JP2010155097A - 軽量ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な打球感を有し、かつ弾道を最適化することによって優れた飛行性能を有する軽量ゴルフボールを提供する。
【解決手段】コアと該コアを被覆するカバーとから成り、かつ該カバー表面に多数のディンプルが形成されて成るゴルフボールにおいて、該カバーが熱可塑性樹脂を基材樹脂とするカバー用組成物から形成され、該ゴルフボールが、比重0.85〜0.98および直径42.67〜42.90mmを有し、かつ該ゴルフボールの比重をM、該ディンプルの総容積をV(mm3)およびディンプルの総数をNとした場合に、3者の積MVNの値が135000〜155000であり、該ディンプルの総数Nが350〜450であり、該ディンプルの総容積Vが330〜380mm3であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】コアと該コアを被覆するカバーとから成り、かつ該カバー表面に多数のディンプルが形成されて成るゴルフボールにおいて、該カバーが熱可塑性樹脂を基材樹脂とするカバー用組成物から形成され、該ゴルフボールが、比重0.85〜0.98および直径42.67〜42.90mmを有し、かつ該ゴルフボールの比重をM、該ディンプルの総容積をV(mm3)およびディンプルの総数をNとした場合に、3者の積MVNの値が135000〜155000であり、該ディンプルの総数Nが350〜450であり、該ディンプルの総容積Vが330〜380mm3であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、良好な打球感を有し、かつ弾道を最適化することによって優れた飛行性能を有する軽量ゴルフボールに関する。
一般にゴルフボールは、重量が大きいほど飛距離が大きくなると考えられ、ゴルフボール規則においても重量に関しては上限のみが定められている。しかしながら、重量の大きいゴルフボールは打球感に劣ることがあり、軟らかさを調節するなどの工夫が行われてきた。一方、重量の小さいゴルフボールは、飛距離が小さくなるものの打球感に優れるという長所を有しており、既に「軽量ゴルフボール」として発案されている。
また、池や湖などで使用される水上練習用ゴルフボールの場合は、打撃後の回収を容易にするために水に浮く特性、即ちゴルフボールの比重が1.0未満であることが必須条件となっており、このようなゴルフボールは軽量ゴルフボールの中でも特に軽い例であるといえる。このような軽量ゴルフボールとしては、通常のゴルフボールと同様に一体成形されたゴム製部材のみから構成されるワンピースゴルフボールと、ゴムを主材としたコアとそれを被覆するカバーから構成されるツーピースゴルフボールに大別される。前者は耐久性に優れるために練習場などでよく用いられ、後者は反発性能に優れるためラウンド用ゴルフボールとして使用されることが多い。またラウンド用ボールとしての軽量のゴルフボールは、非力な女性プレーヤーやジュニアプレーヤーにとって良好なフィーリングと低衝撃を実現させるために好んで用いられるようになった。
現在、練習場用ゴルフボールとして主に使用されているワンピースゴルフボールは、優れた耐久性を有しており、またソフトな打球感を実現するために打撃時の変形量(コンプレッション)の大きい軟らかいものが用いられている。しかしながら、このようなゴルフボールは打撃時の変形量が大きいため、打球感が重くて悪いという問題があった。
近年になって、前述のように練習用ゴルフボールにもラウンド用ゴルフボールにより近いものが求められるようになり、水上練習用ゴルフボールにもカバーを被覆させたいわゆるツーピースゴルフボールが用いられるようになった。低比重で水に浮き、かつラウンド用ゴルフボールに近い良好な打球感を有する水上練習用のツーピースゴルフボールが提案されている(特許文献1等)。
しかしながら、従来の軽量ゴルフボールや水上練習用ゴルフボールは重量が非常に軽いため、飛行時に揚力の効果が大きくなり過ぎて吹き上がる弾道となる問題があった。この問題点を解決するために、様々なディンプル設計を行ったゴルフボールが提案されてきた(特許文献2、特許文献3等)。
特許文献2には、ディンプル総容積を大きく、400〜600(mm3)に規定することによって、吹き上がる弾道とならないように設計したゴルフボールが開示されている。
特許文献3には、ディンプル総数を450〜650、最大のディンプルと最小のディンプルの直径比を1.2〜1.6に規定することによって、同様に吹き上がる弾道とならないように設計したゴルフボールが開示されている。
しかしながら、上記2つの公報のゴルフボールは主としてゴム製部材のみから構成されるワンピースソリッドゴルフボールであり、そのようなゴルフボールのディンプル設計をゴム製のコア上に樹脂製のカバーを被覆したゴルフボールに応用しても、十分な飛行性能は得られない。
本発明は、従来の軽量ゴルフボールの有する問題点を解決し、良好な打球感を有し、かつ弾道を最適化することによって優れた飛行性能を有する軽量ゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コアとカバーから成るゴルフボールにおいて、カバーに熱可塑性樹脂を用い、かつボール比重、ディンプル総容積およびディンプル総数を特定範囲内に規定することによって、良好な打球感を有し、かつ弾道を最適化することによって優れた飛行性能を有する軽量ゴルフボールが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、コアと該コアを被覆するカバーとから成り、かつ該カバー表面に多数のディンプルが形成されて成るゴルフボールにおいて、
該カバーが熱可塑性樹脂を基材樹脂とするカバー用組成物から形成され、
該ゴルフボールが、比重0.85〜0.98および直径42.67〜42.90mmを有し、かつ
該ゴルフボールの比重をM、該ディンプルの総容積をV(mm3)およびディンプルの総数をNとした場合に、3者の積MVNの値が135000〜155000であり、該ディンプルの総数Nが350〜450であり、該ディンプルの総容積Vが330〜380mm 3 であることを特徴とする軽量ゴルフボールに関する。
該カバーが熱可塑性樹脂を基材樹脂とするカバー用組成物から形成され、
該ゴルフボールが、比重0.85〜0.98および直径42.67〜42.90mmを有し、かつ
該ゴルフボールの比重をM、該ディンプルの総容積をV(mm3)およびディンプルの総数をNとした場合に、3者の積MVNの値が135000〜155000であり、該ディンプルの総数Nが350〜450であり、該ディンプルの総容積Vが330〜380mm 3 であることを特徴とする軽量ゴルフボールに関する。
本発明のゴルフボールは、ゴムを主材としたコアとそれを被覆する樹脂製カバーから構成されるツーピースゴルフボールの重量を従来の軽量ゴルフボールよりも更に小さな値に設定することにより、非力な女性プレーヤーやジュニアプレーヤー等の非力なプレーヤーにとっても軟らかくて良好な打球感を達成し、それによる飛距離の低下を、比重M、ディンプルの総容積Vおよび総数Nを限定して揚力を抑制し、弾道を最適化することによって補うことにより、優れた飛行性能を有し、かつ良好な打球感を有する軽量ゴルフボールを実現している。
一体成形されたゴム製部材のみから構成されるワンピースゴルフボールに比較して、ゴム製部材を主材としたコアとそれを被覆するカバーから構成されるツーピースゴルフボールは、打撃時のスピン量が小さく打出角が大きくなって、揚力の効果が大きくなり過ぎて吹き上がる弾道となり飛距離が低下する。また、軽量ゴルフボールの場合には、ボール重量が小さいため、吹き上がる弾道となり易く飛距離が低下する。前述のように従来技術には、ディンプル総容積やディンプル総数を規定することによって、揚力をコントロールする技術が開示されている。しかしながら、これらを単独または組合せて用いても、ボール重量を決定する比重の影響が考慮されていないため、弾道を最適化して飛距離を向上する効果が十分に得られない。
そこで本発明者等は、軽量ゴルフボールの飛距離を向上するためには、ゴルフボールの弾道を決定する3つの要素である、比重、ディンプル総容積およびディンプル総数を合わせて考慮する必要があると考えた。ここで、比重M、ディンプル総容積Vおよびディンプル総数Nそれぞれの弾道への影響を考察すると、
比重Mが大きいと弾道がドロップし、Mが小さいと吹き上がる弾道となり、
ディンプル総容積Vが大きいと揚力が小さくなり、Vが小さいと揚力は大きくなり、
ディンプル総数Nが大きいと揚力が小さくなり、Nが小さいと揚力は大きくなる。従って、比重Mが大きいと弾道がドロップし易いので揚力を大きくする必要があり、Mが小さいと吹き上がる弾道となるので揚力を小さくする必要がある。即ち、{M/(揚力)}の値を最適値とすればよい。次に、揚力を小さくするにはVやNを大きくすればよく、揚力を大きくするにはVやNを小さくすればよいので、{M/(1/VN)}=MVNの値を最適値とすればよい。即ち、軽量ゴルフボールの飛距離を向上するためには、上記3者の積MVNの値を適正範囲に規定すればよいことになる。本発明の軽量ゴルフボールでは、上記3者の積MVNの値が130000〜160000であることを要件とする。
比重Mが大きいと弾道がドロップし、Mが小さいと吹き上がる弾道となり、
ディンプル総容積Vが大きいと揚力が小さくなり、Vが小さいと揚力は大きくなり、
ディンプル総数Nが大きいと揚力が小さくなり、Nが小さいと揚力は大きくなる。従って、比重Mが大きいと弾道がドロップし易いので揚力を大きくする必要があり、Mが小さいと吹き上がる弾道となるので揚力を小さくする必要がある。即ち、{M/(揚力)}の値を最適値とすればよい。次に、揚力を小さくするにはVやNを大きくすればよく、揚力を大きくするにはVやNを小さくすればよいので、{M/(1/VN)}=MVNの値を最適値とすればよい。即ち、軽量ゴルフボールの飛距離を向上するためには、上記3者の積MVNの値を適正範囲に規定すればよいことになる。本発明の軽量ゴルフボールでは、上記3者の積MVNの値が130000〜160000であることを要件とする。
更に本発明を好適に実施するために、
上記カバーが、ショアD硬度40〜60を有し;
上記ゴルフボールが、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量3.0〜5.0mmを有する
ことが望ましい。
上記カバーが、ショアD硬度40〜60を有し;
上記ゴルフボールが、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量3.0〜5.0mmを有する
ことが望ましい。
本発明では、コアとカバーから成るゴルフボールにおいて、カバーに熱可塑性樹脂を用い、かつボール比重、ディンプル総容積およびディンプル総数を特定範囲内に規定することによって、良好な打球感を有し、かつ弾道を最適化することによって優れた飛行性能を有する軽量ゴルフボールを提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明すると、本発明の軽量ゴルフボールは、コアと該コアを被覆するカバーとから成る。上記コアは単層構造であっても2層以上の多層構造であってもよく、カバーも単層構造であっても2層以上の多層構造であってもよい。本発明のゴルフボールに用いられるコアは、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物および充填材を必須成分として含有するゴム組成物の加硫成形物から成る。
基材ゴムは、従来からゴルフボールに用いられているものであればよいが、特にシス‐1,4‐結合少なくとも40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましい。また、所望により上記ポリブタジエンゴムには、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリブチルゴム、スチレンポリブタジエンゴム(SBR)、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルゴム等を配合してもよい。使用する場合、配合量は、基材ゴム100重量部に対して、ポリブタジエンゴムが50重量部以上となるようにすることが好ましい。
また、上記基材ゴムには、加工性を向上するために液状ゴムを配合することが好ましい。配合量は、基材ゴム100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは5〜15重量部である。上記液状ゴムの配合量が、1重量部未満では液状ゴムを用いることにより得られる効果が十分に達成されず、40重量部を超えると、反発性の低下を招く。上記液状ゴムとしては、未加硫および常温状態で液体状態を示すゴムであれば限定されないが、特に液状ジエン系ゴム、例えば液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム等が好ましい。上記液状ゴムの具体的な例としては、日本石油化学(株)から商品名「B‐3000」で市販されている液状ブタジエンゴム、クラレ(株)から商品名「クラプレンLIR‐30」で市販されている液状イソプレンゴム等が挙げられる。
共架橋剤としては、別々に配合しゴム組成物の混合中に反応させてα,β‐不飽和カルボン酸の金属塩とするアクリル酸またはメタクリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カルボン酸と酸化亜鉛等の金属酸化物との組合せや、元からα,β‐不飽和カルボン酸の金属塩の形のもの(例えば、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛等)や、それらの混合物が挙げられる。好ましくはアクリル酸の金属塩であり、特にアクリル酸亜鉛を配合するのがよい。配合量はα,β‐不飽和カルボン酸の金属塩の場合、基材ゴム100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。30重量部より多いと比重が大きくなるため低比重充填材の配合量が多くなって耐久性が低下したり、コアが硬くなって打球感が悪くなる。5重量部未満では、得られるゴルフボールの反発性が低下する。α,β‐不飽和カルボン酸と金属酸化物との組合せの場合、α,β‐不飽和カルボン酸は3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部であり、金属酸化物は3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。
有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。配合量は基材ゴム100重量部に対して、0.1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部である。0.1重量部未満ではコアが軟らかくなり過ぎて反発性が低下し、5.0重量部を越えると硬くなり過ぎ脆くなって耐久性が低下したり、打球感が悪くなる。
充填材としては、ゴルフボールに通常配合されるものであればよく、例えば無機充填材、具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、低比重にするため微粒子状高分子量ポリオレフィンや微小中空体を用いることが好ましい。微粒子状高分子量ポリオレフィンとしては、平均粒子径10〜50μmのものが好ましく、具体的な例としては三井石油化学工業(株)から市販の「ミペロンXM‐220」(商品名、平均粒子径20μm、分子量200万以上)等が挙げられる。微小中空体としては、ガラス、セラミック等の無機材料から作製されるものと、アクリロニトリル‐メタクリロニトリル共重合体や塩化ビニリデン‐アクリルニトリル共重合体等の有機材料から作製されるものとがある。具体的な例としては、それぞれ、住友スリーエム(株)から商品名「グラスバブルズ」で市販されているソーダ石灰ホウ珪酸ガラス製の微小中空球体(例えば、「グラスバブルズB37/2000」、「グラスバブルズB38/4000」、「グラスバブルズB46/4000」、「グラスバブルズS60/10000」等)、ケマ・ノーバル社から商品名「エクスパンセル」で市販されているメタアクリロニトリルとアクリロニトリルの共重合体(例えば、「エクスパンセル091DE」、「エクスパンセル091DE80」等)が挙げられる。配合量は、基材ゴム100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。1重量部未満では軽量化効果が達成できず、30重量部を越えると耐久性が低下し易くなる。
更に、本発明に用いられるコアには、ゴルフボールに硬さを付与するために、ハイスチレン樹脂等を配合してもよい。その他、軟化剤、老化防止剤等を適宜配合してもよい。
本発明のゴルフボールのコアは、上記成分を混合し、混練ロール、ニーダー等の混練機を用いて混練したゴム組成物を、金型内で、例えば130〜170℃で10〜30分間加熱プレスして加硫することによって得られる。本発明のゴルフボールのコアは、直径38.0〜41.0mm、好ましくは39.0〜40.5mmを有することが望ましい。38.0mmより小さいとカバーが厚くなって衝撃が大きくなったり、コアの体積が小さくなって反発性が低下し、41.0mmより大きいとカバーが薄くなり、カバー強度が低下して耐久性が低下する。
本発明では、コアが初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量(コアコンプレッション)4.1〜5.5mm、好ましくは4.2〜5.2mm、より好ましくは4.5〜4.9mmを有することが望ましい。上記変形量が、4.1mmより小さいと打球感が硬くなり好ましくなく、5.5mmより大きくなると十分な反発が得られなくなる。
次いで、上記コア上にはカバーを被覆する。本発明では、カバーは厚さ1.0〜2.8mm、好ましくは1.8〜2.3mmを有することが望ましいが、1.0mmより小さいとカバー自体の強度が低下して打撃時に破損し易くなり、2.8mmより大きいと打球感が低下したり、コアの体積が小さくなり、また打撃時にコアに及ぶ変形量が小さくなって反発性が低下する。
本発明のゴルフボールでは、カバーがショアD硬度40〜60、好ましくは50〜60、より好ましくは50〜55を有することが望ましい。40より小さいと十分な飛距離が得られなくなり、60より大きいとカバーが硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。
本発明のカバーは、熱可塑性樹脂、特に通常ゴルフボールのカバーに用いられるアイオノマー樹脂を基材樹脂として含有する。上記アイオノマー樹脂としては、エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β‐不飽和カルボン酸とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものである。上記のα,β‐不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸とメタクリル酸が好ましい。また、α,β‐不飽和カルボン酸エステル金属塩としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n‐ブチル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルが好ましい。上記エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸との共重合体中や、エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、錫、ジルコニウム、カドミウムイオン等が挙げられるが、特にナトリウム、亜鉛、マグネシウムイオンが反発性、耐久性等からよく用いられ好ましい。
上記アイオノマー樹脂の具体例としては、それだけに限定されないが、ハイミラン1555、1557、1605,1652,1702,1705,1706,1707,1855,1856、AM7316(三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン(SURLYN)8945,9945,6320,8320、AD8511、AD8512、AD8542(デュポン社製)、アイオテック(IOTEK)7010,8000(エクソン(Exxon)社製)等を例示することができる。これらのアイオノマーは、上記例示のものをそれぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよい。
更に、本発明のカバーの好ましい材料の例としては、上記のようなアイオノマー樹脂のみであってもよいが、アイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマーやジエン系ブロック共重合体等の1種以上とを組合せて用いてもよい。上記熱可塑性エラストマーの具体例として、例えば東レ(株)から商品名「ペバックス」で市販されている(例えば、「ペバックス2533」)ポリアミド系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル」で市販されている(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)ポリエステル系熱可塑性エラストマー、武田バーディシュ(株)から商品名「エラストラン」で市販されている(例えば、「エラストランET880」)ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記ジエン系ブロック共重合体は、ブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合を有するものである。その基体となるブロック共重合体とは、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1種の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック共重合体である。また、部分水添ブロック共重合体とは、上記ブロック共重合体を水素添加して得られるものである。ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐t‐ブチルスチレン、1,1‐ジフェニルスチレン等の中から1種または2種以上を選択することができ、スチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン等の中から1種または2種以上を選択することができ、ブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。好ましいジエン系ブロック共重合体の例としては、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するSBS(スチレン-ブタジエン-スチレン)構造のブロック共重合体またはエポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するSIS(スチレン-イソプレン-スチレン)構造のブロック共重合体等が挙げられる。上記ジエン系ブロック共重合体の具体例としては、例えばダイセル化学工業(株)から商品名「エポフレンド」市販されているもの(例えば、「エポフレンドA1010」)、(株)クラレから商品名「セプトン」で市販されているもの(例えば、「セプトンHG‐252」等)等が挙げられる。
上記の熱可塑性エラストマーやジエン系ブロック共重合体等の配合量は、カバー用の基材樹脂100重量部に対して、1〜60重量部、好ましくは1〜35である。1重量部より少ないとそれらを配合することによる打球時の衝撃低下等の効果が不十分となり、60重量部より多いとカバーが軟らかくなり過ぎて反発性が低下したり、またアイオノマーとの相溶性が悪くなって耐久性が低下しやすくなる。
本発明に用いられるカバーには、上記樹脂以外に必要に応じて、種々の添加剤、例えば二酸化チタン等の顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。
上記カバーを被覆する方法は、特に限定されるものではなく、通常のゴルフボールのカバーを被覆する方法で行うことができる。カバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、または上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法が用いられる。
更に、カバー成形時、ボール表面にディンプルと呼ばれるくぼみを多数形成する。本発明のゴルフボールでは、比重をM、ディンプルの総容積をV(mm3)およびディンプルの総数をNとした場合に、3者の積MVNの値が130000〜160000であることを要件とするが、好ましくは135000〜155000、より好ましくは135000〜145000である。上記積MVNの値が、130000より小さいと吹き上がる弾道となって飛距離が低下し、160000より大きいと弾道がドロップして飛距離が低下する。
上記ディンプルの総容積Vは330〜380mm3、好ましくは330〜370mm3、より好ましくは340〜360mm3であることが望ましい。上記ディンプルの総容積Vが330mm3より小さいと揚力が大きくなり過ぎて吹き上がる弾道となり、380mm3を超えると極端に揚力不足となり弾道高さが不十分となり、弾道がドロップして飛距離が低下する。
上記ディンプル総数Nは350〜450、好ましくは360〜440、より好ましくは365〜435であることが望ましい。上記ディンプル総数Nが350より小さいとゴルフボールの揚力を小さくする効果が十分に発揮されず弾道が高くなり過ぎ、450を超えると揚力が極端に低下して弾道高さが小さくなり弾道がドロップする。
更に、本発明のゴルフボールでは、ディンプル直径は2.0〜5.0、好ましくは2.5〜4.5mmであることが望ましく、ディンプル深さは、0.08〜0.22mm、更に0.10〜0.20mmであることが望ましい。
本発明のゴルフボールでは、ボール重量を決定する比重が0.50以上1.00未満であることを要件とするが、好ましくは0.80〜1.00、より好ましくは0.85〜0.98である。上記比重が1.00以上となると、ボール重量が大きくなって打球感が重くて悪くなり、軽量ゴルフボール特有の軽い打球感を損なってしまい、また水上練習場用として用いることができなくなる。上記比重が0.50より小さくなると、ボール重量も小さくなって、飛距離が低下すると共に、直進安定性が低下し、風の強い日などのラウンドに不利になる。加えて、打球感が軽くなり過ぎて、ラウンド用ゴルフボールの打球感からかけ離れてしまう。
本発明では、ゴルフボールが初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量(ボールコンプレッション)3.0〜5.0mm、好ましくは3.5〜4.8mm、より好ましくは3.8〜4.5mmであることが望ましい。上記変形量が、3.0mmより小さいとゴルフボールが硬くなり過ぎて打球感が悪くなり、5.0mmより大きくなると軟らかくなり過ぎて打球感が悪くなり、反発性能も低下して十分な飛距離が得られなくなる。
また、カバー成形後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必要に応じて施し得る。
現在、ボール重量は、ラージサイズボールの場合ルール上45.92g以下と定められているが、下限についての規格はない。本発明のゴルフボールは、重量35.0〜41.0g、好ましくは38.0〜40.5gを有する。上記ボール重量が35.0gより軽いと飛行中の慣性を失い、飛行後半で失速して飛距離が低下し、41.0gより重いと打球感が重く悪くなる。
本発明のゴルフボールのボール直径は、通常のラージサイズボールの規格42.67mm以上に適するように、42.67〜42.90mmとすることが好ましい。
本発明では、優れた飛行性能を有し、かつ良好な打球感を有する軽量ゴルフボールを提供する。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
コアの作製
以下の表1に示した配合のゴム組成物を混合、混練し、半球状キャビティーを有する上下金型内で155℃で16分間、次いで165℃で8分間加熱プレスして、直径38.5mmを有するコアを作製した。得られたコアのコンプレッションを測定し、その結果を表3に示す。試験方法は後述の通り行った。
以下の表1に示した配合のゴム組成物を混合、混練し、半球状キャビティーを有する上下金型内で155℃で16分間、次いで165℃で8分間加熱プレスして、直径38.5mmを有するコアを作製した。得られたコアのコンプレッションを測定し、その結果を表3に示す。試験方法は後述の通り行った。
(注1)JSR(株)から商品名「BR11」で市販のシス‐1,4‐ポリブタジエンゴム(シス‐1,4‐ポリブタジエン含量96%)
(注2)日本石油化学(株)から商品名「B3000」で市販の液状ポリブタジエンゴム
(注3)三井石油化学工業(株)から商品名「ミペロンXM‐220」で市販の微粒子状超高分子量ポリオレフィン、平均粒子径20μm、分子量200万以上
(注2)日本石油化学(株)から商品名「B3000」で市販の液状ポリブタジエンゴム
(注3)三井石油化学工業(株)から商品名「ミペロンXM‐220」で市販の微粒子状超高分子量ポリオレフィン、平均粒子径20μm、分子量200万以上
カバー用組成物の調製
以下の表2に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は押出機のダイの位置で150〜260℃に加熱された。得られたカバー用組成物のショアD硬度を測定し、その結果を同表に示した。試験方法は後述の通り行った。
以下の表2に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は押出機のダイの位置で150〜260℃に加熱された。得られたカバー用組成物のショアD硬度を測定し、その結果を同表に示した。試験方法は後述の通り行った。
(注4)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合系アイオノマー樹脂
(注5)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合系アイオノマー樹脂
(注6)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和エチレン‐イソブチルアクリレート‐メタクリル酸三元共重合体系アイオノマー樹脂
(注5)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合系アイオノマー樹脂
(注6)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和エチレン‐イソブチルアクリレート‐メタクリル酸三元共重合体系アイオノマー樹脂
(実施例1〜3および比較例1〜5)
上記のカバー用組成物を、上記のようにして得られたコア上にディンプル付き金型を用いて直接射出成形することによりカバー層を形成し、表面にペイントを塗装して、直径42.7mmを有するゴルフボールを作製した。ディンプル総数Nを表3(実施例)および表4(比較例)に示す。実施例1、比較例1、2および5のゴルフボールのディンプル配列を図1に示し、実施例2のゴルフボールのディンプル配列を図4に示し、実施例3のゴルフボールのディンプル配列を図5に示し、比較例3のゴルフボールのディンプル配列を図2に示し、比較例4のゴルフボールのディンプル配列を図3に示した。得られたゴルフボールの比重M、ディンプル総容積V、圧縮変形量、飛距離、弾道高さおよび打球感を測定または評価し、上記V,NおよびMの値から積MVNを計算により求めた。それらの結果を同表に示した。試験方法は以下の通り行った。
上記のカバー用組成物を、上記のようにして得られたコア上にディンプル付き金型を用いて直接射出成形することによりカバー層を形成し、表面にペイントを塗装して、直径42.7mmを有するゴルフボールを作製した。ディンプル総数Nを表3(実施例)および表4(比較例)に示す。実施例1、比較例1、2および5のゴルフボールのディンプル配列を図1に示し、実施例2のゴルフボールのディンプル配列を図4に示し、実施例3のゴルフボールのディンプル配列を図5に示し、比較例3のゴルフボールのディンプル配列を図2に示し、比較例4のゴルフボールのディンプル配列を図3に示した。得られたゴルフボールの比重M、ディンプル総容積V、圧縮変形量、飛距離、弾道高さおよび打球感を測定または評価し、上記V,NおよびMの値から積MVNを計算により求めた。それらの結果を同表に示した。試験方法は以下の通り行った。
(試験方法)
(1)カバー硬度
カバー用組成物をスラブ、即ち平板状にしたもののカバー材のみの硬度であり、カバー用組成物から射出成形により作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、そのシートを3枚重ねてASTM D‐2240に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用いて測定した。
(1)カバー硬度
カバー用組成物をスラブ、即ち平板状にしたもののカバー材のみの硬度であり、カバー用組成物から射出成形により作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、そのシートを3枚重ねてASTM D‐2240に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用いて測定した。
(4)ディンプル総容積
ディンプル総容積の測定は、ゴルフボール表面上のm種類のディンプルについて、以下の通りピックアップ式(接触式)表面形状測定機を用いて断面形状を測定し、その形状に基づいて個々のディンプルの容積、v1〜vmを求め、以下の式からそれぞれのディンプルの個数、n1〜nmに比例計算してゴルフボールのディンプル総容積Vを得る。
V =v1×n1+v2×n2+……+vm×nm
各ディンプル容積の測定は、測定しようとするディンプルの底部をピックアップ式表面形状測定機によってなぞり、図6に示すようなディンプルの一端Aから他端Bまでのチャートを作成し、得られたチャートから各点を座標化して、図9に示すように点Aおよび点Bを通る接線Cを引き、この接線Cとディンプル底とで囲まれる部分Dの容積を計算により求める。
ディンプル総容積の測定は、ゴルフボール表面上のm種類のディンプルについて、以下の通りピックアップ式(接触式)表面形状測定機を用いて断面形状を測定し、その形状に基づいて個々のディンプルの容積、v1〜vmを求め、以下の式からそれぞれのディンプルの個数、n1〜nmに比例計算してゴルフボールのディンプル総容積Vを得る。
V =v1×n1+v2×n2+……+vm×nm
各ディンプル容積の測定は、測定しようとするディンプルの底部をピックアップ式表面形状測定機によってなぞり、図6に示すようなディンプルの一端Aから他端Bまでのチャートを作成し、得られたチャートから各点を座標化して、図9に示すように点Aおよび点Bを通る接線Cを引き、この接線Cとディンプル底とで囲まれる部分Dの容積を計算により求める。
(2)圧縮変形量
ゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量(mm)を測定した。
ゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量(mm)を測定した。
(3)飛距離
ツルーテンパー社製スイングロボットにメタルヘッド製ウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を取り付け、ゴルフボールをヘッドスピード40m/秒、打出角11度、バックスピン量3000rpmとなるようにマシン条件を調整し、各ゴルフボールを10球ずつ打撃して飛距離としてトータル(発射地点からゴルフボールが静止する地点までの距離)を測定した。また同時に弾道高さを測定し、実施例1のゴルフボールの値を100とした時の指数で示した。この指数が大きくなるほど、弾道高さが大きいことを示す。いずれも10球の平均値を求め、各ゴルフボールの結果とした。弾道高さhは、弾道の最高頂点の地面からの高さを表し、打ち出し点と弾道の最高頂点を結んだ直線と地面との角度である弾道仰角θと、弾道の最高頂点から地面に下ろした垂線と地面の交点と打ち出し点との間の距離xとを測定し、式:h=x×tanθ
を用いて計算により求めた。
ツルーテンパー社製スイングロボットにメタルヘッド製ウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を取り付け、ゴルフボールをヘッドスピード40m/秒、打出角11度、バックスピン量3000rpmとなるようにマシン条件を調整し、各ゴルフボールを10球ずつ打撃して飛距離としてトータル(発射地点からゴルフボールが静止する地点までの距離)を測定した。また同時に弾道高さを測定し、実施例1のゴルフボールの値を100とした時の指数で示した。この指数が大きくなるほど、弾道高さが大きいことを示す。いずれも10球の平均値を求め、各ゴルフボールの結果とした。弾道高さhは、弾道の最高頂点の地面からの高さを表し、打ち出し点と弾道の最高頂点を結んだ直線と地面との角度である弾道仰角θと、弾道の最高頂点から地面に下ろした垂線と地面の交点と打ち出し点との間の距離xとを測定し、式:h=x×tanθ
を用いて計算により求めた。
(4)打球感
ゴルファー10人によるメタルヘッド製ウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を用いた実打テストにより打撃時の衝撃の大きさを評価する。評価は下記の判定基準により行った。最も多い評価をそのゴルフボールの結果とした。
判定基準
○:衝撃が小さくて良好な打球感である
△:普通
×:衝撃が大きくて悪い打球感である
ゴルファー10人によるメタルヘッド製ウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を用いた実打テストにより打撃時の衝撃の大きさを評価する。評価は下記の判定基準により行った。最も多い評価をそのゴルフボールの結果とした。
判定基準
○:衝撃が小さくて良好な打球感である
△:普通
×:衝撃が大きくて悪い打球感である
以上の結果から、本発明の実施例1〜3のゴルフボールは、比較例1〜4のゴルフボールに比べて、打球感が良好で、かつ飛行性能に優れていることがわかった。また、実施例1〜3のゴルフボールはすべて、ドロップせず、吹き上がりもしない良好な弾道形状を有した。
これに対して、比較例1および比較例4のゴルフボールでは、比重M、ディンプルの総容積V(mm3)およびディンプルの総数Nの3者の積MVNの値が小さいため、揚力を抑えきれずに吹き上がる弾道となっている。その結果、落下角度が大きくなり、ボールの落下点から停止点までの飛距離であるランが短くなってトータル飛距離が短くなっている。
比較例2および比較例3のゴルフボールでは、上記3者の積MVNの値が大きいため、揚力が抑えられ過ぎて弾道がドロップして飛距離が短くなっている。
比較例5のゴルフボールは、軽量ゴルフボールではなく通常のゴルフボールであり、VおよびNの値は実施例のゴルフボールと同様であるが、比重が大きいため、上記3者の積MVNの値が大きくなって飛距離が短くなっている。
Claims (3)
- コアと該コアを被覆するカバーとから成り、かつ該カバー表面に多数のディンプルが形成されて成るゴルフボールにおいて、
該カバーが熱可塑性樹脂を基材樹脂とするカバー用組成物から形成され、
該ゴルフボールが、比重0.85〜0.98および直径42.67〜42.90mmを有し、かつ
該ゴルフボールの比重をM、該ディンプルの総容積をV(mm3)およびディンプルの総数をNとした場合に、3者の積MVNの値が135000〜155000であり、該ディンプルの総数Nが350〜450であり、該ディンプルの総容積Vが330〜380mm 3 であることを特徴とする軽量ゴルフボール。 - 前記カバーが、ショアD硬度40〜60を有する請求項1記載のゴルフボール。
- 前記ゴルフボールが、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量3.0〜5.0mmを有する請求項1または2のいずれか1項記載のゴルフボール。
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Citations (5)
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JPH09299509A (ja) * | 1996-05-10 | 1997-11-25 | Bridgestone Sports Co Ltd | 糸巻きゴルフボール |
JPH10192447A (ja) * | 1997-01-10 | 1998-07-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ソリッドゴルフボール |
JPH10230023A (ja) * | 1997-02-18 | 1998-09-02 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフボール |
JPH10305115A (ja) * | 1997-05-08 | 1998-11-17 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴルフボール |
JP2000176049A (ja) * | 1998-12-18 | 2000-06-27 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ソリッドゴルフボール |
-
2010
- 2010-03-01 JP JP2010044522A patent/JP2010155097A/ja active Pending
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