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JP2010031344A - 成膜装置 - Google Patents

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JP2010031344A
JP2010031344A JP2008197483A JP2008197483A JP2010031344A JP 2010031344 A JP2010031344 A JP 2010031344A JP 2008197483 A JP2008197483 A JP 2008197483A JP 2008197483 A JP2008197483 A JP 2008197483A JP 2010031344 A JP2010031344 A JP 2010031344A
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film
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Daisuke Nishioka
大輔 西岡
Kenji Hayashi
建二 林
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Abstract

【課題】成膜する際に基板表面に異物が付着することにより膜に欠陥が生じるのを防止し、製造歩留りを向上できる成膜装置を提供すること。
【解決手段】成膜装置100は、膜材料22を蒸発させて基板28の表面28aに成膜する成膜装置であって、成膜室10と、成膜室10内の底部14側に配置されており、膜材料22を収容するハース20と、成膜室10内にハース20に対向して配置されており、基板28を保持する保持部26と、成膜室10内にプロセスガス49が導入されるガス導入口18と、成膜室10の底部14に設けられた開口部14aと、開口部14aを介して成膜室10に連通されており、成膜室10内の雰囲気を排気する排気口34が設けられた排気室30と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置に関する。
半導体装置や有機エレクトロルミネセンス装置(以下有機EL装置と呼ぶ)において、基板表面に薄膜を形成する方法として、例えば真空蒸着法や高密度プラズマ成膜法が用いられている。これらの成膜法では、膜材料を蒸発させて基板表面に堆積させることにより膜材料からなる薄膜が形成される。ところで、蒸発した膜材料は成膜室内の防着板等にも付着する他、成膜室の底部に堆積する。そして、成膜の際に防着板から剥がれた膜材料や底部に堆積した膜材料が舞い上がって、成膜室内に異物として浮遊することがある。このような異物が基板表面に付着すると、異物が付着した部分で膜厚が薄くなることや膜が形成されないことで、膜に欠陥が生じてしまう。
そこで、成膜室の側壁に設けられた排気口と、排気口よりも基板寄りであり排気口とは平面投影位置で蒸発源を間に挟んで反対側の側壁に設けられたガスの導入口と、を備えた成膜装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような成膜装置によれば、成膜中に導入口から排気口に向かう横方向のガスの流れが生じるので、ガスが流れる範囲の高さに存在する異物が基板に向かうのを抑制できる。
また、成膜室内を上部と下部とに仕切る仕切板と、成膜室の下部側に設けられた排気口とを備えた成膜装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような成膜装置によれば、成膜室内を真空排気する際に成膜室の下部側から排気するので、成膜室の底部に堆積した異物が基板に向かって舞い上がるのを抑制できる。
特開平11−172416号公報 特開2005−248311号公報
しかしながら、このような従来の成膜装置では、成膜中に材料の突沸等により高く舞い上がる異物が基板に向かうのを抑制することは困難である。また、成膜室の底部に堆積した異物が成膜中に舞い上がるリスクは低減されない。そのため、薄膜を形成する際に基板表面に異物が付着することにより膜に欠陥が生じてしまい、その結果、半導体装置や有機EL装置の製造歩留りが低下するという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る成膜装置は、膜材料を蒸発させて基板表面に成膜する成膜装置であって、成膜室と、前記成膜室内の底部側に配置されており、前記膜材料を収容する蒸発源と、前記成膜室内に前記蒸発源に対向して配置されており、前記基板を保持する保持部と、前記成膜室内にプロセスガスが導入されるガス導入口と、前記成膜室の前記底部に設けられた開口部と、前記開口部を介して前記成膜室に連通されており、前記成膜室内の雰囲気を排気する排気口が設けられた排気室と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、成膜室内の雰囲気が排気室から排気口を介して成膜装置外に排気されるので、ガス導入口から成膜室内に導入されるプロセスガスは、成膜室の底部に設けられた開口部を通って、排気口が設けられた排気室に流れる。このため、成膜室内に、成膜室の底部に向かう方向、すなわち保持部に保持された基板に対向する側に向かって基板から遠ざかる方向にプロセスガスの流れができる。これにより、成膜中に成膜室内に存在する異物が基板に向かって舞い上がるのを抑制できる。
また、成膜室の底部に排気室が連通されているので、成膜室内に浮遊する異物はプロセスガスの流れの方向に沿って排気室に移動する。このため、成膜室内に存在する異物の量を低減できる。これにより、成膜室の内部に浮遊する異物や底部に堆積した異物が成膜中に舞い上がるリスクを低減できる。したがって、このような成膜装置を用いれば、半導体装置や有機EL装置を歩留りよく製造することができる。
[適用例2]上記適用例に係る成膜装置であって、前記開口部は、前記蒸発源と平面的に重なるとともに前記蒸発源の周囲よりも大きくてもよい。
この構成によれば、排気室が連通される開口部は蒸発源の周囲よりも大きいので、平面視において蒸発源の周囲には成膜室の底部がない。このため、蒸発源の周囲に異物が発生したり落下したりしても、異物は成膜室から排気室に移動する。
[適用例3]上記適用例に係る成膜装置であって、前記ガス導入口は、前記成膜室内の前記保持部側に設けられていてもよい。
この構成によれば、保持部に保持された基板側から対向する底部側に向かう方向にプロセスガスの流れができる。これにより、成膜中に成膜室内に存在する異物が基板に向かって舞い上がるのをより効果的に抑制できる。
[適用例4]上記適用例に係る成膜装置であって、前記ガス導入口は、前記保持部の背面側に設けられていてもよい。
この構成によれば、基板が保持された保持部の背面側から成膜室の底部に向かう方向にプロセスガスの流れができる。これにより、成膜中に、成膜室内に存在する異物が基板に向かって舞い上がるのを抑制するのに加えて、流れるプロセスガスにより基板を冷却できる。基板が冷却されることで、基板表面に形成される薄膜の膜質を向上できる。
[適用例5]上記適用例に係る成膜装置であって、前記成膜室内の前記底部側に配置されており、前記成膜室内を仕切る多孔性の仕切板をさらに備え、前記蒸発源は、前記仕切板よりも前記保持部側に位置していてもよい。
この構成によれば、多孔性の仕切板により成膜室が仕切られており、蒸発源は仕切板よりも保持部側に位置している。このため、成膜室において仕切板よりも底部側に異物が存在しても、蒸発源から膜材料が蒸発する際に周囲から舞い上がるのを抑制できる。
[適用例6]上記適用例に係る成膜装置であって、プラズマを前記蒸発源に導入することにより前記膜材料を蒸発させるプラズマ導入部をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、プラズマ成膜法により歩留りよく成膜可能な成膜装置を提供できる。
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面において、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の厚さや寸法の比率等は適宜異ならせてある。
(第1の実施形態)
<成膜装置>
まず、第1の実施形態に係る成膜装置について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す図である。詳しくは、図1(a)は成膜装置の全体構成を示す断面図あり、図1(b)は図1(a)のA−A’線において平面視した状態を示す図である。なお、図1(b)では、図1(a)における基板の投影位置を図示してある。
第1の実施形態に係る成膜装置100は、成膜室10と、保持部26と、排気室30と、プラズマ導入部40とを備えている。成膜装置100は、イオンプレーティング法を用いた成膜装置である。成膜装置100によれば、緻密な薄膜を形成することができる。
成膜室10は、真空チャンバであり、上部12と、底部14と、側部16とを有している。成膜室10の底部14には、開口部14aが設けられている。開口部14aは、例えば円形状である。開口部14aの形状は、矩形や多角形であってもよい。成膜室10は、開口部14aを介して排気室30に連通されている。
成膜室10内の底部14側には、蒸発源としてのハース20が配置されている。ハース20は、排気室30の底部に設けられた支持台24により支持されている。ハース20には、膜材料22が収容される。ハース20の外周には、環状の陽極46が配置されている。開口部14aは、ハース20と平面的に重なるとともにハース20の周囲よりも大きくなっている。
成膜室10の側部16には、ガス導入口18が設けられている。ガス導入口18は、例えば、上部12側および底部14側に各2箇所配置されている。ガス導入口18から成膜室10内にプロセスガス49が導入される。ガス導入口18には、成膜室10内に導入されるプロセスガス49の導入量を制御するマスフローコントローラ(図示しない)が接続されている。プロセスガス49として、例えば、アルゴンガスや窒素ガスが用いられる。
ここで、プロセスガスとは、成膜等の反応に使用されるガスのことを指す。また、成膜中に、成膜室内の雰囲気を不活性な状態に保つため、あるいは基板等を冷却するため等の目的で他のガスが使用される場合、これらのガスもプロセスガスに含めるものとする。なお、ガス導入口18の数および配置はこの形態に限定されないが、上部12側に少なくとも1箇所配置されていることが好ましい。後述するが、ガス導入口18が上部12側に配置されていると、成膜室10内において、保持部26側からその対向する底部14側に向かって遠ざかる方向にプロセスガス49の流れが生じ易くなる。
保持部26は、成膜室10内の上部12側にハース20に対向して配置されている。保持部26は、基板28の表面28aがハース20に対向するように基板28を保持する。保持部26は、例えば、ラック・アンド・ピニオン方式の駆動装置あるいはロボットアーム等を備えた搬送機構(図示しない)により、基板28を保持した状態で、ハース20に対して矢印で示す所定の方向に相対移動することができる。保持部26は、この搬送機構により、成膜室10と他の成膜室や処理室等との間を移動可能である。
排気室30は、開口部14aを介して成膜室10に連通されている。排気室30は、開口部14aと略同一形状の断面を有し成膜室10に接続される側部と、開口部14aと略同一形状の底部と、を有している。排気室30の側部には、排気口34が設けられている。排気口34は、排気室30の底部に設けられていてもよい。排気室30は、排気口34を介して排気ポンプ(図示しない)に接続されている。排気ポンプにより、成膜室10内の雰囲気が、開口部14aを通過して排気室30に流れ、排気室30から排気口34を介して成膜装置100外に排気される。これにより、成膜室10内を真空に近い減圧状態に保つことができる。
プラズマ導入部40は、プラズマ生成器41と、直流電源42と、磁場発生コイル44と、前述の陽極46とを備えている。プラズマ生成器41は、成膜室10の側部16に設けられた開口部を介して、成膜室10に接続されている。プラズマ導入部40は、プラズマ生成器41に導入されるプロセスガス47をプラズマ化してプラズマ48を発生させ、そのプラズマ48をハース20に収容された膜材料22に導入する機能を有している。プロセスガス47として、例えばアルゴンガスが用いられる。
成膜装置100では、プラズマ48がハース20に収容された膜材料22に導入されることにより、膜材料22が加熱されて蒸発する。蒸発した膜材料22は、プラズマ48によりイオン化され活性度の高い状態となって、保持部26に保持された基板28の表面28aに堆積する。これにより、基板28の表面28aに、膜材料22からなる薄膜が成膜される。
ところで、成膜室10内には、成膜の際に蒸発した膜材料22のうち、上部12や側部16に付着したものや底部14に堆積したものが存在する。これらの膜材料が、成膜の際に剥がれたり舞い上がったりして、成膜室10内に異物として浮遊することがある。また、ハース20の周囲は、膜材料22の突沸等により異物が発生し易い。一方で、ハース20の周囲では、成膜時に異物が舞い上がる可能性が高い。このような異物が基板28の表面28aに付着すると、異物が付着した部分で膜厚が薄くなることや膜が形成されないことにより、膜に欠陥が生じてしまう。
成膜装置100では、成膜室10内の雰囲気が排気室30から排気口34を介して成膜装置100外に排気されるので、ガス導入口18から成膜室10内に導入されるプロセスガス49は、成膜室10の底部14に設けられた開口部14aを通って、排気口34が設けられた排気室30に流れる。このため、成膜室10内に、底部14に向かう方向、すなわち基板28に対向する側に向かって、基板28から遠ざかる方向にプロセスガス49の流れができる。これにより、成膜中に成膜室10内に存在する異物が基板28に向かって舞い上がるのを抑制できる。
また、成膜室10の底部14に排気室30が連通されているので、成膜室10内に浮遊する異物は、プロセスガス49の流れに沿って排気室30に移動し、プロセスガス49とともに成膜装置100外に排出される。このため、成膜室10内に存在する異物の量が低減される。これにより、成膜室10の内部に浮遊する異物や底部14に堆積した異物が成膜中に舞い上がるリスクを低減できる。また、成膜装置100において連続して成膜を行っても、成膜室10内の異物が継続的に排出されるので、成膜室10内の清浄性等の環境条件が保持される。
ここで、成膜室10と排気室30とが連通される開口部14aはハース20の周囲よりも大きい。すなわち、図1(b)に示すように、平面視においてハース20の周囲には底部14がない。このため、ハース20の周囲に異物が発生したり、ハース20の上側からハース20の周囲に異物が落下したりしても、異物は底部14に堆積することなく排気室30に移動する。これにより、ハース20から膜材料22が蒸発する際に、ハース20の周囲から舞い上がる異物の量を低減できる。この結果、基板28の表面28aへの異物の付着が抑えられるので、形成される薄膜における欠陥の発生を低減できる。したがって、半導体装置や有機EL装置の製造歩留り低下を防止できる。
なお、成膜装置100では、基板28がプラズマ48に直接曝されないように、プラズマ48が発生する領域の外部に基板28が配置される。したがって、基板28に先に形成されている有機機能層等の膜がプラズマ48により損傷を受けるのを回避できる。
<基板の一例>
次に、第1の実施形態に係る成膜装置を用いて成膜される基板の一例として、有機EL装置の素子基板について図2を参照して説明する。図2は、有機EL装置の素子基板の概略構成を示す図である。
素子基板50は、基板51上に、回路部52と、画素電極54と有機機能層60と陰極62とで構成される多数の有機EL素子と、これらの有機EL素子を覆う保護層64と緩衝層66と封止層68と、を備えている。素子基板50は、例えば、トップエミッション方式の有機EL装置の素子基板である。素子基板50では、有機機能層60から発した光が封止層68側に射出される。
基板51の材料は、素子基板50がトップエミッション方式であることから、ガラス、石英、樹脂等の透光性材料、および不透光性材料のいずれであってもよい。回路部52は、基板51上に形成されており、画素電極54を駆動するための駆動用TFT53と、各種回路と、導通部と、層間絶縁層等で構成されている。
画素電極54は、回路部52上に設けられており、平面視でマトリクス状に配置されている。画素電極54は、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる。画素電極54上には、親液性制御層56が形成されている。
親液性制御層56は、画素電極54のそれぞれに対応する開口部を複数有している。親液性制御層56は、例えば酸化シリコン等の無機材料からなる。親液性制御層56上には、隔壁層58が形成されている。隔壁層58は、例えばアクリル樹脂からなる。なお、隔壁層58に平面視で重なるように遮光層が設けられていてもよい。
有機機能層60は、隔壁層58により区画された領域に形成されており、画素電極54上に位置している。有機機能層60は、図示しないが、順に積層された正孔輸送層と発光層とで構成されている。有機機能層60では、正孔輸送層から注入される正孔と、陰極62から注入される電子とが発光層で再結合することにより、R、G、B等いずれかの色の発光が得られる。なお、有機機能層60は、発光層の上に積層された電子注入層をさらに有していてもよいし、発光層を含む4層以上の機能層で構成されていてもよい。
正孔輸送層の材料としては、例えば、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体を用いることができる。発光層の材料としては、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、PEDOT等のポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等を用いることができる。
陰極62は、有機機能層60と、隔壁層58の上面および側部壁面とを覆っている。陰極62は、有機EL装置がトップエミッション方式であることから、ITO等の透光性導電材料からなる。また、陰極62の材料は、電子注入効果の大きい材料、例えば、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、リチウム金属、またはこれらの金属化合物であってもよい。なお、このような材料からなる陰極62は、水分と反応し易い特性を有する。陰極62が水分と反応すると、その部分で電子注入効果が損なわれ、ダークスポットと呼ばれる発光しない領域が生じてしまう。
陰極62上には、陰極62を覆う保護層64が形成されている。保護層64は、製造工程において、上層に位置する緩衝層66の残留水分等により陰極62が損傷を受けるのを防止するためのものである。したがって、保護層64は、緩衝層66より広い範囲に形成されていることが好ましい。保護層64の材料としては、透光性、緻密性、耐水性、絶縁性、ガスバリア性を考慮して、珪素窒化物や珪素窒酸化物等の窒素を含む珪素化合物等が好適に用いられる。
保護層64上には、陰極62よりも広い範囲に緩衝層66が設けられている。緩衝層66は、隔壁層58の形状が反映された陰極62表面の凹凸形状の凹部を埋めるように配置されており、略平坦に形成された上面を有している。緩衝層66は、例えばエポキシモノマー/オリゴマー等の高分子材料からなる。
緩衝層66上には、緩衝層66と保護層64とを覆う封止層68が形成されている。封止層68は、酸素や水分が浸入することによる陰極62や有機機能層60の劣化を防止するためのものである。封止層68の材料としては、透光性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、珪素窒化物や珪素窒酸化物等の窒素を含む珪素化合物等が好適に用いられる。
素子基板50において、保護層64および封止層68は、水蒸気等のガスを遮断するため、緻密で欠陥のない膜であることが好ましい。このような保護層64および封止層68の成膜法としては、緻密な膜を形成できるイオンプレーティング法等の高密度プラズマ成膜法が好適である。したがって、イオンプレーティング法を用いた成膜装置100は、素子基板50の保護層64および封止層68の成膜装置として好適である。
なお、素子基板50はボトムエミッション方式の有機EL装置の素子基板であってもよい。有機EL装置がボトムエミッション方式である場合には、基板51側から発光光が射出される。この場合、基板51の材料としては、透光性または半透光性のものが用いられ、ガラス基板が好適である。また、画素電極54も透光性材料が用いられる。一方、陰極62は透光性の材料でなくてもよい。
<成膜方法>
続いて、成膜装置100を用いて行う成膜方法について、素子基板50の保護層64を成膜する場合を例に取り、図1を参照して概略を説明する。ここでは、保護層64は酸化窒化シリコンからなるものとする。
成膜装置100において、まず、成膜室10内を、排気室30に設けられた排気口34を介して接続された排気ポンプで吸引することにより減圧する。ハース20には、保護層64の膜材料22が収容される。保護層64の膜材料22は、酸化シリコンである。ここでは、保持部26に保持された基板28は、基板51上に陰極62までが形成された素子基板50(図2参照)である。
次に、成膜室10内に、プロセスガス49として、窒素ガスをガス導入口18から導入する。これにより、少なくとも基板28とハース20との間の空間は、プロセスガス49(窒素ガス)で満たされるので、外部からの酸素が遮断された雰囲気となる。このため、この成膜工程の前に基板28に形成されている膜等の酸化が防止される。
そして、プラズマ生成器41に、プロセスガス47として、アルゴンガスを導入する。プラズマ生成器41に導入されたプロセスガス47(アルゴンガス)は、直流電源42によりプラズマ化されて、プラズマ48(アルゴンプラズマ)となる。プラズマ48は、磁場発生コイル44および陽極46によりハース20に導かれ、ハース20に収容された膜材料22に導入される。
膜材料22(酸化シリコン)はプラズマ48に加熱されて蒸発する。蒸発した膜材料22の粒子は、プラズマ48によりイオン化され活性度の高い状態となって、基板28の表面28aに入射する。基板28の表面28a上に堆積した膜材料22は、プロセスガス49と反応して酸化窒化シリコンとなり、保護層64が成膜される。
このとき、成膜室10内の雰囲気中のプロセスガス49の成分比率を調節することにより、酸化窒化シリコンの組成比を調節することができる。また、蒸発した膜材料22は、プラズマ48により十分活性化された状態で基板28の表面28aに入射するので、酸化窒化シリコンからなる保護層64を緻密で均一なものとすることができる。
上述の保護層64を成膜する方法において、成膜装置100では、基板28に対向する側に向かって、基板28から遠ざかる方向にプロセスガス49の流れができるので、成膜中に成膜室10内に存在する異物が基板28に向かって舞い上がるのを抑制できる。また、成膜室10の底部14に排気室30が連通されているので、成膜室10内に存在する異物の量が低減される。
さらに、ハース20の周囲に異物が発生したり、ハース20の上側からハース20の周囲に異物が落下したりしても、異物は底部14に堆積することなく排気室30に移動する。これにより、ハース20から膜材料22が蒸発する際に、ハース20の周囲から舞い上がる異物の量を低減できる。この結果、基板28の表面28aへの異物の付着が抑えられるので、形成される保護層64における欠陥の発生を低減できる。したがって、有機EL装置の素子基板50の製造歩留り低下を防止できる。
上述の成膜装置100を用いて保護層64を成膜する方法は、封止層68の成膜にも適用できる。また、上述の成膜装置100を用いて保護層64を成膜する方法は、陰極62等の成膜にも適用可能である。
なお、本実施形態では、プロセスガス47,49はともに成膜の反応に使用されるガスであったが、この形態に限定されない。プロセスガスとして、成膜中に成膜室内の雰囲気を不活性な状態に保つため、あるいは基板等を冷却するため等の目的で他のガスが使用される構成であってもよい。ここで、成膜室内の雰囲気を不活性な状態に保つため、あるいは基板等を冷却するために使用されるガスとしては、例えばヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンがあげられる。
(第2の実施形態)
<成膜装置>
次に、第2の実施形態に係る成膜装置について図3を参照して説明する。図3は、第2の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す図である。詳しくは、図3(a)は成膜装置の全体構成を示す断面図あり、図3(b)は図3(a)のB−B’線において平面視した状態を示す図である。なお、図3(b)では、図3(a)における基板とガス導入口の投影位置を図示してある。また、第1の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
第2の実施形態に係る成膜装置200は、第1の実施形態に係る成膜装置100に対して、ガス導入口18が成膜室10の上部12に設けられている点が異なっているが、その他の構成は同じである。
第2の実施形態に係る成膜装置200は、成膜室10と、保持部26と、排気室30と、プラズマ導入部40とを備えており、イオンプレーティング法を用いた成膜装置である。
ガス導入口18は、成膜室10の上部12に設けられている。つまり、ガス導入口18は、保持部26の背面側に設けられている。ガス導入口18は、例えば、平面視で基板28(保持部26)の移動方向の前後に各2箇所設けられ、前後各2箇所のそれぞれが基板28の移動方向に略直交する方向における両側から基板28を挟むように配置されている。なお、ガス導入口18の数および配置はこの形態に限定されない。
成膜装置200では、成膜室10の上部12から底部14に向かう方向にプロセスガス49の流れができるので、成膜装置100と同様に、成膜室10内に存在する異物が基板28に向かって舞い上がるのを抑制することができる。また、成膜室10の底部14に排気室30が連通されているので、成膜装置100と同様に、成膜室10内に存在する異物の量が低減されるとともに、ハース20から膜材料22が蒸発する際にハース20の周囲から舞い上がる異物の量を低減できる。この結果、基板28の表面28aへの異物の付着が抑えられるので、形成される薄膜における欠陥の発生を低減できる。
さらに、成膜装置200では、基板28が保持された保持部26の背面側からプロセスガス49が導入されるので、基板28の近傍を流れるプロセスガス49により、成膜中に基板28が冷却される。ここで、成膜中は、ハース20における膜材料22の加熱の熱輻射により、基板28の温度が上昇する。基板28の温度が上昇すると、基板28の表面28aに成膜される薄膜の膜質が不均一になる場合がある。また、基板28の温度が上昇することにより、基板28に先に形成されている有機機能層等の薄膜において、分子構造の破壊や材料の変質が生じる場合がある。成膜装置200では、プロセスガス49により成膜中に基板28が冷却されることで、基板28の表面28aに形成される薄膜の膜質を向上できるとともに、基板28に先に形成されている薄膜における分子構造の破壊や材料の変質を防止できる。
(第3の実施形態)
<成膜装置>
次に、第3の実施形態に係る成膜装置について図4を参照して説明する。図4は、第3の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す図である。詳しくは、図4(a)は成膜装置の全体構成を示す断面図あり、図4(b)は図4(a)のC−C’線において平面視した状態を示す図である。なお、第1の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
第3の実施形態に係る成膜装置300は、第1の実施形態に係る成膜装置100に対して、成膜室10の底部14側に配置されており、成膜室10内を仕切る多孔性の仕切板15が設けられている点が異なっているが、その他の構成は同じである。
第3の実施形態に係る成膜装置300は、成膜室10と、保持部26と、排気室30と、プラズマ導入部40とを備えており、イオンプレーティング法を用いた成膜装置である。
成膜室10内の底部14側には、成膜室10内を仕切る仕切板15が配置されている。仕切板15は、例えば略全面がメッシュ状である。したがって、ガス導入口18から導入されたプロセスガス49の底部14に向かう流れが、仕切板15により妨げられることはないようになっている。仕切板15は、略全面に小さな貫通孔が多数形成されたものであってもよい。仕切板15により、成膜室10内は、仕切板15よりも上方の成膜側と、仕切板15よりも下方の排気側とに仕切られている。ハース20は、支持台24に支持され、仕切板15の上に位置している。したがって、ハース20は、仕切板15よりも成膜側に位置している。
成膜装置300では、成膜室10の上部12から底部14に向かう方向にプロセスガス49の流れができるので、成膜装置100と同様に、成膜室10内に存在する異物が基板28に向かって舞い上がるのを抑制することができる。また、成膜室10の底部14に排気室30が連通されているので、成膜装置100と同様に、成膜室10内に存在する異物の量が低減されるとともに、ハース20から膜材料22が蒸発する際にハース20の周囲から舞い上がる異物の量を低減できる。
さらに、成膜装置300では、仕切板15により成膜室10内が成膜側と排気側とに仕切られており、ハース20は仕切板15よりも成膜側に位置している。このため、成膜室10において仕切板15よりも排気側に存在する異物が、ハース20から膜材料22が蒸発する際に成膜側に舞い上がるのを抑制できる。
また、ハース20は、成膜室10のうち仕切板15により仕切られた排気側の空間分だけ排気室30から離れている。このため、排気室30内に存在する異物が、成膜側に位置するハース20の周囲に舞い上がるリスクをより低減できる。この結果、基板28の表面28aへの異物の付着がより効果的に抑えられるので、形成される薄膜における欠陥の発生をより低減できる。
なお、第2の実施形態に係る成膜装置200に仕切板15を設けてもよい。成膜装置200に仕切板15を設けた場合も、成膜装置300と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記実施形態の成膜装置において、保持部26は、搬送機構により成膜室10と他の成膜室や処理室等との間を移動可能であったが、上記の形態に限定されない。保持部26は、基板28の表面28aの法線に平行な軸を回転軸として、保持部26を回転させる回転機構を備えていてもよい。
変形例1に係る成膜装置について図5を参照して説明する。図5は、変形例1に係る成膜装置の概略構成を示す図である。なお、上記実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
変形例1に係る成膜装置400は、第1の実施形態に係る成膜装置100に対して、保持部26を回転させる回転機構36が設けられている点が異なっているが、その他の構成は同じである。
成膜室10内の上部12には、回転機構36が設けられている。保持部26は、回転機構36に取り付けられている。回転機構36は、図示しないが、モータ、変速機等を内蔵しており、基板28の表面28aの法線に平行な回転軸を有している。回転機構36の回転軸には保持部26の中心部が固定されており、回転機構36はこの回転軸を介して保持部26を基板28とともに回転駆動する。基板28を回転させて成膜することにより、基板28の表面28a内における各成膜点とハース20との位置関係を相対的に変化させることができるので、基板28の表面28a内における膜厚のばらつきを抑えることができる。
成膜装置400では、成膜装置100と同様に、基板28の表面28aへの異物の付着が抑えられるので、形成される薄膜における欠陥の発生を低減できる。
なお、第2の実施形態に係る成膜装置200および第3の実施形態に係る成膜装置300に回転機構36を設けた場合も、成膜装置400と同様の効果が得られる。
(変形例2)
上記実施形態および変形例1の成膜装置はイオンプレーティング法を用いた成膜装置であったが、上記の形態に限定されない。成膜装置はイオンプレーティング法以外の成膜方法を用いた成膜装置であってもよい。
イオンプレーティング法以外の成膜方法としては、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマスパッタリング法、ICP(Inductively Coupled Plasma)−CVD(Chemical Vapor Deposition)法、SWP(Surface Wave Plasma)−CVD法、等の高密度プラズマ成膜法があげられる。これらの高密度プラズマ成膜法に対応した成膜装置であっても、上記実施形態と同様の構成とすることで同様の効果が得られる。
第1の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す図。 有機EL装置の素子基板の概略構成を示す図。 第2の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す図。 第3の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す図。 変形例1に係る成膜装置の概略構成を示す図。
符号の説明
10…成膜室、12…上部、14…底部、14a…開口部、15…仕切板、16…側部、18…ガス導入口、20…ハース、22…膜材料、24…支持台、26…保持部、28…基板、28a…表面、30…排気室、34…排気口、36…回転機構、40…プラズマ導入部、41…プラズマ生成器、42…直流電源、44…磁場発生コイル、46…陽極、47…プロセスガス、48…プラズマ、49…プロセスガス、50…素子基板、51…基板、52…回路部、53…駆動用TFT、54…画素電極、56…親液性制御層、58…隔壁層、60…有機機能層、62…陰極、64…保護層、66…緩衝層、68…封止層、100,200,300,400…成膜装置。

Claims (6)

  1. 膜材料を蒸発させて基板表面に成膜する成膜装置であって、
    成膜室と、
    前記成膜室内の底部側に配置されており、前記膜材料を収容する蒸発源と、
    前記成膜室内に前記蒸発源に対向して配置されており、前記基板を保持する保持部と、
    前記成膜室内にプロセスガスが導入されるガス導入口と、
    前記成膜室の前記底部に設けられた開口部と、
    前記開口部を介して前記成膜室に連通されており、前記成膜室内の雰囲気を排気する排気口が設けられた排気室と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置であって、
    前記開口部は、前記蒸発源と平面的に重なるとともに前記蒸発源の周囲よりも大きいことを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項1または2に記載の成膜装置であって、
    前記ガス導入口は、前記成膜室の前記保持部側に設けられていることを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項3に記載の成膜装置であって、
    前記ガス導入口は、前記保持部の背面側に設けられていることを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成膜装置であって、
    前記成膜室内の前記底部側に配置されており、前記成膜室内を仕切る多孔性の仕切板をさらに備え、
    前記蒸発源は、前記仕切板よりも前記保持部側に位置していることを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成膜装置であって、
    プラズマを前記蒸発源に導入することにより前記膜材料を蒸発させるプラズマ導入部をさらに備えたことを特徴とする成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016117954A (ja) * 2016-03-31 2016-06-30 住友重機械工業株式会社 成膜装置及び成膜装置用チャンバー

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