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JP2010127084A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置 Download PDF

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JP2010127084A JP2008299378A JP2008299378A JP2010127084A JP 2010127084 A JP2010127084 A JP 2010127084A JP 2008299378 A JP2008299378 A JP 2008299378A JP 2008299378 A JP2008299378 A JP 2008299378A JP 2010127084 A JP2010127084 A JP 2010127084A
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Abstract

【課題】アイドル運転でのフィルタの強制再生時において、ポスト噴射量を減少した上でフィルタの昇温を促進でき、もって、多量のポスト噴射による種々の弊害を未然に防止できるエンジンの排気浄化装置を提供する。
【解決手段】アイドル運転でフィルタ38を強制再生するときに、エアタンク60に圧縮エアを供給するエアコンプレッサ58を連続作動させると共に、吸気を昇温する吸気ヒータ13、エアコンディショナのコンプレッサ56、及びラジエータ54の冷却ファン53を作動させ、エンジン負荷の増大により排気温度を上昇させてフィルタ昇温を促進する。
【選択図】図1

Description

本発明はエンジンの排気浄化装置に係り、詳しくはエンジンの排気通路にパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置に関するものである。
例えばディーゼルエンジン等のようにリーン空燃比下で燃焼を行う内燃機関では、排ガス中にHC、CO、NOx以外にパティキュレートが多く含まれており、このパティキュレートを処理するための後処理装置として、排ガス中のパティキュレートをパティキュレートフィルタ(以下、フィルタという)に捕集して焼却除去する排気浄化装置が実用化されている。このような排気浄化装置では、フィルタに捕集したパティキュレートを焼却除去する必要があるため、フィルタの上流側に酸化触媒を配設し、この酸化触媒により排ガス中のNOから生成されたNO2を酸化剤として利用して、フィルタ上のパティキュレートを連続的に燃焼させる、所謂連続再生を実施するように構成されている。
連続再生によるパティキュレートの焼却除去は、フィルタ温度が所定値以上であれば通常の運転中でも自ずと行われるが、この条件が満たされない運転状態が継続すると、フィルタでのパティキュレートの捕集量が許容量を越えて過堆積に陥ってしまう。そこで、過堆積に至る以前にフィルタを積極的に昇温することによりパティキュレートを焼却除去してフィルタの再生を図る強制再生が実施されており、例えばメイン噴射後の膨張行程等でポスト噴射により供給した未燃燃料を上流側の酸化触媒上で燃焼させ、これにより排気温度を上昇させて下流側に位置するフィルタを昇温してパティキュレートの燃焼を図っている。
強制再生時のポスト噴射量は通常運転時の噴射量に比して遥かに多量であることから燃費悪化の要因となり、また、膨張行程等で実行されるポスト噴射はシリンダ壁面への燃料付着量が多いため、所謂オイルダイリューションの要因になると共に、未燃燃料を多く含んだブローバイガスを吸気側に環流させた場合には、エンジン回転速度の上昇を引き起こしてアイドル不調をきたす等の種々の弊害が発生する。このため、従来から強制再生時のポスト噴射量を極力減少させると共に、強制再生の実行時間を可能な限り短縮したいという要望がある。
このような要望に応じた対策として、例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。当該特許文献1の技術では、エンジンの排気通路に排気の流通を制限する排気制御弁を設け、強制再生時にポスト噴射を実行すると共に、排気制御弁を閉制御している。排気制御弁の閉弁による排気の流通制限はエンジン負荷の増大に伴うメイン噴射量の増加を目的としたものであり、排気の流通が制限されることによりエンジン負荷が増大し、この負荷増大によるエンジン回転速度の低下を補うべく、エンジン制御側ではメイン噴射量が増加側に補正されるため、結果として排気温度の上昇が達成される。
特開2005−76604号公報
強制再生時の排気昇温は、その時点のエンジンの運転状態での排気温度をベースとして行われ、高回転高負荷域での運転時には元々の排気温度が高いため、ポスト噴射や排気制御弁によりそれほどフィルタを昇温する必要はない。ところが、アイドル運転時には元々の排気温度が非常に低いため(例えば、100℃程度)、パティキュレートを焼却可能な強制再生時の温度域(例えば、600℃以上)までフィルタを昇温するためには、多量のポスト噴射を必要として上記ポスト噴射による弊害が顕在化してしまう。しかも、排気流量が少ないアイドル運転時には、特許文献1の技術のように排気制御弁を閉弁してもエンジン負荷はそれほど増大しないことから、排気昇温への排気制御弁の貢献は僅かなものとなってしまう。
このため、排気昇温のためにはポスト噴射量を増加させるしかなく、結果としてアイドル運転での強制再生では、多量のポスト噴射により上記種々の弊害が発生してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、アイドル運転でのフィルタの強制再生時において、ポスト噴射量を減少した上でフィルタの昇温を促進でき、もって、多量のポスト噴射による種々の弊害を未然に防止することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に配設されて該エンジンから排出される排気中のパティキュレートを捕集するフィルタと、エンジンのメイン噴射後にポスト噴射を行ってエンジンの排気温度を上昇させ、フィルタに捕集されたパティキュレートを焼却する強制再生を実行する強制再生手段と、車両のエア駆動装置を作動させるための圧縮エアが充填されたエアタンクと、エンジンにより駆動されてエアタンクに圧縮エアを供給するエアコンプレッサと、エンジンのアイドル運転状態で強制再生手段によりフィルタの強制再生が実行されるときに、エアコンプレッサを作動させる負荷増大制御手段とを備えたものである。
従って、フィルタの強制再生時には、メイン噴射後のポスト噴射によりエンジンの排気温度が上昇するだけでなく、負荷増大制御手段によりエアコンプレッサが作動するため、強制再生以外の通常時に比較してエンジン負荷が増大して排気温度が上昇する。よって、フィルタの昇温が促進されることによりポスト噴射量が減少し、燃費悪化が抑制されると共に、ポスト噴射された燃料に起因するオイルダイリューションや未燃燃料を多く含んだブローバイガスの環流に起因するアイドル不調等の弊害が未然に防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、エアタンク内に充填された圧縮エアを開弁に伴って外部に排出可能に構成され、開弁時のエア排出量がエアコンプレッサのエア吐出量よりも大きく設定されたリリーフ手段を備え、負荷増大制御手段が、リリーフ手段を開閉制御してエアタンク内に充填された圧縮エアを外部に排出して、エア駆動装置を作動可能な最低限の圧力以上にタンク圧を制御しながらエアコンプレッサを連続的に作動させるものである。
従って、フィルタの強制再生時には、負荷増大制御手段によりリリーフ手段が開閉制御されることにより、タンク圧はエア駆動装置を作動可能な最低限の圧力以上に制御され、これによりエア駆動装置を作動可能となる。そして、リリーフ手段の開弁時のエア排出量がエアコンプレッサのエア吐出量よりも大きいため、リリーフ手段の開弁時にはエアコンプレッサによりエアタンク内に圧縮エアが供給されているにも拘わらずタンク圧が次第に下降する。このため、エアコンプレッサは連続作動してエアタンクに圧縮エアを供給し続け、結果として強制再生中には、エアコンプレッサを駆動するための大きな負荷がエンジンに作用し続ける。
請求項3の発明は、請求項1において、エアタンク内に充填された圧縮エアを開弁に伴って外部に排出可能に構成され、開弁時のエア排出量がエアコンプレッサのエア吐出量よりも大きく設定されたリリーフ手段を備え、エアタンクが、強制再生以外の通常時にタンク圧を調圧手段の開閉に応じて所定圧に調整され、負荷増大制御手段が、リリーフ手段を開閉制御してエアタンク内に充填された圧縮エアを外部に排出して、タンク圧を調圧手段により調整される所定圧近傍に制御しながらエアコンプレッサを連続的に作動させものである。
従って、フィルタの強制再生時には、負荷増大制御手段によりリリーフ手段が開閉制御されることにより、タンク圧は調圧手段により調整される所定圧近傍に制御される。通常時においてタンク圧が調整される所定圧はエアタンクの耐圧限界を越えることなく、且つエア駆動装置を作動可能な圧力として設定されているため、強制再生時においてもタンク圧が所定圧近傍に制御されることにより、エアタンクの破損を防止した上でエア駆動装置を作動可能となる。そして、リリーフ手段の開弁時のエア排出量がエアコンプレッサのエア吐出量よりも大きいため、リリーフ手段の開弁時にはエアコンプレッサによりエアタンク内に圧縮エアが供給されているにも拘わらずタンク圧が次第に下降する。このため、エアコンプレッサは連続作動してエアタンクに圧縮エアを供給し続け、結果として強制再生中には、エアコンプレッサを駆動するための大きな負荷がエンジンに作用し続ける。
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、エンジンに吸入される吸入空気を昇温する吸気ヒータを備え、負荷増大制御手段が、フィルタの強制再生が実行されるときにエアコンプレッサを作動させると共に、吸気ヒータを作動させるものである。
従って、吸気ヒータの作動によりバッテリの消費電力は増加し、バッテリを充電して消費された電力を補うべくオルタネータの発電量が増加することから、オルタネータを駆動するエンジン負荷の増加に繋がる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4において、車両の車室内を冷房するエアコンディショナ、又は車両のラジエータを冷却する冷却ファンの少なくとも一方を備え、負荷増大制御手段が、フィルタの強制再生が実行されるときにエアコンプレッサを作動させると共に、エアコンディショナの冷媒圧縮用のコンプレッサ又は冷却ファンの少なくとも一方を作動させるものである。
従って、エアコンディショナのコンプレッサの作動は、コンプレッサを駆動するエンジンの負荷の増加に繋がる。又、冷却ファンとしては、例えば電磁クラッチを介してエンジンにより回転駆動される冷却ファン、或いはモータにより回転駆動される電動ファンがあるが、電磁クラッチの接続により冷却ファンが作動するとエンジン負荷の増加に繋がり、電動ファンが作動したときには増加したバッテリの消費電力を補うべくオルタネータの発電量が増加することから、オルタネータを駆動するエンジン負荷の増加に繋がる。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、アイドル運転でのフィルタの強制再生時において、エア駆動装置の作動用の圧縮エアを供給するエアコンプレッサを作動させて、エンジン負荷の増大により排気昇温を上昇させるようにしたため、ポスト噴射量を減少した上でフィルタの昇温を促進でき、もって、多量のポスト噴射による種々の弊害を未然に防止することができる。
請求項2の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、エアコンプレッサを連続作動させることにより、強制再生中にエアコンプレッサを駆動するための大きな負荷をエンジンに作用させ続けてフィルタの昇温を一層促進できると共に、エア駆動装置を作動可能な最低限の圧力以上にタンク圧を制御して、強制再生後の車両走行に迅速に対応することができる。
請求項3の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、エアコンプレッサを連続作動させることにより、強制再生中にエアコンプレッサを駆動するための大きな負荷をエンジンに作用させ続けてフィルタの昇温を一層促進できると共に、耐圧限界を越えた過剰な圧力上昇によるエアタンクの破損を未然に回避でき、且つ、エア駆動装置を作動可能な最低限の圧力以上にタンク圧を制御して、強制再生後の車両走行に迅速に対応することができる。
請求項4,5の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1乃至4に加えて、吸気ヒータ、エアコンディショナのコンプレッサ、冷却ファンを作動させることによりエンジン負荷をより増加でき、フィルタの昇温を一層促進することができる。
以下、本発明を具体化したエンジンの排気浄化装置の一実施形態を説明する。
図1は本発明の排気浄化装置が適用された6気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)の全体構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料を、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に燃料が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10、吸気制御弁12、及び吸気を昇温する吸気ヒータ13を介して吸気マニホールド14に導入される。又、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管20(排気通路)に接続されている。排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気制御弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。又、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置28は、上流側ケーシング30(排気通路)と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通された下流側ケーシング34とから構成されている。上流側ケーシング30内には、前段酸化触媒36が収容されると共に、この前段酸化触媒36の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下、フィルタという)38が収容されている。フィルタ38は、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化するために設けられる。
前段酸化触媒36は排気中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO(二酸化窒素)を生成するので、このように前段酸化触媒36とフィルタ38とを配置することにより、フィルタ38に捕集され堆積しているパティキュレートは、前段酸化触媒36から供給されたNOと反応して酸化し、フィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
一方、下流側ケーシング34内には、アンモニアを還元剤として排気中のNOx(窒素酸化物)を選択還元して排気を浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)40が収容されると共に、このSCR触媒40の下流側にはSCR触媒40から流出したアンモニアを除去するための後段酸化触媒42が収容されている。後段酸化触媒42は、フィルタ38の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCO(一酸化炭素)を酸化し、CO(二酸化炭素)として大気中に排出する機能を有している。
又、連通路32には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタ44が設けられており、尿素水を蓄えた尿素水タンク46から図示しない尿素水供給ポンプを介して尿素水インジェクタ44に尿素水が供給され、尿素水インジェクタ44を開閉することによって尿素水インジェクタ44から連通路32内の排気中に尿素水が噴射されるようになっている。
尿素水インジェクタ44から噴射された霧状の尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、SCR触媒40に供給される。SCR触媒40は供給されたアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。なお、このとき、アンモニアがNOxと反応せずにSCR触媒40から流出した余剰アンモニアは後段酸化触媒42によって除去されるようになっている。
更に、上流側ケーシング30内の前段酸化触媒36下流側には、排気後処理装置28内を流動する排気の温度を検出するための排気温度センサ48が設けられている。
上記エンジン1の前側のクランク軸61には電磁カップリング52を介して冷却ファン53が固定され、電磁カップリング52の遮断時には冷却ファン53は停止保持され、電磁カップリング52の接続時にはクランク軸51により冷却ファン53が回転駆動されるようになっている。冷却ファン53の前方にはラジエータ54が配設され、図示はしないがラジエータ54にはエンジン1の冷却水が循環している。冷却ファン53の回転駆動時には走行風がラジエータ54を介して積極的にエンジンルーム内に導入されて、ラジエータ54内の冷却水が冷却される。
エンジン1の左側には図示しないブラケットによりオルタネータ55が固定され、エンジン1の右側には図示しないブラケットによりエアコンディショナの可変容量型のコンプレッサ56(以下、A/Cコンプレッサと称する)が固定されている。これらのオルタネータ55及びA/Cコンプレッサ56のプーリ55a,56aは、上記電磁カップリング52に設けられたプーリ52aに対してベルト57により連結されてクランク軸51により回転駆動される。オルタネータ55は車両に搭載されたバッテリの電圧に応じて発電を適宜繰り返してバッテリを充電し、これにより車両の搭載された各種電気負荷を作動させるための電力を賄う。
又、A/Cコンプレッサ56は、プーリ56aに内蔵された図示しない電磁クラッチの断接に応じてクランク軸51に対して接続又は遮断され、電磁クラッチの接続時にはクランク軸51からの駆動力により回転駆動され、図示しない車室内のエバポレータとエンジンルーム内のコンデンサとの間で循環する冷媒を圧縮することにより熱交換を行って、エバポレータから室内に冷気を供給する。エアコンディショナ制御は、例えば運転者による温度設定、或いは冷暖房モードや吹出口の選択等に基づき実行され、例えば設定された温度と実際の車室内温度との偏差や日照条件等に応じて、風路切換用のダンパや上記A/Cコンプレッサの電磁クラッチや或いはコンプレッサ容量等が最適制御される。
又、エンジン1の後側にはエアコンプレッサ58が配設され、図示はしないが、エアコンプレッサ58はエンジン1のフライホイールに対してギヤ噛合することにより常に回転駆動されてエアを圧縮するようになっている。エアコンプレッサ58はエア管路59を介してエアタンク60と接続され、エア管路59にはレギュレータ61が設けられている。エアタンク60にはエア管路62を介して車両のブレーキ及びサスペンションが接続され、ブレーキやサスペンションはエア管路62を経てエアタンク60から供給される圧縮エアを駆動源として作動する。本実施形態では、これらのブレーキ及びサスペンションによりエア駆動装置が構成されているが、エア駆動装置は何れか一方でもよいし、圧縮エアの供給を受けて作動する他のアクチュエータとして構成してもよい。
レギュレータ61はエアタンク60内の圧力(以下、タンク圧と称する)が設定圧に達していないときには閉弁してエアコンプレッサ58からの圧縮エアをエアタンク60に供給し、タンク圧が設定圧に達すると開弁してエアコンプレッサ58からの圧縮エアを大気中に排出する。従って、このレギュレータ61の調整により、図4のタイムチャートに一点鎖線で示すように、タンク圧はレギュレータ61の設定圧に相当する上限圧と、設定圧よりも低圧側の下限圧(レギュレータ61の開閉特性等により定まる)との範囲内で、レギュレータ61の開閉に応じて周期的に変化しながら調整され、これによりブレーキやサスペンションによるエアタンク60内の圧縮エアの消費が補われる。
エアタンク60にはリリーフ弁64を備えたリリーフ管路63が接続され、リリーフ管路63はリリーフ弁64の閉弁時にはエアタンク60内を閉鎖し、リリーフ弁64の開弁時にはエアタンク60内を大気に開放するようになっている。開弁時のリリーフ弁64のエア排出流量は、上記エアコンプレッサ58からの圧縮エアの吐出量よりも大きな値に設定されている。
一方、ECU70は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU70の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気量センサ16や排気温度センサ48の他、ラジエータ54内の冷却水温を検出する水温センサ71、エアタンク60のタンク圧を検出するタンク圧センサ72、エンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ73、図示しないアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ74等の各種センサ類が接続されている。又、ECU70の出力側には、上述した各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、吸気ヒータ13、排気制御弁26、尿素水インジェクタ44、冷却ファン53の電磁カップリング52、A/Cコンプレッサ56、エアコンプレッサ58,リリーフ弁64等の各種デバイス類が接続されている。
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU70によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転速度センサ73によって検出されたエンジン1の回転速度とアクセル開度センサ74によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な量の燃料が供給される。
ECU70は、このような各気筒への燃料供給制御のほか、フィルタ38の強制再生やSCR触媒40にアンモニアを供給するための尿素水供給制御も行う(強制再生手段)。例えばフィルタ38の強制再生については、排気温度センサ48の検出値に基づき、メイン噴射後の膨張行程等でポスト噴射としてインジェクタ4から各気筒に燃料を噴射することにより排気中に未燃燃料を供給し、前段酸化触媒36上での未燃燃料の酸化反応により下流側のフィルタ38を昇温して、フィルタ38に捕集されたパティキュレートを焼却する。
又、ECU70は、インジェクタ4からの主噴射量や、回転速度センサ52によって検出されたエンジン1の回転速度及び吸気量センサ16によって検出されたエンジン1への吸入空気流量などに基づき、エンジン1の単位時間あたりの排気排出量及びNOx排出量を求め、このNOx排出量に対してSCR触媒40によるNOxの選択還元に必要なアンモニアの量から尿素水の目標供給量を求める。そして、この目標供給量に基づき尿素水インジェクタ44を制御することにより、尿素水インジェクタ44からSCR触媒40上流側の排気中に尿素水を供給する。
尿素水インジェクタ44から噴射された霧状の尿素水は、前述したように、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、このアンモニアがSCR触媒40に供給される。SCR触媒40は、供給されたアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。
又、ECU70は、水温センサ71により検出された冷却水温に基づく冷却ファン制御も行っており、冷却水温が予め設定された所定温度未満のときには電磁カップリング52を遮断して冷却ファン53を停止保持し、冷却水温が所定温度を越えると、電磁カップリング52を接続してクランク軸51により冷却ファン53を回転駆動させ、エンジン1を稼働させるために好適な冷却水温度に維持する。
ところで、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、排気温度が低いアイドル運転でのフィルタ38の強制再生時には、フィルタ38を大幅に昇温する必要があり、且つ、排気流量が少ないアイドル運転時には排気制御弁26の排気制限による排気昇温の効果が芳しくないことから、その対策としてポスト噴射量を増加せざるを得ず、結果としてポスト噴射による弊害が顕在化してしまうという問題がある。その対策として本実施形態では、アイドル運転でフィルタ38の強制再生を実行する際に、エンジン1の負荷を増大する負荷増大制御を実行しており(負荷増大制御手段)、以下、当該制御について詳述する。
図2はECU70により実行される負荷増大ルーチンを示すフローチャートであり、ECU70はエンジン1の運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。
まず、ステップS0で強制再生フラグF1がセットされているか否かを判定する。強制再生フラグF1はフィルタ38に捕集されたパティキュレートを焼却すべく強制再生を実行しているときにセットされるフラグであり、ステップS0の判定がNo(否定)のときには、ステップS2に移行してリリーフ弁64を閉弁状態に保持した後、一旦ルーチンを終了する。又、ステップS0の判定がYes(肯定)のときにはステップS4に移行し、停車判定フラグF2がセットされているか否かを判定する。停車判定フラグF2は、以下の1)〜3)の要件が全て満たされているときにセットされるフラグである。
1)車速が予め0付近に設定された停車判定値未満であること
2)アクセル開度が予め全閉付近に設定された全閉判定値未満であること
3)パーキングブレーキ或いはフットブレーキが操作されていること
停車判定フラグF2のセットは、停車状態においてエンジン1をアイドル運転させている状態を意味し、ステップS4の判定がNoのときには一旦ルーチンを終了する。又、ステップS4の判定がYesのときにはステップS6に移行する。ステップS6では、アイドル運転を前提としたフィルタ38の強制再生を実行する。即ち、予めフィルタ38を効率的に昇温可能な回転速度として設定されたアイドル回転速度にエンジン1を制御すると共に、メイン噴射後の膨張行程等で強制再生を目的としたポスト噴射を実行し、さらに吸気制御弁12を強制再生時の目標開度に制御し、排気制御弁26を排気制限のために僅かな隙間を残して閉弁した状態に制御する。
続くステップS8では、上記レギュレータ61によるタンク圧の調整に優先して、エアコンプレッサ58を連続作動させるためのタンク圧制御を行うが、その詳細については後述する。その後、ステップS10に移行して吸気ヒータ13の作動条件が成立しているか否かを判定する。吸気ヒータ13の作動条件としては、以下の4),5)の要件が設定されており、これらの要件が共に満たされているときに、吸気ヒータ13の作動条件が成立したと判定する。
4)車載のバッテリ電圧が予め設定された下限電圧以上であること
5)吸気ヒータ13の連続通電時間が予め設定された最大通電時間未満であること
要件4)は、消費電力が大の吸気ヒータ13の作動によるバッテリ上がりを防止する趣旨であり、冷態始動時にごく短時間通電するだけの本来の吸気ヒータ13の作動状況ではバッテリ上がりの要因になる可能性は低いが、以下に述べる負荷増大制御では、強制再生中に吸気ヒータ13を連続通電するため、バッテリ残量が少ない場合にはバッテリ上がりを引き起こす虞がある。そこで、要件4に基づき、バッテリ残量と相関するバッテリ電圧からバッテリ上がりの可能性を判定しているのである。尚、バッテリ残量と相関する指標であればバッテリ電圧に限ることはなく、例えばバッテリの入出力電流を積算してバッテリ残量を意味するSOC(State Of Charge)を逐次算出し、算出したSOCに基づいて負荷増大制御の実行の可否を判断してもよい。
又、要件5)は、吸気ヒータ13の断線を防止する趣旨であり、上記のように負荷増大制御では、本来の用途からはあり得ない長時間に亘って吸気ヒータ13を通電するため、強制再生が長引いたときには吸気ヒータ13が断線する虞がある。そこで、断線の虞が生じる長時間の通電を禁止する意味で、要件6を設定しているのである。
従って、バッテリ上がりの虞があるとき、若しくは負荷増大制御で吸気ヒータ13を通電したものの通電時間が長引いて断線の虞が生じたときには、吸気ヒータ13の作動条件が成立していないとしてステップS10でNoの判定を下し、ステップS12で吸気ヒータ13を停止させる。一方、何れの虞もないときには、ステップS10でYesの判定を下し、ステップS14で吸気ヒータ13を作動させる。その後、ステップS16に移行して上記電磁カップリング52を接続して冷却ファン53を作動させ、電磁クラッチを接続してA/Cコンプレッサ56を作動させると共に、A/Cコンプレッサ56の容量を最大に制御した後、ルーチンを終了する。
一方、ECU70は上記ステップS8に移行したときには、図3に示すタンク圧制御ルーチンを実行する。
まず、ステップS22でタンク圧の変化方向を判定し、タンク圧が上昇方向に変化しているときには、ステップS24に移行してタンク圧が予め設定された上限閾値を越えたか否かを判定する。この上限閾値は、レギュレータ61の調整範囲の上限圧よりも若干低圧側の圧力に設定されており、未だタンク圧が上限閾値を越えていないときにはステップS24でNoの判定を下して一旦ルーチンを終了する。タンク圧が次第に上昇して上限閾値を越えるとステップS24の判定がYesになるため、ECU70はステップS26に移行し、リリーフ弁64を開弁した後にルーチンを終了する。
又、上記ステップS22でタンク圧が下降方向に変化しているときには、ステップS28に移行してタンク圧が予め設定された下限閾値を下回ったか否かを判定する。この下限圧は、レギュレータ61の調整範囲の下限圧よりも若干高圧側の圧力に設定されており、未だタンク圧が下限閾値を下回っていないときにはステップS28でNoの判定を下して一旦ルーチンを終了する。タンク圧が次第に下降して下限閾値を下回るとステップS28の判定がYesになるため、ECU70はステップS30に移行し、リリーフ弁64を閉弁した後にルーチンを終了する。
次に、以上のECU70の処理に基づくフィルタ38の強制再生時の負荷増大制御の実行状況を、図4に示すタイムチャートに基づき説明する。
フィルタ38の強制再生時以外の通常制御時には、ECU70によるステップS2の処理により、リリーフ弁64が閉弁状態に保持されてリリーフ管路63からの圧縮エアの排出が防止されているため、タンク圧はレギュレータ61により調整される。即ち、タンク圧がレギュレータ61の設定圧に達していないときには、図4に一点鎖線で示すようにレギュレータ61の閉弁によりエアコンプレッサ58からの圧縮エアがエアタンク60に供給されてタンク圧は次第に上昇する。エアコンプレッサ58はエアタンク60への圧縮空気を充填する仕事を果たしているため高負荷の下で作動しており(図中では負荷ONで示している)、その負荷は駆動源であるエンジン1に作用している。
このようにしてエアタンク60への圧縮エアの充填に伴ってタンク圧が次第に上昇してレギュレータ61の設定圧(上限圧)に達すると、レギュレータ61が開弁してエアコンプレッサ58からの圧縮エアが大気中に排出され始める。エアコンプレッサ58は空転状態で作動しているため負荷はほとんどなく(図中の負荷OFF)、エアコンプレッサ58を駆動するためにエンジン1に作用する負荷は急減する。そして、ブレーキやサスペンションによる圧縮エアの消費によりタンク圧が次第に低下して上記した下限圧に達した時点で再びレギュレータ61は閉弁し、タンク圧が上昇し始める。以上の開閉動作をレギュレータ61が繰り返すことにより、タンク圧はレギュレータ61の上限圧と下限圧との範囲内で周期的に変動しながら調整され続け、エアコンプレッサ58の負荷の増減に同期してエンジン1に作用する負荷も周期的な変動を繰り返す。
一方、フィルタ38の強制再生に伴って負荷増大制御が開始されると、図4に実線で示すように、タンク圧はリリーフ弁64により調整される。即ち、リリーフ弁64の閉弁時にはタンク圧が次第に上昇し、レギュレータ61の調整範囲の上限圧よりもリリーフ弁64の制御に適用される上限閾値が低圧側に設定されていることから、タンク圧が上限閾値を越えた時点でレギュレータ61に先行してリリーフ弁64が開弁する。このためエアタンク60内の圧縮エアはリリーフ弁64を経て大気中に排出される。
上記のように開弁時のリリーフ弁64のエア排出流量はレギュレータ61のエア排出流量よりも少ないため、エアコンプレッサ58によりエアタンク60内に圧縮エアが供給されているにも拘わらずタンク圧は次第に下降する。なお、図4ではリリーフ弁以外にエアタンク60からのエア消費がない状況を示しており、図中のタンク圧が低下するときの勾配は、エアコンプレッサ58からエアタンク60への圧縮エアの供給と、リリーフ弁64を介したエアタンク60から大気中への圧縮エアの排出との収支に応じた角度となる。
リリーフ弁64の制御に適用される下限閾値はレギュレータ61の調整範囲の下限圧よりも高圧側に設定されていることから、タンク圧が下限閾値を下回った時点でリリーフ弁64が閉弁し、エアタンク60内からの圧縮エアの排出が中止される。以上のようにレギュレータ61は閉弁保持され、リリーフ弁64によりタンク圧が上限閾値と下限閾値との範囲内で周期的に変動しながら調整され続ける。
結果として負荷増大制御の実行中には、ECU70が実行するリリーフ弁を利用したタンク圧制御により、エアコンプレッサ58が連続作動してエアタンク60への圧縮エアを供給し続けることになり、エンジン1にはエアコンプレッサ58を駆動するための大きな負荷が連続して作用し続けることになる。
一方、負荷増大制御では、バッテリ電圧及び連続作動時間に関する作動条件を前提として吸気ヒータ13が作動すると共に、冷却水温に基づく制御に関わらず電磁カップリング52が接続され、エアコンディショナ制御に関わらず電磁クラッチが接続されてA/Cコンプレッサ56が最大容量で作動する。
吸気ヒータ13の作動によりバッテリの消費電力は増加し、バッテリを充電して消費された電力を補うべく、オルタネータ55の発電量が増加方向に制御されることから、オルタネータ55を駆動するエンジン負荷の増加に繋がる。又、電磁カップリング52の接続による冷却ファン53の作動は、冷却ファン53を駆動するエンジン負荷の増加に繋がり、A/Cコンプレッサ56の作動もエンジン負荷の増加に繋がる。冷却ファン53及びA/Cコンプレッサ56については作動を継続し、吸気ヒータ13についても作動条件が満たされる限り作動を継続することから、負荷増大制御中において、エンジン1にはエアコンプレッサ58、冷却ファン及びA/Cコンプレッサ56の駆動トルク、及び吸気ヒータ13の作動により発電量を増加させたオルタネータ55の駆動トルクが常に作用する。
エアタンク60に圧縮エアを充填するためのエアコンプレッサ58は非常に大きな駆動力を必要とし、又、他の冷却ファン53、A/Cコンプレッサ56、オルタネータ55の駆動トルクもエンジン1に大きく影響する。よって、負荷増大制御の実行中にはエンジン負荷が大きく増大し、その負荷増大によるエンジン回転速度の低下を補うべく、エンジン制御側ではメイン噴射量が増加側に補正されるため、結果として排気温度が大幅に上昇する。なお、メイン噴射の噴射時期はポスト噴射のように遅くないため、メイン噴射量の増加は排気昇温には貢献しても、ポスト噴射のような弊害を生じることはない。
一方、エアコンプレッサ58の作動に関しては、図4に示すように、エアタンク60のタンク圧が通常制御時のレギュレータ61による調整範囲内のより狭い範囲内(本発明における調圧手段により調整される所定圧近傍に相当)でリリーフ弁64により調整される。通常制御時においてレギュレータ61によりタンク圧が調整される範囲は、エアタンク60の耐圧限界を越えることなく、且つブレーキやサスペンションを作動可能な圧力として設定されているため、強制再生時においてもタンク圧がレギュレータ61による調整範囲内のより狭い範囲内に制御されることにより、耐圧限界を越えた過剰な圧力上昇によりエアタンク60が破損する虞がなく、且つ、タンク圧がブレーキやサスペンションを作動可能な最低限の圧力以上に制御されることにより強制再生後の車両走行に迅速に対応でき、本制御を実行することによる弊害は一切発生しない。
又、吸気ヒータ13の作動に関しては、上記作動条件を設定することでバッテリ上がりや断線を防止しているため、同じく弊害は発生しない。冷却ファン53の作動に関しては、通常制御時に比較して冷却水温度が多少低下するだけで弊害は発生せず、又、A/Cコンプレッサ56の作動に関しても、エバポレータが温度低下するものの、オートモードではエアミクスチャー機能で車室内への冷風の吹き出しが防止されて目標温度を支障なく達成できるため、同じく弊害は発生しない。
以上のように負荷増大制御はアイドル運転での強制再生時に実行されるが、アイドル運転中でエンジン1の排気温度が低い状況であっても、上記エアコンプレッサ58等を駆動するためにエンジン1の負荷は通常制御時(例えば図4に破線で示す状況)に比較して格段に増大していることから、エンジン1の排気温度は大幅に上昇して強制再生時のフィルタ38の昇温に大きく貢献する。よって、排気温度の上昇によりフィルタ38の昇温が促進されることによりポスト噴射量を減少でき、これにより燃費悪化を抑制できるばかりでなく、ポスト噴射された燃料のシリンダ壁面への付着によるオイルダイリューションを防止できると共に、未燃燃料を多く含んだブローバイガスの環流に起因するアイドル不調等、多量のポスト噴射による種々の弊害を未然に防止することができる。
さらに迅速なフィルタ38の昇温により強制再生の実行時間が短縮できることは、結果としてトータルとしてのポスト噴射量の減少にも貢献し、又、排気温度の上昇は、強制再生時のアイドル回転速度を低下させることにも貢献し、これらの要因も燃費悪化の抑制に貢献する。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、タンク圧制御によるエアコンプレッサ58の連続作動、冷却ファン63及びA/Cコンプレッサ56の連続作動、吸気ヒータ13の作動によるオルタネータ55の発電量の増加を行ったが、全ての要件を実行する必要はなく、何れかを省略してもよい。又、他の要件を追加してもよく、例えば上記電磁カップリング52を備えた冷却ファン53に代えて、モータにより回転駆動される電動ファンを備えたエンジンでは、モータを作動させてもよい。モータの作動は上記吸気ヒータ13と同様に消費電力の増加、ひいてはオルタネータ55の発電量の増加に繋がるため、結果として電磁カップリング52を接続して冷却ファン53を作動させた場合と同様にエンジン負荷を増大することができる。
又、上記実施形態では、エアタンク60にリリーフ弁64を設けて、このリリーフ弁64を利用したタンク圧制御によりエアコンプレッサ58を連続作動させることにより強制再生中のエンジン負荷を増大させたが、リリーフ弁64は必ずしも設ける必要はない。例えば図4からも明らかなように、レギュレータ61によりタンク圧が調整される通常制御においても、エアコンプレッサ58の負荷は周期的に増減し、負荷が増加している間中はエンジン負荷も増大して排気温度は上昇している。一方、強制再生の実行中において特に排気昇温を要するのは、通常温度のフィルタ38を強制再生温度まで昇温する予備昇温過程であり、その後のフィルタ38温度を維持するための上昇過程及び下降過程では予備昇温過程ほどは排気昇温を必要としない。そこで、強制再生時の開始条件が成立したときには、レギュレータ61の閉弁によりエアコンプレッサ58の負荷が増加するタイミングまで待機し、レギュレータ61の開弁と共に強制再生を開始してもよい。
これにより、エンジン1の排気温度が高い状態で予備昇温過程が開始される。上記実施形態とは違いエアコンプレッサ58の負荷が増加する期間はレギュレータ61の閉弁期間(タンク圧がレギュレータ61の設定圧まで上昇する所要時間)に限られるが、その間は排気温度が上昇してフィルタ38の昇温に貢献できるため、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。尚、この場合には、レギュレータ61が閉弁するまで強制再生の開始を待つための処理が、結果としてフィルタ38の強制再生に対応してエアコンプレッサ58を作動させる負荷増大制御手段として機能することになる。
又、上記実施形態では、エアタンク60に接続したリリーフ管63にリリーフ弁64を設けたが、リリーフ手段はこれに限定されるものではなく、種々に変更可能である。例えばレギュレータ61が設けられたエア管路59、或いはブレーキやサスペンションと接続されたエア管路62にリリーフ弁64を設けてもよく、この場合でも上記実施形態と同様の効果が得られる。又、レギュレータ61の開弁状態をECU70により制御するように構成し、通常制御時にはレギュレータ61に本来の調圧機能を行わせる一方、負荷増大制御では上記リリーフ弁64と同様に開閉制御するようにしてもよい。
又、上記実施形態では、レギュレータ61によるタンク圧の調整範囲に基づき上限閾値及び下限閾値を設定し、負荷増大制御ではこれらの閾値に基づいてタンク圧を制御することにより、エアタンクの破損防止や強制再生後の車両走行への対応を可能としたが、必ずしもこれに限ることはなく、レギュレータ61の調整範囲とは関係なくタンク圧を制御してもよい。
本発明の排気浄化装置が適用された6気筒のディーゼルエンジンを示す全体構成図である。 ECUが実行する負荷増大ルーチンを示すフローチャートである。 ECUが実行するタンク圧制御ルーチンを示すフローチャートである。 フィルタの強制再生時の負荷増大制御の実行状況を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
13 吸気ヒータ
30 上流側ケーシング(排気通路)
38 フィルタ
53 冷却ファン
54 ラジエータ
56 A/Cコンプレッサ
58 エアコンプレッサ
60 エアタンク
61 レギュレータ(調圧手段)
64 リリーフ弁(リリーフ手段)
70 ECU(強制再生手段、負荷増大制御手段)

Claims (5)

  1. エンジンの排気通路に配設されて該エンジンから排出される排気中のパティキュレートを捕集するフィルタと、
    上記エンジンのメイン噴射後にポスト噴射を行って該エンジンの排気温度を上昇させ、上記フィルタに捕集されたパティキュレートを焼却する強制再生を実行する強制再生手段と、
    車両のエア駆動装置を作動させるための圧縮エアが充填されエアタンクと、
    上記エンジンにより駆動されて上記エアタンクに圧縮エアを供給するエアコンプレッサと、
    上記エンジンのアイドル運転状態で上記強制再生手段により上記フィルタの強制再生が実行されるときに、上記エアコンプレッサを作動させる負荷増大制御手段と
    を備えたことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 上記エアタンク内に充填された圧縮エアを開弁に伴って外部に排出可能に構成され、開弁時のエア排出量が上記エアコンプレッサのエア吐出量よりも大きく設定されたリリーフ手段を備え、
    上記負荷増大制御手段は、上記リリーフ手段を開閉制御して上記エアタンク内に充填された圧縮エアを外部に排出して、上記エア駆動装置を作動可能な最低限の圧力以上に上記タンク圧を制御しながら上記エアコンプレッサを連続的に作動させることを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 上記エアタンク内に充填された圧縮エアを開弁に伴って外部に排出可能に構成され、開弁時のエア排出量が上記エアコンプレッサのエア吐出量よりも大きく設定されたリリーフ手段を備え、
    上記エアタンクは、上記強制再生以外の通常時に上記タンク圧を調圧手段の開閉に応じて所定圧に調整され、
    上記負荷増大制御手段は、上記リリーフ手段を開閉制御して上記エアタンク内に充填された圧縮エアを外部に排出して、上記タンク圧を上記調圧手段により調整される所定圧近傍に制御しながら上記エアコンプレッサを連続的に作動させることを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 上記エンジンに吸入される吸入空気を昇温する吸気ヒータを備え、
    上記負荷増大制御手段は、上記フィルタの強制再生が実行されるときに上記エアコンプレッサを作動させると共に、上記吸気ヒータを作動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 上記車両の車室内を冷房するエアコンディショナ、又は該車両のラジエータを冷却する冷却ファンの少なくとも一方を備え、
    上記負荷増大制御手段は、上記フィルタの強制再生が実行されるときに上記エアコンプレッサを作動させると共に、上記エアコンディショナの冷媒圧縮用のコンプレッサ又は上記冷却ファンの少なくとも一方を作動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエンジンの排気浄化装置。
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