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JP2010167334A - 建築板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットプリントにて画像が形成された建築板の製造方法において、屋外での使用に耐えうる十分な耐候性を備えた建築板の製造方法を提供すること。
【解決手段】(1)下塗り塗装を施した基材に、UVインクにてインクジェット塗装を施す工程と、(2)(1)の工程の後、紫外線によりUVインクを硬化させる工程と、(3)(2)の工程の後、インクジェット塗装がされた面にクリア塗装を施す工程とからなる建築板の製造方法であって、前記UVインクに、光重合開始剤と、反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーと、顔料とが含まれてなり、前記(2)の工程における硬化させた後のUVインクの硬化率が50〜90%であり、かつクリア塗装に架橋成分を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築板の製造方法に関する。さらに詳しくは、インクジェットプリンタを用いてUVインクにより画像が形成された建築板の製造方法に関する。
近年、インクジェットプリントの様々な素材への適用が検討されてきており、その一例として、屋外用途である建築板がある。この建築板には、あらゆる自然条件に対応することができる優れた耐候性が求められる。ここでいう耐候性とは、熱、光、水などに曝された場合であっても、基材上にプリントされた画像が亀裂や剥離を発生せずに保持されることである。具体的には、通常屋外にて5〜10年間、熱、光、水などに曝露された後もほとんど劣化しないレベルの品質が求められる。
これまでに提案されているインクジェットプリントにて画像が形成された建築板としては、基材にまず下塗り塗装を施した後、次にこの上にインクジェットプリントをして、最後にクリア塗装を施すもの(例えば、特許文献1)がある。さらには、基材にまず受理層を形成し、次にこの上に水性インクにてインクジェットプリントをして、水性塗料のクリア塗装を施し、最後に無機質塗料を塗装するもの(例えば、特許文献2)もある。
特許文献1および2に記載の方法における大きな特徴として、溶剤系や水系などの揮発性のインクを使用してインクジェットプリントをする場合、そのプリントを行う基材表面を吸液性のあるものにしておかなければならない、ということがある。さもないと、滲み、インクの付与量の大小に起因する不均一な発色など、という画像の品質を大きく損なう問題をひきおこすおそれがある。
特開2004−60241号公報 特開2007−152595号公報
しかしながら、基材表面を吸液性のあるものにするということは、耐候性という観点からみた場合、あまり好ましいことではない。つまり、インクが付与された(インクジェットにより画像が形成された)部分とインクが付与されていない(インクジェットにより画像が形成されていない)部分では、後の工程にてその上に付与されるクリア塗料の吸液性に違いが発生する。この結果、均一なクリア塗料層とならずに塗装ムラとなってしまい、上述した耐候性やさらには外観などにも悪影響を及ぼすことがある。
一方でUVインクジェットプリントという方法がある。UVインクとは紫外線の照射により硬化するインクであるため溶剤や水系などのインクのように基材の表面に吸液性のある処理をする必要がない。しかしながら、UVインクの硬化物の上にクリア塗料などを塗布すると密着が悪いため、剥離するおそれがある。その理由としては、UVインクはアクリル基を分子内にもつ反応性オリゴマーや反応性モノマーをラジカル重合により架橋させてUVインク画像層を形成する。このラジカル重合により架橋されたUVインク画像層は緻密な2次元および3次元分子構造となっており、クリア塗料との密着が難しい。
よって、インクジェットプリントにて画像が形成された建築板の製造方法において、屋外での使用に耐えうる充分な耐候性を備えたものは未だ提案がされていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、インクジェットプリントにて画像が形成された建築板の製造方法において、屋外での使用に耐えうる十分な耐候性を備えた建築板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の建築板の製造方法は、(1)下塗り塗装を施した基材に、UVインクにてインクジェット塗装を施す工程と、
(2)(1)の工程の後、紫外線によりUVインクを硬化させる工程と、
(3)(2)の工程の後、インクジェット塗装がされた面にクリア塗装を施す工程とからなる建築板の製造方法であって、
前記UVインクに、光重合開始剤と、反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーと、顔料とが含まれてなり、
前記(2)の工程における硬化させた後のUVインクの硬化率が50〜90%であり、かつクリア塗装に架橋成分を含むことを特徴とする。
前記UVインクの硬化率をUVランプ照射条件の変更により調整することが好ましい。
前記反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーが、2官能および/または3官能であることが好ましい。
前記光重合開始剤が、ヒドロキシケトン類またはアシルホスフィンオキサイド類であることが好ましい。
前記顔料の濃度が、UVインク中に0.5〜20重量%であることが好ましい。
本発明の建築板の製造方法によれば、インクジェットプリントにて画像が形成された建築板の製造方法において、屋外での使用に耐えうる充分な耐候性を備えた建築板の製造方法を提供することができる。
本発明は、クリア塗装に含まれる架橋成分とUVインクのアクリル基などの極性基が架橋および/または相互作用することで、クリア塗装とUVインク画像の密着が強固になることを見出したものである。
また本発明においては、クリア塗装を施す前の、紫外線により硬化させた後のUVインクの硬化率を50〜90%とすることが重要である。本来であればUVインクの硬化率を100%とすることで、耐候性にすぐれたUVインク画像となるが、本発明ではUVインクの硬化率を50〜90%とすることで、まだ重合反応していないUVインク中の反応性オリゴマーや反応性モノマーのアクリル基やその他の極性基と、クリア塗装に含まれる架橋成分とが架橋および/または相互作用することによって密着性がよくなるのである。UVインクの硬化率が50%未満の場合は、UVインクの硬化が不充分であるため、UVインク画像が剥がれを生じ、耐候性が悪くなるおそれがあり、硬化率が90%を超える場合は、UVインク画像とクリア塗装との密着性が悪くなるという問題がある。
ここでUVインクの硬化率とは、UVインクの主成分である反応性オリゴマーや反応性モノマーのアクリル基の重合度合をフーリエ変換赤外分光スペクトル(以下、FT−IR)にて、800〜820cm-1のピーク強度を測定することにより計算することができる。つまりUVインクの主成分である反応性オリゴマーや反応性モノマーのアクリル基はFT−IRにて800〜820cm-1にピークを示す。UVインクが硬化するとアクリル基が重合することになるので、800〜820cm-1のピークが小さくなっていくことになる。このピーク強度の減少はアクリル基が重合したものであり、硬化率として計算することができる。
所望のUVインクの硬化率に調整するための手段としては、(1)UVインクを硬化する時のUVランプ照射条件、(2)UVインク中の反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーの成分、(3)UVインク中の光重合開始剤の成分、(4)UVインク中の顔料濃度等が挙げられるが、なかでも調整が簡単に行えることから(1)の手段であることが好ましい。具体的にはUVランプの強度や照射時間を可変することにより、UVインクを所望の硬化率に調整することができる。さらには、(1)と他の(2)〜(4)の手段を組み合わせることも可能である。
他の手段について、具体的に説明すると、(2)において、UVインクの反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーは2官能および/または3官能であることが好ましい。2官能より小さいと、硬化率の調整が難しいばかりか、下塗り塗装との密着が得られないおそれがあり、3官能より大きいと硬化速度が速いために硬化率の調整が難しいばかりか、架橋密度の高いUVインク画像となるため、クリア塗装との密着が得られないおそれがある。
さらに(3)において、UVインクの光重合開始剤はヒドロキシケトン類およびアシルホスフィンオキサイド類であることが好ましく、その配合比率は5:1〜1:1であることが好ましい。ヒドロキシケトン類のみでは十分な硬化率が得られないおそれがあり、アシルホスフィンオキサイド類が多いと硬化速度が速いために硬化率の調整ができないおそれがある。
さらに(4)において、UVインクの顔料濃度はUVインク中に0.5〜20重量%であることが好ましい。顔料濃度が20重量%を超える場合には、UVランプの光がUVインク中に透過せず、UVインクの硬化率が得られないおそれがある。
本発明において、UVインクの硬化率に着目した理由については、基材、下塗り塗装、UVインク画像、クリア塗装の各密着において、UVインクの硬化した皮膜は難接着性であるため、UVインク画像とクリア塗装の密着が特に困難であるからである。実際にも、熱、光、水などに長時間曝露されたときに、下塗り塗装とクリア塗装との境界とに比べて、下塗り塗装とUVインク塗装との境界およびクリア塗装とUVインク画像との境界において、剥離が多く発生している。
よって、特定の硬化率としたUVインク画像と架橋成分を含むクリア塗装を組み合わせることによって、熱、光、水などに長時間曝露されたときにも剥離しない強固な密着が得られ、結果として耐候性がよくなるのである。
本発明においてUVインクにより画像を形成することの利点については、以下のようなことがあげられる。
UVインクは紫外線照射されることにより樹脂が瞬時に硬化する性質をもつものであり、基材表面に吸液性を必要としない。さらに、そのUVインクが硬化して得られるUVインク画像はその大半が疎水性のものであり、耐水性に優れているといえる。
また、UVインクは溶剤系や水系などの揮発性のインクと比較して樹脂固形分を多く設計することが可能であり、高濃度の画像表現が可能となる。
また、UVインクの硬化した樹脂で顔料が包み込まれて保護されるような形となるため、顔料の変色や退色も少ない。
さらには、下塗り塗装、UVインク画像、クリア塗装の各膜厚が調整可能であり、全体の膜厚を厚く設計することも可能である。この膜厚を厚く設計できるということの利点は、たとえ最外層であるクリア塗装の表面より劣化や浸食が起こったとしても、その下層となる下塗り塗装やUVインク画像にはすぐには影響が及ばず、結果的に、耐候性が良好なものとなる。
基材としては、金属板や窯業板であることが好ましい。
金属板としては、普通鋼板やガルバリウム鋼板などのめっき鋼板、塗装鋼板やステンレス鋼板などの鋼板、アルミニウム板および銅板などがあげられる。さらにはこれらの金属板に下地塗装層として各種樹脂コートを施したPCM鋼板もあげられる。また、これらの金属板に、エンボス加工や絞り成型加工などを行って、タイル調、レンガ調、木目調などの凹凸を施すことも可能である。さらに、断熱性や防音性を高める目的で、樹脂発泡体や石膏ボードなどの無機素材を芯材としたアルミラミネートクラフト紙などで金属板の裏面を被覆することも可能である。
窯業板としては、素焼陶板、施釉・焼成した陶板、セメント板などがあげられる。さらには、セメント質原料や繊維質原料などを用いて板状に成形したものもあげられる。また、これらの窯業板に、エンボス加工などを行って、タイル調、レンガ調、木目調などの凹凸を施すことも可能である。
また、上記の基材に対して耐久性や目止めを目的としてシーラー塗装を施すこともできる。使用するシーラー塗料としては、水系、溶剤系いずれでも構わないが、作業性や安全性の点から水系塗料であることが好ましい。
次に下塗り塗装にて使用される下塗り塗料は、インクジェットプリントの下地を構成するためのものであり、すなわち、顔料にて白色またはプリントする画像と同系色の淡色にて調製される。プリントする画像と同系色の淡色にて調製することにより、プリントされる部分とされない部分とが馴染み、全体として画像を自然に見せることができる。下塗り塗料としては、水系、溶剤系いずれでも構わないが、作業性や安全性の点で水系塗料であることが好ましい。下塗り塗料は、顔料、樹脂、さらに必要に応じて増粘剤などの添加剤などで構成される。
顔料としては、有機または無機顔料で、有機顔料としては、例えば、ニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類およびピロロピロール類などがあげられる。無機顔料としては、例えば、酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)および金属粉類などがあげられる。
下塗り塗料の顔料重量濃度は下塗り塗料中に10〜50重量%であることが好ましい。下塗り塗料の顔料重量濃度が10重量%未満の場合には、顔料の量が少なく、基材の色を隠蔽することができず、目的である「下塗り」が達成できないおそれがあり、また、顔料重量濃度が50重量%を超える場合には、下塗り塗料層の耐水性が悪くなるおそれがある。なお、ここでいう顔料重量濃度とは、塗料の不揮発成分に対しての顔料濃度のことである。
樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などがあげられ、UVインク画像層やクリア塗料層との密着性、汎用性および経済性の点から、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂が好ましい。溶剤系塗料の場合には上記樹脂を溶剤に溶解させて塗料とし、水系塗料の場合には上記樹脂を水に溶解またはエマルション化して塗料とする。
添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、浸透剤、還元防止剤、レベリング剤、pH調整剤、顔料誘導体、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤および樹脂ビーズなどがあげられる。また水系エマルション塗料の場合、造膜助剤としてエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、ベンジルアルコールなどの溶剤を適宜添加することも可能である。
下塗り塗料の塗布量は10〜200g/m2(乾燥状態)であることが好ましい。塗布量が10g/m2より少ないと、基材全体を完全に被覆できないおそれがあり、塗布量が200g/m2より多いと、下塗り塗装の膜厚が厚くなりすぎて下塗り塗装に亀裂が発生しやすくなる。
下塗り塗装の膜厚は10〜150μmであることが好ましい。膜厚が10μmより薄いと、基材全体を完全に被覆できないおそれがあり、膜厚が150μmより厚いと、下塗り塗料層に亀裂が発生しやすくなる。
下塗り塗料の塗布については、スプレーガン、カーテンコーター、フローコーターなどにて行うことができ、特には限定されない。
また、下塗り塗料の乾燥については、熱風乾燥、送風乾燥、ヒーターによる乾燥、ホットプレートによる乾燥などにて行うことができ、特には限定されない。温度および時間については、適宜決定されうるが、乾燥温度は60〜150℃、乾燥時間は1〜30分であることが好ましい。
次にUVインク画像作成のために使用されるUVインクは、顔料、反応性モノマーおよび/または反応性オリゴマー、光重合開始剤、さらに必要に応じて増粘剤などの添加剤などからなる。顔料については前記下塗り塗料における顔料と同様のものが使用できるため、説明を省略する。
UVインクの顔料濃度はUVインク中に0.5〜20重量%であることが好ましい。UVインクの顔料濃度が0.5重量%未満の場合には、着色が不充分となり、目的である「画像」が形成できないおそれがあり、また、顔料濃度が20重量%を超える場合には、UVインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのノズルからUVインクが吐出できなくなるおそれがある。
反応性モノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやそれらの変性体などの6官能アクリレート;ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートなどの5官能アクリレート;ペンタジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの4官能アクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、グリセリルトリアクリレートなどの3官能アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートなどの2官能アクリレート;および、カプロラクトンアクリレート、トリデシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールジアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルフリコールアクリル酸安息香酸エステル、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−トリエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸などの単官能アクリレートがあげられる。なかでも、強じん性、柔軟性に優れる点で、2官能モノマーが好ましい。2官能モノマーのなかでは、難黄変性である点で、炭化水素からなる脂肪族反応性モノマー、具体的には1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレートなどが好ましい。
反応性モノマーとしてはさらに、前記反応性モノマーにリンやフッ素、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの官能基を付与した反応性モノマーがあげられる。また、これらの反応性モノマーを単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
反応性モノマーは、UVインク中に50〜85重量%含まれることが好ましい。50重量%未満の場合、UVインクの粘度が高くなるため吐出不良を生じるおそれがあり、85重量%を超えると硬化に必要な他の成分が不足し、硬化不良になるおそれがある。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエンアクリレートがあげられ、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、強じん性、柔軟性および付着性に優れる点で、ウレタンアクリレートが好ましい。ウレタンアクリレートのなかでは、難黄変性である点で、炭化水素からなる脂肪族ウレタンアクリレートがさらに好ましい。
また、反応性オリゴマーにあらかじめ反応性モノマーを混合して使用することも可能である。混合する反応性モノマーとしては2官能および/または3官能であることが好ましい。反応性オリゴマーと反応性モノマーとの混合は、反応性オリゴマーの性能を損なわない程度に反応性モノマーを適宜添加することができる。
反応性オリゴマーは、UVインク中に1〜40重量%含まれることが好ましく、5〜40重量%がより好ましく、10〜30重量%がさらに好ましい。反応性オリゴマーが1〜40重量%の範囲であれば、UVインクの硬化した皮膜が、強じん性、柔軟性、密着性のより優れたものとなる。
光重合開始剤としては、ベンゾイン類、ベンジルケタール類、アミノケトン類、チタノセン類、ビスイミダゾール類、ヒドロキシケトン類およびアシルホスフィンオキサイド類があげられ、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤のなかでは、高反応性であり、難黄変性である点で、ヒドロキシケトン類およびアシルホスフィンオキサイド類が好ましい。
光重合開始剤の添加量は、UVインク中1〜15重量%であることが好ましく、3〜10重量%であることがより好ましい。1重量%未満では重合が不完全で皮膜が未硬化となるおそれがあり、一方、15重量%を超えて添加しても、それ以上の硬化率や硬化スピードの効率向上が期待できず、コスト高となる。
またUVインクには、必要に応じて、顔料を分散させる目的で分散剤を添加してもよい。分散剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤および高分子系分散剤などがあげられ、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに必要に応じて、UVインクには、光重合開始剤の開始反応を促進させるための増感剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、浸透剤、樹脂バインダー、樹脂エマルション、還元防止剤、レベリング剤、pH調整剤、顔料誘導体、重合禁止剤、紫外線吸収剤および光安定剤などの添加剤を加えることもできる。
そしてUVインクは、使用する上記原材料を混合し、さらにその混合物をロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミルまたはビーズミルなどの分散機を使って分散させ、その後、濾過を行うことで得ることができる。なかでも、短時間かつ大量に分散できることから、ビーズミルが好ましい。
UVインクの粘度については、50℃において1〜20mPa・sであることが好ましく、2〜15mPa・sであることがより好ましい。粘度が1mPa・s未満であると、吐出量の調整が難しく、インクの吐出が不安定になるおそれがあり、20mPa・sを超えるとインクの吐出ができないおそれがある。
吐出時のUVインクの表面張力は、15〜40dyne/cmであることが好ましく、20〜30dyne/cmであることがより好ましい。15dyne/cmより小さいと、濡れ性が良くなりすぎて画像が滲むおそれあり、また、プリンタヘッドへのインクの供給が困難になる。40dyne/cmを超えると、基材上でインクがはじかれ、画像が不鮮明になるおそれがある。
UVインク付与量は、1〜100g/m2であることが好ましく。1〜50g/m2であることがより好ましい。1g/m2未満の場合、十分な画像表現をすることが困難となるばかりか耐水性が悪くなるおそれがあり、100g/m2を超えると、インクの硬化不良が発生するおそれがある。
さらにUVインク画像の膜厚は、1〜150μmであることが好ましい。1μmより薄いと、十分な画像表現を得ることが困難となるばかりか耐水性が悪くなる傾向にあり、150μmを超えると、インクの割れや剥れが発生するおそれがある。
UVインクを吐出するインクジェット記録装置については特に限定されない。例えば、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式およびインクミスト方式などの連続方式、ステムメ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式および静電吸引方式などのオン・デマンド方式などを用いることができる。さらに具体的なインクジェット記録装置としてはシリアル型、ライン型などがあげられいずれも使用可能である。
シリアル型とはキャリッジの駆動によりシリアル型印刷ヘッドを主走査方向(キャリッジの移動方向)に走査させるとともに、基材を主走査方向に直交する搬送方向(副走査方向)に間欠搬送させながらインクを吐出させ画像を形成する。印刷ヘッドには、例えばブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などのインクのカートリッジが搭載されており、各色のカートリッジには、複数個のインク吐出ノズルが主走査方向および副走査方向の両方向に沿って設けられている。印刷ヘッドに紫外線照射装置を設けてもよい。
シリアル型の印刷ヘッドを用いる場合、インク液滴を基材に付与する工程、および、紫外線を照射する工程を、主走査毎に繰り返して行う。ここで、主走査とは、シリアル型印刷ヘッドが同一ライン上を移動することをいい、印刷ヘッドが、副走査方向に移動しないで、左から右へ1回移動する態様、左から右へ複数回移動する態様、右から左へ1回移動する態様、右から左へ複数回移動する態様、1往復する態様、複数回往復する態様等が含まれる。主走査毎とは、シリアル型印刷ヘッドが一つのラインから別のラインに移動する毎に(副走査方向の移動が行われる毎に)という意味である。前記このような印刷ヘッドの主走査毎に、インク付与工程の終了後に、あるいは、前記インク付与工程と平行して、紫外線照射によるインクの硬化を行う。
ライン型とは、プリンタの幅方向(印刷基材の搬送方向に直交する方向)にわたって各色のインクの吐出ノズルがライン状に設けられており、例えばブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの吐出ノズルがライン状に設けられている。前記ライン型ヘッドでのインク付与工程の終了後に紫外線照射によるインクの硬化を行うことも可能であるし、またはこのライン型の印刷ヘッドに紫外線照射装置を設けてもよい。このようなライン型の印刷ヘッドを使用する場合、1ラインの印刷毎に色替えが行われ、色替ごとに紫外線を照射して、基材に付与されたインク液滴の硬化を行う。
上記インクジェット記録装置においてUVインクを吐出する場合には、インクジェット記録装置に装備されたヘッドに加熱装置を装備し、インクを加熱することによりインク粘度を低くして吐出してもよい。インクの加熱温度としては25〜150℃が好ましく、30〜70℃がより好ましい。25℃未満の場合、インクの粘度を低くすることができないおそれがあり、150℃を超えるとインクが硬化してしまうおそれがある。インクの加熱温度は、反応性モノマーおよび/または反応性オリゴマーの熱に対する硬化性を考慮して定められ、熱により硬化が開始する温度よりも低く設定する。
UVインクに含まれる反応性モノマーおよび/または反応性オリゴマーを硬化させるための紫外線照射の条件としては、紫外線ランプの出力が、50〜280W/cmが好ましく、80〜200W/cmがより好ましい。紫外線ランプの出力が50W/cm未満であると、紫外線のピーク強度および積算光量不足によりインクが十分に硬化しない傾向にあり、280W/cmを超えると、着色媒体が紫外線ランプの熱により変形または溶融し、また、インクの硬化皮膜が劣化する傾向にある。
紫外線の照射時間は、0.1〜20秒が好ましく、0.5〜10秒がより好ましい。紫外線ランプの照射時間が20秒より長いと、着色媒体が紫外線ランプの熱により変形または溶融し、また、インクの硬化皮膜が劣化する傾向があり、0.1秒より短いと、紫外線の積算光量不足となり、紫外線硬化型インクが十分に硬化しない傾向にある。
次にクリア塗装にて使用されるクリア塗料ついては、光沢などの外観調製、耐候性の向上のためにインクジェットプリント後に付与されるものである。クリア塗料としては、水系、溶剤系いずれでも構わないが、作業性や安全性の点で水系塗料であることが好ましい。クリア塗料は顔料、樹脂、さらに必要に応じて添加剤などで構成される。なお、樹脂および添加剤については前記下塗り塗料のところで説明したものと同様なものが使用できる。なお、クリア塗料で使用される顔料とは、所謂、艶消剤のことであり、具体的には、シリカや樹脂ビーズなどがあげられる。光沢のあるクリア塗装としたい場合には、艶消剤を含まないか、あるいは含んでもごく少量となるようにする。逆に、マット感のあるクリア塗装としたい場合には、艶消剤を多く含むように設計する。しかしながら、あまり多く入れすぎると、建築板の品位や物性が悪くなるので、クリア塗料の顔料重量濃度はクリア塗料100重量部中15重量部以下とすることが好ましい。クリア塗料の顔料重量濃度が15重量部を超える場合には、その下層に位置するUVインク画像が綺麗に見えなくなってしまうおそれがあり、また、クリア塗装の耐水性が悪くなるおそれもある。
本発明においてクリア塗装に架橋成分を含むとは、(1)クリア塗料の少なくとも1種類の樹脂に少なくとも1種類の架橋成分(架橋反応可能な官能基)を含む系、(2)架橋剤を添加する系、(3)(1)と(2)との併用する系を意味する。
具体的な(1)の架橋系としては、シロキサン結合を形成する系、アセトアセトキシ基を含有する系、エポキシ基およびカルボキシル基を含有する系、3級イソシアネート基を含有する系、スルホン酸基または燐酸基およびアセトアセトキシ基を含有する系、カルボニル基およびヒドラジノ基を含有する系、カルボキシル基およびオキサゾリン基を含有する系、カルボキシル基およびカルボジイミドを含有する系などがあげられ、また、(2)の架橋剤としては、オキサゾリン系、カルボジイミド系、イソシアネート系、ヒドラジド系、エポキシ系、シロキサン系、アミン系などがあげられ、さらに、(3)の架橋系としては、カルボキシル基含有樹脂−ヒロヒドリン基含有4級アンモニウム塩重合体系、エポキシ基含有樹脂−アミノシラン系、カルボキシル基含有樹脂−カルボジイミド系、カルボキシル基含有樹脂−オキサゾリン系、スルホン酸基または燐酸基含有樹脂−カルボジイミド系、アセトアセテート基含有樹脂−ポリアミン系、エナミン含有樹脂−ポリアクリレート系、燐酸基含有樹脂−エポキシシラン化合物系、カルボキシル基含有樹脂(アミン中和)−シリコン化合物系、チオカーボネート基含有樹脂−ポリアミン系、水酸基含有樹脂−イソシアネート系、シロキサン結合を形成する系、アセタール基含有樹脂−酸触媒系、カルボニル基含有樹脂−ヒドラジノ化合物系などがあげられる。これら架橋系は単独または組合せて使用することができる。
クリア塗料の塗布量は3〜150g/m2(乾燥状態)であることが好ましい。3g/m2より少ないと、基材を完全に被覆できないおそれがあり、150g/m2より多いと、クリア塗装に亀裂が発生しやすくなるおそれがある。
クリア塗装の膜厚は3〜100μmであることが好ましい。3μmより少ないと、基材を完全に被覆できないおそれがあり、100μmより多いと、クリア塗装に亀裂が発生しやすくなるおそれがある。
また、クリア塗料の塗布方法や乾燥方法については、前記下塗り塗料のところで説明した方法と同様なものが適用できる。特に乾燥温度については、クリア塗装とUVインク画像の架橋および/または相互作用による密着を得るために、80℃以上とすることが好ましく、さらには100℃以上とすることが好ましい。
次に本発明について実施例をあげて説明するが、本発明は必ずしもこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、実施例で使用する下塗り塗料の配合を以下に示す。
<下塗り塗料>
アクリルエマルション 100重量部
(AD176、ヘンケルテクノロジーズジャパン(株)製、固形分50%)
造膜助剤 10重量部
(エチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製)
酸化チタン分散液(顔料分60%) 15重量部
(CR−90、酸化チタン、石原産業(株)製)
炭酸カルシウム分散液(顔料分60%) 40重量部
(Homocal D、炭酸カルシウム、白石工業(株)製)
消泡剤 0.3重量部
(FSアンチフォーム013A、東レ・ダウコーニング(株)製)
増粘剤 0.1重量部
(SNシックナー627N、サンノプコ(株)製)
水 10重量部
上記原材料を混ぜ合わせ、ハンドミキサーにて攪拌し、ろ過をして下塗り塗料を作製した。なお、下塗り塗料の顔料重量濃度は37.5重量%である。
次に、実施例で使用するUVインクの配合を以下に示す。
<イエローUVインク1>
顔料分散液(顔料分20%) 20重量部
(顔料:TSY−1、黄色酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 47重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<イエローUVインク2>
顔料分散液(顔料分20%) 20重量部
(顔料:TSY−1、黄色酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN968、6官能脂肪族ウレタンアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 47重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<イエローUVインク3>
顔料分散液(顔料分20%) 20重量部
(顔料:TSY−1、黄色酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 49重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<イエローUVインク4>
顔料分散液(顔料分20%) 20重量部
(顔料:TSY−1、黄色酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 47重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<マゼンタUVインク1>
顔料分散液(顔料分:20%) 20重量部
(顔料:160ED、酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 47重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<マゼンタUVインク2>
顔料分散液(顔料分:20%) 20重量部
(顔料:160ED、酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN968、6官能脂肪族ウレタンアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 47重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<マゼンタUVインク3>
顔料分散液(顔料分:20%) 20重量部
(顔料:160ED、酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 49重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<マゼンタUVインク4>
顔料分散液(顔料分:20%) 20重量部
(顔料:160ED、酸化鉄、戸田工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 47重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<シアンUVインク1>
顔料分散液(顔料分:40%) 25重量部
(顔料:ダイピロキサイドブルー 9410、コバルトブルー、大日精化工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 42重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<シアンUVインク2>
顔料分散液(顔料分:40%) 25重量部
(顔料:ダイピロキサイドブルー 9410、コバルトブルー、大日精化工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN968、6官能脂肪族ウレタンアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 42重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<シアンUVインク3>
顔料分散液(顔料分:40%) 25重量部
(顔料:ダイピロキサイドブルー 9410、コバルトブルー、大日精化工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 44重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<シアンUVインク4>
顔料分散液(顔料分:40%) 25重量部
(顔料:ダイピロキサイドブルー 9410、コバルトブルー、大日精化工業(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 42重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<ブラックUVインク1>
顔料分散液(顔料分:20%) 10重量部
(顔料:NIPex 35、カーボン、デグサジャパン(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 57重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<ブラックUVインク2>
顔料分散液(顔料分:20%) 10重量部
(顔料:NIPex 35、カーボン、デグサジャパン(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN968、6官能脂肪族ウレタンアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 57重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<ブラックUVインク3>
顔料分散液(顔料分:20%) 10重量部
(顔料:NIPex 35、カーボン、デグサジャパン(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 59重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
<ブラックUVインク4>
顔料分散液(顔料分:20%) 10重量部
(顔料:NIPex 35、カーボン、デグサジャパン(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
反応性オリゴマー 25重量部
(CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12%、サートマージャパン(株)製)
反応性モノマー 57重量部
(SR238F、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、サートマージャパン(株)製)
光重合開始剤 3重量部
(イルガキュア184、ヒドロキシケトン類、チバ・ジャパン(株)製)
光重合開始剤 5重量部
(イルガキュア819、アシルホスフィンオキサイド類、チバ・ジャパン(株)製)
上記原材料を混ぜ合わせ、ろ過をしてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックUVインクをそれぞれ作製した。なお各UVインクの顔料濃度は以下の通りである。
・イエローUVインク1 4重量%
・イエローUVインク2 4重量%
・イエローUVインク3 4重量%
・イエローUVインク4 4重量%
・マゼンタUVインク1 4重量%
・マゼンタUVインク2 4重量%
・マゼンタUVインク3 4重量%
・マゼンタUVインク4 4重量%
・シアンUVインク1 10重量%
・シアンUVインク2 10重量%
・シアンUVインク3 10重量%
・シアンUVインク4 10重量%
・ブラックUVインク1 2重量%
・ブラックUVインク2 2重量%
・ブラックUVインク3 2重量%
・ブラックUVインク4 2重量%
次に、実施例で使用するクリア塗料の配合を以下に示す。
<クリア塗料1>
アクリルシリコンエマルション 100重量部
(プライマルC−3668、ローム・アンド・ハース(株)製、固形分40.5%、シロキサン結合形成系、アセトアセトキシ基含有系)
造膜助剤 10重量部
(エチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製)
艶消剤 3重量部
(AZ−200、シリカ、東ソー・シリカ(株)製)
消泡剤 0.3重量部
(FSアンチフォーム013A、東レ・ダウコーニング(株)製)
増粘剤 0.2重量部
(プライマルRM−8W、ローム・アンド・ハース(株)製)
紫外線吸収剤 0.8重量部
(TINUVIN400、チバ・ジャパン(株)製)
光安定剤 0.8重量部
(TINUVIN123、チバ・ジャパン(株)製)
水 10重量部
上記原材料を混ぜ合わせ、ハンドミキサーにて攪拌し、ろ過をしてクリア塗料を作製した。なお、クリア塗料の顔料重量濃度は6.6重量%である。
<クリア塗料2>
アクリルシリコンエマルション 100重量部
(ポリデュレックス G659、旭化成ケミカルズ(株)製、固形分40.5%、酸価7、シロキサン結合形成系、カルボキシル基含有樹脂−オキサゾリン系)
架橋剤 6重量部
(エポクロス WS−500、(株)日本触媒製、固形分39%、オキサゾリン系)
造膜助剤 10重量部
(エチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製)
艶消剤 3重量部
(AZ−200、シリカ、東ソー・シリカ(株)製)
消泡剤 0.3重量部
(FSアンチフォーム013A、東レ・ダウコーニング(株)製)
増粘剤 0.2重量部
(プライマルRM−8W、ローム・アンド・ハース(株)製)
紫外線吸収剤 0.8重量部
(TINUVIN400、チバ・ジャパン(株)製)
光安定剤 0.8重量部
(TINUVIN123、チバ・ジャパン(株)製)
水 10重量部
上記原材料を混ぜ合わせ、ハンドミキサーにて攪拌し、ろ過をしてクリア塗料を作製した。なお、クリア塗料の顔料重量濃度は6.3重量%である。
<クリア塗料3>
アクリルエマルション 100重量部
(プライマル E−357EF、ローム・アンド・ハース(株)製、固形分47.5%)
造膜助剤 10重量部
(エチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製)
艶消剤 3重量部
(AZ−200、シリカ、東ソー・シリカ(株)製)
消泡剤 0.3重量部
(FSアンチフォーム013A、東レ・ダウコーニング(株)製)
増粘剤 0.2重量部
(プライマルRM−8W、ローム・アンド・ハース(株)製)
紫外線吸収剤 0.8重量部
(TINUVIN400、チバ・ジャパン(株)製)
光安定剤 0.8重量部
(TINUVIN123、チバ・ジャパン(株)製)
水 10重量部
上記原材料を混ぜ合わせ、ハンドミキサーにて攪拌し、ろ過をしてクリア塗料を作製した。なお、クリア塗料の顔料重量濃度は5.7重量%である。
実施例1
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク1、マゼンタUVインク1、シアンUVインク1およびブラックUVインク1を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が80%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料1を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、本発明の建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 110g/m2 100μm
・UVインク: 10g/m2 12μm
・クリア塗料: 30g/m2 25μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.3秒 (光量: 0.195J/cm2
実施例2
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク1、マゼンタUVインク1、シアンUVインク1およびブラックUVインク1を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が60%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料1を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、本発明の建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 95g/m2 85μm
・UVインク: 11g/m2 11μm
・クリア塗料: 35g/m2 28μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.2秒 (光量: 0.13J/cm2
実施例3
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク1、マゼンタUVインク1、シアンUVインク1およびブラックUVインク1を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が80%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料2を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、本発明の建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 110g/m2 95μm
・UVインク: 10g/m2 10μm
・クリア塗料: 38g/m2 30μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.3秒 (光量: 0.195J/cm2
実施例4
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃15分×)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク3、マゼンタUVインク3、シアンUVインク3およびブラックUVインク3を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が80%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料1を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、本発明の建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 100g/m2 90μm
・UVインク: 12g/m2 14μm
・クリア塗料: 35g/m2 27μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.3秒 (光量: 0.195J/cm2
比較例1
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク2、マゼンタUVインク2、シアンUVインク2およびブラックUVインク2を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が100%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料2を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 100g/m2 90μm
・UVインク: 10g/m2 12μm
・クリア塗料: 30g/m2 25μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.3秒 (光量: 0.195J/cm2
比較例2
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク1、マゼンタUVインク1、シアンUVインク1およびブラックUVインク1を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が30%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料2を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 100g/m2 95μm
・UVインク: 11g/m2 11μm
・クリア塗料: 35g/m2 30μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 80W/cm (強度: 0.45W/cm2
・照射時間: 0.2秒 (光量: 0.09J/cm2
比較例3
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク4、マゼンタUVインク4、シアンUVインク4およびブラックUVインク4を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が100%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料3を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 105g/m2 95μm
・UVインク: 12g/m2 12μm
・クリア塗料: 35g/m2 30μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.3秒 (光量: 0.195J/cm2
比較例4
上記にて作製した下塗り塗料をスプレーで窯業板に塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥して下塗り塗装を施した。次に、上記にて作製したイエローUVインク1、マゼンタUVインク1、シアンUVインク1およびブラックUVインク1を用いてインクジェットプリンタにて下塗り塗装の上にレンガ調画像をプリントしてUVインクの硬化率が80%となるようにUVランプによりUVインクを硬化し、UVインク画像を作製した。なお、硬化率についてはFT−IRにて測定した。さらに、上記にて作製したクリア塗料3を塗布後、熱風乾燥機(100℃×15分)にて乾燥してクリア塗装し、建築板を得た。
◇塗布量および膜厚(乾燥状態)
・下塗り塗料: 100g/m2 95μm
・UVインク: 10g/m2 12μm
・クリア塗料: 35g/m2 33μm
◇UVインク硬化条件
・ランプ出力: 110W/cm (強度: 0.65W/cm2
・照射時間: 0.3秒 (光量: 0.195J/cm2
各実施例で得られた建築板を以下の方法にて評価した。その結果を表1に示す。
(1)付着性試験
建築板の各層と基材との付着性(JIS K 5600 5−6)を評価した。
なお付着性の評価方法は建築板にカッターナイフを用い縦横4mm間隔で6本ずつ素地まで達する線を引き、25個の碁盤目を作製した。次に碁盤目上にセロハンテープを貼り、そしてセロハンテープを素早く剥がして着色板の状況を確認した。
(2)温水試験
建築板を50℃の温水に10日間浸漬する試験を行って、試験後の建築板の膨れ(JIS K 5600 8−2)および付着性(JIS K 5600 5−6)を評価した。
(3)凍結融解試験
建築板を気中凍結−20℃×8時間、水中融解20℃×8時間を1サイクルとして、100サイクルの条件にて試験を行って、試験後の建築板の膨れ(JIS K 5600 8−2)および割れ(JIS K 5600 8−4)を評価した。
(4)耐候試験
建築板を促進耐候試験機スーパーUVテスターにて試験した。試験条件は以下のとおりである。試験後の建築板の膨れ(JIS K 5600 8−2)および割れ(JIS K 5600 8−4)を評価した。
<耐候試験条件>
1)光源: 水冷式メタルハライドランプ
2)照度: 100mW/cm2
3)波長: 295〜450nm
4)温度: 60℃(照射)、30℃(結露)
5)湿度: 50%(照射)、90%(結露)
6)サイクル: 照射5時間、結露5時間
7)シャワー: 結露前後10秒
8)試験時間: 500時間(10年曝露相当)
Figure 2010167334
なお、評価項目 付着性とは、試験体における各層との剥がれを表していて、1であれば剥がれがないこと、数値が大きくなるほど大きな剥がれであることを意味している。また、膨れ、割れの大きさとは、試験体における膨れや割れの大きさを表していて、0であれば膨れや割れがないこと、数値が大きくなるほど大きな膨れや割れであることを意味している。また、評価項目 膨れ、割れの密度とは、試験体に対する膨れや割れの密度を表していて、0であれば膨れや割れがないこと、数値が大きくなるほど膨れや割れの量が多いことを意味している。
実施例1〜4にて得られた建築板においては、表1から分かるように各評価試験後の建築板表面に剥がれ、膨れや割れはほとんど見られず、耐候性に優れているといえる。一方、比較例1〜4にて得られた建築板においては、各評価試験後の建築板表面に剥がれ、膨れや割れが見られ、実施例で得られたものに比べて耐候性が劣っているといえる。

Claims (5)

  1. (1)下塗り塗装を施した基材に、UVインクにてインクジェット塗装を施す工程と、
    (2)(1)の工程の後、紫外線によりUVインクを硬化させる工程と、
    (3)(2)の工程の後、インクジェット塗装がされた面にクリア塗装を施す工程とからなる建築板の製造方法であって、
    前記UVインクに、光重合開始剤と、反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーと、顔料とが含まれてなり、
    前記(2)の工程における硬化させた後のUVインクの硬化率が50〜90%であり、かつクリア塗装に架橋成分を含むことを特徴とする建築板の製造方法。
  2. 前記UVインクの硬化率をUVランプ照射条件の変更により調整することを特徴とする請求項1記載の建築板の製造方法。
  3. 前記反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーが、2官能および/または3官能であることを特徴とする請求項1または2に記載の建築板の製造方法。
  4. 前記光重合開始剤が、ヒドロキシケトン類またはアシルホスフィンオキサイド類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築板の製造方法。
  5. 前記顔料の濃度が、UVインク中に0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築板の製造方法。
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