JP2010113338A - Fpd用ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ分断法の欠点を解消して、薄板化しても強度の劣らないFPD用ガラス基板を効率よく製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】第一ガラス基板G1と第二ガラス基板G2の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板1について、第一ガラス基板G1の表面に、表示セル領域を区画する第一スクライブライン5aを形成する予備工程ST1と、第一スクライブライン5aに沿ってレーザ光を走査させる走査工程ST3と、第一スクライブライン5aに対応して、第二ガラス基板の表面に、第二スクライブライン5bを形成して貼合せガラス基板を分断する切断工程ST4と、をこの順番で実行して、表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造する。
【選択図】図2
【解決手段】第一ガラス基板G1と第二ガラス基板G2の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板1について、第一ガラス基板G1の表面に、表示セル領域を区画する第一スクライブライン5aを形成する予備工程ST1と、第一スクライブライン5aに沿ってレーザ光を走査させる走査工程ST3と、第一スクライブライン5aに対応して、第二ガラス基板の表面に、第二スクライブライン5bを形成して貼合せガラス基板を分断する切断工程ST4と、をこの順番で実行して、表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造する。
【選択図】図2
Description
本発明は、FPD用ガラス基板の製造方法に関し、特に、一対のガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板の製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ(本明細書ではFPDと称す)は、CRTディスプレイのブラウン管のように膨らみを持った表示装置と対比される用語であり、奥行きが少なく省スペースで、且つ、表示パネルに膨らみがない点に大きな特徴があり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどが実用化されている。FPDのうち、特に、液晶ディスプレイは、テレビ受像機だけでなく、携帯電話機やコンピュータ機器などの表示装置としても広く普及している。
ところで、液晶ディスプレイの軽量化と薄型化の要請に基づき、最近では、液晶ディスプレイを構成する貼合せガラス基板を極限まで化学研磨する方法が好適に採用されている。具体的には、複数の表示パネル領域を設けた第一と第二のガラス基板を貼合せ、貼り合わせガラス基板の外周を封止した状態で、フッ酸を含んだ水溶液に浸漬させて化学研磨して薄型化している。なお、貼合せガラス基板は、第5世代では、例えば、縦1100mm×横1250mmであり、第6世代では、例えば、1500mm×1850mmである。
この化学研磨方法によれば、複数枚の表示パネルをまとめて製造できるだけでなく、機械研磨に比べて処理速度が速いので、生産性に優れるという利点がある。また、上記の化学研磨方法によれば、貼合せガラス基板を限界まで薄型化できるので表示パネルの薄型化と軽量化の更なる要請にも応えることができる。
このようにして、限界まで薄型化された貼合せガラス基板は、その後、物理的及び/又は化学的な方法で個々の表示パネル毎に分断される。好適な分断方法としては、ダイヤモンドや超硬合金製のホイールカッタなどを用いて形成したスクライブラインを、ガラス基板の化学研磨に合わせて深さ方向に研磨し、最後に、スクライブラインに沿ってガラス基板を割断する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1に記載の発明によれば、貼合せガラス基板にエッチング液を接触させて、スクライブライン形成時に生じたガラスのクラックを除去しているので、切断分離後の貼合せガラス基板について、十分な強度を発揮させることができる。
しかし、貼合せガラス基板を極限的に薄板化するべくエッチング量を増やすと、元々はV字状に形成されていたスクライブラインが、エッチングにより深く化学研磨される過程で、完全に滑面化されてしまい、その後の切断分離が困難になることがあった。なお、研磨量が少なすぎると、スクライブラインの形成時に生じたクラックが残存して、分断後のガラス基板の強度を劣化させてしまう。
ところで、カッタ刃を使用することに代えて、レーザ光を使用する切断分離方法(以下、レーザ分断法という)も知られている(例えば、特許文献2)。
しかし、一般に、レーザ分断法では、レーザ光の走査ラインの開始傷STを物理的に設けておく必要があり、特に、貼合せガラス基板を分断する方法としては作業性に劣っている。すなわち、貼合せガラス基板を分断するには、その表面だけでなく、その裏面にもレーザ光を走査する必要があり、しかも、走査ラインの開始傷を、各々、設ける作業が必要であり煩雑である。図5に関して説明すると、レーザ分断法では、既に形成された切断ラインCLを越えては、別の開始傷が存在しない限り、切断ラインを延長させることができないので、貼合せガラス基板の表裏面に多数の開始傷STを設けた上で(図5(a))、貼合せガラス基板の表裏面にレーザ光を走査させて、短冊状の切断ピースに切断した後(図5(b)(c))、同じ操作を、個々の切断ピースにも繰り返す必要があるという煩雑さがある。
また、レーザ分断法では、ガラス基板の板厚の平坦性に対する条件が厳しく、例えば、板厚0.5mm程度のガラス基板について、その位置的なバラツキを20μm未満に抑制する必要がある。しかし、例えば、1m×1m程度の面積を有する貼合せガラス基板を0.5mm以下まで薄型化した場合に、上記の要求に応えるのが非常に困難であり、この要求に応えようとすると加工コストが大幅に増加する。
更にまた、レーザ分断法では、ガラス基板の切断面に、直角に近い角が生じるので、その後の作業において、このガラス基板の角が、他の部材と接触してクラックを発生させてしまうという問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、レーザ分断法の欠点を解消して、薄板化しても強度の劣らないFPD用ガラス基板を効率よく製造できる製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係るFPD用ガラス基板の製造方法は、第一ガラス基板と第二ガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板について、前記第一ガラス基板の表面に、前記表示セル領域を区画する第一スクライブラインを形成する予備工程と、前記第一スクライブラインに沿ってレーザ光を走査させる走査工程と、前記第一スクライブラインに対応して、前記第二ガラス基板の表面に、第二スクライブラインを形成して前記貼合せガラス基板を分断する切断工程と、をこの順番で実行して、前記表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造している。
また、請求項2に係るFPD用ガラス基板の製造方法は、第一ガラス基板と第二ガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板について、前記第一ガラス基板と前記第二ガラス基板の各表面における、前記表示セル領域を区画する対応位置に、第一と第二のスクライブラインを形成する予備工程と、前記第一ガラス基板に形成された第一スクライブラインに沿ってレーザ光を走査させる走査工程と、前記第一と第二のスクライブラインに沿って前記貼合せガラス基板を分断する切断工程と、をこの順番で実行して、前記表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造している。
また、請求項3に係るFPD用ガラス基板の製造方法は、第一ガラス基板と第二ガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板について、前記第一ガラス基板と前記第二ガラス基板の各表面における、前記表示セル領域を区画する対応位置に、第一と第二のスクライブラインを形成する予備工程と、前記第一ガラス基板に形成された第一スクライブラインに沿ってレーザ光を走査させて、前記第一と第二のスクライブラインに沿って前記貼合せガラス基板を分断する走査工程と、をこの順番で実行して、前記表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造している。
上記各発明において、予備工程におけるスクライブラインは、レーザ光を走査して形成しても良いが、好ましくは、カッタ刃を使用して機械的に形成するべきである。カッタ刃を使用する場合には、ガラス基板の板厚の平坦性に対する条件が、レーザ光を使用する場合ほど厳しく要求されない。また、スクライブラインの形成とは別に、レーザ走査の開始傷を設ける余分の作業も不要となる。なお、スクライブラインは好ましくは、直線状に形成されるが、曲線状のスクライングラインが排除されるものではない。また、スクライブラインは、好ましくは、連続ラインであるが、散点状に形成される離散ラインであっても良い。
上記の発明では、予備工程において、スクライブラインを縦横に形成することができるので、走査工程において、既に形成された切断ラインを越えて、切断ラインを延長させることができる。なお、予備工程のスクライブラインの形成時に生じたクラックは、その後の走査工程で、ガラス表面が溶融して変質する過程で消失させることができる。
もっとも、好ましくは、予備工程と走査工程の間に研磨工程を設け、スクライブラインに、フッ酸を含有した化学研磨液を接触させるべきである。このような構成を採ると、スクライブラインが、深さ方向と幅方向にエッチングされる過程で、V字状の切込みライン(スクライブライン)が滑面化される結果、切断分離後の各ガラス基板の端面にも、角が生じないので、その後のクラック発生の原因とならない。
ここで、研磨工程では、貼合せガラス基板を化学研磨液に浸漬するのが好ましく、このような構成を採った場合には、スクライブラインをエッチングする過程で、貼合せガラス基板を無理なく薄型化できるので、極限的に薄型化した表示パネルを製造することができる。
なお、エッチングされたスクライブラインは、その後の走査工程における切断予備線に過ぎないので、エッチング量が増加して、相当レベルまで滑面化された場合でも、特許文献1の製法を採る場合のような分断処理時の弊害は生じない。
請求項1に係る発明では、分断工程において、カッタ刃を使用して機械的にスクライブラインを形成するのが好適である。もっとも、レーザ光の使用が、特に禁止されるものではない。
一方、請求項2に係る発明では、好ましくは、分断工程において、第二スクライブラインに沿ってレーザ光を走査するか、或いは、第二スクライブラインに沿って機械的に加圧する方法が採られる。
また、前記第一ガラス基板は、フラットパネルディスプレイにおいて使用者に露出せず、前記第二ガラス基板が使用者に露出するのが好ましい。このような構成を採ると、少なくとも、使用者に露出しない第一ガラス基板の外表面側の周縁ラインが滑らかであり、スクライブライン形成時に生じたガラスのクラックが完全に除去されている。そのため、完成したフラットパネルディスプレイの使用時に、使用者に露出する第二ガラス基板G2から第一ガラス基板G1に向けて圧力が加わっても(図1(b)参照)、フラットパネルディスプレイが割れにくい。すなわち、圧力を受けて最も伸びる第一ガラス基板の外表面側の周縁ラインL1が滑らかであるため、ガラスが割れる際の起点が存在せず、優れた破壊耐力を発揮する。
本発明に使用されるガラスは、特に限定されないが、仮に、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラ、石英ガラスに分類した場合には、ソーダ石灰ガラスは、FPDの製造時にアルカリ金属の溶出が懸念されること、石英ガラスは、高価であることなどから、ほう珪酸ガラスやアルミノ珪酸ガラスが好適に使用される。
ここで、ほう珪酸ガラスは、酸化ホウ素を含有するガラスであり、ソーダ石灰ガラスより耐熱性に優れる利点がある。なお、ほう珪酸ガラスは、酸化ホウ素に加えて、酸化バリウムを更に含有するバリウムほう珪酸ガラスを含む概念である。
一方、アルミノ珪酸ガラスは、酸化アルミニウムを18〜28重量%含む珪酸ガラスであり、ほう珪酸ガラスより、耐熱性、熱的安定性、化学的耐久性に優れるので、本発明のガラス基板の材料として更に適している。このアルミノ珪酸ガラスには、酸化ホウ素と酸化アルミニウムとを含有するアルミノほう珪酸ガラスも含まれる。
なお、ガラスをアルカリ成分によって分類した場合には、無アルカリガラスが好適に使用される。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ金属の含有量が1%以下の珪酸ガラスを意味し、ほう珪酸ガラスとアルミノ珪酸ガラスを含む概念である。
最適なガラスとしては、SiO2が55〜60重量%、Al2O3が16〜18重量%、B2O3が7〜10重量%程度のアルミノ珪酸ガラスが使用される。
上記した本発明によれば、レーザ分断法の欠点を解消して、薄板化しても強度の劣らないFPD用ガラス基板を効率よく製造することができる。
以下、実施形態に基づき本発明に係るFPD用ガラス基板の製造方法を説明する。図1(a)は、第1実施形態の製造方法を示す工程フロー図である。ここでは、第一ガラス基板G1と第二ガラス基板G2の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板を目的厚Tまで化学研磨して薄型化した後、個々の表示パネル用のガラス基板の形状に分断するまでの手順を記載している。
この製造方法では、FPD完成後は使用者に露出しない第一ガラス基板G1の表面に、切断予備線たるスクライブライン5aを形成する予備工程(ST1)と、板厚T+δの貼合せガラス基板1をエッチング液に浸漬して板厚Tまで薄型化する研磨工程(ST2)と、スクライブライン5aに沿ってレーザ光を走査させてガラス基板を変質させる走査工程(ST3)と、FPD完成後は使用者に露出する第二ガラス基板G1の表面に、切断線たるスクライブライン5bを形成して個々の表示パネル毎に分断する切断工程(ST4)とを有して構成されている。
以下、図3(a)〜図3(e)を参照しつつ説明する。図3(a)に示すように、予備工程ST1では、最終の板厚Tよりやや厚いT+δの貼合せガラス基板1について、第一ガラス基板G1の表面に、スクライブライン5aを縦横に形成する。スクライブライン5aは、ダイヤモンドや超硬合金製であって周面が尖突状の円板状ホールカッタ4によって形成される。
なお、貼合せガラス基板1の最終の板厚Tが、例えば、0.32mmである場合、初期段階では、1mm程度の板厚の貼合せガラス基板1が、予備工程(ST1)に先行して、例えば、0.38mm程度まで薄型化されている。したがって、このような実施例では、板厚0.38mmの貼合せガラス基板1に、スクライブラインが形成されることになり、その後の研磨工程でのエッチング量が60μm(片面では30μm)ということになる。
もっとも、本発明では、スクライブライン5aのV字状底面が、その後の研磨工程で丸型化されても、特に問題が生じないので、研磨工程でのエッチング量を、100μm〜200μm程度まで増加させることができる。エッチング量を増加することは、板厚がもっと厚い(例えば0.5mm程度)の段階で、貼合せガラス基板1にスクライブラインを設けることを意味し、板厚が厚い分だけ、貼合せガラス基板1の取扱いが容易となり作業性が向上する。
ところで、スクライブラインが形成される第一ガラス基板G1は、FPD完成後は使用者に露出しない。すなわち、第一ガラス基板G1における、第二ガラス基板G2との対向面には、薄膜トランジスタ及び透明電極が形成され、更に配向膜が積層されている。一方、第二ガラス基板G2における、第一ガラス基板G1との対向面には、カラーフィルターがブラックマトリックスに区分けされて形成され、オーバーコート、透明電極及び配向膜が順次積層されている。これらガラス基板G1,G2の貼り合せは、両ガラス基板G1,G2の間に、スペーサ、並びに区画樹脂3および外周樹脂を介在させて行なわれている。
表示セル領域は、各々区画樹脂3によって区画されているので、スクライブライン5aは、隣接する区画樹脂3,3のほぼ中央位置に形成される。なお、貼合せガラス基板1の外表面には、本実施形態の切断工程(ST4)の後に偏光板が貼り付けられる。
スクライブライン5aの形成された貼合せガラス基板は、化学研磨液に浸漬されて、貼合せガラス基板1が薄型化されると共に、スクライブライン5aが滑面化されつつ、深化する(ST2)。化学研磨液は、特に限定されないが、フッ酸10重量%未満のフッ酸を含有する研磨液が好適である。
研磨量も特に限定されないが、スクライブライン5aを有意に残存させるためには、研磨量の上限は、貼合せガラス基板全体で100〜200μm程度となる。なお、板厚方向のエッチング量が多いほど、スクライブライン5aが平坦化される傾向となり、元々、断面略V状に形成されたスクライブラインの最深先端部が丸型化されると共に、基端両側の側面も略円弧状に丸形化した角がとれる。したがって、切断分離後の各ガラス基板の端面が、何かに接触しただけではクラック発生の原因にならない。
研磨工程(ST2)が終われば、貼合せガラス基板1を洗浄して乾燥させた後、スクライブライン5aに沿ってレーザ光を走査させて、ガラス表面が変質させる(ST3)。この実施形態では、スクライブラインが縦横に形成されているので、走査開始傷を設けることなくレーザ照射を開始することができる。また、この走査工程では、既に形成された切断ラインを越えて、切断ラインを延長させることができるので、表示セル領域に対応して切断ラインを一気に形成することができる。
なお、研磨工程における研磨量が少ない場合には、スクライブラインの形成時に生じたクラックが残存している場合もあるが、ガラス表面が溶融して変質する過程で有害なクラックを消失させることができる。一方、研磨工程における研磨量が多い場合には、スクライブラインの最深先端部が丸型化しているが、レーザ走査によるガラス変質には特段の支障が生じない。また、板厚Tに場所的な多少のバラツキがあっても、特に問題が生じない。なお、1m×1m程度の面積を有する貼合せガラス基板であれば、好適には、研磨工程後の板厚のバラツキが40μm未満に管理される。
第一ガラス基板G1の表面についてのレーザ照射処理が終われば、その貼合せガラス基板1を表裏反転させて、カッタ刃4を用いて、第二ガラス基板G2における、第一ガラス基板G1のスクライブライン5aに対応する位置に、スクライブラインを設けてガラス基板を分断する(ST4)。
なお、カッタ刃4を押圧することで、薄型化されている貼合せガラス基板1の第二ガラス基板G2は、ほぼ割断される。もっとも、最終的な機械的強度を高めるためには、第二ガラス基板が切断されない程度の浅いスクライブラインを設け、その後、スクライブラインに沿ってレーザ光を照射することでガラス基板を分断しても良い。
図3は、第2実施形態の製造方法を示す工程フロー図である。この製造方法では、第一ガラス基板G1と第二ガラス基板G2の表面に、切断予備線たるスクライブライン5a,5bを形成する予備工程(ST11)と、板厚T+δの貼合せガラス基板1をエッチング液に浸漬して板厚Tまで薄型化する研磨工程(ST12)と、第一ガラス基板G1のスクライブライン5aに沿ってレーザ光を走査させてガラス基板を変質させる走査工程(ST13)と、切断線たるスクライブライン5a,5bに沿って個々の表示パネル毎に分断する切断工程(ST4)とを有して構成されている。
ステップST11〜ST13の各工程の動作内容は、第一実施形態のステップST1〜ST3の動作内容とほぼ同じであるが、切断工程ST14では、第二ガラス基板G2のスクライブライン5bに沿って荷重を加えるか、或いは、スクライブライン5bに沿ってレーザ光を走査して貼合せガラス基板1を分断する。
ここで、スクライブライン5bに沿って荷重を加えて、貼合せガラス基板1を分断する手法を採る場合には、スクライブライン5bの必要以上の滑面化を避けるため、研磨工程における研磨量を100μm未満に抑制すべきである。
一方、スクライブライン5bに沿ってレーザ光を走査して貼合せガラス基板1を分断する手法を採る場合には、上記した研磨量の制限は不要であり、研磨量の上限は、貼合せガラス基板全体で100〜200μm程度となる。
ところで、図3では、走査工程とは別に切断工程を設けているが、レーザ光の照射によって、第一と第二ガラス基板のスクラブライン5a,5bに沿って貼合せガラス基板を一気に分断することもできる。
以上、3つの実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図1〜図4では、液晶ディスプレイ用の貼合せガラス基板について説明したが、一対のガラス基板が貼り合わされているものであれば、液晶ディスプレイ用の貼合せガラス基板であるか否かが問われるものではない。
Claims (11)
- 第一ガラス基板と第二ガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板について、前記第一ガラス基板の表面に、前記表示セル領域を区画する第一スクライブラインを形成する予備工程と、
前記第一スクライブラインに沿ってレーザ光を走査させる走査工程と、
前記第一スクライブラインに対応して、前記第二ガラス基板の表面に、第二スクライブラインを形成して前記貼合せガラス基板を分断する切断工程と、
をこの順番で実行して、前記表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造するフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 第一ガラス基板と第二ガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板について、前記第一ガラス基板と前記第二ガラス基板の各表面における、前記表示セル領域を区画する対応位置に、第一と第二のスクライブラインを形成する予備工程と、
前記第一ガラス基板に形成された第一スクライブラインに沿ってレーザ光を走査させる走査工程と、
前記第一と第二のスクライブラインに沿って前記貼合せガラス基板を分断する切断工程と、
をこの順番で実行して、前記表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造するフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 第一ガラス基板と第二ガラス基板の間に、複数の表示セル領域を設けた貼合せガラス基板について、前記第一ガラス基板と前記第二ガラス基板の各表面における、前記表示セル領域を区画する対応位置に、第一と第二のスクライブラインを形成する予備工程と、
前記第一ガラス基板に形成された第一スクライブラインに沿ってレーザ光を走査させて、前記第一と第二のスクライブラインに沿って前記貼合せガラス基板を分断する走査工程と、
をこの順番で実行して、前記表示セル領域毎に分離されたガラス基板を製造するフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 前記予備工程と前記走査工程の間に、前記第一スクライブラインに、フッ酸を含有した化学研磨液を接触させる研磨工程を設けた請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
- 前記研磨工程では、前記貼合せガラス基板が化学研磨液に浸漬される請求項4に記載の製造方法。
- 前記予備工程では、カッタ刃を使用して機械的に前記スクライブラインが形成される請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
- 前記分断工程では、カッタ刃を使用して機械的に前記スクライブラインが形成される請求項1に記載の製造方法。
- 前記分断工程では、第二スクライブラインに沿って、レーザ光が走査される請求項2に記載の製造方法。
- 前記分断工程では、第二スクライブラインに沿って、荷重が加えられる請求項2に記載の製造方法。
- 前記第一ガラス基板は、フラットパネルディスプレイにおいて使用者に露出せず、前記第二ガラス基板が使用者に露出する請求項1〜9の何れかに記載の製造方法。
- 請求項1〜10の何れかの製造工程を経由するフラットパネルディスプレイの製造方法。
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CN105750736A (zh) * | 2016-04-28 | 2016-07-13 | 深圳市大德激光技术有限公司 | 一种用于双层玻璃的激光切割方法 |
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