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JP2010108673A - 固体高分子電解質型燃料電池運転法及び固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池運転法及び固体高分子電解質型燃料電池 Download PDF

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JP2010108673A
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Japan
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fuel cell
polymer electrolyte
solid polymer
electrolyte fuel
fuel gas
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JP2008277823A
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Kenichi Tokuda
健一 徳田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】固体高分子電解質型燃料電池の運転中にフッ素系高分子電解質が劣化して生じるフッ酸をフッ酸発生箇所または燃料電池中で固定化して無害化することを目的とする。
【解決手段】燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池運転法。燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液の混入法としては、アルカリ化合物水溶液の燃料ガス中への噴霧が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池の運転中にフッ素系高分子電解質が劣化して生じるフッ酸を固定化する固体高分子電解質型燃料電池運転法、及び固体高分子電解質型燃料電池に関する。
近年、水素と酸素の電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギー供給源として注目されている。イオン交換樹脂膜を含む燃料電池などでは一般に、高分子電解質であるイオン交換樹脂膜がアノード極とカソード極の両電極間に狭持された膜電極接合体に、さらに膜電極接合体の各電極との間に燃料(例えば水素ガス)を挿通する燃料流路(アノード側)と酸化剤ガスを挿通する酸化剤ガス流路(カソード側)とを形成するセパレータを設けて構成されている。
燃料電池を発電運転させる場合、アノード側、カソード側にそれぞれ必要に応じて加湿された燃料、酸化剤ガスが供給されることで、電気化学反応(電池反応)を起こさせて電気を取出すと共に、発電に伴なって生成水が生成される。
このとき、アノード側に供給されて反応に寄与せず残留した燃料ガスを含むアノードオフガスはオフガス流路を挿通して電池外部に排出されるが、このアノードオフガス中には高分子電解質の構成成分であるフッ素等がフッ素イオン等の腐食性の高いイオン(腐食性イオン)として含まれている。そして、これらフッ素イオン等の腐食性イオンは、流通しながらオフガス流路(配管)やポンプ等の補器類に使われている金属の溶出を促進することが知られている。
また、カソード側では、電池反応により生成水が生成されるが、この生成水は反応に寄与せず残留したカソードオフガスと共にオフガス流路から電池外部に排出される。生成水は、アノード側から排出される構成とされることもある。電池内で生成された生成水にも、フッ素イオンが含まれていることが知られており、上記同様に金属の溶出を促進する。
上記のような状況に対し、下記特許文献1には、フッ素イオン等の腐食性イオンを除去するための技術も従来より種々検討がなされており、イオンを除去する方法の一つとして、イオン交換樹脂を用いることが広く知られている。
また、下記特許文献2には、生成水中の不純イオンの除去を、燃料電池で生成された生成水中に配置された一対の電極を利用して電圧印加し、生成水中の不純イオンを陰極にて析出回収して行なう技術に関する開示もある。
特開2002−313404号公報 特開2000−260459号公報
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池の運転中にフッ素系高分子電解質が劣化して生じるフッ酸をフッ酸発生箇所または燃料電池中で固定化して無害化することを目的とする。
第1に、本発明は、固体高分子電解質型燃料電池運転法の発明であり、燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入することを特徴とする。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池運転法において、燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入する手段については限定されないが、アルカリ化合物水溶液を燃料ガス中への噴霧することが効果的である。
第2に、本発明は、上記の固体高分子電解質型燃料電池運転法を実施した固体高分子電解質型燃料電池自体の発明であり、燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入する手段を有することを特徴とする。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池において、燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入する手段については限定されないが、アルカリ化合物水溶液の燃料ガス中への噴霧装置を備えることが好ましい。
本発明により、固体高分子電解質型燃料電池の運転中にフッ素系高分子電解質が劣化して生じるフッ酸を効率よく固定化することが可能となり、フッ酸による機器の腐食を抑制することができる。この結果、本発明の固体高分子電解質型燃料電池運転法及び固体高分子電解質型燃料電池を採用することで、燃料電池本体の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を示す。
[実施例]
フッ素排出量に合わせてアルカリ添加量を決める。1価のアルカリの場合は、フッ素排出量と当量のアルカリを入れる。2価の場合は、フッ素排出量の半分だけアルカリを入れル。こうすることにより、発生したフッ素を中和することが出来る。アルカリ添加方法としては、循環系の配管中にミスト発生器をつけて、アルカリを添加した。
図1に示すように、燃料電池電池外部の水素ガス循環部にミスト発生器を備え、該ミスト発生器よりアルカリを添加した。アルカリとしてCa(OH)を使用した。この場合、HFと反応して中和塩とCaF(蛍石)を得る。CaFはフッ化水素酸の原料として使用される鉱石である。
燃料電池セルの使用後、セル内で生成したCaFを回収した。回収方法は分解してセル内を水洗し、不溶物物を抽出することで回収した。
実施例による場合と回収しなかった場合(比較例)のセルからの排出フッ素濃度を比較した。比較例を1とした場合の実施例のフッ素濃度は0.08であった。フッ素濃度はアノード側の生成水中のフッ素濃度を測定した。実施例のほうが、フッ素濃度は1/10以上低下している。
次に、図2に、連続発電中の燃料電池から排出されるフッ素プロファイルの推移を示す。図2の推移から経過時間によってアルカリを投入する量を変化させるように設定することで、フッ素量に対して適量のアルカリを投入することができる。フッ素濃度はカソード出口、アノード出口からの生成水を取得しICP−AES法でFイオンを分析した。
図2は、運転中のカソード出口からの生成水中のFイオン濃度を示している。運転条件:On−Off(電流のOn−Off)、ガス温度:60℃、発電開始直後のフッ素排出速度を10nmol/cm/hとし、それを中和するのに必要なアルカリ投入速度を10nmol/cm/hとする。
図2中のIの領域ではアルカリを超音波式霧化装置から出す量を10nmol/cm/h、10hが経過した後のIIの領域では1nmol/cm/hとし、1000hが経過した後のIIIの領域では再び10nmol/cm/hと設定することで、常に定常値でアルカリを出す。これにより、あらかじめ霧化装置にアルカリを搭載する量を少なく出来るため、霧化装置の大きさを小型化・軽量化できるため、燃費向上や同装置を搭載できる車格も小さくすることが可能であり、適用範囲が広がる。また、霧化してもアルカリの濃度に変化は生じない。常に余裕を見てアルカリ投入速度として10nmol/cm/hを1200hまで出し続ける場合、トータルで単位電極面積当たり12000nmol/cmのアルカリ量が必要になるが、上記のように経過した時間ごとに投入速度を変えることで約3000nmo1/cmと1/4にすることが出来る。
なお、H入口付近にだけアルカリが存在すればよい根拠は下記の通りである。フッ素は電解質膜の劣化した結果生成する。劣化の指標としては「膜やせ」がある。図3に示すように、連続発電後の膜厚と未発電の状態での膜厚とを面内5ヶ所で比較した。表1に、連続発電後の膜厚と未発電の状態での膜厚とのデータを示す。未発電時の膜厚を10とし、それに対してどれだけ薄くなったかを示した。
Figure 2010108673
入口が選択的に薄くなっているのが分かる。よって、劣化はH入口で集中的に起きているといえる。そのため、劣化の結果生成したフッ素を中和するにはH入口付近にアルカリが存在すれば良いということになる。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池運転法及び固体高分子電解質型燃料電池を採用することで、燃料電池本体の耐久性を向上させることができる。
燃料電池電池外部の水素ガス循環部にミスト発生器を備えた燃料電池セルでのH循環を示す。 運転中のカソード出口からの生成水中のFイオン濃度を示す。 連続発電後の膜厚と未発電の状態での膜厚とを面内5ヶ所で比較した際のセル構造と測定箇所を示す。

Claims (4)

  1. 燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池運転法。
  2. 燃料ガス中へのアルカリ化合物水溶液の混入が、アルカリ化合物水溶液の燃料ガス中への噴霧であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池運転法。
  3. 燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入する手段を有することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  4. 燃料ガス中にアルカリ化合物水溶液を混入する手段が、アルカリ化合物水溶液の燃料ガス中への噴霧装置であることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
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