそのカウンターチャージによりトナー回収を促進することができる。
逆に図4に示すように、第1のトナー担持体24と現像剤担持体13の回転がウィズ方向であると、現像剤23はトナー回収領域9で回収を行った後、トナー供給領域8に移動してトナー供給を行うため、カウンターチャージをトナー回収領域9でトナー回収の促進に利用することができない。
このことから、第1のトナー担持体24と現像剤担持体13の回転方向は、現像履歴(ゴースト)対策の観点からカウンター方向が好ましいことがわかる。これは第1のトナー担持体24と現像剤担持体13の回転方向だけでなく、第2のトナー担持体25と現像剤担持体13の回転方向についても同様に当てはまる。
またここではトナーの極性をマイナスと仮定して考えたが、トナーの極性がプラスの場合でも極性を反転させて考えることにより同様のことが言える。なおこのことは、これ以降の説明でトナーの極性を仮定した場合にも同様に成り立つ。
(複数のトナー担持体間でのカウンターチャージの減衰について)
本実施形態に係るハイブリッド現像方式の現像装置2においては、トナー担持体を2つ以上設けた構成となっている。この構成では複数の現像領域を持つことにより、装置を高速化した場合でも十分な現像性が確保でき、画像濃度の低下が発生しないという特徴がある。この構成に、以下に説明するような条件を付与させることにより、ハイブリッド現像の課題である現像履歴(ゴースト)の抑制を達成することができる。
この条件とは、第1のトナー供給領域8で現像剤23中に発生したカウンターチャージを、第2のトナー回収領域12まで減衰させずに現像剤23中に保持させるための条件であり、第2のトナー担持体25上の現像残トナーの回収を促進し、現像履歴(ゴースト)の発生を抑制するためのものである。
図5は、現像剤担持体13上の現像剤層の等価回路を表している。まず、カウンターチャージが現像剤23中から減衰する現象について、図5を参照して説明する。
トナーの離脱によってマイナスの電荷を失った現像剤担持体13上の現像剤23の表面はプラスのカウンターチャージを有している。この電荷は現像剤23層の静電容量と抵抗に応じた時定数によって時間とともに減衰していく。
このときの減衰の様子は、図5の等価回路における減衰を考えると、以下の式(1)で表される。
カウンターチャージ発生直後の、カウンターチャージによって生じる現像剤層表面の電圧をV0、現像剤層の静電容量をC、現像剤層の抵抗をRとすると、
V(t)=V0×exp(−t/CR) (1)
式(1)のtとして、「第1のトナー担持体24と現像剤担持体13との対向部から第2のトナー担持体25と現像剤担持体13との対向部まで現像剤23が移動する時間」(=t12とする)とする。このとき、カウンターチャージが現像剤23中から減衰せず第2の回収領域12まで到達するためには、現像剤層の静電容量をC、現像剤層の抵抗をRとして決まる係数「exp(−t12/CR)」(以下これを表面電位残留率と呼ぶ)が略ゼロまで落ち込まないことが条件となる。
図6は、式(1)中のt/CRと表面電位残留率exp(−t/CR)の関係を表したグラフである。t/CRが10を切る辺りから表面電位残留率exp(−t/CR)は急激に立ち上がり、0.1を切るとほぼ1に近い値となっていることがわかる。
このことは、t/CR≧10となるような場合には、カウンターチャージは時間t経過時点で減衰してほとんど残留していないが、t/CR<10となると時間t経過時点でカウンターチャージが一部残留しており、さらにt/CR<0.1となるとカウンターチャージはほとんど減衰することなく残っていることを示している。
以上のことから、第2のトナー回収領域12で第1のトナー供給領域8で生じたカウンターチャージが残留しているための条件として、「t12/CR<10」であることが必要である。
なお、t12は現像剤担持体13の径d、第1のトナー担持体24と現像剤担持体13と第2のトナー担持体25とがなす角度θ、現像剤担持体13の周速vから決まる値であり、計算によって求めることができる(後述の図7参照)。また、CとRの積(これを以下現像剤の減衰時定数と呼び、τとする)は、後述する方法で実際に測定より求めることができる。
こうして求めたt12/τが「t12/τ<10」を満たすよう現像装置の設定を行うことにより、第1のトナー供給領域8で現像剤23中に発生したカウンターチャージを第2のトナー回収領域12まで減衰させずに現像剤23中に保持させることができ、第2のトナー担持体25上の現像残トナーの回収を促進し、現像履歴(ゴースト)の発生を抑制することが可能になる。
また、カウンターチャージをトナー回収の促進に利用する観点から、第1のトナー担持体上のトナー量を第2のトナー担持体上のトナー量より多くするよう設定することが好ましい。これは、第1のトナー担持体の供給バイアスを高めに設定するなどで、達成することができる。
その理由は、上流側での第1のトナー担持体へのトナー供給量を増やすとそれだけカウンターチャージが多く発生するため、下流側の第2のトナー担持体からの回収に有利に働くためである。
(現像剤層の減衰時定数τの測定方法)
図7に現像剤層の減衰時定数τ(=CR)の測定方法の模式図を示す。
図2の現像装置においてトナー担持体24及び25を離脱させた状態で、現像剤担持体13を回転させながら現像剤担持体13上の規制部材16通過後の現像剤23層表面にスコロトロン帯電器30を用いて電荷を供給する。現像剤担持体13は接地しておく。
このとき、現像剤23表面は帯電され、擬似的にトナー供給直後のカウンターチャージを持った状態が形成される。帯電する電位は200〜1000V程度が適当である。
その電荷供給後の現像剤層に対向する2ヶ所の位置に、第1の表面電位計28、第2の表面電位計29を設置して、それぞれの位置での表面電位を測定する。第1の表面電位計28で測定された現像剤層の電位をV1(V)、第2の表面電位計29で測定された現像剤層の電位をV2(V)とする。
ここで、第1の表面電位計28で測定されたV1の電位減衰は、カウンターチャージの減衰同様、式(1)に従う。式(1)におけるV0がここでのV1と考えることができ、CR=τと合わせて次の式(2)のようになる。
V(t)=V1×exp(−t/τ) (2)
この式(2)において、第1の表面電位計28の対向部から第2の表面電位計29の対向部まで現像剤担持体13が回転するのに必要な時間をT(s)とする。時間t=T後の表面電位がV2であるから、第2の表面電位計29で測定された電位V2に関して以下の式(3)が成り立つ。
V2=V1×exp(−T/τ) (3)
また、Tは現像剤担持体13の回転速度v(mm/s)、現像剤担持体13の径d(mm)、第1のトナー担持体24と現像剤担持体13と第2のトナー担持体25とがなす角度θ(deg)から以下の式(4)で求まる。
T=(π/360)×(dθ/v) (4)
以上より、τは次の式(5)で表すことができ、測定時の条件d、θ、v、及び表面電位計の検出値V1、V2を基にτを実際に求めることが可能となる。
τ=T/(logV1−logV2)
但し、T=(π/360)×(dθ/v) (5)
図1に示した実施形態の画像形成装置により、本発明を実施して効果を確認した。
(実験1)
実施例1から6及び比較例1から3は、キャリヤ種の異なる、すなわち減衰時定数τ(=CR)が異なる現像剤を用いている。詳細は表1参照。
Figure 2010134227
表1には、製法を変化させて作成したキャリヤを現像剤として用いた場合における、前記の方法で測定した現像剤の減衰時定数τの値、各種システム条件とそのシステム条件から求めたt12、t12/CRの値、及びそこから計算される第2のトナー回収領域における表面電位残留率、そして実際の画像のゴーストを評価した結果を示している。
キャリヤA〜Iは、酸化マンガンと酸化鉄を焼成して作成した磁性体コアにスチレンアクリルコート樹脂を被覆したキャリヤであり、コアの製造条件とコート樹脂の厚みを変化させることで抵抗がそれぞれ異なるように意図して作成した。
A〜Iはこの順でキャリヤの抵抗が大きくなるように並べてあり、その結果τ(=CR)の値がAからIの順に従って大きくなっている。ここではτ(=CR)の値は主として現像剤中のキャリヤの抵抗を変えることで変化している。
表1に示したように、実施例1から6は「t12/τ<10」の条件を満たしており、比較例1から3は満たしていない。これらの実施例と比較例について、実際に評価画像を印刷し、ゴーストの評価を行った。
図8に、ゴーストの評価用のチャートを実際に出力し、現像履歴(ゴースト)が発生した画像の例を示す。白ベタ背景部71中の黒ベタ部72から第1及び第2のトナー担持体1周期分下流側のハーフトーン背景部73中にゴースト74が発生しているかを目視評価にて確認した。
目視評価は、ゴーストが全く識別できない場合には◎、うっすらとゴーストが確認できるが画像品質上問題ない場合には○、ゴーストがはっきりと認識でき画像品質上問題がある場合には×とした。
表1からわかるとおり、実施例1から6のように、t12/τ<10となる場合には、◎もしくは○の評価結果であり、ゴーストの発生が抑制されている。実施例1〜4のようにt12/τ<0.1となる場合には、特に良好(◎)である。上記条件を満たしていない比較例1から3は、×の評価結果であった。
(実験2)
実施例7から11及び比較例4から7は、3種類のキャリヤ種を用いた現像剤に対し、それぞれ画像形成速度(現像剤担持体の速度)を変更して、減衰時定数τ(=CR)を異ならせた。詳細は表2参照。
Figure 2010134227
表2には、表1で用いたキャリヤからキャリヤ種C、E、Gの3種類を取り出して、t12が変化するよう画像形成速度を変化させて、表1と同様の評価を行った結果を示す。
画像形成速度を変化させた結果、現像剤担持体周速が30〜1000mm/sの範囲で変わっており、それに伴ってt12、t12/τの値も変化している。ここではτ(=CR)の値はキャリヤ種が同じものどうしでは同じであるが、t12が変化することでt12/τの値が変わっている。
表2に示したように、実施例7から11が「t12/τ<10」の条件を満たしており、比較例4から7が満たしていない。これらの実施例と比較例について、表1の場合と同様に実際に評価画像を印刷し、ゴーストの評価を行った。
ここでも表1で見たのと同様に、t12/τ<10となる実施例7から11の場合には、◎もしくは○の評価結果であり、ゴーストの発生が抑制されていることがわかる。また実施例7〜9のようにt12/τ<0.1となる場合には、特に良好(◎)である。上記条件を満たしていない比較例4から7については、×の評価結果であった。
図9には、上述の表1、表2中のt12/τの値とその時の表面電位残留率の計算値についてプロットし、それぞれについてゴースト評価結果を記入したグラフを示す。
○印が表1の結果をプロットしたもの、◆印が表2のキャリヤ種Cの結果をプロットしたもの、■印が表2のキャリヤ種Eの結果をプロットしたもの、▲印が表2のキャリヤ種Gの結果をプロットしたものである。
何れの場合においても、t12/τ<10の領域で表面電位残留率が上昇し、またそれに伴ってゴーストの発生が抑制されていることがわかる。
上述したように、本実施形態に係る現像装置及びそれを用いた画像形成装置によれば、複数のトナー担持体を設けたハイブリッド現像方式において、現像剤担持体の回転方向上流側の第1のトナー担持体へのトナー供給によって現像剤中に生じたカウンターチャージが、下流側の第2のトナー担持体に現像剤が移動するまで減衰しきらず、現像剤中に残留するように構成されている。
これにより、トナー担持体上の現像残トナーの回収を促進することができ、高速現像時の濃度低下を抑えることができ、かつ現像履歴(ゴースト)の発生を抑制した高画質な画像を得ることができる。
なお、上述の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施形態による画像形成装置の主要部の構成例を示す図である。 図1における現像装置2の構成例を示す拡大図である。 現像装置2における第1のトナー担持体24と現像剤担持体13がカウンター回転する場合の対向部周辺の拡大図である。 現像装置2における第1のトナー担持体24と現像剤担持体13がウィズ回転する場合の対向部周辺の拡大図である。 現像剤担持体13上の現像剤層の等価回路を表す図である。 減衰時定数t/CRと表面電位残留率exp(−t/CR)の関係を示すグラフである。 現像剤層の減衰時定数τ(=CR)の測定方法を示す模式図である。 ゴーストを評価するために出力した画像の例を示す模式図である。 t12/τの値とその時の表面電位残留率、ゴースト評価結果の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 像担持体(感光体)
2 現像装置
3 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 露光装置
7 第1の現像領域
8 第1のトナー供給領域
9 第1のトナー回収領域
10 第2の現像領域
11 第2のトナー供給領域
12 第2のトナー回収領域
13 現像剤担持体
14 現像剤回収領域
15 トナー補給部
16 規制部材
17 現像剤槽
18、19 混合攪拌部材
20 現像器筐体(ケーシング)
21 ATDCセンサ
22 補給トナー
23 現像剤
24 第1のトナー担持体
25 第2のトナー担持体
26 磁石ローラ
27 スリーブローラ

Claims (9)

  1. 表面にトナーを担持搬送し、像担持体上に形成された潜像を前記トナーで現像する複数のトナー担持体と、
    前記複数のトナー担持体と対向して配置され、表面に現像剤を担持搬送し、前記複数のトナー担持体に前記現像剤中のトナーを供給する現像剤担持体と
    を有する現像装置において、
    前記複数のトナー担持体は、前記現像剤担持体の回転方向上流側で該現像剤担持体と対向する第1のトナー担持体と、下流側で対向する第2のトナー担持体とを含み、
    前記第1のトナー担持体との対向部で、前記現像剤担持体の担持搬送する前記現像剤からのトナー供給によって前記現像剤中に生じたカウンターチャージが、
    前記第2のトナー担持体との対向部に前記現像剤が移動するまで減衰しきらず、前記現像剤中に残留するように構成された
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤担担持体上に担持搬送される前記現像剤の薄層における表面電荷の減衰時定数をτ、前記現像剤担担持体上の前記現像剤の薄層が前記第1のトナー担持体との対向部から前記第2のトナー担持体との対向部まで搬送されるのに要する時間をt12としたときに、
    前記τと前記t12がt12/τ<10の関係を満たすよう設定された
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記τと前記t12がt12/τ<0.1の関係を満たすよう設定された
    ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記第1のトナー担持体と前記現像剤担持体の回転方向が互いにカウンター方向である
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の現像装置。
  5. 前記第2のトナー担持体と前記現像剤担持体の回転方向が互いにカウンター方向である
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の現像装置。
  6. 前記第1のトナー担持体上のトナー量が、前記第2のトナー担持体上のトナー量より多くなるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の現像装置。
  7. 前記第2のトナー担持体と前記現像剤担持体との最近接部での間隔が、前記第1のトナー担持体と前記現像剤担持体との最近接部での間隔よりも狭く設定されている、
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の現像装置。
  8. 像担持体と、該像担持体上に形成された潜像を現像するための現像装置を備えた画像形成装置であって、
    前記現像装置は請求項1から7の何れか1項に記載の現像装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記第1のトナー担持体が前記第2のトナー担持体より先に、前記像担持体上に形成された潜像を現像するように配置された
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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