JP2010108567A - シフトレジスタ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】シフトレジスタ回路の駆動能力の向上、および動作の高速化を図る。
【解決手段】単位シフトレジスタSRは、クロック信号CLKを出力端子OUTに供給するトランジスタQ1と、前段の出力信号Gk-1の活性化に応じてトランジスタQ1のゲート(ノードN1)を充電するトランジスタQ3と、トランジスタQ8を介してノードN1に接続したゲートを有するトランジスタQ7とを備える。トランジスタQ8のゲートには、一定のハイ側電源電位VDD3が供給されている。
【選択図】図7
【解決手段】単位シフトレジスタSRは、クロック信号CLKを出力端子OUTに供給するトランジスタQ1と、前段の出力信号Gk-1の活性化に応じてトランジスタQ1のゲート(ノードN1)を充電するトランジスタQ3と、トランジスタQ8を介してノードN1に接続したゲートを有するトランジスタQ7とを備える。トランジスタQ8のゲートには、一定のハイ側電源電位VDD3が供給されている。
【選択図】図7
Description
本発明は、走査線駆動回路に関するものであり、特に、例えば画像表示装置やイメージセンサなどの電気光学装置に使用される、同一導電型の電界効果トランジスタのみを用いて構成される走査線駆動回路に適用可能なシフトレジスタ回路に関するものである。
液晶表示装置等の画像表示装置(以下「表示装置」)では、複数の画素が行列状に配列された表示パネルの画素行(画素ライン)ごとにゲート線(走査線)が設けられ、表示信号の1水平期間の周期でそのゲート線を順次選択して駆動することにより表示画像の更新が行われる。そのように画素ラインすなわちゲート線を順次選択して駆動するためのゲート線駆動回路(走査線駆動回路)としては、表示信号の1フレーム期間で一巡するシフト動作を行うシフトレジスタを用いることができる。
ゲート線駆動回路に使用されるシフトレジスタは、表示装置の製造プロセスにおける工程数を少なくするために、同一導電型の電界効果トランジスタのみで構成されることが望ましい。このため、N型またはP型の電界効果トランジスタのみで構成されたシフトレジスタおよびそれを搭載する表示装置が種々提案されている(例えば特許文献1〜4)。
ゲート線駆動回路としてのシフトレジスタは、1つの画素ラインすなわち1つのゲート線ごとに設けられた複数のシフトレジスタ回路が縦続接続(カスケード接続)して構成される。本明細書では説明の便宜上、ゲート線駆動回路を構成する複数のシフトレジスタ回路の各々を「単位シフトレジスタ」と称する。即ち、ゲート線駆動回路を構成する個々の単位シフトレジスタの出力端子は、その次段あるいは後段の単位シフトレジスタの入力端子に接続される。
例えば特許文献1の図1に代表される単位シフトレジスタは、その出力段に、出力端子(特許文献1における第1ゲート電圧信号端子GOUT)とクロック端子(第1パワークロックCKV)との間に接続する第1トランジスタ(プルアップ用MOSトランジスタQ1)と、出力端子と基準電圧端子(ゲートオフ電圧端子VOFF)との間に接続する第2トランジスタ(プルダウンMOSトランジスタQ2)とを備えている。単位シフトレジスタの出力信号は、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフとなった状態で、クロック端子に入力されるクロック信号が出力端子に伝達されることによって出力される。
特に、ゲート線駆動回路を構成する各単位シフトレジスタは、その出力信号を用いてゲート線を高速に充電して活性化させる必要があるため、第1トランジスタに高い駆動能力(電流を流す能力)が要求される。よって、出力端子すなわち第1トランジスタのソースがハイ(H)レベルになる間も、第1トランジスタのゲート・ソース間電圧は大きく保たれることが望ましい。そのため特許文献1の単位シフトレジスタには、第1トランジスタのゲート・ソース間に昇圧容量(容量素子C)が設けられており、出力端子がHレベルになったときに、第1トランジスタのゲートも昇圧されるよう構成されている。
その昇圧の程度が大きい程、第1トランジスタのゲート・ソース間電圧が大きくなるため、第1トランジスタの駆動能力を大きくすることができる。逆に言えば、単位シフトレジスタがゲート線を高速に充電できるようにするためには、第1トランジスタのゲートがより大きく昇圧される必要がある。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、シフトレジスタ回路の駆動能力の向上、および動作の高速化を図ることを目的とする。
本発明に係るシフトレジスタ回路は、入力端子、出力端子およびクロック端子と、前記クロック端子に入力されるクロック信号を前記出力端子に供給する第1トランジスタと、前記入力端子に入力される入力信号の活性化に応じて、前記第1トランジスタの制御電極が接続する第1ノードを充電する第2トランジスタと、第3トランジスタを介して前記第1ノードに接続した制御電極を有する第4トランジスタとを備え、前記第3トランジスタの制御電極は、所定の電源電位が供給される電源端子に接続されているものである。
本発明に係るシフトレジスタ回路によれば、出力信号の活性化に伴い第1ノードが所定の電位以上に昇圧されると、第1ノードと第4トランジスタのゲートとの間が第3トランジスタによって電気的に分離される。よってそのときの当該第1ノードの寄生容量に第4トランジスタの寄生容量(ゲート容量)が寄与しなくなり、第1ノードの寄生容量が低減される。従って、出力信号の活性化時における第1ノードの昇圧量が大きくなり、その結果、第1トランジスタに高い駆動能力が得られる。従って、当該単位シフトレジスタはゲート線を高速に充電することができるようになる。
また第3トランジスタの制御電極が一定電位に維持されるので、第4トランジスタの制御電極を放電する際に、そのオン抵抗は上昇しない。つまり第4トランジスタの制御電極の放電速度の低下が防止される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、説明が重複して冗長になるのを避けるため、各図において同一または相当する機能を有する要素には同一符号を付してある。
また、各実施の形態に用いられるトランジスタは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタである。絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、ゲート絶縁膜中の電界により半導体層内のドレイン領域とソース領域との間の電気伝導度が制御される。ドレイン領域およびソース領域が形成される半導体層の材料としては、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ペンタセン等の有機半導体、単結晶シリコンあるいはIGZO(In-Ga-Zn-O)等の酸化物半導体などを用いることができる。
よく知られているように、トランジスタは、それぞれ制御電極(狭義にはゲート(電極))と、一方の電流電極(狭義にはドレイン(電極)またはソース(電極))と、他方の電流電極(狭義にはソース(電極)またはドレイン(電極))とを含む少なくとも3つの電極を有する素子である。トランジスタはゲートに所定の電圧を印加することによりドレインとソース間にチャネルが形成されるスイッチング素子として機能する。トランジスタのドレインとソースは、基本的に同一の構造であり、印加される電圧条件によって互いにその呼称が入れ代わる。例えば、N型トランジスタであれば、相対的に電位(以下「レベル」とも称する)の高い電極をドレイン、低い電極をソースと呼称する(P型トランジスタの場合はその逆となる)。
特に示さない限り、それらのトランジスタは半導体基板上に形成されるものであってもよく、またガラスなどの絶縁性基板上に形成される薄膜トランジスタ(TFT)であってもよい。トランジスタが形成される基板としては、単結晶基板あるいはSOI、ガラス、樹脂などの絶縁性基板であってもよい。
本発明のゲート線駆動回路は、単一導電型のトランジスタのみを用いて構成される。例えばN型トランジスタは、ゲート・ソース間電圧が当該トランジスタのしきい値電圧よりも高いH(ハイ)レベルになると活性状態(オン状態、導通状態)となり、同しきい値電圧よりも低いL(ロー)レベルで非活性状態(オフ状態、非導通状態)となる。そのためN型トランジスタを用いた回路においては信号のHレベルが「活性レベル」、Lレベルが「非活性レベル」となる。また、N型トランジスタを用いて構成した回路の各ノードは、充電されてHレベルになることで、非活性レベルから活性レベルへの変化が生じ、放電されてLレベルになることで、活性レベルから非活性レベルへの変化が生じる。
逆にP型トランジスタは、ゲート・ソース間電圧がトランジスタのしきい値電圧(ソースを基準として負の値)よりも低いLレベルになると活性状態(オン状態、導通状態)となり、同しきい値電圧よりも高いHレベルで非活性状態(オフ状態、非導通状態)となる。そのためP型トランジスタを用いた回路においては信号のLレベルが「活性レベル」、Hレベルが「非活性レベル」となる。また、P型トランジスタを用いて構成した回路の各ノードは、充電・放電の関係がN型トランジスタの場合と逆になり、充電されてLレベルになることで、非活性レベルから活性レベルへの変化が生じ、放電されてHレベルになることで、活性レベルから非活性レベルへの変化が生じる。
また本明細書においては、二つの素子間、二つのノード間あるいは一の素子と一のノードとの間の「接続」とはその他の要素(素子やスイッチなど)を介しての接続であるが実質的に直接接続されているのと等価な状態を含むものとして説明する。例えば二つの素子がスイッチを介して接続している場合であっても、それらが直接接続されているときと同一に機能できるような場合には、その二つの素子が「接続している」と表現する。
本発明においては、各々位相の異なるクロック信号(多相クロック信号)が用いられる。以下では説明の簡単のため、一のクロック信号の活性期間とその次に活性化するクロック信号の活性期間との間に一定の間隔を設けている(図4、図6のΔt)。しかし本発明では各クロック信号の活性期間が実質的に重ならなければよく、上記の間隔は無くてもよい。例えば活性レベルをHレベルとすると、一のクロック信号の立ち下がり(HレベルからLレベルへの変化)タイミングとその次に活性化するクロック信号の立ち上がり(LレベルからHレベルへの変化)タイミングとが同時であってもよい。
<実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示す概略ブロック図であり、表示装置の代表例として液晶表示装置100の全体構成を示している。なお、本発明のゲート線駆動回路は、液晶表示装置への適用に限定されるものではなく、エレクトロルミネッセンス(EL)、有機EL、プラズマディスプレイ、電子ペーパ、イメージセンサなどの電気光学装置に広く適用することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示す概略ブロック図であり、表示装置の代表例として液晶表示装置100の全体構成を示している。なお、本発明のゲート線駆動回路は、液晶表示装置への適用に限定されるものではなく、エレクトロルミネッセンス(EL)、有機EL、プラズマディスプレイ、電子ペーパ、イメージセンサなどの電気光学装置に広く適用することが可能である。
液晶表示装置100は、液晶アレイ部10と、ゲート線駆動回路(走査線駆動回路)30と、ソースドライバ40とを備える。後の説明により明らかになるが、本実施の形態に係るシフトレジスタは、ゲート線駆動回路30に搭載される。
液晶アレイ部10は、行列状に配設された複数の画素15を含む。画素の行(以下「画素ライン」とも称する)の各々にはそれぞれゲート線GL1,GL2…(総称「ゲート線GL」)が配設され、また、画素の列(以下「画素列」とも称する)の各々にはそれぞれデータ線DL1,DL2…(総称「データ線DL」)がそれぞれ設けられる。図1には、第1行の第1列および第2列の画素15、並びにこれに対応するゲート線GL1およびデータ線DL1,DL2が代表的に示されている。
各画素15は、対応するデータ線DLと画素ノードNpとの間に設けられる画素スィッチ素子16と、画素ノードNpおよび共通電極ノードNCの間に並列に接続されるキャパシタ17および液晶表示素子18とを有している。画素ノードNpと共通電極ノードNCとの間の電圧差に応じて、液晶表示素子18中の液晶の配向性が変化し、これに応答して液晶表示素子18の表示輝度が変化する。これにより、データ線DLおよび画素スイッチ素子16を介して画素ノードNpへ伝達される表示電圧によって、各画素の輝度をコントロールすることが可能となる。即ち、最大輝度に対応する電圧差と最小輝度に対応する電圧差との間の中間的な電圧差を、画素ノードNpと共通電極ノードNCとの間に印加することによって、中間的な輝度を得ることができる。従って、上記表示電圧を段階的に設定することにより、階調的な輝度を得ることが可能となる。
ゲート線駆動回路30は、所定の走査周期に基づき、ゲート線GLを順に選択して活性化させる。画素スイッチ素子16のゲート電極は、それぞれ対応するゲート線GLと接続される。特定のゲート線GLが選択されている間は、それに接続する各画素において、画素スイッチ素子16が導通状態になり画素ノードNpが対応するデータ線DLと接続される。そして、画素ノードNpへ伝達された表示電圧がキャパシタ17によって保持される。一般的に、画素スイッチ素子16は、液晶表示素子18と同一の絶縁体基板(ガラス基板、樹脂基板等)上に形成されるTFTで構成される。
ソースドライバ40は、Nビットのデジタル信号である表示信号SIGによって段階的に設定される表示電圧を、データ線DLへ出力するためのものである。ここでは一例として、表示信号SIGは6ビットの信号であり、表示信号ビットDB0〜DB5から構成されるものとする。6ビットの表示信号SIGに基づくと、各画素において、26=64段階の階調表示が可能となる。さらに、R(Red)、G(Green)およびB(Blue)の3つの画素により1つのカラー表示単位を形成すれば、約26万色のカラー表示が可能となる。
また、図1に示すように、ソースドライバ40は、シフトレジスタ50と、データラッチ回路52,54と、階調電圧生成回路60と、デコード回路70と、アナログアンプ80とから構成されている。
表示信号SIGにおいては、各々の画素15の表示輝度に対応する表示信号ビットDB0〜DB5がシリアルに生成される。すなわち、各タイミングにおける表示信号ビットDB0〜DB5は、液晶アレイ部10中のいずれか1つの画素15における表示輝度を示している。
シフトレジスタ50は、表示信号SIGの設定が切り換わる周期に同期したタイミングで、データラッチ回路52に対して、表示信号ビットDB0〜DB5の取り込みを指示する。データラッチ回路52は、シリアルに生成される表示信号SIGを順に取り込み、1つの画素ライン分の表示信号SIGを保持する。
データラッチ回路54に入力されるラッチ信号LTは、データラッチ回路52に1つの画素ライン分の表示信号SIGが取り込まれるタイミングで活性化する。データラッチ回路54はそれに応答して、そのときデータラッチ回路52に保持されている1つの画素ライン分の表示信号SIGを取り込む。
階調電圧生成回路60は、高電圧VDHおよび低電圧VDLの間に直列に接続された63個の分圧抵抗で構成され、64段階の階調電圧V1〜V64をそれぞれ生成する。
デコード回路70は、データラッチ回路54に保持されている表示信号SIGをデコードし、当該デコード結果に基づいて各デコード出力ノードNd1,Nd2…(総称「デコード出力ノードNd」)に出力する電圧を、階調電圧V1〜V64のうちから選択して出力する。
その結果、デコード出力ノードNdには、データラッチ回路54に保持された1つの画素ライン分の表示信号SIGに対応した表示電圧(階調電圧V1〜V64のうちの1つ)が同時に(パラレルに)出力される。なお、図1においては、第1列目および第2列目のデータ線DL1,DL2に対応するデコード出力ノードNd1,Nd2が代表的に示されている。
アナログアンプ80は、デコード回路70からデコード出力ノードNd1,Nd2…に出力された各表示電圧に対応したアナログ電圧を電流増幅して、それぞれデータ線DL1,DL2…に出力する。
ソースドライバ40が、所定の走査周期に基づいて、一連の表示信号SIGに対応する表示電圧を1画素ライン分ずつデータ線DLへ繰り返し出力し、ゲート線駆動回路30がその走査周期に同期してゲート線GL1,GL2…を順に駆動することにより、液晶アレイ部10に表示信号SIGに基づいた画像の表示が成される。
なお、図1には、ゲート線駆動回路30およびソースドライバ40が液晶アレイ部10と一体的に形成された液晶表示装置100の構成を例示したが、ゲート線駆動回路30と液晶アレイ部10とを一体的に形成し、ソースドライバ40については液晶アレイ部10の外部回路として設ける、あるいはゲート線駆動回路30およびソースドライバ40については、液晶アレイ部10の外部回路として設けることも可能である。
図2は、ゲート線駆動回路30の構成を示す図である。このゲート線駆動回路30は、縦続接続(カスケード接続)した複数の単位シフトレジスタSR1,SR2,SR3,SR4…で構成されるシフトレジスタから成っている(説明の便宜上、縦続接続するシフトレジスタ回路SR1,SR2…を「単位シフトレジスタSR」と総称する)。各単位シフトレジスタSRは、1つの画素ラインすなわち1つのゲート線GLごとに設けられる。
また図2に示すクロック発生器31は、各々位相が異なる(活性期間が重ならない)3相のクロック信号CLK1,CLK2,CLK3をゲート線駆動回路30の単位シフトレジスタSRに入力するものである。クロック信号CLK1,CLK2,CLK3は、表示装置の走査周期に同期したタイミングで、繰り返し順番に(即ち、CLK1,CLK2,CLK3,CLK1…の順に)活性化するようクロック信号発生器31によって制御されている(図4)。
各単位シフトレジスタSRは、入力端子IN、出力端子OUT、クロック端子CKおよびリセット端子RSTを有している。図2のように、各単位シフトレジスタSRのクロック端子CKにはクロック信号CLK1〜CLK3のうちの何れかが供給され、リセット端子RSTには次段の出力信号Gが供給される。
各単位シフトレジスタSRの出力端子OUTには、それぞれゲート線GLが接続する。つまり各単位シフトレジスタSRの出力信号Gは、垂直(又は水平)走査パルスとしてゲート線GLへと出力される。
また第1段目(第1ステージ)の単位シフトレジスタSR1の入力端子INには、画像信号の各フレーム期間の先頭に対応するスタートパルスSPが入力信号として入力される。第2段以降の単位シフトレジスタSRの入力端子INには、その前段の出力端子OUTから出力される出力信号Gが、入力信号として入力される。
ゲート線駆動回路30の単位シフトレジスタSRの各々は、クロック信号CLK1〜CLK3に同期して、入力端子INに入力される信号(スタートパルスSPあるいは自身の前段の出力信号)を時間的にシフトさせながら、対応するゲート線GL並びに自身の後段の単位シフトレジスタSRへと伝達する。その結果、図4に示すように、各単位シフトレジスタSRの出力信号Gは、G1,G2,G3…と順番に活性化される(単位シフトレジスタSRの動作の詳細は後述する)。それにより一連の単位シフトレジスタSRは、所定の走査周期に基づいたタイミングでゲート線GLを順に活性化させる、いわゆるゲート線駆動ユニットとして機能する。
ここで、本発明の説明を容易にするために従来の単位シフトレジスタについて説明する。図3は、従来の単位シフトレジスタSRの構成を示す回路図である。ゲート線駆動回路30においては、縦続接続した各単位シフトレジスタSRの構成は実質的にどれも同じであるので、ここでは代表的に第k段目の単位シフトレジスタSRkの構成について説明する。またこの単位シフトレジスタSRを構成するトランジスタは、全て同一導電型の電界効果トランジスタであるが、ここではN型TFTが用いられている。
図3の如く、従来の単位シフトレジスタSRkは、図2で示した入力端子IN、出力端子OUT、クロック端子CKおよびリセット端子RSTの他に、低電位側電源電位(ロー側電源電位)VSSが供給される第1電源端子S1、高電位側電源電位(ハイ側電源電位)VDD1,VDD2がそれぞれ供給される第2および第3電源端子S2,S3を有している。ハイ側電源電位VDD1,VDD2は、互いに同一レベルであってもよい。以下の説明では、ロー側電源電位VSSを回路の基準電位そしているが(VSS=0)、実使用では画素に書き込まれるデータの電圧を基準にして基準電位が設定され、例えばハイ側電源電位VDD1,VDD2は17V、ロー側電源電位VSSは−12Vなどと設定される。
単位シフトレジスタSRkの出力段は、ゲート線GLkの選択期間に出力信号Gkを活性状態(Hレベル)にするトランジスタQ1(出力プルアップトランジスタ)と、ゲート線GLkの非選択期間に出力信号Gkを非活性状態(Lレベル)に維持するためのトランジスタQ2(出力プルダウントランジスタ)とから構成されている。
トランジスタQ1は、出力端子OUTとクロック端子CKとの間に接続しており、クロック端子CKに入力されるクロック信号を出力端子OUTに供給することによって出力信号Gkを活性化させる。またトランジスタQ2は、出力端子OUTと第1電源端子S1との間に接続しており、出力端子OUTを放電して電位VSSにすることで、出力信号Gkを非活性レベルに維持する。ここで、トランジスタQ1のゲート(制御電極)が接続するノードを「ノードN1」、トランジスタQ2のゲートが接続するノードを「ノードN2」とそれぞれ定義する。
トランジスタQ1のゲート・ソース間(即ち出力端子OUTとノードN1との間)には容量素子C(昇圧容量)が設けられている。この容量素子Cは、出力端子OUTとノードN1との間を容量結合し、出力端子OUTのレベル上昇に伴うノードN1の昇圧効果を高めるためのものである。
ノードN1と第2電源端子S2との間にはトランジスタQ3が接続しており、そのゲートは入力端子INに接続している。トランジスタQ3は、入力端子INに供給される信号(入力信号)の活性化に応じてノードN1を充電するよう機能する。
ノードN1と第1電源端子S1との間には、ゲートがリセット端子RSTに接続したトランジスタQ4が接続される。トランジスタQ4は、リセット端子RSTに供給される信号(リセット信号)の活性化に応じてノードN1を放電するよう機能する。またノードN1と第1電源端子S1との間には、ゲートがノードN2に接続したトランジスタQ5も接続されている。トランジスタQ5は、ノードN2が活性レベル(Hレベル)の期間、ノードN1を放電して当該ノードN2を非活性レベル(Lレベル)に維持するよう機能する。
これらトランジスタQ3,Q4,Q5から成る回路は、ノードN1を充放電することによってトランジスタQ1(出力プルアップトランジスタ)を駆動する「プルダウン駆動回路」を構成している。
ノードN2と第3電源端子S3との間には、ゲートが第3電源端子S3に接続したトランジスタQ6が接続される(即ちトランジスタQ6はダイオード接続されている)。ノードN2と第1電源端子S1との間には、ゲートがノードN1に接続したトランジスタQ7が接続される。
トランジスタQ7は、トランジスタQ6よりもオン抵抗が充分小さく(つまり駆動能力が大きく)設定されている。よって、トランジスタQ7のゲート(ノードN1)がHレベルになりトランジスタQ7がオンするとノードN2は放電されてLレベルになり、逆にノードN1のLレベルになりトランジスタQ7がオフするとノードN2はHレベルになる。即ちトランジスタQ6,Q7は、ノードN1を入力端、ノードN2を出力端とするレシオ型インバータを構成している。このインバータにおいては、トランジスタQ6は負荷素子、トランジスタQ7は駆動素子として機能する。
当該インバータは、ノードN2を充放電することによってトランジスタQ2(出力プルダウントランジスタ)を駆動する「プルダウン駆動回路」を構成している。
続いて、図3の単位シフトレジスタSRkの動作を説明する。ここでは当該単位シフトレジスタSRkのクロック端子CKにクロック信号CLK1が入力され、リセット端子RSTに次段の出力信号Gk+1が入力されるものとして説明を行う。
説明の簡単のため、以下では特に示さない限り、クロック信号CLK1〜CLK3およびスタートパルスSPのHレベルは全て等しいと仮定し、その電位をVDDとする。またハイ側電源電位VDD1,VDD2は互いに等しく、そのレベルもVDDであるとする(即ち、VDD1=VDD2=VDD)。
またクロック信号CLK1〜CLK3およびスタートパルスSPのLレベルの電位はロー側電源電位VSSと等しいものとし、その電位を0Vとする(VSS=0)。さらに、各トランジスタのしきい値電圧は全て等しいと仮定し、その値をVthとする。なお、クロック信号CLK1〜CLK3は、図4に示されるように、それぞれ1水平期間(1H)ずつの位相差を持つ繰り返し信号である。
まず単位シフトレジスタSRkの初期状態として、ノードN1がLレベル、ノードN2がHレベルであると仮定する。このときトランジスタQ1はオフ(遮断状態)、トランジスタQ2はオン(導通状態)であるので、出力端子OUT(出力信号Gk)はクロック端子CK(クロック信号CLK1)のレベルに関係なくLレベルに保たれる(以下、この状態を「リセット状態」と称す)。即ち、この単位シフトレジスタSRkが接続するゲート線GLkは非選択状態である。また初期状態では、クロック信号CLK1〜CLK3および前段(単位シフトレジスタSRk-1)の出力信号Gk-1は、何れもLレベルであるとする。
その状態から、クロック信号CLK3の立ち上がりと共に、前段の出力信号Gk-1がHレベルになると、当該単位シフトレジスタSRkではトランジスタQ3がオンになる。このときノードN2はLレベルなのでトランジスタQ5もオンしているが、トランジスタQ3はトランジスタQ5よりもオン抵抗が充分小さく(駆動能力が充分大きく)設定されているため、ノードN1のレベルが上昇する。
それによりトランジスタQ7が導通し始め、ノードN2のレベルが下がる。するとトランジスタQ5の抵抗値が上がるためノードN1のレベルが急速に上昇し、トランジスタQ7は充分にオンになる。その結果ノードN2はLレベル(VSS)になる。応じてトランジスタQ5がオフになり、ノードN1はHレベル(VDD−Vth)になる。
このようにノードN1がHレベル、ノードN2がLレベルになると、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフになる(以下、この状態を「セット状態」称す)。但しこの時点ではクロック信号CLK1はLレベルであるため、出力信号GkはLレベルに維持されている。
そしてクロック信号CLK3の立ち下がりと共に前段の出力信号Gk-1がLレベルに戻ると、トランジスタQ3はオフになる。しかしトランジスタQ4,Q5もオフ状態であるため、ノードN1は高インピーダンス状態(フローティング状態)でHレベルに維持される。
続いてクロック信号CLK1が立ち上がりHレベルになると、そのレベル上昇がオン状態のトランジスタQ1を通して出力端子OUTに伝達され、出力信号Gkのレベルが上昇する。このとき、容量素子C並びにトランジスタQ1のゲート・チャネル間容量を介する結合のため、出力信号Gkのレベル上昇に応じてノードN1の電位が一定量(昇圧量ΔV)だけ昇圧される。そのため出力端子OUTのレベルが上昇しても、トランジスタQ1のゲート・ソース間電圧はしきい値電圧(Vth)よりも大きく保たれ、当該トランジスタQ1は低インピーダンスに維持される。
従って、出力信号Gkは、クロック信号CLKの立ち上がりに追随して素早くHレベルになる。またこのときトランジスタQ1は非飽和領域で動作して出力端子OUTを充電するため、出力信号Gkのレベルは、トランジスタQ1のしきい値電圧分の損失を伴わずクロック信号CLK1と同じ電位VDDまで上昇する。このように出力信号GkがHレベルになると、ゲート線GLkが選択状態になる。
その後クロック信号CLK1が立ち下がってLレベルに戻ると、オン状態のトランジスタQ1によって出力端子OUTが放電される。従って出力信号GkはLレベル(VSS)になり、ゲート線GLkは非選択状態に戻る。
続いてクロック信号CLK2が立ち上がりHレベルになると、次段の出力信号Gk+1がHレベルになる。すると単位シフトレジスタSRkでは、トランジスタQ4がオンするためノードN1はLレベルになる。応じてトランジスタQ7がオフするのでノードN2はHレベルになる。即ち、単位シフトレジスタSRkは、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンのリセット状態に戻る。
以降、次のフレーム期間に前段の出力信号Gk-1が活性化されるまでは、トランジスタQ5〜Q7から成るハーフラッチ回路がノードN1をLレベル、ノードN2をHレベルに保持するため、単位シフトレジスタSRkはリセット状態に維持される。よってゲート線GLkの非選択期間の間は、出力信号Gkは低インピーダンスでLレベルに維持される。
以上のように、単位シフトレジスタSRkは、入力端子INに入力される信号(スタートパルスSPまたは前段の出力信号Gk-1)に応じてセット状態になり、そのときクロック端子CKに入力される信号(クロック信号CLK1)の活性期間に自己の出力信号Gkを活性化させる。そして、リセット端子RSTに入力される信号の活性化に応じてリセット状態に戻り、以降は出力信号GkをLレベルに維持する。
よってゲート線駆動回路30においては、図4のように、単位シフトレジスタSR1に入力されるスタートパルスSPの活性化を切っ掛けにして、クロック信号CLK1〜CLK3に同期したタイミングで出力信号G1,G2,G3…が順に活性化される。それによって、ゲート線駆動回路30は、所定の走査周期でゲート線GL1,GL2,GL3…を順番に駆動することができる。
なお、上では単位シフトレジスタSRkが3相クロックに基づいて動作する例を示したが、当該単位シフトレジスタSRkは2相クロック信号を使用して動作させることも可能である。
図5は、2相クロック信号に基づいて動作するゲート線駆動回路30の構成を示している。この場合も、ゲート線駆動回路30は、縦続接続した複数の単位シフトレジスタSRにより構成される。即ち、単位シフトレジスタSRkの入力端子INには、その前段の単位シフトレジスタSRk-1の前段の出力信号Gk-1が入力される(第1段目の単位シフトレジスタSR1の入力端子INには、スタートパルスSPが入力される)。
図5のクロック発生器31は、互いに位相の異なる(活性期間が重ならない)クロック信号CLK,/CLKからなる2相クロックを出力するものである。このクロック信号CLK,/CLKは互いに逆相であり、表示装置の走査周期に同期したタイミングで、交互に活性化するよう制御されている。各単位シフトレジスタSRのクロック端子CKには、クロック信号CLK,/CLKのいずれかが供給される。具体的には、クロック信号CLKは奇数段の単位シフトレジスタSR1,SR3,SR5…に供給され、クロック信号/CLKは偶数段の単位シフトレジスタSR2,SR4,SR6…に供給される。
図5のように構成されたゲート線駆動回路30における単位シフトレジスタSRの動作を説明する。ここでも代表的に単位シフトレジスタSRkの動作を説明する。単位シフトレジスタSRkのクロック端子CKにクロック信号CLKが入力されるものとする(図5における単位シフトレジスタSR1,SR3などがこれに該当する)。
まず単位シフトレジスタSRkの初期状態として、ノードN1がLレベル、ノードN2がHレベルのリセット状態を仮定する。また、クロック端子CK(クロック信号CLK)、リセット端子RST(次段の出力信号Gk+1)、入力端子IN(前段の出力信号Gk-1)は何れもLレベルであるとする。
その状態から、クロック信号/CLKの立ち上がりと共に、前段の出力信号Gk-1がHレベルになると、当該単位シフトレジスタSRkではトランジスタQ3がオンになり、ノードN1はHレベルになる。応じてトランジスタQ7がオンになり、ノードN2はLレベルになる。このときトランジスタQ5がオフするので、ノードN1のHレベルの電位はVDD−Vthになる。
この結果、単位シフトレジスタSRkは、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフのセット状態になる。但しこの時点ではクロック信号CLKはLレベルであるため、出力信号GkはLレベルに維持されている。
そしてクロック信号/CLKの立ち下がりと共に前段の出力信号Gk-1がLレベルに戻ると、トランジスタQ3はオフになる。しかしトランジスタQ4,Q5もオフ状態であるため、ノードN1は高インピーダンス状態でHレベルに維持される。
続いてクロック信号CLKが立ち上がると、そのレベル上昇がオン状態のトランジスタQ1を通して出力端子OUTに伝達され、出力信号Gkのレベルが上昇する。このときノードN1の電位が一定量(昇圧量ΔV)だけ昇圧される。そのためトランジスタQ1は非飽和領域で動作する。よって出力信号Gkは、クロック信号CLKの立ち上がりに追随して素早く電位VDDのHレベルになる。その結果、ゲート線GLkが選択状態になる。
その後クロック信号CLKが立ち下がると、オン状態のトランジスタQ1によって出力端子OUTが放電される。従って出力信号GkはLレベル(VSS)になり、ゲート線GLkは非選択状態に戻る。
続いてクロック信号/CLKが立ち上がると、次段の出力信号Gk+1がHレベルになる。すると単位シフトレジスタSRkでは、トランジスタQ4がオンするためノードN1はLレベルになる。応じてトランジスタQ7がオフするのでノードN2はHレベルになる。即ち、単位シフトレジスタSRkは、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンのリセット状態に戻る。
以降、次のフレーム期間に前段の出力信号Gk-1が活性化されるまでは、トランジスタQ5〜Q7から成るハーフラッチ回路がノードN1をLレベル、ノードN2をHレベルに保持するため、単位シフトレジスタSRkはリセット状態に維持される。よってゲート線GLkの非選択期間の間は、出力信号Gkは低インピーダンスでLレベルに維持される。
このように、ゲート線駆動回路30が図5のように構成されている場合においても、単位シフトレジスタSRkの動作は、図2の場合と同じである。
つまり図5の単位シフトレジスタSRkも、入力端子INに入力される信号(スタートパルスSPまたは前段の出力信号Gk-1)に応じてセット状態になり、そのときクロック端子CKに入力される信号(クロック信号CLK)の活性期間に自己の出力信号Gkを活性化させる。そして、リセット端子RSTに入力される信号(クロック信号/CLK)の活性化に応じてリセット状態に戻り、以降は出力信号GkをLレベルに維持する。
よってゲート線駆動回路30においては、図6のように、単位シフトレジスタSR1に入力されるスタートパルスSPの活性化を切っ掛けにして、クロック信号CLK,/CLKに同期したタイミングで出力信号G1,G2,G3…が順に活性化される。
但し、図2および図5の構成では、単位シフトレジスタSRkは、リセット端子RSTに次段の出力信号Gk+1が入力されるので、次段の出力信号Gk+1が少なくとも一度活性化しなければリセット状態(すなわち上記の初期状態)にならない。単位シフトレジスタSRは、リセット状態を経なければ図6のような通常動作を行うことができないので、通常動作に先立って、ダミーのスタートパルスSPを発生させ、それを単位シフトレジスタSRの第1段目から最後段まで伝達させるダミー動作を行わせる必要がある。
あるいは、単位シフトレジスタSRkのノードN2と第3電源端子S3(ハイ側電源電位VDD2)との間にリセット用のトランジスタを別途設け、通常動作の前に強制的にノードN2を充電するリセット動作を行ってもよい。但し、その場合はリセット用の信号ラインが別途必要になる。
ここで、単位シフトレジスタSRkにおける、出力信号Gkの活性化によって昇圧されるノードN1の昇圧量ΔVについて説明する。
図3の単位シフトレジスタSRkにおいて、クロック端子CKに入力されるクロック信号CLKの振幅をAc、容量素子Cの容量値をC0、トランジスタQ1のゲート容量をC1、ノードN1の寄生容量(トランジスタQ1のゲート容量を除く)をCpとすると、昇圧量ΔVは、
ΔV=Ac×(C0+C1)/(C0+C1+Cp) …(1)
として求められる。
ΔV=Ac×(C0+C1)/(C0+C1+Cp) …(1)
として求められる。
図3の回路の場合、寄生容量CpはトランジスタQ7のゲート容量C7と、ノードN1の配線に付随する容量成分(配線容量)CLとの和に相当する。式(1)から分かるように、Cpの値を小さくすれば、昇圧量ΔVは大きくなる。
単位シフトレジスタSRkは、出力信号Gkによってゲート線GLkを高速に充電して活性化させる必要があるため、トランジスタQ1には大きな駆動能力が要求される。昇圧量ΔVが大きければ、出力信号Gkの活性化時におけるトランジスタQ1のゲート・ソース間電圧が大きくなるのでそのオン抵抗は小さくなる。よって昇圧量ΔVを大きくできれば、単位シフトレジスタSRkはその駆動能力が向上し、ゲート線GLkをより高速に充電可能になるため好ましい。
特許文献3の図8に、本発明者が考案した、ノードN1の寄生容量Cpを低減した単位シフトレジスタSRが開示されている。同図8の回路は、本明細書の図3に対し、トランジスタQ7のゲート(以下「ノードN3」)とノードN1との間にダイオード接続されたトランジスタQ8を介在させ、さらに入力端子INとノードN3との間にダイオード接続されたトランジスタQ9を接続させたものである。
特許文献3の図8では、ダイオード接続されたトランジスタQ8は、ノードN3をアノード、ノードN1をカソードとしているので、ノードN1が昇圧されるとき当該トランジスタQ8はオフになる。つまりノードN1とノードN3とが分離され、トランジスタQ7のゲート容量C7がノードN1の寄生容量Cpに寄与しなくなる。よって本明細書の図3よりも、ノードN1の昇圧時における寄生容量Cpが小さくなり、ノードN1の昇圧量ΔVが大きくなる(∵式(1))。
なお、特許文献3の図8の回路では、ノードN1からトランジスタQ7のゲート(ノードN3)への電流が遮断されるため、前段の出力信号Gk-1の活性化時にトランジスタQ7がオンするように、ノードN3を充電するトランジスタQ9が設けられている。
また特許文献3の図8の回路では、リセット状態に移行する際、ノードN3の電荷はトランジスタQ8を通してノードN1へと放出される。ノードN3にはトランジスタQ8のドレインだけでなくゲートも接続しているので、ノードN3の放電が進むにつれ、トランジスタQ8のゲート・ソース間の電圧が小さくなり、そのオン抵抗が高くなるのでノードN3の放電速度が低下する。つまりノードN3のレベルの立ち上がり速度が低下するため、リセット状態に移行する際におけるトランジスタQ6,Q7から成るインバータの応答速度が遅くなる。このことは動作高速化の妨げとなり得るため問題となる。
以下においては、ノードN1の寄生容量Cpを小さくして駆動能力を向上させると共に、動作の高速化にも対応可能な、本発明に係る単位シフトレジスタSRについて説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、図3の回路に対し、トランジスタQ7のゲート(制御電極)とノードN1との間にトランジスタQ8を介在させたものである。トランジスタQ8のゲートは、ハイ側電源電位VDD3が供給される第4電源端子S4に接続されている。ここで、ノードN1から分離されたトランジスタQ7のゲートが接続するノード(すなわちトランジスタQ7のゲートとトランジスタQ8の一方の電流電極との接続ノード)を「ノードN3」と定義する。
トランジスタQ8は、そのゲートとノードN1との間の電圧、もしくは当該ゲートとノードN3との間の電位差が、しきい値電圧Vthを超えるとオンになる。トランジスタQ8のゲートは一定の電位VDD3に固定されているので、ノードN1,N3の少なくとも片方のレベルがVDD3−Vthより低くなればオンになり、ノードN1,N3が両方とも電位VDD3−Vthより高ければオフになるスイッチング素子(伝達/分離素子)として機能する。
トランジスタQ8のゲートが接続する第4電源端子S4には一定の電位VDD3が供給されている。そのためトランジスタQ8は、ノードN1およびノードN3の少なくとも片方といずれかの間にしきい値電圧以上の電位差がある場合オンし、ノードN1およびノードN3の間の電位差がVth以下の場合オフする伝達/分離素子として機能する。
以下、本実施の形態に係る単位シフトレジスタSRの動作を説明する。ここでは当該単位シフトレジスタSRが図5のように接続し、2相のクロック信号CLK,/CLKに基づいて動作するものとする。
ここでも、ゲート線駆動回路30を構成する複数の単位シフトレジスタSRのうち、代表的に第k段目の単位シフトレジスタSRkの動作を説明する。当該単位シフトレジスタSRkのクロック端子CKには、クロック信号CLKが入力されているものと仮定する。また第4電源端子S4に供給されるハイ側電源電位VDD3のレベルは、ハイ側電源電位VDD1〜VDD3と等しいものとする(VDD1=VDD2=VDD3=VDD)。
まず単位シフトレジスタSRkの初期状態として、ノードN1がLレベル(VSS)、ノードN2がHレベル(VDD−Vth)のリセット状態を仮定する。このときトランジスタQ8はオン状態であるので、ノードN3もLレベル(VSS)になっている。また、クロック端子CK(クロック信号CLK)、リセット端子RST(次段の出力信号Gk+1)、入力端子IN(前段の出力信号Gk-1)は何れもLレベルであるとする。
その状態から、クロック信号/CLKの立ち上がりと共に、前段の出力信号Gk-1がHレベルになると、当該単位シフトレジスタSRkではトランジスタQ3がオンになる。このときノードN2はHレベルなのでトランジスタQ5もオンしているが、トランジスタQ3はトランジスタQ5よりもオン抵抗が充分小さく設定されているため、ノードN1のレベルが上昇する。
ノードN1のレベルが上昇すると、オン状態のトランジスタQ8を通してノードN1からノードN3へと電荷が供給され、ノードN3の電位が上昇する。それによりトランジスタQ7が導通し始め、ノードN2のレベルが下がる。するとトランジスタQ5の抵抗値が上がるためノードN1のレベルが急速に上昇し、それに伴いノードN3のレベルも上昇するためトランジスタQ7は充分にオンになる。その結果ノードN2はLレベル(VSS)になる。応じてトランジスタQ5がオフになり、最終的にノードN1,N3は共に電位VDD−VthのHレベルになる。
その結果トランジスタQ8のゲートとソース(ノードN3)との間の電位差は、しきい値電圧Vthに等しくなり、トランジスタQ8はオンとオフの境界状態になる。この状態では、ノードN1の電位がこれ以上高くなっても、ノードN1からノードN3へは電流が流れないので、トランジスタQ8は実質的にオフ状態であると言える。
このようにノードN1がHレベル、ノードN2がLレベルになると、単位シフトレジスタSRはトランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフのセット状態となる。但しこの時点ではクロック信号CLKはLレベルであるため、出力信号GkはLレベルに維持されている。
そしてクロック信号/CLKの立ち下がりと共に前段の出力信号Gk-1がLレベルに戻ると、トランジスタQ3はオフになる。しかしトランジスタQ4,Q5もオフ状態であるため、ノードN1,N3は高インピーダンス状態でHレベルに維持される。
続いてクロック信号CLKが立ち上がると、そのレベル上昇がオン状態のトランジスタQ1を通して出力端子OUTに伝達され、出力信号Gkのレベルが上昇する。このとき、容量素子C並びにトランジスタQ1のゲート・チャネル間容量を介する結合のため、出力信号Gkのレベル上昇に応じてノードN1の電位が一定量(昇圧量ΔV)だけ昇圧される。そのため出力端子OUTのレベルが上昇しても、トランジスタQ1のゲート・ソース間電圧はしきい値電圧(Vth)よりも大きく保たれ、当該トランジスタQ1は低インピーダンスに維持される。
従って、出力信号Gkは、クロック信号CLKの立ち上がりに追随して素早くHレベルになる。またこのときトランジスタQ1は非飽和領域で動作して出力端子OUTを充電するため、出力信号Gkのレベルは、トランジスタQ1のしきい値電圧分の損失を伴わずクロック信号CLKと同じ電位VDDまで上昇する。このように出力信号GkがHレベルになると、ゲート線GLkが選択状態になる。
上記したように、トランジスタQ8は、ノードN1が昇圧される前から実質的にオフ状態になっており、ノードN1が昇圧されその電位がノードN3の電位(VDD−Vth)より高くなっても、ノードN1からノードN3への電荷の移動は生じない。ノードN1の昇圧時、ノードN1とノードN3との間は電気的に分離された状態となっている。
よってノードN1の昇圧時には、当該ノードN1の寄生容量CpにトランジスタQ7のゲート容量C7が寄与せず、図3の場合よりも寄生容量Cpは小さくなる。式(1)から分かるように、寄生容量Cpが小さくなると昇圧量ΔVは大きくなり、出力信号Gkの活性化時におけるトランジスタQ1の駆動能力が大きくなる。よって、単位シフトレジスタSRkはゲート線GLkを高速に充電することができる。
その後、クロック信号CLKが立ち下がると、オン状態のトランジスタQ1によって出力端子OUTが放電される。従って出力信号GkはLレベル(VSS)になり、ゲート線GLkは非選択状態に戻る。
続いてクロック信号/CLKが立ち上がると、トランジスタQ4がオンするためノードN1はLレベルになる。するとトランジスタQ8のゲートとソース(ノードN1)との間の電位差がそのしきい値電圧Vthよりも大きくなるので、トランジスタQ8がオンになる。よってノードN1のレベルが低下するのに従って、ノードN3の電荷がトランジスタQ8を通してノードN1へと放電される。その結果ノードN3はノードN1と共にLレベルになる。
よってトランジスタQ7はオフになり、ノードN2はHレベルになる。即ち、単位シフトレジスタSRkは、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンのリセット状態に戻る。
先に述べたように特許文献3の図8の回路では、トランジスタQ8のゲートがノードN3に接続されていたため、リセット状態に移行する際、ノードN3の放電が進むにつれトランジスタQ8のオン抵抗が大きくなり、ノードN3の放電速度が低下する問題が生じていた。それに対し図7の回路では、トランジスタQ8のゲート電位がハイ側電源電位VDD3(=VDD)に固定されているため、ノードN3の電荷がノードN1へと放出される過程で、トランジスタQ8のオン抵抗が増大することはない。
以降、次のフレーム期間に前段の出力信号Gk-1が活性化されるまでは、トランジスタQ5〜Q7から成るハーフラッチ回路がノードN1をHレベル、ノードN2をLレベルに保持するため、単位シフトレジスタSRkはリセット状態に維持される。よってゲート線GLkの非選択期間の間は、出力信号Gkは低インピーダンスでLレベルに維持される。
このように図7の単位シフトレジスタSRkは、図3に示した従来の回路と同様の動作を行うことが可能である。また当該単位シフトレジスタSRkでは、出力信号Gkの活性化時、すなわちノードN1(トランジスタQ1のゲート)の昇圧時において、ノードN1とノードN3とがトランジスタQ8によって分離される。よってそのときのノードN1の寄生容量Cpに、トランジスタQ7のゲート容量C7が寄与しないため、寄生容量Cpが低減される。従って、ノードN1昇圧時におけるトランジスタQ1の駆動能力が大きくなり、ゲート線を高速に充電することができる。
単位シフトレジスタSRkのトランジスタQ8のゲート電位は、一定のハイ側電源電位VDD3(=VDD)に固定されている。よって当該単位シフトレジスタSRがリセット状態に移行するとき、ノードN3(トランジスタQ7のゲート)の電荷がトランジスタQ8を通してノードN1へと放出される過程で、トランジスタQ8のオン抵抗が増大することはない。つまりノードN3の放電速度の低下が防止され、トランジスタQ6,Q7から成るインバータの応答速度の低下を防止できる。
従って本実施の形態に係る単位シフトレジスタSRkによれば、それを用いて構成されるゲート線駆動回路30の動作の高速化を図ることができ、液晶表示装置10の高解像度化に寄与できる。
ここで、トランジスタQ8のゲートに供給する電位VDD3の値について説明する。クロック信号CLK,/CLKのHレベル(=出力信号GのHレベル)の電位をVDDとすると、ノードN1が昇圧される直前(ノードN1がトランジスタQ3により充電(プリチャージ)された段階)では、ノードN1,N3の電位はVDD−Vthになる。よって電位VDD3がVDDに等しく設定されていれば(VDD3=VDD)、トランジスタQ8はオンとオフの境界状態になり、上記したとおりの動作が行われる。
一方、電位VDD3がVDDよりも高く設定されている場合(VDD3>VDD)、トランジスタQ8は非飽和領域で動作する。しかしノードN1,N3が、プリチャージにより電位VDD−Vthになっても、トランジスタQ8はオン状態である。よってノードN1が昇圧されるとき(ノードN1の電位がVDD3−Vthを越えるまでの間)、ノードN1からノードN3へと電荷の移動が生じ、その分だけノードN1の昇圧効率が低下することになる。
逆に、電位VDD3がVDDよりも低く設定されている場合(VDD3<VDD)、トランジスタQ8は飽和領域で動作する。但し、ノードN1がプリチャージされてVDD−Vthの電位になっても、ノードN3の電位はそれよりも低いVDD3−Vthまでしか上昇しない。トランジスタQ6,Q7はレシオ型インバータを構成するため、トランジスタQ7のオン抵抗は十分低く設定される必要があるが、そのようにノードN3の電位が低くなるとトランジスタQ7のオン抵抗が高くなるため好ましくない。この問題を回避するにはトランジスタQ7のサイズ(ゲート幅)を大きくすればよいが、回路の占有面積が増大するという別の問題が生じる。
このようにハイ側電源電位VDD3は、ノードN1の昇圧効率および回路の占有面積の観点から、プリチャージされたときのノードN1の電位(VDD−Vth)よりも、トランジスタQ8のしきい値電圧(Vth)だけ高いレベル(VDD)であることが好ましい。言い換えれば、電位VDD3は、クロック信号CLK,/CLKのHレベル(=出力信号GのHレベル)の電位と等しいことが好ましい。
ところで先に述べたように、昇圧量ΔVを決定する因子であるノードN1の寄生容量Cpには、ノードN1の配線容量CLも寄与している。従って、ノードN1の配線容量CLをより小さくすることができれば、昇圧量ΔVをさらに大きくすることが可能になる。配線容量CLは、ノードN1となる配線の長さに依存するため、その長さを短くするとよい。即ち、単位シフトレジスタSRkを構成する各素子をレイアウトする際に、トランジスタQ1および容量素子Cと、トランジスタQ8(即ち伝達/分離素子)とをできるだけ近接させて配置すると、ノードN1の配線容量CLを小さくできる。
また本実施の形態に係る単位シフトレジスタSRkでは、ノードN1の昇圧時に、ノードN3がノードN1から電気的に分離されるので、ノードN3の配線容量は昇圧量ΔVに影響を与えない。従ってノードN3となる配線が多少長くなっても、それによって昇圧量ΔVが小さくなることはない。よって配線のレイアウトの際には、トランジスタQ1のゲートとトランジスタQ8のソース(ドレイン)との間の配線長、および、容量素子CとトランジスタQ8のソース(ドレイン)との配線長の少なくとも片方(望ましくは両方)を、トランジスタQ7のゲートとトランジスタQ8のドレイン(ソース)との間の配線長よりも短くなるようにするとよい。
また、従来の単位シフトレジスタSRk(図3)では、ノードN1の配線容量CLを小さくするためには、トランジスタQ1および容量素子CとトランジスタQ7との間をできるだけ近接させて配置する必要があった。しかしトランジスタQ7は、トランジスタQ6と共にレシオ型インバータを構成しており、トランジスタQ6よりも充分大きな駆動能力が必要であるため、そのサイズ(ゲート幅)が一定以上大きくなければならない。よってトランジスタQ7のレイアウトには制限が多く、トランジスタQ7をトランジスタQ1および容量素子Cに近づけてレイアウトすることが困難であった。
それに対し、本実施の形態の単位シフトレジスタSRkでは、ノードN1の配線容量CLを小さくするためには、トランジスタQ1および容量素子CとトランジスタQ8(伝達/分離素子)とを近接させて配置すればよい。トランジスタQ8は、ノードN3に充電された電荷を放電する素子として動作しさえすればよいので、駆動能力は比較的小さくてよく、サイズも小さくてよい。よってトランジスタQ8はレイアウトの自由度が高い。従って、本発明によれば、トランジスタQ1および容量素子Cに近接させて配置することを容易に行え、ノードN1の配線容量CLを容易に小さくすることができるという効果も得られる。
以上の説明では本発明に係る単位シフトレジスタSRを図5のように接続した場合の動作を示したが、図2のように接続させた場合に対しても適用可能である。
[第1の変更例]
図8は、本実施の形態の変更例1に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、図7の回路に対し、トランジスタQ3のドレインを、第2電源端子S2ではなく入力端子INに接続させたものである。
図8は、本実施の形態の変更例1に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、図7の回路に対し、トランジスタQ3のドレインを、第2電源端子S2ではなく入力端子INに接続させたものである。
本変更例によれば、第2電源端子S2およびそれにハイ側電源電位VDD2を供給するための配線が不要になるため、回路面積の縮小に寄与できる。また回路のレイアウト設計が容易になるという利点もある。
但し、単位シフトレジスタSRkの出力端子OUTに、次段の入力端子INが接続されるため、単位シフトレジスタSRkの出力段への負荷が大きくなる。そのため回路動作の速度が劣化する場合もあることに留意すべきである。
本変更例は、以下の変更例のいずれにも適用可能である。
[第2の変更例]
図9は、上記特許文献2の図14に開示されている従来の単位シフトレジスタの回路図である。この単位シフトレジスタSRkは、トランジスタQ6,Q7から成るインバータ(プルダウン駆動回路)の出力が、トランジスタQ9,Q10から成るバッファ回路を介してトランジスタQ2のゲート(ノードN2)に印加されるよう構成されている。トランジスタQ6,7から成るインバータの出力端はノードN2から分離される。
図9は、上記特許文献2の図14に開示されている従来の単位シフトレジスタの回路図である。この単位シフトレジスタSRkは、トランジスタQ6,Q7から成るインバータ(プルダウン駆動回路)の出力が、トランジスタQ9,Q10から成るバッファ回路を介してトランジスタQ2のゲート(ノードN2)に印加されるよう構成されている。トランジスタQ6,7から成るインバータの出力端はノードN2から分離される。
ノードN2から分離されたインバータの出力端(トランジスタQ6,Q7間の接続ノード)を「ノードN4」と定義すると、トランジスタQ9は、ノードN4に接続したゲートを有し、第3電源端子S3とノードN2との間に接続している。トランジスタQ10は、ノードN1に接続したゲートを有し、第1電源端子S1とノードN2との間に接続している。即ち、トランジスタQ10は、インバータの入力信号の活性化に応じてノードN2を放電し、トランジスタQ9は、インバータの出力信号の活性化に応じてノードN2を充電する。
このバッファ回路は、インバータの出力(ノードN4の信号)の駆動能力を高めてノードN2に供給するよう機能する。当該バッファ回路はレシオレス回路であり、トランジスタQ9,Q10を通して第3電源端子S3から第1電源端子S1へと流れる貫通電流を生じさせない。よって、その駆動能力(トランジスタQ9の駆動能力)をより高く設定しても消費電力の増大を抑制することができる。
図9の回路では、トランジスタQ1のゲートが接続するノードN1の寄生容量Cpは、トランジスタQ7のゲート容量C7と、トランジスタQ10のゲート容量C10と、ノードN1となる配線に付随する容量(配線容量)CLとの和に相当する。即ち、図3の回路と比較すると、図9の回路ではトランジスタQ10のゲート容量C10の分だけノードN1の寄生容量Cpが大きくなり、式(1)から得られる昇圧量ΔVは小さくなる。
本変更例では、図9のようにプルダウン駆動回路の出力がバッファ回路を介してノードN2に印加されるタイプの単位シフトレジスタSRkに対して本発明を適用する。その回路図を図10に示す。当該単位シフトレジスタSRは、図7の回路に対し、図9に示したものと同様のバッファ回路(トランジスタQ9,Q10)を設けたものである。但し、トランジスタQ10のゲートはノードN3に接続される。
本変更例の単位シフトレジスタSRkにおいて、そのゲートがトランジスタQ8を介してノードN1に接続するトランジスタは、トランジスタQ7,Q10の2つである。しかし本発明の単位シフトレジスタSRkでは、ノードN1の昇圧時にノードN3がノードN1から電気的に分離されるので、ノードN3に接続したトランジスタQ7,Q10のゲート容量は、共にノードN1の寄生容量Cpに寄与しない。つまり図10の回路におけるノードN1の寄生容量Cpは、図7の場合と同等になる。
よって昇圧量ΔVが大きくなり、ノードN1昇圧時におけるトランジスタQ1の駆動能力が大きくなる。従って、当該単位シフトレジスタSRkはゲート線を高速に充電できるようになる。
[第3の変更例]
図11は、本実施の形態の第3の変更例に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、実施の形態の第3の変更例に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、図7の回路に対し、プルダウン駆動回路としてトランジスタQ6,Q7A,Q7B,Q7Cから構成されるシュミットトリガ型のインバータを用いたものである。
図11は、本実施の形態の第3の変更例に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、実施の形態の第3の変更例に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。当該単位シフトレジスタSRkは、図7の回路に対し、プルダウン駆動回路としてトランジスタQ6,Q7A,Q7B,Q7Cから構成されるシュミットトリガ型のインバータを用いたものである。
図11の如く、トランジスタQ6は、ノードN2と第3電源端子S3との間に接続し、そのゲートは第3電源端子S3に接続している(つまりトランジスタQ6はダイオード接続している)。トランジスタQ7A,Q7Bは、ノードN2と第1電源端子S1との間に直列に接続し、それらのゲートは共にノードN1に接続される。トランジスタQ7Cは、第3電源端子S3とトランジスタQ7A,Q7B間の接続ノードとの間に接続し、そのゲートはノードN3に接続される。
同様のシュミットトリガ回路を備える単位シフトレジスタSRは、特許文献4の図7にも開示されている。特許文献4の図7の回路では、トランジスタQ7A,Q7Bの両方のゲートがノードN1(トランジスタQ1のゲート)に接続されるため、ノードN1の寄生容量Cpが大きくなる場合がある。
シュミットトリガ回路もレシオ回路であり、その出力のLレベル(ノードN2のLレベル)の電位はトランジスタQ6のオン抵抗とトランジスタQ7A,Q7Bを合わせたオン抵抗との比によって決まる。例えばノードN2のLレベルの電位を、図7の場合と同じにするためには、トランジスタQ7A,Q7Bそれぞれのオン抵抗を図7のトランジスタQ7の1/2にする必要がある。すなわちトランジスタQ7A,Q7Bそれぞれのゲート幅を、図7のトランジスタQ7の2倍にする必要がある。この場合、トランジスタQ7A、Q7Bのゲート容量の和は、図7のトランジスタQ7のゲート容量の4倍となる。
しかし図11の単位シフトレジスタSRkでは、ノードN1の昇圧時にノードN3がノードN1から電気的に分離されるので、ノードN3に接続したトランジスタQ7A,Q7Bのゲート容量は、共にノードN1の寄生容量Cpに寄与しない。つまり図11の回路におけるノードN1の寄生容量Cpは、図7の場合と同等になる。このように本発明は、プルダウン駆動回路としてシュミットトリガ回路を用いた単位シフトレジスタに適用すると、ノードN1の寄生容量Cpの低減効果が大きい。
[第4の変更例]
TFTをはじめとする電界効果トランジスタは、ゲートにしきい値電圧以上の電圧が印加されたときに、ゲート絶縁膜を介したゲート電極の直下に形成される導電性チャネルによってドレイン・ソース間が電気的に接続されることにより導通する素子である。従って、導通状態の電界効果トランジスタは、ゲートとチャネルを両電極とし、ゲート絶縁膜を誘電体層とする容量素子(ゲート容量)としても機能することができる。
TFTをはじめとする電界効果トランジスタは、ゲートにしきい値電圧以上の電圧が印加されたときに、ゲート絶縁膜を介したゲート電極の直下に形成される導電性チャネルによってドレイン・ソース間が電気的に接続されることにより導通する素子である。従って、導通状態の電界効果トランジスタは、ゲートとチャネルを両電極とし、ゲート絶縁膜を誘電体層とする容量素子(ゲート容量)としても機能することができる。
図12は本実施の形態の第4の変更例に係る単位シフトレジスタSRkの回路図である。以上に示した単位シフトレジスタSRkでは、トランジスタQ1のドレイン・ソース間に容量素子Cを設けていたが、本変更例ではそれをトランジスタQ1のゲート容量に置き換えている。その場合、図12の如く容量素子Cは省略できる。
通常、半導体集積回路内に形成される容量素子の誘電体層となる絶縁膜の厚さは、トランジスタのゲート絶縁膜の厚さと同じになるので、容量素子をトランジスタのゲート容量に置き換える場合には、その容量素子と同一面積のトランジスタで代替することができる。即ち、図12においてトランジスタQ1のゲート幅を相当分広くすることで、図7の回路と同等の昇圧動作を実現できる。またトランジスタQ1のゲート幅を広くすることによりその駆動能力が高くなるので、結果として出力信号の立ち上がりおよび立ち下がり速度が速くなり、動作の高速化を図ることができるという利点もある。
SR 単位シフトレジスタ、30 ゲート線駆動回路、31 クロック信号発生器、32 スタート信号発生器。
Claims (9)
- 入力端子、出力端子およびクロック端子と、
前記クロック端子に入力されるクロック信号を前記出力端子に供給する第1トランジスタと、
前記入力端子に入力される入力信号の活性化に応じて、前記第1トランジスタの制御電極が接続する第1ノードを充電する第2トランジスタと、
第3トランジスタを介して前記第1ノードに接続した制御電極を有する第4トランジスタとを備え、
前記第3トランジスタの制御電極は、
所定の電源電位が供給される電源端子に接続されている
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項1記載のシフトレジスタ回路であって、
前記電源電位は、前記クロック信号の活性レベルの電位と同じである
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項1または請求項2記載のシフトレジスタ回路であって、
前記出力端子を放電する第5トランジスタをさらに備え、
前記第4トランジスタは、
前記第5トランジスタの制御電極が接続する第2ノードを放電するものである
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項3記載のシフトレジスタ回路であって、
前記第4トランジスタを駆動素子として含み、当該第4トランジスタの制御電極が接続する第3ノードを入力端、前記第2ノードを出力端とするインバータを備える
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項3記載のシフトレジスタ回路であって、
前記第4トランジスタを駆動素子として含み、当該第4トランジスタの制御電極が接続する第3ノードを入力端とするインバータと、
前記インバータの出力信号の駆動能力を高めて前記第2ノードへ供給するバッファ回路とを備え、
前記バッファ回路は、
前記第3ノードに接続した制御電極を有し、前記第2ノードを放電する第6トランジスタを含んでいる
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項4または請求項5記載のシフトレジスタ回路であって、
前記インバータはシュミットトリガ型インバータである
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項1から請求項6のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
前記第1トランジスタの制御電極と前記第3トランジスタの一方の電流電極とを接続する配線の長さは、前記第3トランジスタの他方の電流電極と前記第4トランジスタの制御電極とを接続する配線の長さよりも短い
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項1から請求項7のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
前記第1ノードと前記出力端子との間に接続する容量素子をさらに備える
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。 - 請求項8記載のシフトレジスタ回路であって、
前記容量素子と前記第3トランジスタの一方の電流電極とを接続する配線の長さは、前記第3トランジスタの他方の電流電極と前記第4トランジスタとを接続する配線の長さよりも短い
ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
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-
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