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JP2010143364A - 電動車両の制御装置 - Google Patents

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JP2010143364A JP2008321967A JP2008321967A JP2010143364A JP 2010143364 A JP2010143364 A JP 2010143364A JP 2008321967 A JP2008321967 A JP 2008321967A JP 2008321967 A JP2008321967 A JP 2008321967A JP 2010143364 A JP2010143364 A JP 2010143364A
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Abstract

【課題】自動変速機による変速時、トルクフェーズとイナーシャフェーズを含めて変速中に目標駆動力を実現することで、変速前後にて発生し得る変速ショックを抑えた高品質の変速制御を達成することができる電動車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】モータージェネレータMGを有する駆動源の下流位置に、摩擦締結要素の掛け替えにより複数の変速段を達成する自動変速機ATを搭載し、自動変速機ATによる変速時、摩擦締結要素の掛け替えを行うと共に、イナーシャフェーズでは、実入力回転数が設定された目標入力回転数特性に追従するように、モーター回転数をフィードバック制御する。このFRハイブリッド車両において、変速制御手段(図6)は、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて、変速中に要求される出力軸トルク特性による目標駆動力を設定し、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通して目標駆動力に追従するように、変速に関与する前記摩擦締結要素のトルク制御を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、ハイブリッド車両や電気自動車等に適用され、モーターを有する駆動源の下流位置に自動変速機を搭載した電動車両の制御装置に関する。
従来、駆動源としてモータージェネレータを備えるとともに、摩擦係合要素の係合により所定の変速段を達成する自動変速機を備えた電動車両が知られている。そして、変速時に、自動変速機の変速中の目標入力回転数特性を設定し、自動変速機の実際の入力回転数が、設定された目標入力回転数特性をトレースするように、モータージェネレータの回転数をフィードバック制御していた。これにより、モータージェネレータにより自動変速機の入力回転数を精度良く制御することで、変速ショックをなくしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平10-257610号公報
しかしながら、従来の電動車両の制御装置にあっては、変速フェーズのうち、トルクフェーズにおいて、変速機入力回転数の変化を促しイナーシャフェーズへ円滑に移行するように摩擦係合要素の掛け替え制御を行い、イナーシャフェーズにおいてのみ目標入力回転数に追従するモータージェネレータの回転数制御を行うものである。このため、トルクフェーズでの駆動力(=出力軸トルク)は、変速機入力トルクと摩擦係合要素の開放トルクと締結トルクに支配され、ドライバーが意図する駆動力が実現できない、という問題があった。
ここで、「トルクフェーズ」とは、変速の進行途中で発生するフェーズの一つであり、変速機入力回転数が変化しないで出力軸トルクのみが変化する相をいう。
また、「イナーシャフェーズ」とは、変速の進行途中で発生するフェーズの一つであり、駆動源系の慣性力(イナーシャ)の変化によって変速機入力回転数が変化する相をいう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、自動変速機による変速時、トルクフェーズとイナーシャフェーズを含めて変速中に目標駆動力を実現することで、変速前後にて発生し得る変速ショックを抑えた高品質の変速制御を達成することができる電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の制御装置では、モーターを有する駆動源の下流位置に、摩擦締結要素の掛け替えにより複数の変速段を達成する自動変速機を搭載し、前記自動変速機による変速時、摩擦締結要素の掛け替えを行うと共に、イナーシャフェーズでは、実入力回転数が設定された目標入力回転数特性に追従するように、モーター回転数をフィードバック制御する変速制御手段を備えている。
この電動車両の制御装置において、前記変速制御手段は、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて、変速中に要求される出力軸トルク特性による目標駆動力を設定し、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通して前記目標駆動力に追従するように、変速に関与する前記摩擦締結要素のトルク制御を行う。
よって、本発明の電動車両の制御装置にあっては、自動変速機による変速時、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通して目標駆動力に追従するように、変速に関与する摩擦締結要素のトルク制御が行なわれる。そして、イナーシャフェーズでは、実入力回転数が設定された目標入力回転数特性に追従するように、モーター回転数がフィードバック制御される。
すなわち、トルクフェーズにおいて、変速に関与する摩擦締結要素のトルク制御を活用することで、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通した変速全域にて駆動力を目標駆動力に追従させる駆動力デマンドが実現される。したがって、目標駆動力を滑らかで連続的な変化を持つ設定とすることで、変速前後を通して目標駆動力に追従する実駆動力の変化も滑らかなものとなり、実駆動力の急変を原因として車両の前後方向加速度が変動する現象である「変速ショック」が有効に抑えられる。
この結果、自動変速機による変速時、トルクフェーズとイナーシャフェーズを含めて変速中に目標駆動力を実現することで、変速前後にて発生し得る変速ショックを抑えた高品質の変速制御を達成することができる。
以下、本発明の電動車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の電動車両の制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータージェネレータMG(モーター)と、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
前記エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記第1クラッチCL1は、前記エンジンEngとモータージェネレータMGの間に介装されたクラッチであり、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、半クラッチ状態を含み締結・開放が制御される。
前記モータージェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータージェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータージェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータージェネレータMGのロータは、ダンパーを介して自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。
前記第2クラッチCL2は、前記モータージェネレータMGと左右後輪RL,RRの間に介装されたクラッチであり、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。なお、第1クラッチ油圧ユニット6と第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵している。
前記自動変速機ATは、例えば、前進7速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
前記第1クラッチCL1としては、例えば、ピストン14aを有する油圧アクチュエータ14により締結・開放が制御される乾式単板クラッチが用いられる。前記第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。このハイブリッド駆動系は、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)とハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)の2つの走行モードを有する。「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータージェネレータMGの動力のみで走行するモードである。「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、エンジン走行モード・モータアシスト走行モード・走行発電モードの何れかにより走行するモードである。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。
前記モータコントローラ2は、モータージェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータージェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータージェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
前記第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。なお、シフトマップとは、アクセル開度と車速に応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップをいう。上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モーター回転数Nmを検出するモーター回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施例1の電動車両の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、FRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。以下、図2及び図3に基づき、実施例1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。
前記統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。
前記目標駆動力演算部100では、目標駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
前記モード選択部200では、図3に示すEV-HEV選択マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、「EVモード」または「HEVモード」を目標走行モードとして選択する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEVモード」を目標走行モードとする。
前記目標充放電演算部300では、目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力tP等の入力情報に基づき、動作点到達目標として、目標エンジントルクと目標MGトルクと目標MG回転数と目標CL1トルクと目標CL2トルクを演算する。そして、目標エンジントルク指令と目標MGトルク指令と目標MG回転数指令と目標CL1トルク指令と目標CL2トルク指令を、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。
図4は、実施例1の電動車両の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATの一例を示すスケルトン図である。
前記自動変速機ATは、前進7速後退1速の有段式自動変速機であり、エンジンEgとモータージェネレータMGのうち、少なくとも一方からの駆動力が変速機入力軸Inputから入力され、4つの遊星ギアと7つの摩擦締結要素とによって回転速度が変速されて変速機出力軸Outputから出力される。次に、変速機入力軸Inputと変速機出力軸Outputとの間の変速ギア機構(変速機構)について説明する。
変速機入力軸Input側から変速機出力軸Output側までの軸上に、順に第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2による第1遊星ギアセットGS1及び第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4による第2遊星ギアセットGS2が配置されている。また、摩擦締結要素として第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3及び第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4が配置されている。また、第1ワンウェイクラッチF1と第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。
前記第1遊星ギアG1は、第1サンギアS1と、第1リングギアR1と、両ギアS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を支持する第1キャリアPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記第2遊星ギアG2は、第2サンギアS2と、第2リングギアR2と、両ギアS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリアPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記第3遊星ギアG3は、第3サンギアS3と、第3リングギアR3と、両ギアS3,R3に噛み合う第3ピニオンP3を支持する第3キャリアPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記第4遊星ギアG4は、第4サンギアS4と、第4リングギアR4と、両ギアS4,R4に噛み合う第4ピニオンP4を支持する第4キャリアPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記変速機入力軸Inputは、第2リングギアR2に連結され、走行用駆動源(エンジンEgとモータージェネレータMG)からの回転駆動力を入力する。前記変速機出力軸Outputは、第3キャリアPC3に連結され、出力回転駆動力を、ファイナルギア等を介して駆動輪(左右後輪RL,RR)に伝達する。
前記第1リングギアR1と第2キャリアPC2と第4リングギアR4とは、第1連結メンバM1により一体的に連結される。前記第3リングギアR3と第4キャリアPC4とは、第2連結メンバM2により一体的に連結される。前記第1サンギアS1と第2サンギアS2とは、第3連結メンバM3により一体的に連結される。
前記第1遊星ギアセットGS1は、第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3とによって連結することで、4つの回転要素を有して構成される。また、第2遊星ギアセットGS2は、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とを、第2連結メンバM2によって連結することで、5つの回転要素を有して構成される。
前記第1遊星ギアセットGS1では、トルクが変速機入力軸Inputから第2リングギアR2に入力され、入力されたトルクは第1連結メンバM1を介して第2遊星ギアセットGS2に出力される。前記第2遊星ギアセットGS2では、トルクが変速機入力軸Inputから直接第2連結メンバM2に入力されると共に、第1連結メンバM1を介して第4リングギアR4に入力され、入力されたトルクは第3キャリアPC3から変速機出力軸Outputに出力される。
前記第1クラッチC1(インプットクラッチI/C)は、変速機入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接するクラッチである。前記第2クラッチC2(ダイレクトクラッチD/C)は、第4サンギアS4と第4キャリアPC4とを選択的に断接するクラッチである。前記第3クラッチC3(H&LRクラッチH&LR/C)は、第3サンギアS3と第4サンギアS4とを選択的に断接するクラッチである。
また、前記第2ワンウェイクラッチF2は、第3サンギアS3と第4サンギアS4の間に配置されている。これにより、第3クラッチC3が開放され、第3サンギアS3よりも第4サンギアS4の回転速度が大きい時、第3サンギアS3と第4サンギアS4とは独立した回転速度を発生する。よって、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギアが独立したギア比を達成する。
前記第1ブレーキB1(フロントブレーキFr/B)は、第1キャリアPC1の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、第1ブレーキB1と並列に配置されている。前記第2ブレーキB2(ローブレーキLOW/B)は、第3サンギアS3の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。前記第3ブレーキB3(2346ブレーキ2346/B)は、第1サンギアS1及び第2サンギアS2を連結する第3連結メンバM3の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。前記第4ブレーキB4(リバースブレーキR/B)は、第4キャリアPC3の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。
図5は、実施例1の電動車両の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATでの変速段ごとの各摩擦締結要素の締結状態を示す締結作動表である。なお、図2において、○印は当該摩擦締結要素が締結状態であることを示し、(○)印は少なくともエンジンブレーキ作動時に当該摩擦締結要素が締結状態であることを示し、無印は当該摩擦締結要素が開放状態であることを示す。
上記のように構成された変速ギア機構に設けられた各摩擦締結要素のうち、締結していた1つの摩擦締結要素を開放し、開放していた1つの摩擦締結要素を締結するという掛け替え変速を行うことで、下記のように、前進7速で後退1速の変速段を実現することができる。
すなわち、「1速段」では、第2ブレーキB2のみが締結状態となり、これにより第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2が係合する。「2速段」では、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3が締結状態となり、第2ワンウェイクラッチF2が係合する。「3速段」では、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3及び第2クラッチC2が締結状態となり、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2はいずれも係合しない。「4速段」では、第3ブレーキB3、第2クラッチC2及び第3クラッチC3が締結状態となる。「5速段」では、第1クラッチC1、第2クラッチC2及び第3クラッチC3が締結状態となる。「6速段」では、第3ブレーキB3、第1クラッチC1及び第3クラッチC3が締結状態となる。「7速段」では、第1ブレーキB1、第1クラッチC1及び第3クラッチC3が締結状態となり、第1ワンウェイクラッチF1が係合する。「後退速段」では、第4ブレーキB4、第1ブレーキB1及び第3クラッチC3が締結状態となる。
ここで、図1に示す第2クラッチCL2としては、各変速段にて締結される摩擦締結要素を選択可能であるが、例えば、「1速段〜3速段」で第2ブレーキB2、「4速段」で第2クラッチC2、「5速段」で第3クラッチC3、「6速段と7速段」で第1クラッチC1が用いられる。
図6は、実施例1の統合コントローラ10にて実行される変速機入力回転数制御処理の流れを示すフローチャートである(変速制御手段)。以下、図6に示す各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、第1クラッチCL1が開放されている「EVモード」のときに実行される。
ステップS101では、変速制御中であるか否かを判断し、YES(変速制御中である)の場合はステップS103へ進み、NO(変速制御中でない)の場合はステップS102へ進む。
ここで、変速制御中とは、変速指令の出力時から変速終了処理制御の完了時点までのことをいう。なお、変速指令は、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まるシフトマップ上での運転点が、アップシフト線を横切ったらアップシフト変速指令が出力され、ダウンシフト線を横切ったらダウンシフト変速指令が出力される。
ステップS102では、ステップS101での変速制御中でないとの判断に続き、モータージェネレータMGにより目標駆動力や回生制動力に合わせるトルク制御を行い、リターンへ進む。
ステップS103では、ステップS101での変速制御中であるとの判断に続き、変速機入力回転数が変化中であるか否か、言い換えると、トルクフェーズからイナーシャフェーズに移行したか否かを判断し、YES(回転変化中である)の場合にはステップS108へ進み、NO(回転変化中でない)の場合はステップS104へ進む。
ステップS104では、ステップS103での回転変化中でないとの判断に続き、トルクフェーズでの目標駆動力(1)を設定し、ステップS105へ進む。
ここで、トルクフェーズでの目標駆動力(1)は、例えば、アクセル足離しによるコーストダウンシフトの変速時、負の一定値に設定される。
ステップS105では、ステップS104でのトルクフェーズでの目標駆動力(1)の設定に続き、掛け替え変速による開放側摩擦締結要素の油圧値と締結側摩擦締結要素の油圧値を、目標駆動力(1)を実現する油圧値に決定し、ステップS106へ進む。
ステップS106では、ステップS105での目標駆動力(1)を実現する油圧値の決定に続き、開放側摩擦締結要素へのソレノイド電流値と締結側摩擦締結要素へのソレノイド電流値を、決定した油圧値を実現するソレノイド電流値に決定し、ステップS107へ進む。
ステップS107では、ステップS106での決定した油圧値を実現するソレノイド電流値の決定に続き、開放側摩擦締結要素の油圧制御アクチュエータと、締結側摩擦締結要素の油圧制御アクチュエータに対し、それぞれ決定したソレノイド電流値を出力することによる駆動力デマンドによる変速制御を行い、リターンへ進む。
すなわち、トルクフェーズにおいては、開放側摩擦締結要素の開放トルクと締結側摩擦締結要素の締結トルクの総容量をコントロールすることで目標駆動力(1)を実現している。
ステップS108では、ステップS103での回転変化中であるとの判断に続き、締結側摩擦締結要素の差回転が無くなる回転同期判定条件(=ギア比が変速後ギア比に完全移行した条件)が成立したか否かを判断し、YES(回転同期判定条件成立)の場合はステップS113へ進み、NO(回転同期判定条件不成立)の場合はステップS109へ進む。
ステップS109では、ステップS108での回転同期判定条件不成立であるとの判断に続き、イナーシャフェーズでの目標駆動力(2)を設定し、ステップS110へ進む。
ここで、イナーシャフェーズでの目標駆動力(2)は、例えば、アクセル足離しによるコーストダウンシフトの変速時、負の一定値(トルクフェーズでの目標駆動力(1)と同じ値)に設定される。
ステップS110では、ステップS109でのイナーシャフェーズでの目標駆動力(2)の設定に続き、掛け替え変速による開放側摩擦締結要素の油圧値と締結側摩擦締結要素の油圧値を、目標駆動力(2)を実現する油圧値に決定し、ステップS111へ進む。
ここで、例えば、アクセル足離しによるコーストダウンシフトの変速時には、開放側摩擦締結要素の油圧値をゼロに決定し、締結側摩擦締結要素の油圧値を、目標駆動力(2)を実現する油圧値に決定する。
ステップS111では、ステップS110での目標駆動力(2)を実現する油圧値の決定に続き、開放側摩擦締結要素へのソレノイド電流値と締結側摩擦締結要素へのソレノイド電流値を、決定した油圧値を実現するソレノイド電流値に決定し、ステップS112へ進む。
ステップS112では、ステップS111での決定した油圧値を実現するソレノイド電流値の決定に続き、モータージェネレータMGによる回転FB制御と駆動力デマンドによる変速制御を行い、リターンへ進む。
ここで、モータージェネレータMGによる回転FB制御では、自動変速機ATへの実入力回転数が設定された目標入力回転数特性に追従するように、モータージェネレータMGの回転数をフィードバック制御される。
また、駆動力デマンドによる変速制御は、開放側摩擦締結要素の油圧制御アクチュエータと、締結側摩擦締結要素の油圧制御アクチュエータに対し、それぞれ決定したソレノイド電流値を出力することにより行われる。すなわち、イナーシャフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクをゼロとし、締結側摩擦締結要素の締結トルクをコントロールすることで目標駆動力(2)を実現している。
ステップS113では、ステップS108での回転同期判定条件成立との判断に続き、開放側摩擦締結要素を完全開放状態に移行し、締結側摩擦締結要素を完全締結状態に移行し、モータージェネレータMGを回転FB制御からトルク制御に移行することで、変速終了処理(後処理)制御を行い、リターンへ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1のFRハイブリッド車両の制御装置における作用を、「変速制御作用」、「コーストダウンシフトでの変速制御作用」に分けて説明する。
[変速制御作用]
以下、図6のフローチャートに基づいて、実施例1のFRハイブリッド車両の変速制御作用を説明する。
変速制御中でないときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→リターンへと進む流れが繰り返され、ステップS102では、モータージェネレータMGにより目標駆動力や回生制動力に合わせたトルク制御が行われる。
そして、変速制御が開始されると、変速制御開始域では入力回転数の変化がないトルクフェーズとなるため、図6のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106→ステップS107→リターンへと進む流れが繰り返される。すなわち、ステップS104では、トルクフェーズでの目標駆動力(1)が設定され、ステップS105では、目標駆動力(1)を実現する油圧値が決定され、ステップS106では、油圧値を実現するソレノイド電流値が決定される。次のステップS107では、モータージェネレータMGによるトルク制御を維持しながら、駆動力デマンドによる変速制御(トルクフェーズ油圧制御)が行われる。
したがって、変速制御開始後のトルクフェーズにおいては、開放側摩擦締結要素の開放トルクと締結側摩擦締結要素の締結トルクの総容量をコントロールすることで、目標駆動力(1)が実現される。
そして、トルクフェーズからイナーシャフェーズへと移行し入力回転数が変化すると、図6のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS103→ステップS108→ステップS109→ステップS110→ステップS111→ステップS112→リターンへと進む流れが繰り返される。すなわち、ステップS109では、イナーシャフェーズでの目標駆動力(2)が設定され、ステップS110では、目標駆動力(2)を実現する油圧値が決定され、ステップS111では、油圧値を実現するソレノイド電流値が決定される。そして、ステップS112では、モータージェネレータMGによる回転FB制御と駆動力デマンドによる変速制御(イナーシャフェーズ油圧制御)が行われる。
したがって、変速制御中のイナーシャフェーズにおいては、モータージェネレータMGがトルク制御から回転数制御へと移行し、モータージェネレータMGによる回転FB制御により、自動変速機ATへの実入力回転数を、設定された目標入力回転数特性に追従させる制御が行われる。
また、変速制御中のイナーシャフェーズにおいては、開放側摩擦締結要素の開放トルクをゼロとし、締結側摩擦締結要素の締結トルクのみをコントロールすることで、目標駆動力(2)が実現される。
そして、自動変速機ATの入力回転数変化が停止し、回転同期判定条件が成立すると、図6のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS103→ステップS108→ステップS113→リターンへと進む流れが繰り返される。すなわち、ステップS113では、開放側摩擦締結要素を完全開放状態に移行させ、締結側摩擦締結要素を完全締結状態に移行させ、モータージェネレータMGを回転数制御からトルク制御に移行させることで、変速終了処理(後処理)制御が行われる。
したがって、変速制御中の変速終了フェーズにおいては、締結側摩擦締結要素への入力回転数と出力回転数の差回転が無くなった状態で、締結側摩擦締結要素が完全締結状態に移行する。
[コーストダウンシフトでの変速制御作用]
図7は、変速パターンの一例であるコーストダウンシフトでの変速制御作用を説明するアクセル開度・ギア位置・駆動力・入力回転数・指示油圧・クラッチトルク・入力トルク・G波形出力トルクの各特性を示すタイムチャートである。以下、図7に基づいて、コーストダウンシフトでの変速制御作用を説明する。
まず、自動変速機を搭載した車両で走行中に変速を行うと、走行中であることで自動変速機の出力軸回転数(車速)が一定とみなせるため、ダウンシフトの変速制御は、変速機入力回転数を上昇させる制御であり、アップシフトの変速制御は、変速機入力回転数を低下させる制御である。
自動変速機を搭載したエンジン車の場合、摩擦締結要素の掛け替え制御のみにより入力回転数を変化させる変速制御を行う必要がある。ダウンシフトによる変速の場合、トルクフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素を可能な限り早く滑り出すように制御し、変速機入力回転数の上昇変化を促し、イナーシャフェーズへ円滑に移行するように制御される。一方、アップシフトによる変速の場合、トルクフェーズにおいて、締結側摩擦締結要素を可能な限り早く締結するように制御し、変速機入力回転数の低下変化を促し、イナーシャフェーズへ円滑に移行するように制御される。
一方、自動変速機の入力軸側にモーターが連結された車両の場合、トルクフェーズからイナーシャフェーズへ移行させたら、モーター回転数制御により変速機入力軸回転数を制御できるので、イナーシャフェーズでの微妙な油圧制御による摩擦締結要素の掛け替え制御が不要となり、変速制御が容易になると共に、変速ショックの低減効果も望める。
しかし、自動変速機の入力軸側にモーターが連結された車両の場合、上記従来公報に記載されているように、イナーシャフェーズにおいてのみ目標入力回転数に追従するモータージェネレータの回転数制御を行うものである。このため、トルクフェーズでは、自動変速機を搭載したエンジン車の場合と同様に、イナーシャフェーズへ円滑に移行するような摩擦締結要素の掛け替え制御が行われている。
したがって、トルクフェーズの駆動力は、変速機入力トルクと摩擦係合要素の開放トルクと締結トルクに支配され、ドライバーが意図する駆動力が実現できない。例えば、ダウンシフト変速の場合は、トルクフェーズにおいて、駆動力(=出力軸トルク)が一気に上昇するし、アップシフト変速の場合は、トルクフェーズにおいて、駆動力が一気に低下する。
しかも、様々な変速パターンのうち、コーストダウンシフトの変速は、例えば、走行中に前の信号が赤になり、車両速度を徐々に減速しているような場合に起こり、この運転頻度は多く、しかも、滑らかな運転状態であるため、少しのショックも敏感にドライバーに感じられるので、極めて良好な変速品質を確保する必要がある。
これに対し、実施例1のコーストダウンシフトの変速では、図7の駆動力特性Aに示すように、トルクフェーズ(時刻t1〜時刻t2)及びイナーシャフェーズ(時刻t2〜時刻t3)の両フェーズを含めて、コーストダウン変速中に要求される出力軸トルク特性による目標駆動力を設定している。そして、図7の指示油圧及びクラッチトルク特性B及びクラッチトルク特性Cに示すように、時刻t1から時刻t3までのトルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通して目標駆動力に追従するように、変速に関与する摩擦締結要素のトルク制御を行うようにしている。
したがって、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通した変速全域にて駆動力を目標駆動力に追従させる駆動力デマンドが実現される。そして、目標駆動力を滑らかで連続的な変化を持つ設定とすることで、変速前後を通して目標駆動力に追従する実駆動力の変化も滑らかなものとなり、実駆動力の急変を原因として車両の前後方向加速度が変動する現象である「変速ショック」が有効に抑えられる。
実施例1では、アクセル足離しによるコーストダウンシフトの変速時、図7の駆動力特性Aに示すように、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて目標駆動力を負の一定値に設定している。
したがって、コーストダウンシフト変速を伴う減速時、違和感を与えないように変速中の入力トルクを負に保つ制御ができ、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通し、モータージェネレータMGによる回生状態を途切れることなく継続することができる。
実施例1のコーストダウンシフトの変速では、図7の指示油圧及びクラッチトルク特性Bに示すように、トルクフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクと締結側摩擦締結要素の締結トルクの総容量をコントロールすることで前記目標駆動力を実現している。
すなわち、変速時、モーター回転数制御を行わない場合、トルクフェーズでは、摩擦締結要素の掛け替え制御のみに依存してイナーシャフェーズへの円滑な移行を確保する必要がある。しかし、変速時、モーター回転数制御を採用すると、トルクフェーズでの摩擦締結要素の掛け替え制御への依存度が軽減され、モーター回転数制御によりイナーシャフェーズへの円滑な移行を確保できる。
したがって、トルクフェーズにおいて、変速に関与する摩擦締結要素のトルク制御を活用することで、容易に目標駆動力を実現することができる。例えば、図7の指示油圧特性Bに示すように、時刻t1にてトルクフェーズが開始されると、時刻t1'までは、開放側摩擦締結要素の変速後締結油圧を目標駆動力相当油圧とし、締結側摩擦締結要素の油圧をゼロに維持する。そして、時刻t1'から開放側摩擦締結要素の油圧を低下させ、締結側摩擦締結要素の油圧を上昇させる油圧制御を行う。
実施例1のコーストダウンシフトの変速では、図7のクラッチトルク特性Cに示すように、イナーシャフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクをゼロとし、締結側摩擦締結要素の締結トルクをコントロールすることで目標駆動力を実現している。
したがって、イナーシャフェーズ中の締結側摩擦締結要素の締結トルクを目標駆動トルクベースとすることができ、イナーシャフェーズ中に目標駆動力が変化しても、その変化に応じた目標駆動トルクが締結側摩擦締結要素を介して伝達され、目標駆動力の変化に追従した摩擦締結要素圧制御を容易に行うことができる。
実施例1のコーストダウンシフトの変速では、図7の入力回転数特性Dに示すように、イナーシャフェーズ中は目標入力回転数特性を設定し、実入力回転数をフィードバック制御することで変速を進行させるようにしている。したがって、変速を確実に終了させることができる。加えて、図7の入力回転数特性Dに示すように、イナーシャフェーズ中の目標入力回転数特性を、二つの立ち上がり勾配特性により滑らかに設定している。したがって、図7のG波形出力トルク特性に示すように、フィードバック制御中の入力トルク変動を小さく抑えられる。
実施例1のコーストダウンシフトの変速では、図7の入力回転数特性Eに示すように、変速機入力回転数が、締結側摩擦締結要素の差回転が無くなる同期回転数と判断された時点で、モータージェネレータMGをフィードバック回転数制御からトルク制御に移行させるようにしている。
したがって、締結側摩擦締結要素の差回転が無くなるため、目標駆動力に相当するトルクとされていた締結側摩擦締結要素のトルクを上げて、完全締結に移行しても変速ショックの発生が抑えられる。
次に、効果を説明する。
実施例1のFRハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) モーター(モータージェネレータMG)を有する駆動源の下流位置に、摩擦締結要素の掛け替えにより複数の変速段を達成する自動変速機ATを搭載し、前記自動変速機ATによる変速時、摩擦締結要素の掛け替えを行うと共に、イナーシャフェーズでは、実入力回転数が設定された目標入力回転数特性に追従するように、モーター回転数をフィードバック制御する変速制御手段を備えた電動車両(FRハイブリッド車両)の制御装置において、前記変速制御手段(図6)は、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて、変速中に要求される出力軸トルク特性による目標駆動力を設定し、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通して前記目標駆動力に追従するように、変速に関与する前記摩擦締結要素のトルク制御を行う。このため、自動変速機ATによる変速時、トルクフェーズとイナーシャフェーズを含めて変速中に目標駆動力を実現することで、変速前後にて発生し得る変速ショックを抑えた高品質の変速制御を達成することができる。
(2) 前記モーターは、力行と回生を行うモータージェネレータMGであり、前記変速制御手段(図6)は、アクセル足離しによるコーストダウンシフトの変速時、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて前記目標駆動力を負の一定値に設定した。このため、コーストダウンシフト変速を伴う減速時、違和感を与えないように変速中の入力トルクを負に保つ制御ができ、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通し、モータージェネレータMGによる回生状態を途切れることなく継続することができる。
(3) 前記変速制御手段(図6)は、トルクフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクと締結側摩擦締結要素の締結トルクの総容量をコントロールすることで前記目標駆動力を実現する。このため、トルクフェーズにおいて、変速に関与する摩擦締結要素のトルク制御を活用することで、容易に目標駆動力を実現することができる。
(4) 前記変速制御手段(図6)は、イナーシャフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクをゼロとし、締結側摩擦締結要素の締結トルクをコントロールすることで目標駆動力を実現する。このため、イナーシャフェーズ中に目標駆動力が変化しても、目標駆動力の変化に追従した摩擦締結要素圧制御を容易に行うことができる。
(5) 前記変速制御手段は、変速機入力回転数が、締結側摩擦締結要素の差回転が無くなる同期回転数と判断された時点で、前記モーター(モータージェネレータMG)を、フィードバック回転数制御からトルク制御に移行させる。このため、締結側摩擦締結要素のトルクを上げて、完全締結に移行しても変速ショックの発生を抑えることができる。
以上、本発明の電動車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、自動変速機として、前進7速後退1速の自動変速機の例を示した。しかし、前進7速以外の変速段を有する有段変速機の例としても良い。
実施例1では、変速制御の適用例としてコーストダウンシフトの例を示したが、パワーオンアップシフト(アクセル踏み込みアップシフト)やパワーオフアップシフト(アクセル足離しアップシフト)やパワーオンダウンシフト等の他の変速パターンに対しても適用できる。例えば、パワーオンアップシフトの場合には、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて滑らかに低下する特性を持つ目標駆動力を設定する。また、パワーオンダウンシフトの場合には、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて滑らかに上昇する特性を持つ目標駆動力を設定する。
実施例1では、制御装置をFRハイブリッド車両に適用する例を示したが、FFハイブリッド車両は勿論のこと、駆動源にモーターのみ、あるいは、モータージェネレータのみを備えた電気自動車や燃料電池車等の電動車両に適用することもできる。要するに、モーターを有する駆動源の下流位置に自動変速機を搭載した電動車両であれば適用することができる。
実施例1の電動車両の制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の電動車両の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 FRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 実施例1の電動車両の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATの一例を示すスケルトン図である。 実施例1の電動車両の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATでの変速段ごとの各摩擦締結要素の締結状態を示す締結作動表である。 実施例1の統合コントローラ10にて実行される変速制御処理の流れを示すフローチャートである。 変速パターンの一例であるコーストダウンシフトでの変速制御作用を説明するアクセル開度・ギア位置・駆動力・入力回転数・指示油圧・クラッチトルク・入力トルク・G波形出力トルクの各特性を示すタイムチャートである。
符号の説明
Eng エンジン
MG モータージェネレータ(モーター)
Input 変速機入力軸
Output 変速機出力軸
RL 左後輪
RR 右後輪
AT 自動変速機
7 ATコントローラ
10 統合コントローラ

Claims (5)

  1. モーターを有する駆動源の下流位置に、摩擦締結要素の掛け替えにより複数の変速段を達成する自動変速機を搭載し、
    前記自動変速機による変速時、摩擦締結要素の掛け替えを行うと共に、イナーシャフェーズでは、実入力回転数が設定された目標入力回転数特性に追従するように、モーター回転数をフィードバック制御する変速制御手段を備えた電動車両の制御装置において、
    前記変速制御手段は、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて、変速中に要求される出力軸トルク特性による目標駆動力を設定し、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズを通して前記目標駆動力に追従するように、変速に関与する前記摩擦締結要素のトルク制御を行うことを特徴とする電動車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載された電動車両の制御装置において、
    前記モーターは、力行と回生を行うモータージェネレータであり、
    前記変速制御手段は、アクセル足離しによるコーストダウンシフトの変速時、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズの両フェーズを含めて前記目標駆動力を負の一定値に設定したことを特徴とする電動車両の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された電動車両の制御装置において、
    前記変速制御手段は、トルクフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクと締結側摩擦締結要素の締結トルクの総容量をコントロールすることで前記目標駆動力を実現することを特徴とする電動車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
    前記変速制御手段は、イナーシャフェーズにおいて、開放側摩擦締結要素の開放トルクをゼロとし、締結側摩擦締結要素の締結トルクをコントロールすることで目標駆動力を実現することを特徴とする電動車両の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
    前記変速制御手段は、変速機入力回転数が、締結側摩擦締結要素の差回転が無くなる同期回転数と判断された時点で、前記モーターを、フィードバック回転数制御からトルク制御に移行させることを特徴とする電動車両の制御装置。
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