JP2010127123A - 気化器 - Google Patents
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Abstract
【課題】メイン燃料通路から分岐したスロー燃料通路を備えている気化器において、簡易な構成でバックブリードを防止できるようにする。
【解決手段】スローエアブリード通路9に空気を導入するスローエア取込口が吸気通路10側に開口し、スロー燃料通路6が上流側でメイン燃料通路4の途中に接続されているとともに下流側でスローエアブリード通路9と合流して末端を吸気通路10側に開口しており、メイン燃料通路4が吸気通路10のベンチュリ部8でメインノズル7を突出した状態で開口しているエンジンの気化器において、メイン燃料通路4が開口している位置の吸気通路内径と同等以下の内径となるベンチュリ部8の所定位置にスローエア取込口9Aを開口した。
【選択図】図1
【解決手段】スローエアブリード通路9に空気を導入するスローエア取込口が吸気通路10側に開口し、スロー燃料通路6が上流側でメイン燃料通路4の途中に接続されているとともに下流側でスローエアブリード通路9と合流して末端を吸気通路10側に開口しており、メイン燃料通路4が吸気通路10のベンチュリ部8でメインノズル7を突出した状態で開口しているエンジンの気化器において、メイン燃料通路4が開口している位置の吸気通路内径と同等以下の内径となるベンチュリ部8の所定位置にスローエア取込口9Aを開口した。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの燃料供給システムに配置される気化器に関し、殊に、メイン燃料通路から分岐したスロー燃料通路を備えている気化器に関する。
小型ガソリンエンジン等の燃料供給システムに配置される気化器は、例えば特開2001−27156号公報に記載され図3の縦断面図に示すように、低速運転時にフロート室(定燃料室)2からスロー燃料通路6に流入した燃料が、同図4の横断面図に示すスロージェット6aを通って横向きの通路に入り、スローエア取込口9B、スローエアブリードジェット9a、スローエアブリード通路9を経由して流入した空気と混合されて、スロットルバルブ12に近接配置されたスローポート11から吸気通路10に吸引されることで供給されるようになっている。
ところが、この気化器1Cのようにスロー燃料通路6がメイン燃料通路4の途中で分岐したものにおいては、エンジン全負荷時にメイン燃料通路4についての開口部のメインノズル7先端におけるベンチュリ負圧がスローエア取込口9Bやスローポート11付近の負圧よりも大きく勝ることから、スローエア取込口9Bとスローポート11とを経由して空気がメイン燃料通路4側に吸入され、メインノズル7を介して燃料とともに吸気通路10に吸い出され、混合気を希薄化させるバックブリードと呼ばれる現象を引き起こすことが知られている。
このようなバックブリードを生じた場合はエンジンの安定性を損なうことになるため、スロージェット6aの径を小さくしたり分岐通路の径を小さくしたりして、スロー燃料通路6を経由して流入する空気の量を減らすことが試みられている。また、特開平7−103074号公報や特開2001−27154号公報に記載されているように、メインノズルのエマルジョン孔下方に、メインウェルの内壁に密着してメインエア空気室とスロー燃料通路6との連通を封止する壁(フランジ)を設けることも知られている。
このようにエンジンの安定性を損なわない程度に通路を絞ることによりバックブリードをある程度軽減させることができるが、メインノズル7が開口する位置のベンチュリ負圧とスローエア取込口9B付近の負圧に差圧がある限り、これを完全に防止することはできない。これらの問題はベンチュリサイズが小さい気化器でエアクリーナーの吸気抵抗が大きい場合に特に顕著である。また、このような対応では仕様選定に制約が生じやすく、エミッション適合の自由度が少なくなりやすい。
特開2001−27156号公報
特開平7−103074号公報
特開2001−27154号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、メイン燃料通路から分岐したスロー燃料通路を備えている気化器において、簡易な構成でバックブリードを防止できるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、スローエアブリード通路に空気を導入するスローエア取込口が吸気通路側に開口し、スロー燃料通路が上流側でメイン燃料通路の途中に接続されているとともに下流側で前記スローエアブリード通路と合流して末端を吸気通路側に開口しており、前記メイン燃料通路が吸気通路のベンチュリ部でメインノズルを突出した状態で開口しているエンジンの気化器において、前記メイン燃料通路が開口している位置の吸気通路内径と同等以下の内径となる前記ベンチュリ部の所定位置に前記スローエア取込口を開口することにした。
上述したように、メイン燃料通路から分岐したスロー燃料通路を備えている気化器では、メイン燃料通路開口部のベンチュリ負圧とスローエア取込口の負圧との差が大きくなってスロー燃料通路を経由した空気が混入して供給燃料を希薄化させるバックブリードが発生しやすいが、このようにメイン燃料通路が開口している吸気通路内径と同等以下の内径となるベンチュリ部の所定位置にスローエア取込口を設けただけの簡易な構成により、メイン燃料通路開口部側との差圧が解消されるため、スロー燃料通路を介して供給燃料へ余分な空気が混入することを回避することができる。
また、この気化器において、スローエア取込口をベンチュリ最狭部で開口しているものとすれば、スローエア取込口とメイン燃料通路開口部との差圧は確実に解消することができる。
さらに、本発明である気化器において、そのスローエア取込口は、ベンチュリ部とベンチュリ部よりも上流側の2カ所で開口しているものとしても、同様にスロー燃料通路を介して余分な空気が混入することを回避することができるようになり、この場合は従来品のスローエア取込口をそのまま残存させることで改造部箇所を最小限に抑えることも可能である。
スローエア取込口をベンチュリ部所定位置に設けた本発明によると、コストアップを最小限としながらバックブリードを有効に防止することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本実施の形態における気化器1Aを吸気通路10の位置で水平に切断した横断面図を示すものであり、気化器1Aは、基本的構成が上述した気化器1Cとほぼ共通しており断面構造も前記従来例についての図3と同様であるため、従来の気化器1Cに僅かな改造を施すだけで作成できるものであるが、以下にその特徴部分について詳細に説明する。
気化器1Aは、サイドドラフト式のエンジン用気化器であるが、縦向きのメイン燃料通路4が通る図示しない柱状体が垂設されたフロート室の上方で吸気通路10が横向きに貫通した略管状の本体部を有しており、図1はスロットル弁13とチョーク弁12がエンジン全負荷運転状態になっている場合を示している。
吸気通路10のほぼ中央位置には、ベンチュリ部8が形成されて内径が狭くなっており、その最狭部のやや下流側にメインノズル7が突出してメイン燃料通路4が開口している。また、吸気通路10を囲む金属製の本体部の壁体には、吸気通路10を挟んでメインエアブリード通路14とスローエアブリード通路9が横向きに並んで設けられており、スローエアブリード通路9はスロージェット6aの開口部でスロー燃料通路6と合流し、その下流側がスローポート11となって吸気通路10のスロットル弁12近傍で開口しており、以上の構成部分は図4に示した従来の気化器1Cとも共通している。
そして、本実施の形態の気化器1Aにおいては、スロー燃料通路9がベンチュリ部8付近の壁体内で分岐してベンチュリ最狭部となる位置でスローエア取込口9Aが開口しており、上流側の本来のスローエア取込口9Bが封鎖されている。
即ち、図4に示した従来の気化器1Cでは、メイン燃料通路4がベンチュリ最狭部付近で開口しているのに対し、本実施の形態では、スローエア取込口9Bが吸気通路10の上流側広径部に開口しスローポート11が吸気通路10下流側広径部に開口しているため、吸気通路10内の位置による差圧でスローエア取込口9Bとスローポート11を介して流入した空気がメインノズル7に吸い出されて混合気希薄となり、エンジン不調を生じる問題があった。これは、ベンチュリ負圧とスロー負圧の差圧が大きくなる高速回転領域で特に顕著であった。
これに対し、本実施の形態では既設のスローエア取込口9Bを塞ぎ、吸気通路10内で最も負圧の大きくなるベンチュリ最狭部に開口するようにスローエア取込口9Aを設けたことにより、この部分のスロー負圧がメイン燃料通路4開口部と同等以上に大きくなるため、両者の差圧が解消されてスローエア取込口9Aとスローポート11を介した空気がメイン燃料通路4に流入せず、供給燃料に余分な空気が混入しないものとなる。
このように、既存品に僅かな改造を加えるだけで作成される簡易な構成の本実施の形態により、エンジン高速回転域を含みあらゆる運転状況でバックブリードの発生を防止することができるようになる。また、これにより適合の制約がなくなるとともにエミッション適合の自由度も増したものとなり、しかも、製造においてコストアップを殆ど伴わない。
図2は、図1に示した実施の形態における気化器1Aの応用例としての気化器1Bの横断面図を示すものであり、この例では、ベンチュリ最狭部に開口したスローエア取込口9Aと従来のスローエア取込口9Bとを併用したものであるが、この場合もベンチュリ最狭部のスローエア取込口9Aに最も大きな負圧がかかるため、上記同様のバックブリード防止効果が期待できるものである。尚、この場合は、既存の気化器を改造して製造する場合において、図1に示した気化器1Aよりも工程数が減少するためにさらに低コストなものとなる。
以上、述べたように、メイン燃料通路から分岐したスロー燃料通路を備えている気化器において、本発明により、簡易な構成でバックブリードを防止することができる。
1A,1B 気化器、2 フロート室、4 メイン燃料通路、6 スロー燃料通路、6a スロージェット、7 メインノズル、9 スローエアブリード通路、9A,9B スローエア取込口、9a スローエアブリードジェット、10 吸気通路、11 スローポート
Claims (3)
- スローエアブリード通路に空気を導入するスローエア取込口が吸気通路側に開口し、スロー燃料通路が上流側でメイン燃料通路の途中に接続されているとともに下流側で前記スローエアブリード通路と合流して末端を吸気通路側に開口しており、前記メイン燃料通路が吸気通路のベンチュリ部でメインノズルを突出した状態で開口しているエンジンの気化器において、前記メイン燃料通路が開口している位置の吸気通路内径と同等以下の内径となる前記ベンチュリ部の所定位置に前記スローエア取込口が開口していることを特徴とする気化器。
- 前記スローエア取込口が、ベンチュリ最狭部で開口していることを特徴とする請求項1に記載した気化器。
- 前記スローエア取込口が、前記ベンチュリ部とこのベンチュリ部よりも上流側の2カ所において開口していることを特徴とした請求項1または2に記載した気化器。
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