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JP2010033899A - 燃料電池システム及び電子機器 - Google Patents

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JP2010033899A JP2008195086A JP2008195086A JP2010033899A JP 2010033899 A JP2010033899 A JP 2010033899A JP 2008195086 A JP2008195086 A JP 2008195086A JP 2008195086 A JP2008195086 A JP 2008195086A JP 2010033899 A JP2010033899 A JP 2010033899A
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Abstract

【課題】燃料電池本体の延べ運転時間に対して常に最高出力を発生することができる燃料電池システム及び電子機器を提供する。
【解決手段】燃料供給により電力を発電する燃料電池本体1の延べ運転時間を運転時間判定部701で判定し、この判定された延べ運転時間に基づいて、これら延べ運転時間に対応する最高出力を燃料電池本体1より取出し可能とする出力電圧の最適値を出力電圧設定部702で設定し、この設定された出力電圧の最適値に基づいて燃料電池本体1の出力を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システム及びこの燃料電池システムを電源として用いた電子機器に関する。
携帯電話機や携帯情報端末などの電子機器の小型化は目覚しいものがあり、これら電子機器の小型化とともに、電源として燃料電池を使用することが試みられている。燃料電池は、燃料と空気を供給するのみで、発電することができ、燃料のみを交換すれば連続して発電できるという利点を有するため、小型化が実現できれば、小型の電子機器の電源として極めて有効である。
そこで、最近、燃料電池として、直接メタノール型燃料電池(以下、DMFC;Direct Methanol Fuel Cellと称する。)が注目されている。かかるDMFCは、液体燃料の供給方式によって分類され、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式のものと、燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式のものがあり、これらのうち、パッシブ方式のものはDMFCの小型化に対して特に有利である。
従来、このようなパッシブ方式のDMFCとして、特許文献1に開示されるように、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(燃料電池セル)を、樹脂製の箱状容器からなる燃料収容部上に配置した構造のものが考えられている。
また、DMFCの燃料電池セルと燃料収容部とを流路を介して接続する構成のものも特許文献2〜4に開示されている。これら特許文献2〜4は、燃料収容部から供給された液体燃料を燃料電池セルに流路を介して供給することによって、流路の形状や径等に基づいて液体燃料の供給量を調整可能としたもので、特に、特許文献3では燃料収容部から流路にポンプで液体燃料を供給している。また、ポンプに代えて、流路に電気浸透流を形成する電界形成手段を用いることも記載されている。さらに特許文献4には電気浸透流ポンプを用いて液体燃料等を供給することが記載されている。
国際公開第2005/112172号パンフレット 特表2005−518646号公報 特開2006−085952号公報 米国特許公開第2006/0029851号公報
ところで、一般的にDMFCの出力である電流Iと電圧Vは、図4に示すような関係があることが知られており、通常は、これら電流Iと電圧Vのうち、どちらかを一定にしてDMFCの出力を制御するようにしている。
ところが、このような電流と電圧の関係は、時間の経過に伴う燃料電池セルの劣化などが原因で図5に示すように変化する。つまり、図5(a)は、延べ運転時間が0〜500時間程度の初期状態、図示(b)は、延べ運転時間が2000時間経過した状態、図示(c)は、延べ運転時間が4000時間経過した状態のそれぞれの電流Iと電圧Vの関係を示しており、それぞれ時間経過とともにDMFCより取出し可能な出力が低下していく。このため、例えば、図5に示すように出力電圧Voを常に一定に制御しようとすると、延べ運転時間とともに取出し可能な出力の低下により出力電流もIo1、Io2、Io3(Io1>Io2>Io3)と低下し、このため出力電圧Voに対する出力(電流Iと電圧Vの積)Pの関係は、延べ運転時間とともに図6(a)(b)(c)に示すように変化する。このことは、図6(a)に示すように初期状態で最高出力PM1を取出せるように出力電圧Vo(=Vo1)に設定しても、同図(b)(c)に示すように各延べ運転時間の後は初期状態での最高出力PM1が取出せないばかりか、同図(b)(c)に示す各延べ運転時間での最高出力PM2、PM3も取出せないことになる。つまり、初期状態で最高出力PM1が得られるように出力電圧Voを最適値に設定しても、これ以後も出力電圧Voを一定に制御するような方法では、各延べ運転時間の状態で最高出力PM2、PM3が取出しできなくなり、負荷要求に対してDMFCの出力を有効に利用できないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、燃料電池本体の延べ運転時間に対しても常に最高出力を発生することができる燃料電池システム及び電子機器を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、燃料供給により電力を発電する燃料電池本体と、前記燃料電池本体の延べ運転時間を判定する運転時間判定手段と、前記運転時間判定手段で判定された延べ運転時間に基づいて、これら延べ運転時間に対応する最高出力を前記燃料電池本体より取出し可能とする制御要素の最適値を設定する制御要素設定手段と、制御要素設定手段で設定された制御要素の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御する制御手段と、を具備したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御要素設定手段は、前記延べ運転時間に対応する最高出力を取出し可能な制御要素として前記燃料電池本体の出力電圧の最適値を設定する出力電圧設定手段を有し、前記制御手段は、前記出力電圧設定手段で設定された出力電圧の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御要素設定手段は、前記延べ運転時間に対応する最高出力を取出し可能な制御要素として前記燃料電池本体の出力電流の最適値を設定する出力電流設定手段を有し、前記制御手段は、前記出力電流設定手段で設定された出力電流の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御することを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御要素設定手段は、前記延べ運転時間に対応する最高出力を取出し可能な制御要素として前記燃料電池本体の制御温度の最適値を設定する制御温度設定手段を有し、前記制御手段は、前記制御温度設定手段で設定された制御温度の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一記載の発明において、運転時間判定手段は、前記燃料電池本体の出力電圧と出力電流の積より求められる平均出力と、予め延べ運転時間に対応して設定された平均出力との比較結果より延べ運転時間を判定することを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一記載の発明において、運転時間判定手段は、前記燃料電池本体の延べ運転時間を計測するタイマーを有することを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一記載の燃料電池システムを電源として使用した電子機器である。
本発明によれば、燃料電池本体の延べ運転時間に対しても常に最高出力を発生することができる燃料電池システム及び電子機器を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる燃料電池システムの概略構成を示している。
図1において、1は燃料電池本体(DMFC)で、この燃料電池本体1は、起電部を構成する燃料電池発電部(セル)101、液体燃料を収容する燃料収容部102、燃料収容部102と燃料電池発電部(セル)101を接続する流路103及び燃料収容部102から燃料電池発電部(セル)101に液体燃料を移送するための燃料供給制御手段としてのポンプ104を有している。
図2は、このような燃料電池本体1をさらに詳細に説明するための断面図である。
この場合、燃料電池発電部101は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とから構成される膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を有している。
ここで、アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電体も兼ねている。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層12およびカソードガス拡散層15は多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層12やカソードガス拡散層15には、必要に応じて導電層が積層される。これら導電層としては、例えばAu、Niのような導電性金属材料からなる多孔質層(例えば、メッシュ)、多孔質膜、箔体あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。電解質膜17と後述する燃料分配機構105およびカバープレート18との間には、それぞれゴム製のOリング19が介在されており、これらによって燃料電池発電部101からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
カバープレート18は酸化剤である空気を取入れるための不図示の開口を有している。カバープレート18とカソード16との間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層はカソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層14への空気の均一拡散を促進するものである。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
燃料電池発電部101のアノード(燃料極)13側には、燃料分配機構105が配置されている。燃料分配機構105には配管のような液体燃料の流路103を介して燃料収容部102が接続されている。
燃料収容部102には、燃料電池発電部101に対応した液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部102には燃料電池発電部101に応じた液体燃料が収容される。
燃料分配機構105には燃料収容部102から流路103を介して燃料が導入される。流路103は燃料分配機構105や燃料収容部102と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料分配機構105と燃料収容部102とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ燃料の流路であってもよい。燃料分配機構105は流路103を介して燃料収容部102と接続されていればよい。
ここで、燃料分配機構105は図3に示すように、燃料が流路103を介して流入する少なくとも1個の燃料注入口21と、燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料排出口22とを有する燃料分配板23を備えている。燃料分配板23の内部には図2に示すように、燃料注入口21から導かれた燃料の通路となる空隙部24が設けられている。複数の燃料排出口22は燃料通路として機能する空隙部24にそれぞれ直接接続されている。
燃料注入口21から燃料分配機構105に導入された燃料は空隙部24に入り、この燃料通路として機能する空隙部24を介して複数の燃料排出口22にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口22には、例えば燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず)を配置してもよい。これによって、燃料電池発電部101のアノード(燃料極)13には燃料の気化成分が供給される。なお、気液分離体は燃料分配機構105とアノード13との間に気液分離膜等として設置してもよい。燃料の気化成分は複数の燃料排出口22からアノード13の複数個所に向けて排出される。
燃料排出口22は燃料電池発電部101の全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分配板23のアノード13と接する面に複数設けられている。燃料排出口22の個数は2個以上であればよいが、燃料電池発電部101の面内における燃料供給量を均一化する上で、0.1〜10個/cm2の燃料排出口22が存在するように形成することが好ましい。
燃料分配機構105と燃料収容部102の間を接続する流路103には、燃料移送制御手段としてのポンプ104が挿入されている。このポンプ104は燃料を循環される循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部102から燃料分配機構105に燃料を移送する燃料供給ポンプである。このようなポンプ104で必要時に燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めるものである。この場合、ポンプ104としては、少量の燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
また、ポンプ104には、後述する燃料供給制御回路5が接続され、ポンプ104の駆動が制御される。この点については後述する。
このような構成において、燃料収容部102に収容された燃料は、ポンプ104により流路103を移送され、燃料分配機構105に供給される。そして、燃料分配機構105から放出された燃料は、燃料電池発電部101のアノード(燃料極)13に供給される。燃料電池発電部101内において、燃料はアノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる出力として負荷側に供給された後、カソード(空気極)16に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成される。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
図1に戻って、このように構成された燃料電池本体1には、出力検出部6及び出力調整手段としてDC−DCコンバータ(電圧調整回路)2が接続されている。出力検出部6は、燃料電池発電部(セル)101の出力として、例えば出力電圧Vo及び出力電流Ioを検出し、これら出力電圧Vo及び出力電流Ioに対応する検出信号を制御部7に出力する。
DC−DCコンバータ2は、不図示のスイッチング要素とエネルギー蓄積要素を有し、これらスイッチング要素とエネルギー蓄積要素により燃料電池本体1で発電された電気エネルギーを蓄積/放出させ、燃料電池本体1からの比較的低い出力電圧を十分の電圧まで昇圧して生成される出力を発生する。このDC−DCコンバータ2の出力は、補助電源4に供給される。
なお、ここでは標準的な昇圧型のDC−DCコンバータ2を示したが、昇圧動作が可能なものならば、他の回路方式のものでも実施可能である。
DC−DCコンバータ2の出力端には、補助電源4が接続され、所謂ハイブリッド型燃料電池を構成している。この補助電源4は、DC−DCコンバータ2の出力により充電可能としたもので、電子機器本体3の瞬間的な負荷変動に対して電流を供給し、また、燃料枯渇状態になって前記燃料電池本体1が発電不能に陥った場合に電子機器本体3の駆動電源として用いられる。この補助電源4には、充放電可能な二次電池(例えばリチウムイオン充電池(LIB))や電気二重層コンデンサ)が用いられる。
補助電源4には、燃料供給制御回路5が接続されている。燃料供給制御回路5は、補助電源4を電源としてポンプ104の動作を制御するもので、制御部7の指示に基づいてポンプ104をオン/オフ制御する。
燃料供給制御回路5には、制御部7が接続されている。制御部7は、システム全体を制御するもので、運転時間判定部701、制御要素設定手段としての出力電圧設定部702、ポンプ制御信号発生部703を有している。運転時間判定部701は、燃料電池本体1の延べ運転時間を判定するもので、ここでは出力検出部6より検出される燃料電池発電部(セル)101の出力電圧Vo及び出力電流Ioより平均出力PAを求めるとともに、この平均出力PAに基づいて燃料電池本体1の延べ運転時間を判定する。この場合の延べ運転時間の判定は、例えば、燃料電池本体1の初期状態と所定の延べ運転時間でのそれぞれの燃料電池本体1の平均出力を予め設定しておき、この設定された平均出力と上述の平均出力PAとの比較結果より延べ運転時間を判定する。ここでは、初期状態の他に、延べ運転時間が2000時間経過した状態と延べ運転時間が4000時間経過した状態をそれぞれ判定する。出力電圧設定部702は、図6に示すように運転時間判定部701で判定された結果に基づいて、対応する最高出力PM1、PM2、PM3を取出し可能な制御要素として出力電圧Voの最適値Vo1、Vo2、Vo3を設定する。ポンプ制御信号発生部703は、出力電圧設定部702で設定された各最適値に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力する。
次に、このように構成された実施の形態の作用を説明する。
いま、補助電源4の出力が、燃料供給制御回路5に電源として供給されると、燃料供給制御回路5は、ポンプ制御信号発生部703のオン/オフ信号に基づいてポンプ104の制御信号を出力する。これにより、燃料収容部102に収容される液体燃料がポンプ104により流路103を介して燃料電池発電部101に供給され、燃料電池発電部101より発電出力が発生する。
燃料電池発電部101の発電出力は、DC−DCコンバータ2により昇圧され、電子機器本体3に供給される。同時に、補助電源4は、DC−DCコンバータ2の出力により充電される。これにより、電子機器本体3は、DC−DCコンバータ2から供給される電力を電源として動作される。
この状態で、出力検出部6により燃料電池発電部(セル)101の出力電圧Vo及び出力電流Ioを検出し、これら出力電圧Vo及び出力電流Ioに対応する検出信号を制御部7に出力する。制御部7は、運転時間判定部701により、出力検出部6より検出される検出信号に基づいて燃料電池発電部(セル)101より出力される平均出力PAを求めとともに、この平均出力PAと予め設定された平均出力との比較結果より燃料電池本体1の延べ運転時間を判定する。いま、判定された延べ運転時間が初期状態の範囲であれば、出力電圧設定部702は、このときの判定に基づいて初期状態に対応する最高出力PM1を取出し可能な出力電圧Voの最適値Vo1を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、出力電圧設定部702で設定された出力電圧Voの最適値Vo1に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図6(a)に示すように出力電圧Voが常に最適値Vo1になるように制御されるので、最高出力PM1を取出すことが可能となり、負荷要求に対して出力を有効に利用することができる。
その後、経過時間判定部701での平均出力PAに基づいた延べ運転時間の判定で、初期状態から2000時間経過した状態が判定されると、出力電圧設定部702は、このときの判定結果に基づいて延べ運転時間2000時間に対応する最高出力PM2を取出し可能な出力電圧Voの最適値Vo2を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、出力電圧設定部702で設定された出力電圧Voの最適値Vo2に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図6(b)に示すように出力電圧Voが常に最適値Vo2になるように制御されるので、最高出力PM2を取出すことが可能となり、この状態でも、負荷要求に対して出力を有効に利用することができる。
さらに、経過時間判定部701での平均出力PAに基づいた延べ運転時間の判定で、初期状態から4000時間経過した状態が判定されると、出力電圧設定部702は、このときの判定結果に基づいて延べ運転時間が4000時間に対応する最高出力PM3を取出し可能な出力電圧Voの最適値Vo3を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、出力電圧設定部702で設定された出力電圧Voの最適値Vo3に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図6(c)に示すように出力電圧Voが常に最適値Vo3になるように制御されるので、最高出力PM3を取出すことが可能となり、この状態でも、負荷要求に対して出力を有効に利用することができる。
したがって、このようにすれば、燃料電池本体1の平均出力PAに応じて運転時間判定部701でにより延べ運転時間を判定し、この判定された延べ運転時間に基づいて、出力電圧設定部702により延べ運転時間に対応する最高出力を燃料電池本体1より取出し可能な出力電圧Voの最適値を設定し、この設定された出力電圧Voの最適値に基づいて燃料電池本体1の出力を制御するようにした。これにより、燃料電池本体1の長期使用により出力低下が生じても、燃料電池本体1の運転条件として、その時点に最適な運転条件を採用することができるので、燃料電池本体1より常に最高出力を取出すことが可能となり、負荷要求に対して燃料電池本体1の出力を有効に利用することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、初期状態から所定の延べ運転時間を経過した燃料電池発電部101より最高出力を取出し可能にするための出力電圧Voの最適値を設定し、この最適値に基づいて出力を制御するようにしたが、この第2の実施の形態では、初期状態から所定の延べ運転時間を経過した燃料電池発電部101より最高出力を取出し可能にするための出力電流Ioの最適値を設定し、この最適値に基づいて出力を制御するようにしている。
この場合、図1において、制御部7は、制御要素設定手段として出力電圧設定部702に代えて出力電流設定部704を設ける。この出力電流設定部704は、図7に示すように経過時間判定部701で判定された延べ運転時間に基づいて、対応する最高出力PM1、PM2、PM3を取出し可能な出力電流Ioの最適値Io1、Io2、Io3を設定する。ポンプ制御信号発生部703は、出力電圧設定部702で設定された出力電圧Ioの最適値に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力する。
このような構成によれば、経過時間判定部701での平均出力PAに基づいた延べ運転時間の判定で、初期状態が判定されると、出力電流設定部704は、このときの判定結果に基づいて初期状態に対応する最高出力PM1を取出し可能な出力電流Ioの最適値Io1を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、出力電圧設定部702で設定された出力電流Ioの最適値Io1に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図7(a)に示すように出力電流Ioが常に最適値Io1になるように制御されるので、最高出力PM1を取出すことができる。
その後、経過時間判定部701において、初期状態から2000時間経過した状態が判定されると、出力電流設定部704は、このときの判定結果に基づいて延べ運転時間2000時間に対応する最高出力PM2を取出し可能な出力電流Ioの最適値Io2を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、出力電流設定部704で設定された出力電流Ioの最適値Io2に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図7(b)に示すように出力電流Ioが常に最適値Io2になるように制御されるので、最高出力PM2を取出すことができる。
さらに、経過時間判定部70での平均出力PAに基づいた延べ運転時間の判定で、初期状態から4000時間経過した状態が判定されると、出力電流設定部704は、このときの判定結果に基づいて延べ運転時間4000時間に対応する最高出力PM3を取出し可能な出力電流Ioの最適値Io3を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、出力電流設定部704で設定された出力電流Ioの最適値Io3に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図7(c)に示すように出力電流Ioが常に最適値Io3になるように制御されるので、最高出力PM2を取出すことができる。
したがって、このようにしても、負荷要求に対して出力を有効に利用することができ、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、初期状態から所定の延べ運転時間を経過した燃料電池発電部101より最高出力を取出し可能にするための出力電圧Voの最適値を設定し、この最適値に基づいて出力を制御するようにしたが、この第3の実施の形態では、初期状態から所定の延べ運転時間を経過した燃料電池発電部101より最高出力を取出し可能にするための制御温度Toの最適値を設定し、この最適値にに基づいて出力を制御するようにしている。
この場合、図1において、燃料電池本体1の燃料電池発電部(セル)101に温度検出手段としての温度センサ106を設ける。この温度センサ106は、燃料電池発電部(セル)101の発熱部の温度を検出するもので、例えば、サーミスタや熱電対からなり、図2に示す燃料電池発電部(セル)101のカソード(空気極)16に配置されている。温度センサ106は、発熱温度に対応する検出信号を制御部7に出力する。また、制御部7は、制御要素設定手段として出力電圧設定部702に代えて制御温度設定部705を設ける。この制御温度設定部705は、図8に示すように経過時間判定部701で判定された延べ運転時間に基づいて、対応する最高出力PM1、PM2、PM3を取出し可能な制御温度Toの最適値To1、To2、To3を設定する。ポンプ制御信号発生部703は、制御温度設定部705で設定された制御温度Toの最適値に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力する。
このような構成によれば、経過時間判定部701での平均出力PAに基づいた延べ運転時間の判定で、初期状態が判定されると、制御温度設定部705は、このときの判定結果に基づいて初期状態に対応する最高出力PM1を取出し可能な制御温度Toの最適値To1を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、制御温度設定部705で設定された制御温度Toの最適値To1に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図8(a)に示すように温度センサ106で検出される制御温度Toが常に最適値になるように制御されるので、最高出力PM1を取出すことができる。
その後、経過時間判定部701において、初期状態から2000時間経過した状態が判定されると、制御温度設定部705は、このときの判定結果に基づいて延べ運転時間2000時間に対応する最高出力PM2を取出し可能な制御温度Toの最適値To2を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、制御温度設定部705で設定された制御温度Toの最適値To2に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図8(b)に示すように温度センサ106で検出される制御温度Toが常に最適値To2になるように制御されるので、最高出力PM2を取出すことができる。
さらに、経過時間判定部701での平均出力PAに基づいた延べ運転時間の判定で、初期状態から4000時間経過した状態が判定されると、制御温度設定部705は、このときの判定結果に基づいて延べ運転時間4000時間に対応する最高出力PM3を取出し可能な制御温度Toの最適値To3を設定する。これにより、ポンプ制御信号発生部703は、制御温度設定部705で設定された制御温度Toの最適値To3に応じてポンプ104のオン/オフ信号を出力し、燃料電池発電部101は、図8(c)に示すように制御温度Toが常に最適値To3になるように制御されるので、最高出力PM3を取出すことができる。
したがって、このようにしても、負荷要求に対して出力を有効に利用することができ、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
第1〜第3の実施の形態では、制御部7の経過時間判定部701により出力検出部6より検出される燃料電池発電部(セル)101の出力電圧Vo及び出力電流Ioにより平均出力PAを求め、この平均出力PAに基づいて初期状態からの延べ運転時間を判定するようにしたが、この第4の実施の形態では、燃料電池本体1の実際の延べ運転時間を直接計測し、この計測結果に基づいて経過時間を得るようにしている。
この場合、図1において、制御部7は、出力電圧設定部702に代えてタイマー706を設ける。このタイマー706は、燃料電池本体1の実際の延べ運転時間を直接計測するもので、この計測に基づいた運転時間を出力する。
このようなタイマー706で計測された延べ運転時間を適用しても、第1〜第3の実施の形態で述べたと同様な効果を期待することができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、延べ運転時間として、初期状態のほかに、例えば2000時間と4000時間の場合を述べたが、これら延べ運転時間は一例であり、種々の延べ運転時間を設定することができる。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
さらに燃料電池発電部へ供給される液体燃料の気化成分においても、全て液体燃料の気化成分を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。
本発明の第1の実施の形態にかかる燃料電池システムの概略構成を示す図。 第1の実施の形態の燃料電池本体を詳細に説明するための断面図。 第1の実施の形態の燃料電池本体に用いられる燃料分配機構の斜視図。 第1の実施の形態の燃料電池本体の出力である電流と電圧の関係を示す図。 第1の実施の形態の燃料電池本体の延べ運転時間ごとの電流と電圧の関係を示す図。 第1の実施の形態の燃料電池本体の延べ運転時間ごとの出力電圧と出力の関係を示す図。 本発明の第2の実施の形態の燃料電池本体の延べ運転時間ごとの出力電流と出力の関係を示す図。 本発明の第3の実施の形態の燃料電池本体の延べ運転時間ごとの制御温度と出力の関係を示す図。
符号の説明
1…燃料電池本体、101…燃料電池発電部
102…燃料収容部、103…流路
104…ポンプ、105…燃料分配機構
106…温度センサ、2…DC/DCコンバータ、3…電子機器本体
4…補助電源、5…燃料供給制御回路
6…出力検出部、7…制御部、
701…運転時間判定部、702…出力電圧設定部、
703…ポンプ制御信号発生部、704…出力電流設定部
705…制御温度設定部、706…タイマー
11…アノード触媒層、12…アノードガス拡散層
13…アノード、14…カソード触媒層
15…カソードガス拡散層、16…カソード
17…電解質膜、18…カバープレート
19…Oリング、21…燃料注入口
22…燃料排出口、23…燃料分配板
24…空隙部

Claims (7)

  1. 燃料供給により電力を発電する燃料電池本体と、
    前記燃料電池本体の延べ運転時間を判定する運転時間判定手段と、
    前記運転時間判定手段で判定された延べ運転時間に基づいて、これら延べ運転時間に対応する最高出力を前記燃料電池本体より取出し可能とする制御要素の最適値を設定する制御要素設定手段と、
    制御要素設定手段で設定された制御要素の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 制御要素設定手段は、前記延べ運転時間に対応する最高出力を取出し可能な制御要素として前記燃料電池本体の出力電圧の最適値を設定する出力電圧設定手段を有し、
    前記制御手段は、前記出力電圧設定手段で設定された出力電圧の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 制御要素設定手段は、前記延べ運転時間に対応する最高出力を取出し可能な制御要素として前記燃料電池本体の出力電流の最適値を設定する出力電流設定手段を有し、
    前記制御手段は、前記出力電流設定手段で設定された出力電流の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 制御要素設定手段は、前記延べ運転時間に対応する最高出力を取出し可能な制御要素として前記燃料電池本体の制御温度の最適値を設定する制御温度設定手段を有し、
    前記制御手段は、前記制御温度設定手段で設定された制御温度の最適値に基づいて前記燃料電池本体の出力を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 運転時間判定手段は、前記燃料電池本体の出力電圧と出力電流の積より求められる平均出力と、予め延べ運転時間に対応して設定された平均出力との比較結果より延べ運転時間を判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一記載の燃料電池システム。
  6. 運転時間判定手段は、前記燃料電池本体の延べ運転時間を計測するタイマーを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一記載の燃料電池システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一記載の燃料電池システムを電源として使用した電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010114000A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池システム

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