JP2010038176A - Clutch stroke control device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、クラッチ係合時のストロークを制御するクラッチストローク制御装置に関する。 The present invention relates to a clutch stroke control device that controls a stroke when a clutch is engaged.
従来、エンジンから変速機への動力伝達の断接を行うクラッチ機構を、運転状態(車速、アクセル開度、エンジン回転速度等)に応じて自動的に制御するクラッチ制御装置が知られている。
図7に、従来のクラッチ制御装置を搭載した車両の概略ブロック構成図を示し、従来のクラッチ制御装置について、説明する。
2. Description of the Related Art Conventionally, a clutch control device that automatically controls a clutch mechanism for connecting / disconnecting power transmission from an engine to a transmission according to an operating state (vehicle speed, accelerator opening, engine speed, etc.) is known.
FIG. 7 shows a schematic block diagram of a vehicle equipped with a conventional clutch control device, and the conventional clutch control device will be described.
図7に示すように、クラッチ制御装置は、エンジン220から変速機230への動力伝達の断接を行うクラッチ機構240と、クラッチ機構240を動作させる油圧システム260と、油圧システム260を動作させるクラッチアクチュエーター280と、車両210全体を制御するための車両用電子制御ユニット(以下、ECUという)300と、を備えている。
As shown in FIG. 7, the clutch control device includes a
クラッチ機構240は、エンジン220の出力軸であるクランクシャフト221の回転を、変速機230のインプットシャフト231に伝達したり、その回転伝達を遮断したりするためのものである。
The
クラッチ機構240は、油圧システム260のスレーブピストン264に、ダイヤフラムスプリング245のレバー先端部245bがエンジン220方向(図中左方向)に押圧される。ダイヤフラムスプリング245のレバー先端部245bがエンジン220方向に押圧されると、クラッチカバー242の内端部に狭持されているレバー基部245cを支点にして、外周部245aが押圧方向と逆方向、すなわち、変速機230方向(図中右方向)に押し拡げられる。これにより、ダイヤフラムスプリング245からプレッシャープレート244への押圧力が解かれ、クラッチディスク243とフライホイール222との間の摩擦力がなくなり、係合が開放され、回転伝達を遮断(いわゆるクラッチが切断)される。
In the
一方、油圧システム260のスレーブピストン264が変速機230方向(図中右方向)に引き戻されると、ダイヤフラムスプリング245が元の形状に戻り、クラッチディスク243がフライホイール222方向(図中左方向)に押圧され、エンジン220のクランクシャフト221の回転が変速機230のインプットシャフト231に伝達(いわゆるクラッチが接続)される。したがって、油圧システム260のスレーブピストン264の位置と押圧力とによって、フライホイール222とクラッチディスク243との距離および押圧力が決定される。
On the other hand, when the
油圧システム260は、マスターシリンダ261とスレーブシリンダ263とがフルード通路265で連通されている。また、マスターシリンダ261には、マスターピストン262が内装され、スレーブシリンダ263には、スレーブピストン264が内装されている。マスターシリンダ261と、マスターピストン262と、スレーブシリンダ263と、スレーブピストン264と、フルード通路265と、により形成される空間を、フルード室とする。フルード室には、作動油(以下、クラッチフルードという)が充填されている。
In the
マスターシリンダ261のマスターピストン262が押し込まれ、マスターシリンダ261のフルード室が縮小する方向(図中左方向)に移動されると、マスターシリンダ261とリザーバタンク266とを連通する給油ポート267が閉鎖される。給油ポート267が閉鎖されると、クラッチフルードは、マスターピストン262に押し込まれた分だけ、マスターシリンダ261からフルード通路265を介してスレーブシリンダ263に押し出される。クラッチフルードがスレーブシリンダ263に流入されることにより、スレーブピストン264が、クラッチ機構240のダイヤフラムスプリング245のレバー先端部245bを押圧する。
したがって、ダイヤフラムスプリング245のレバー先端部245bにかかる押圧力は、マスターシリンダ261のマスターピストン262を押し込む量によって決定される。
When the
Therefore, the pressing force applied to the
また、クラッチアクチュエーター280は、ECU300に制御され、移動ロッド285を軸方向(図中左右方向)に移動させる。移動ロッド285は、油圧システム260のマスターピストン262と機械的に接続されている。このため、油圧システム260のマスターピストン262は、クラッチアクチュエーター280の移動ロッド285によって移動させられる。
In addition, the
以上のように、ECU300は、クラッチアクチュエーター280の移動ロッド285の移動量を制御することにより、油圧システム260のマスターピストン262の移動量、クラッチフルードの押圧力、スレーブピストン264の押圧力を変化させ、フライホイール222とクラッチディスク243との距離および押圧力を調整することができ、クラッチ機構240の動力伝達を制御することができる。
As described above, the
ここで、マスターピストン262の移動量は、クラッチアクチュエーター280の移動ロッド285の移動量(以下、ストロークという)を検出するストロークセンサ312を設けることにより、測定することができる。このため、ECU300は、このストロークセンサ312が検出した値により、クラッチアクチュエーター280を制御して、クラッチディスク243の位置を制御することができる。
Here, the amount of movement of the
また、このようなクラッチ制御装置において、クラッチの係合時には、短時間でクラッチの開放状態から係合状態に移行しなければならない。したがって、クラッチの開放時には、次のクラッチの係合に備え、フライホイールとクラッチディスクとの距離を接触させない範囲でできるだけ近くで待機させるようにする必要がある。このようなクラッチ開放時のクラッチディスクの待機位置を、スタンバイ位置という。ここで、スタンバイ位置への移動は、上記のように、ECUがマスターピストンの移動量をストロークセンサの検出値により制御することにより、実現させている。 In such a clutch control device, when the clutch is engaged, the clutch must be shifted from the released state to the engaged state in a short time. Therefore, when the clutch is disengaged, it is necessary to make it stand by as close as possible within the range in which the distance between the flywheel and the clutch disc is not in contact with, in preparation for the engagement of the next clutch. Such a standby position of the clutch disk when the clutch is released is called a standby position. Here, the movement to the standby position is realized by the ECU controlling the movement amount of the master piston by the detection value of the stroke sensor as described above.
ところで、クラッチディスクは、フライホイールと摩擦により係合させているため、長期間使用すると摩耗して、厚さが変わってしまう。したがって、実際にクラッチディスクとフライホイールとが係合する位置がずれてしまう。このため、クラッチディスクとフライホイールとを所望の押圧力(以下、クラッチトルクという)で係合させることができない、あるいは、所望のクラッチトルクで係合させるまでに時間がかかってしまうという問題があった。 By the way, since the clutch disk is engaged with the flywheel by friction, the clutch disk is worn out for a long period of time, and its thickness changes. Therefore, the position where the clutch disk and the flywheel are actually engaged is shifted. For this reason, there is a problem that the clutch disc and the flywheel cannot be engaged with a desired pressing force (hereinafter referred to as clutch torque), or it takes a long time to engage with the desired clutch torque. It was.
そこで、このようなクラッチディスクの経年変化に対して、エンジンの始動時において、クラッチディスクのスタンバイ位置を学習できるようにしたものが提案されている。
このスタンバイ位置の学習とは、まず、クラッチディスクとフライホイールとを接触させ、この接触した位置から所定量だけ離した位置をスタンバイ位置として検出し、この検出したスタンバイ位置を新たなスタンバイ位置として学習するようにしている。
In view of this, it has been proposed to be able to learn the standby position of the clutch disk at the time of starting the engine against such aging of the clutch disk.
The learning of the standby position is performed by first contacting the clutch disc and the flywheel, detecting a position separated from the contacted position by a predetermined amount as a standby position, and learning the detected standby position as a new standby position. Like to do.
具体的には、シフトレバーがニュートラル(中立)レンジの状態、すなわち、変速機が動力伝達させず、かつ、変速機のインプットシャフト、すなわちクラッチディスクの回転数が略零の状態で、フライホイールおよびクラッチディスク間の回転伝達を切り離した開放(非係合状態)から徐々にクラッチディスクの位置を回転中のフライホイール側にずらしていく。そして、これらフライホイールおよびクラッチディスク間の回転伝達が開始して、変速機のインプットシャフトが回転を始めるときのクラッチディスクの位置を接触位置とし、このクラッチディスクの位置から所定量だけ戻した位置をスタンバイ位置として検出して、このスタンバイ位置を学習するようにしている。 Specifically, when the shift lever is in a neutral (neutral) range, that is, the transmission does not transmit power and the input shaft of the transmission, that is, the rotational speed of the clutch disk is substantially zero, the flywheel and The position of the clutch disk is gradually shifted to the rotating flywheel side from the release (non-engaged state) where the transmission of rotation between the clutch disks is disconnected. Then, the transmission of rotation between the flywheel and the clutch disk is started, and the position of the clutch disk when the input shaft of the transmission starts to rotate is defined as the contact position, and the position returned by a predetermined amount from the position of the clutch disk. It is detected as a standby position, and this standby position is learned.
このように、スタンバイ位置の検出には、シフトレバーがニュートラルレンジであることを条件としている。このため、シフトレバーがニュートラルレンジの状態が必須条件であるエンジン始動時を利用して、上記スタンバイ位置の学習を実施していた。 As described above, the standby position is detected on the condition that the shift lever is in the neutral range. For this reason, the standby position is learned by using the engine start time when the shift lever is in the neutral range.
ところで、駐車時等のイグニッションスイッチのオフによりエンジンが停止しているときには、フライホイールとクラッチディスクとを係合状態にしておくのが一般的である。したがって、エンジンの始動時には、フライホイールとクラッチディスクとの係合が解除される前にエンジンが始動し、変速機のインプットシャフトが回転してしまう場合がある。 By the way, when the engine is stopped by turning off the ignition switch at the time of parking or the like, it is common to keep the flywheel and the clutch disc engaged. Therefore, when starting the engine, the engine may start before the engagement between the flywheel and the clutch disc is released, and the input shaft of the transmission may rotate.
ところが、スタンバイ位置を検出するためには、変速機のインプットシャフトの回転数が略零の状態となっている必要がある。すなわち、スタンバイ位置の検出は、変速機のインプットシャフトの回転数が略零の状態となるまで待たなければならない。また、スタンバイ位置の検出を終了しなければ、車両の発進を行うことができない。 However, in order to detect the standby position, the number of rotations of the input shaft of the transmission needs to be substantially zero. That is, the detection of the standby position must wait until the rotational speed of the input shaft of the transmission becomes substantially zero. Further, the vehicle cannot be started unless the detection of the standby position is finished.
したがって、上記のようなエンジン始動時にスタンバイ位置の学習を行うものでは、エンジン始動時に変速機のインプットシャフトが回転してしまうと、スタンバイ位置の学習開始時間が遅くなり、これに伴って、車両の発進までに時間がかかってしまう。このため、スタンバイ位置の学習をエンジンの始動時ではなく、エンジンの停止時に行うようにしたクラッチ制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような従来のものにおいては、スタンバイ位置の設定を、エンジン始動時またはエンジン停止時にしか行うことができなかった。したがって、例えば、エンジンが稼働している最中に、クラッチフルードが温度変化によって熱膨張して最適な位置からずれてしまうと、クラッチ係合を快適に行うことができないという問題があった。 However, in the conventional apparatus as described above, the standby position can be set only when the engine is started or when the engine is stopped. Therefore, for example, when the clutch fluid is thermally expanded due to a temperature change and deviates from an optimal position while the engine is operating, there is a problem that the clutch cannot be engaged comfortably.
具体的には、エンジン稼働中に、マスターシリンダとリザーバタンクを連通するための給油ポートが閉じている状態が長時間(例えば、20分)持続した場合には、クラッチフルードが熱膨張し、スレーブシリンダが押し出され、フライホイールとクラッチディスクとの距離が大きくなってしまう場合がある。このため、予め設定されたスタンバイ位置でマスターピストンを制御しておくと、フライホイールとクラッチディスクとの距離が所望の距離よりも大きくなってしまい、クラッチの係合時にも所望の係合位置までクラッチディスクが移動せず、エンジン側にかかるトルクの負荷が小さくなり、エンジンが吹け上がってしまうという問題があった。 Specifically, if the oil supply port for communicating the master cylinder and the reservoir tank is closed for a long time (for example, 20 minutes) while the engine is running, the clutch fluid is thermally expanded and the slave The cylinder may be pushed out and the distance between the flywheel and the clutch disk may be increased. For this reason, if the master piston is controlled at a preset standby position, the distance between the flywheel and the clutch disk becomes larger than the desired distance, and even when the clutch is engaged, the distance to the desired engagement position is reached. There is a problem that the clutch disk does not move, the torque load applied to the engine side is reduced, and the engine blows up.
さらに、給油ポート閉鎖時に、従来のスタンバイ位置の学習を適用してしまうと、学習時のスタンバイ位置は適正な位置とすることができたとしても、給油ポート解放後のスタンバイ位置が大きくずれてしまうという問題がある。 Furthermore, if conventional standby position learning is applied when the fueling port is closed, the standby position after the fueling port is released will be greatly shifted even if the standby position at the time of learning can be set to an appropriate position. There is a problem.
すなわち、クラッチを完全に係合させる場合、図7を参照すると、マスターピストン262をマスターシリンダ261のフルード室が拡大する方向(図中右方向)に引き戻し、クラッチディスク243とフライホイール222とを係合させ、さらに、マスターピストン262を引き戻して、マスターシリンダ261とリザーバタンク266とを連通する給油ポート267が開放される位置まで戻す。このように給油ポート267を開放すると、フルード室内に封入されていたクラッチフルードが、リザーバタンク266に逃がされ、スレーブピストン264の位置は、前回の給油ポート267の閉鎖時でクラッチフルードが膨張する前の位置とほぼ同一位置となる。
That is, when the clutch is completely engaged, referring to FIG. 7, the
このような給油ポート解放後、再びクラッチ係合を行う場合、フルード室内のクラッチフルードの体積は前回の給油ポート267の閉鎖時と同一となり、ストロークに対するクラッチトルクの特性が元の状態に戻っている。このため、スタンバイ位置は元の位置に戻さなければならない。ところが、給油ポート解放後の次のクラッチ係合までに、車両が停車しないとスタンバイ位置の学習を行うことができない。
When the clutch is engaged again after such a refueling port is released, the volume of the clutch fluid in the fluid chamber is the same as that at the previous closing of the
したがって、給油ポート閉鎖時に、従来のスタンバイ位置の学習を適用してしまうと、給油ポート解放後も、給油ポート閉鎖中に設定したマスターピストンを引き戻した位置をスタンバイ位置として制御してしまうため、クラッチディスクとフライホイールとが適切な位置よりも近い距離で待機してしまい、クラッチ係合時にクラッチディスクとフライホイールとの係合が早すぎて走行の安定性を欠いてしまう虞が生じるという問題があった。 Therefore, if the learning of the conventional standby position is applied when the oil supply port is closed, the position where the master piston set during the oil supply port is closed is controlled as the standby position even after the oil supply port is released. There is a problem in that the disc and the flywheel may stand by at a distance closer than the appropriate position, and the clutch disc and the flywheel may be engaged too early when the clutch is engaged, resulting in lack of running stability. there were.
また、クラッチフルードが熱収縮する場合にも、マスターピストンおよびスレーブピストンの移動方向が逆になるだけで、上記と同様の問題が発生し、走行の安定性を欠いてしまったり、エンジンの吹け上がりが発生してしまう虞が生じるという問題があった。 In addition, when the clutch fluid contracts due to heat, only the moving direction of the master piston and slave piston is reversed, causing problems similar to those described above, resulting in lack of running stability and engine run-up. There has been a problem in that there is a risk of occurrence.
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、滑らかなクラッチ接続を実現し、車両走行の快適性を向上させることができるクラッチストローク制御装置を提供することを課題とする。 The present invention has been made to solve the above-described conventional problems, and it is an object of the present invention to provide a clutch stroke control device capable of realizing a smooth clutch connection and improving the comfort of vehicle travel. And
本発明に係るクラッチストローク制御装置は、上記課題を解決するため、(1)第1ピストンを内装した第1シリンダと第2ピストンを内装した第2シリンダとがシリンダ間油路により連通され、前記第1ピストンと前記第1シリンダと前記シリンダ間油路と前記第2シリンダと前記第2ピストンとにより形成される油室に作動油が封入され、前記第1ピストンの移動により前記作動油を介して前記第2ピストンが移動されるシリンダ機構と、前記第1ピストンを移動させるピストン移動手段と、フライホイールとクラッチディスクとを押圧させることによりクラッチトルクを伝達させ、前記第2ピストンの移動により前記フライホイールと前記クラッチディスクとの距離および押圧力が決定されるクラッチ機構と、前記フライホイールと前記クラッチディスクとの接触を検出するクラッチ接触検出手段と、前記第1ピストンの規定位置からの移動量を示すストロークと、前記クラッチトルクの大きさと、の対応関係を表すストローク−トルク特性マップを記憶するストローク−トルク特性マップ記憶手段と、前記フライホイールと前記クラッチディスクとの距離を予め設定した待機離間距離とする前記第2ピストンの位置に対応する前記第1ピストンの位置を、第1待機位置として記憶する第1待機位置記憶手段と、前記クラッチ接触検出手段により前記フライホイールと前記クラッチディスクとの接触が検出されたときの前記第1ピストンの位置に基づいて、前記フライホイールと前記クラッチディスクとの距離が前記待機離間距離となる前記第1ピストンの位置を求め、第2待機位置として決定する第2待機位置決定手段と、前記第1待機位置と、前記第2待機位置と、の差分を補正値として算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段に算出された前記補正値を記憶する補正値記憶手段と、前記クラッチ機構に対するクラッチトルクの伝達指令に基づき、前記ストローク−トルク特性マップにより求められた前記伝達指令に含まれるクラッチトルクの大きさに応じた前記ストロークを、前記補正値記憶手段に記憶された補正値により補正するトルク伝達時ストローク補正手段と、を備え、前記ピストン移動手段は、前記トルク伝達時ストローク補正手段に補正されたストロークに基づいて前記第1ピストンを移動させることを特徴とした構成を有している。 In order to solve the above problems, the clutch stroke control device according to the present invention is (1) a first cylinder having a first piston and a second cylinder having a second piston communicated by an inter-cylinder oil passage, Hydraulic oil is enclosed in an oil chamber formed by the first piston, the first cylinder, the inter-cylinder oil passage, the second cylinder, and the second piston, and the movement of the first piston causes the hydraulic oil to pass through. The clutch mechanism is transmitted by pressing the cylinder mechanism for moving the second piston, the piston moving means for moving the first piston, the flywheel and the clutch disc, and the movement of the second piston A clutch mechanism for determining a distance and a pressing force between the flywheel and the clutch disc, and the flywheel and the front A stroke-torque characteristic map representing a correspondence relationship between clutch contact detection means for detecting contact with the clutch disk, a stroke indicating the amount of movement of the first piston from a specified position, and the magnitude of the clutch torque is stored. The position of the first piston corresponding to the position of the second piston, where the distance between the stroke-torque characteristic map storage means and the flywheel and the clutch disk is set as a predetermined standby separation distance, is defined as a first standby position. Based on the position of the first piston when the contact between the flywheel and the clutch disk is detected by the clutch contact detection means, the flywheel and the clutch disk, The position of the first piston is such that the distance of Calculated by the second standby position determination means for determining the machine position, the correction value calculation means for calculating the difference between the first standby position and the second standby position as a correction value, and the correction value calculation means The stroke corresponding to the magnitude of the clutch torque included in the transmission command obtained from the stroke-torque characteristic map based on the correction value storage means for storing the correction value and the clutch torque transmission command to the clutch mechanism Is corrected with a correction value stored in the correction value storage means, and a torque transmission stroke correction means is provided, and the piston moving means is configured to perform the first correction based on the stroke corrected by the torque transmission stroke correction means. It has a configuration characterized by moving one piston.
この構成により、実際に計測を行った第2待機位置が、予め設定した第1待機位置と異なっていても、第2待機位置と第1待機位置との差分を算出して、クラッチトルク伝達時にはトルク伝達時ストローク補正手段により補正を行い第1ピストンを移動させるので、油室内の作動油に体積変動が生じることによりストローク−トルク特性が変動しても、第1ピストンのストロークを制御して、フライホイールとクラッチディスクとの間の押圧力をクラッチ係合時の押圧力に相当する大きさとすることができ、フライホイールとクラッチディスクとの係合およびクラッチトルクの伝達を過不足なく制御して、従来と比較して滑らかなクラッチ接続を実現し、車両走行の快適性を向上させることができる。 With this configuration, even if the actually measured second standby position is different from the first standby position set in advance, the difference between the second standby position and the first standby position is calculated and the clutch torque is transmitted. Since the first piston is moved by correcting with the stroke correcting means at the time of torque transmission, even if the stroke-torque characteristic fluctuates due to the volume fluctuation in the hydraulic oil in the oil chamber, the stroke of the first piston is controlled, The pressing force between the flywheel and the clutch disc can be set to a magnitude corresponding to the pressing force when the clutch is engaged, and the engagement between the flywheel and the clutch disc and the transmission of the clutch torque can be controlled without excess or deficiency. Compared with the prior art, a smooth clutch connection can be realized, and the comfort of vehicle travel can be improved.
また、本発明に係るクラッチストローク制御装置は、上記(1)に記載のクラッチストローク制御装置において、(2)前記作動油を充填するリザーバタンクと前記第1シリンダとを連通する給油用油路を備え、前記シリンダ機構は、前記第1ピストンにより前記給油用油路を閉鎖し、前記ピストン移動手段により前記フライホイールと前記クラッチディスクとを係合させた位置から前記第1シリンダ内の前記油室を拡張する方向に前記第1ピストンが移動されることにより前記給油用油路を開放可能とし、前記補正値記憶手段は、前記給油用油路の開放時に前記第2待機位置と前記第1待機位置とが同一であることを示す前記補正値を記憶することを特徴とした構成を有している。 The clutch stroke control device according to the present invention is the clutch stroke control device according to the above (1), wherein (2) an oil supply oil passage that communicates the reservoir tank filled with the hydraulic oil and the first cylinder is provided. And the cylinder mechanism closes the oil supply oil passage by the first piston, and the oil chamber in the first cylinder from a position where the flywheel and the clutch disk are engaged by the piston moving means. The oil supply passage can be opened by moving the first piston in a direction in which the oil supply passage is expanded, and the correction value storage means is configured to release the second standby position and the first standby when the oil supply passage is opened. The correction value indicating that the position is the same is stored.
この構成により、給油用油路が一端開放された後、再び給油用油路が閉鎖され油室が密封されると、ストローク−トルク特性が初期状態とほぼ同一に戻ることとなるが、給油用油路の開放時に、第1待機位置と第2待機位置とを同一位置として第1ピストンの補正位置を初期化しているので、給油用油路閉鎖後すぐに第2待機位置を測定していない場合でも、元の特性のストローク−トルク特性マップを用いてクラッチトルク伝達指令時に第1ピストンのストロークを求めることができ、供給用油路開放時のストローク−トルク特性の変動にも対応することができる。また、給油用油路が開閉されるたびに、補正量を初期化し、元のストローク−トルク特性マップを用いて第1ピストンのストロークを求めるので、給油用油路が繰り返し開閉して補正が行われても、第1ピストンのストロークの補正誤差が累積されることがなく、誤差を小さくすることができる。 With this configuration, when the oil supply passage is once opened and then the oil supply passage is closed again and the oil chamber is sealed, the stroke-torque characteristics will be almost the same as in the initial state. When the oil passage is opened, the first standby position is the same as the second standby position and the correction position of the first piston is initialized, so the second standby position is not measured immediately after the oil passage for oil supply is closed. Even in this case, the stroke of the first piston can be obtained at the time of the clutch torque transmission command using the stroke-torque characteristic map of the original characteristic, and the fluctuation of the stroke-torque characteristic when the supply oil passage is opened can be dealt with. it can. Further, every time the oil supply oil passage is opened and closed, the correction amount is initialized, and the stroke of the first piston is obtained using the original stroke-torque characteristic map. Therefore, the oil supply oil passage is repeatedly opened and closed for correction. Even if it is broken, the correction error of the stroke of the first piston is not accumulated, and the error can be reduced.
さらに、本発明に係るクラッチストローク制御装置は、上記(1)または(2)に記載のクラッチストローク制御装置において、(3)前記ピストン移動手段は、前記第2待機位置決定手段による前記第2待機位置の決定に伴い、前記第1ピストンを設定された前記第2待機位置に移動させることを特徴とした構成を有している。 Furthermore, the clutch stroke control device according to the present invention is the clutch stroke control device according to (1) or (2), wherein (3) the piston moving means is the second standby position determined by the second standby position determining means. In accordance with the position determination, the first piston is moved to the set second standby position.
この構成により、第2待機位置の決定に伴い、フライホイールとクラッチディスクとの距離が待機離間距離となるように第1ピストンを第2待機位置に移動させるため、フライホイールとクラッチディスクとを係合する際の係合時間を短縮させることができる。 With this configuration, the flywheel and the clutch disk are engaged with each other in order to move the first piston to the second standby position so that the distance between the flywheel and the clutch disk becomes the standby separation distance when the second standby position is determined. Engagement time at the time of joining can be shortened.
さらに、本発明に係るクラッチストローク制御装置は、上記(1)から(3)の何れか1に記載のクラッチストローク制御装置において、(4)前記クラッチ機構を備えた車両の停車を検出する車両停車検出手段と、前記クラッチディスクから回転トルクを入力し、変速して、前記車両の駆動輪に動力を伝達する動力伝達軸に出力する変速装置と、を備え、前記第2待機位置決定手段は、前記車両停車検出手段により前記車両の停車を検出したとき、前記変速装置による変速を、前記クラッチディスクから入力した回転トルクを前記動力伝達軸への伝達を遮断するニュートラルレンジに変更させ、前記第2待機位置を決定することを特徴とした構成を有している。 Furthermore, the clutch stroke control device according to the present invention is the clutch stroke control device according to any one of (1) to (3) above. (4) A vehicle stop for detecting a stop of the vehicle provided with the clutch mechanism. Detecting means; and a transmission for inputting rotational torque from the clutch disk, shifting the speed, and outputting it to a power transmission shaft for transmitting power to the drive wheels of the vehicle; and the second standby position determination means, When the vehicle stop detection means detects the stop of the vehicle, the shift by the transmission is changed to a neutral range in which the rotational torque input from the clutch disk is blocked from being transmitted to the power transmission shaft, It has a configuration characterized by determining the standby position.
この構成により、第2待機位置の決定時に、車両が停止しており、変速装置をニュートラルレンジに変更させるので、車両の走行に影響させることなく第2待機位置の測定を行うことができるとともに、クラッチディスクが停止しているため、フライホイールとクラッチディスクとの接触を精度よく検出することができ、第2待機位置の決定を正確に行うことができる。また、運転者が変速装置をニュートラルレンジに変更しなくても、第2待機位置を決定することができ、運転者の操作に依存することなく、車両走行の快適性を向上させることができる。 With this configuration, when the second standby position is determined, the vehicle is stopped and the transmission is changed to the neutral range, so that the second standby position can be measured without affecting the travel of the vehicle. Since the clutch disk is stopped, the contact between the flywheel and the clutch disk can be detected with high accuracy, and the second standby position can be determined accurately. Further, the second standby position can be determined without the driver changing the transmission to the neutral range, and the comfort of traveling the vehicle can be improved without depending on the operation of the driver.
本発明によれば、フライホイールとクラッチディスクとの間の押圧力をクラッチ係合時の押圧力に相当する大きさとすることができ、フライホイールとクラッチディスクとの係合およびクラッチトルクの伝達を過不足なく制御して、従来と比較して滑らかなクラッチ接続を実現し、車両走行の快適性を向上させることができるクラッチストローク制御装置を提供することができる。 According to the present invention, the pressing force between the flywheel and the clutch disk can be set to a magnitude corresponding to the pressing force when the clutch is engaged, and the engagement between the flywheel and the clutch disk and the transmission of the clutch torque can be performed. It is possible to provide a clutch stroke control device that can control without excess or deficiency, achieve a smooth clutch connection as compared with the prior art, and improve the comfort of vehicle travel.
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るクラッチストローク制御装置を搭載した車両の概略ブロック構成図である。
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
First, the configuration will be described.
FIG. 1 is a schematic block diagram of a vehicle equipped with a clutch stroke control device according to an embodiment of the present invention.
図1に示すように、車両10は、動力源としてのエンジン20と、変速を行う変速機30と、エンジン20から変速機30への動力伝達の断接を行うクラッチ機構40と、クラッチ機構40を動作させる油圧システム60と、油圧システム60を動作させるクラッチアクチュエーター80と、車両10全体を制御するための車両用電子制御ユニット(以下、ECUという)100と、インプットシャフト回転数センサ111と、ストロークセンサ112と、を備えている。
As shown in FIG. 1, the
エンジン20は、ガソリンあるいは軽油等の炭化水素系の燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置により構成されている。また、エンジン20は、発生させた動力を出力するクランクシャフト21を有している。クランクシャフト21には、クランクシャフト21と一体回転するフライホイール22が取り付けられている。
The
また、エンジン20には、エンジン20の運転状態を検出する図示しないスロットル開度センサ等の各種センサが設けられている。エンジン20に設けられている各種センサが検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。エンジン20は、これらの検出信号および他の信号が入力されるECU100によって燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御等の運転制御が行われるようになっている。
Further, the
変速機30は、動力が伝達されるインプットシャフト31と、図示しないアウトプットシャフトと、を有し、インプットシャフト31とアウトプットシャフトとの間で変速を行うようになっている。インプットシャフト31は、後述するクラッチ機構40のクラッチディスク43と一体回転するようになっている。アウトプットシャフトは、図示しない複数のギヤやドライブシャフト等を介して図示しない駆動輪に接続されている。アウトプットシャフトから伝達された動力は、駆動輪に伝達され、車両10が走行できるようになっている。
The
また、変速機30は、図示しない複数のギヤ列および図示しない変速用アクチュエーターを備えた有段式の変速機であり、ECU100の制御により変速用アクチュエーターが、複数のギヤ列の組み合わせを選択的に切り替えるようになっている。変速機30は、上記制御により、インプットシャフト31から入力される回転を所定の変速比γで減速あるいは増速して、前進変速段、後進変速段、パーキングレンジ(駐車位置)、およびニュートラルレンジ(中立位置)の何れかが選択的に成立させられ(以下、成立されたギヤ段をシフトレンジという)、それぞれの変速比γに応じた速度変換がなされるようになっている。
The
また、変速機30のインプットシャフト31の近傍には、インプットシャフト回転数センサ111が設けられている。インプットシャフト回転数センサ111は、変速機30のインプットシャフト31の回転数を検出するようになっている。インプットシャフト回転数センサ111が検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。
An input shaft
また、上記ドライブシャフトの近傍には、図示しない車速センサが設けられている。車速センサは、ドライブシャフトの回転数を検出するようになっている。車速センサが検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。
A vehicle speed sensor (not shown) is provided near the drive shaft. The vehicle speed sensor detects the rotational speed of the drive shaft. A detection signal detected by the vehicle speed sensor is input to the
クラッチ機構40は、エンジン20と変速機30との間に設けられている。クラッチ機構40は、クラッチハウジング41内に、フライホイール22と一体回転するクラッチカバー42と、変速機30のインプットシャフト31と一体回転するクラッチディスク43と、クラッチディスク43を押圧する円環状のプレッシャープレート44と、プレッシャープレート44に押圧力を与える円盤状のダイヤフラムスプリング45と、を備えている。
The
クラッチカバー42は、フライホイール22との間に、フライホイール22側から下記の順に、クラッチディスク43と、プレッシャープレート44と、ダイヤフラムスプリング45と、を軸線が一致するように収容している。
クラッチディスク43は、変速機30のインプットシャフト31にスプライン嵌合されている。このため、クラッチディスク43は、変速機30のインプットシャフト31と一体回転しつつ、インプットシャフト31の軸方向へスライド可能となっている。
The
The
プレッシャープレート44は、後述するダイヤフラムスプリング45の外周部45aに当接され、このダイヤフラムスプリング45によってフライホイール22側へ押圧されている。この押圧により、プレッシャープレート44とクラッチディスク43との間、および、クラッチディスク43とフライホイール22との間で、それぞれ摩擦力が発生する。これらの摩擦力により、フライホイール22とクラッチディスク43とが係合(いわゆるクラッチが接続)された状態となり、フライホイール22とクラッチディスク43とが、一体となって回転する。このようにして、エンジン20から変速機30への動力伝達が行われる。
The
ダイヤフラムスプリング45は、全体としては、中央部を盛り上げた円盤形状をしている。また、ダイヤフラムスプリング45は、円環状の外周部45aを有し、この円環上の部材の内周側に、中心に向かう複数の舌片状のレバーを形成した構造となっている。このダイヤフラムスプリング45の中央部にあたる舌片状のレバーの先端を、レバー先端部45bとし、円環状の外周部45aと舌片状のレバーとの境目付近を、レバー基部45cとする。このように、ダイヤフラムスプリング45は、レバー先端部45bが盛り上がった構造となっているため、皿バネとして機能する。
The
ダイヤフラムスプリング45は、レバー基部45cがクラッチカバー42の端部42aに狭持され、外周部45aがプレッシャープレート44に当接され、レバー先端部45bが後述する油圧システム60のスレーブピストン64の先端に当接されている。
The
ここで、スレーブピストン64からダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bに力が加わっていない場合には、ダイヤフラムスプリング45の外周部45aがプレッシャープレート44を押圧するようになっている。したがって、上記のようにフライホイール22とクラッチディスク43とが係合された状態となり、フライホイール22とクラッチディスク43とが、一体となって回転する。
Here, when no force is applied from the
一方、スレーブピストン64がダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bをフライホイール22方向(図中左方向)へ押圧すると、クラッチカバー42の端部42aに狭持されているレバー基部45cを支点のようにして、外周部45aが押圧方向と逆方向、すなわち、変速機30方向(図中右方向)に押し拡げられる。これにより、ダイヤフラムスプリング45からプレッシャープレート44への押圧力が解かれ、クラッチディスク43とフライホイール22との間の摩擦力がなくなり、係合が開放(いわゆるクラッチが切断)される。
On the other hand, when the
また、スレーブピストン64がダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bの押圧を解除すると、ダイヤフラムスプリング45が元の形状に戻り、レバー先端部45bが変速機30方向(図中右方向)に戻り、外周部45aがフライホイール22方向(図中左方向)に戻る。したがって、ダイヤフラムスプリング45の外周部45aが再びプレッシャープレート44を押圧し、フライホイール22とクラッチディスク43とが係合され、フライホイール22とクラッチディスク43とが一体となって回転する。
When the
このとき、スレーブピストン64がダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bを押圧する量を調節すると、ダイヤフラムスプリング45の外周部45aがプレッシャープレート44を押圧する量を調節することができる。ダイヤフラムスプリング45の押圧力を調節すると、フライホイール22とクラッチディスク43とを滑りながら回転させる(いわゆる半クラッチ)ことができる。したがって、スレーブピストン64の押圧力によって、フライホイール22とクラッチディスク43との係合力を調節することができ、スレーブピストン64の押圧力を制御することにより、フライホイール22とクラッチディスク43とを滑らかに係合させることができる。
At this time, if the amount by which the
油圧システム60は、マスターシリンダ61と、マスターピストン62と、スレーブシリンダ63と、スレーブピストン64と、フルード通路65と、リザーバタンク66と、給油ポート67と、を備えている。また、マスターシリンダ61とスレーブシリンダ63とは、フルード通路65により連通されており、マスターシリンダ61と、マスターピストン62と、スレーブシリンダ63と、スレーブピストン64と、フルード通路65と、により形成される空間を、フルード室68とする。フルード室68には、作動油(以下、クラッチフルードという)が充填されている。また、フルード室68内で、マスターシリンダ61に形成されるフルード室68をマスターフルード室68a、スレーブシリンダ63に形成されるフルード室68をスレーブフルード室68bとする。
The
マスターシリンダ61は、マスターピストン62を内装するようになっている。マスターピストン62は、一端がフルード室68の内壁を形成し、他端が後述するクラッチアクチュエーター80の移動ロッド85に接続されている。マスターピストン62は、クラッチアクチュエーター80によってマスターシリンダ61の内壁に沿って摺動されるようになっている。
The
スレーブシリンダ63は、スレーブピストン64を内装するようになっている。また、スレーブシリンダ63およびスレーブピストン64は、中心部を変速機30のインプットシャフト31が開通した円環形状をしている。さらに、スレーブシリンダ63は、クラッチ機構40のクラッチハウジング41に取り付けられ、固定されている。また、前述のようにスレーブシリンダ63は、フルード通路65を介してマスターシリンダ61と連通されている。
The
スレーブピストン64は、一端がフルード室68の内壁を形成し、他端がクラッチ機構40のダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bに当接されている。スレーブピストン64は、スレーブシリンダ63の内壁に沿って摺動されるようになっている。
One end of the
フルード通路65は、マスターシリンダ61とスレーブシリンダ63とを、連通している。リザーバタンク66は、クラッチフルードを蓄える容器であり、クラッチフルードには大気圧がかかっている。給油ポート67は、リザーバタンク66とマスターシリンダ61とを連通するクラッチフルードの通路である。
The
ここで、マスターシリンダ61の給油ポート67の入口は、マスターシリンダ61に内装されたマスターピストン62の位置によって、封鎖された状態と、開放された状態と、に切り替えられる。マスターシリンダ61の給油ポート67の入口が封鎖されると、リザーバタンク66とフルード室68とは遮断され、クラッチフルードの出入りができなくなり、フルード室68は密封される。また、マスターシリンダ61の給油ポート67の入口が開放されると、リザーバタンク66とフルード室68とは連通され、リザーバタンク66とフルード室68との間で、クラッチフルードの出入りが自由となる。
Here, the inlet of the
マスターピストン62によってマスターシリンダ61の給油ポート67の入口が封鎖され、リザーバタンク66のクラッチフルードが、フルード室68に出入りができない状態を、密封状態という。また、マスターピストン62によってマスターシリンダ61の給油ポート67の入口が開放され、リザーバタンク66のクラッチフルードが、フルード室68に出入り自由な状態を、開放状態という。
A state where the inlet of the
マスターピストン62の移動により、給油ポート67を封鎖し密封すると、マスターフルード室68a、フルード通路65、スレーブフルード室68bからなるフルード室68が密閉され、フルード室68内のクラッチフルードが外部に出入りできなくなる。これにより、クラッチアクチュエーター80の移動ロッド85により、マスターピストン62をマスターフルード室68aが小さくなる方向(図中左方向)に移動させると、クラッチフルードがマスターフルード室68aからフルード通路65に吐き出され、フルード通路65を介してスレーブフルード室68bに流入される。クラッチフルードがスレーブフルード室68bに流入されると、スレーブピストン64をスレーブフルード室68bが大きくなる方向(図中左方向)に押し出し、スレーブピストン64がダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bをフライホイール22方向(図中左方向)に押圧する。
When the
逆に、クラッチアクチュエーター80の移動ロッド85により、マスターピストン62をマスターフルード室68aが大きくなる方向(図中右方向)に移動させると、マスターフルード室68aの圧力が低下し、クラッチフルードがフルード通路65を介してスレーブフルード室68bからマスターフルード室68aに流入される。スレーブフルード室68bは、クラッチフルードの流出により内圧が低下する。これにより、スレーブピストン64では、スレーブフルード室68bからかかる圧力よりも、ダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bからかかるダイヤフラムスプリング45の復元力の方が大きくなり、スレーブピストン64は、スレーブフルード室68bが小さくなる方向(図中右方向)に移動する。したがって、ダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bは、変速機30方向(図中右方向)に移動し、ダイヤフラムスプリング45の外周部45aは、フライホイール22方向(図中左方向)に移動して、プレッシャープレート44がクラッチディスク43を押圧することとなる。
Conversely, when the
一方、マスターピストン62の位置により、マスターシリンダ61と給油ポート67とが連通した開放状態となると、フルード室68とリザーバタンク66内のクラッチフルードが出入り自由となる。リザーバタンク66内のクラッチフルードは大気開放されているので、フルード室68内のクラッチフルードも大気圧となる。ここで、ダイヤフラムスプリング45の復元力は、大気圧よりも大きいので、スレーブピストン64は、ダイヤフラムスプリング45の初期状態で接する位置まで戻されて、その位置で保持される。
On the other hand, when the
クラッチアクチュエーター80は、ECU100により駆動される直流電流モータ81と、直流電流モータ81に駆動されるウォームギヤ82と、ウォームギヤ82に回動されるウォームホイール83と、ピポットピン84を介してウォームホイール83に連結された移動ロッド85と、を備えている。また、移動ロッド85は、油圧システム60を構成するマスターシリンダ61に内装されたマスターピストン62を軸方向(図中左右方向)に移動させるようになっている。
The
また、移動ロッド85の近傍には、ストロークセンサ112が設けられている。ストロークセンサ112は、クラッチアクチュエーター80の移動ロッド85の移動量を検出するようになっている。ストロークセンサ112が検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。
A
ここで、クラッチアクチュエーター80の移動ロッド85と、マスターシリンダ61に内装されたマスターピストン62と、は機械的に接続されているため、移動ロッド85の移動量と、マスターピストン62の移動量と、は同一である。したがって、ストロークセンサ112は、クラッチアクチュエーター80の移動ロッド85の移動量を検出することにより、マスターピストン62の移動量、すなわち、マスターピストン62のストロークを検出することができるようになっている。
Here, since the moving
ECU100は、各種データの演算処置を行うCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムおよびマップ等を記憶したROM(Read Only Memory)、各種データ等の読み書きが可能なRAM(Random Access Memory)、バックアップ電源なしでデータの保存が可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェースを有している。
The
また、ECU100は、インプットシャフト回転数センサ111、ストロークセンサ112、図示しないシフトレンジセンサ、車速センサ、パーキングブレーキセンサ、ブレーキペダルセンサ、アクセルペダルセンサ、スロットル開度センサ等の各種センサに接続されており、これらのセンサから各種信号がそれぞれ入力されるようになっている。ECU100は、上記入力された信号により、インプットシャフト31の回転数、マスターピストン62の移動量、選択されたシフトレンジ、車両10の車速、パーキングブレーキの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、アクセルペダルの操作状態、エンジン20の運転状態等を検出するようになっている。
The
また、ECU100のROMには、出荷時ストローク−トルク特性マップ、クラッチストローク制御処理のプログラム、車両10の諸元値、車速およびスロットル開度に基づいて変速線図を表すマップ、変速制御を実行するためのプログラム等が記憶されている。
The ROM of the
上記ストローク−トルク特性マップとは、ストロークとクラッチトルクとの対応を示すものであり、詳細は後述する。出荷時ストローク−トルク特性マップとは、車両10を出荷する時点でのストローク−トルク特性マップであり、クラッチディスク43の経年変化等による変形がないものとした場合のストローク−トルク特性マップである。
The stroke-torque characteristic map indicates the correspondence between the stroke and the clutch torque, and details will be described later. The shipping stroke-torque characteristic map is a stroke-torque characteristic map when the
ここで、クラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力の検出方法について、説明する。
クラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力は、マスターピストン62の位置、すなわち、マスターピストン62に機械的に連結されたクラッチアクチュエーター80の移動ロッド85の位置によって決定される。
Here, a method for detecting the position of the
The position of the
前述のように、ECU100によってクラッチアクチュエーター80が駆動され、移動ロッド85が動かされると、マスターピストン62がマスターシリンダ61の内壁に沿って摺動される。マスターピストン62がマスターシリンダ61の給油ポート67との入口を越えて、マスターフルード室68aが小さくなる方向(図中左方向)に摺動されると、クラッチフルードがマスターフルード室68aから押し出され、フルード通路65を介してスレーブフルード室68bに流入される。
As described above, when the
クラッチフルードがスレーブフルード室68bに流入されると、スレーブフルード室68b内の圧力が上昇する。そのため、スレーブフルード室68b内のクラッチフルードは、スレーブピストン64を押圧し、さらに、ダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bを押圧する。ダイヤフラムスプリング45のレバー先端部45bを押圧する力が大きくなると、プレッシャープレート44がクラッチディスク43を押圧する力が小さくなり、クラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力が小さくなる。
When the clutch fluid flows into the
さらに、マスターピストン62が摺動され、スレーブフルード室68b内の圧力が高められると、クラッチディスク43とフライホイール22とが離れ、クラッチディスク43が変速機30方向(図中右方向)に移動される。
Further, when the
逆に、マスターピストン62が、マスターフルード室68aが大きくなる方向(図中右方向)に引き戻されると、スレーブフルード室68b内の圧力が低下し、ダイヤフラムスプリング45が復元力によって元に戻ろうとする。これにより、プレッシャープレート44がクラッチディスク43を押圧し、クラッチディスク43がフライホイール22方向(図中左方向)に移動される。
さらに、マスターピストン62が引き戻され、スレーブフルード室68b内の圧力が低下させられると、クラッチディスク43とフライホイール22とが接触し、クラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力が高められる。
On the contrary, when the
Further, when the
したがって、クラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力は、ストロークセンサ112によってクラッチアクチュエーター80の移動ロッド85の位置(以下、マスターピストン62のストロークという)を検出することによって求めることができる。
Therefore, the position of the
ただし、後述するように、フルード室68内のクラッチフルードが、膨張や収縮してしまうと、ストロークセンサ112によって検出した値により判断したクラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力と、実際のクラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力と、が異なってしまう。
However, as will be described later, when the clutch fluid in the
ここで、ストロークセンサ112をスレーブシリンダ63側に設けて、クラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力を検出するようにすれば、ストロークセンサ112により検出した値がクラッチフルードの膨張や収縮による影響を抑制することができる。しかしながら、スレーブシリンダ63側にストロークセンサ112を設けてしまうと、トランスミッションの大型化やエンジン20の振動による検出誤差を招いてしまう。これに対して、本発明では、マスターシリンダ61側にストロークセンサ112を設けつつ、クラッチフルードの膨張や収縮による体積変化にも対応することができるようになっている。
Here, if the
次に、ECU100の制御により、クラッチディスク43の位置およびクラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力が変更される動作について、説明する。
まず、ECU100のCPUは、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が大きくなるように移動させる場合、クラッチアクチュエーター80に対し、移動ロッド85をマスターピストン62の方向(図中左方向)に移動させるための電気信号(直流電流モータ81の駆動信号)を送信する。上記電気信号を受信したクラッチアクチュエーター80は、直流電流モータ81を駆動させて、直流電流モータ81と連結されたウォームギヤ82を回動させることにより、ウォームギヤ82と噛合したウォームホイール83を、図1における反時計回りの方向に回動させる。
Next, the operation of changing the position of the
First, when the CPU of the
図1における反時計回りの方向に回動したウォームホイール83は、ピポットピン84を介して、移動ロッド85をマスターピストン62の方向に移動させる。移動ロッド85は、マスターピストン62の方向に移動されることにより、移動ロッド85と連結したマスターピストン62を、マスターフルード室68aが小さくなる方向(図中左方向)に移動させる。
The worm wheel 83 rotated in the counterclockwise direction in FIG. 1 moves the moving
マスターピストン62は、マスターフルード室68aが小さくなる方向に移動することにより、給油ポート67を閉止し、フルード室68に含まれるクラッチフルードが外部に出入りできなくなる。マスターピストン62は、マスターフルード室68aが小さくなる方向にさらに移動することにより、前述したように、スレーブピストン64を押圧し、クラッチディスク43をクラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が大きくなるように移動させる。
When the
一方、クラッチアクチュエーター80が、クラッチディスク43を、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が小さくなるように移動させる場合には、ECU100のCPUは、クラッチアクチュエーター80に対し、移動ロッド85をマスターピストン62と逆方向(図中右方向)に移動させるための電気信号(直流電流モータ81の逆回転駆動信号)を送信する。これにより、ウォームホイール83を図1における時計回りの方向に回動させ、移動ロッド85をマスターピストン62と逆方向に移動させる。
On the other hand, when the
移動ロッド85は、マスターピストン62と逆方向に移動されることにより、マスターピストン62を、マスターフルード室68aが大きくなる方向(図中右方向)に移動させる。以下、前述したように、スレーブピストン64に対するクラッチフルードの押圧力が小さくなり、クラッチディスク43とフライホイール22とが接近し、さらに、クラッチディスク43とフライホイール22とが押圧される。
The moving
次に、スタンバイ位置検出処理について、説明する。スタンバイ位置(以下、「STB」という)とは、クラッチディスク43とフライホイール22とを押圧させてクラッチトルクを伝達させる、いわゆる、クラッチをつなげる際に、予めクラッチディスク43とフライホイール22との距離を近づけておき、クラッチのつなぎを迅速に行うために、クラッチディスク43を待機させておくための位置のことをいう。
Next, the standby position detection process will be described. The standby position (hereinafter referred to as “STB”) refers to a distance between the
また、本実施の形態におけるスタンバイ位置検出処理を実行するための条件を「車両10が停車していて、ブレーキがONであること」とする。すなわち、車両10の車速が0であって、かつ、図示しないパーキングブレーキまたはブレーキペダルが操作されていることとする。
Further, the condition for executing the standby position detection process in the present embodiment is “the
具体的には、ECU100は、図示しない車速センサの検出値により、車両10の車速を求め、車速が0であるか否かを判定する。さらに、ECU100は、図示しないパーキングブレーキセンサから入力した検出信号がON信号であるか否か、また、図示しないブレーキペダルセンサから入力した検出信号がON信号であるか否かを判定する。ECU100は、上記判定により、車両10の車速が0であり、かつ、パーキングブレーキセンサまたはブレーキペダルセンサからON信号を検出した場合に、「車両10が停車していて、ブレーキがONである」として、スタンバイ位置検出処理の実行条件が成立したものとする。
Specifically,
このスタンバイ位置検出処理では、変速機30のシフトレンジを一時的にニュートラルレンジに変更する。したがって、変速機30のシフトレンジがニュートラルレンジとなり、動力伝達が行われなくても、最も影響の少ない車両10の停車中にスタンバイ位置検出処理を行うことが望ましいため、スタンバイ位置検出処理を実行するための条件を「車両10が停車していて、ブレーキがONであること」とした。
In this standby position detection process, the shift range of the
図2に、本発明の実施の形態に係るクラッチストローク制御装置におけるスタンバイ位置検出時のクラッチ変移動作図を示す。
まず、スタンバイ位置検出処理では、ECU100のCPUは、図示しないシフトレバー等により運転者が選択しているシフトレンジに拘わらず、変速機30の変速用アクチュエーターを制御し、シフトレンジをニュートラルレンジに変更する。そして、ECU100のCPUは、クラッチアクチュエーター80を制御し、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が十分に離れるように移動させる。
FIG. 2 shows a clutch change movement drawing when the standby position is detected in the clutch stroke control apparatus according to the embodiment of the present invention.
First, in the standby position detection process, the CPU of the
図2(a)に示すように、エンジン20の稼働時には、クランクシャフト21およびフライホイール22は、回転している。一方、クラッチディスク43は、フライホイール22と接触しておらず、クラッチディスク43および変速機30のインプットシャフト31は、インプットシャフト回転数センサ111によって、回転数が略零であることが検出される。なお、前述したように、クラッチディスク43は、変速機30のインプットシャフト31とスプライン勘合されており、インプットシャフト31と回転数は同一となる。
As shown in FIG. 2A, when the
次に、ECU100のCPUは、クラッチアクチュエーター80を制御し、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が小さくなる方向にクラッチディスク43を移動させる。
Next, the CPU of the
次に、図2(b)に示すように、クラッチディスク43がフライホイール22と接触し、押圧力が一定量以上となると、クラッチディスク43およびインプットシャフト31が回転を開始する。ここで、ECU100のCPUは、インプットシャフト回転数センサ111が検出するインプットシャフト31の回転数が、略零の回転数に対して予め定められた回転数だけ増加したことに基づいて、クラッチディスク43がフライホイール22と接触したことを検知する。
Next, as shown in FIG. 2B, when the
なお、スタンバイ位置検出動作開始時において、インプットシャフト31の回転数が略零でない場合、すなわち、インプットシャフト31が回転している場合であっても、ECU100のCPUは、インプットシャフト31の回転数が、予め定められた回転数だけ変化したことに基づいて、クラッチディスク43がフライホイール22と接触したことを検知することができる。
クラッチディスク43がフライホイール22と接触したことを検知したECU100のCPUは、この時点におけるストロークを、ストロークセンサ112によって検知する。
Note that when the rotation speed of the
The CPU of the
次に、図2(c)に示すように、ECU100のCPUは、クラッチアクチュエーター80を制御し、クラッチディスク43とフライホイール22との接触を検知した状態から、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が予め定められた距離だけ大きくなるように、マスターピストン62を移動させることにより、クラッチディスク43を移動させる。
Next, as shown in FIG. 2 (c), the CPU of the
具体的には、ECU100のCPUは、クラッチアクチュエーター80を制御することによって、クラッチディスク43とフライホイール22との接触を検知した時点におけるマスターピストン62のストロークから、予め定められた距離だけ移動ロッド85がマスターピストン62の方向に移動するようにマスターピストン62のストロークを制御することによって、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離を予め定められた距離だけ大きくする。
Specifically, the CPU of the
そして、ECU100のCPUは、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離が、予め定められた距離だけ大きくなったマスターピストン62のストロークを、クラッチディスク43のSTBに対応するストロークとする。
Then, the CPU of the
なお、ストロークセンサ112によるストロークの検出は、クラッチディスク43とフライホイール22とが接触したときではなく、クラッチディスク43とフライホイール22との間の距離を予め定められた距離だけ大きくなるように、予め定められた距離だけマスターピストン62を移動させたときに検出するようにしてもよい。
In addition, the detection of the stroke by the
さらに、本実施の形態におけるクラッチストローク制御処理を継続するための条件を「給油ポート67が閉であること」、すなわち、マスターシリンダ61の給油ポート67の入口が、マスターピストン62によって封鎖され、フルード室68が密封された密封状態であることとする。
このクラッチストローク制御処理を継続するための条件を「給油ポート67が閉であること」とした理由を以下に説明する。
Furthermore, the condition for continuing the clutch stroke control process in the present embodiment is that “the
The reason why the condition for continuing the clutch stroke control process is “the
給油ポート67が閉である場合には、フルード室68は密封され、外部とクラッチフルードの出入りはない。このため、マスターピストン62が移動されると、この移動量に比例してスレーブピストン64も移動され、この移動量に応じてプレッシャープレート44がクラッチディスク43をフライホイール22に押圧する。したがって、ストロークセンサ112が検出するストロークと、クラッチディスク43とフライホイール22との間に発生している押圧力(以下、「クラッチトルク」という)との間には一定の関係(以下、「ストローク−トルク特性」という)が存在することとなる。
When the
ところで、クラッチフルードの温度が変化することによりその体積が変化すると、ストローク−トルク特性も変化する。例えば、温度上昇により、クラッチフルードの体積が膨張すると、マスターピストン62の位置、すなわち、ストロークが温度上昇前と同一であっても、クラッチフルードの膨張によって、スレーブピストン64が押し出され(図中左方向に押圧)、プレッシャープレート44の押圧力が小さくなり、クラッチトルクが低下する。このクラッチトルクを温度上昇前と同一にするには、スレーブピストン64を戻す(図中右方向に移動)、すなわち、マスターピストン62の位置をクラッチアクチュエーター80方向(図中右方向)に引き戻す必要がある。
By the way, when the volume of the clutch fluid changes due to a change in the temperature of the clutch fluid, the stroke-torque characteristics also change. For example, when the volume of the clutch fluid expands due to an increase in temperature, even if the position of the
このように、給油ポート67が閉である場合には、クラッチフルードの体積変化に伴い、ストローク−トルク特性が変化する。したがって、必要なクラッチトルクに対応するストロークが変化するため、本クラッチストローク制御処理を行って、変化したストロークを補正することにより、クラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力を適正なものとする。
Thus, when the
これに対して、給油ポート67が開となった場合には、リザーバタンク66とマスターシリンダ61とが連通することとなり、リザーバタンク66内のクラッチフルードとフルード室68内のクラッチフルードとが、自由に出入りすることとなる。ここで、スレーブシリンダ63には、ダイヤフラムスプリング45の復元力がかかっており、リザーバタンク66におけるクラッチフルードにかかる大気圧よりも大きな値である。したがって、給油ポート67が開の状態では、クラッチフルードはリザーバタンク66で大気開放され、ストロークに拘わらず、スレーブシリンダ63は移動せず、クラッチ機構40が動作しないこととなる。すなわち、給油ポート67が開となった場合には、温度の変化によるクラッチフルードの体積変化に伴うストローク−トルク特性の変化を補正する意味がないこととなる。
In contrast, when the
以上の理由により、本実施の形態におけるクラッチストローク制御処理は、「給油ポート67が閉であること」を処理継続のための条件としている。
For the above reasons, the clutch stroke control process according to the present embodiment sets “the
さらに、給油ポート67が閉から開となり、再び閉となったとき、フルード室68に封入されているクラッチフルードの体積は、前回給油ポート67が閉となったときの体積とほぼ同一である。したがって、ストローク−トルク特性は、前回給油ポート67が閉となったときの特性とほぼ同一の特性を示す。
Further, when the
一方、前回給油ポート67が閉となった後、給油ポート67が開となるまでの間に、フルード室68内のクラッチフルードの体積が変化していた場合には、上記のように、ストローク−トルク特性は変化する。したがって、給油ポート67が閉から開となり再び閉となったときのストローク−トルク特性は、給油ポート67が開となる前の特性とは異なる。すなわち、この場合、ストローク−トルク特性が急激に変化する。このようなストローク−トルク特性の変化は、温度の変化によるクラッチフルードの体積変化に伴うストローク−トルク特性の変化ではないので、体積変化に伴う補正する意味はないこととなる。
On the other hand, if the volume of the clutch fluid in the
逆に、このときのストローク−トルク特性は、前回給油ポート67が閉となったときの特性とほぼ同一の特性であるので、前回給油ポート67が閉となったときのストローク−トルク特性を用いて、クラッチストロークの制御を行うことが望ましい。
Conversely, since the stroke-torque characteristic at this time is almost the same as the characteristic when the previous
以下、本発明の実施の形態に係るクラッチストローク制御装置を搭載した車両10の特徴的な構成について説明する。
Hereinafter, a characteristic configuration of the
クラッチ機構40は、フライホイール22とクラッチディスク43とを押圧させることによりクラッチトルクを伝達させ、スレーブピストン64の移動によりフライホイール22とクラッチディスク43との距離および押圧力が決定されるようになっている。すなわち、クラッチ機構40は、本発明におけるクラッチ機構を構成している。
The
油圧システム60は、マスターピストン62を内装したマスターシリンダ61とスレーブピストン64を内装したスレーブシリンダ63とがフルード通路65により連通され、マスターピストン62とマスターシリンダ61とフルード通路65とスレーブシリンダ63とスレーブピストン64とにより形成されるフルード室68にクラッチフルードが封入され、マスターピストン62の移動によりクラッチフルードを介してスレーブピストン64が移動されるようになっている。
In the
また、油圧システム60は、マスターピストン62により給油ポート67を閉鎖し、クラッチアクチュエーター80によりフライホイール22とクラッチディスク43とが係合された位置からマスターフルード室68a(マスターシリンダ61内のフルード室68)が拡張する方向にマスターピストン62が移動されることにより給油ポート67を開放可能とするようになっている。すなわち、油圧システム60は、本発明におけるシリンダ機構を構成している。
Further, the
また、マスターシリンダ61は、本発明における第1シリンダを構成しており、マスターピストン62は、本発明における第1ピストンを構成している。また、スレーブシリンダ63は、本発明における第2シリンダを構成しており、スレーブピストン64は、本発明における第2ピストンを構成している。また、フルード通路65は、本発明におけるシリンダ間油路を構成している。
The
さらに、給油ポート67は、クラッチフルードを充填するリザーバタンク66とマスターシリンダ61とを連通するようになっており、本発明における給油用油路を構成している。また、フルード室68は、本発明における油室を構成している。
Further, the
クラッチアクチュエーター80は、マスターピストン62を移動させるようになっている。また、クラッチアクチュエーター80は、ECU100に補正されたストロークに基づいてマスターピストン62を移動させるようになっている。また、クラッチアクチュエーター80は、ECU100による第2スタンバイ位置の決定に伴い、マスターピストン62を設定された第2スタンバイ位置に移動させるようになっている。すなわち、クラッチアクチュエーター80は、本発明におけるピストン移動手段を構成している。
ここで、第2スタンバイ位置(STB1)は、本発明における第2待機位置を示すものである。また、第1スタンバイ位置(STB0)は、本発明における第1待機位置を示すである。
The
Here, the second standby position (STB1) indicates the second standby position in the present invention. The first standby position (STB0) is the first standby position in the present invention.
変速機30は、クラッチディスク43から回転トルクを入力し、変速して、車両10の駆動輪に動力を伝達するアウトプットシャフトに出力するようになっている。すなわち、変速機30は、本発明における変速装置を構成している。
The
インプットシャフト回転数センサ111は、フライホイール22とクラッチディスク43との接触を検出するようになっている。すなわち、インプットシャフト回転数センサ111は、本発明におけるクラッチ接触検出手段を構成している。
The input shaft
車速センサ、パーキングブレーキセンサまたはブレーキペダルセンサは、クラッチ機構40を備えた車両10の停車を検出するようになっている。すなわち、車速センサ、パーキングブレーキセンサまたはブレーキペダルセンサは、本発明における車両停車検出手段を構成している。
The vehicle speed sensor, the parking brake sensor, or the brake pedal sensor detects the stop of the
ECU100は、マスターピストン62の規定位置からの移動量を示すストロークと、クラッチトルクの大きさと、の対応関係を表すストローク−トルク特性マップを記憶するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明におけるストローク−トルク特性マップ記憶手段を構成している。
The
また、ECU100は、フライホイール22とクラッチディスク43との距離を予め設定した待機離間距離とするスレーブピストン64の位置に対応するマスターピストン62の位置を、第1スタンバイ位置として記憶するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における第1待機位置記憶手段を構成している。
In addition, the
また、ECU100は、インプットシャフト回転数センサ111によりフライホイール22とクラッチディスク43との接触が検出されたときのマスターピストン62の位置に基づいて、フライホイール22とクラッチディスク43との距離が待機離間距離となるマスターピストン62の位置を求め、第2スタンバイ位置として決定するようになっている。また、ECU100は、車両10の停車を検出したとき、変速機30による変速を、クラッチディスク43から入力した回転トルクをアウトプットシャフトへの伝達を遮断するニュートラルレンジに変更させ、第2スタンバイ位置を決定するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における第2待機位置決定手段を構成している。
Further, the
また、ECU100は、第1スタンバイ位置と、第2スタンバイ位置と、の差分を補正値として算出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における補正値算出手段を構成している。
Further, the
また、ECU100は、算出された前記補正値を記憶するようになっている。また、ECU100は、給油ポート67の開放時に第2スタンバイ位置と第1スタンバイ位置とが同一であることを示す補正値、すなわち、補正値を初期化して0とするようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における補正値記憶手段を構成している。
Further, the
また、ECU100は、クラッチ機構40に対するクラッチトルクの伝達指令に基づいて、ストローク−トルク特性マップにより、前記伝達指令に含まれるクラッチトルクの大きさに応じたストロークを求め、記憶された補正値により前記ストロークを補正するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明におけるトルク伝達時ストローク補正手段を構成している。
Further, the
次に、動作について説明する。
図3および図4は、本発明の実施の形態に係る車両におけるクラッチストローク制御処理を示すフローチャートである。
Next, the operation will be described.
3 and 4 are flowcharts showing a clutch stroke control process in the vehicle according to the embodiment of the present invention.
なお、図3および図4に示すフローチャートは、ECU100のCPUによって実行されるクラッチストローク制御処理のプログラムであり、このクラッチストローク制御処理のプログラムはECU100のROMに記憶されている。また、このクラッチストローク制御処理は、ECU100のCPUによって所定の間隔で実行される。なお、このクラッチストローク制御処理の実行タイミングは、マスターシリンダ61の給油ポート67の入口が、マスターピストン62によって封鎖され、フルード室68が密封された密封状態となったときに実行するようにしてもよい。
The flowcharts shown in FIGS. 3 and 4 are clutch stroke control processing programs executed by the CPU of the
図3および図4に示すように、まず、ECU100のCPUは、給油ポート67が閉であるか否かを判定し、給油ポート67が閉でない、すなわち、給油ポート67が開であった場合には、本クラッチストローク制御処理を終了し、給油ポート67が閉であった場合には、スタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理に移行する(ステップS11)。例えば、ECU100のCPUは、ストロークセンサ112によって検出されたストロークに基づいて、給油ポート67が閉であるか否かを判定する。
As shown in FIGS. 3 and 4, first, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、給油ポート67が閉であった場合(ステップS11の判定でYES)には、車両10が停車中でかつブレーキがONであるか否かを判定し、スタンバイ位置検出処理の実行条件判定を行う(ステップS12)。
具体的には、前述のように、ECU100のCPUは、車両10の車速が0であるか否かを、図示しない車速センサから入力した検出値に基づいて判定する。また、ECU100のCPUは、車両10の図示しないパーキングブレーキ(以下、「PKB」という)がONであるか否かを、図示しないパーキングブレーキセンサから入力した検出信号により判定し、さらに、車両10の図示しないブレーキペダルが踏まれているか否かを、図示しないブレーキペダルセンサから入力した検出信号により判定することにより、ブレーキがONであるか否かを判定する。
Next, when the
Specifically, as described above, the CPU of the
ECU100のCPUは、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定した場合には、以降の処理を継続し、車両10が停車していない、もしくは、何れのブレーキもONでない場合には、再度、給油ポート67の開閉判定処理(ステップS11)およびスタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理(ステップS12)を、給油ポート67が開となるか(ステップS11の判定でNO)、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定される(ステップS12の判定でYES)まで繰り返す。
When the CPU of the
ECU100のCPUは、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定した場合(ステップS12の判定でYES)には、シフトレバー位置、すなわち、図示しないシフトレバー等により運転者が選択しているシフトレンジに拘わらず、変速機30に内装された図示しないギヤをニュートラルに変更する制御を行う(ステップS13)。
When the CPU of the
具体的には、ECU100のCPUは、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定した場合には、図示しない変速用アクチュエーターに対して、シフトレンジをニュートラルレンジに変更するための電気信号を出力する。シフトレンジをニュートラルレンジに変更するための電気信号を受信した変速用アクチュエーターは、ギヤをニュートラルに変更する。
Specifically, when the CPU of the
次いで、ECU100のCPUは、クラッチディスク43の初期スタンバイ位置(以下、「STB0」という)を、ストロークセンサ112における移動ロッド85のストローク検出位置により検出し、検出したSTB0をRAMに記憶する(ステップS14)。また、このとき、スタンバイ位置を再設定するまでの時間(以下、STB再設定時間という)の計時を開始する。
Next, the CPU of the
ここで、ECU100のCPUは、STB0を検出した後に、出荷時ストローク−トルク特性マップをSTB0に対応するストローク−トルク特性マップに更新し、ECU100のRAMに記憶する。このストローク−トルク特性マップの更新方法については、従来からある既存の方法を用いて更新することができるので、説明は省略する。なお、このストローク−トルク特性マップの更新は、エンジン20の始動時にのみ行うようにしてもよいし、経年変化等によるクラッチディスク43の変化を無視し更新自体を行わないようにしてもよい。ストローク−トルク特性マップの詳細については、後述する。
さらに、ECU100のCPUは、マスターピストン62の位置をSTB0として、クラッチディスク43を移動させるため、クラッチアクチュエーター80を制御し、駆動させる。
Here, after detecting STB0, the CPU of
Further, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、STB0を記憶した後、変速機30の変速用アクチュエーターを制御してシフトレンジを、シフトレバー位置、すなわち、図示しないシフトレバー等により運転者が選択しているシフトレンジに戻す制御を行う(ステップS15)。
Next, after storing STB0, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、クラッチ係合指示が出されているか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、ECU100のCPUは、図示しないアクセルペダルを運転者が踏み込んだか否か等を、図示しないアクセルペダルセンサ等により検出して、クラッチ係合指示が出されているか否かを判定する。
Next, the CPU of the
ECU100のCPUは、クラッチ係合指示が出されている場合には、クラッチ係合処理(ステップS17)に移行し、クラッチ係合指示が出されていない場合には、クラッチ係合は行わないため、給油ポート67は閉のままであるので、経過時間判定処理(ステップS19)に移行し、本クラッチストローク制御処理を継続する。
When the clutch engagement instruction is issued, the CPU of the
ECU100のCPUは、クラッチ係合指示が出されている場合(ステップS16の判定でYES)には、クラッチ係合処理を行う(ステップS17)。
ここで、ECU100のCPUは、図示しない出力トルクセンサ等により検出したエンジン20の出力トルク等(車両の走行状態)に基づいて、予めROMに記憶されたマップまたは数式を用いることにより、クラッチディスク43とフライホイール22とを係合するために必要なクラッチトルクT0を算出する。
When the clutch engagement instruction is issued (YES in step S16), the CPU of
Here, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、クラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力が、上記クラッチトルクT0となるマスターピストン62のストロークを算出する。このストロークを算出するには、上記ストローク−トルク特性マップを用いる。
Next, the CPU of the
図5に、本発明の実施の形態に係るストローク−トルク特性マップを示し、説明する。また、図5に示すストローク−トルク特性マップは、スタンバイ位置がSTB0である場合のストローク−トルク特性マップである。なお、図5におけるC0が示す曲線は、ストロークに対するクラッチトルクの大きさを表すものである。また、ストローク−トルク特性は、車両10に固有のものであり、車種およびクラッチ機構40の型式等によって異なるものである。
FIG. 5 shows and describes a stroke-torque characteristic map according to the embodiment of the present invention. The stroke-torque characteristic map shown in FIG. 5 is a stroke-torque characteristic map when the standby position is STB0. A curve indicated by C0 in FIG. 5 represents the magnitude of the clutch torque with respect to the stroke. The stroke-torque characteristics are unique to the
すなわち、クラッチディスク43とフライホイール22とが係合するために必要なクラッチトルクが求められたとき、ストローク−トルク特性マップによって、必要なマスターピストン62のストロークを得ることができる。
That is, when the clutch torque necessary for engaging the
例えば、スタンバイ位置がSTB0である場合に、マスターピストン62のストロークをSt0に移動すると、スレーブピストン64に対するクラッチフルードの押圧力が減少し、ダイヤフラムスプリング45の復元力で、クラッチディスク43とフライホイール22との間のクラッチトルクがT0となる。
For example, when the standby position is STB0 and the stroke of the
一方、マスターピストン62のストロークをSt0よりSTB0側とした場合、スレーブシリンダ63に対するクラッチフルードの押圧力が減少する割合が、St0の場合よりも小さく、クラッチディスク43とフライホイール22との間のクラッチトルクは、T0よりも小さくなる。また、マスターピストン62のストロークをSt0よりSTB0と逆側とした場合、スレーブシリンダ63に対するクラッチフルードの押圧力が減少する割合が、St0の場合よりも大きく、クラッチディスク43とフライホイール22との間のクラッチトルクは、T0よりも大きくなる。
このように、ストローク−トルク特性マップを用いることにより、クラッチトルクからストロークを求めることができる。
On the other hand, when the stroke of the
Thus, the stroke can be obtained from the clutch torque by using the stroke-torque characteristic map.
クラッチストローク制御処理の説明に戻り、ECU100のCPUは、クラッチトルクT0に対応するストロークSt0を、ストローク−トルク特性C0に基づいて算出し、算出したSt0に対応する位置まで移動ロッド85を移動させるように、クラッチアクチュエーター80を制御する。
Returning to the description of the clutch stroke control process, the CPU of the
したがって、スタンバイ位置がSTB0である場合において、クラッチディスク43とフライホイール22との間のクラッチトルクを、過不足なくT0とさせることができる。これにより、クラッチを係合させることができる。
Therefore, when the standby position is STB0, the clutch torque between the
ここで、上記クラッチ係合を行う場合、クラッチディスク43とフライホイール22とを完全に係合させてダイヤフラムスプリング45にかかる油圧を開放する、いわゆる、完全係合の場合と、クラッチディスク43とフライホイール22との押圧力を所定の値で保つ、あるいは、クラッチディスク43にフライホイール22からエンジン20の動力を伝達した後再度切り離す場合がある。すなわち、マスターピストン62を引き戻し、給油ポート67が開となる場合と、マスターピストン62を所定の位置で保持または再度押し込み、給油ポート67が閉のままの場合とがある。
Here, when the clutch is engaged, the
したがって、ECU100のCPUは、クラッチ係合処理(ステップS17)後、給油ポート67が閉であるか否かを判定する(ステップS18)。ECU100のCPUは、給油ポート67が閉でない、すなわち、給油ポート67が開となった場合には、本クラッチストローク制御処理を終了し、給油ポート67が閉である場合には、経過時間判定処理(ステップS19)に移行し、本クラッチストローク制御処理を継続する。
Therefore, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、上記クラッチ係合指示が出されていなかった場合(ステップS16の判定でNO)、または、給油ポート67が閉である場合(ステップS18の判定でYES)には、STB0を記憶した(ステップS14)時刻から、上記STB再設定時間が経過しているか否かを判定する(ステップS19)。
Next, when the clutch engagement instruction has not been issued (NO in step S16) or when the
STB再設定時間が経過している場合には、次のスタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理(ステップS20)に移行し、STB再設定時間が経過していない場合には、STB0を記憶した時刻からSTB再設定時間が経過するまで、上記クラッチ係合指示判定処理(ステップS16)から給油ポート開閉判定処理(ステップS18)を繰り返す。 If the STB reset time has elapsed, the process proceeds to the execution condition determination process (step S20) of the next standby position detection process. If the STB reset time has not elapsed, the time when STB0 is stored Until the STB resetting time elapses, the clutch engagement instruction determination process (step S16) to the fuel supply port opening / closing determination process (step S18) are repeated.
STB再設定時間が経過している場合(ステップS19の判定でYES)には、車両10が停車中でかつブレーキがONであるか否かを判定し、スタンバイ位置検出処理の実行条件判定を行う(ステップS20)。このスタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理は、上記スタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理(ステップS12)と同様である。すなわち、車両10の車速が0であるか否かを、図示しない車速センサの検出値に基づいて判定し、さらに、PKBがONであること、または、ブレーキペダルが踏まれていることを、図示しないパーキングブレーキセンサ、ブレーキペダルセンサ等の信号に基づいて、車両10が停車中でかつブレーキがONであるか否かを判定することができる。
When the STB resetting time has elapsed (YES in the determination in step S19), it is determined whether the
車両10が停車中でかつブレーキがONである場合には、次のスタンバイ位置を検出するため次処理(ステップS21)に移行し、車両10が停車していない、もしくは、何れのブレーキもONでない場合には、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定されるまで、上記クラッチ係合指示判定処理(ステップS16)からSTB再設定時間経過判定(ステップS19)を繰り返す。
When the
ECU100のCPUは、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定した場合(ステップS20の判定でYES)には、図示しないシフトレバー等により運転者が選択しているシフトレンジに拘わらず、変速機30の変速用アクチュエーターを制御してシフトレンジをニュートラルレンジに変更する制御を行う(ステップS21)。
When the CPU of the
次いで、ECU100のCPUは、STB再設定時間の計時開始からSTB再設定時間を経過した後のクラッチディスク43のスタンバイ位置(以下、「STB1」という)を検出し、検出したSTB1をRAMに記憶する(ステップS22)。また、このとき、STB再設定時間の再計時を開始する。すなわち、ECU100のCPUは、STB0を記憶した時刻からSTB再設定時間が経過後のSTB1を最初のSTB1として記憶し、前回のSTB1を記憶した時刻からSTB再設定時間を経過した後の新たなSTB1を2回目以降のSTB1の記憶として、STB再設定時間ごとに記憶する。STB1のRAMへの記憶は、上書きにより更新してもよいが、STB0については、RAMに保持しておく。
Next, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、STB1を記憶した後、変速機30の変速用アクチュエーターを制御してシフトレンジを、図示しないシフトレバー等により運転者が選択しているシフトレンジに戻す制御を行う(ステップS23)。
Next, after storing STB1, the CPU of the
さらに、ECU100のCPUは、新たに検出したSTB1とRAMに記憶している初期スタンバイ位置STB0との差分に基づいて、クラッチフルードの体積変化に伴うストローク補正量α(=STB1−STB0)を算出し、RAMに記憶する(ステップS24)。
Further, the CPU of the
ここで、クラッチフルードの体積変化に伴うクラッチストロークの補正について、説明する。
図6は、本発明の実施の形態におけるSTB0に対応するストローク−トルク特性マップを用いて、STB1におけるストロークへの補正方法を説明する図である。
Here, the correction of the clutch stroke accompanying the change in the volume of the clutch fluid will be described.
FIG. 6 is a diagram illustrating a method for correcting a stroke in STB1 using a stroke-torque characteristic map corresponding to STB0 in the embodiment of the present invention.
ECU100のCPUは、クラッチディスク43とフライホイール22とを係合する場合には、図示しない出力トルクセンサ等により検出したエンジン20の出力トルク等に基づいて、予めROMに記憶されたマップまたは数式を用いることにより、クラッチディスク43とフライホイール22とを係合するために必要なクラッチトルクT1を算出する。
When the
次に、ECU100のCPUは、算出したクラッチトルクT1に対応するストロークを、ストローク−トルク特性マップを用いて算出しなければならない。ところが、ECU100のRAMに記憶されたストローク−トルク特性マップは、STB0に対応するマップである。一方、スタンバイ位置は、STB1になっており、STB0からα分ずれている。
Next, the CPU of the
ここで、STB1に対応するストローク−トルク特性C1は、STB0に対応するストローク−トルク特性C0を、STB0からSTB1へ向かう方向にαだけ平行移動させた特性曲線とほぼ同等とみなすことができる。 Here, the stroke-torque characteristic C1 corresponding to STB1 can be regarded as substantially equivalent to a characteristic curve obtained by translating the stroke-torque characteristic C0 corresponding to STB0 in the direction from STB0 to STB1.
したがって、STB1におけるクラッチトルクT1に対応するストロークは、ECU100のRAMに記憶されたSTB0に対応するストローク−トルク特性マップを用いて、クラッチトルクT1からストロークAを求め、このストロークAにSTB1とSTB0との差分αを加えたストロークSt1とみなすことができる。
Therefore, the stroke corresponding to the clutch torque T1 in STB1 is obtained from the clutch torque T1 using the stroke-torque characteristic map corresponding to STB0 stored in the RAM of the
すなわち、STB1とSTB0との差分αをストローク補正量として算出し、RAMに記憶しておく。そして、クラッチ係合時に、必要なクラッチトルク(T1)からSTB0に対応するストローク−トルク特性マップを用いてストローク(A)を算出し、ストローク補正量αを加算することによって、ストローク(St1)を求めることができる。したがって、スタンバイ位置をSTB0からSTB1に変更しても、STB1に対応するストローク−トルク特性マップを持たずに、クラッチディスク43とフライホイール22とを、必要なクラッチトルク(T1)に制御するストローク(St1)を求めることができる。
That is, the difference α between STB1 and STB0 is calculated as a stroke correction amount and stored in the RAM. When the clutch is engaged, the stroke (A) is calculated from the required clutch torque (T1) using the stroke-torque characteristic map corresponding to STB0, and the stroke correction amount α is added to calculate the stroke (St1). Can be sought. Therefore, even if the standby position is changed from STB0 to STB1, the stroke (which controls the
クラッチストローク補正制御処理の説明に戻り、ECU100のCPUは、ストローク補正量αを算出した(ステップS24)後、クラッチ係合指示が出されているか否かを判定する(ステップS25)。このクラッチ係合指示の有無の判定処理は、前述のクラッチ係合指示の有無の判定処理(ステップS16)と同様に、ECU100のCPUが、図示しないアクセルペダルを運転者が踏み込んだか否か等を、図示しないアクセルペダルセンサ等により検出して、クラッチ係合指示が出されているか否かを判定する。
Returning to the description of the clutch stroke correction control process, the CPU of the
ECU100のCPUは、クラッチ係合指示が出されている場合には、クラッチ係合処理(ステップS26)に移行し、クラッチ係合指示が出されていない場合には、クラッチ係合は行わないため、給油ポート67は閉のままであるので、経過時間判定処理(ステップS28)に移行し、本クラッチストローク制御処理を継続する。
When the clutch engagement instruction is issued, the CPU of the
ECU100のCPUは、クラッチ係合指示が出されている場合(ステップS25の判定でYES)には、クラッチ係合を行う(ステップS26)。
ここで、ECU100のCPUは、前述のクラッチ係合処理(ステップS17)と同様に、車両10の走行状態に基づいて、クラッチディスク43とフライホイール22とを係合するために必要なクラッチトルクT1を算出する。
When the clutch engagement instruction has been issued (YES in step S25), the CPU of
Here, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、クラッチディスク43とフライホイール22との間の押圧力が、上記クラッチトルクT1となるマスターピストン62のストロークSt1を算出する。このストロークSt1の算出は、上記のように、クラッチトルクT1からSTB0に対応するストローク−トルク特性マップを用いてストロークAを算出し、ストローク補正量αを加算することによって求める。これにより、STB1に対応するストローク−トルク特性マップを持たずに、最新のSTB1からストロークSt1を求めることができる。
Next, the CPU of the
次に、ECU100のCPUは、クラッチ係合処理(ステップS26)後、給油ポート67が閉であるか否かを判定する(ステップS27)。ECU100のCPUは、給油ポート67が閉である場合には、経過時間判定処理(ステップS28)に移行し、給油ポート67が閉でない、すなわち、給油ポート67が開となった場合には、補正量初期化処理(ステップS30)に移行する。
Next, the CPU of the
給油ポート67が閉でない場合(ステップS27の判定でNO)には、ECU100のRAMに記憶したストローク補正量をクリア(α=0)して(ステップS30)、本クラッチストローク制御処理を終了する。
If the
次に、ECU100のCPUは、上記クラッチ係合指示が出されていなかった場合(ステップS25の判定でNO)、または、給油ポート67が閉である場合(ステップS27の判定でYES)には、STB1を記憶した(ステップS22)時刻から、上記STB再設定時間が経過しているか否かを判定する(ステップS28)。
Next, when the clutch engagement instruction has not been issued (NO in step S25) or when the
STB再設定時間が経過している場合には、次のスタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理(ステップS29)に移行し、STB再設定時間が経過していない場合には、STB1を記憶した時刻からSTB再設定時間が経過するまで、上記クラッチ係合指示判定処理(ステップS25)から給油ポート開閉判定処理(ステップS27)を繰り返す。 If the STB reset time has elapsed, the process proceeds to the next standby position detection process execution condition determination process (step S29). If the STB reset time has not elapsed, the time at which STB1 is stored is stored. Until the STB resetting time elapses, the clutch engagement instruction determination process (step S25) to the fuel supply port opening / closing determination process (step S27) are repeated.
STB再設定時間が経過している場合(ステップS28の判定でYES)には、車両10が停車中でかつブレーキがONであるか否かを判定し、スタンバイ位置検出処理の実行条件判定を行う(ステップS29)。このスタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理は、上記スタンバイ位置検出処理の実行条件判定処理(ステップS12、ステップS20)と同様である。すなわち、車両10の車速が0であるか否かを、図示しない車速センサの検出値に基づいて判定し、さらに、PKBがONであること、または、ブレーキペダルが踏まれていることを、図示しないパーキングブレーキセンサ、ブレーキペダルセンサ等の信号に基づいて、車両10が停車中でかつブレーキがONであるか否かを判定することができる。
If the STB resetting time has elapsed (YES in step S28), it is determined whether or not the
車両10が停車中でかつブレーキがONである場合には、次のスタンバイ位置を検出するための処理(ステップS21)に戻り、車両10が停車していない、もしくは、何れのブレーキもONでない場合には、車両10が停車中でかつブレーキがONであると判定されるまで、上記クラッチ係合指示判定処理(ステップS25)からSTB再設定時間経過判定(ステップS28)を繰り返す。
When the
以上のように、本実施の形態に係るクラッチストローク制御装置は、クラッチフルードの熱膨張等によりSTB1が、予め設定したSTB0と異なっていても、STB1とSTB0との差分αを算出して、クラッチトルク伝達時には補正を行い、ストロークを調整するので、フルード室68内のクラッチフルードに体積変動が生じることによりストローク−トルク特性が変動しても、マスターピストン62のストロークを制御して、フライホイール22とクラッチディスク43との間の押圧力をクラッチ係合時の押圧力に相当する大きさとすることができ、フライホイール22とクラッチディスク43との係合およびクラッチトルクの伝達を過不足なく制御して、従来と比較して滑らかなクラッチ接続を実現し、車両走行の快適性を向上させることができる。
As described above, the clutch stroke control apparatus according to the present embodiment calculates the difference α between STB1 and STB0 even if STB1 is different from the preset STB0 due to thermal expansion of the clutch fluid, etc. Since the correction is performed and the stroke is adjusted when torque is transmitted, the stroke of the
また、本実施の形態に係るクラッチストローク制御装置は、給油ポート67が一端開放された後、再び給油ポート67が閉鎖されフルード室68が密封されると、ストローク−トルク特性が初期状態とほぼ同一に戻ることとなるが、給油ポート67の開放時に、STB0とSTB1とを同一位置としてマスターピストン62の補正値を初期化しているので、給油ポート67の閉鎖後すぐにSTB0を測定していない場合でも、元の特性のストローク−トルク特性マップを用いてクラッチトルク伝達指令時にマスターピストン62のストロークを求めることができ、給油ポート67の開放時の大幅なストローク−トルク特性の変動にも対応することができる。また、給油ポートが開閉されるたびに、補正量を初期化し、元のストローク−トルク特性マップを用いてマスターピストン62のストロークを求めるので、給油ポート67が繰り返し開閉して補正が行われても、マスターピストン62のストロークの補正誤差が累積されることがなく、誤差を小さくすることができる。
Further, in the clutch stroke control device according to the present embodiment, when the
さらに、本実施の形態に係るクラッチストローク制御装置は、STB1の設定に伴い、クラッチディスク43がスタンバイ位置となるようにマスターピストン62を移動させることができるため、フライホイール22とクラッチディスク43とを係合する際の係合時間を短縮させることができる。
Furthermore, since the clutch stroke control apparatus according to the present embodiment can move the
さらに、本実施の形態に係るクラッチストローク制御装置は、STB1の決定時に、車両10が停止しており、変速機30をニュートラルレンジに変更させるので、車両10の走行に影響させることなくSTB1の測定を行うことができるとともに、クラッチディスク43が停止しているため、フライホイール22とクラッチディスク43との接触を精度よく検出することができ、STB1の決定を正確に行うことができる。また、運転者が変速機30をニュートラルレンジに変更しなくても、STB1を決定することができ、運転者の操作に依存することなく、車両走行の快適性を向上させることができる。
Furthermore, the clutch stroke control apparatus according to the present embodiment is configured to measure STB1 without affecting the traveling of the
以上説明したように、本発明に係るクラッチストローク制御装置は、フライホイールとクラッチディスクとの間の押圧力をクラッチ係合時の押圧力に相当する大きさとすることができ、フライホイールとクラッチディスクとの係合およびクラッチトルクの伝達を過不足なく制御して、従来と比較して滑らかなクラッチ接続を実現し、車両走行の快適性を向上させることができるという効果を有し、クラッチ係合時のストロークを制御するクラッチストローク制御装置等として有用である。 As described above, the clutch stroke control device according to the present invention can set the pressing force between the flywheel and the clutch disk to a magnitude corresponding to the pressing force at the time of clutch engagement. The clutch engagement and clutch torque transmission are controlled without excess and deficiency, and a smooth clutch connection is realized compared to the conventional case, and the vehicle driving comfort can be improved. It is useful as a clutch stroke control device for controlling the stroke of the hour.
10 車両
20 エンジン
21 クランクシャフト
22 フライホイール
30 変速機(変速装置)
31 インプットシャフト
40 クラッチ機構
41 クラッチハウジング
42 クラッチカバー
43 クラッチディスク
44 プレッシャープレート
45 ダイヤフラムスプリング
45a 外周部
45b レバー先端部
45c レバー基部
60 油圧システム(シリンダ機構)
61 マスターシリンダ(第1シリンダ)
62 マスターピストン(第1ピストン)
63 スレーブシリンダ(第2シリンダ)
64 スレーブピストン(第2ピストン)
65 フルード通路(シリンダ間油路)
66 リザーバタンク
67 給油ポート(給油用油路)
68 フルード室(油室)
80 クラッチアクチュエーター(ピストン移動手段)
81 直流電流モータ
82 ウォームギヤ
83 ウォームホイール
84 ピポットピン
85 移動ロッド
100 ECU(ストローク−トルク特性マップ記憶手段、第1待機位置記憶手段、第2待機位置決定手段、補正値算出手段、補正値記憶手段、トルク伝達時ストローク補正手段)
111 インプットシャフト回転数センサ(クラッチ接触検出手段)
112 ストロークセンサ
10
31
61 Master cylinder (first cylinder)
62 Master piston (first piston)
63 Slave cylinder (2nd cylinder)
64 Slave piston (second piston)
65 Fluid passage (oil passage between cylinders)
66
68 Fluid chamber (oil chamber)
80 Clutch actuator (piston moving means)
81 direct
111 Input shaft rotational speed sensor (clutch contact detection means)
112 Stroke sensor
Claims (4)
前記第1ピストンを移動させるピストン移動手段と、
フライホイールとクラッチディスクとを押圧させることによりクラッチトルクを伝達させ、前記第2ピストンの移動により前記フライホイールと前記クラッチディスクとの距離および押圧力が決定されるクラッチ機構と、
前記フライホイールと前記クラッチディスクとの接触を検出するクラッチ接触検出手段と、
前記第1ピストンの規定位置からの移動量を示すストロークと、前記クラッチトルクの大きさと、の対応関係を表すストローク−トルク特性マップを記憶するストローク−トルク特性マップ記憶手段と、
前記フライホイールと前記クラッチディスクとの距離を予め設定した待機離間距離とする前記第2ピストンの位置に対応する前記第1ピストンの位置を、第1待機位置として記憶する第1待機位置記憶手段と、
前記クラッチ接触検出手段により前記フライホイールと前記クラッチディスクとの接触が検出されたときの前記第1ピストンの位置に基づいて、前記フライホイールと前記クラッチディスクとの距離が前記待機離間距離となる前記第1ピストンの位置を求め、第2待機位置として決定する第2待機位置決定手段と、
前記第1待機位置と、前記第2待機位置と、の差分を補正値として算出する補正値算出手段と、
前記補正値算出手段に算出された前記補正値を記憶する補正値記憶手段と、
前記クラッチ機構に対するクラッチトルクの伝達指令に基づき、前記ストローク−トルク特性マップにより求められた前記伝達指令に含まれるクラッチトルクの大きさに応じた前記ストロークを、前記補正値記憶手段に記憶された補正値により補正するトルク伝達時ストローク補正手段と、を備え、
前記ピストン移動手段は、前記トルク伝達時ストローク補正手段に補正されたストロークに基づいて前記第1ピストンを移動させることを特徴とするクラッチストローク制御装置。 A first cylinder having a first piston and a second cylinder having a second piston are communicated by an inter-cylinder oil passage, and the first piston, the first cylinder, the inter-cylinder oil passage, and the second cylinder, A cylinder mechanism in which hydraulic oil is sealed in an oil chamber formed by the second piston, and the second piston is moved via the hydraulic oil by movement of the first piston;
Piston moving means for moving the first piston;
A clutch mechanism for transmitting a clutch torque by pressing a flywheel and a clutch disc, and determining a distance and a pressing force between the flywheel and the clutch disc by movement of the second piston;
Clutch contact detection means for detecting contact between the flywheel and the clutch disc;
Stroke-torque characteristic map storage means for storing a stroke-torque characteristic map representing a correspondence relationship between a stroke indicating the amount of movement of the first piston from a specified position and the magnitude of the clutch torque;
First standby position storage means for storing, as a first standby position, the position of the first piston corresponding to the position of the second piston, wherein the distance between the flywheel and the clutch disk is a predetermined standby separation distance; ,
Based on the position of the first piston when contact between the flywheel and the clutch disk is detected by the clutch contact detection means, the distance between the flywheel and the clutch disk becomes the standby separation distance. Second standby position determining means for determining the position of the first piston and determining the position as the second standby position;
Correction value calculation means for calculating a difference between the first standby position and the second standby position as a correction value;
Correction value storage means for storing the correction value calculated by the correction value calculation means;
Based on a clutch torque transmission command to the clutch mechanism, the stroke corresponding to the magnitude of the clutch torque included in the transmission command obtained from the stroke-torque characteristic map is stored in the correction value storage means. A torque transmission stroke correction means for correcting by a value,
The clutch stroke control device according to claim 1, wherein the piston moving means moves the first piston based on the stroke corrected by the torque transmission stroke correcting means.
前記シリンダ機構は、前記第1ピストンにより前記給油用油路を閉鎖し、前記ピストン移動手段により前記フライホイールと前記クラッチディスクとを係合させた位置から前記第1シリンダ内の前記油室を拡張する方向に前記第1ピストンが移動されることにより前記給油用油路を開放可能とし、
前記補正値記憶手段は、前記給油用油路の開放時に前記第2待機位置と前記第1待機位置とが同一であることを示す前記補正値を記憶することを特徴とする請求項1に記載のクラッチストローク制御装置。 An oil supply oil passage communicating the reservoir tank filled with the hydraulic oil and the first cylinder;
The cylinder mechanism expands the oil chamber in the first cylinder from a position where the oil supply passage is closed by the first piston and the flywheel and the clutch disk are engaged by the piston moving means. The oil supply passage can be opened by moving the first piston in the direction of
The correction value storage means stores the correction value indicating that the second standby position and the first standby position are the same when the oil supply oil passage is opened. Clutch stroke control device.
前記クラッチディスクから回転トルクを入力し、変速して、前記車両の駆動輪に動力を伝達する動力伝達軸に出力する変速装置と、を備え、
前記第2待機位置決定手段は、前記車両停車検出手段により前記車両の停車を検出したとき、前記変速装置による変速を、前記クラッチディスクから入力した回転トルクを前記動力伝達軸への伝達を遮断するニュートラルレンジに変更させ、前記第2待機位置を決定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のクラッチストローク制御装置。 Vehicle stop detection means for detecting stop of the vehicle provided with the clutch mechanism;
A transmission that inputs rotational torque from the clutch disc, shifts it, and outputs it to a power transmission shaft that transmits power to the drive wheels of the vehicle;
The second standby position determination means shuts off the transmission by the transmission and the rotational torque input from the clutch disk to the power transmission shaft when the vehicle stop detection means detects the stop of the vehicle. The clutch stroke control device according to any one of claims 1 to 3, wherein the second standby position is determined by changing to a neutral range.
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