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JP2010036841A - リヤサスペンション装置 - Google Patents

リヤサスペンション装置 Download PDF

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JP2010036841A
JP2010036841A JP2008205284A JP2008205284A JP2010036841A JP 2010036841 A JP2010036841 A JP 2010036841A JP 2008205284 A JP2008205284 A JP 2008205284A JP 2008205284 A JP2008205284 A JP 2008205284A JP 2010036841 A JP2010036841 A JP 2010036841A
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toe
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Kazuo Matsuura
一夫 松浦
Kiyoshi Nakajima
清志 中島
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】構成部品に大きな変更を加えることなく、後輪のトー角を制御するためのアクチュエータの円滑な動作を確保することができるようにする。
【解決手段】横方向アームとして、車軸3より前方に配置されたアッパアーム6と、車軸より前方に配置された前側ロアアーム7と、車軸より後方に配置されると共に懸架ばねSが連結される後側ロアアーム8とを備え、ハブキャリア4を回動させて後輪のトー角を能動的に制御するために、ハブキャリアに、アクチュエータ26により伸縮可能なトーコントロールアーム9が連結されると共に、ハブキャリアに対するアッパアーム及び前側ロアアームの各連結部を結ぶ仮想キングピン軸Kを中心にしてハブキャリアが所要の角度範囲で回動可能となるように、後側ロアアームとハブキャリアとの間にコネクトリンク21が介装されたものとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、後輪を回転自在に支持するハブキャリアを、主に前後力を受け持つように概ね車体前後方向に延在する前後方向アームと、主に横力を受け持つように概ね車体左右方向に延在する複数の横方向アームとを介して車体に連結したマルチリンク型のリヤサスペンション装置に関するものである。
4輪自動車においては、近年、車両の走行安定性の向上などを図る目的で、左右の後輪のトー角(舵角)を個別に且つ能動的に制御する機構が設けられている(特許文献1参照)。
また、4輪自動車のリヤサスペンションには、種々の構成のものが採用されているが、後輪を回転自在に支持するハブキャリアを、主に前後力を受け持つトレーリングアームと、主に横力を受け持つ複数のラテラルアームとを介して車体に連結したマルチリンク型のものが知られている(特許文献2参照)。
特開平9−30438号公報 特開2005−225382号公報
しかるに、前記のようなマルチリンク型のリヤサスペンション装置において、後輪のトー角を能動的に制御する構成を実現する場合、多くの構成部品をトー角制御を行わない車両と共用することができると、製造コストを削減する上で都合が良い。
図12は、従来型のマルチリンク型のリヤサスペンション装置の一例を示す模式図である。このリヤサスペンション装置101では、ハブキャリア102、トレーリングアーム103、ラテラルアームとして1本のアッパアーム104と2本のロアアーム105・106とを備えている。このような構成では、後側ロアアーム106と車体とを連結するジョイント109に偏心カムからなる調整機構を設けて、出荷時のトー角の微調整が行われるが、トー角制御を実現する場合にも、これと同様の原理で、後側ロアアーム106をアクチュエータにより伸縮可能な構成として、後輪Wのトー角を変化させることが考えられる。このとき、ハブキャリア102に対してアッパアーム104及び前側ロアアーム105をそれぞれ連結するジョイント107・108を結ぶ線を仮想キングピン軸としてハブキャリアが回動する。
しかしながら、後側ロアアーム106には、通常、懸架ばねSが連結され、車体の荷重が作用する。このため、後側ロアアーム106にアクチュエータを設けると、アクチュエータに過大な曲げ応力が発生して、アクチュエータの円滑な動作が困難になるという問題が生じる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、構成部品に大きな変更を加えることなく、後輪のトー角を制御するためのアクチュエータの円滑な動作を確保することができるように構成されたリヤサスペンション装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、後輪(W)を支持するハブキャリア(4・62)を、概ね車体前後方向に延在する前後方向アームと、概ね車体左右方向に延在する複数の横方向アームとを介して車体に連結したマルチリンク型のリヤサスペンション装置において、前記横方向アームとして、車軸より前方に配置されたアッパアーム(6)と、車軸より前方に配置された前側ロアアーム(7)と、車軸より後方に配置されると共に懸架ばね(S)が連結される後側ロアアーム(8・63)とを備え、前記ハブキャリアを回動させて前記後輪のトー角を能動的に制御するために、前記ハブキャリアに、アクチュエータ(26)により伸縮可能なトーコントロールアーム(9・65)が連結されると共に、前記ハブキャリアに対する前記アッパアーム及び前側ロアアームの各連結部を結ぶ仮想キングピン軸(K)を中心にして前記ハブキャリアが所要の角度範囲で回動可能となるように、前記後側ロアアームと前記ハブキャリアとの間にリンク部材(コネクトリンク21・ステアクランク64)が介装されたものとした。
これによると、アクチュエータにより伸縮可能なトーコントロールアームを、懸架ばねから車体の荷重が入力される後側ロアアームとは別に設けたため、アクチュエータに車体の荷重が作用することを避けることができるので、アクチュエータの円滑な動作を確保することができる。
また、横方向アーム(ラテラルアーム)として1本のアッパアームと2本のロアアームとを設けた従来型のトー角制御を行わない構成と比較すると、ハブキャリアに対するアッパアーム及び一方のロアアーム(前側ロアアーム)の各連結部を結ぶ線を仮想キングピン軸とした場合に、仮想キングピン軸を中心にしたハブキャリアの回動を拘束する他方のロアアーム(後側ロアアーム)を、ハブキャリアに直接連結するのではなく、リンク部材を介して連結する構成となっており、これにより能動的なトー角制御に求められる角度範囲でハブキャリアを円滑に回動させることが可能になる。
そして、構成部品、すなわち前後方向アーム、アッパアーム及び前側ロアアームは概ねそのままとし、ハブキャリアには新たにトーコントロールアームの取付部を設ければ良く、車体側部材にも大きな変更を加えずに済み、多くの構成部品をトー角制御を行わない車両と共用することができる。
この場合、トーコントロールアームは、外端をハブキャリアに連結すると共に内端を後側ロアアームあるいは車体に連結した態様で設ければ良い。また、トーコントロールアームは、ロアアームの後方に配置すると良い。また、トーコントロールアームは、直動型のアクチュエータを、外力に抗して長さを一定に保持する抵抗力が生じる構造とすることで、横力を受け持つ横方向アーム(ラテラルアーム)の1つとして機能し、横力に対する高い支持剛性を確保することができる。
前記リヤサスペンション装置においては、請求項2に示すとおり、前記リンク部材(コネクトリンク21)が、前記ハブキャリアに対する連結部(ジョイント23)と、前記後側ロアアームに対する連結部(ジョイント24)とを上下方向に繋ぐように設けられた構成とすることができる。
この場合、トーコントロールアームは、ハブキャリアに直接連結すれば良く、トーコントロールアームの伸縮動作に応じて、リンク部材が揺動することでハブキャリアの回動が許容される。
前記リヤサスペンション装置においては、請求項3に示すとおり、前記リンク部材(ステアクランク64)が、前記ハブキャリアに対する連結部(ジョイント72)と、前記後側ロアアームに対する連結部(ジョイント73)と、この後側ロアアームの連結部を挟んで前記ハブキャリアの連結部と相反する側に配置された前記トーコントロールアームに対する連結部(ジョイント74)とを横方向に繋ぐように設けられ、前記トーコントロールアームの伸縮動作に応じて、前記後側ロアアームの連結部を支点にして前記リンク部材が揺動して、前記ハブキャリアを回動させるようにした構成とすることができる。
なお、前後方向アームは、主に前後力及びブレーキ力、すなわちブレーキ作動時などに後輪の回転方向に作用する外力を受け持つものであり、ハブキャリアから前後に延びたトレーリングアームやリーディングアーム及びラジアスロッドなどである。
このように本発明によれば、アクチュエータにより伸縮可能なトーコントロールアームを、懸架ばねから車体の荷重が入力されるロアアームとは別に設けたため、アクチュエータに車体の荷重が作用することを避けることができ、アクチュエータの円滑な動作を確保することができる。そして、多くの構成部品をトー角制御を行わない車両と共用することができるため、製造コストを削減する上で大きな効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明によるリヤサスペンション装置の第1の例を示す斜視図である。図2は、図1に示したリヤサスペンション装置の模式図である。図3は、図1に示したリヤサスペンション装置の下面図である。図4は、図1に示した後側ロアアーム及びトーコントロールアームを示す斜視図である。図5は、図1に示したトーコントロールアームの内端のトー角調整機構を示す斜視図である。なお、ここでは、車体を基準にした前後、左右及び上下で位置関係を説明する。
このリヤサスペンション装置1は、トレーリングアーム付きマルチリンク型のものであり、図2に示すように、後輪Wを回転自在に支持する車軸3を備えたハブキャリア4と、ハブキャリア4の前方に配置されたトレーリングアーム(前後方向アーム)5と、車軸3より前方且つ上方に配置されたアッパアーム(横方向アーム)6と、車軸3より下方且つ前方に配置された前側ロアアーム(横方向アーム)7と、車軸3より下方且つ後方に配置された後側ロアアーム(横方向アーム)8と、ハブキャリア4を回動させて後輪Wのトー角を能動的に制御するトーコントロールアーム9とを有している。
トレーリングアーム5は、概ね前後方向に延在し、主に前後力及びブレーキ力、すなわちブレーキ作動時などに後輪Wの回転方向に作用する外力を受け持つ。アッパアーム6、前側ロアアーム7及び後側ロアアーム8は、概ね左右方向に延在し、主に横力、すなわち車両旋回時などに左右方向に作用する外力を受け持つ。
このリヤサスペンション装置1においては、ハブキャリア4のアッパアーム取付部14とアッパアーム6の外端とを連結するジョイント15と、ハブキャリア4の前側ロアアーム取付部17と前側ロアアーム7の外端とを連結するジョイント18とを結ぶ線が仮想キングピン軸Kとなり、この仮想キングピン軸Kを中心にしてハブキャリア4が後輪Wのトーイン方向及びトーアウト方向に所要の角度範囲で回動可能となる。
アッパアーム6の外端のジョイント15は、ボール型のものであり、前側ロアアーム7の外端のジョイント18は、図3に示すように、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のものである。このゴムブッシュ型のジョイント18では、ゴムブッシュの内筒部と外筒部との間に介装された環状ゴムにコジレ変形、すなわち同軸的に配置された内筒部及び外筒部の各中心線が傾斜する向きの変形が生じることで、ハブキャリア4の回動が許容される。
また、図2に示したように、トレーリングアーム5の後端は、ジョイント13を介して、ハブキャリア4のトレーリングアーム取付部12に連結されており、このジョイント13の屈曲により仮想キングピン軸を中心にしたハブキャリア4の回動が許容される。
なお、図1に示すように、トレーリングアーム5の前端は、概ね左右方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のジョイント11を介して、図示しない車体側の部材に連結されており、アッパアーム6、前側ロアアーム7及び後側ロアアーム8の各内端は、図3に示したように、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のジョイント16・19・25を介して、サブフレーム35に連結されており、これによりサスペンションストロークの範囲内でハブキャリア4が上下動可能となっている。
特にここでは、後側ロアアーム8が、仮想キングピン軸Kを中心にしたハブキャリア4の回動を拘束しないように、後側ロアアーム8とハブキャリア4との間にコネクトリンク(リンク部材)21が介装されている。
このコネクトリンク21は、両端のジョイント23・24を介してハブキャリア4の取付部22及び後側ロアアーム8の外端に連結されており、この2つのジョイント23・24を上下方向に繋ぐように上下方向に延在している。
ハブキャリア4とコネクトリンク21とを連結するジョイント23は、図4に示すように、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のものである。コネクトリンク21と後側ロアアーム8とを連結するジョイント24も、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のものである。このゴムブッシュ型のジョイント23・24では、ゴムブッシュの内筒部と外筒部との間に介装された環状ゴムにコジレ変形が生じることで、ハブキャリア4の回動が許容される。
後側ロアアーム8には、懸架ばねSの下端が取り付けられるばね受け部41と、ダンパDの下端が連結されるダンパ取付部42とが設けられており、懸架ばねSから後側ロアアーム8に車体の荷重が入力される。この後側ロアアーム8に入力される車体の荷重は、コネクトリンク21を介してハブキャリア4に作用し、上下方向に延在するコネクトリンク21には、その長手方向に引張応力が生じる。
トーコントロールアーム9は、軸方向に伸縮可能な直動型のアクチュエータ26からなっており、アクチュエータ26によりトーコントロールアーム9を伸縮させることで、仮想キングピン軸Kを中心にしてハブキャリア4が回動して、後輪Wのトー角を変化させることができる。
トーコントロールアーム9は、後側ロアアーム8の後方において後側ロアアーム8と略平行となるように配置されている。トーコントロールアーム9の外端は、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のジョイント29を介して、ハブキャリア4に設けられたステアリングアーム28に連結されている。トーコントロールアーム9の内端は、図3に示したように、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のジョイント31を介して、後側ロアアーム8の内端近傍位置から延出された取付アーム30に連結されている。
アクチュエータ26は、出力ロッド26aが軸方向に進退する直動型のものであり、ハウジングの内部には、駆動源である電動モータ(例えばブラシ付きDCモータ)と、電動モータの回転を減速する遊星歯車などによる減速機と、回転運動を直線運動に変換する送りねじ機構などが収容されており、Hブリッジ回路などにより極性を反転させて電動モータを正転及び逆転させることで出力ロッド26aを進退させることができる。
このアクチュエータ26では、内部の送りねじ機構などにより、外力に抗して長さを一定に保持する抵抗力が生じ、トーコントロールアーム9が、概ね左右方向に延在して横力を受け持つラテラルアームとして機能する。
トーコントロールアーム9の内端のジョイント31には、図5に示すように、工場出荷時のトー角の微調整を行うトー角調整機構51が設けられている。このトー角調整機構51では、ジョイント31の中心軸となるボルト52の頭部に偏心カム53が設けられ、取付アーム30のブラケット54に設けられたストッパ55により偏心カム53が規制されており、偏心カム53を回動させることで、ジョイント31の中心位置、すなわちトーコントロールアーム9の内端の取付位置が移動し、これによりハブキャリア4が回動して後輪Wのトー角を調整することができる。
このリヤサスペンション装置1においては、図12に示したトー角制御を行わない構成と比較すると、トレーリングアーム103、アッパアーム104、及び前側ロアアーム105は概ねそのままとし、後側ロアアーム106はコネクトリンクを介してハブキャリア102に連結する構成に置き換え、ハブキャリア102にはトーコントロールアームの取付部を設ければ良く、サブフレームなどの車体側部材にも大きな変更を加えずに済み、多くの構成部品をトー角制御を行わない車両と共用することができる。
<第1の実施の形態の変形例>
図6は、図1に示したリヤサスペンション装置の変形例を示す模式図である。前記図2の例では、トーコントロールアーム9の内端が、ジョイント31を介して、後側ロアアーム8から延出された取付アーム30に連結されていたが、ここでは、トーコントロールアーム9の内端が、ジョイント57を介して、車体に直接連結されている。このような構成でも、前記の例と同様の動作が可能であるが、車体にトーコントロールアーム9の取付部を設ける必要が生じるため、トー角制御を行わない構成の車両と共用する観点からは前記の例が優れている。
<第2の実施の形態>
図7は、本発明によるリヤサスペンション装置の第2の例を示す斜視図である。図8は、図7に示したリヤサスペンション装置の模式図である。図9は、図7に示したリヤサスペンション装置を斜め下方から見た斜視図である。図10は、図7に示したリヤサスペンション装置の下面図である。図11は、図7に示したステアクランクの中間ジョイントを示す断面図である。
このリヤサスペンション装置61は、図8に示すように、後輪Wを回転自在に支持する車軸3を備えたハブキャリア62と、ハブキャリア62の前方に配置されたトレーリングアーム5と、車軸3より前方且つ上方に配置されたアッパアーム6と、車軸3より下方且つ前方に配置された前側ロアアーム7と、車軸3より下方且つ後方に配置された後側ロアアーム63と、ハブキャリア62を回動させて後輪Wのトー角を能動的に制御するトーコントロールアーム65とを有している。
トレーリングアーム5、アッパアーム6、及び前側ロアアーム7は前記図2の例と同様であり、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略するが、前記図2の例と同様に、ハブキャリア62とアッパアーム6とを連結するボール型のジョイント15と、ハブキャリア62と前側ロアアーム7とを連結するゴムブッシュ型のジョイント18とを結ぶ線が仮想キングピン軸Kとなり、この仮想キングピン軸Kを中心にしてハブキャリア62が回動する。
特にここでは、前記図2の例とは異なり、後側ロアアーム63が、仮想キングピン軸Kを中心にしたハブキャリア62の回動を拘束しないように、後側ロアアーム63とハブキャリア62との間にステアクランク(リンク部材)64が介装されている。
このステアクランク64は、後側ロアアーム63の外端が連結される中間ジョイント73を挟んで、ハブキャリア62の取付部71に連結するためのジョイント72と相反する側に配置されたジョイント74を介して、後側ロアアーム63の後方に配置されたトーコントロールアーム65の外端が連結されており、各ジョイント72〜74を横方向に繋ぐように略水平方向に延在している。
このステアクランク64は、アクチュエータ26によるトーコントロールアーム65の伸縮動作に応じて、中間ジョイント73の回転軸Mを支点にして揺動し、これに伴ってハブキャリア62に連結されたジョイント72が変位することで、ハブキャリア62が仮想キングピン軸Kを中心にして回動して後輪Wのトー角が変化する。
図9に示すように、ステアクランク64と後側ロアアーム63とを連結する中間ジョイント73は、概ね上下方向の中心軸を備えたボールベアリング型のものである。ステアクランク64とトーコントロールアーム65とを連結するジョイント74は、概ね上下方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のものである。これらのジョイント73・74は、ステアクランクが揺動する際に中心軸周りに回動する。
一方、ステアクランク64とハブキャリア62とを連結するジョイント72は、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のものである。このゴムブッシュ型のジョイント72では、ゴムブッシュの内筒部と外筒部との間に介装された環状ゴムにコジレ変形が生じることで、ハブキャリア4の回動が許容される。
後側ロアアーム63には、前記の例と同様に、懸架ばねSの下端が取り付けられるばね受け部81と、ダンパDの下端が連結されるダンパ取付部82とが設けられており、懸架ばねSから後側ロアアーム63に車体の荷重が入力される。この後側ロアアーム63に入力される車体の荷重は、ステアクランク64を介してハブキャリア62に作用し、横方向に延在するステアクランク64には、曲げ応力が生じる。
後側ロアアーム63の内端は、概ね前後方向の中心軸を備えたゴムブッシュ型のジョイント75を介してサブフレーム35に連結されており、図10に示すように、この後側ロアアーム63の内端のジョイント75と、ステアクランク64の前端をハブキャリア62に連結するジョイント72とを結ぶ線が後側ロアアーム63の中心線Cとなり、この後側ロアアーム63の中心線Cに対して、ステアクランク64の揺動中心となる中間ジョイント73の中心軸がオフセットして配置されている。このため、ハブキャリア62からステアクランク64のジョイント72に横力が入力されると、ステアクランク64に回転モーメントが発生する。この回転モーメント力はトーコントロールアーム65のアクチュエータ26が受け止める。
ステアクランク64の中間ジョイント73は、図11に示すように、ボールベアリング91を備えている。ボールベアリング91の外輪91aは、ステアクランク64に形成されたアウタホルダ部92に固定されている。ボールベアリング91の内輪91bは、後側ロアアーム63の内端に形成されたコ字形状をなす取付部93に取付けボルト94及び取付けナット95で固定されたディスタンスカラー96に固定されている。ボールベアリング91は、モーメント荷重が作用する場合に適したアンギュラ型のものであり、ディスタンスカラー96に螺合する予圧ナット97が予圧用皿バネ98を介して内輪91bを押圧するようにして予圧が付与されている。
なお、中間ジョイント73には、ボールベアリングの他に、ゴムブッシュを用いることも可能であり、この場合、コジレ変形を生じさせる荷重に対した高いばね定数を示すゴム材料を用いると良い。
なお、この例では、トーコントロールアーム65の内端が、ジョイント77を介して、後側ロアアーム63から延出された取付アーム76に連結されているが、図6に示した例と同様に、ジョイントを介して車体に直接連結するようにしても良い。
本発明によるリヤサスペンション装置の第1の例を示す斜視図である。 図1に示したリヤサスペンション装置の模式図である。 図1に示したリヤサスペンション装置の下面図である。 図1に示した後側ロアアーム及びトーコントロールアームを示す斜視図である。 図1に示したトーコントロールアームの内端のトー角調整機構を示す斜視図である。 図1に示したリヤサスペンション装置の変形例を示す模式図である。 本発明によるリヤサスペンション装置の第2の例を示す斜視図である。 図7に示したリヤサスペンション装置の模式図である。 図7に示したリヤサスペンション装置を斜め下方から見た斜視図である。 図7に示したリヤサスペンション装置の下面図である。 図7に示したステアクランクの中間ジョイントを示す断面図である。 トー角制御を行わないリヤサスペンション装置の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 リヤサスペンション装置
3 車軸
4 ハブキャリア
5 トレーリングアーム
6 アッパアーム
7 前側ロアアーム
8 後側ロアアーム
9 トーコントロールアーム
21 コネクトリンク(リンク部材)
26 アクチュエータ
28 ステアリングアーム
35 サブフレーム
51 トー角調整機構
61 リヤサスペンション装置
62 ハブキャリア
63 後側ロアアーム
64 ステアクランク(リンク部材)
65 トーコントロールアーム
K 仮想キングピン軸
W 後輪
S 懸架ばね

Claims (3)

  1. 後輪を支持するハブキャリアを、概ね車体前後方向に延在する前後方向アームと、概ね車体左右方向に延在する複数の横方向アームとを介して車体に連結したマルチリンク型のリヤサスペンション装置であって、
    前記横方向アームとして、車軸より前方に配置されたアッパアームと、車軸より前方に配置された前側ロアアームと、車軸より後方に配置されると共に懸架ばねが連結される後側ロアアームとを備え、
    前記ハブキャリアを回動させて前記後輪のトー角を能動的に制御するために、前記ハブキャリアに、アクチュエータにより伸縮可能なトーコントロールアームが連結されると共に、
    前記ハブキャリアに対する前記アッパアーム及び前側ロアアームの各連結部を結ぶ仮想キングピン軸を中心にして前記ハブキャリアが所要の角度範囲で回動可能となるように、前記後側ロアアームと前記ハブキャリアとの間にリンク部材が介装されたことを特徴とするリヤサスペンション装置。
  2. 前記リンク部材が、前記ハブキャリアに対する連結部と、前記後側ロアアームに対する連結部とを上下方向に繋ぐように設けられたことを特徴とする請求項1に記載のリヤサスペンション装置。
  3. 前記リンク部材が、前記ハブキャリアに対する連結部と、前記後側ロアアームに対する連結部と、この後側ロアアームの連結部を挟んで前記ハブキャリアの連結部と相反する側に配置された前記トーコントロールアームに対する連結部とを横方向に繋ぐように設けられ、
    前記トーコントロールアームの伸縮動作に応じて、前記後側ロアアームの連結部を支点にして前記リンク部材が揺動して、前記ハブキャリアを回動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のリヤサスペンション装置。
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