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JP2010002392A - カムプロファイル測定装置 - Google Patents

カムプロファイル測定装置 Download PDF

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JP2010002392A JP2008163488A JP2008163488A JP2010002392A JP 2010002392 A JP2010002392 A JP 2010002392A JP 2008163488 A JP2008163488 A JP 2008163488A JP 2008163488 A JP2008163488 A JP 2008163488A JP 2010002392 A JP2010002392 A JP 2010002392A
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Abstract

【課題】安価で、しかも、複数種のカムのプロファイルを高精度に測定できるカムプロファイル測定装置を提供する。
【解決手段】カム1のプロファイルを測定するカムプロファイル測定装置。カム1を回転させる回転機構20と、カム1の回転角度を検出する回転角度検出手段30と、カム1のカムフォロア当接位置に当接され、カム1が回転することにより所定方向へ移動するプローブ40と、このプローブ40を所定方向に沿って案内する案内機構50と、プローブ40の移動位置を検出する位置検出手段60と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、カムプロファイル測定装置に関する。詳しくは、円筒カムや板カムなどのプロファイルを測定することができるカムプロファイル測定装置に関する。
カム、例えば、板カムのプロファイルを測定する方法として、特許文献1に記載の「カムの外径測定方法」が知られている。
これは、一対の測定子でカムの180°対称な位置を挟み込み、一対の測定子をカムの外径に接触させた状態でカムを回転させ、このときの一対の測定子の変位量を読み取る。一方の測定子で測定された最大値と、他方の測定子で測定された最小値とをそれぞれ選び出し、こられの値からカムの長径を算出する。
しかし、この方法では、板カムの外径を測定することができるが、板カム以外のカム、例えば、外周面にカム溝などを形成した円筒カムのプロファイルを測定することは不可能である。
従来、円筒カムを含む各種カムのプロファイルの測定には、プローブを備えた三次元測定機と、ロータリテーブルとを組み合わせた測定システムが利用されている。
例えば、円筒カムのプロファイルを測定するには、ロータリテーブル上に円筒カムを載置し、この円筒カムのカム溝にプローブを接触させ、この状態において、カム溝の設計データから作成した測定プログラムに従って、ロータリテーブルを回転させるとともに、プローブを上下方向へ移動させ、ロータリテーブルの回転角度とプローブの上下方向位置から、カムのプロファイルを測定していた。
特開平8−5355号公報
従来の三次元測定機を用いた測定システムでは、システムとして高価であるうえ、測定プログラムの作成に膨大な時間が必要とされる。
例えば、円筒カムの測定では、カム溝の設計データから、ロータリテーブルの回転角度に対応して、プローブを上下方向へ移動させる移動軌跡データを作成しなければならないため、作成に膨大な時間が必要とされるうえ、作業者にかかる負担も大きい。
本発明の目的は、このような従来の課題を解消し、安価でかつ作業者にかかる負担も軽減でき、しかも、複数種のカムのプロファイルを高精度に測定できるカムプロファイル測定装置を提供することにある。
本発明のカムプロファイル測定装置は、カムのプロファイルを測定するカムプロファイル測定装置であって、前記カムを回転させる回転機構と、前記カムの回転角度を検出する回転角度検出手段と、前記カムの従動子当接位置に当接され、前記カムの回転に伴って前記カムプロファイルに従って所定方向へ移動されるプローブと、このプローブを所定方向に沿って案内する案内機構と、前記プローブの移動位置を検出する位置検出手段と、を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、カムの従動子(例えば、カムフォロアなど)の当接位置にプローブを当接させたのち、回転機構によってカムを回転させると、カムの回転に伴って、プローブが案内機構に沿って所定方向へ移動される。すると、カムの回転角度が回転角度検出手段によって検出されるとともに、プローブの移動位置が位置検出手段によって検出されるから、これらの検出情報からカムのプロファイルを測定することができる。
例えば、外周面にカム溝が形成された円筒カムのプロファイルを測定するには、カム溝にプローブを当接させたのち、回転機構によって円筒カムを回転させると、円筒カムの回転により、プローブが案内機構に沿って円筒カムのカム軸方向へ移動される。すると、円筒カムの回転角度が回転角度検出手段によって検出されるとともに、プローブのカム軸方向への移動位置が位置検出手段によって検出されるから、これらの検出情報から円筒カムのプロファイル(カム溝の形状)を測定することができる。
また、板カムのプロファイルを測定するには、板カムの外周面にプローブを当接させたのち、回転機構によって板カムを回転させると、板カムの回転に伴って、プローブが案内機構に沿って板のカム軸に対して直交する方向へ移動される。すると、板カムの回転角度が回転角度検出手段によって検出されるとともに、プローブのカム軸に対して直交する方向への移動位置が位置検出手段によって検出されるから、これらの検出情報から板カムのプロファイル(外周面形状)を測定することができる。
従って、本発明によれば、複数種のカムのプロファイルを高精度に測定できるとともに、三次元測定機などを必要としないから、安価に構成できる。しかも、測定プログラムなどの作成も必要ないから、作業者にかかる負担も軽減できる。
本発明のカムプロファイル測定装置において、前記回転機構は、前記カムのカム軸を略垂直な姿勢に保持し、この姿勢で回転させ、前記案内機構は、前記プローブを上下方向へ移動可能に支持するガイド手段と、前記プローブの重量を調整し、前記プローブが前記カムに接触する際の測定力を略一定に保つ測定力調整手段とを含んで構成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、カムのカム軸が略垂直な姿勢に保持され、この姿勢で回転される。プローブの移動を案内する案内機構は、プローブを上下方向へ移動可能に支持するガイド手段と、測定力調整手段とを含んで構成されているから、プローブの重量を調整して測定力を略一定に保つことができるうえ、例えば、測定力調整手段をプローブの重量と釣り合うカウンタバランスやばねなどによって簡易に構成することができる。
本発明のカムプロファイル測定装置において、前記回転機構は、前記カムのカム軸の両端を回転可能に支持する一対のカム軸支持手段と、この一対のカム軸支持手段の一方を他方に対して接近、離隔可能に案内するガイド手段と、前記カム軸を回転させる駆動手段とを備えることが好ましい。
このような構成によれば、カムの長さに応じて、一対のカム軸支持手段の一方を他方に対して接近、離隔することにより、一対のカム軸支持手段の距離を調整することができるので、つまり、長さの異なるカムのカム軸の両端を回転可能に支持することができるので、長さの異なるカムにも適用できる。
本発明のカムプロファイル測定装置において、前記案内機構を前記回転機構に対して進退させるプローブ進退ステージを有する、ことが好ましい。
このような構成によれば、プローブ進退ステージの進退動作により、案内機構を回転機構に対して進退させ、カムを回転させる回転機構とプローブとの距離を調整することができるから、外径寸法が異なるカムにも適用できる。
本発明のカムプロファイル測定装置において、前記案内機構を前記進退方向に対して略直交し、かつ、前記回転機構の回転軸に対して略直交する方向へ移動させるプローブオフセット機構を有する、ことが好ましい。
実際の製品では、カムの精度だけでなく、カム溝に沿って移動する従動子(例えば、ピン)の軸がカムの回転軸線に対して略交差する位置関係であることが正しい動作をする条件である。しかし、加工組立誤差などにより、ピンの軸がカムの回転軸線に対してある量オフセットしてしまう場合が考えられる。ピンの軸がオフセットした場合の移動シミュレーションはカム曲線面に対して、ピンが斜めに当たるため、極めて複雑な三次元でのシミュレーションを行わなければならず、非常に時間がかかる。
本発明では、案内機構を回転機構に対して進退する方向へ移動させることができるだけでなく、それに略直交しかつ回転機構の回転軸に対して略直交する方向へ移動させることができる。そのため、実際の製品において、加工組立誤差などにより、カムに沿って動くピンの軸方向がカムの回転軸線に対してオフセットしているような場合、そのオフセット量と同じ量だけプローブを回転機構の回転軸に対してオフセットさせることができ、この条件においてプローブの移動誤差などを実測できる。従って、カムの精度のみならず、それに沿って動く従動子(例えば、ピン)を含む部材の良否判断や、必要公差の明確化も可能となる。
本発明のカムプロファイル測定装置において、前記一方のカム軸支持手段は、前記カム軸を垂直姿勢から水平姿勢に変換できるように、起伏可能に構成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、一方のカム軸支持手段を水平な姿勢にしてカムのカム軸を垂直な姿勢に保持すれば、円筒カムの測定が行える。一方のカム軸支持手段を起立した姿勢にしてカムのカム軸を水平な姿勢に保持すれば、板カムの測定が行える。従って、一方のカム軸支持手段を起伏させるだけで、円筒カムの測定と板カムの測定を1つの装置で実現できる。
本発明のカムプロファイル測定装置において、前記回転角度検出手段によって前記カムが所定回転角度回転されたことが検出される毎に、前記位置検出手段から移動位置を読み取り、これらの回転角度に対応して移動位置を記憶し、これらを対応した状態で出力できるデータ処理装置を備えることが好ましい。
このような構成によれば、回転機構によってカムを回転させると、回転角度検出手段によってカムが所定回転角度回転されたことが検出される毎に、位置検出手段から移動位置が読み取られ、回転角度に対応して移動位置が記憶され、必要に応じて、これらが出力されるから、回転角度に対応して移動位置、つまり、カムプロファイルを図として表すことができる。従って、これらの作図作業も簡易に行える。
<構成>
本実施形態にかかるカムプロファイル測定装置は、円筒カムのプロファイルを測定するもので、図1に示すように、ベース10と、このベース10の上に設けられ円筒カム1を回転させる回転機構20と、円筒カム1の回転角度を検出する回転角度検出手段30と、円筒カム1の従動子当接位置に当接され円筒カム1の回転に伴ってカムプロファイルに従って所定方向へ移動するプローブ40と、このプローブ40を所定方向に沿って案内する案内機構50と、プローブ40の移動位置を検出する位置検出手段60と、案内機構50を回転機構20に対して進退させるプローブ進退機構を有するステージ70とを備える。
ここで、測定対象となる円筒カム1は、図2に示すように、円柱状のカム部2と、このカム部2の両端に一体的に形成されたカム軸3とを備える。カム部2の外周面には、1本または複数本のカム溝4,5,6がそれぞれ所定の角度で螺旋状に形成されている。
通常、カム溝4,5,6には従動子としてのカムフォロアなどが係合され、このカムフォロアが円筒カム1の回転に伴って円筒カム1の軸方向へ移動することにより、カムフォロアを有する移動対象物が移動される。例えば、顕微鏡などにおいて、複数枚のズームレンズを同時に光軸方向へ移動させる機構の場合、各レンズにカムフォロアを取り付け、これらのカムフォロアを円筒カム1のそれぞれのカム溝4,5,6に係合させると、円筒カム1の回転に伴って、複数のレンズがそれぞれのカム溝4,5,6の形状に応じて円筒カム1の軸方向へ同時に移動される。
そのため、各レンズの位置が光学精度を決めるため、本カムプロファイル測定装置では、カム溝4,5,6の形状、詳細には、カム溝4,5,6の片側の側面形状を測定する。
回転機構20は、ベース10の一端側に垂直に立設されたコラム21と、円筒カム1の両端のカム軸3を垂直に回転可能に支持する一対のカム軸支持手段22,23と、コラム21の側面に上下方向に沿って設けられ一方のカム軸支持手段23を他方のカム軸支持手段22に対して接近、離隔可能に案内するガイド手段24と、モータなどの駆動手段25と、この駆動手段25の回転をカム軸3に伝達するベルトやチェーンなどの回転伝達手段26とを備える。従って、駆動手段25が駆動すると、駆動手段25の回転が回転伝達手段26を介して円筒カム1のカム軸3に伝達されるため、円筒カム1は略垂直な姿勢に保持された状態で回転される。
回転角度検出手段30は、円筒カム1のカム軸3に連結されたロータリエンコーダ31などによって構成されている。ロータリエンコーダ31には、信号処理回路32などを介してデジタル表示器33が接続されている。従って、円筒カム1が回転されると、円筒カム1の回転角度がロータリエンコーダ31によって検出されたのち、デジタル表示器33にデジタル表示される。
プローブ40は、プローブ本体41と、このプローブ本体41に保持軸42を介して着脱可能に取り付けられた接触子43とを備える。
接触子43は、実際の使用状態に極力同じにするため、製品(例えば、顕微鏡など)でカム溝4,5,6に入る従動子、例えば、カムフォロアやベアリングなどが交換可能に取り付けられている。
案内機構50は、ベース10の他端側にプローブ進退ステージ70を介して垂直に立設されたコラム51と、このコラム51の側面に設けられプローブ40を上下方向へ移動可能に支持するガイド手段52と、プローブ40の自重を調整しプローブ40が円筒カム1に接触する際の測定力を略一定に保つ測定力調整手段53とを含んで構成されている。
測定力調整手段53は、コラム51の上端に回転可能に支持された2つの滑車54,55と、この滑車54,55に掛け回され一端がプローブ40に連結されたワイヤ56と、このワイヤ56の他端に取り付けられたウエイト57とから構成されている。ウエイト57は、プローブ40の自重を略相殺する重さに設定され、プローブ40が円筒カム1に接触する圧力(測定力)が小さくかつ一定になるように調整可能に構成されている。なお、測定力調整手段53としては、ウエイト57に限らず、ばねやエアーバランス機構などであってもよい。
位置検出手段60は、コラム51の上下方向に沿って設けられたスケール61と、プローブ40に取り付けられスケール61とともにプローブ40の移動位置(上下方向位置)を検出する検出ヘッド62とを有するリニアスケール63から構成されている。リニアスケール63には、信号処理回路64などを介してデジタル表示器65が接続されている。従って、プローブ40が上下方向へ移動すると、プローブ40の上下方向の移動位置がリニアスケール63によって検出されたのち、デジタル表示器65にデジタル表示される。
<測定作業>
円筒カム1のプロファイルを測定するには、円筒カム1を回転機構20にセットしたのち、プローブ40の接触子43をいずれかのカム溝4,5,6のエンドに挿入する。この状態において、駆動手段25を所定角度毎に駆動させる。すると、円筒カム1の回転に追従して、プローブ40が上下方向へ移動するので、そのときの円筒カム1の回転角度を回転角度検出手段30から読み取り、プローブ40の上下方向の移動位置を位置検出手段60から読み取れば、これらの読み取り情報から円筒カム1のプロファイル(カム溝の形状)を求めることができる。
これを各カム溝4,5,6について行うと、3本のカム溝4,5,6のカムプロファイルを求めることができる。
ところで、円筒カム1の長さが短いものを測定する場合には、図3に示すように、円筒カム1の長さに応じて、一方のカム軸支持手段23を他方のカム軸支持手段22に対して接近させる。つまり、一対のカム軸支持手段22,23の距離を調整して、円筒カム1の両端のカム軸3を回転可能に支持すれば、長さの異なる円筒カム1にも適用できる。
また、外径寸法が異なる円筒カム1を測定する場合には、図3に示すように、ステージ70のプローブ進退機構の駆動により、案内機構50を回転機構20に対して進退させ、円筒カム1を回転させる回転機構20とプローブ40との距離を調整することにより、外径寸法が異なる円筒カム1にも適用できる。
回転角度検出手段30から読み取った円筒カム1の回転角度と、位置検出手段60から読み取ったプローブ40の上下方向の移動位置とから、円筒カム1のプロファイル(カム溝の形状)を作成するには、図4に示すように、これらのデータをパソコンなどのデータ処理装置80へ転送し、このデータ処理装置80において、円筒カム1の回転角度と、プローブ40の上下方向の移動位置とを関連づけて作図するようにすれば、円筒カム1のプロファイル図を作図できる。
具体的には、データ処理装置80において、回転角度検出手段30によって円筒カム1が所定回転角度回転されたことが検出される毎に、位置検出手段60から移動位置を読み取り、これら回転角度と移動位置とを対応して記憶し、これらを対応した状態で出力することにより円筒カム1のプロファイル図を作図できる。
この際、データ処理装置80において、予め、評価ポイントを複数設定しておき、転送されてきたデータと設定値との差を演算して、この差を表示、印字して出力することも可能である。
また、この評価法を用いるもう1つの利点は、測定ポイントを厳密に決める必要がなくなる。カムは全体でみたときには滑らかな曲線と言える。これは無限のポイントの集まりと言うことであるが、測定において全ポイントの測定は不可能である。よって、ある決まった位置での測定とならざるを得ないが、前述のように滑らかな曲線とみなせば、測定ポイント(角度)が少々ずれても、そこはカム曲線上にあることは間違いないため、その前提にもとづき、ある程度の取得データ量から曲線を作成し、曲線対曲線でデータ処理装置80(あるいはパソコン)上で評価することで、実用上十分な精度が期待できる。従って、必ずしも決まった測定ポイント(角度)で測定を行う必要がないため、測定時の厳密な位置決めが不要となり、測定時間の短縮が図れる。
実際の製品にあっては、複数のカム溝4,5,6のプロファイルの相関関係が問題となることがある。
そこで、図5に示すように、1または複数の評価ポイントにおいて、測定された複数のカムプロファイルの実際の間隔が、設計値に対してどれだけずれがあるかを、データ処理装置80において評価するようにすることも可能である。
<変形例>
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、円筒カム1のカム溝4,5,6を1本ずつ測定する例について述べたが、円筒カム1の外周面に複数本のカム溝4,5,6がある場合、これらのカム溝4,5,6を同時に測定することも可能である。
例えば、図6に示すように、案内機構50に複数のプローブ40A,40B,40Cを移動可能に支持するとともに、これらのプローブ40A,40B,40Cの上下方向の移動位置を検出する位置検出手段60A,60B,60Cをそれぞれ設け、各プローブ40A,40B,40Cの接触子43を各カム溝4,5,6に挿入し、この状態において、円筒カム1を回転させれば、複数のカム溝4,5,6を同時に測定することができる。
前記実施形態では、円筒カム1のプロファイルを測定する例について説明したが、対象とするカムは、これに限られない。
例えば、円筒形状の軸方向端面にカム面を形成した、いわゆる、ベルカムと呼ばれるカムのプロファイルも測定できる。
また、これ以外にも、板カムのプロファイル(外径形状)の測定も可能である。これには、回転機構20によって板カムのカム軸を水平に保持し、この状態において、板カムの外周面にプローブ40を当接させたのち、回転機構20によって板カムを回転させれば、板カムのプロファイルも測定できる。
更に、図7に示すように、前記実施形態において、一方のカム軸支持手段23を、ガイド手段24に対して摺動する摺動部材27の先端にヒンジ28などを介して起伏可能に構成すれば、円筒カム1のプロファイルだけでなく、板カム8のプロファイルも1つの装置で測定できる。なお、図7において、9は、板カム8のカム軸である。
つまり、一方のカム軸支持手段23を水平な姿勢してカム軸を垂直な姿勢に保持すれば、円筒カム1の測定が行える。一方のカム軸支持手段23を起立した姿勢にしてカム軸9を水平な姿勢に保持すれば、板カム8の測定が行える。従って、一方のカム軸支持手段23を起伏させるだけで、円筒カム1の測定と板カム8の測定を1つの装置で実現できる。
前記実施形態では、プローブ進退ステージ70の駆動により、案内機構50を回転機構20に対して進退させ、カムを回転させる回転機構20とプローブ40との距離を調整することにより、外径寸法が異なるカムにも適用できるようにしたが、これに限られない。
例えば、プローブ進退ステージ70を省略し、プローブ40を進退可能に構成しても、同様な効果が期待できる。
前記実施形態では、案内機構50を移動可能に支持したステージ70により、案内機構50を回転機構20に対して進退させるようにしたが、ステージ70内に、案内機構50を回転機構20に対して進退させるプローブ進退機構のほかに、案内機構50を前記進退方向に対して略直交し、かつ、回転機構20の回転軸に対して略直交する方向へ移動させるプローブオフセット機構およびその移動量を測定する測定手段を設けてもよい。
実際の製品では、カムの精度だけでなく、カム溝に沿って移動する従動子(例えば、ピン)の軸がカムの回転軸線に対して直交して交差する位置関係であることが正しい動作をする条件である。しかし、加工組立誤差などにより、ピンの軸がカムの回転軸線に対してある量オフセットしてしまう場合が考えられる。ピンの軸がオフセットした場合の移動シミュレーションはカム曲線面に対して、ピンが斜めに当たるため、極めて複雑な三次元でのシミュレーションを行わなければならず、非常に時間がかかる。
上述した構成とすれば、案内機構50を回転機構20に対して進退する方向へ移動させることができるだけでなく、それに略直交しかつ回転機構20の回転軸に対して略直交する方向へ移動させることができる。そのため、実際の製品において、加工組立誤差などにより、カムに沿って動くピンの軸方向がカムの回転軸線に対してオフセットしているような場合、そのオフセット量に同じ量だけプローブを回転機構20の回転軸に対してオフセットさせることができ、この条件においてプローブの移動誤差などを実測できる。従って、カムの精度のみならず、それに沿って動く従動子(例えば、ピン)を含む部材の良否判断や、必要公差の明確化も可能となる。
なお、カムを加工、測定する際に問題となるのが原点である。従来のカムでは原点位置が明示されていない場合が多く、おのずとカムエンドが原点となる場合が多いが、円筒カムの場合、円柱の外周面にカム溝が斜めに加工されており、カム溝の傾きによっては原点設定が安定しない場合がある。
そのため、この改善策として、図8に示すように、カム溝4,5,6とはまったく別の場所に基準孔、もしくは、ピンや平溝などによって基準点100を設定し、その部分を全ての加工や測定の基準とすれば、安定した加工や測定を実現できる。
本発明は、円筒カムや板カムなどのプロファイルを測定するカムプロファイル測定装置に利用できる。
本発明に係るカムプロファイル測定装置を示す正面図。 同上実施形態において、測定する円筒カムを示す斜視図。 同上実施形態において、長さが短い円筒カムを測定する際の図。 同上実施形態において、プロファイル図を自動作成する際の図。 同上実施形態において、複数のカムプロファイルの相関関係を示す図。 本発明に係るカムプロファイル測定装置の変形例を示す図。 本発明に係るカムプロファイル測定装置の更に他の変形例を示す図。 カムに基準点を設定した状態を示すカムの斜視図。
符号の説明
1…円筒カム、
8…板カム、
20…回転機構、
22…カム軸支持手段、
23…カム軸支持手段、
24…ガイド手段、
25…駆動手段、
30…回転角度検出手段、
40…プローブ、
50…案内機構、
52…ガイド手段、
53…測定力調整手段、
60…位置検出手段、
70…プローブ進退機構およびプローブオフセット機構を有するステージ。

Claims (7)

  1. カムのプロファイルを測定するカムプロファイル測定装置であって、
    前記カムを回転させる回転機構と、
    前記カムの回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    前記カムの従動子当接位置に当接され、前記カムの回転に伴って前記カムプロファイルに従って所定方向へ移動されるプローブと、
    このプローブを所定方向に沿って案内する案内機構と、
    前記プローブの移動位置を検出する位置検出手段と、を備えたことを特徴とするカムプロファイル測定装置。
  2. 請求項1に記載のカムプロファイル測定装置において、
    前記回転機構は、前記カムのカム軸を略垂直な姿勢に保持し、この姿勢で回転させ、
    前記案内機構は、前記プローブを上下方向へ移動可能に支持するガイド手段と、前記プローブの重量を調整し、前記プローブが前記カムに接触する際の測定力を略一定に保つ測定力調整手段とを含んで構成されている、ことを特徴とするカムプロファイル測定装置。
  3. 請求項2に記載のカムプロファイル測定装置において、
    前記回転機構は、前記カムのカム軸の両端を回転可能に支持する一対のカム軸支持手段と、この一対のカム軸支持手段の一方を他方に対して接近、離隔可能に案内するガイド手段と、前記カム軸を回転させる駆動手段とを備えたことを特徴とするカムプロファイル測定装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のカムプロファイル測定装置において、
    前記案内機構を前記回転機構に対して進退させるプローブ進退機構を有する、ことを特徴とするカムプロファイル測定装置。
  5. 請求項4に記載のカムプロファイル測定装置において、
    前記案内機構を前記進退方向に対して略直交し、かつ、前記回転機構の回転軸に対して略直交する方向へ移動させるプローブオフセット機構を有する、ことを特徴とするカムプロファイル測定装置。
  6. 請求項3に記載のカムプロファイル測定装置において、
    前記一方のカム軸支持手段は、前記カム軸を垂直姿勢から水平姿勢に変換できるように、起伏可能に構成されている、ことを特徴とするカムプロファイル測定装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のカムプロファイル測定装置において、
    前記回転角度検出手段によって前記カムが所定回転角度回転されたことが検出される毎に、前記位置検出手段から移動位置を読み取り、回転角度に対応して移動位置を記憶し、これらを対応した状態で出力できるデータ処理装置を備えることを特徴とするカムプロファイル測定装置。
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