JP2010144993A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品によって保存に適した酸素濃度が異なるため、冷蔵庫の庫内を、保存する食品に適した酸素濃度に制御可能とすることが必要であった。
【解決手段】少なくとも、食品を保存するための2つの空間(空間A7、空間B8)と、酸素除去及び富化機構9とを備えた冷蔵庫6において、前記酸素除去及び富化機構9による酸素の除去もしくは酸素の富化によって、空間A7における酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に、空間B8における酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御可能とした。
冷蔵庫6が酸素除去及び富化機構9を備えたことにより、食品を保存するための空間を様々な酸素濃度に設定できるために、食品に適した酸素濃度で保存でき、食品の長期保存が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも、食品を保存するための2つの空間(空間A7、空間B8)と、酸素除去及び富化機構9とを備えた冷蔵庫6において、前記酸素除去及び富化機構9による酸素の除去もしくは酸素の富化によって、空間A7における酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に、空間B8における酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御可能とした。
冷蔵庫6が酸素除去及び富化機構9を備えたことにより、食品を保存するための空間を様々な酸素濃度に設定できるために、食品に適した酸素濃度で保存でき、食品の長期保存が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は食品の長期保存を可能にした冷蔵庫に関するものである。
従来、庫内の酸素濃度を低減することによって食品の長期保存を狙った冷蔵庫がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
図2は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫を示すものである。図2に示すように、冷蔵庫1は、冷凍貯蔵空間2および冷蔵貯蔵空間3と、これら貯蔵空間とは独立して冷気流で冷却される減圧貯蔵空間4を設けるとともに、前記貯蔵空間内に密閉可能な収納容器5を配置して冷気流入による直接冷却あるいは密閉による間接冷却を可能とし、密閉空間とした際には空間内部の空気を排気して減圧状態とすることを可能にしたことを特徴とする。
この構成により、減圧貯蔵空間5に収納した貯蔵品を冷却することができるとともに、収納容器内の減圧により減圧大気中の酸素濃度を低下させるため、収納保存している食品と酸素とを遮断して、野菜の呼吸作用の抑制、油脂などの酸化抑制、酵素活性の抑制、および好気性微生物の活動抑制ができ、収納貯蔵品の鮮度を保持して長期保存することができる。
特許文献2については特許文献1と類似構造のため、図を用いた説明は省略するが、収納容器内部の酸素濃度を調整する手段として化学的酸素吸収剤と固体電解質膜素子を利用した構成である。
化学的酸素吸収剤と固体電解質膜素子の組み合わせにより、貯蔵空間内の酸素濃度をより効果的に低下させ、収納食品と酸素とを遮断して、野菜の呼吸作用の抑制、油脂などの酸化抑制、酵素の活性抑制、および好気性微生物の活動抑制ができ、貯蔵品の鮮度を保持して長期保存することができるとともに、関連構成が簡素化できてスペース効率を向上し、価格を低減することができる。また、真空ポンプなどの騒音もないため静音化がはかれ、かつ、取り扱いが簡易になって使い勝手を向上することができる。
特開2004−20113号公報
特開2005−257208号公報
上記従来の構成は、いずれも貯蔵空間内の酸素濃度を低減するものであり、野菜などを保存する場合には酸化劣化を抑制できるが、肉などは、低酸素濃度環境ではメト化が促進されるという特性を有するために、従来の冷蔵庫の酸素濃度を低減した収納容器内に肉などを保存する場合には、むしろ褐色化が進んでしまうという課題を有していた。
このように、食品によって保存に適した酸素濃度が異なり、大気中の酸素比率よりも低いほうが良いもの(例:野菜など)や高いほうが良いもの(例:肉など)があるため、従来の構成のように内部の酸素濃度を低減した収納容器を設けるのみでは、様々な種類の食品を保存するのは難しいという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、冷蔵庫の食品を保存するための空間を様々な酸素濃度に設定可能な構成とすることにより、様々な食品の長期保存を可能とした冷蔵庫を提供することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、食品を保存するための2つの空間(空間A、空間B)を有し、酸素除去及び富化機構による酸素の除去もしくは酸素の富化によって、空間Aの酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に、空間Bの酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御可能としたものである。
上記構成とすることにより、食品を保存するための空間を様々な酸素濃度に設定できるために、食品に適した酸素濃度で保存ができる。
本発明の冷蔵庫は、食品を保存するための空間を様々な酸素濃度に設定できるために、食品に適した酸素濃度で保存ができるので、より保鮮性を向上させた冷蔵庫を提供することが可能となる。
請求項1に記載の発明は、食品を保存するための2つの空間(空間A、空間B)と、酸素除去及び富化機構とを備えた冷蔵庫であって、前記酸素除去及び富化機構による酸素の除去もしくは酸素の富化によって、前記空間Aにおける酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に、前記空間Bにおける酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御可能とした冷蔵庫であることにより、空間を様々な酸素濃度に設定できるため、様々な食品の長期保存が可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記酸素除去及び富化機構が、前記空間Aの酸素を除去し、除去した酸素を前記空間Bへ送ることで両空間の酸素濃度を制御することにより、両者の空間の酸素濃度を同時に制御できるため、効率よく酸素が利用できる。また、この構成であると、両空間それぞれに機構を備える必要がなくなるため、低コスト化にもなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の酸素除去及び富化機構が、冷蔵庫の熱源の温度以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能であることにより、酸素の除去や富化に冷蔵庫の熱源を利用できるため、専用の熱源を備える必要がなく、低コスト化になる。
請求項4に記載の発明は、酸素除去及び富化機構が、常温以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能であることにより、機構の取り付け場所の制約が少なくなるため、より冷蔵庫の設計の自由度が向上する。
請求項5に記載の発明は、酸素除去及び富化機構が、電気を用いて酸素を低減する酸素ポンプであることにより、酸素ポンプは電流の付加で酸素の電気分解と電解合成を行う機構もしくは電気によって物理的に吸引を行う機構であるため、比較的容易に酸素濃度の制御ができ、酸素量のコントロールがしやすく確実に酸素低減を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の酸素ポンプが、固体高分子型であることにより、常温常圧での駆動が可能であることから、外部から熱を与える必要がなく、より容易に酸素濃度の制御ができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の酸素除去及び富化機構が、酸素吸脱着材であることにより、選択する材料によっては、低コスト化が可能である、大容量化が可能である、外部より電流を流す必要がないことで省エネルギーでの現酸素を行うことができるなどのメリットが得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図である。
図1において、冷蔵庫6は少なくとも食品を保存するための2つの空間(空間A7、空間B8)と酸素除去及び富化機構9とを備えた構成である。
冷蔵庫6は、内箱10と外箱11とで構成され、内箱10と外箱11の間に断熱材12を充填することにより庫内への外部からの熱の侵入を抑制している。
冷蔵庫6の冷却方式について説明する。冷媒を圧縮機13で圧縮することで高温高圧のガスとし、これを凝縮器で放熱することで液化する。次に液化した冷媒をキャピラリーチューブで減圧し、蒸発器14で気化し、周囲から熱を奪うことで庫内を冷やす。冷媒は再びサクションパイプを通り、圧縮機13に戻る。
酸素除去及び富化機構には、酸素ポンプや酸素吸脱着材などがあり、酸素除去及び富化機構は、酸素の除去や富化に外部からの入力、例えば、温度、圧力、電流、還元ガスなどを必要とするが、本発明では冷蔵庫の熱源として機器の廃熱を利用してより省エネルギーで外部入力を構成することができる。
また、冷蔵庫の熱源として利用できる機器は、運転中に常温よりも温度が高くなる構成部品を指し、例えば、除霜ヒーター、コンプレッサー、ファンモーターなどがある。
以上のように構成された冷蔵庫6について、以下その動作、作用を説明する。
まず、空間A7は、酸素除去及び富化機構9による酸素の除去で、酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に、空間B8は、酸素の富化で、酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御可能である。
空間A7にブロッコリーとレタスを、空間B8に牛肉とマグロを保存したところ、酸素濃度を制御しない通常の冷蔵庫で保存した場合に比べて、変色が抑制された。
従って、それぞれの食品に適した酸素濃度にすることが可能な空間を有する本発明の冷蔵庫により、食品の外観を損なうことなく長期保存が可能となる。
なお、空間A7と空間B8は必ずしも図1に記載の場所である必要はなく、自由に設定可能である。また、酸素除去及び富化機構9も必ずしも図1に記載の場所である必要はなく、酸素除去及び富化機構の特性に合わせて自由に設定可能である。
また、空間A7、空間B8が隣接している場合には、両空間を隔てる壁に酸素除去及び富化機構を取り付けることで直接的に酸素を移動することも可能であるが、両空間が離れている場合などでは、両空間の間に気体が通る通路を設けて気体が移動できるようにしてもよい。また、両空間の間に酸素を溜めておく機構や酸素を逃す機構などを設けてもよい。これによって、両空間の酸素濃度の制御がより容易になる。
運転中に常温よりも温度が高くなる構成部品である冷蔵庫の熱源の中でも除霜ヒーターは最大で500℃程度の温度になり、効果的に利用することができる。こういった熱源の利用方法について、酸素除去及び富化機構のうち、酸素吸脱着材を例に挙げて説明する。
ただし、熱源の利用方法はこの限りではなく、酸素除去及び富化機構の種類や冷蔵庫の各室のレイアウト、その他部品のレイアウトなど、状況に応じて自由に変更できる。
富化機構を動作させるために外部入力が必要なものの中で、酸素の吸着・脱着ともに常温より高い温度が必要、かつ酸素の脱着に必要な外部入力が温度以外のものである場合は、酸素吸脱着材を熱源の近傍に設置し、空間A7内の気体を、酸素吸脱着材まで送って酸素を吸着させ、酸素が除かれた気体を空間A7に戻す。一方で、吸着した酸素を前述の外部からの入力を利用して脱着させ、脱着した酸素を空間B8に送る、などの利用方法が考えられる。
また、酸素の吸着が常温以下の温度で可能、かつ酸素の脱着に必要な外部入力が温度である場合は、空間A7内の気体を酸素吸脱着材に吸着させ、酸素を吸着した状態の酸素吸脱材を熱源付近まで動かし、熱源で加熱することで酸素を脱着させ、脱着した酸素を空間B8に送る、などの利用方法が考えられる。
前述の通り、固体電解質には、セラミック型と固体高分子型があるが、セラミック型の駆動には600℃の温度が必要であるのに対し、固体高分子型は常温での駆動が可能であるため、冷蔵庫での適用においては、セラミック型よりも固体高分子型のほうが望ましい。特に冷媒として可燃性冷媒を使用する冷蔵庫では固体高分子型が望ましい。
固体高分子型の酸素ポンプは、イオン交換膜の表裏両面に少なくともガス拡散電極を有した構造であり、電極の外側には電圧低下の抑制を狙いとして集電体を有していても良い。
交換膜や電極に使用する材料は特に指定するものではないが、その能力から交換膜は、Nafion膜が望ましく、電極は、Pt触媒担持電極が望ましい。
酸素吸脱着材の吸脱着機構には、材料中の遷移金属の酸化還元、構造中へのインターカレーション、材料の電荷バランスの崩れ(材料がプラスに帯電し、マイナスの酸素を取り込むことでバランスを取ろうとする)、酸素格子欠陥よる酸素の移動、多孔体への出入りなどがあるが、特に指定するものではなく、これらの機構が複数組み合わさったものでも良い。
材料としては、セリア系固溶体、層状化合物(デラフォサイト型層状酸化物など)、マイエナイト、カルシウムフェライト、血液類似物質(鉄系包接錯体、銅二核錯体など)などがあり、特に指定するものではないが、環境適正を考慮すると、PR−TR指定物質であるコバルトを含まない材料であることが望ましい。
以下、実施例を用いて、実施の形態をより詳細に説明する。
(実施例1)
冷蔵庫6において、酸素除去及び富化機構9として酸素ポンプを使用した。酸素ポンプは固体高分子型であり、イオン交換膜としてNafion膜、電極としてPt触媒担時電極を使用した構成である。なお、この酸素ポンプは常温での駆動が可能である。
冷蔵庫6において、酸素除去及び富化機構9として酸素ポンプを使用した。酸素ポンプは固体高分子型であり、イオン交換膜としてNafion膜、電極としてPt触媒担時電極を使用した構成である。なお、この酸素ポンプは常温での駆動が可能である。
酸素除去及び富化機構9による空間A7及び空間B8の酸素濃度の制御は下記のように行った。
空間A7内の気体を空間A7と空間B8の間に設置した酸素ポンプに送り、−電極における(式1)の反応により酸素を消費させた。酸素が少なくなった気体を空間A7に戻すことで空間A7内の酸素濃度を2%まで下げた。次に、+電極で(式2)の反応により酸素を生成させ、生成した酸素を空間B8に送ることで空間B8内の酸素濃度を30%まで上げた。
O2+4H++4e−→2H2O(式1)
2H2O→O2+4H++4e−(式2)
このように、酸素ポンプとは、固体電解質を用いた機構を指し、その機構は、外部より電流を流すことにより電極反応が生じることを利用したもので、膜内をH+が移動することで、−電極で(式1)の反応によって酸素を消費し、+電極で(式2)の反応によって酸素を生成するものである。
2H2O→O2+4H++4e−(式2)
このように、酸素ポンプとは、固体電解質を用いた機構を指し、その機構は、外部より電流を流すことにより電極反応が生じることを利用したもので、膜内をH+が移動することで、−電極で(式1)の反応によって酸素を消費し、+電極で(式2)の反応によって酸素を生成するものである。
なお、固体電解質にはセラミック型や固体高分子型があり、特に指定するものではない。
空間A7にブロッコリーとレタスを、空間B8に牛肉とマグロを保存したところ、酸素濃度を制御しない通常の冷蔵庫で保存した場合に比べて、変色が抑制された。
食品を保存する環境の酸素濃度が食品の保鮮に与える影響について、実験を例に用いて説明する。
ブロッコリーとレタスをカットした後、酸素濃度を2%または21%とした空間内で、5℃にて8日間保存した。
このとき、酸素濃度21%の空間で保存したものには切り口に変色が見られた(ブロッコリーは黒く、レタスは赤く変色)が、2%では変色が見られなかった。変色は酸化によるものと推測される。従って、野菜類は酸素濃度の低い環境下で保存することが望ましいと考える。
次に、牛肉とマグロの切り身を、酸素濃度を2%または21%とした空間内で、−18℃にて5日間保存した。
酸素濃度21%の空間で保存したものはいずれも鮮やかな赤色を呈していたが、2%では褐色に変色した。変色はわずかに残った酸素によりメト化が促進されたことによるものと推測する。
さらにこれに30%という条件を追加して再度試験を行い、それぞれの色の変化を評価した。色彩値のうち、a*値は小さいほど褐色化が進んでいることを示すが、各条件での保存後のa*値は2%<21%<30%であったことから、肉魚類は酸素濃度の高い環境下で保存することが望ましいと考える。
このように、実験では、野菜類は酸素濃度の低い環境、肉魚類は酸素濃度の高い環境での保存が、適していることが確認された。
従って、本発明の冷蔵庫は、食品を保存するための空間を様々な酸素濃度に制御することが可能であることにより、様々な食品を保存する場合においてもそれに適した酸素濃度環境下で保存することが可能であるため、長期保存が可能となる。
ここで、前記空間A、空間Bは、いわゆる冷蔵室、冷凍室などと呼ばれる各室全体であっても、各室のうちの仕切られた一部分であっても良い。
また、前記空間A、空間Bの温度帯は特に指定するものではなく、同一であっても異なっていても良い。
また、前記冷蔵庫は、冷蔵室、冷凍室、野菜室、チルド室など様々な温度帯の保存空間を有していても良く、そのレイアウトは特に指定するものではない。
また、酸素濃度の制御が可能な空間は2つ以上ならばその数は特に指定するものではなく、空間Aのように酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に制御可能な空間が2つ、空間Bのように酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御可能な空間が1つというように自由に組合せることが可能である。
また、前記冷蔵庫の冷却方式も、気化圧縮型、気化吸収型、ペルチェ効果型など特に指定するものではない。
また、前記酸素除去及び富化機構には、酸素ポンプや酸素吸脱着材などがあるが、特に指定するものではない。なお、前記酸素除去及び富化機構は、酸素の除去や富化に外部からの入力、例えば、温度、圧力、電流、還元ガスなどを必要とするが、本発明では冷蔵庫の熱源として機器の廃熱を利用してより省エネルギーで外部入力を構成することができるが、こういった外部入力の種類も特に指定するものではない。
また、前記酸素除去及び富化機構は、前記空間Aに、空間B個別に備えても良く、両方の空間を同時に制御することが可能な機構を用いるのであれば1つを備えるだけでも良い。前者では酸素濃度の制御がより容易になり、後者では低コスト化になる。
なお、前記空間A、空間Bには抗菌・静菌、殺菌・滅菌など菌の繁殖を抑制する機能または菌を殺す機能を備えていても良く、例えば、炭酸ガス、紫外線、オゾン、アルコールなどがあるが、特に指定するものではなく、これらを組合せても良い。また、特に前記空間Bには備えることが望ましい。
なお、前記空間A、空間Bは、酸素濃度の変化によって大気圧よりも減圧または高圧になることから、空間を形成する壁の強度を高めておくことが望ましい。また、圧力差により空間の外から中もしくは中から外へ、気体がリークする可能性があるため、空間を形成する壁と壁の間のシール性を高めておくことが望ましい。
(実施例2)
冷蔵庫6において、酸素除去及び富化機構9として酸素吸脱着材を使用した。酸素吸脱着材としては、マイエナイトを使用した。この材料は400℃以上での酸素吸脱着が可能であるため、蒸発器14に付着する霜を溶融するために蒸発器14の下に設けられた除霜ヒーター15を熱源として利用した。なお、熱源の熱を利用するため、酸素除去及び富化機構9は除霜ヒーター15の近傍に設置した。
冷蔵庫6において、酸素除去及び富化機構9として酸素吸脱着材を使用した。酸素吸脱着材としては、マイエナイトを使用した。この材料は400℃以上での酸素吸脱着が可能であるため、蒸発器14に付着する霜を溶融するために蒸発器14の下に設けられた除霜ヒーター15を熱源として利用した。なお、熱源の熱を利用するため、酸素除去及び富化機構9は除霜ヒーター15の近傍に設置した。
酸素除去及び富化機構9による空間A7及び空間B8の酸素濃度の制御は下記のように行った。
空間A7内の気体を熱源の近傍に設置した酸素吸脱着材まで送り、酸素を吸脱着材に吸着させた。酸素が少なくなった気体を空間A7に戻すことで空間A7内の酸素濃度を8%まで下げた。次に、吸着した酸素を還元ガス還流により脱着させ、脱着した酸素を空間B8に送ることで空間B8の酸素濃度を40%まで上げた。
空間A7にブロッコリーとレタスを、空間B8に牛肉とマグロを保存したところ、酸素濃度を制御しない通常の冷蔵庫で保存した場合に比べて、変色が抑制された。
なお、酸素吸脱着材の熱源として除霜ヒーターを利用したが、使用する酸素吸脱着材の特性に合わせて違う部品を熱源として利用することも可能である。
(実施例3)
冷蔵庫6において、酸素除去及び富化機構9として酸素吸脱着材を使用した。酸素吸脱着材としては、血液類似物質の一つである鉄系包接錯体を使用した。なお、この材料は常温での酸素の吸脱着が可能である。
冷蔵庫6において、酸素除去及び富化機構9として酸素吸脱着材を使用した。酸素吸脱着材としては、血液類似物質の一つである鉄系包接錯体を使用した。なお、この材料は常温での酸素の吸脱着が可能である。
酸素吸脱着機構9による空間A7及び空間B8の酸素濃度の制御は下記のように行った。
空間A7内の酸素を空間A7内に設置した酸素吸脱着材に吸着させ、空間A7内の酸素濃度を5%まで下げた。次に、酸素吸脱着材を空間A7の外に動かし、吸着した酸素を還元ガス還流により脱着させ、脱着した酸素を空間B8に送ることで空間B8の酸素濃度を35%まで上げた。
空間A7にブロッコリーとレタスを、空間B8に牛肉とマグロを保存したところ、酸素濃度を制御しない通常の冷蔵庫で保存した場合に比べて、変色が抑制された。
なお、実施の形態1及び実施例では食品の一例として、ブロッコリー、レタス、牛肉、マグロを使用したが、保存可能な食品はこれらに限定されることなく、他の食品の保存も可能である。また、酸素除去及び富化機構についても、実施例に挙げたものに限定されることなく、他の機構を使用しても良い。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、様々な種類の食品を保存する必要がある場合においても、食品に合わせた酸素濃度環境で保存ができるために長期保存が可能となる。従って、一般家庭用冷蔵庫に限らず、業務用冷蔵庫や倉庫などにも適用できる。また、食品を運送する際の劣化も抑制できるため、冷蔵車や冷凍車などの運搬手段などにも適用できる。
6 冷蔵庫
7 空間A
8 空間B
9 酸素除去及び富化機構
7 空間A
8 空間B
9 酸素除去及び富化機構
Claims (7)
- 食品を保存するための2つの空間(空間A、空間B)と、酸素除去及び富化機構とを備えた冷蔵庫であって、前記酸素除去及び富化機構による酸素の除去もしくは酸素の富化によって、前記空間Aにおける酸素濃度を大気中の酸素比率よりも低い条件に制御するとともに前記空間Bにおける酸素濃度を大気中の酸素比率よりも高い条件に制御する制御部を備えた冷蔵庫。
- 酸素除去及び富化機構によって空間Aから除去した酸素を空間Bへ送ることで両空間の酸素濃度を制御する制御部を備えた請求項1に記載の冷蔵庫。
- 酸素除去及び富化機構が、冷蔵庫の熱源の温度以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能である請求項1または2に記載の冷蔵庫。
- 酸素除去及び富化機構が、常温以下の温度域で酸素の除去及び富化が可能である請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
- 酸素除去及び富化機構が、電気を用いて酸素を低減する酸素ポンプである請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
- 酸素ポンプが、固体高分子型である請求項5に記載の冷蔵庫。
- 酸素除去及び富化機構が、酸素吸脱着材である請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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