JP2010164141A - ロールバックシール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車輪に一体的装着されたディスクロータを挟んで前記車輪を制動する油圧ブレーキのピストンとハウジングとの間隙に使用され、前記ハウジングに設けた環状溝内に配置され、断面略矩形状であって、前記ピストンに油圧が作用する側の端面に環状の窪みを設けたロールバックシールにおいて、前記窪みを設けた側と反対側の端面の前記ピストン側角部に面取り部を形成した構成とした。
【選択図】 図1
Description
また、本発明は、自転車ブレーキ用のロールバックシールに関する。
より詳しくは、本発明は、長期間に亘って高いシール特性を維持しつつ、ブレーキ位置から解放位置へピストンを確実に戻すことが可能なロールバックシールに関する。
そして、この自動車部品のうちで、その機能が重要視され、繰り返し設計変更されてきている部品の一つとして、ブレーキシステムが存在する。
特に、ブレーキシステムにおける制動力は、その安全性確保の上から非常に大切な部品である。
一般的な自転車ブレーキ装置のタイプとしては、リムブレーキ、キャリパーブレーキ、及びディスクブレーキが例示される。
高性能なブレーキシステムを望む場合は、ディスクブレーキシステムが選択される。
ディスクブレーキシステムは、ブレーキレバーに付加される操作力に対して大きな制動力を提供する。
さらに、ディスクブレーキシステムは、天候や走行条件に拘わらず、高い制動性能が期待できる。
ブレーキパッドは、ディスクロータの回転、即ち、車輪の回転を停止させるべく、該車輪に固着されたディスクロータに押圧される。
ブレーキパッドは、油圧的によって機械的に、ディスクへ向けて押動される。
しかし、この種スプリング手段を用いた場合は、構造が複雑になるばかりでなく、油圧ブレーキシステム全体の重量が増大する問題を惹起した。
特に、競技用自転車においては、自転車全体の総重量が増すことは致命的欠陥であった。
すなわち、この種油圧ブレーキシステムにおけるロールバックシール400は、車輪1に一体的装着されたディスクロータ2を挟んで車輪1を制動する油圧ブレーキ3のピストン31とハウジング32との間隙に使用され、ハウジング32に設けた環状溝33内に配置されている。
そして、ロールバックシール400の断面形状は、略矩形状であって、ピストン31に油圧が作用する側の端面41に環状の窪み420が設けてある。
一方、環状溝33には、油圧が作用する側と反対側(図上左側)に、切欠き部340が設けられている。
この際の、ロールバックシール400の図上左側への移動を許容する為に、環状溝33の一方の側面には、切欠き部340が設けられている。
そして、油圧が開放されると、ロールバックシール400の元の形状に戻ろうとする力により、ピストン31は、図6に示す様な、制動が掛からない状態へと復帰する。
更に、ロールバックシール400の内周角部が、ピストン31とハウジング32の間
に食込み、ロールバックシール400が損傷する問題も招来した。
請求項1記載の発明のロールバックシールによれば、低温時においても十分なロールバック量が確保でき、ピストンをブレーキ位置から解放位置へ確実に戻し得る機能を発揮する。
請求項2記載の発明のロールバックシールによれば、ロールバックシールとピストンとの間の十分な摩擦抵抗を維持しつつ、十分なロールバック量が確保出来る。
請求項4記載の発明のロールバックシールによれば、幅広い温度領域おいて、より十分なロールバック量が確保出来る。
図1乃至図5に基づき発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の形態のロールバックシールが油圧ブレーキシステムに組み込まれた状態を示す断面図である。
図2は、図1で使用されているロールバックシール単体の断面図である。
図3は、図1に示したものに、油圧が作用し、制動状態となった図である。
図4は、図3の部分拡大図である。
図5は、本発明の第2の形態のロールバックシール単体の断面図である。
尚、油圧ブレーキシステム全体は、従来技術の説明で使用した、図6を使用する。
ロールバックシール4の断面形状は、略矩形状であって、ピストン31に油圧が作用する側の端面41(図上右側)に、環状の窪み42を設けている。
更に、この窪み42を設けた側と反対側であって、端面43のピストン31側角部44には、面取り部45が形成されている。
この傾斜角度が30°より大きくなると、ロールバックシール4とピストン31との間の接触面積が少なく成り、ロールバックシール4とピストン31との間で、十分な摩擦抵抗が得られず、ロールバックシール4とピストン31との間で滑りが発生する。
一方、傾斜角度が15°より小さいと、十分なロールバック量が得られない。
そして、この切欠き部34が存在することにより、面取り部45の存在と相俟って、ロールバック量(ロールバックシール4がピストン31と共にディスクロータ2側(図上右側)に移動できる距離)をより多く確保できる。
すなわち、図3及び図4に示す様に、油圧がピストン31に作用して、ピストン31が制動状態(図上左側への移動)となっても、ロールバックシール4と環状溝33の切欠き部34との間に、間隙5が残存する。
このため、低温時においても、十分なロールバック量が確保出来ると共に、ロールバックシール4の内周角部が、ピストン31とハウジング32の間に食込み、ロールバックシール4が損傷する問題も回避出来る。
また、環状溝33の周面35の油圧が作用する側と反対側(図上左側)に、図上左側に向って狭くなるテーパー面を設けた場合は、油圧が作用した際に、ロールバックシール4がピストン31側により強く押し付けられ、ロールバックシール4とピストン31との間の摩擦抵抗を増大できる。
また、ロールバックシール4のピストン31外周面と接する内周面47の面粗さは、接触抵抗を増大させる意味合いから、小さい方が望ましい。
先に説明した、本発明の第1の形態と相違する点は、端面41の内周側に補助リップ46を設けた点である。
このことにより、ロールバックシール4とピストン31との間に油が浸入することを、より確実に阻止出来る為、ロールバックシール4とピストン31との間で滑りを生じることを回避できる。
このため、ディスクブレーキの摩擦材が摩耗し、ピストンの移動距離が増大した際にも有効に機能できる。
2 ディスクロータ
3 油圧ブレーキ
4 ロールバックシール
5 間隙
31 ピストン
32 ハウジング
33 環状溝
34 切欠き部
41 端面
42 窪み
43 端面
44 角部
45 面取り部
46 補助リップ
47 内周面
Claims (5)
- 車輪(1)に一体的装着されたディスクロータ(2)を挟んで前記車輪(1)を制動する油圧ブレーキ(3)のピストン(31)とハウジング(32)との間隙に使用され、前記ハウジング(32)に設けた環状溝(33)内に配置され、断面略矩形状であって、前記ピストン(31)に油圧が作用する側の端面(41)に環状の窪み(42)を設けたロールバックシール(4)において、前記窪み(42)を設けた側と反対側の端面(43)の前記ピストン(31)側角部(44)に面取り部(45)を形成したことを特徴とするロールバックシール。
- 前記面取り部(45)が、前記端面(43)の径方向幅の略中央の位置から前記端面(43)に対し、10〜30°の傾斜で径方向内方に伸びていることを特徴とする請求項1記載のロールバックシール。
- 前記ロールバックシール(4)の前記端面(41)に、前記ピストン(31)外周面と密接する補助リップ(46)を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のロールバックシール。
- 前記環状溝(33)の前記面取り部(45)に対向する箇所に、切欠き部(34)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロールバックシール。
- 前記ロールバックシール(4)の材質が、フッ素ゴム材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のロールバックシール。
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