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JP2007242129A - シフトレジスタ回路およびそれを備える画像表示装置 - Google Patents

シフトレジスタ回路およびそれを備える画像表示装置 Download PDF

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JP2007242129A JP2006062124A JP2006062124A JP2007242129A JP 2007242129 A JP2007242129 A JP 2007242129A JP 2006062124 A JP2006062124 A JP 2006062124A JP 2006062124 A JP2006062124 A JP 2006062124A JP 2007242129 A JP2007242129 A JP 2007242129A
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Abstract

【課題】特殊な駆動制御装置を用いることなく、シフトレジスタ回路の誤動作を防止し動作信頼性を向上させる。
【解決手段】単位シフトレジスタ回路SRは、出力端子OUTとクロック端子CKとの間に接続するトランジスタQ1と、出力端子OUTと第1電源端子s1と間に接続するトランジスタQ2を備える。クロック端子CKとトランジスタQ2のゲートとの間には、MOS容量素子として機能するトランジスタQ8が設けられる。即ち、トランジスタQ2のゲートにはトランジスタQ8のゲートが接続し、クロック端子CKにはトランジスタQ8のソース・ドレインが接続する。
【選択図】図7

Description

本発明は、シフトレジスタ回路に関するものであり、特に、例えば画像表示装置の走査線駆動回路などに使用される、同一導電型の電界効果トランジスタのみにより構成されるシフトレジスタ回路に関するものである。
液晶表示装置等の画像表示装置(以下「表示装置」)では、複数の画素が行列状に配列された表示パネルの画素行(画素ライン)ごとにゲート線(走査線)が設けられ、表示信号の1水平期間の周期でそのゲート線を順次選択して駆動することにより表示画像の更新が行なわれる。そのように画素ラインすなわちゲート線を順次選択して駆動するためのゲート線駆動回路(走査線駆動回路)としては、表示信号の1フレーム期間で一巡するシフト動作を行なうシフトレジスタを用いることができる。
ゲート線駆動回路に使用されるシフトレジスタは、表示装置の製造プロセスにおける工程数を少なくするために、同一導電型の電界効果トランジスタのみで構成されることが望ましい。このため、N型またはP型の電界効果トランジスタのみで構成されたシフトレジスタおよびそれを搭載する表示装置が種々提案されている(例えば特許文献1,2)。電界効果トランジスタとしては、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタや薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などが用いられる。
また、ゲート線駆動回路としてのシフトレジスタは、1つの画素ラインすなわち1つのゲート線ごとに設けられた複数のシフトレジスタ回路が縦続接続(カスケード接続)して構成される。本明細書では説明の便宜上、ゲート線駆動回路を構成する複数のシフトレジスタ回路の各々を「単位シフトレジスタ回路」と称する。
特開2004−246358号公報 特開2001−350438号公報
一般的なシフトレジスタ回路は、その出力段に、出力端子(特許文献1における第1ゲート電圧信号端子GOUT)とクロック端子(第1パワークロックCKV)との間に接続するプルアップトランジスタ(プルアップMOSトランジスタQ1)と、出力端子と基準電圧端子(ゲートオフ電圧端子VOFF)との間に接続するプルダウントランジスタ(プルダウンMOSトランジスタQ2)とを備えている。
そのようなシフトレジスタ回路では、所定の入力信号(前段の出力信号GOUT[N−1])に応じてプルアップトランジスタがオン、プルダウントランジスタがオフにされ、その状態でクロック端子に入力されるクロック信号が出力端子に伝達されることによって、出力信号が出力される。逆に、上記の入力信号が入力されない期間は、プルアップトランジスタがオフ、プルダウントランジスタがオンにされ、出力端子の電圧レベル(以下、単に「レベル」)はL(Low)レベルに保持される。
ゲート線駆動回路のシフトレジスタを非晶質シリコンTFT(a−Si TFT)で構成した表示装置は、大面積化が容易で且つ生産性が高く、例えばノート型PCの画面や、大画面ディスプレイ装置などに広く採用されている。
その反面、a−Si TFTはゲート電極が継続的(直流的)に正バイアスされた場合に、しきい値電圧が正方向にシフトして駆動能力(電流を流す能力)が小さくなる傾向がある。特にゲート線駆動回路のシフトレジスタでは、プルダウントランジスタのゲートが約1フレーム期間(約16ms)、直流的に正バイアスされる動作が行われるため、その間プルダウントランジスタの駆動能力が低下する。そうなると、ノイズ等に起因して出力端子に不要に電荷が供給されたときそれをプルダウントランジスタが放電することができず、ゲート線が誤って活性化されてしまうという誤動作が生じる。
上記の特許文献1の単位シフトレジスタ回路では、プルダウントランジスタがオンになる期間に、そのゲート・ソース間電圧を一定周期でスイングさせている。それにより、プルダウントランジスタのゲートが直流的にバイアスされなくなるため、上記の誤動作が解消される。特許文献1ではその動作を実現するために、プルダウントランジスタのゲートを充電する電源の出力電圧を一定周期でスイングさせている。
しかし、従来から用いられている汎用的なゲート線駆動回路の制御装置(以下「駆動制御装置」)は、一定周期でスイングする電源出力を有するものではない。そのため、特許文献1の技術を実施するためには、特殊仕様の駆動制御装置が必要になり、それによるコストの上昇が懸念される。また、電源電圧がスイングすることによって、電源配線の寄生容量に交流電流が流れ、消費電力が増大することも問題となる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、特殊な駆動制御装置を用いることなく、シフトレジスタ回路の誤動作を防止して動作信頼性を向上させることを目的とする。
本発明の第1の局面に係るシフトレジスタ回路は、第1クロック端子に入力される第1クロック信号を出力端子に供給する第1トランジスタと、第1電源端子の電位を前記出力端子に供給する第2トランジスタとを備えるシフトレジスタ回路において、前記第1トランジスタの制御電極が接続するノードを第1ノードとし、前記第2トランジスタの制御電極が接続するノードを第2ノードとし、前記第2ノードと所定の第2クロック端子との間に接続した第1容量素子を備えるものである。
本発明の第2の局面に係るシフトレジスタ回路は、第1クロック端子に入力される第1クロック信号を出力端子に供給する第1トランジスタと、第1電源端子の電位を前記第1トランジスタの制御電極に供給する第2トランジスタとを備えるシフトレジスタ回路において、前記第1トランジスタの制御電極が接続するノードを第1ノードとし、前記第2トランジスタの制御電極が接続するノードを第2ノードとし、前記第2ノードと所定の第2クロック端子との間に接続した第1容量素子を備えるものである。
本発明によれば、第2トランジスタのゲート電位は、第2クロック端子に入力される第2クロック信号の周期で昇圧されるので、交流的に変化する。よって、第2トランジスタのしきい値電圧のシフトは、当該しきい値電圧が第2トランジスタのゲート電位の最大レベルよりも小さい値で飽和する。従って、第2トランジスタのしきい値電圧のシフトが進行してもそれらを確実にオンさせることができ、当該シフトレジスタ回路の駆動能力を保持することができる。また、第2クロック端子に入力するクロック信号としては、従来のシフトレジスタ回路で使用されていたクロック信号を利用すればよいので、従来の汎用的な駆動制御装置を用いて動作させることができる。つまり、特殊仕様の駆動制御装置は不要であり、コストの上昇も抑制される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、説明が重複して冗長になるのを避けるため、各図において同一または相当する機能を有する要素には同一符号を付してある。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の構成を示す概略ブロック図であり、表示装置の代表例として液晶表示装置10の全体構成を示している。
液晶表示装置10は、液晶アレイ部20と、ゲート線駆動回路(走査線駆動回路)30と、ソースドライバ40とを備える。後の説明により明らかになるが、本発明の実施の形態に係るシフトレジスタは、ゲート線駆動回路30に搭載される。
液晶アレイ部20は、行列状に配設された複数の画素25を含む。画素の行(以下「画素ライン」とも称する)の各々にはそれぞれゲート線GL1,GL2・・・(総称「ゲート線GL」)が配設され、また、画素の列(以下「画素列」とも称する)の各々にはそれぞれデータ線DL1,DL2・・・(総称「データ線DL」)がそれぞれ設けられる。図1には、第1行の第1列および第2列の画素25、並びにこれに対応するゲート線GL1およびデータ線DL1,DL2が代表的に示されている。
各画素25は、対応するデータ線DLと画素ノードNpとの間に設けられる画素スィッチ素子26と、画素ノードNpおよび共通電極ノードNCの間に並列に接続されるキャパシタ27および液晶表示素子28とを有している。画素ノードNpと共通電極ノードNCとの間の電圧差に応じて、液晶表示素子28中の液晶の配向性が変化し、これに応答して液晶表示素子28の表示輝度が変化する。これにより、データ線DLおよび画素スイッチ素子26を介して画素ノードNpへ伝達される表示電圧によって、各画素の輝度をコントロールすることが可能となる。即ち、最大輝度に対応する電圧差と最小輝度に対応する電圧差との間の中間的な電圧差を、画素ノードNpと共通電極ノードNCとの間に印加することによって、中間的な輝度を得ることができる。従って、上記表示電圧を段階的に設定することにより、階調的な輝度を得ることが可能となる。
ゲート線駆動回路30は、所定の走査周期に基づき、ゲート線GLを順に選択して駆動する。画素スイッチ素子26のゲート電極は、それぞれ対応するゲート線GLと接続される。特定のゲート線GLが選択されている間は、それに接続する各画素において、画素スイッチ素子26が導通状態になり画素ノードNpが対応するデータ線DLと接続される。そして、画素ノードNpへ伝達された表示電圧がキャパシタ27によって保持される。一般的に、画素スイッチ素子26は、液晶表示素子28と同一の絶縁体基板(ガラス基板、樹脂基板等)上に形成されるTFTで構成される。
ソースドライバ40は、Nビットのデジタル信号である表示信号SIGによって段階的に設定される表示電圧を、データ線DLへ出力するためのものである。ここでは一例として、表示信号SIGは6ビットの信号であり、表示信号ビットDB0〜DB5から構成されるものとする。6ビットの表示信号SIGに基づくと、各画素において、26=64段階の階調表示が可能となる。さらに、R(Red)、G(Green)およびB(Blue)の3つの画素により1つのカラー表示単位を形成すれば、約26万色のカラー表示が可能となる。
また、図1に示すように、ソースドライバ40は、シフトレジスタ50と、データラッチ回路52,54と、階調電圧生成回路60と、デコード回路70と、アナログアンプ80とから構成されている。
表示信号SIGにおいては、各々の画素25の表示輝度に対応する表示信号ビットDB0〜DB5がシリアルに生成される。すなわち、各タイミングにおける表示信号ビットDB0〜DB5は、液晶アレイ部20中のいずれか1つの画素25における表示輝度を示している。
シフトレジスタ50は、表示信号SIGの設定が切換わる周期に同期したタイミングで、データラッチ回路52に対して、表示信号ビットDB0〜DB5の取込を指示する。データラッチ回路52は、シリアルに生成される表示信号SIGを順に取り込み、1つの画素ライン分の表示信号SIGを保持する。
データラッチ回路54に入力されるラッチ信号LTは、データラッチ回路52に1つの画素ライン分の表示信号SIGが取込まれるタイミングで活性化する。データラッチ回路54はそれに応答して、そのときデータラッチ回路52に保持されている1つの画素ライン分の表示信号SIGを取り込む。
階調電圧生成回路60は、高電圧VDHおよび低電圧VDLの間に直列に接続された63個の分圧抵抗で構成され、64段階の階調電圧V1〜V64をそれぞれ生成する。
デコード回路70は、データラッチ回路54に保持されている表示信号SIGをデコードし、当該デコード結果に基づいて各デコード出力ノードNd1,Nd2・・・(総称「デコード出力ノードNd」)に出力する電圧を、階調電圧V1〜V64のうちから選択して出力する。
その結果、デコード出力ノードNdには、データラッチ回路54に保持された1つの画素ライン分の表示信号SIGに対応した表示電圧(階調電圧V1〜V64のうちの1つ)が同時に(パラレルに)出力される。なお、図1においては、第1列目および第2列目のデータ線DL1,DL2に対応するデコード出力ノードNd1,Nd2が代表的に示されている。
アナログアンプ80は、デコード回路70からデコード出力ノードNd1,Nd2・・・に出力された各表示電圧に対応したアナログ電圧を、それぞれデータ線DL1,DL2・・・に出力する。
ソースドライバ40が、所定の走査周期に基づいて、一連の表示信号SIGに対応する表示電圧を1画素ライン分ずつデータ線DLへ繰返し出力し、ゲート線駆動回路30がその走査周期に同期してゲート線GL1,GL2・・・を順に駆動することにより、液晶アレイ部20に表示信号SIGに基づいた画像の表示が成される。
なお、図1には、ゲート線駆動回路30およびソースドライバ40が液晶アレイ部20と一体的に形成された液晶表示装置10の構成を例示したが、ゲート線駆動回路30およびソースドライバ40については、液晶アレイ部20の外部回路として設けることも可能である。
図2は、ゲート線駆動回路30の構成を示す図である。このゲート線駆動回路30は、縦続接続(カスケード接続)した複数の単位シフトレジスタ回路SR1,SR2,SR3,SR4・・・で構成されるシフトレジスタから成っている。(以下、単位シフトレジスタ回路SR1,SR2・・・を「単位シフトレジスタ回路SR」と総称する)。単位シフトレジスタ回路SRは、1つの画素ラインすなわち1つのゲート線GLごとに1つずつ設けられる。
また図2に示すクロック発生器31は、各々位相が異なる3相のクロック信号CLK1,CLK2,CLK3をゲート線駆動回路30の単位シフトレジスタ回路SRに入力するものである。これらクロック信号CLK1,CLK2,CLK3は、表示装置の走査周期に同期したタイミングで順番に活性化するよう制御されている。
それぞれの単位シフトレジスタ回路SRは、入力端子IN、出力端子OUT、クロック端子CKおよびリセット端子RSTを有している。図2のように、各単位シフトレジスタ回路SRのクロック端子CKおよびリセット端子RSTには、クロック発生器31が出力するクロック信号CLK1,CLK2,CLK3のうちのいずれか供給される。単位シフトレジスタ回路SRの出力端子OUTにはそれぞれゲート線GLが接続する。つまり、出力端子OUTに出力される信号(出力信号)は、ゲート線GLを活性化するための水平(又は垂直)走査パルスとなる。
第1段目(第1ステージ)の単位シフトレジスタ回路SR1の入力端子INには、画像信号の各フレーム期間の先頭に対応するスタートパルスが入力される。第2段以降の単位シフトレジスタ回路SRの入力端子INにはその前段の出力信号が入力される。即ち、第2段以降の単位シフトレジスタ回路SRの入力端子INは、自身の前段の単位シフトレジスタ回路SRの出力端子OUTに接続されている。
この構成のゲート線駆動回路30においては、各単位シフトレジスタ回路SRは、クロック信号CLK1,CLK2,CLK3に同期して、前段から入力される入力信号(前段の出力信号)をシフトさせながら、対応するゲート線GL並びに自身の次段の単位シフトレジスタ回路SRへと伝達する(単位シフトレジスタ回路SRの動作の詳細は後述する)。その結果、一連の単位シフトレジスタ回路SRは、所定の走査周期に基づいたタイミングでゲート線GLを順に活性化させる、いわゆるゲート線駆動ユニットとして機能する。
ここで、本発明の説明を容易にするために、従来の単位シフトレジスタについて説明する。図3は、従来の単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す回路図である。なおゲート線駆動回路30においては、縦続接続された各単位シフトレジスタ回路SRの構成は実質的にどれも同じであるので、以下では1つの単位シフトレジスタ回路SRの構成についてのみ代表的に説明する。また、この単位シフトレジスタ回路SRを構成するトランジスタは、全て同一導電型の電界効果トランジスタであるが、本実施の形態においては全てN型TFTであるものとする。
図3の如く、従来の単位シフトレジスタ回路SRは、既に図2で示した入力端子IN、出力端子OUT、クロック端子CKおよびリセット端子RSTの他に、低電位側電源電位VSSが供給される第1電源端子s1、高電位側電源電位VDD1,VDD2がそれぞれ供給される第2電源端子s2および第3電源端子s3を有している。高電位側電源電位VDD1,VDD2は、互いに同一レベルであってもよい。例えば高電位側電源電位VDD1,VDD2を共に同一レベルとする場合には、第1電源端子s1と第2電源端子s2とを両者を同一の端子で構成してもよい。以下の説明では、低電位側電源電位VSSが回路の基準電位(=0V)とするが、実使用では画素に書込まれるデータの電圧を基準にして基準電位が設定され、例えば高電位側電源電位VDD1、VDD2は17V、低電位側電源電位VSSは−12Vなどと設定される。
単位シフトレジスタ回路SRの出力段は、出力端子OUTとクロック端子CKとの間に接続するトランジスタQ1と、出力端子OUTと第1電源端子s1との間に接続するトランジスタQ2とにより構成されている。以下、単位シフトレジスタ回路SRの出力段を構成するトランジスタQ1のゲート(制御電極)が接続するノードをノードN1(第1ノード)、トランジスタQ2のゲートノードをノードN2(第2ノード)と定義する。
トランジスタQ1のゲート・ソース間(即ち出力端子OUTとノードN1との間)には容量素子C1が設けられている。またノードN1と第2電源端子s2との間にはトランジスタQ3が接続しており、そのゲートは入力端子INに接続している。ノードN1と第1電源端子s1との間には、トランジスタQ4並びにトランジスタQ5が接続する。トランジスタQ4のゲートはリセット端子RSTに接続し、トランジスタQ5のゲートはノードN2に接続する。
ノードN2と第3電源端子s3との間には、ダイオード接続されたトランジスタQ6が接続し、ノードN2と第1電源端子s1との間にはトランジスタQ7が接続する。トランジスタQ7のゲートはノードN1に接続する。トランジスタQ7は、トランジスタQ6よりも駆動能力(電流を流す能力)が十分大きく設定されている。即ち、トランジスタQ7のオン抵抗はトランジスタQ6のオン抵抗よりも小さい。よってトランジスタQ7のゲート電位が上昇するとノードN2の電位は下降し、反対にトランジスタQ7のゲート電位が下降するとノードN2の電位は上昇する。即ちトランジスタQ6およびトランジスタQ7は、ノードN1を入力端としノードN2を出力端とするインバータを構成している。当該インバータは、トランジスタQ6およびトランジスタQ7のオン抵抗値の比によってその動作が規定されるものであり、「レシオ型インバータ」と呼ばれる。また当該インバータは、出力端子OUTをプルダウンさせるためにトランジスタQ2を駆動する「プルダウン駆動回路」として機能している。
図3の単位シフトレジスタ回路SRの具体的な動作を説明する。ゲート線駆動回路30を構成する各単位シフトレジスタ回路SRの動作は実質的にどれも同じであるので、ここでは第n段目の単位シフトレジスタ回路SRnの動作を代表的に説明する。
簡単のため、当該単位シフトレジスタ回路SRnのクロック端子CKにクロック信号CLK1が入力され、リセット端子RSTにクロック信号CLK3が入力されるものとして説明を行う(例えば図2における、単位シフトレジスタ回路SR1,SR4などがこれに該当する)。また、当該単位シフトレジスタ回路SRnの出力信号をGn、その前段(第n−1段)の単位シフトレジスタ回路SRの出力信号をGn-1と定義する。また単位シフトレジスタ回路SRを構成する各トランジスタのしきい値電圧は全て等しいものと仮定し、その値をVthとする。
まず初期状態として、ノードN1がL(Low)レベル(VSS)、ノードN2がH(High)レベル(VDD2−Vth)であるとする(以下、この状態を「リセット状態」と称す)。また、クロック端子CK(クロック信号CLK1)、リセット端子RST(クロック信号CLK3)、入力端子IN(前段の出力信号Gn-1)は何れもLレベルであるとする。このリセット状態では、トランジスタQ1がオフ(遮断状態)、トランジスタQ2がオン(導通状態)であるので、出力端子OUT(出力信号Gn)は、クロック端子CK(クロック信号CLK1)のレベルに関係なくLレベルに保たれる。即ち、この単位シフトレジスタ回路SRnが接続するゲート線GLnは非選択状態にある。
その状態から、前段の単位シフトレジスタ回路SRn-1の出力信号Gn-1がHレベルになると、それが当該単位シフトレジスタ回路SRnの入力端子INに入力されトランジスタQ3がオンになる。このときノードN2はLレベルなのでトランジスタQ5もオンしているが、トランジスタQ3はトランジスタQ5よりも駆動能力が十分大きく設定されており、トランジスタQ3のオン抵抗はトランジスタQ5のオン抵抗に比べ十分低いため、ノードN1のレベルは上昇する。
それによりトランジスタQ7が導通し始めノードN2のレベルは下降する。そうなるとトランジスタQ5の抵抗が高くなり、ノードN1のレベルが急速に上昇してトランジスタQ7を充分にオンにする。その結果ノードN2はLレベル(VSS)になり、トランジスタQ5がオフになってノードN1がHレベル(VDD1−Vth)になる。このようにノードN1がHレベル、ノードN2がLレベルの状態(以下、この状態を「セット状態」称す)では、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフになる。その後、前段の出力信号Gn-1はLレベルに戻り、トランジスタQ3はオフするが、ノードN1はフローティング状態になるのでこのセット状態は維持される。
セット状態では、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフであるため、次いでクロック端子CKのクロック信号CLK1がHレベルになると、出力端子OUTのレベルが上昇する。このとき容量素子C1およびトランジスタQ1のゲート・チャネル間容量を介した結合により、ノードN1のレベルは特定の電圧だけ昇圧される(このためノードN1は「昇圧ノード」と称されることもある)。従って出力端子OUTのレベルが上昇してもトランジスタQ1のゲート・ソース間電圧はしきい値電圧(Vth)よりも大きく保たれ、当該トランジスタQ1は低インピーダンスに維持されるので、出力信号Gnのレベルはクロック端子CKのレベルに追随して素早く変化する。特に、トランジスタQ1のゲート・ソース間電圧が充分大きい場合にはトランジスタQ1は非飽和領域での動作(非飽和動作)を行うので、しきい値電圧分の損失はなく出力端子OUTはクロック信号CLK1と同レベルにまで上昇する。よって、クロック信号CLK1がHレベルの期間だけ、出力信号GnがHレベルになり、ゲート線GLnを活性化して選択状態にする。そして、クロック信号CLK1がLレベルに戻ると、それに追随して出力信号Gnも素早くLレベルになり、ゲート線GLnは放電され非選択状態に戻る。
その後、リセット端子RSTのクロック信号CLK3がHレベルになると、トランジスタQ4がオンになるためノードN1がLレベルになり、それに伴ってトランジスタQ7がオフになるためノードN2はHレベルになる。即ち、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンのリセット状態に戻る(このためノードN2は「リセットノード」と称されることもある)。
以上の動作をまとめると、単位シフトレジスタ回路SRは、入力端子INに信号(スタートパルスまたは前段の出力信号Gn-1)が入力されない間はリセット状態にあり、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンに保たれるため、出力端子OUT(ゲート線GLn)は低インピーダンスのLレベル(VSS)に維持される。そして入力端子INに信号が入力されると、単位シフトレジスタ回路SRはセット状態に切り替わる。セット状態ではトランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフであるため、クロック端子CKの信号(クロック信号CLK1)がHレベルになる期間、出力端子OUT(出力信号Gn)がHレベルになる。そしてその後、リセット端子RSTに信号(クロック信号CLK3)が入力されると、元のリセット状態に戻る。
このように動作する複数の単位シフトレジスタ回路SRを図2のように縦続接続し、ゲート線駆動回路30を構成すると、第1段目の単位シフトレジスタ回路SR1の入力端子INに入力された入力信号(スタートパルス)は、図4に示すタイミング図のように、クロック信号CLK1,CLK2,CLK3に同期したタイミングでシフトされながら、単位シフトレジスタ回路SR2,SR3・・・と順番に伝達される。それによって、ゲート線駆動回路30は、所定の走査周期でゲート線GL1,GL2,GL3・・・を順に駆動することができる。
上の例では、複数の単位シフトレジスタ回路SRが3相クロックに基づいて動作する例を示したが、2相クロック信号を使用して動作させることも可能である。図5はその場合におけるゲート線駆動回路30の構成を示す図である。
この場合も、ゲート線駆動回路30は、縦続接続した複数の単位シフトレジスタ回路SRにより構成される。即ち、各単位シフトレジスタ回路SRの入力端子INには、その前段の単位シフトレジスタ回路SRの出力端子OUTが接続する。但し、第1段目の単位シフトレジスタ回路SR1の入力端子INには、スタートパルスが入力信号として入力される。
この場合におけるクロック発生器31は、互いに逆相の2相クロックであるクロック信号CLK,/CLKを出力するものである。それぞれの単位シフトレジスタ回路SRのクロック端子CKには、前後に隣接する単位シフトレジスタ回路SRに互いに逆相のクロック信号が入力されるよう、そのクロック信号CLK,/CLKの片方が入力される。また図5に示すように、各単位シフトレジスタ回路SRのリセット端子RSTには、その後段(この例では次段)の単位シフトレジスタ回路SRの出力端子OUTが接続される。
図5のように構成されたゲート線駆動回路30における単位シフトレジスタ回路SRの動作を説明する。ここでも、第n段目の単位シフトレジスタ回路SRnの動作を代表的に説明する。簡単のため、当該単位シフトレジスタ回路SRnのクロック端子CKにクロック信号CLKが入力されるものとして説明を行う(例えば、図5における単位シフトレジスタ回路SR1,SR3などがこれに該当する)。また、当該単位シフトレジスタ回路SRnの出力信号をGn、その前段(第n−1段目)の単位シフトレジスタ回路SRn-1および次段(第n+1段目)の単位シフトレジスタ回路SRn+1の出力信号をそれぞれGn-1およびGn+1と定義する。
まず初期状態として、ノードN1がLレベル(VSS)、ノードN2がHレベル(VDD2−Vth)のリセット状態を仮定する。また、クロック端子CK(クロック信号CLK)、リセット端子RST(次段の出力信号Gn+1)、入力端子IN(前段の出力信号Gn-1)は何れもLレベルであるとする。
その状態から、前段の出力信号Gn-1がHレベルになると、それが当該単位シフトレジスタ回路SRnの入力端子INに入力されトランジスタQ3がオンになり、ノードN1のレベルは上昇する。それによりトランジスタQ7が導通し始め、ノードN2のレベルは下降する。そうなるとトランジスタQ5の抵抗が高くなり、ノードN1のレベルが急速に上昇してトランジスタQ7を充分にオンにする。その結果ノードN2はLレベル(VSS)になり、トランジスタQ5がオフになってノードN1がHレベル(VDD1−Vth)になる。その結果、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフとなるセット状態になる。
そして、クロック信号CLKがHレベルになり出力端子OUTのレベルが上昇すると、容量素子C1およびトランジスタQ1のゲート・チャネル間容量による結合によりノードN1のレベルは特定の電圧だけ昇圧される。従って、出力信号Gnのレベルはクロック端子CKのレベルに追随して変化し、クロック信号CLKがHレベルである間は出力信号GnもHレベルになってゲート線GLnが活性化される(選択状態になる)。その後、クロック信号CLKがLレベルに戻ると出力信号GnもLレベルに戻り、ゲート線GLnは非選択状態に戻る。
出力信号Gnが単位シフトレジスタ回路SRn+1に伝達された後、次段の出力信号Gn+1がHレベルになると、それがリセット端子RSTに入力されてトランジスタQ4がオンになりノードN1がLレベルになる。それに伴ってトランジスタQ7がオフになるのでノードN2はHレベルになる。即ち、当該単位シフトレジスタ回路SRnはリセット状態に戻り、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンになる。
このように、ゲート線駆動回路30が図5のように構成されている場合においても、それぞれの単位シフトレジスタ回路SRの動作は、リセット端子RSTに入力される信号が前段の出力信号Gn-1であることを除けば図2のように構成した場合とほぼ同じである。
以上の動作を、図5のように縦続接続された単位シフトレジスタ回路SR1,SR2,・・・が順に行う。それによって、第1段目の単位シフトレジスタ回路SR1の入力端子INに入力された入力信号(スタートパルス)が、クロック信号CLK,/CLKに同期してシフトされながら、単位シフトレジスタ回路SR2,SR3,・・・と順番に伝達される。その結果、ゲート線駆動回路30は図6に示すタイミング図の如く、クロック信号CLK,/CLKに同期して、ゲート線GL1,GL2,GL3,・・・を順に駆動することができる。
但し、図5の構成では、各単位シフトレジスタ回路SRは、リセット端子RSTに次段の単位シフトレジスタ回路SRの出力信号Gn+1が入力されるので、次段の単位シフトレジスタ回路SRが少なくとも一度動作した後でなければリセット状態(すなわち上記の初期状態)にならない。各単位シフトレジスタ回路SRは、リセット状態を経なければ図6に示したような通常動作を行うことができない。従って図5の構成の場合には、通常動作に先立って、ダミーの入力信号を単位シフトレジスタ回路SRの第1段目から最終段まで伝達させるダミー動作を行わせる必要がある。あるいは、各単位シフトレジスタ回路SRのノードN2と第3電源端子s3(高電位側電源)との間にリセット用のトランジスタを別途設け、通常動作の前に強制的にノードN2を充電するリセット動作を行なってもよい。但し、その場合はリセット用の信号ラインが別途必要になる。
ここで、先に述べた従来の単位シフトレジスタ回路SRにおける誤動作の問題を詳細に説明する。以下では、単位シフトレジスタ回路SRを構成する各トランジスタはa−Si TFTであるとする。
図6の最下段に、図5のゲート線駆動回路30における単位シフトレジスタ回路SR1のノードN2の電圧波形を示す。上記のように、入力端子INの信号(スタートパルスあるいは前段の出力信号Gn-1)がHレベルに成ると、ノードN2はLレベルに遷移するが、すぐにリセット端子RSTの信号(次段の出力信号Gn+1)によってHレベルに戻され、その後約1フレーム期間(約16ms)Hレベルに維持される(図示は省略するが、この振る舞いは図2のケースでも同様である)。つまりトランジスタQ2およびトランジスタQ5のゲートは、約1フレーム期間継続的(直流的)に正バイアスされる。よって単位シフトレジスタ回路SRがa−Si TFTにより構成されている場合には、トランジスタQ2,Q5はしきい値電圧が正方向にシフトして駆動能力が低下する問題が生じる。
リセット状態におけるトランジスタQ5の駆動能力が低下すると、例えばトランジスタQ1のゲートとソース/ドレイン間のオーバラップ容量に起因してノードN1に生じたノイズ等による電荷を素早く放電することができず、ノードN1のレベルが上昇する恐れがある。そうなるとオフ状態にあるトランジスタQ1の抵抗値が下がり、クロック信号CLKがHレベルになったときに不要に出力端子OUTに電荷が供給されるようになる。さらにこのときトランジスタQ2の駆動能力が低下していると、ノイズにより生じた出力端子OUTの電荷を素早く放電できず、出力端子OUTのレベルが上昇してしまう。つまり、非選択状態にあるべきゲート線が選択状態になってしまうという誤動作が生じ、液晶表示装置10の表示不具合が発生する。
先に述べたように、特許文献1の駆動方法を用いればこの問題を回避することが可能であるが、そのためには特殊仕様の駆動制御装置を用いる必要がある。以下、特殊仕様の駆動制御装置を用いることなく上記の問題を解決可能であることを特徴とする、本発明に係るシフトレジスタ回路について説明する。
図7は、実施の形態1に係る単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す回路図である。同図のように、当該単位シフトレジスタ回路SRの出力段は、出力端子OUTとクロック端子CKとの間に接続するトランジスタQ1と、出力端子OUTと第1電源端子s1との間に接続するトランジスタQ2とにより構成されている。また、トランジスタQ1のゲート(制御電極)とソースとの間すなわちノードN1と出力端子OUTとの間には容量素子C1が設けられている。ノードN1と第2電源端子s2との間には、ゲートが入力端子INに接続するトランジスタQ3が接続しており、ノードN1と第1電源端子s1との間には、ゲートがリセット端子RSTに接続するトランジスタQ4と、ゲートがトランジスタQ2のゲート(ノードN2)に接続したトランジスタQ5とが接続している。また、トランジスタQ6,Q7は、ノードN1を入力端、ノードN2を出力端とするレシオ型インバータ(プルダウン駆動回路)を備えている。以上の構成は図3に示した従来の単位シフトレジスタ回路SRと同様である。
本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRは、以上の構成に加え、ゲートがノードN2に接続し、ソースおよびドレイン(即ち2つの主電極)が共にクロック端子CKに接続したトランジスタQ8を有している。
TFTを含む電界効果トランジスタは、半導体基板上のゲート電極にしきい値電圧以上の電圧が印加されたとき、半導体基板内におけるゲート絶縁膜を介したゲート電極の直下のチャネル領域に形成される導電性チャネルによりドレイン・ソース間が電気的に接続されることにより導通する素子である。従って、導通状態の電界効果トランジスタは、ゲート・チャネル間に一定の静電容量を有することとなる。即ち、半導体基板内のチャネルとゲート電極とを両電極とし、その間のゲート絶縁膜を誘電体層とする容量素子としても機能することができる。このような容量素子は「MOS(Metal-Oxide Semiconductor)容量素子」と呼ばれる。
つまり図7のトランジスタQ8は、ノードN2とクロック端子CKとの間に接続したMOS容量素子を構成している。但しこのトランジスタQ8は、ノードN2がHレベルのときはチャネル領域にチャネルが形成されるため通常の容量素子と同様に機能するが、ノードN2がLレベルのときにはチャネルは形成されず、容量素子としては機能しない。
以下、図7に示した本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRの動作を説明する。図7の単位シフトレジスタ回路SRも、上に示した図2および図5のどちらの構成のゲート線駆動回路30にも適用可能であるが、ここでは図5のように接続してゲート線駆動回路30を構成している場合の動作を示す。
なお、ここでも第n段目の単位シフトレジスタ回路SRnの動作を代表的に説明し、当該単位シフトレジスタ回路SRnのクロック端子CKにクロック信号CLKが入力されるものとして説明を行う。また当該単位シフトレジスタ回路SRnの出力信号をGn、その前段(第n−1段目)の単位シフトレジスタ回路SRn-1および次段(第n+1段目)の単位シフトレジスタ回路SRn+1の出力信号をそれぞれGn-1およびGn+1とする。
また説明の簡単のため、クロック信号CLK,/CLKのHレベルは全て等しいものと仮定し、そのレベルをVDDと表すことにする。さらにこのレベルVDDは高電位側電源電位VDD1のレベルと等しいものとする(即ち、VDD=VDD1)。また単位シフトレジスタ回路SRを構成する各トランジスタのしきい値電圧は全て等しいものと仮定し、その値をVthとする。
図8は、当該単位シフトレジスタ回路SRnの動作を示すタイミング図である。実際の各信号は所定の時定数をもってレベルが遷移するが、説明の簡単のため以下では時定数は0として説明する。
まず初期状態として、ノードN1がLレベル(VSS)、ノードN2がHレベル(VDD2−Vth)のリセット状態を仮定する。また、クロック端子CK(クロック信号CLK)、リセット端子RST(次段の出力信号Gn+1)、入力端子IN(前段の出力信号Gn-1)は何れもLレベルであるとする。このときトランジスタQ1はオフ、トランジスタQ2がオンであるので、ゲート線GLnは低インピーダンスのLレベルである。
その状態から、時刻t1で入力端子INに入力される前段の出力信号Gn-1がHレベルになるとトランジスタQ3がオンしてノードN1がHレベルになる。応じてトランジスタQ7がオンしてノードN2のレベルがLレベルになり、トランジスタQ2,Q5がオフになる。その結果、単位シフトレジスタ回路SRnはノードN1がHレベル(VDD−Vth)、ノードN2(VSS)がLレベルのセット状態になり、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフとなる。時刻t2で前段の出力信号Gn-1はLレベルに戻るとトランジスタQ3はオフするが、ノードN1はフローティング状態になり、またトランジスタQ5,Q7がフリップフロップの働きをするので、このリセット状態は維持される。
そして時刻t3でクロック端子CKに入力されるクロック信号CLKがHレベルになると、それに追随して出力端子OUT(出力信号Gn)のレベルがHレベルになる。その結果、出力端子OUTに接続するゲート線GLnが活性化される(選択状態になる)。またこのとき、容量素子C1およびトランジスタQ1のゲート・チャネル間容量による結合により、ノードN1のレベルは特定の電圧(図8に示すΔV1)だけ昇圧される。
この昇圧量ΔV1は、容量素子C1、トランジスタQ1のゲート・チャネル間容量、およびノードN1に付随する寄生容量それぞれの値によって決まる。容量素子C1の容量値とトランジスタQ1のゲート・チャネル間の容量値の和を、ノードN1に付随する寄生容量よりも充分大きくすることにより、昇圧量ΔV1はクロック信号CLKの振幅とほぼ等しくなる。その場合、トランジスタQ1のソース・ゲート間電圧が高く保たれるので、当該トランジスタQ1は非飽和動作を行う。よって、出力端子OUT(出力信号Gn)のレベルは、トランジスタQ1のしきい値電圧の損失なくVDDにまで上昇する。
また時刻t3には、MOS容量素子であるトランジスタQ8のソース・ドレインもHレベルになる。しかしこのときノードN2はLレベルであるため、トランジスタQ8にはチャネルが形成されておらず容量素子として機能しない。従って、クロック端子CKとノードN2とは結合せず、時刻t3ではノードN2は昇圧されない。
その後時刻t4でクロック信号CLKがLレベルに戻ると、出力信号GnもLレベルに戻り、ゲート線GLnは非選択状態になる。このときノードN1も昇圧前のレベル(VDD−Vth)に戻る。
その次にクロック信号/CLKがHレベルなる時刻t5で、次段の出力信号Gn+1がHレベルになり、それがリセット端子RSTに入力される。よってトランジスタQ4がオンし、ノードN1がLレベル(VSS)になり、応じてトランジスタQ7がオフになるのでノードN2はHレベル(VDD2−Vth)になる。即ち、当該単位シフトレジスタ回路SRnはリセット状態に戻り、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ2がオンになるのでゲート線GLnは低インピーダンスのLレベルとなる。
続く時刻t6で次段の出力信号Gn+1がLレベルに戻るとトランジスタQ4はオフするが、ノードN1はLレベル、ノードN2はHレベルになり、またトランジスタQ5,Q7がフリップフロップの働きをするので、単位シフトレジスタ回路SRnのリセット状態は維持される。
ここまでの動作は上述した従来の単位シフトレジスタ回路SRと同様である。従って、本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRを用いて図5のように構成したゲート線駆動回路30も、図6に示すタイミング図の如く、クロック信号CLK,/CLKに同期して、ゲート線GL1,GL2,GL3,・・・を順に駆動することができる。
但し、本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRにおいては、続く時刻t7以降に、次の如く動作する。
即ち、時刻t7にてクロック信号CLKがHになると、このときノードN2はHレベル(VDD2−Vth)であり、トランジスタQ8にチャネルが形成されているので、当該トランジスタQ8が通常の容量素子と同様に機能する。よってクロック信号CLKがHレベルになると、MOS容量素子としてのトランジスタQ8を介する結合によりノードN2が所定の電圧(図8に示すΔV2)だけ昇圧される。
昇圧量ΔV2は、トランジスタQ8のゲート・チャネル間容量およびノードN2に付随する寄生容量の値によって決まる。ノードN2の寄生容量はほぼトランジスタQ2およびトランジスタQ5のゲート・チャネル間容量の和であるので、昇圧量ΔV2は、
ΔV2≒(VDD−VSS)・CQ8/(CQ8+CQ2+CQ5) ・・・(1)
となる。式(1)において、CQ2,CQ5,CQ8はそれぞれトランジスタQ2,Q5,Q8のゲート・チャネル間容量である(本実施の形態では低電位側電源電位VSSを基準電位としており、VSS=0である)。式(1)から分かるように、トランジスタQ8のゲート・チャネル間容量すなわちトランジスタQ8から成るMOS容量素子の容量が充分大きければ、ΔV2はほぼクロック信号CLKの振幅(=VDD)に等しくなり、昇圧によるノードN2の最大レベルはほぼ2×VDD−Vthとなる。
その後時刻t8でクロック信号CLKがLレベルになると、ノードN2は昇圧前のレベル(VDD−Vth)に戻る。それ以降は、単位シフトレジスタ回路SRが次にセット状態になるまで、クロック信号CLKのレベルがHレベルに成る度にノードN2が昇圧される。つまりクロック信号CLKのレベルの遷移に応じて上記の時刻t7〜t8の動作が繰り返され、ノードN2のレベルが遷移する。
このように、本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRでは、時刻t5以降のリセット状態にあってはトランジスタQ8が容量素子として機能するため、ノードN2のレベルがクロック信号CLKに応じて昇圧される。つまり、トランジスタQ2,Q5がオンで維持されつつ、そのゲート電位がクロック信号CLKの周期で交流的に変化する。よって、トランジスタQ2,Q5のゲートのHレベルがクロック信号CLKの周期でスイングし、トランジスタQ2,Q5のしきい値電圧のシフトは、当該しきい値電圧がノードN2の最大レベル(≒2×VDD−Vth)よりも小さい値で飽和する。
従って、トランジスタQ2,Q5のしきい値電圧のシフトが進行してもそれらを確実にオンさせることができ、駆動能力を保持することができる。よって単位シフトレジスタ回路SRのリセット状態にノイズ等に起因してノードN1に電荷が供給されても、それを充分に放電することができるので、上述の誤動作の問題を解決することができる。その結果、単位シフトレジスタ回路SRにより構成されたゲート線駆動回路を有する表示装置における表示不具合を防止できる。
このように本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRは、直流の電源電圧および2相(あるいは3相)のクロック信号に基づいて駆動することが可能なため、従来の汎用的な駆動制御装置を用いて動作させることができる。つまり、特殊仕様の駆動制御装置は不要であり、コストの上昇も抑制される。
なお、図7の回路においては、トランジスタQ8のソースおよびドレイン(主電極)の両方をクロック端子CKに接続した構成を示したが、いずれもMOS容量素子の同じ側の電極として機能しており、両者のうちいずれか一方のみがクロック端子CKに接続させても同様に機能する。即ち、クロック端子CKに、トランジスタQ8のソース・ドレインの片方だけが接続するよう構成してもよく、上記と同様の効果を得ることができる。
<実施の形態2>
実施の形態1においては、トランジスタQ1のドレインとMOS容量素子を構成するトランジスタQ8のソース・ドレインとに共に同じクロック信号CLKが入力されるよう構成し、そのため両者を同一の端子(図7のクロック端子CK)に接続していた。しかし、その両者に互いに異なる位相のクロック信号を入力することも可能である。
図9は、実施の形態2に係る単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す図である。同図の如く、トランジスタQ1のドレインが接続するクロック端子CKに加え、専らトランジスタQ8のソースドレインが接続するためのクロック端子CK1が別途設けられている。そのことを除いては図7の回路と同様の構成を有している。クロック端子CKには、図5に示すように所定のクロック信号が入力される必要があるが、クロック端子CK1には、任意のクロック信号が入力されればよい(但し、クロック端子CK,CK1に共に同じクロック信号を入力した場合には、実質的に実施の形態1と同じになる)。なお図9においては、クロック端子CKにクロック信号CLKが入力され、クロック端子CK1にはクロック信号/CLKが入力される例を示している。
図10は、実施の形態2に係る単位シフトレジスタ回路の動作を示すタイミング図であり、図9の如く、クロック端子CK,CK1にそれぞれクロック信号CLK,/CLKが入力される例を示している。図8と比較して分かるように、実施の形態1の場合とは、ノードN2が昇圧されるタイミングが異なるのみで、それ以外の動作は同様である。つまり実施の形態1では、ノードN2はクロック信号CLKに同期してノードN2が昇圧されていたが、本実施の形態ではそれとは逆相のクロック信号/CLKに同期してノードN2が昇圧される。
従って、本実施の形態においても実施の形態1と同様の効果が得られる。但し実施の形態1のように、トランジスタQ1のドレインに接続する端子とトランジスタQ8のソース・ドレインに接続する端子とを同一の端子により構成し、クロック端子の数を少なくした場合には、クロック信号供給のための配線の占有面積が削減されるという利点がある。
なお、本発明に係る単位シフトレジスタ回路SRも、3相のクロック信号により駆動することが可能である。その場合クロック端子CKには、図2に示すように所定のクロック信号が入力される必要があるが、トランジスタQ8が接続するクロック端子CK1には、3相のうちの任意のものが入力されればよい。
<実施の形態3>
図11は、本発明の実施の形態3に係る単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す回路図である。本実施の形態では、トランジスタQ3のドレインを電源ではなく入力端子INに接続させる。それにより電源供給のための配線の占有面積を削減できる。但し、入力端子INにはその前段の出力端子OUTが接続するため、各単位シフトレジスタ回路SRの出力段への負荷が大きくなるので、回路動作の速度が劣化する場合もあることに留意すべきである。
<実施の形態4>
図12は実施の形態4に係る単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す回路図である。実施の形態1では、ノードN1の昇圧を効率よく行うためにトランジスタQ1のドレイン・ソース間に容量素子C1を設けていたが、本実施の形態ではそれをトランジスタQ1のゲート容量に置き換えている。その場合、図12の回路図の如く容量素子C1は不要になる。
導通状態の電界効果トランジスタが、ゲートとチャネルを両電極とし、ゲート絶縁膜を誘電体層とする容量素子としても機能することができることは上述のとおりである。通常、半導体集積回路内に形成される容量素子の誘電体層となる絶縁膜の厚さは、トランジスタのゲート絶縁膜の厚さと同じになるので、容量素子をトランジスタのゲート容量に置き換える場合には、その容量素子と同一面積のトランジスタで代替することができる。
即ち、図12においてトランジスタQ1のゲート幅を相当分広くすることで、実施の形態1に係る図7の回路と同等の動作を実現できる。またトランジスタQ1のゲート幅を広くすることによりその駆動能力が高くなるので、結果として出力信号の立上りおよび立下り速度が速くなり、動作の高速化を図ることができるという利点もある。
<実施の形態5>
例えば図7の単位シフトレジスタ回路SRにおいて、ノードN1と第1電源端子s1(低電位側電源電位VSS)との間には、トランジスタQ4,Q5の2つが接続している。そのうちトランジスタQ4は、HレベルにあるノードN1の電荷を放電してLレベルに遷移させる働きを主にしており、トランジスタQ5は、LレベルになったノードN1を低電位側電源電位VSSに固定する働きを主にしている。
よって、仮に単位シフトレジスタ回路SRからトランジスタQ5が省略されたとしても、Lレベルになった後のノードN1がフローティング状態になるだけであるので、理論的な動作は可能である。そのため、トランジスタQ5を有していない構造の単位シフトレジスタ回路も存在している(上記の特許文献2)。
そこで実施の形態5では、ランジスタQ5を有していない構造の単位シフトレジスタ回路に本発明を適用する。
図13は、実施の形態5に係る単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す回路図である。同図の如く、当該単位シフトレジスタ回路SRは、図7の回路に対して、トランジスタQ5が省略された構造を有している(言い換えれば、特許文献2の単位シフトレジスタ回路に対して本発明を適用した例である)。図7の回路では、実施の形態4が適用されており、昇圧容量Cも省略している。さらに第2電源端子s2と第3電源端子s3とを同一の端子で構成することにより、電源供給のための配線の削減も図っている。
本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRは、実施の形態1と同様に動作する。即ち、図8で説明した動作と同様に、リセット状態においてトランジスタQ2がオンで維持されつつ、そのゲート電位がクロック信号CLKの周期でスイングする。従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、トランジスタQ5が省略されているため、ノードN2の寄生容量にトランジスタQ5のゲート・チャネル間容量(CQ2)が寄与しなくなるので、式(1)から分かるように実施の形態1よりも昇圧量ΔV2を効率よく大きくできるという効果もある。また、トランジスタQ5を省略された分、回路に含まれるトランジスタの数が少なくなるため、装置の縮小化、並びに寄生容量の低減による低消費電力化が可能になるという効果もある。
但し、図7の回路におけるトランジスタQ5はLレベルにあるノードN1のノイズの放電経路になっていたため、それが省略されると、例えばトランジスタQ1のゲートとソース/ドレイン間のオーバラップ容量に起因するノイズの影響が大きくなり、それが原因となる誤動作が生じやすくなるという点に留意すべきである。
<実施の形態6>
以上の実施の形態では、説明の簡単のため、クロック信号CLK,/CLKのHレベルVDDを、高電位側電源電位VDD1と等しいものと仮定したが、本実施の形態においてはそれぞれ独立したものとして考える。
例えば実施の形態1の単位シフトレジスタ回路SR(図7)においては、クロック信号CLK(あるいはクロック信号/CLK)によるノードN2の昇圧量ΔV2は、上記の式(2)で表される。よって、ノードN2の最大レベルV2maxは、
V2max=VDD2−Vth+ΔV2 ・・・(2)
で表される。
トランジスタQ8のチャネル容量(CQ8)がノードN2の寄生容量(CQ2+CQ5)よりも充分大きいと仮定すると、式(1)より、昇圧量ΔV2はほぼクロック信号CLKの振幅(VDD)に等しくなるので、
V2max≒VDD2−Vth+VDD ・・・(3)
とできる。ノードN2の最大レベルV2maxの値が大きいと、トランジスタQ2,Q5のゲートはノードN2の昇圧時に高電圧でバイアスされることとなり、単位シフトレジスタ回路SRの動作が長時間継続された場合にトランジスタQ2,Q5のゲート絶縁膜に絶縁破壊が起こる可能性がある。このような観点からは、V2maxは必要以上に大きくすべきでない。
一方、単位シフトレジスタ回路SRの出力信号によりゲート線を高速に充電するためにはクロック信号CLKのHレベル(VDD)の値は大きい方が好ましい。式(3)より、クロック信号CLKの振幅VDDの値を大きくしつつノードN2の最大レベルV2maxの値を適当に保つには、高電位側電源電位VDD2を小さくすればよいため、本発明においては、
VDD2<VDD ・・・(4)
であることが望ましい。そうすることにより、トランジスタQ2,Q5のゲート絶縁膜の破壊を防止しつつ、ゲート線を高速に充電することができる。
またリセット状態のノードN2のレベルをトランジスタQ8を介して昇圧するためには、ノードN2の昇圧直前(例えば図8における時刻t7)にトランジスタQ8にチャネルが形成されて容量素子として機能する状態となっている必要がある。即ち、トランジスタQ6,Q8のしきい値電圧をそれぞれVth(Q6),Vth(Q8)とすると、昇圧直前におけるノードN2のHレベル(VDD2−Vth(Q6))と、トランジスタQ8のしきい値電圧(Vth(Q8))との関係が、
VDD2−Vth(Q6)≧Vth(Q8) ・・・(5)
であればよい。式(5)より、
VDD2≧Vth(Q8)+Vth(Q6) ・・・(6)
となる。つまり、高電位側電源電位VDD2のレベルが、トランジスタQ6のしきい値電圧と、トランジスタQ8のしきい値電圧との和以上であればよい。
ここでも、単位シフトレジスタ回路SRを構成する各トランジスタのしきい値電圧は全て等しく、その値をVthと仮定すると、
VDD2≦2×Vth ・・・(7)
となる。即ち、本発明における高電位側電源電位VDD2のレベルの目安としては、単位シフトレジスタ回路SRを構成するトランジスタのしきい値電圧のおよそ2倍程度以上の大きさを確保するようにすればよいことが分かる。
なお、ここでは実施の形態1の単位シフトレジスタ回路SR(図7)を例に挙げて説明したが、実施の形態2〜5についても同様のことが言える。
<実施の形態7>
以上の実施の形態では、ノードN2のレベルをクロック信号CLK(あるいはクロック信号/CLK)に応じて昇圧する手段として、トランジスタQ8が用いられていた。即ち、トランジスタQ8はそのゲートがノードN2に接続され、ソース・ドレインの両方(あるいは片方)がノードN2に接続されて、それによりMOS容量素子として機能していた。但し、本発明の適用はそのような構成に限られるものではない。そこで実施の形態7では、ノードN2を昇圧させる手段の変形例を示す。
例えば、上記の各実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRにおいて、トランジスタQ8から成るMOS容量素子に代え、通常の昇圧容量C2を用いてもよい。例えば図14は、実施の形態1(図7)の回路に対して当該変形例を適用した場合の図である。
但し、このようにノードN2の昇圧手段として容量素子C2を用いた場合には、ノードN2がLレベルのセット状態(ゲート線GLnの選択時)であっても、クロック端子CKとノードN2とは容量素子C2を介して容量結合することになる。つまり、ノードN2がLレベルであるべき期間(図8における時刻t1〜t5)にも、クロック信号CLKのレベル上昇に応じてノードN2に電荷が供給され、当該ノードN2のレベルも上昇しようとする。セット状態ではトランジスタQ7がオンしておりノードN2の電荷はそれによって放電されるため、ノードN2のレベル上昇は抑制される。
しかし、その放電時にはトランジスタQ7のオン抵抗に起因する電圧降下により、ノードN2のLレベルが完全に低電位側電源電位VSSにはならずに、若干の上昇を伴う場合もある。また同様にトランジスタQ5も導通してノードN1のHレベルが低下する。このような現象が生じると、ゲート線GLnの選択時におけるトランジスタQ1の駆動能力の低下並びにトランジスタQ2の導通が生じ、当該単位シフトレジスタ回路SRがゲート線GLnを高速に充電することが困難になり、問題となる。
従って、図14のようにノードN2の昇圧手段として容量素子C2を用いる場合には、トランジスタQ7の駆動能力を充分大きく確保することが必要である点に留意すべきである。トランジスタQ7の駆動能力が適切に設定されれば、上記の問題を伴うことなく、トランジスタQ8から成るMOS容量素子を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図14では、本実施の形態を実施の形態1の単位シフトレジスタ回路SR(図7)に適用した例を示したが、実施の形態2〜5に示した単位シフトレジスタ回路SR(図9、図11〜図13)に適用してもよい。
<実施の形態8>
本実施の形態においては、ノードN2を昇圧させる手段の別の変形例を示す。
例えば、上記の各実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SR(図7、図9、図11〜図13)において、トランジスタQ8から成るMOS容量素子を逆向きに接続してもよい。即ち、トランジスタQ8のゲートをクロック端子CKに接続し、トランジスタQ8のソース・ドレインの両方あるいは片方を、ノードN2に接続してもよい。例えば図15は、図7の回路に対して当該変形例を適用した場合の図である。
但し、トランジスタQ8をそのように接続した場合、ノードN2がLレベルのセット状態(ゲート線GLnの選択時)であっても、クロック信号CLKのレベルがトランジスタQ8のしきい値電圧を超えると当該トランジスタQ8にチャネルが形成されるため、クロック端子CKとノードN2とが容量結合することになる。
つまりこの場合も実施の形態7と同様に、ノードN2がLレベルであるべき期間(図8における時刻t1〜t5)に、ノードN2のレベル上昇およびノードN1のレベルが低下の問題が生じやすいため、トランジスタQ7の駆動能力を充分大きく確保することが必要である点に留意すべきである。トランジスタQ7の駆動能力が適切に設定されれば、上記の問題を伴うことなく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、クロック信号CLKの電圧レベルのうち、トランジスタQ8のしきい値電圧分(Vth)は、トランジスタQ8にチャネルを形成するために消費される。よって、トランジスタQ8のゲート・チャネル間容量すなわちトランジスタQ8から成るMOS容量素子の容量が充分大きいと仮定すると、ノードN2の昇圧量ΔV2は、ほぼクロック信号CLKの振幅よりもしきい値電圧分だけ小さい値となり(即ち、ΔV2≒VDD−Vth)となり、昇圧によるノードN2の最大レベルはほぼ2×VDD−2×Vthとなる。
なお、図15では、本実施の形態を実施の形態1の単位シフトレジスタ回路SR(図7)に適用した例を示したが、実施の形態2〜5に示した単位シフトレジスタ回路SR(図9、図11〜図13)に適用してもよい。
<実施の形態9>
以上の実施の形態の単位シフトレジスタ回路SRは、トランジスタQ2,Q5が、共にトランジスタQ6,Q7から成るインバータにより駆動される構成であった。実施の形態9では本発明を、クロック端子CKに入力されるクロック信号(CLK)とは逆相のクロック信号(/CLK)によりトランジスタQ2が駆動される構成の単位シフトレジスタ回路SRに適用する。
図16は、本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRの構成を示す回路図である。当該単位シフトレジスタ回路SRでは、トランジスタQ2のゲート(ノードN2)は、クロック信号/CLKが入力されるクロック端子CK1に接続しており、トランジスタQ5のゲートと共通ノードではない。トランジスタQ5のゲート(以下「ノードN3」)は、実施の形態1と同様にトランジスタQ6,Q7から成るインバータの出力端となっている。即ち図16のように、ダイオード接続されたトランジスタQ6は、ノードN3と第3電源端子s3との間に接続し、ゲートがノードN1に接続したトランジスタQ7はノードN3と第1電源端子s1との間に接続している。そして、MOS容量素子として機能するトランジスタQ8は、ノードN3とクロック端子CKとの間に接続する。
本実施の形態のようにトランジスタQ2のゲートにクロック信号/CLKが入力されるように構成した場合、当該ゲートは直流的にバイアスされないため、当該トランジスタQ2のしきい値電圧のシフトは低減される。
また、この構成ではゲート線GLnの非選択期間においてクロック信号/CLKがLレベルになるときに、出力端子OUTがフローティング状態になるため、その間Lレベルに維持されるべき出力端子OUTの電位が上昇することが懸念される。しかしゲート線駆動回路においては、通常、出力端子OUTの出力負荷容量が大きいため、出力端子OUTがLレベルにされた後に、当該出力端子OUTがフローティング状態になっても、その出力負荷容量によって実質的にLレベルが維持されるため問題とはならない。
また本実施の形態の単位シフトレジスタ回路SRでは、ノードN3がHレベルの期間にあってはトランジスタQ8が容量素子として機能するため、Hレベルになった後のノードN3がクロック信号CLKに応じて昇圧される。つまり、トランジスタQ5がオンで維持されつつ、そのゲート電位がクロック信号CLKの周期で交流的に変化する。よって、トランジスタQ5のゲートのHレベルがクロック信号CLKの周期でスイングし、トランジスタQ5のしきい値電圧のシフトは、当該しきい値電圧がノードN3の最大レベル(≒2×VDD−Vth)よりも小さい値で飽和する。
このように本実施の形態においても、トランジスタQ2,Q5のしきい値電圧のシフトを抑制でき、それらの駆動能力を保持することができる。従って、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態に係る単位シフトレジスタ回路SRに対しても、上記した各実施の形態を適用可能である。例えば実施の形態2を適用し、MOS容量素子であるトランジスタQ8のソース・ドレインに、クロック端子CKと異なる信号(例えばクロック信号/CLK)が入力されるように構成してもよい。また例えば、実施の形態3のように、トランジスタQ3のドレインを電源ではなく入力端子INに接続させてもよい。さらに、実施の形態4のように、トランジスタQ1のドレイン・ソース間の容量素子C1を省略し、それをトランジスタQ1のゲート容量に置き換えてもよい。
また実施の形態6での説明は、本実施の形態でも当てはまる。つまり、実施の形態9の単位シフトレジスタ回路SR(図16)においても、クロック信号CLKの振幅VDDの値を大きくしつつノードN3の最大レベルV3maxの値を適当に保つために、上記の式(4)の条件を満たすことが望ましい。またHレベルであるノードN3をトランジスタQ8を介して昇圧するためには、昇圧直前におけるノードN3のHレベル(VDD2−Vth(Q6))と、トランジスタQ8のしきい値電圧(Vth(Q8))との関係が、式(6)を満たすことが望ましい。
また実施の形態7のように、トランジスタQ8から成るMOS容量素子に代え通常の昇圧容量を用いてもよいし、実施の形態8のようにトランジスタQ8を図16とは逆向きに接続してもよい。
また図16においては、出力端子OUTにドレイン(一の主電極)が接続したトランジスタQ2のソース(他の主電極)には実施の形態1と同様に低電位側電源電位VSSが供給されていたが、本実施の形態においては図17の如く、トランジスタQ2のソースをクロック端子CKに接続し、クロック信号CLKが入力されるようにしてもよい。この場合、トランジスタQ2のゲートに入力されるクロック信号/CLKがLレベルになって当該トランジスタQ2がオフになるとき、ソースに入力されるクロック信号CLKがHレベルになるため、トランジスタQ2のゲートがソースに対して負にバイアスされるのと等価な状態になる。その結果、しきい値電圧の正方向へのシフトがさらに抑制され、トランジスタQ2の駆動能力の低下が少なくなる。従って、トランジスタQ2の駆動能力を大きく保つことができるため、トランジスタQ2のサイズを小さくできるようになり、単位シフトレジスタ回路SRの形成面積の縮小化にも寄与できる。
本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示す概略ブロック図である。 単位シフトレジスタ回路を用いたゲート線駆動回路の構成例を示すブロック図である。 従来の単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 ゲート線駆動回路の動作を示すタイミング図である。 単位シフトレジスタ回路を用いたゲート線駆動回路の構成例を示すブロック図である。 ゲート線駆動回路の動作を示すタイミング図である。 実施の形態1に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態1に係る単位シフトレジスタ回路の動作を示すタイミング図である。 実施の形態2に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態2に係る単位シフトレジスタ回路の動作を示すタイミング図である。 実施の形態3に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態4に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態5に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態7に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態8に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態9に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。 実施の形態9に係る単位シフトレジスタ回路の構成を示す回路図である。
符号の説明
30 ゲート線駆動回路、SR 単位シフトレジスタ回路、Q1〜Q8 トランジスタ、C1,C2 容量素子、N1,N2 ノード、CK クロック端子、RST リセット端子、IN 入力端子、OUT 出力端子、s1〜s4 電源端子。

Claims (23)

  1. 第1クロック端子に入力される第1クロック信号を出力端子に供給する第1トランジスタと、
    第1電源端子の電位を前記出力端子に供給する第2トランジスタとを備えるシフトレジスタ回路において、
    前記第1トランジスタの制御電極が接続するノードを第1ノードとし、
    前記第2トランジスタの制御電極が接続するノードを第2ノードとし、
    前記第2ノードと所定の第2クロック端子との間に接続した第1容量素子を備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  2. 請求項1記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1クロック端子と前記第2クロック端子とが、同一の端子により構成されている
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  3. 請求項1または請求項2記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1容量素子は、
    第3トランジスタにより構成されたMOS(Metal-Oxide Semiconductor)容量素子である
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  4. 請求項3記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第3トランジスタは、
    前記第2クロック端子に接続した制御電極と、
    前記第2ノードに接続した主電極とを備えている
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  5. 請求項4記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第2ノードと所定の第2電源端子と間に接続し、ダイオード接続された第4トランジスタと、
    前記第2ノードと前記第1電源端子との間に接続し、前記第1ノードに接続した制御電極を有する第5トランジスタとをさらに備え、
    前記第1電源端子を基準にしたとき、前記第2電源端子に印加される電位は、
    前記第3トランジスタのしきい値電圧と前記第4トランジスタのしきい値電圧との和以上である
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  6. 請求項5記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1電源端子を基準にしたとき、前記第2電源端子に印加される電位は、
    前記第2クロック端子に入力される第2クロック信号のH(High)レベルの電位よりも小さい
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  7. 請求項1または請求項2記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第2ノードと所定の第2電源端子と間に接続し、ダイオード接続された第4トランジスタと、
    前記第2ノードと前記第1電源端子との間に接続し、前記第1ノードに接続した制御電極を有する第5トランジスタとをさらに備え、
    前記第1電源端子を基準にしたとき、前記第2電源端子に印加される電位は、
    前記第2クロック端子に入力される第2クロック信号のH(High)レベルの電位よりも小さい
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1ノードに前記第1電源端子の電位を供給し、前記第2ノードに接続した制御電極を有する第6トランジスタをさらに備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1ノードと前記出力端子との間に接続する第2容量素子をさらに備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか記載のシフトレジスタ回路が複数個縦続接続して成るシフトレジスタ回路。
  11. 請求項10記載のシフトレジスタ回路をゲート線駆動回路とする画像表示装置。
  12. 第1クロック端子に入力される第1クロック信号を出力端子に供給する第1トランジスタと、
    第1電源端子の電位を前記第1トランジスタの制御電極に供給する第2トランジスタとを備えるシフトレジスタ回路において、
    前記第1トランジスタの制御電極が接続するノードを第1ノードとし、
    前記第2トランジスタの制御電極が接続するノードを第2ノードとし、
    前記第2ノードと所定の第2クロック端子との間に接続した第1容量素子を備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  13. 請求項12記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1クロック端子と前記第2クロック端子とが、同一の端子により構成されている
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  14. 請求項12または請求項13記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1容量素子は、
    第3トランジスタにより構成されたMOS(Metal-Oxide Semiconductor)容量素子である
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  15. 請求項14記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第3トランジスタは、
    前記第2クロック端子に接続した制御電極と、
    前記第2ノードに接続した主電極とを備えている
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  16. 請求項15記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第2ノードと所定の第2電源端子と間に接続し、ダイオード接続された第4トランジスタと、
    前記第2ノードと前記第1電源端子との間に接続し、前記第1ノードに接続した制御電極を有する第5トランジスタとをさらに備え、
    前記第1電源端子を基準にしたとき、前記第2電源端子に印加される電位は、
    前記第3トランジスタのしきい値電圧と前記第4トランジスタのしきい値電圧との和以上である
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  17. 請求項16記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1電源端子を基準にしたとき、前記第2電源端子に印加される電位は、
    前記第2クロック端子に入力される第2クロック信号のH(High)レベルの電位よりも小さい
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  18. 請求項12または請求項13記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第2ノードと所定の第2電源端子と間に接続し、ダイオード接続された第4トランジスタと、
    前記第2ノードと前記第1電源端子との間に接続し、前記第1ノードに接続した制御電極を有する第5トランジスタとをさらに備え、
    前記第1電源端子を基準にしたとき、前記第2電源端子に印加される電位は、
    前記第2クロック端子に入力される第2クロック信号のH(High)レベルの電位よりも小さい
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  19. 請求項12から請求項18のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記出力端子に前記第1電源端子の電位を供給し、前記第1クロック信号とは逆相の第3クロック信号が入力される制御電極を有する第6トランジスタをさらに備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  20. 請求項12から請求項18のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記出力端子に接続した一の主電極、前記第1クロック信号が供給される他の主電極、および前記第1クロック信号とは逆相の第3クロック信号が入力される制御電極を有する第7トランジスタをさらに備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  21. 請求項12から請求項20のいずれか記載のシフトレジスタ回路であって、
    前記第1ノードと前記出力端子との間に接続する第2容量素子をさらに備える
    ことを特徴とするシフトレジスタ回路。
  22. 請求項12から請求項21のいずれか記載のシフトレジスタ回路が複数個縦続接続して成るシフトレジスタ回路。
  23. 請求項22記載のシフトレジスタ回路をゲート線駆動回路とする画像表示装置。
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