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JP2010085243A - バックアップ電池の満充電容量検出方法 - Google Patents

バックアップ電池の満充電容量検出方法 Download PDF

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JP2010085243A JP2008254546A JP2008254546A JP2010085243A JP 2010085243 A JP2010085243 A JP 2010085243A JP 2008254546 A JP2008254546 A JP 2008254546A JP 2008254546 A JP2008254546 A JP 2008254546A JP 2010085243 A JP2010085243 A JP 2010085243A
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Kazuhiro Toyoda
和弘 豊田
Masao Yamaguchi
昌男 山口
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】電池を完全に放電したり満充電することなく、バックアップ電池の満充電容量を正確に検出する。
【解決手段】バックアップ電池の満充電容量検出方法は、第1の無負荷タイミングにおける電池の第1の無負荷電圧(VOCV1)と第2の無負荷タイミングにおける電池の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出し、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあると、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定し、第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から演算される残容量の変化率(δS[%])と、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとの間において、充放電される電池の充電電流と放電電流の積算値から演算される電池の容量変化値(δAh)から、電池の満充電容量(Ahf)を演算する。
【選択図】図4

Description

本発明は、無停電電源装置などに使用されるバックアップ電池の満充電容量(Ahf)を正確に検出する方法に関する。
充電できる電池は、充放電を繰り返すにしたがって経時的に満充電できる容量、すなわち満充電容量(Ahf)が減少する。満充電容量(Ahf)は、電流(A)と時間(h)の積で表される。満充電容量(Ahf)は、満充電した電池を完全に放電するまでに放電できる容量である。満充電された電池が放電されると、放電できる電流(A)と時間(h)の積は減少する。すなわち、残容量(Ahr)が満充電容量(Ahf)よりも小さくなる。満充電容量(Ahf)に対する残容量(Ahr)は残容量(SOC[%])として表される。電池の残容量(SOC[%])は、電池の無負荷電圧(VOCV)から判定できる。電池の残容量(SOC[%])が無負荷電圧で特定されるからである。残容量(SOC[%])は、満充電容量(Ahf)に対する残容量(Ahr)であるから、残容量(SOC[%])が同じであっても、現実に放電できる電流(A)と時間(h)の積は変化する。電池は、充放電するにしたがって満充電容量(Ahf)が減少するので、電池の残容量(Ahr)を正確に検出するには、減少する満充電容量(Ahf)を正確に検出する必要がある。満充電容量(Ahf)が半分に減少した電池は、残容量(SOC[%])が同じであっても、現実に放電できる電流(A)と時間(h)の積が半分になるからである。
電池の満充電容量(Ahf)は、完全に放電した電池を満充電するまでの充電容量を積算して検出できる。また、満充電した電池を完全に放電するまでの放電容量を積算しても満充電容量(Ahf)は検出できる。ただ、電池は、完全に放電された状態から満充電され、また、満充電された状態から完全に放電される状態で使用されることは少ない。ほとんどの場合、電池は完全に放電される前に充電され、また満充電された状態から完全には放電されない。完全に放電されない電池は、充電しても満充電容量(Ahf)を演算できない。この電池の満充電容量(Ahf)を検出するには、充電に先立って電池を完全に放電し、その後、満充電する必要がある。この方法は、電池を充電するのに長い時間を必要とするばかりでなく、常に満充電された状態に保持されるバックアップ用電池の満充電容量(Ahf)の演算には使用できない。
この欠点を解消する方法として、電池の充電容量の累積量から電池が劣化する程度を検出して、満充電容量(Ahf)が減少する値を検出する方法が開発されている。(特許文献1参照)さらに、特許文献1は、電池の保存温度と残容量をパラメーターとして満充電容量の減少率を検出する方法も記載している。
特開2002−236154号公報
特許文献1の方法は、電池を完全に放電し、また、満充電することなく満充電容量を検出できる。しかしながら、この方法は、充電容量の累積値や保存温度及び残容量から満充電容量がどの程度減少するかを推定するので、常に電池の満充電容量を正確に検出するのが難しい。それは、電池の劣化が種々の外的条件により複雑に変化するからである。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、電池を完全に放電したり満充電することなく電池の満充電容量を正確に検出できるバックアップ電池の満充電容量検出方法を提供することにある。
本発明の請求項1のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、充電できる電池が無負荷となる第1の無負荷タイミングにおける電池の第1の無負荷電圧(VOCV1)と第2の無負荷タイミングにおける電池の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する無負荷電圧検出工程と、
この無負荷電圧検出工程で検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあると、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する残容量判定工程と、
この残容量判定工程で判定される第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する残容量変化率演算工程と、
第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとの間において、充放電される電池の充電電流と放電電流の積算値から電池の容量変化値(δAh)を演算する容量変化検出工程と、
残容量の変化率(δS[%])と容量変化値(δAh)から、下記の式で電池の満充電容量(Ahf)を演算する満充電容量演算工程とからなる。
Ahf=δAh/(δS/100)
本発明の請求項2のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、容量変化検出工程で検出される容量変化値(δAh)が設定値よりも大きいかどうかを判定して、容量変化値(δAh)が設定値よりも大きいと、満充電容量演算工程において、残容量の変化率(δS[%])と容量変化値(δAh)から電池の満充電容量(Ahf)を演算する。
本発明の請求項3のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、第2の無負荷タイミングを、第1の無負荷タイミングから設定時間経過した後としている。
本発明の請求項4のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、電池が充電される前の無負荷状態を第1の無負荷タイミングとし、電池の充電が停止された後の無負荷状態を第2の無負荷タイミングとする。
本発明の請求項5のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、第2の無負荷タイミングを、電池が満充電される前としている。さらに、この満充電容量検出方法は、残容量判定工程において、無負荷電圧検出工程で検出される第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあると、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する。
本発明の請求項6のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、電池を、リチウムイオン二次電池又はリチウムポリマー電池としている。さらに、本発明の請求項7のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、電池を、3成分正極のリチウムイオン二次電池としている。
本発明の請求項8のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、記憶する関数又はテーブルに基づいて、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する。
さらに、本発明の請求項9のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、無負荷電圧検出工程において、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングの間に、所定容量あるいは所定値まで放電を行う放電工程を設けている。
本明細書において、電池の満充電容量(Ahf)と、残容量(Ahr)と、残容量(SOC[%])は以下の意味で使用する。
満充電容量(Ahf)は、満充電された電池を完全に放電するまでの容量であって、電流(A)と時間(h)の積で表される容量を意味する。
また、残容量(Ahr)とは、電池が完全に放電されるまでに放電できる電流(A)と時間(h)の積を意味する。
さらに残容量(SOC[%])とは、電池の満充電容量(Ahf)に対する残容量(Ahr)の比率を意味する。
本発明は、電池を完全に放電したり満充電することなく、バックアップ電池の満充電容量(Ahf)を正確に検出できる特徴がある。それは、本発明のバックアップ電池の満充電容量検出方法が、電池の無負荷状態である第1の無負荷タイミングにおける電池の第1の無負荷電圧(VOCV1)と第2の無負荷タイミングにおける電池の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出して、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定し、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあると、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定し、第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量(SOC[%])の変化率(δS[%])を演算し、さらに、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとの間において、充放電される電池の充電電流と放電電流の積算値から電池の容量変化値(δAh)を演算し、残容量(SOC[%])の変化率(δS[%])と容量変化値(δAh)から電池の正確な実質的な満充電容量(Ahf)を演算するからである。
とくに、本発明の方法は、バックアップ電池の第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定し、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるときに限って、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定して、電池の満充電容量(Ahf)を検出するので、電池の無負荷電圧(VOCV)から、より正確に残容量(SOC[%])を判定して、満充電容量(Ahf)をさらに正確に判定できる特徴がある。
さらに、本発明の方法では、バックアップ電池の満充電容量(Ahf)を正確に演算できるので、検出された満充電容量(Ahf)に基づいて、バックアップ電池の劣化度を正確に判定することも可能である。
さらに、本発明の請求項2のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、請求項1の構成に加えて、容量変化検出工程で検出される容量変化値(δAh)が設定値よりも大きいかどうかを判定し、容量変化値(δAh)が所定値よりも大きいと、満充電容量演算工程で電池の満充電容量を演算するので、電池の満充電容量を正確に検出できる特徴がある。それは、容量変化値(δAh)を所定の大きさとすることから、測定誤差を少なくして満充電容量を検出できるからである。
また、本発明の請求項3のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、請求項1の構成に加えて、第2の無負荷電タイミングを、第1の無負荷タイミングから設定時間経過した後のタイミングとしている。この方法は、一定の時間が経過する毎に電池の満充電容量を正確に検出できる。
さらに、本発明の請求項4のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、請求項1の構成に加えて、電池が充電される前の無負荷状態を第1の無負荷タイミングとし、電池の充電が停止された後の無負荷状態を第2の無負荷タイミングとして満充電容量(Ahf)を演算して検出するので、電池を充電する毎にバックアップ電池の正確な満充電容量(Ahf)を検出できる。
本発明の請求項5のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、第2の無負荷タイミングを、電池が満充電される前とし、残容量判定工程において、無負荷電圧検出工程で検出される第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあると、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定するので、電池の第2の無負荷電圧(VOCV2)から、より正確に残容量(SOC[%])を判定して、満充電容量(Ahf)を正確に判定できる特徴がある。
また、本発明の請求項6のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、請求項1の構成に加えて、充電できる電池をリチウムイオン二次電池とし、あるいはリチウムポリマー電池とする。これらのバックアップ電池は、残容量(SOC[%])に対して電圧の変化が大きい。このため、無負荷電圧(VOCV)から正確に残容量(SOC[%])を検出して、満充電容量(Ahf)を正確に検出できる。とくに、本発明の請求項7の満充電容量検出方法は、バックアップ電池を3成分正極のリチウムイオン二次電池とするので、無負荷電圧(VOCV)に対する残容量(SOC[%])をより正確に検出できる特徴がある。
さらにまた、本発明の請求項8のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、請求項1の構成に加えて、記憶する関数又はテーブルに基づいて、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定するので、無負荷電圧(VOCV)から残容量(SOC[%])を正確に検出して、満充電容量を正確に検出できる。
さらに、本発明の請求項9のバックアップ電池の満充電容量検出方法は、請求項1の構成に加えて、無負荷電圧検出工程における第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングの間に設けた放電工程で、所定容量あるいは所定値まで放電を行ってバックアップ電池の満充電容量を検出するので、バックアップ電池の放電量を少なくしながら、満充電容量を正確に演算できる。とくに、この満充電容量検出方法は、バックアップに最低限必要な容量を残存させることにより、放電中に停電が発生しても、電子機器本体をバックアップする電力供給を行うことができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのバックアップ電池の満充電容量検出方法を例示するものであって、本発明は満充電容量検出方法を以下に特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1は、無停電電源装置の電源に使用されるバックアップ電池の残容量を検出する回路図を示す。このバックアップ電池は、充電できる電池1と、電池1の充放電の電流を検出する電流検出部2と、電池1の電圧を検出する電圧検出部3と、電池1の温度を検出する温度検出部4と、電流検出部2の出力信号を演算して電池1を充放電する電流を積算して電池1の容量(Ah)を検出する容量演算部5と、電圧検出部3で検出される電池1の無負荷電圧から電池1の残容量(SOC[%])を判定する残容量検出部6と、この残容量検出部6と容量演算部5の出力信号で電池1の満充電容量(Ahf)を検出する満充電容量検出部7と、満充電容量検出部7で検出される満充電容量(Ahf)でもって電池の残容量(Ahr)を検出する残容量補正回路8と、電池1を電源として使用する電子機器に、電池情報を伝送する通信処理部9とを備える。
電池1は、3成分正極のリチウムイオン二次電池である。このリチウムイオン二次電池は、正極に、従来のコバルト酸リチウムに代わって、Li−Ni−Mn−Co複合酸化物とコバルト酸リチウム混合を利用する。このリチウムイオン二次電池は、正極にリチウムに加えて、3成分からなるNi−Mn−Coを使用することから、高電圧で充電して熱安定性が高く、充電最大電圧を4.3Vと高くして容量を大きくできる。満充電電圧を高くできることから、残容量に対する無負荷電圧の変化が大きく、無負荷電圧から残容量(SOC[%])をより正確に判定できる。電池1においては、特に、所定の電圧範囲において、図2に示すように、無負荷電圧(VOCV)と残容量(SOC[%])との関係が、概略、直線的に表せるものを採用できる。ただ、本発明は、電池を3成分正極のリチウムイオン二次電池に特定するものではなく、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムの各々を利用したり、それらの混合物を、各種の配合比により利用することで、上述のように所定の電圧範囲において、図2に示すように、無負荷電圧と残容量(SOC[%])との関係が、概略、直線的になるような電池を利用することも可能である。無負荷電圧に対して残容量(SOC[%])が変化するすべての電池、たとえば、他のリチウムイオン二次電池やリチウムポリマー電池、さらにニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池などとすることもできる。電池1は、ひとつまたは複数の二次電池を直列または並列に接続している。
電池1の充放電の電流を検出する電流検出部2は、電池1と直列に接続している電流検出抵抗10の両端に発生する電圧を検出して充電電流と放電電流を検出する。電流検出部2は、電流検出抵抗10の両端に誘導される電圧をアンプ(図示せず)で増幅し、アンプの出力信号であるアナログ信号をA/Dコンバータ(図示せず)でデジタル信号に変換して出力する。電流検出抵抗10は、電池1に流れる電流に比例した電圧が発生するので、電圧で電流を検出することができる。アンプは、+−の信号を増幅できるオペアンプで、出力電圧の+−で充電電流と放電電流を識別する。電流検出部2は、容量演算部5と残容量検出部6と通信処理部9に電池1の電流信号を出力する。
電圧検出部3は、電池1の電圧を検出し、検出したアナログ信号をA/Dコンバータ(図示せず)でデジタル信号に変換して出力する。電圧検出部3は、残容量検出部6と通信処理部9に検出した電池1の電圧信号を出力する。複数の素電池を直列に接続しているバックアップ電池にあっては、各々の電池電圧を検出してその平均値を出力することもできる。
温度検出部4は、電池1の温度を検出し、検出した信号をA/Dコンバータ(図示せず)でデジタル信号に変換して出力する。温度検出部4は、容量演算部5と残容量検出部6と残容量補正回路8と通信処理部9とに温度信号を出力する。
容量演算部5は、電流検出部2から入力されるデジタル信号の電流信号を演算して電池1の容量(Ah)を演算する。この容量演算部5は、電池1の充電容量から放電容量を減算して、電池1の容量(Ah)を電流の積算値(Ah)として演算する。充電容量は、電池1の充電電流の積算値で、あるいはこれに充電効率をかけて演算される。放電容量は、放電電流の積算値で演算される。容量演算部5は、温度検出部4から入力される信号で、充電容量と放電容量の積算値を補正して正確に容量を演算することができる。また、デジタル信号を積算せずに、アンプ部でアナログ信号を積分してもよい。
残容量検出部6は、電圧検出部3で検出される電池1の無負荷電圧(VOCV)から電池1の残容量(SOC[%])を判定する。したがって、残容量検出部6は、電池1の無負荷電圧(VOCV)に対する残容量(SOC[%])を、関数又はテーブルとしてメモリ11に記憶している。図2は、電池の無負荷電圧(VOCV)に対する残容量(SOC[%])を示すグラフである。メモリ11は、このグラフで示す無負荷電圧−残容量の特性を関数として、あるいはテーブルとして記憶している。残容量検出部6は、メモリ11に記憶される関数やテーブルから、無負荷電圧(VOCV)に対する残容量(SOC[%])を判定する。
残容量検出部6は、電圧検出部3から入力される電池1の電圧信号と、電流検出部2から入力される電流信号から電池1の無負荷電圧(VOCV)を検出する。残容量検出部6は、電流検出部2から入力される充放電の電流値が0となる無負荷状態において、電圧検出部3から入力される電圧値を無負荷電圧(VOCV)として検出する。残容量検出部6は、電池1が無負荷状態となる第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングにおいて、電池1の第1の無負荷電圧(VOCV1)と第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する。さらに、残容量検出部6は、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあると、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する。ここで、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定するのは、検出された第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池1の残容量(SOC[%])を精度よく判定するためである。残容量検出部6は、例えば、第1の無負荷電圧(VOCV1)が、図2に示すように、電池1の残容量(SOC[%])が10%〜90%の範囲、好ましくは20%〜80%の範囲となる設定範囲にあるかどうかを判定する。このように、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して第1の残容量(SOC[%])を判定することにより、より正確に残容量(SOC[%])を判定して、満充電容量(Ahf)をさらに正確に判定できる。
さらに、残容量検出部6は、第2の無負荷タイミングを、電池1が満充電される前として、検出される第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあると、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定することもできる。この残容量検出部6も、第2の無負荷電圧(VOCV2)が、例えば、電池の残容量(SOC[%])が10%〜90%の範囲、好ましくは20%〜80%の範囲となる設定範囲にあるかどうかを判定して、第2の無負荷電圧(VOCV2)から第2の残容量(SOC[%])を判定する。
満充電容量検出部7は、残容量検出部6で検出される電池1の残容量(SOC[%])の変化、すなわち残容量(SOC[%])の変化率(δS[%])と、容量演算部5で検出される電池1の容量(Ah)の変化、すなわち容量変化値(δAh)から、下記の式で電池1の満充電容量(Ahf)を検出する。
Ahf=δAh/(δS/100)
電池1は、充放電されて残容量(Ahr)と残容量(SOC[%])を変化させる。放電される電池の残容量(Ahr)と残容量(SOC[%])は減少し、充電される電池の残容量(Ahr)と残容量(SOC[%])は増加する。変化する電池の容量(Ah)は、容量演算部5で検出される。容量演算部5は、電池1の充電電流と放電電流を積算して容量(Ah)を演算している。一方、変化する電池の残容量(SOC[%])は、残容量検出部6で検出される。残容量検出部6は、電池1の電圧から残容量(SOC[%])を特定する。
容量演算部5は変化する電池の容量(Ah)を検出し、残容量検出部6は変化する電池の残容量(SOC[%])を検出する。満充電容量検出部7は、変化する電池の容量変化値(δAh)と、残容量の変化率(δS[%])から満充電容量(Ahf)を演算する。満充電容量検出部7は、電池1の容量変化値(δAh)と残容量の変化率(δS[%])とを検出するために、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとの間において、充放電される電池1の容量変化値(δAh)と残容量の変化率(δS[%])とを演算する。
満充電容量検出部7は、図3に示すように、第1の無負荷タイミングから第2の無負荷タイミングまでの間に充放電される電流の積算値から容量変化値(δAh)を演算し、あるいは、図5に示すように、第1の無負荷タイミングで検出される電池の第1の容量(Ah)と第2の無負荷タイミングで検出される電池の第2の容量(Ah)との差から容量変化値(δAh)を演算する。また、満充電容量検出部7は、第1の無負荷タイミングで検出される残容量(SOC[%])と第2の無負荷タイミングで検出される残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する。
なお、図3と図5において、上段の図は、満充電容量(Ahf)が多い電池、いいかえると、使用初期であって、劣化していない電池の満充電容量(Ahf)を検出する状態を示しており、下段の図は、劣化が進み、満充電容量(Ahf)が減少した電池の満充電容量(Ahf)を検出する状態を示している。
第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングは、電池1を充電する前の無負荷状態を第1の無負荷タイミングとし、充電を終了した後の無負荷状態を第2の無負荷タイミングとする。第1の無負荷タイミングは、たとえば、電池1が充電される状態になった後、電池1の充電が開始されるまでの無負荷状態とすることができる。第2の無負荷タイミングは、電池1の充電を終了して電池電圧が安定した後のタイミング、たとえば電池1の充電を終了した後、たとえば、15分経過した後のタイミングとして、より正確に無負荷タイミングから残容量(SOC[%])を検出できる。ただし、第2の無負荷タイミングは、電池1の充電を終了した後、5分ないし1時間経過後とすることもできる。
ただし、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとを一定の時間間隔とすることもできる。たとえば、第2の無負荷タイミングは、第1の無負荷タイミングから数分ないし数時間経過した後に、電池1が無負荷となるタイミングとすることもできる。また、第1の無負荷タイミングの後、容量変化値(δAh)が所定値、例えば、定格容量の10%より大きくなった後であって、電池1が無負荷状態となるタイミングを第2の無負荷タイミングとすることもできる。
さらに、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングは、図8に示すように、電池1を放電する前の無負荷状態を第1の無負荷タイミングとし、放電を終了した後の無負荷状態を第2の無負荷タイミングとすることができる。いいかえると、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングの間に放電工程を設けて、この放電工程の前後のタイミングにおける無負荷状態を第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとすることができる。この放電工程では、所定容量の放電を行うことができ、あるいは、所定値まで放電することができる。放電する所定容量は、たとえば、満充電容量の約10%とすることができる。ただ、放電する所定容量は、満充電容量の5〜80%であって、放電によって残容量が低下したとき、バックアップに要求される最低限の残容量が残存する容量とすることもできる。また、所定値までの放電では、この所定値を、満充電に対する所定比率として、例えば、約95%〜20%、望ましくは、90〜70%とすることができる。いずれの場合においても、バックアップに最低限必要な絶対容量として、例えば、100Ahが残存するような範囲内での放電を行う。ここで、バックアップ電池を放電する放電抵抗は、バックアップ電池内に設けることができるが、バックアップを行う電子機器本体内の放電抵抗にて、放電することも可能である。
以上の方法は、常に満充電された状態に保持されるバックアップ電池を、所定時に、例えば、所定期間(たとえば2〜6ヶ月、望ましくは、3〜4ヶ月)ごとに、あるいは所定日時(たとえば、日付で1月1日、4月1日、7月1日、10月1日等)に、放電することにより、バックアップ電池の満充電容量を検出することができる。
さらに、この放電中において停電が発生すると、放電を直ちに中止してバックアップを開始する。ここで、バックアップ電池は、以下のような方法で停電の発生を検出して、内蔵する電池の放電を開始することができる。
(1)電子機器本体が停電を検出すると、このことを通信回線を使ってバックアップ電池に通信する。バックアップ電池は、この信号に基づき電池を放電する。
(2)バックアップ電池側で、電子機器本体からの入力電圧を検出し、この電圧の低下を検出して、停電の発生を判定する。バックアップ電池は、停電の発生を検出すると、電池の放電を開始する。この場合、停電が発生しても、電子機器本体側では、電子機器本体に配設されたコンデンサにより電力供給が継続されるので、直ちにシステムダウンが生じることなく、この間にバックアップ電池から放電して電力供給する。
(3)電子機器本体の出力ライン電圧をバックアップ電池の出力電圧より大きく設定すると共に、バックアップ電池の出力側に、放電電流を許容するダイオードを接続することにより、停電により出力ライン電圧が低下すると自動的に、バックアップ電池から放電可能になる。
なお、従来技術においては、容量を測定する場合、0%(又は、3〜10%)に相当する電圧まで、放電を行い容量を測定する必要があり、このとき、停電が発生すると、残りの容量が少ないときは、バックアップできなくなる問題があった。これに対して、以上の方法では、放電工程において、所定容量(約10%)放電し、あるいは、所定値(例えば、100Ah)まで放電するので、このとき、停電が発生しても、バックアップに最低限必要な容量が残存しており、電子機器本体をバックアップする電力供給を行うことができる。
残容量補正回路8は、満充電容量検出部7で検出される電池1の満充電容量(Ahf)と、無負荷電圧(VOCV)から検出される電池1の残容量(SOC[%])から、残容量(Ahr)を演算する。すなわち、満充電容量検出部7で検出される電池1の満充電容量(Ahf)と、無負荷電圧(VOCV)から検出される残容量(SOC[%])から、以下の式で残容量(Ahr)を演算する。
残容量(Ahr)=満充電容量(Ahf)×残容量(SOC[%])
ここで、無負荷電圧(VOCV)から検出される残容量(SOC[%])は、たとえば、第2の無負荷タイミングにおいて検出された第2の残容量(SOC[%])とすることができる。また、電池1の残容量(SOC[%])が100[%]である場合、すなわち、電池1を満充電した場合は、演算された満充電容量(Ahf)が、その時点における電池1の残容量(Ahr)となる。
ただ、残容量補正回路8は、以上に記載する方法とは異なる方法で残容量(Ahr)を演算することもできる。残容量補正回路8は、たとえば、満充電容量検出部7で検出される電池1の満充電容量(Ahf)に基づいて、電池温度等の他のパラメーターを考慮して演算することができる。
通信処理部9は、残容量補正回路8で演算される残容量(Ahr)、満充電容量検出部7で検出する満充電容量(Ahf)、残容量検出部6で検出された残容量(SOC[%])、電圧検出部3で検出した電池電圧、電流検出部2で検出した電流値、温度検出部4で検出した温度等の電池情報を、通信回線13を介してバックアップ電池を接続している電子機器に伝送する。
さらに、バックアップ電池は、演算された満充電容量(Ahf)に基づいて、電池1の劣化度を判定することもできる。バックアップ電池は、演算された満充電容量(Ahf)が、電池の定格容量(Ahs)に対してどの程度減少したかによって電池1の劣化度を判定する。このバックアップ電池は、電池の満充電容量(Ahf)を規格容量(例えば、50Ah)と比較し、あるいは、定格容量に対する満充電容量の比率(Ahf/Ahs)を規格値(例えば、50%)と比較して、電池1の劣化度を判定する。満充電容量(Ahf)が規格容量未満となり、あるいは、定格容量に対する満充電容量の比率が規格値未満となると、バックアップ電池が劣化と判定する。ここで、規格容量や規格値は、電子機器本体がバックアップする時間を確保するのに必要な容量で決定され、電子機器本体の各種用途によって異なる。このバックアップ電池は、電池の劣化度を判定する規格容量や規格値を検出する関数やテーブルを記憶しており、記憶される関数やテーブルに基づいて電池の劣化度を検出する。バックアップ電池が劣化していると判定されると、バックアップ電池は、このことを外部に表示して、メンテナンス作業者に分かるようにすることができ、あるいは、通信処理部9から電子機器本体に異常信号を出力して、電子機器本体側に通知することができる。電子機器本体は、異常信号が入力されると、このことを外部に表示し、あるいは、携帯基地局等に設置される電子機器本体においては、電話ラインやインターネット用パケットラインを使って、メンテナンス会社に情報を送信することができる。
以上のバックアップ電池は、以下に示す工程で電池の満充電容量を検出する。
[無負荷電圧検出工程]
電池が無負荷となる第1の無負荷タイミングにおける電池の第1の無負荷電圧(VOCV1)と第2の無負荷タイミングにおける電池の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する。
[残容量判定工程]
無負荷電圧検出工程で検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定し、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあると、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する。
[残容量変化率演算工程]
残容量判定工程で判定される第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する
[容量変化検出工程]
第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとの間において、充放電される電池の充電電流と放電電流の積算値から電池の容量変化値(δAh)を演算する。
[満充電容量演算工程]
残容量の変化率(δS[%])と容量変化値(δAh)から、下記の式で電池の満充電容量(Ahf)を演算する。
Ahf=δAh/(δS/100)
以上のバックアップ電池は、以下のステップで、図4のフローチャートに基づいて電池の満充電容量を検出する。
[n=1のステップ]
電池1が充電される状態になったかどうかを判定する。電池1が充電される状態となるまで、このステップをループする。
[n=2のステップ]
電池1が充電される状態になると、電池1の充電を開始する前に、電池1を無負荷状態とし、このタイミングを第1の無負荷タイミングとして、電池1の第1の無負荷電圧(VOCV1)を検出する。
[n=3〜5のステップ]
残容量検出部6は、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の設定範囲内にないとき、電池1の充電初期における残容量(SOC[%])の範囲が所定の範囲外であったと判定して、満充電容量の演算を中止する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が設定範囲内にあると、検出された第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池1の第1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。その後、電池1の充電を開始する。
[n=6、7のステップ]
電池1が充電される状態で、容量演算部5は電池1の充放電の電流を積算して容量変化値(δAh)を演算する。このステップで、電池1が満充電されるまでの容量変化値(δAh)が演算される。ここで、リチウムイオン電池においては、周知の技術であるように、定電流充電の後、定電圧充電され、充電電流が所定値以下になると、満充電と判定される。
[n=8のステップ]
電池1が満充電されると、電池1を無負荷状態とする。このタイミングを第2の無負荷タイミングとして、第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する。
[n=9のステップ]
残容量検出部6は、検出された第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。このとき、電池1は満充電されているので、電池1の残容量(SOC[%])は100[%]となる。
[n=10のステップ]
満充電容量検出部7が、電池1の第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する。
[n=11のステップ]
さらに、満充電容量検出部7が、演算された容量変化値(δAh)と残容量の変化率(δS[%])から、以下の式で電池1の満充電容量を演算する。
Ahf=δAh/(δS/100)
以上の方法は、図3に示すように、電池を充電する前を第1の無負荷タイミングとし、電池を満充電した後を第2の無負荷タイミングとするので、電池を満充電する毎に、修正された電池の満充電容量(Ahf)を検出できる。ただ、本発明の満充電検出方法は、必ずしも電池を満充電することなく、図5の模式図に示すように、電池が満充電される前のタイミングを第2の無負荷タイミングとして、電池の満充電容量を演算することができる。この方法は、電池の無負荷状態を検出して第1の無負荷タイミングを特定した後、所定の時間が経過し、あるいは容量変化値(δAh)が所定の容量になった後、電池が再び無負荷状態になるタイミングを第2の無負荷タイミングとして、電池の満充電容量(Ahf)を演算する。
第2の無負荷タイミングを、第1の無負荷タイミングから設定時間経過した後として、電池が満充電される前に、電池1の満充電容量を検出する方法を、図6のフローチャートに示す。
[n=1のステップ]
電池1が充電される状態になったかどうかを判定する。電池1が充電される状態となるまで、このステップをループする。
[n=2のステップ]
電池1が充電される状態になると、電池1の充電を開始する前に、電池1を無負荷状態とし、このタイミングを第1の無負荷タイミングとして、電池1の第1の無負荷電圧(VOCV1)を検出する。
[n=3〜5のステップ]
残容量検出部6は、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の設定範囲内にないとき、電池1の充電初期における残容量(SOC[%])の範囲が所定の範囲外であったと判定して、満充電容量の演算を中止する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が設定範囲内にあると、検出された第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池1の第1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。その後、電池1の充電を開始する。
[n=6のステップ]
満充電容量検出部7が、第1の無負荷タイミングにおける電池1の第1の容量(Ah)を検出する。満充電容量検出部7は、たとえば、前回、検出した電池1の満充電容量(Ahf)に、n=4のステップで判定した電池1の第1の残容量(SOC[%])をかけて、電池1の第1の容量(Ah)を演算して検出することができる。
[n=7のステップ]
第1の無負荷タイミングから設定時間経過したかどうかを判定する。設定時間を経過するまで、このステップをループする。
[n=8のステップ]
第1の無負荷タイミングから設定時間経過すると、電池1に流れる電流を遮断して、電池1を無負荷状態とし、このタイミングを第2の無負荷タイミングとして、電池1の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する。
[n=9のステップ]
残容量検出部6は、検出された第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。
[n=10のステップ]
満充電容量検出部7が、第2の無負荷タイミングにおける電池1の第2の容量(Ah)を検出する。電池1の第2の容量(Ah)は、容量演算部5によって、充放電される電池1の充電電流と放電電流の積算値から演算される。
[n=11のステップ]
満充電容量検出部7が、図5に示すように、第1の無負荷タイミングにおける電池1の第1の容量(Ah)と第2の無負荷タイミングにおける電池1の第2の容量(Ah)の差から容量変化値(δAh)を演算する。
[n=12のステップ]
満充電容量検出部7が、図5に示すように、電池1の第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する。
[n=13のステップ]
さらに、満充電容量検出部7が、演算された容量変化値(δAh)と残容量の変化率(δS[%])から、以下の式で電池1の満充電容量を演算する。
Ahf=δAh/(δS/100)
さらに、第2の無負荷タイミングを、容量変化値(δAh)が所定値より大きくなった後として、電池が満充電される前に、電池1の満充電容量を検出する方法を、図7のフローチャートに示す。
[n=1のステップ]
電池1が充電される状態になったかどうかを判定する。電池1が充電される状態となるまで、このステップをループする。
[n=2のステップ]
電池1が充電される状態になると、電池1の充電を開始する前に、電池1を無負荷状態とし、このタイミングを第1の無負荷タイミングとして、電池1の第1の無負荷電圧(VOCV1)を検出する。
[n=3〜5のステップ]
残容量検出部6は、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の設定範囲内にないとき、電池1の充電初期における残容量(SOC[%])の範囲が所定の範囲外であったと判定して、満充電容量の演算を中止する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が設定範囲内にあると、検出された第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池1の第1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。その後、電池1の充電を開始する。
[n=6のステップ]
電池1が充電される状態で、容量演算部5は電池1の充放電の電流を積算して容量変化値(δAh)を演算する。
[n=7のステップ]
容量変化値(δAh)が、設定値よりも大きくなったかどうかを判定する。容量変化値(δAh)が、設定値よりも大きくなるまで、このステップをループする。
[n=8のステップ]
容量変化値(δAh)が、設定値よりも大きくなると、電池1に流れる電流を遮断して、電池1を無負荷状態とし、このタイミングを第2の無負荷タイミングとして、電池1の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する。
[n=9のステップ]
残容量検出部6は、検出された第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。
このとき、残容量検出部6は、検出された第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の範囲内にあるかどうかを判定し、第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の設定範囲内にあると、検出された第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池1の第2の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定し、第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の設定範囲内にないと、満充電容量の演算を中止することもできる。
[n=10のステップ]
満充電容量検出部7が、電池1の第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する。
[n=11のステップ]
さらに、満充電容量検出部7が、演算された容量変化値(δAh)と残容量の変化率(δS[%])から、以下の式で電池1の満充電容量を演算する。
Ahf=δAh/(δS/100)
さらに、図6と図7に示す方法では、残容量補正回路8が、満充電容量検出部7で検出される電池1の満充電容量(Ahf)を基準として、電池1を無負荷状態とする状態で無負荷電圧(VOCV)を検出し、検出される無負荷電圧(VOCV)から残容量(SOC[%])を検出し、検出される残容量(SOC[%])と満充電容量(Ahf)の積から、残容量(Ahr)を演算することができる。
以上の方法は、電池を充電する前後のタイミングを第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとして、電池の満充電容量を演算しているが、本発明の満充電検出方法は、必ずしも電池を充電することなく、図8の模式図に示すように、電池を放電する前後のタイミングを第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとして、電池の満充電容量を演算することもできる。この方法は、所定時において、所定容量または所定値まで放電を行い、この放電の前後のタイミングにおける無負荷状態を第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとして、電池の満充電容量(Ahf)を演算する。この方法を、図9のフローチャートに示す。
[n=1のステップ]
電池を放電する所定時になったかどうかを判定する。この所定時は、所定期間や所定日時により特定される。所定時になるまで、このステップをループする。
[n=2のステップ]
所定時になると、電池1の放電を開始する前に、電池1を無負荷状態とし、このタイミングを第1の無負荷タイミングとして、電池1の第1の無負荷電圧(VOCV1)を検出する。
[n=3〜5のステップ]
残容量検出部6は、検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の設定範囲内にないとき、電池1の放電初期における残容量(SOC[%])の範囲が所定の範囲外であったと判定して、満充電容量の演算を中止する。第1の無負荷電圧(VOCV1)が設定範囲内にあると、検出された第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池1の第1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。その後、電池1の放電を開始する。
[n=6、7のステップ]
電池1が放電される状態で、容量演算部5は電池1の放電電流を積算して容量変化値(δAh)を演算する。このステップで、電池1は所定容量(約10%)または所定値(例えば100Ah)まで放電される。電池1を所定容量放電し、あるいは所定値まで放電する間の容量変化値(δAh)が演算される。
[n=8のステップ]
電池1が所定容量放電され、あるいは所定値まで放電されると、電池1を無負荷状態とする。このタイミングを第2の無負荷タイミングとして、第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する。
[n=9のステップ]
残容量検出部6は、検出された第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池1の残容量(SOC[%])を関数やテーブルから判定する。
[n=10のステップ]
満充電容量検出部7が、電池1の第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する。
[n=11のステップ]
さらに、満充電容量検出部7が、演算された容量変化値(δAh)と残容量の変化率(δS[%])から、以下の式で電池1の満充電容量を演算する。
Ahf=δAh/(δS/100)
本発明の一実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法に使用するバックアップ電池の回路図である。 電池の残容量−開放電圧特性を示すグラフである。 本発明の一実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示す模式図である。 本発明の一実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示す模式図である。 本発明の他の実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示す模式図である。 本発明の他の実施例にかかるバックアップ電池の満充電容量検出方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1…電池
2…電流検出部
3…電圧検出部
4…温度検出部
5…容量演算部
6…残容量検出部
7…満充電容量検出部
8…残容量補正回路
9…通信処理部
10…電流検出抵抗
11…メモリ
13…通信回線

Claims (9)

  1. 充電できる電池が無負荷となる第1の無負荷タイミングにおける電池の第1の無負荷電圧(VOCV1)と第2の無負荷タイミングにおける電池の第2の無負荷電圧(VOCV2)を検出する無負荷電圧検出工程と、
    この無負荷電圧検出工程で検出される第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第1の無負荷電圧(VOCV1)が所定の電圧範囲にあると、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する残容量判定工程と、
    この残容量判定工程で判定される第1の残容量(SOC[%])と第2の残容量(SOC[%])の差から残容量の変化率(δS[%])を演算する残容量変化率演算工程と、
    第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングとの間において、充放電される電池の充電電流と放電電流の積算値から電池の容量変化値(δAh)を演算する容量変化検出工程と、
    残容量の変化率(δS[%])と容量変化値(δAh)から、下記の式で電池の満充電容量(Ahf)を演算する満充電容量演算工程とからなるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
    Ahf=δAh/(δS/100)
  2. 容量変化検出工程で検出される容量変化値(δAh)が設定値よりも大きいかどうかを判定し、容量変化値(δAh)が設定値よりも大きいと、満充電容量演算工程において、残容量の変化率(δS[%])と容量変化値(δAh)から電池の満充電容量(Ahf)を演算する請求項1に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  3. 第2の無負荷タイミングを、第1の無負荷タイミングから設定時間経過した後とする請求項1に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  4. 電池が充電される前の無負荷状態を第1の無負荷タイミングとし、電池の充電が停止された後の無負荷状態を第2の無負荷タイミングとする請求項1に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  5. 第2の無負荷タイミングが、電池が満充電される前であって、残容量判定工程において、無負荷電圧検出工程で検出される第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあるかどうかを判定して、第2の無負荷電圧(VOCV2)が所定の電圧範囲にあると、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する請求項1ないし4のいずれかに記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  6. 電池がリチウムイオン二次電池又はリチウムポリマー電池である請求項1に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  7. 電池を3成分正極のリチウムイオン二次電池とする請求項5に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  8. 記憶する関数又はテーブルに基づいて、第1の無負荷電圧(VOCV1)から電池の第1の残容量(SOC[%])を判定すると共に、第2の無負荷電圧(VOCV2)から電池の第2の残容量(SOC[%])を判定する請求項1に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
  9. 無負荷電圧検出工程において、第1の無負荷タイミングと第2の無負荷タイミングの間に、所定容量あるいは所定値まで放電を行う放電工程を設けてなる請求項1に記載されるバックアップ電池の満充電容量検出方法。
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