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JP2010005625A - クッション装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーシュートが過大になることを防止でき、クッション荷重の制御精度を向上させることができるクッション装置の制御装置を提供する。
【解決手段】スライド5は、スライドの運転モーションに従って移動制御させられ、制御装置10は、スライド速度予測部11とクッション荷重予測部13とクッション荷重制御部15を備える。スライド速度予測部11は、スライドの運転モーションに基づいて、現時点から所定時間だけ未来の時点のスライド速度をスライド速度予測値として算出する。クッション荷重予測部13は、スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出する。クッション荷重制御部15は、荷重予測値が、設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合には、発生するクッション荷重を減少させる制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、クッション装置の制御装置に関する。
クッション装置は、該クッション装置に向けて移動してくるスライドに後退させられながらクッション荷重をスライドに作用させる装置である。スライドは、スライドの運転モーションに従って移動制御させられる。
クッション装置は、例えばプレス機械のしわ押え成形に利用される。プレス機械は、図3に示すように、上金型21と下金型23との間に被加工物1を挟んでプレス成形を行う。上金型21は、昇降するスライド5に取り付けられている。被加工物1のしわ押え成形を行う場合には、クッション装置3は、プレス成形時に前記上金型21との間に被加工物1を挟んだ状態で上金型21と共に下降する可動部7を有する。
可動部7は、例えば、プレス成形時に被加工物1と接触して上金型21との間に被加工物1を挟んだ状態で上金型21と共に下降するブランクホルダ7aと、ブランクホルダ7aを下方から支持するクッションピン7bと、クッションピン7bを下方から支持するクッションプレート7cと、クッションプレート7cを下方から押圧する押圧部材7dと、を有する。クッション装置3が、油圧シリンダを用いたものである場合、押圧部材7dは、油圧シリンダのピストンである。
油圧シリンダを用いたクッション装置3では、プレス成形時に、位置制御によりピストン7dを所定の待機位置に保持し、下降してきたスライド5にピストン7dが押されたことを検知すると、荷重制御(即ち、油圧制御)に切り替えている。即ち、荷重制御に切り替えると同時に、流量計算で算出した開度までサーボ弁を開く必要がある(サーボ弁は、油圧シリンダの下室から下室外部に流れ出る油量と、油圧シリンダの上室に上室外部から流れ込む油量とを制御するものである)。上記の切り替えタイミングが早いとクッション荷重の立ち上りが遅くなり、逆に遅いと過大なオーバーシュートを生じるため、適切なタイミングで切り替えを行わなければならない。
このような切り替えを実行するための判定条件には、例えば次の(1)、(2)のものがある。
(1)クッション荷重値が、切替荷重判定値(例えば、設定荷重目標値の50%の値)以下になり、かつ、ピストンストロークが切替ストローク判定値以下になる。
(2)プレス角度が切替角度を通過する。なお、プレス角度は、例えばスライドを昇降するためのクランク軸の回転角であり、切替角度は、上金型がクッション装置に接触するプレス角度や設定荷重目標値やプレス速度などに基づいて求めておく。
なお、本発明の先行技術文献として、例えば下記特許文献1がある。
特開2007―301591
上述の(1)の方法には、高速運転において設定荷重目標値が低いとオーバーシュートが過大になるという問題がある。
一方、上述の(2)の方法は、設定荷重目標値とプレス速度から最適な切替角度を求める計算式が確立しておらず、実機調整の結果に基づいて切替角度を調整する必要があった。
そこで、本発明の目的は、新たな手法により、オーバーシュートが過大になることを防止でき、クッション荷重の制御精度を向上させることができるクッション装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によると、クッション装置の制御装置であって、
前記クッション装置は、該クッション装置に向けて移動してくるスライドに後退させられながらクッション荷重を発生させる装置であり、前記スライドは、スライドの運転モーションに従って移動制御させられ、前記制御装置は、スライド速度予測部とクッション荷重予測部とクッション荷重制御部を備え、
スライド速度予測部は、前記スライドの運転モーションに基づいて、現時点から所定時間だけ未来の時点のスライド速度をスライド速度予測値として算出し、
クッション荷重予測部は、前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出し、
クッション荷重制御部は、前記荷重予測値が、設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合には、発生するクッション荷重を減少させる制御を行う、ことを特徴とするクッション装置の制御装置が提供される。
上述の本発明のクッション装置の制御装置では、スライド速度予測部は、前記スライドの運転モーションに基づいて、現時点から所定時間だけ未来の時点のスライド速度をスライド速度予測値として算出し、クッション荷重予測部は、前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出し、クッション荷重制御部は、前記荷重予測値が、設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合には、発生するクッション荷重を減少させる制御を行うので、未来のクッション荷重が許容最大オーバーシュート量を超えそうになる場合、クッション荷重が抑えられる。これにより、オーバーシュートが過大になることを防止でき、クッション荷重の制御精度が向上する。
本発明の好ましい実施形態によると、前記クッション荷重予測部は、現時点のクッション荷重を検知する荷重検知部を有し、検知した現時点のクッション荷重と前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を算出する。
このように、前記クッション荷重予測部は、現時点のクッション荷重と未来の時点のスライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を算出することができる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記クッション荷重予測部は、荷重予測モデルを記憶し、前記スライド速度予測値を前記荷重予測モデルに適用して、未来の時点のクッション荷重を算出する。
このように、予め作成した荷重予測モデルに基づいて未来の時点のクッション荷重を算出することができる。
また、本発明の好ましい実施形態によると、クッション装置は、前記スライドに後退させられる可動部と、前記スライドに向け前記可動部を押す力であるクッション荷重を発生させる駆動部と、を有し、
前記クッション荷重制御部は、前記駆動部を制御することで前記クッション荷重を制御する。
このように、前記クッション荷重制御部は、クッション装置の前記駆動部を制御することで前記クッション荷重を制御できる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記クッション装置は、上金型と下金型との間で被加工物をプレス成形するプレス機械のダイクッション装置であり、
前記スライドには、前記上金型が取り付けられ、
前記クッション装置は、前記上金型との間に被加工物を挟んだ状態で上金型と共に下降する装置である。
このように、前記クッション装置をダイクッション装置として用いることで、ダイクッションの制御精度が向上し、より高品質のプレス成形品を生産できる。
上述した本発明によると、新たな手法により、オーバーシュートが過大になることを防止でき、クッション荷重の制御精度を向上させることができる。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明によるクッション装置の制御装置をプレス機械に適用した場合を示す。プレス機械の構成は、図4に基づいて説明したものと同じであってよい。
本発明の実施形態では、クッション装置3は、該クッション装置3に向けて移動してくるスライド5に後退させられながらクッション荷重を発生させる装置である。図1の例では、クッション装置3は、油圧シリンダを用いたものである。クッション装置3は、前記スライド5に後退させられる可動部7と、前記スライド5に向け前記可動部7を押す力であるクッション荷重を発生させる駆動部9と、を有する。図1の例では、駆動部9は、油圧シリンダ9aと、油圧シリンダ9aの下室に油圧を供給する油圧源9bと、油圧源9bと下室とを接続する管路9cと、この管路9cに設けられたサーボ弁9dと、から構成される。
スライド5は、スライドの運転モーションに従って移動制御させられる。スライドの運転モーションは、例えば、プレス成形時における各プレス角度または各スライド位置とスライド速度との関係を定めたモーションデータや、プレス成形時における各時点とスライド位置との関係を定めたモーションデータであってよい。なお、プレス角度は、例えば、スライド5を昇降させるために回転するクランク軸の回転角であってよい。また、スライド5は、例えばクランク軸を介してサーボモータにより駆動させるものであってよい。例えば、現時点のスライド5の速度または位置が検知され、その検知した値とスライドの運転モーションとに従って前記サーボモータが制御されることで、スライド5の運動が制御されてよい。
本発明の実施形態によると、クッション装置3の制御装置10は、スライド速度予測部11とクッション荷重予測部13とクッション荷重制御部15を備える。
スライド速度予測部11は、前記スライドの運転モーションに基づいて、現時点から所定時間だけ未来の時点のスライド速度をスライド速度予測値として算出する。具体的には、プレス角度もしくはスライド位置の検出値、または、プレス速度もしくはスライド速度の検出値と、前記スライドの運転モーションとに基づいて、スライド速度予測値を算出する。このような処理が、プレス成形1サイクルの間、スライド速度予測部11により時々刻々となされる。プレス成形1サイクルは、スライド5が下降を開始する時点から、上金型21が被加工物1に接触しさらにスライド5が下死点まで下降し再び所定位置まで上昇する時点までの期間である。
クッション荷重予測部13は、前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出する。具体的には、クッション荷重予測部13は、現時点のクッション荷重を検知する荷重検知部13aを有し、検知した現時点のクッション荷重と前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出する。クッション荷重は、油圧シリンダ9aの下室の油圧の検出値に基づいて検知されてよい。油圧シリンダ9aの上室にも油圧が供給される場合には、下室の油圧検出値と上室の油圧検出値とに基づいてクッション荷重が検知されてよい。
また、前記クッション荷重予測部13は、荷重予測モデルを記憶し、現時点の前記スライド速度予測値と検知した現時点のクッション荷重値とを、前記荷重予測モデルに適用して、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出する。荷重予測モデルの詳細は、後述する。
このような処理が、プレス成形1サイクルの間、クッション荷重予測部13により時々刻々となされる。
クッション荷重制御部15は、前記駆動部9(図1の例では、サーボ弁9d)を制御することで前記クッション荷重を制御する。本実施形態によると、クッション荷重制御部15は、前記荷重予測値が、設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合には、発生するクッション荷重を減少させる制御を行う。クッション荷重制御部15は、フィードバック制御部15aと、オーバーシュート抑制部15bと、加算部15cとを有する。
フィードバック制御部15aは、検知した現時点のクッション荷重値と現時点の設定荷重目標値とを比較し、両者が一致している場合には、直前に出力したサーボ弁開度指令値と同じ値のサーボ弁開度指令値を出力し現時点のサーボ弁9dの開度を維持し、両者が一致しない場合には、両者の偏差に応じたサーボ弁開度指令値を出力する。例えば、検知した現時点のクッション荷重値が設定荷重目標値より小さい場合には、直前に出力したサーボ弁開度指令値を、両者の偏差に応じた分だけ小さくした値のサーボ弁開度指令値を出力することで、サーボ弁9dの開度を小さくする。一方、検知した現時点のクッション荷重値が設定荷重目標値より大きい場合には、直前に出力したサーボ弁開度指令値を、両者の偏差に応じた分だけ大きくした値のサーボ弁開度指令値を出力することで、サーボ弁9dの開度を大きくする。これにより、実際のクッション荷重を設定荷重目標値に追従させるフィードバック制御がなされる。なお、設定荷重目標値は、フィードバック制御部15aに記憶されている。
オーバーシュート抑制部15bは、未来の時点の前記荷重予測値と当該未来の時点の設定荷重目標値とを現時点で比較し、前記荷重予測値が未来の時点の設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合(即ち、前記荷重予測値と未来の時点の設定荷重目標値との差が、許容最大オーバーシュート量より大きい場合)には、現時点(または、現時点と対象とする前記未来の時点との間の所望の時点)で補正値を出力する。例えば、当該荷重予測値と当該未来の時点の設定荷重目標値との偏差に応じた値の補正値を出力する。好ましくは、補正値は、この偏差が大きいほど大きい。一方、前記荷重予測値が前記未来の時点の設定荷重目標から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回らない場合には、補正値を出力しない(または、値がゼロの補正値を出力する)。なお、設定荷重目標値と許容最大オーバーシュート量は、オーバーシュート抑制部15bに記憶されている。
加算部15cは、フィードバック制御部15aからのサーボ弁開度指令値に、オーバーシュート抑制部15bからの前記補正値を加算する。このように補正されたサーボ弁開度指令値がサーボ弁9dに入力され、サーボ弁9dの開度が当該サーボ弁開度指令値が示す開度にされる。
このような処理が、プレス成形1サイクルの間、クッション荷重制御部15により時々刻々となされる。
上述の未来の時点がどれだけ未来の時点であるか(即ち、前記所定時間T)を、フィードバック制御部15aの制御サイクル時間Tに基づいて説明する。
フィードバック制御部15aの1制御サイクルに要する時間をT(例えば、1〜5msec)とする。即ち、Tは、次の(1)〜(3)を1回行うのに要する時間である。(1)荷重検知部13aがクッション荷重を検知し、(2)検知したクッション荷重値に基づいてフィードバック制御部15aが前記サーボ弁開度指令値を出力し、(3)このサーボ弁開度指令値によりサーボ弁9dの開度が調整される。(1)〜(3)はこの順で繰り返される。この場合、上述の未来の時点は、例えば、現時点から1T〜10Tだけ未来の時点であってよい(即ち、T=1T〜10T)。なお、現時点から前記未来の時点までの時間Tと、次の(A)〜(E)を1回行うのに要する時間とは同じであってよい。(A)荷重検知部13aがクッション荷重を検知し、(B)スライド速度予測部11が前記スライド速度予測値を出力するとともに、(A)で検知した現時点のクッション荷重値と前記スライド速度予測値に基づいてクッション荷重予測部13が前記荷重予測値を出力し、(C)この荷重予測値に基づいてオーバーシュート抑制部15bが前記補正値を出力し、(D)この補正値に基づいて加算部15cが補正された前記サーボ弁開度指令値を出力し、(E)このサーボ弁開度指令値によりサーボ弁9dの開度が調整される。(A)〜(E)はこの順で繰り返される。また、前記Tと前記Tとを互いに対し調整したい場合には、信号を遅らせる遅延回路を適切な箇所に設けてもよい。
次に、荷重予測モデルについて説明する。
荷重予測モデルは、次の[数1]を用いたものである。
Figure 2010005625
dPは、油圧シリンダ9aの下室の油圧変動を示す。即ち、現時点より前記所定時間だけ未来の時点における下室の油圧をPfとし、現時点の下室の油圧をPcとすると、dP=Pf−Pcである。
Kは、体積弾性率である。Kは、固定値(例えば980MPa)であってよい。なお、体積弾性率は、圧力と大気圧における気泡の体積混合比によって変化する。例えば、体積混合比はデータ計測結果より算出できる。算出した体積混合比と、スライド接触前(即ち、スライド5がクッション装置3に力を作用させる前)の圧力値を使用して、体積弾性率を計算し、固定として使用してよい。
Sは、円筒形の油圧シリンダ9aの断面積である。
Vは、油圧シリンダ9aの下室の体積である。好ましくは、Vは、サーボ弁9dから油圧シリンダ9a下室までの管路9cの体積も含めたものである。
dxは、油圧シリンダ9aのピストン7dの押し込みストロークである。即ち、現時点より前記所定時間だけ未来の時点におけるピストン位置をxfとし、現時点のピストン位置をxcとすると、dx=xf−xc(≧0)である。
aは、サーボ弁9dの開度によって油圧シリンダ9aの下室から下室外部へ流出する油量係数である。aは、現時点の油圧シリンダ9aの下室の圧力の関数であってよい。
Isvは、現時点のサーボ弁開度指令値である。
aとIsvの積は、現時点のサーボ弁開度指令値を維持した場合に、現時点から前記未来の時点までの間に、油圧シリンダ9aの下室から下室外部へ流出する油量となる。
[数1]において、K、S、a、Isvは、予め設定されており、前記クッション荷重予測部13に記憶されている。
dxは、現時点のスライド速度検出値(または前記スライド速度予測値)と前記所定時間との積として前記クッション荷重予測部13により算出されてよい。前記クッション荷重予測部13は、算出したdxを[数1]に代入して、dPを算出し、検知した現時点の前記クッション荷重値に算出したdPを加算することで、前記未来の時点のクッション荷重(即ち、荷重予測値)を算出する。
上述の[数1]が実際に使用可能であることを説明する。
油が密閉された状態でピストン7dを押し込んだ場合の押し込みストロークと油圧シリンダ9a下室の昇圧の関係式を[数2]に示す。[数2]における各記号は、[数1]の場合と同じである。
Figure 2010005625
図2は、クッション荷重制御部15による制御の説明図である。この図において、白丸は、未来の時点の荷重予測値を示し、黒丸は、検知された現時点のクッション荷重値を示す。
時点t1、t2、t5では、荷重予測値は、未来の時点の設定荷重目標値以下であるので、オーバーシュート抑制部15bは、機能せず、ゼロの補正値を出力する。従って、フィードバック制御部15aからのサーボ弁指令値が、補正されずにそのままサーボ弁9dに入力される。
一方、時点t3、t4では、前記荷重予測値が未来の時点の設定荷重目標から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回るので、オーバーシュート抑制部15bは、上述の補正値を出力する。従って、補正されたサーボ弁開度指令値がサーボ弁9dに入力される。
時点t6では、荷重予測値は、設定荷重目標値より大きいが、前記荷重予測値が未来の時点の設定荷重目標から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回らないので、オーバーシュート抑制部15bは、機能せず、ゼロの補正値を出力する。従って、フィードバック制御部15aからのサーボ弁指令値が、補正されずにそのままサーボ弁9dに入力される。
上述した本発明の実施形態によるクッション装置3の制御装置10では、スライド速度予測部11は、前記スライドの運転モーションに基づいて、現時点から所定時間だけ未来の時点のスライド速度をスライド速度予測値として算出し、クッション荷重予測部13は、前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出し、クッション荷重制御部15は、前記荷重予測値が、未来の時点の設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合には、発生するクッション荷重を減少させる制御を行うので、未来のクッション荷重が許容最大オーバーシュート量を超えそうになる場合、クッション荷重が抑えられる。これにより、オーバーシュートが過大になることを防止でき、クッション荷重の制御精度が向上する。
前記クッション荷重予測部13は、現時点のクッション荷重と未来の時点のスライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を算出することができる。この場合、予め作成した荷重予測モデルに基づいて未来の時点のクッション荷重を算出することができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
設定荷重目標値は、一定であってもよいし、検知されたプレス角度、スライド位置、ピストン位置または時間などに応じて変化してもよい。この場合、前記未来の時点の設定荷重目標値は、検知されたプレス角度、スライド位置、ピストン位置または時間などから予測値として算出してもよい。
なお、精度は下がるが、前記未来の時点の設定荷重目標値の代わりに、現時点の設定荷重目標値を使用することもできる。
スライド速度予測値は、スライド5のフィードフォワード制御に使用してもよい。
本発明のクッション装置の制御装置は、プレス機械のダイクッション装置以外のクッション装置に適用してもよい。
上述のように過大なオーバーシュートを防止するために、油圧シリンダ9aの下室から下室外部に流れ出る油量を制御するだけでなく、油圧シリンダ9aの上室に上室外部から流れ込む油量も制御する場合には、これに合わせて上述した荷重予測モデルなどを変更してよい。
また、本発明は、油圧シリンダを用いたクッション装置だけでなく、エアシリンダを用いたクッション装置にも適用可能である。この場合、油圧シリンダの上記体積弾性率などをエアシリンダの体積弾性率に変更する。
本発明のクッション装置の制御装置をプレス機械のクッション装置に適用した場合の構成図である。 クッション荷重制御部による制御の説明図である。 プレス機械のクッション装置を示す図である。
符号の説明
1 被加工物、3 クッション装置、5 スライド、7 可動部、7a ブランクホルダ、7b クッションピン、7c クッションプレート、7d 押圧部材(ピストン)、9 駆動部、9a 油圧シリンダ、9b 油圧源、9c 管路、9d サーボ弁、10 制御装置、11 スライド速度予測部、13 クッション荷重予測部、13a 荷重検知部、15 クッション荷重制御部、15a フィードバック制御部、15b オーバーシュート抑制部、15c 加算部、21 上金型、23 下金型、

Claims (5)

  1. クッション装置の制御装置であって、
    前記クッション装置は、該クッション装置に向けて移動してくるスライドに後退させられながらクッション荷重を発生させる装置であり、前記スライドは、スライドの運転モーションに従って移動制御させられ、前記制御装置は、スライド速度予測部とクッション荷重予測部とクッション荷重制御部を備え、
    スライド速度予測部は、前記スライドの運転モーションに基づいて、現時点から所定時間だけ未来の時点のスライド速度をスライド速度予測値として算出し、
    クッション荷重予測部は、前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を荷重予測値として算出し、
    クッション荷重制御部は、前記荷重予測値が、設定荷重目標値から許容最大オーバーシュート量よりも大きく上回る場合には、発生するクッション荷重を減少させる制御を行う、ことを特徴とするクッション装置の制御装置。
  2. 前記クッション荷重予測部は、現時点のクッション荷重を検知する荷重検知部を有し、検知した現時点のクッション荷重と前記スライド速度予測値に基づいて、未来の時点のクッション荷重を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のクッション装置の制御装置。
  3. 前記クッション荷重予測部は、荷重予測モデルを記憶し、前記スライド速度予測値を前記荷重予測モデルに適用して、未来の時点のクッション荷重を算出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のクッション装置の制御装置。
  4. クッション装置は、前記スライドに後退させられる可動部と、前記スライドに向け前記可動部を押す力であるクッション荷重を発生させる駆動部と、を有し、
    前記クッション荷重制御部は、前記駆動部を制御することで前記クッション荷重を制御する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクッション装置の制御装置。
  5. 前記クッション装置は、上金型と下金型との間で被加工物をプレス成形するプレス機械のダイクッション装置であり、
    前記スライドには、前記上金型が取り付けられ、
    前記クッション装置は、前記上金型との間に被加工物を挟んだ状態で上金型と共に下降する装置である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかにクッション装置の制御装置。
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