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JP2010156641A - 濃度測定センサ - Google Patents

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正人 織笠
Nozomi Inaba
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Abstract

【課題】 色調表の紛失、変色又は汚れ等の問題を生じさせずに、何時でも確実に色調表を用いた判定を行うことができる濃度測定センサを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る濃度測定センサは、測定すべき物質の濃度に応じて色調が変化する判定部を備えた濃度測定センサにおいて、判定部が設けられたテストストリップを、少なくとも判定部の色を外部から見ることができる窓部が形成されたハウジングに収容し、前記ハウジングの前記判定部に隣接した部分に、測定結果に応じた色調を表示する色調表を配置したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、測定すべき物質の濃度に応じて色調が変化する判定部を備えた濃度測定センサに関する。
従来から、測定すべき物質の濃度に応じて色調が変化する判定部を備えた濃度測定センサは市場で販売されている。
具体的には、例えば、尿を使って尿糖、尿タンパク、尿潜血の濃度を測定する尿試験紙や、微量に尿中に排出されるアルブミンの濃度を測定する微量アルブミンセンサーおよび妊娠を判定する妊娠判定薬等がある。
上記した従来の濃度測定センサは、測定結果に応じた色調を表示する色調表がセンサ本体とは別に用意されており、使用者は、測定センサに尿等の試液を付けた後に、判定部の色と、色調表とを並べて見比べて、測定結果を判断する。
しかし、上記した従来の濃度測定センサのように、センサ本体と色調表とが別体に構成されていると、様々な問題が生じる。
具体的には、通常、色調表は複数の濃度測定センサに対して一つしか用意されていないため、色調表が紛失してしまったり、例えば、日の当たる場所においておいて色調表の色が変色してしまったりする等が原因で、色調表を用いた測定結果の判定を行うことができなくなるという問題がある。
また、使用に伴い、色調表が尿等で汚れてしまう可能性があるという問題もある。色調表が汚れないようにしようとすると、センサ本体を色調表から離して色を比べなければならないので判定が行い難いという問題もある。センサー本体が入っているケースに色調表が表示されている場合には、測定時にケースを用いて判定する手間があり、特にセンサーが冷蔵保存の場合には測定の都度、室温下に持ち出さなければならないという問題も生じる。
さらに、複数の判定部が一枚の試験紙に搭載されている場合には、判定に使用する色調表を間違って使用する問題点もある。
発明者は、上記したように、従来の濃度測定センサのように、センサ本体と色調表とが別体に構成されていると様々な問題が生じることを見出し、本願発明を発明するに至った。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、色調表の紛失、変色又は汚れ等の問題を生じさせずに、何時でも確実に色調表を用いた判定を行うことができる濃度測定センサを提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために本発明に係る濃度測定センサは、測定すべき物質の濃度に応じて色調が変化する判定部を備えた濃度測定センサにおいて、判定部が設けられたテストストリップを、少なくとも判定部の色を外部から見ることができる窓部が形成されたハウジングに収容し、前記ハウジングの前記判定部に隣接した部分に、測定結果に応じた色調を表示する色調表を配置したことを特徴とする。
前記色調表は、判定部を挟んで判定部の両側に位置するように前記ハウジングに設けられ得る。
また、前記色調表を、判定部を囲むように前記ハウジングに設けてもよい。
さらに、前記色調表は、濃淡が漸次的に変化するように色が表示されて、かつ、スライド片に設けられ得、この場合、前記スライド片は、判定部に隣接してスライド可能に前記ハウジングに設けられ得る。
具体的には、例えば、前記テストストリップが、測定すべき物質の抗体に、その抗体の存在を可視化できる可視化物質を結合させた可視化物質結合抗体を保持した可視化物質結合抗体層と、試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗原抗体反応するのに充分な大きさの展開層とを備え、前記展開層に、前記試液内の測定すべき物質と結合しなかった可視化物質結合抗体を結合させる抗原が固定された前記判定部を設け、試液が、毛細管現象により、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入り、展開層で試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗体抗原反応した後、判定部を通過するように各層が配置され、前記判定部の抗原に結合された可視化物質結合抗体における可視化物質の量によって試液中の測定すべき物質の量を測定することができるように構成され得る。
この場合、例えば、前記測定すべき物質は、8-ヒドロキシデオキシグアノシンであり得、測定すべき物質の抗体は8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体)であり得る。
本発明に係る濃度測定センサは、測定すべき物質の濃度に応じて色調が変化する判定部を備えた濃度測定センサにおいて、判定部が設けられたテストストリップを、少なくとも判定部の色を外部から見ることができる窓部が形成されたハウジングに収容し、前記ハウジングの前記判定部に隣接した部分に、測定結果に応じた色調を表示する色調表を配置しているので、判定部を有するテストストリップと色調表とが一体となり、色調表の紛失、変色及び汚れ等の問題が生じない。
また、本発明に係る濃度測定センサは、色調表を、ハウジングの前記判定部に隣接した部分に設けているので、使用者は常に判定部の色を色調表と並べて見ることができるので判定を行い易い。
また、前記テストストリップを、測定すべき物質の抗体に、その抗体の存在を可視化できる可視化物質を結合させた可視化物質結合抗体を保持した可視化物質結合抗体層と、試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが結合するのに充分な大きさの展開層とで構成し、前記展開層に、前記試液内の測定すべき物質と結合しなかった可視化物質結合抗体を結合させる抗原が固定された前記判定部を設け、試液が、毛細管現象により、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入り、展開層で試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗体抗原反応した後、判定部を通過するように各層を配置し、前記判定部の抗原に結合された可視化物質結合抗体における可視化物質の量によって試液中の測定すべき物質の量を測定することができるように構成することによって、測定すべき物質と結合しなかった可視化物質結合抗体の量に基づいて、測定すべき物質の量を測定することが可能になる。従って、例えば、8-ヒドロキシデオキシグアノシンのように1:1の抗原抗体反応しかすることができない低分子物質であっても測定することが可能になる。また、試液が、毛細管現象により、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入り、展開層で試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗体抗原反応した後、判定部を通過するように各層を配置しているので、構造が簡単になり、センサそのものを安価に製造することができるようになり、8-ヒドロキシデオキシグアノシンのような低分子物質の量を手軽に測定することができるようになる。
以下、添付図面に示した一実施例を参照して、本発明に係る濃度測定センサの実施の形態を説明していく。
図1は本発明に係る濃度測定センサの一実施例であるイムノクロマトセンサの分解展開図、図2は図1に示したイムノクロマトセンサの上面カバー以外の部分を組立てた部分分解展開図、図3は図1に示したイムノクロマトセンサの上面図を各々示している。
図中、符号1は土台となるベース基板を示しており、このベース基板1の上に、テストストリップ2及び試液吸収部3が設けられている。
テストストリップ2は、試液吸収部3に部分的に重ねて配置された試液展開層4と、前記試液展開層4に部分的に重ねて配置された可視化物質結合抗体保持層5と、可視化物質結合抗体保持層5に部分的に重ねて配置された展開層6とから成る。
可視化物質結合抗体保持層5には、測定すべき物質と特異的に反応する抗体に、その抗体の存在を可視化できる可視化物質を結合させた可視化物質結合抗体が保持されている。具体的には、例えば、測定すべき物質が8-ヒドロキシデオキシグアノシンの場合、その抗体は、8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体)であり、可視化物質としては金コロイドが挙げられる。この可視化物質結合抗体保持層5に保持された可視化物質結合抗体は、試液展開層4を介して試液が導入されると試液中に溶出する。このため、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前(即ち、試液が通過する前)は、可視化物質(例えば、金コロイド)によって色付いているが、使用後、即ち、試液が正常に通過した後は、可視化物質が試液中に溶出してしまうため色が無くなる。具体的には、可視化物質結合抗体保持層5が白いメンブレンから成り、可視化物質が金コロイドである場合には、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前は赤色であるが、使用後は白色になる。
展開層6は、前記可視化物質結合抗体保持層5に保持された可視化物質結合抗体と結合して、同抗体を捕捉する固定化用物質が固定された判定部7を有する。この判定部7は、展開層6において測定すべき物質と可視化物質結合抗体とが充分に抗体抗原反応することができるように、可視化物質結合抗体保持層5から充分に離れた位置に設けられている。
上記したように構成されたテストストリップ2及び試液吸収部3はベース基板1上に配置され、さらに基板1にカバー10が取り付けられる。
この実施例では、カバー10は、ベース基板1における試液吸収部3以外の部分を全て覆うように寸法決めされており、かつ、テストストリップ2に相当する部分には確認用窓11が形成されている。
この確認用窓11は、可視化物質結合抗体保持層5の一部と、展開層6における判定部7が露出するように形成されている。
また、カバー10における判定部7に相当する部分には、判定部7を挟むように色調表12が設けられている。この実施例では、図3における判定部7の左側に測定すべき物質の量が少ない時の色(即ち、濃い色)が、右側に測定すべき物質の量が多い時の色(即ち、薄い色)が印刷されている。
次に、上記したように構成されたイムノクロマトセンサの作用を説明していく。
本発明に係る濃度測定センサを構成するイムノクロマトセンサの作用を示す図であり、(a)は使用前の状態を、(b)は使用後の状態を各々示している。
この説明では、測定すべき物質は、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量であり、従って、抗体は、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する抗体(8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)であり、可視化物質は金コロイドである。また、判定層に固定されている固定化物質は8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)である。
使用者が、尿を試液吸収部3にかけると、尿は試液吸収部3に含浸する。試液吸収部3に含浸した尿は、毛細管現象により試液展開層4に入り、試液展開層4の幅全体に広がりながら可視化物質結合抗体保持層5に進む。そして、尿が可視化物質結合抗体保持層5を通過する時に、尿中に、同層5に保持された金コロイドが結合した抗体(8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)が溶出する。金コロイド結合抗体が溶出した尿は、そのまま展開層6へ進み、同層6で8-ヒドロキシデオキシグアノシンと金コロイド結合抗体とが抗体抗原反応して、尿中にある8-ヒドロキシデオキシグアノシンに金コロイド結合抗体が結合する。展開層6に入った尿は、さらに、毛細管現象により展開層6を判定部7に向かって進む。
尿が判定部7を通過する時に、既に8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合した金コロイド結合抗体は判定部7を通過するが、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合していない金コロイド結合抗体は判定部7に固定された固定化物質と結合して判定部7に留まる。このため、判定部7は固定化物質と結合した金コロイド結合抗体の金コロイドの色の作用で着色される。
尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多ければ多いほど、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合しない金コロイド結合抗体の量は少なくなるので判定部7の色は薄くなり、逆に、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が少なければ少ないほど、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合しない金コロイド結合抗体の量が多くなるので判定部7の色は濃くなる。
使用者は、判定部7の両隣にある色調表12の色と判定部7の色とを比較して、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多いか否かを判断する。
ところで、上記したように、このイムノクロマトセンサはカバー10の窓部11が、可視化物質結合抗体保持層5の一部が露出するように形成されている。このため、使用者は、窓部11から見える可視化物質結合抗体保持層5の色の変化によって、尿が展開層6に入っているか否かを確認することができる。具体的には、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前は、そこに保持されている可視化物質結合抗体の可視化物質、ここでは金コロイドの作用で色付いている。そして、可視化物質結合抗体保持層5は試液、ここでは尿が通過すると、可視化物質結合抗体が試液中に溶出するため同層5の色はなくなる。従って、試液導入部3から導入した尿が、何らかの原因で展開層6に進まなければ可視化物質結合抗体保持層5の色は変わらないが、試液吸収部3から導入した尿が、正確に展開層6に進めば可視化物質結合抗体保持層5の色が変わる。このため、使用者は、窓部11から見える可視化物質結合抗体保持層5の色によって試液が正確に展開層6に進んでいるか否かを確認することができるため、判定結果を間違えて認識することがない。
以上説明した実施例では、本発明に係る濃度測定センサをイムノクロマトセンサで構成した例を挙げて説明しているが、本発明に係る濃度測定センサはイムノクロマトセンサに限定されることなく、例えば、尿試験紙等のように一枚のベースシート上に尿糖や尿タンパク等の少なくとも一種類の物質と発色反応する濾紙をベースとした反応層が直列に設けられるように構成された試験紙であってもよい。
また、ハウジングに対する色調表の配置は、本実施例に限定されることなく、例えば、判定部を囲むように設けてもよく、また、スライド状に設けてもよい。
図5は、判定部を囲むように色調表を配置した例を示す実施例であり、この実施例では、ハウジングのカバー10に対して窓部11が、判定部7のみが見えるように円形に形成されており、その円形窓部11の周囲を囲むように色調表12が設けられている。
また、図6は、色調表をスライド状に形成した例を示す実施例であり、この実施例では、カバー10における判定部7の前方に、濃淡が漸次的に変化するように色が表示された色調表12を有するスライド片13が、カバー10の長手方向に直交する方向にスライド可能に設けられている。図中、符号13aはカバー10に設けられたスライド片用ガイド部材である。
本発明に係る濃度測定センサの分解展開図 図1に示した濃度測定センサの上面カバー以外の部分を組立てた部分分解展開図 図1に示した濃度測定センサの上面図 本発明に係る濃度測定センサの作用を示す図であり、(a)は使用前の状態を、(b)は使用後の状態を各々示している。 判定部を囲むように色調表を配置した例を示す実施例 色調表をスライド状に形成した例を示す実施例
符号の説明
1 ベース基板
2 テストストリップ
3 試液吸収部
4 試液展開層
5 可視化物質結合抗体保持層
6 展開層
7 判定部
10 カバー
11 窓部
12 色調表
13 スライド片
13a ガイド部材

Claims (8)

  1. 測定すべき物質の濃度に応じて色調が変化する判定部を備えた濃度測定センサにおいて、
    判定部が設けられたテストストリップを、少なくとも判定部の色を外部から見ることができる窓部が形成されたハウジングに収容し、
    前記ハウジングの前記判定部に隣接した部分に、測定結果に応じた色調を表示する色調表を配置した
    ことを特徴とする濃度測定センサ。
  2. 前記色調表が、判定部を挟んで判定部の両側に位置するように前記ハウジングに設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の濃度測定センサ。
  3. 前記色調表が、判定部を囲むように前記ハウジングに設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の濃度測定センサ。
  4. 前記色調表が、濃淡が漸次的に変化するように色が表示されており、かつ、スライド片に設けられ、
    前記スライド片が判定部に隣接してスライド可能に前記ハウジングに設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の濃度測定センサ。
  5. 前記テストストリップが、
    測定すべき物質の抗体に、その抗体の存在を可視化できる可視化物質を結合させた可視化物質結合抗体を保持した可視化物質結合抗体層と、
    試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗原抗体反応するのに充分な大きさの展開層と、
    を備え、
    前記展開層に、前記試液内の測定すべき物質と抗原抗体反応しなかった可視化物質結合抗体を結合させる抗原が固定された前記判定部を設け、
    試液が、毛細管現象により、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入り、展開層で試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗体抗原反応した後、判定部を通過するように各層が配置され、
    前記判定部の抗原に結合された可視化物質結合抗体における可視化物質の量によって試液中の測定すべき物質の量を測定することができるように構成した
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の濃度測定センサ。
  6. 前記測定すべき物質が、8-ヒドロキシデオキシグアノシンであり、測定すべき物質の抗体が8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)である
    ことを特徴とする請求項5に記載の濃度測定センサ。
  7. 前記可視化物質が、金粒子である
    ことを特徴とする請求項5に記載の濃度測定センサ。
  8. 前記可視化物質が、ラテックス粒子、色素分子、蛍光物質である
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の濃度測定センサ。
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