JP2010123865A - セラミック電子部品および部品内蔵基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミック電子部品10を、セラミック素体1と、セラミック素体の外表面に形成された一対の外部端子電極5a,5bとを備え、無機フィラーを含有する樹脂層7により、外部端子電極が被覆された構成とする。
また、本発明の部品内蔵基板においては、基板本体21の、セラミック電子部品10と接する部分を構成する絶縁材料20aに第1の樹脂および第1の無機フィラーを含有させるとともに、内蔵されるべきセラミック電子部品10の外部端子電極を樹脂層7により被覆し、かつ、樹脂層7として、第2の樹脂を含有するものを用い、この第2の樹脂を上記第1の樹脂と同じ樹脂とする。
【選択図】図3
Description
そして、部品内蔵基板の場合にも、埋め込み樹脂が気泡を噛み込むことにより空隙が発生し、その後の工程で、溶剤、酸、アルカリ溶液などが使用され場合において、これらの溶剤、酸、アルカリ溶液などが上記空隙に浸入し、セラミック電子部品の外部端子電極とセラミック素体の隙間を通って内部電極が配設されている領域にまで浸透し、ショート不良を引き起こすというような問題点がある。
セラミック素体と、
前記セラミック素体の外表面に形成された一対の外部端子電極と、
前記外部端子電極を被覆する樹脂層と、
を備え、
前記樹脂層は無機フィラーを含有していること
を特徴としている。
内蔵されるセラミック電子部品と接する部分が絶縁材料から形成された基板本体と、
前記基板本体表面に形成された表面導体と、
前記基板本体に内蔵され、一対の外部端子電極を有するとともに、前記外部端子電極は樹脂層により被覆されたセラミック電子部品と、
前記基板本体表面から、前記セラミック電子部品の前記外部端子電極に達するように形成され、前記表面導体と前記外部端子電極とを電気的に接続するビアホール導体と、
を備え、
前記基板本体の、前記セラミック電子部品と接する部分を構成する絶縁材料は第1の樹脂および第1の無機フィラーを含有し、
前記セラミック電子部品の前記外部端子電極を被覆する前記樹脂層は第2の樹脂を含有し、
前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は同じものであること
を特徴としている。
すなわち、本発明のセラミック電子部品によれば、溶剤や、酸、アルカリ溶液などがセラミック電子部品の外部端子電極を透過してセラミック素体の内部に入り込んだり、外部端子電極とセラミック素体の隙間からセラミック素体の内部に入り込んだりして、ショート不良などの不具合を発生することを抑制、防止することが可能になる。そして、本発明のセラミック電子部品を部品内蔵基板に用いた場合、信頼性の高い部品内蔵基板を得ることが可能になる。
なお、本発明のセラミック電子部品を部品内蔵基板に用いた場合、セラミック電子部品が内蔵される基板本体の、セラミック電子部品と接する部分を構成する絶縁材料には、基板本体の骨格を構成するコア基板との関係において、熱伝導率、熱膨張率、誘電率などの特性を調整するために、無機フィラーが添加されることが多いことから、本発明のセラミック電子部品のように外部端子電極を被覆する樹脂層にも無機フィラーを含有させることにより、樹脂層を上記絶縁材料となじみやすくさせる(親和性を向上させる)ことが可能になり、特性の良好な部品内蔵基板を得ることができるようになる。
第1,第2の外部端子電極5a,5bは、端面31,32から、セラミック素体1の主面側及び側面側にまで回り込んだ回り込み部15a,15bを有している。
また、図1および図2のいずれのセラミック電子部品10においても、外部端子電極5a,5bの最外層にはめっき層(この実施例ではCuめっき層)6が形成されている。
また、図1および図2のいずれのセラミック電子部品10においても、樹脂層7はガラス、SiO2、MgO、Al2O3、BN、AlNなどの、無機フィラーを含有している。
この実施例1のセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)10を構成するセラミック素体1は、通常、複数の積層されたセラミック層からなる。ただし、製品の種類によっては、セラミック素体1は必ずしも複数のセラミック層からなる積層体でなくてもよい。
外部端子電極5a,5bは、セラミック素体1の端面31,32だけでなく、主面11,12および側面(図示せず)にまで回り込んでいることが望ましい。
また、下地層は、内部電極と同時焼成したコファイアによるものでもよく、また、焼成後のセラミック素体に導電性ペーストを塗布して焼き付けたポストファイアによるものでもよい。
外部端子電極5a,5bあるいは、セラミック素体1と外部端子電極5a,5bの全体を被覆するように配設される樹脂層7は、樹脂および無機フィラーを含む。
部品内蔵基板においては、基板本体の、セラミック電子部品と接する部分を構成する絶縁材料には無機フィラーが含まれるため、なじみの良さ(親和性)を確保する見地から、樹脂層7にも無機フィラーが含まれることが好ましい。
樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シアネート樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
また、樹脂は、後述する基板本体の、セラミック電子部品と接する部分を構成する絶縁材料に含まれる樹脂と同じであることが好ましい。
また、無機フィラーは樹脂層を構成する全材料の70〜95重量%を占めることが好ましい。
また、無機フィラーとして金属フィラーを用いることも考えられるが、金属フィラーを用いた場合には、酸化したり、CO2レーザーを乱反射するおそれがあるため、通常は、金属フィラーを含有しないことが好ましい。
なお、外部端子電極のみを被覆するように樹脂層を形成する場合には、外部端子電極5a,5bの回り込み部15a,15bの先端部(セラミック素体1との境界部)も被覆するように形成する。これにより境界部からセラミック素体の内部へのめっき液などの侵入を抑制、防止することが可能になり、信頼性を向上させることができる。
この実施例1では、図1,図2に示すように、第1の内部電極3aが第1の端面31に引出され、第2の内部電極3bが第2の端面32に引出されている。
第1、第2の内部電極3a,3bが特定のセラミック層2を挟んで対向する部分において、所定の電気的特性が発現する。なお、インダクタの場合は、図1,図2のような電極パターンではなくコイル導体が配置されることになる。
また、内部電極の焼成後の厚みは0.3〜2.0μmであることが好ましい。
ただし、本発明において、内部電極は必須の要素ではない。
次に、上記セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を製造する方法について説明する。
これにより、図1,図2に示すような構造を有するセラミック電子部品10(10a,10b)が得られる。
図3および図4は本発明の一実施例にかかる部品内蔵基板を示す断面図であり、図3はセラミック電子部品を横向きにして内蔵した部品内蔵基板を示しており、図4はセラミック電子部品を縦向きにして内蔵した部品内蔵基板を示している。
なお、この実施例2では、部品内蔵基板30に内蔵されるセラミック電子部品として、図2に示す、セラミック素体1および外部端子電極5a,5bの全体が樹脂層7(7a,7b)により被覆されたセラミック電子部品10(10b)が用いられている。なお、図1に示す、セラミック素体1の両端部の外部端子電極5a,5bが樹脂層7(7a,7b)により被覆された構造を有するセラミック電子部品10(10a)を用いてもよいことはいうまでもない。
なお、図3および図4は、部品内蔵基板30の全体構造を示すことに重点を置いているため、セラミック電子部品を外部端子電極5a,5bなどを被覆する樹脂層7(図1,図2参照)については、その図示を省略している。
また、セラミック電子部品10の外部端子電極5a,5bは、樹脂層7により被覆されており、かつ、樹脂層7は第2の樹脂を含有している。
この実施例2の部品内蔵基板30を構成する各部の詳細は以下の通りである。
この実施例2において、基板本体21は、内蔵されるセラミック電子部品10と接する部分20などを構成する絶縁材料20aと、基板本体21の骨格を構成するリジッドな樹脂材料からなる複数のコア基板20bとを備えている。そして、絶縁材料20aは、絶縁性の樹脂および無機フィラーを含む。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シアネート樹脂などを用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
上記の無機フィラーの平均粒径は0.1〜10μmであることが好ましい。
無機フィラーは絶縁材料の70〜95重量%を占めることが好ましい。
また、無機フィラーとして金属フィラーを用いることも考えられるが、金属フィラーが酸化したり、CO2レーザーを乱反射するおそれがあるため、金属フィラーを含有しないことが好ましい。
なお、この実施例2では、セラミック電子部品10を被覆する樹脂層7に添加される無機フィラーとして、この絶縁材料20aを構成する無機フィラーと同じものを用いている。これにより、セラミック電子部品10の外部端子電極5a,5bなどを被覆する樹脂層7を絶縁材料20aとなじみやすくさせる(親和性を向上させる)ことが可能になり、特性の良好な部品内蔵基板を得ることができるようになる。
なお、コア基板20bの積層数は、通常3〜10層程度とすることが望ましい。
また、基板本体21は、その内部、すなわち、コア基板20bの層間などに導体配線や電極、コンデンサ素子や抵抗素子などの素子を配設することも可能である。すなわち、多層構造の部品内蔵基板を得ることができる。
基板本体21に形成される表面導体22、ビアホール導体23としては、Ag、Cuなどを用いることができる。
表面導体22、ビアホール導体23の他に、コア基板20bの層間などに、配線導体が配置されていてもよいことは上述の通りである。
表面導体22の表面にはNiめっき、Auめっきが順に形成されることが好ましい。
次に、セラミック電子部品を基板本体に埋め込む工程について、図3および図4を参照しつつ説明する。
なお、第1〜第3のコア基板20b1,20b2,20b3は、それぞれ、複数のコア基板を積層することにより形成されていてもよい。
なお、流し込んだ樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化状態の樹脂が硬化することにより固化する。熱可塑性樹脂の場合は、加熱により流動性が付与された状態から、冷却されて温度が低下するにより固化する。
なお、上記の埋め込み方法以外に、第1のコア基板の表面にランドを形成し、はんだや導電性接着剤などにより、セラミック電子部品をランド上に実装してから、液状樹脂を流し込む方法を適用することも可能である。この場合、セラミック電子部品と表面導体とが直接電気的に接続されることはなく、セラミック電子部品からランドを介して基板内部の回路と電気的に接続される。この場合、セラミック電子部品10の外部電極5a,5bを被覆する樹脂層7(図1)としては、セラミック電子部品をランド上に実装する際における、はんだ付け温度や導電性接着剤の硬化温度にて溶融するような、比較的軟化点の低い樹脂を用いることが好ましい。
上記実施例1で説明した方法で、Cu下地層を有する外部端子電極を備えたセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を準備した。そして、Cu下地層上にNiめっき、Cuめっきを施し、その後、還元雰囲気下(酸素濃度10ppm以下)、最高温度550℃以上で60分間熱処理して、寸法が、長さ:0.6mm、幅:0.3mm、高さ0.3mmの積層セラミックコンデンサを作製した。
なお、この実験例では、樹脂溶液に浸漬させるにあたって、表1に示すように、樹脂濃度の異なる樹脂溶液を用意し、下地層の表面に付着する樹脂の厚み(付着厚)を異ならせて、外部端子電極を被覆する樹脂層の膜厚の異なる複数種類の積層セラミックコンデンサ(試料)を作製した(表1の試料2〜6)。付着厚は、樹脂溶液への浸漬前後の積層セラミックコンデンサの厚み方向の寸法を測定し、その差を付着厚とした。
その結果を表1に併せて示す。
なお、試料2の場合、樹脂層の付着厚が薄く、耐湿負荷試験における信頼性はやや低いこと、セラミック電子部品とその周囲の絶縁材料との間に少し隙間が存在するものもみられたが、用途によっては十分に実用性があると判断されるものであった。
また、試料6の場合、樹脂層の付着厚が厚く、小型化の見地からはいくらか好ましくない面もあるが、耐湿負荷試験における信頼性は高いことが確認された。
この実験例の結果から判断すると、樹脂層の厚みは2〜15μmとすることが特に好ましい。
2 セラミック層
3a 第1の内部電極
3b 第2の内部電極
5a 第1の外部端子電極
5b 第2の外部端子電極
6 めっき層
7(7a,7b) 樹脂層
10(10a,10b) セラミック電子部品
11 第1の主面
12 第2の主面
15a,15b 回り込み部
20 絶縁材料からなる、セラミック電子部品と接する部分
20a 絶縁材料
20b1 第1のコア基板
20b2 第2のコア基板
20b3 第3のコア基板
21 基板本体
22 表面導体
23 ビアホール導体
23a ビアホール
24 キャビティ
30 部品内蔵基板
31 第1の端面
32 第2の端面
Claims (8)
- セラミック素体と、
前記セラミック素体の外表面に形成された一対の外部端子電極と、
前記外部端子電極を被覆する樹脂層と、
を備え、
前記樹脂層は無機フィラーを含有していること
を特徴とする、セラミック電子部品。 - 前記樹脂層は前記セラミック電子部品全体を被覆していることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック電子部品。
- 前記外部端子電極の最外層にはCuめっき層が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のセラミック電子部品。
- 前記樹脂層の厚みは2〜15μmであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセラミック電子部品。
- 前記樹脂層を構成する樹脂は熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック電子部品。
- 前記無機フィラーが、ガラス、SiO2、MgO、Al2O3、BN、およびAlNからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載のセラミック電子部品。
- 内蔵されるセラミック電子部品と接する部分が絶縁材料から形成された基板本体と、
前記基板本体表面に形成された表面導体と、
前記基板本体に内蔵され、一対の外部端子電極を有するとともに、前記外部端子電極は樹脂層により被覆されたセラミック電子部品と、
前記基板本体表面から、前記セラミック電子部品の前記外部端子電極に達するように形成され、前記表面導体と前記外部端子電極とを電気的に接続するビアホール導体と、
を備え、
前記基板本体の、前記セラミック電子部品と接する部分を構成する絶縁材料は第1の樹脂および第1の無機フィラーを含有し、
前記セラミック電子部品の前記外部端子電極を被覆する前記樹脂層は第2の樹脂を含有し、
前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は同じものであること
を特徴とする、部品内蔵基板。 - 前記樹脂層は第2の無機フィラーを含有し、前記第1の無機フィラーと前記第2の無機フィラーは同じものであることを特徴とする、請求項7に記載の部品内蔵基板。
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