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JP2010196666A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP2010196666A JP2009044987A JP2009044987A JP2010196666A JP 2010196666 A JP2010196666 A JP 2010196666A JP 2009044987 A JP2009044987 A JP 2009044987A JP 2009044987 A JP2009044987 A JP 2009044987A JP 2010196666 A JP2010196666 A JP 2010196666A
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Abstract

【課題】 液体燃料と気体燃料とを切り換えて、あるいは同時に使用する内燃機関に供給する空気量の制御を適切に行い、空気供給量の制御精度を向上させることができる。
【解決手段】 使用燃料がガソリンであるかCNGであるか、及び要求トルクTRQに応じて必要空気量QAIRCMDが算出され、使用燃料に応じて必要空気量QAIRCMDに対応する、スロットル弁3の目標開度THCMDが算出される。CNGを使用するときは、ガソリンを使用するときより必要空気量QAIRCMDを増量するとともに、必要空気量QAIRCMDを供給するための目標開度THCMDを増加させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液体燃料及び気体燃料を使用可能な内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、液体燃料と気体燃料とを切り換えて使用可能な内燃機関の制御装置が示されている。この制御装置によれば、液体燃料から気体燃料へ切り換えるときに、機関出力トルクが約10%減少することを防止するために、出力トルクが10%増加するようにスロットル弁開度が増加される一方、気体燃料から液体燃料へ切り換えるときに、出力トルクが約10%増加することを防止するために、出力トルクが10%減少するようにスロットル弁開度が減少される。
特開2004−211610号公報
気体燃料及び液体燃料を使用する内燃機関では、以下の2点に着目した制御を行う必要がある。第1の点は、気体燃料を使用するときは、液体燃料使用時と同じ機関出力トルクを得るためには、空気供給量を増量する必要があることであり、第2の点は、気体燃料を使用するときは、スロットル弁下流側の吸気圧が液体燃料使用時と比べて増加するため、液体燃料使用時と同量の空気を供給するために必要なスロットル弁開度は増加する点である。上記特許文献1では、第1の点は考慮されているが、第2の点を考慮した制御手法が示されておらず、使用燃料を切り換えるときに、トルク変化を解消できないおそれがある。
また、気体燃料と液体燃料を同時に使用する場合に、気体燃料のみを使用することを前提として設定されている制御パラメータ、あるいは液体燃料のみを使用することを前提として設定されている制御パラメータをそのまま適用すると、アクセルペダルの踏み込み量に対する機関出力トルクの変化特性が変化し、運転者に違和感を与えるおそれがある。特許文献1は、気体燃料と液体燃料を同時に使用する場合の制御手法を示していないため、このような不具合が発生する可能性がある。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、液体燃料と気体燃料とを切り換えて、あるいは同時に使用する内燃機関に供給する空気量の制御を適切に行い、空気供給量の制御精度を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、液体燃料と気体燃料とを切り換えて使用可能な内燃機関の制御装置において、前記機関に供給する空気量を制御する空気量制御手段(3,4)と、前記機関の要求出力(TRQ)を算出する要求出力算出手段と、使用燃料が前記液体燃料か気体燃料かを判定する判定手段と、前記要求出力(TRQ)及び使用燃料に応じて、必要空気量(QAIRCMD)を算出する必要空気量算出手段と、前記使用燃料に応じて前記必要空気量(QAIRCMD)に対応する前記空気量制御手段の制御量(THCMD)を算出する制御量算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、液体燃料を供給する液体燃料供給手段と、気体燃料を供給する気体燃料供給手段とを備える内燃機関の制御装置において、前記機関に供給する空気量を制御する空気量制御手段(3,4)と、前記機関の要求出力(TRQ)を算出する要求出力算出手段と、使用燃料に含まれる前記液体燃料と気体燃料の質量割合(KGAS)を算出する質量割合算出手段と、前記要求出力(TRQ)及び質量割合(KGAS)に応じて、必要空気量(QAIRCMD)を算出する必要空気量算出手段と、前記質量割合(KGAS)に応じて前記必要空気量(QAIRCMD)に対応する、前記空気量制御手段の制御量(THCMD)を算出する制御量算出手段とを備え、該制御量算出手段は、前記使用燃料が前記気体燃料のみである場合における、前記必要空気量(QAIRCMD)に対応する前記制御量の値である第1制御値(THGAS)を算出する第1制御値算出手段と、前記使用燃料が前記液体燃料のみである場合における、前記必要空気量(QAIRCMD)に対応する前記制御量の値である第2制御値(THLIQ)を算出する第2制御値算出手段とを有し、前記第1及び第2制御値(THGAS,THLIQ)を前記質量割合(KGAS)に基づいて補間することにより、前記制御量(THCMD)を算出することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、液体燃料を供給する液体燃料供給手段と、気体燃料を供給する気体燃料供給手段とを備える内燃機関の制御装置において、前記機関の吸気管に設けられた弁の開度(TH)を変更することにより前記機関に供給する空気量を制御する空気量制御手段(3,4)と、前記機関の要求出力(TRQ)を算出する要求出力算出手段と、前記要求出力(TRQ)に応じて前記気体燃料の質量(QFGAS)及び前記液体燃料の質量(QFLIQ)を算出する燃料質量算出手段と、前記気体燃料の質量(QFGAS)に基づいて第1必要空気量(QAIRGAS)を算出するとともに、前記液体燃料の質量(QFLIQ)に基づいて第2必要空気量(QAIRLIQ)を算出する必要空気量算出手段と、前記第1必要空気量(QAIRGAS)に応じて前記吸気管の第1必要開口面積(ATHGAS)を算出するとともに、前記第2必要空気量(QAIRLIQ)に応じて前記吸気管の第2必要開口面積(ATHLIQ)を算出する必要開口面積算出手段と、前記第1及び第2必要開口面積の和(ATHCMD)を前記弁の開度(THCMD)に換算する弁開度算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、使用燃料が液体燃料か気体燃料かが判定され、機関の要求出力及び使用燃料に応じて必要空気量が算出され、使用燃料に応じて必要空気量に対応する空気量制御手段の制御量が算出される。したがって、必要空気量を供給するための制御量を正確に算出することができ、算出された制御量を用いて空気量制御手段を制御することにより、空気供給量の制御精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、使用燃料に含まれる液体燃料と気体燃料の質量割合が算出され、要求出力及び質量割合に応じて、必要空気量が算出される。そして、使用燃料が気体燃料のみである場合における必要空気量に対応する第1制御値と、使用燃料が液体燃料のみである場合における必要空気量に対応する第2制御値とが算出され、第1及び第2制御値を質量割合に基づいて補間することにより、空気量制御手段の制御量が算出される。したがって、必要空気量を供給するための制御量を正確に算出することができ、算出された制御量を用いて空気量制御手段を制御することにより、空気供給量の制御精度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、機関要求出力に応じて気体燃料の質量及び液体燃料の質量が算出され、気体燃料の質量に基づいて第1必要空気量が算出されるとともに、液体燃料の質量に基づいて第2必要空気量が算出される。そして第1必要空気量に応じて吸気管の第1必要開口面積が算出されるとともに、第2必要空気量に応じて第2必要開口面積が算出され、第1及び第2必要開口面積の和が吸気管内の弁の開度に換算される。したがって、実際の弁開度を、算出された弁の開度と一致するように制御することにより、空気供給量の制御精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 必要空気量(QAIRCMD)を算出する処理のフローチャート(第1の実施形態)である。 スロットル弁の目標開度(THCMD)を算出する処理のフローチャート(第1の実施形態)である。 図3の処理で参照されるテーブルを示す図である。 必要空気量(QAIRCMD)を算出する処理のフローチャート(第2の実施形態)である。 スロットル弁の目標開度(THCMD)を算出する処理のフローチャート(第2の実施形態)である。 第2の実施形態の変形例のフローチャートである。 図7の処理で参照されるテーブルを示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下「エンジン」という)1は、気体燃料である圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas,以下「CNG」という)と、液体燃料であるガソリンとを切り換えて、または同時に使用可能な4気筒のエンジンである。エンジン1は、吸気弁及び排気弁と、これらを駆動するカムを備えるとともに、吸気弁を駆動するカムの、クランク軸回転角度を基準とした作動位相を連続的に変更するカム位相可変機構としての弁作動特性可変機構40を備えている。弁作動特性可変機構40により吸気弁を駆動するカムの作動位相が変更され、吸気弁の作動位相角VTCが変更される。弁作動特性可変機構40の具体的な構成は、例えば特開2000−227013号公報に示されている。
エンジン1の吸気管2には、スロットル弁3が設けられている。スロットル弁3にはスロットル弁3を駆動するアクチュエータ4が接続されており、アクチュエータ4は電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に接続されている。ECU5は、アクチュエータ4を介してスロットル弁3の開度THを制御する。スロットル弁3には、スロットル弁開度THを検出するスロットル弁開度センサ22が連結されており、その検出信号がECU5に供給される。
エンジン1に燃料を供給する燃料供給系は、液体燃料噴射弁6、液体燃料通路8、及び液体燃料タンク9を備える液体燃料供給装置と、気体燃料噴射弁7、気体燃料通路10、及び気体燃料タンク11を備える気体燃料供給装置とからなる。液体燃料供給装置は、ガソリンをエンジン1に供給し、気体燃料供給装置は、CNGをエンジン1に供給する。
液体燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁の少し上流側に気筒毎に設けられている。液体燃料噴射弁6は液体燃料通路8を介して液体燃料タンク9に接続されている。また気体燃料噴射弁7が、液体燃料噴射弁6の近傍に気筒毎に設けらている、気体燃料噴射弁7は気体燃料通路10を介して気体燃料タンク11に接続されている。
液体燃料噴射弁6及び気体燃料噴射弁7はECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により開弁時間及び開弁時期が制御される。吸気管2のスロットル弁3の下流側には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ23、及び吸気温TAを検出する吸気温センサ24が装着されている。これらのセンサの検出信号は、ECU5に供給される。
エンジン1には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ25が設けられており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ25は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
エンジン1の本体にはエンジン冷却水温TWを検出するエンジン冷却水温センサ26が装着されており、その検出信号はECU5に供給される。エンジン1の排気管12には排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(以下「LAFセンサ」という)27が設けられており、LAFセンサ27の検出信号はECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1により駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ28及び大気圧PAを検出する大気圧センサ29が接続されており、これらのセンサの検出信号はECU5に供給される。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁6,7、アクチュエータ4、及び各気筒の点火プラグ(図示せず)に駆動信号を供給する出力回路から構成される。
ECU5は、アクセルペダル操作量AP及びエンジン回転数NEなどのエンジン運転状態に応じて、燃料供給制御、点火時期制御、吸気弁の作動位相角VTCの制御などを行う。さらにECU5は、エンジン運転状態に応じて、エンジン1に供給すべき空気量である必要空気量QAIRCMDを算出するとともに、必要空気量QAIRCMDに応じてスロットル弁3の目標開度THCMDを算出し、検出されるスロットル弁開度THが目標開度THCMDと一致するように、アクチュエータ4を制御する。
図2は、エンジン1の要求トルクTRQに応じて必要空気量QAIRCMD[g/sec]を算出する処理のフローチャートである。
ステップS11では、アクセルペダル操作量APなどに応じて要求トルクTRQを算出する。要求トルクTRQは、基本的にはアクセルペダル操作量APにほぼ比例するように算出される。ステップS12では、要求トルクTRQに応じてガソリンを使用する場合に対応するガソリン必要空気量QAIRLIQを算出する。
ステップS13では、気体燃料フラグFGASが「1」であるか否かを判別する。気体燃料フラグFGASは、CNGを使用するときに「1」に設定される。気体燃料フラグFGASが「0」であって、ガソリンを使用するときは、必要空気量QAIRCMDをステップS12で算出したガソリン必要空気量QAIRLIQに設定する(ステップS15)。
一方、FGAS=1であってCNGを使用するときは、下記式(1)により必要空気量QAIRCMDを算出する(ステップS14)。式(1)のKCNGは、CNG補正係数であり、CNGを使用するときの必要空気量は、ガソリンを使用するときの必要空気量であるガソリン必要空気量QAIRLIQより増加させる必要があるため、適用される。CNG補正係数KCNGは、空燃比を理論空燃比とした場合における発熱量がガソリン使用時の発熱量と同一となるように設定されるものであり、例えば「1.1」に設定される。
QAIRCMD=QAIRLIQ×KCNG (1)
図3は、必要空気量QAIRCMDに応じてスロットル弁3の目標開度THCMDを算出する処理のフローチャートである。
ステップS21では、下記式(2)に必要空気量QAIRCMD、大気圧PA、吸気温TAを適用し、必要空気量QAIRCMDを必要空気体積流量VAIRCMD[L/min]に変換する。式(2)のRは気体定数(=0.082)、Mは空気を構成する分子の平均分子量(=29)である。
Figure 2010196666
ステップS22では、気体燃料フラグFGASが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、必要空気体積流量VAIRCMDに応じて図4に破線で示すTHLIQテーブルを検索し、ガソリン目標開度THLIQ[deg]を算出する(ステップS25)。ステップS26では、目標開度THCMDをガソリン目標開度THLIQに設定する。
ステップS22の答が肯定(YES)、すなわちCNGを使用しているときは、必要空気体積流量VAIRCMDに応じて図4に実線で示すTHGASテーブルを検索し、CNG目標開度THGAS[deg]を算出する(ステップS23)。ステップS24では、目標開度THCMDをCNG目標開度THGASに設定する。
CNGを使用する場合は、ガソリンと同一の発熱量(出力トルク)を得るために必要な量の燃料を噴射したときに吸気圧PBAがガソリン使用時より高くなることを考慮し、図4に示すテーブルは、同一の必要体積空気流量VAIRCMDに対応するCNG目標開度THGASが、ガソリン目標開度THLIQより大きくなるように設定されている。なお、図4に示すテーブルは、複数の所定エンジン回転数及び所定吸気弁作動位相角に対応して複数設けられており、エンジン回転数NE及び吸気弁の作動位相角VTCに応じて、使用するテーブルを適宜選択し、必要な補間演算を行って、ガソリン目標開度THLIQまたはCNG目標開度THGASを算出する。スロットル弁開度が同じでも、エンジン回転数NEと吸気弁作動位相角VTCによって、気筒内に吸入される空気量が異なるためである。図4のテーブルは予め実験等に基づき設定され、ECU5の記憶回路に記憶される。
以上のように本実施形態では、使用燃料がガソリンであるかCNGであるか、及び要求トルクTRQに応じて必要空気量QAIRCMDが算出され、使用燃料に応じて必要空気量QAIRCMDに対応する、スロットル弁3の目標開度THCMDが算出される。したがって、必要空気量QAIRCMDを供給するためのスロットル弁開度THCMDを正確に算出することができ、検出されるスロットル弁開度THが目標開度THCMDと一致するようにアクチュエータ4を制御することにより、使用燃料が何れの場合においてもエンジン1の空気供給量の制御精度を向上させることができる。
本実施形態では、スロットル弁3及びアクチュエータ4が空気量制御手段に相当し、ECU5が要求出力算出手段、判定手段、必要空気量算出手段、及び制御量算出手段を構成する。具体的には、図2のステップS11が要求出力算出手段に相当し、図2のステップS13及び図3のステップS22が判定手段に相当し、図2のステップS12,S14,及びS15が必要空気量算出手段に相当し、図3のステップS21,S22〜S26が制御量算出手段に相当する。
[第2の実施形態]
本実施形態は、液体燃料と気体燃料とを、質量割合KGASに応じて同時に使用するようにしたものであり、以下に説明する点以外は第1の実施形態と同一である。質量割合KGASは、本実施形態ではガソリンのみ使用するとき「0」とし、CNGのみを使用するときを「1」として、使用燃料中におけるCNGの質量割合を示すパラメータとして定義する。
図5は、本実施形態における必要空気量算出処理のフローチャートである。
ステップS31及びS32は、それぞれ図2のステップS11及びS12を同一である。ステップS33では、下記式(11)により、CNG必要空気量QAIRGASを算出する。
QAIRGAS=QAIRLIQ×KCNG (11)
ステップS34では、質量割合KGASを算出する。使用燃料をガソリンからCNGに、またはその逆に切り換える際に、質量割合KGASが「0」と「1」の間で所定時間毎に所定移行量ずつ変化する、すなわち「0」から「1」の間で時間経過に伴って徐々に変化するように設定される。なお、エンジン冷却水温TWなどのエンジン運転パラメータに応じて質量割合KGASを算出するようにしても良く、またガソリンの残量とCNGの残量とに応じて質量割合KGASを算出するようにしても良い。あるいは質量割合KGASを一定値としても良い。
ステップS35では、ガソリン必要空気量QAIRLIQ,CNG必要空気量QAIRGAS,及び質量割合KGASを下記式(12)に適用し、必要空気量QAIRCMDを算出する。
QAIRCMD=KGAS×QAIRGAS
+(1−KGAS)×QAIRLIQ (12)
図6は、本実施形態における目標開度算出処理のフローチャートである。
ステップS41では、図3のステップS21と同様に、必要空気量QAIRCMDを必要体積流量VAIRCMDに変換する。ステップS42では、必要体積流量VAIRCMDに応じて図4のTHGASテーブルを検索し、CNG目標開度THGASを算出する。ステップS43では、図4のTHLIQテーブルを検索し、ガソリン目標開度THLIQを算出する。
ステップS44では、ガソリン目標開度THLIQ,CNG目標開度THGAS,及び質量割合KGASを下記式(13)に適用し、目標開度THCMDを算出する。
THCMD=KGAS×THGAS
+(1−KGAS)×THLIQ (13)
本実施形態によれば、使用燃料に含まれるガソリンとCNGの質量割合KGASが算出され、要求トルクTRQ及び質量割合KGASに応じて、必要空気量QAIRCMDが算出される。そして、使用燃料がガソリンのみである場合における必要空気量に対応するガソリン目標開度THLIQと、使用燃料がCNGのみである場合における必要空気量に対応するCNG目標開度THGASとが算出され、ガソリン目標開度THLIQ及びCNG目標開度THGASを質量割合KGASに基づいて補間することにより、目標開度THCMDが算出される。したがって、必要空気量QAIRCMDを供給するための目標開度THCMDを正確に算出し、検出されるスロットル弁開度THが目標開度THCMDと一致するようにアクチュエータ4を制御することにより、ガソリンとCNGとを同時に使用した場合にエンジン1の空気供給量の制御精度を向上させることができる。
本実施形態では、液体燃料供給装置及び気体燃料供給装置が、それぞれ液体燃料供給手段及び気体燃料供給手段に相当し、スロットル弁3及びアクチュエータ4が空気量制御手段に相当し、ECU5が、要求出力算出手段、質量割合算出手段、必要空気量算出手段、第1制御値算出手段、第2制御値算出手段、及び制御量算出手段を構成する。具体的には、図5のステップS31が要求出力算出手段に相当し、ステップS34が質量割合算出手段に相当し、ステップS32,S33,及びS35が必要空気量算出手段に相当する。また、図6のステップS41及びS42が第1制御値算出手段に相当し、ステップS41及びS43が第2制御値算出手段に相当し、ステップS41〜S44が制御量算出手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第2の実施形態における図5及び図6の処理は、図7の処理に代えてもよい。
図7のステップS51及びS52は、それぞれ図5のステップS31及びS34と同一の処理である。ステップS53では、要求トルクTRQ及び質量割合KGASに応じて、要求トルクTRQを得るために必要なCNG質量QFGAS[g/sec]及びガソリン質量QFLIQ[g/sec]を算出する。
ステップS54では、CNG質量QFGASにCNG空燃比AFGASを乗算することによりCNG必要空気量QAIRGASを算出し、ステップS55では、ガソリン質量QFLIQにガソリン空燃比AFLIQを乗算することにより、ガソリン必要空気量QAIRLIQを算出する。
ステップS56では、CNG必要空気量QAIRGAS及びガソリン必要空気量QAIRLIQを、それぞれCNG必要体積空気流量VAIRGAS及びガソリン必要体積空気流量VAIRLIQに変換する。
ステップS57では、CNG必要体積空気流量VAIRGASに応じて図8(a)に実線で示すATHGASテーブルを検索し、CNG必要開口面積ATHGASを算出する。ステップS58では、ガソリン必要体積空気流量VAIRLIQに応じて図8(a)に破線で示すATHLIQテーブルを検索し、ガソリン必要開口面積ATHLIQを算出する。なおステップS57,S58において、図8(a)のテーブルを使う代わりに、スロットル弁3をモデル化した数式を用いて、CNG必要開口面積ATHGASとガソリン必要開口面積ATHLIQをそれぞれ算出するようにしても良い。
図8(a)に示すテーブルは、図4に示すテーブルと同様に、複数の所定エンジン回転数及び所定吸気弁作動位相角に対応して複数設けられており、エンジン回転数NE及び吸気弁の作動位相角VTCに応じて、使用するテーブルを適宜選択し、必要な補間演算を行って、ガソリン必要開口開度ATHLIQまたはCNG必要開口面積ATHGASを算出する。
ステップS59では、下記式(14)により、スロットル弁3の必要開口面積ATHCMDを算出する。
ATHCMD=ATHGAS+ATHLIQ (14)
ステップS60では、必要開口面積ATHCMDに応じて図8(b)に示すTHCMDテーブルを検索し、目標開度THCMDを算出する。
図7の処理により、使用燃料中のCNGとガソリンの質量割合KGASに適した量の空気を供給することができる。
図7の処理では、ステップS51が要求出力算出手段に相当し、ステップS52及びS53が燃料質量算出手段に相当し、ステップS54及びS55が必要空気量算出手段に相当し、ステップS56〜S58が必要開口面積算出手段に相当し、ステップS59及びS60が弁開度算出手段に相当する。
また液体燃料としては、ガソリンに限らずアルコールも適用可能であり、気体燃料としては、CNG以外の炭化水素ガスも適用可能である。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの制御にも適用が可能である。
1 内燃機関
2 吸気管
3 スロットル弁(空気量制御手段)
4 アクチュエータ(空気量制御手段)
5 電子制御ユニット(判定手段,必要空気量算出手段,制御量算出手段,要求出力算出手段,質量割合算出手段,第1制御値算出手段,第2制御値算出手段,燃料質量算出手段,必要開口面積算出手段,弁開度算出手段)
6 液体燃料噴射弁(液体燃料供給手段)
7 気体燃料噴射弁(気体燃料供給手段)
8 液体燃料通路(液体燃料供給手段及)
9 液体燃料タンク(液体燃料供給手段及)
10 気体燃料通路(気体燃料供給手段)
11 気体燃料タンク(気体燃料供給手段)

Claims (3)

  1. 液体燃料と気体燃料とを切り換えて使用可能な内燃機関の制御装置において、
    前記機関に供給する空気量を制御する空気量制御手段と、
    前記機関の要求出力を算出する要求出力算出手段と、
    使用燃料が前記液体燃料か気体燃料かを判定する判定手段と、
    前記要求出力及び使用燃料に応じて、必要空気量を算出する必要空気量算出手段と、
    前記使用燃料に応じて前記必要空気量に対応する、前記空気量制御手段の制御量を算出する制御量算出手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 液体燃料を供給する液体燃料供給手段と、気体燃料を供給する気体燃料供給手段とを備える内燃機関の制御装置において、
    前記機関に供給する空気量を制御する空気量制御手段と、
    前記機関の要求出力を算出する要求出力算出手段と、
    使用燃料に含まれる前記液体燃料と気体燃料の質量割合を算出する質量割合算出手段と、
    前記要求出力及び質量割合に応じて、必要空気量を算出する必要空気量算出手段と、
    前記質量割合に応じて前記必要空気量に対応する、前記空気量制御手段の制御量を算出する制御量算出手段とを備え、
    該制御量算出手段は、
    前記使用燃料が前記気体燃料のみである場合における、前記必要空気量に対応する前記制御量の値である第1制御値を算出する第1制御値算出手段と、
    前記使用燃料が前記液体燃料のみである場合における、前記必要空気量に対応する前記制御量の値である第2制御値を算出する第2制御値算出手段とを有し、
    前記第1及び第2制御値を前記質量割合に基づいて補間することにより、前記制御量を算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 液体燃料を供給する液体燃料供給手段と、気体燃料を供給する気体燃料供給手段とを備える内燃機関の制御装置において、
    前記機関の吸気管に設けられた弁の開度を変更することにより、前記機関に供給する空気量を制御する空気量制御手段と、
    前記機関の要求出力を算出する要求出力算出手段と、
    前記要求出力に応じて前記気体燃料の質量及び前記液体燃料の質量を算出する燃料質量算出手段と、
    前記気体燃料の質量に基づいて第1必要空気量を算出するとともに、前記液体燃料の質量に基づいて第2必要空気量を算出する必要空気量算出手段と、
    前記第1必要空気量に応じて前記吸気管の第1必要開口面積を算出するとともに、前記第2必要空気量に応じて前記吸気管の第2必要開口面積を算出する必要開口面積算出手段と、
    前記第1及び第2必要開口面積の和を前記弁の開度に換算する弁開度算出手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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