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JP2010085000A - 分析装置、及び冷凍装置 - Google Patents

分析装置、及び冷凍装置 Download PDF

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JP2010085000A JP2008254070A JP2008254070A JP2010085000A JP 2010085000 A JP2010085000 A JP 2010085000A JP 2008254070 A JP2008254070 A JP 2008254070A JP 2008254070 A JP2008254070 A JP 2008254070A JP 2010085000 A JP2010085000 A JP 2010085000A
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Abstract

【課題】冷凍装置の状態を分析する分析装置において、冷凍装置の実際の状態が反映された分析用のデータとの比較に用いる比較用のデータのデータ量を削減可能に構成する。
【解決手段】分析装置に、仮想モデル作成手段と分析手段とを設ける。仮想モデル作成手段は、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する。そして、分析手段が、冷凍装置(10)の所定の運転条件を表す仮想入力データを仮想モデル(55)に入力し、仮想モデル(55)から得られる冷凍装置(10)の所定の運転条件における運転状態を表す仮想出力データに基づいて、冷凍装置(10)の状態を分析する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置の状態を分析する分析装置、及びその分析装置を備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、冷凍装置の状態を分析する分析装置が知られている。特許文献1には、圧縮機、膨張弁、室外熱交換器、及び室内熱交換器などの回路構成機器の状態を個別に診断するコントローラ(分析装置)を備えた冷凍装置が開示されている。
具体的に、引用文献1の冷凍装置では、コントローラが、各回路構成機器で生じる損失に対応して温度−エントロピ線図(T−s線図)を領域分けできることを利用して、回路構成機器で生じる損失の値を個別に算出する。コントローラは、診断時の回路構成機器で生じる損失の値を正常な状態の損失基準値と比較することによって、回路構成機器の状態を診断する。診断時の回路構成機器で生じる損失の値は、診断時と同じ運転条件又は診断時に近い運転条件の損失基準値と比較される。
特許第4039462号公報
ところで、冷凍装置の運転条件には、環境条件(例えば、外気の温度)など人為的に決めることができない要素が含まれている。このため、運転中にセンサの計測値から冷凍装置の実際の状態(劣化度合い)が反映された分析用のデータを取得する従来の分析装置では、その分析用のデータを任意の運転条件で取得することができなかった。従って、分析用のデータとの比較に用いる比較用のデータ(例えば、正常な状態の冷凍装置から得られたデータ)を、様々な運転条件に対して予め準備する必要があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍装置の状態を分析する分析装置において、冷凍装置の実際の状態が反映された分析用のデータとの比較に用いる比較用のデータのデータ量を削減可能に構成することにある。
第1の発明は、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置(50)を対象とする。そして、この分析装置(50)は、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、上記冷凍装置(10)の所定の運転条件を表す仮想入力データを上記仮想モデル(55)に入力し、該仮想モデル(55)から得られる冷凍装置(10)の所定の運転条件における運転状態を表す仮想出力データに基づいて、冷凍装置(10)の状態を分析する分析手段(53)とを備えている。
第1の発明では、仮想モデル作成手段(31)が、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、冷凍装置(10)を実際の状態(劣化度合い)でモデル化した仮想モデル(55)を作成する。仮想モデル(55)は、実際の状態で冷凍装置(10)を仮想的に現したものである。仮想モデル(55)には、運用中の冷凍装置(10)の実際の状態が反映されている。そして、分析手段(53)が、冷凍装置(10)の所定の運転条件を表す仮想入力データを仮想モデル(55)に入力する。仮想モデル(55)からは、冷凍装置(10)の所定の運転条件における運転状態を表す仮想出力データが得られる。分析手段(53)は、その仮想出力データに基づいて、冷凍装置(10)の状態を分析する。仮想モデル(55)は冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化したものであるため、仮想出力データは、冷凍装置(10)の実際の状態が反映された分析用のデータとなる。この第1の発明では、冷凍装置(10)の実際の状態が反映された仮想出力データが、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件で取得されるようにしている。
なお、本願明細書において、「運用中」とは、冷凍装置(10)が利用対象の施設に据え付けられて稼働している状態をいい、実験室等で試験的に運転されている状態ではない。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記冷凍装置(10)の冷媒回路(20)には、圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられる一方、上記分析手段(53)は、上記仮想出力データとして取得した上記回路構成機器の出入口における冷媒の物理量を用いて該回路構成機器におけるエクセルギの変化量を算出し、該回路構成機器におけるエクセルギの変化量を用いて上記冷凍装置(10)の状態を分析する。
第2の発明では、仮想出力データから、回路構成機器におけるエクセルギの変化量が算出される。仮想出力データは、上述したように、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件で取得される。このため、回路構成機器におけるエクセルギの変化量も、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件の値となる。この第2の発明では、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件における回路構成機器でのエクセルギの変化量を用いて、冷凍装置(10)の状態が分析される。
第3の発明は、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置(50)を対象とする。そして、この分析装置(50)は、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と上記仮想モデル(55)を比較することによって上記冷凍装置(10)の状態を分析する分析手段(53)とを備えている。
第3の発明では、仮想モデル作成手段(31)が、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する。そして、分析手段(53)が、正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)を比較することによって冷凍装置(10)の状態を分析する。
第4の発明は、圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置(50)を対象とする。そして、この分析装置(50)は、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)の回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、上記回路構成機器の所定の動作条件を表す仮想入力データを上記仮想モデル(55)に入力し、該仮想モデル(55)から得られる回路構成機器の所定の動作条件における動作状態を表す仮想出力データに基づいて、冷凍装置(10)の状態を分析する分析手段(53)とを備えている。
第4の発明では、仮想モデル作成手段(31)が、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、回路構成機器を実際の状態(劣化度合い)でモデル化した仮想モデル(55)を作成する。仮想モデル(55)は、実際の状態で回路構成機器を仮想的に現したものである。仮想モデル(55)には、運用中の冷凍装置(10)の回路構成機器の実際の状態が反映されている。そして、分析手段(53)が、回路構成機器の所定の動作条件を表す仮想入力データを仮想モデル(55)に入力する。仮想モデル(55)からは、回路構成機器の所定の動作条件における動作状態を表す仮想出力データが得られる。分析手段(53)は、その仮想出力データに基づいて、回路構成機器の状態を分析する。仮想モデル(55)は回路構成機器を実際の状態でモデル化したものであるため、仮想出力データは、回路構成機器の実際の状態が反映された分析用のデータとなる。この第4の発明では、回路構成機器の実際の状態が反映された仮想出力データが、分析装置(50)自らが設定した所定の動作条件で取得されるようにしている。
第5の発明は、圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置(50)を対象とする。そして、この分析装置(50)は、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)の回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の回路構成機器をモデル化した基準モデル(60)と上記仮想モデル(55)を比較することによって上記回路構成機器の状態を分析する分析手段(53)とを備えている。
第5の発明では、仮想モデル作成手段(31)が、実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する。そして、分析手段(53)が、正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の回路構成機器をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)を比較することによって回路構成機器の状態を分析する。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つの発明において、上記仮想モデル作成手段(31)が、物理法則に基づいて作成された基礎モデルのパラメータを上記実測データを用いて調整することによって、上記仮想モデル(55)を作成する。
第6の発明では、物理法則に基づいて作成された基礎モデルのパラメータを実測データを用いて調整することによって、仮想モデル(55)が作成される。そして、その仮想モデル(55)を用いて、冷凍装置(10)又は回路構成機器の状態が分析される。
第7の発明は、圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、第1乃至第6の何れか1つの発明に記載の分析装置(50)とを備えている冷凍装置(10)である。
第7の発明では、冷凍装置(10)に、第1乃至第6の何れか1つの発明に記載の分析装置(50)が設けられている。つまり、冷凍装置(10)には、冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて冷凍装置(10)又は回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を用いて冷凍装置(10)又は回路構成機器の状態を分析する分析装置(50)が設けられている。
第1乃至第2の各発明では、冷凍装置(10)の実際の状態が反映された仮想出力データが、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件で取得されるようにしている。このため、分析装置(50)自らが設定する所定の運転条件に対して、仮想出力データとの比較に用いる比較用のデータを準備すれば、冷凍装置(10)の状態を分析することができる。従って、比較用のデータを様々な運転条件に対して準備する必要がないので、比較用のデータのデータ量を削減することができる。
また、例えば、仮想モデルを定期的に作成し、その度に仮想モデル(55)に同じ運転条件を入力すれば、一定の運転条件で仮想モデル(55)の変化を観察することが可能である。つまり、一定の運転条件で冷凍装置(10)の状態の変化を観察することが可能である。この場合、比較用のデータなしに、冷凍装置(10)の状態を分析することが可能である。
また、上記第2の発明では、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件における回路構成機器でのエクセルギの変化量を用いて、冷凍装置(10)の状態が分析される。このため、回路構成機器におけるエクセルギの変化量を算出して冷凍装置(10)の状態を分析する場合でも、分析装置(50)自らが設定する所定の運転条件に対して比較用のデータを準備すれば、冷凍装置(10)を分析することができるので、比較用のデータのデータ量を削減することができる。
また、上記第3の発明では、正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)を比較することによって、冷凍装置(10)の状態が分析される。冷凍装置(10)の実際の状態は、仮想モデル(55)自体(例えば、パラメータや変数)に反映される。このため、正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)との違いから、比較用のデータなしに、冷凍装置(10)の状態を分析することが可能である。すなわち、比較用のデータを予め準備することなく、冷凍装置(10)の状態を分析することが可能である。
また、第4の発明では、回路構成機器の実際の状態が反映された仮想出力データが、分析装置(50)自らが設定した所定の動作条件で取得されるようにしている。このため、分析装置(50)自らが設定する所定の動作条件に対して、仮想出力データとの比較に用いる比較用のデータを準備すれば、回路構成機器の状態を分析することができる。従って、比較用のデータを様々な動作条件に対して準備する必要がないので、比較用のデータのデータ量を削減することができる。
また、例えば、仮想モデルを定期的に作成し、その度に仮想モデル(55)に同じ動作条件を入力すれば、一定の動作条件で仮想モデル(55)の変化を観察することが可能である。つまり、一定の動作条件で回路構成機器の状態の変化を観察することが可能である。この場合、比較用のデータなしに、回路構成機器の状態を分析することが可能である。
また、上記第5の発明では、正常な状態の回路構成機器をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)を比較することによって、回路構成機器の状態が分析される。回路構成機器の実際の状態は、仮想モデル(55)自体(例えば、パラメータや変数)に反映される。このため、正常な状態の回路構成機器をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)との違いから、比較用のデータなしに、回路構成機器の状態を分析することが可能である。すなわち、比較用のデータを予め準備することなく、回路構成機器の状態を分析することが可能である。
また、上記第7の発明では、冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて冷凍装置(10)又は回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を用いて冷凍装置(10)又は回路構成機器の状態を分析する分析装置(50)を設けている。従って、比較用のデータのデータ量が少ない分析装置(50)を備えた冷凍装置(10)を実現することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態は、本発明に係る冷凍装置(10)である。この冷凍装置(10)は、図1に示すように、室外ユニット(11)と室内ユニット(13)とを備えた空気調和装置(10)であって、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成されている。
−冷凍装置の構成−
室外ユニット(11)内には、室外回路(21)が設けられている。室内ユニット(13)内には、室内回路(22)が設けられている。この冷凍装置(10)では、室外回路(21)と室内回路(22)とを、液側連絡配管(23)及びガス側連絡配管(24)で接続することによって蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)が構成されている。冷媒回路(20)には、冷媒として例えばフロン系の冷媒が充填されている。
《室外ユニット》
室外ユニット(11)の室外回路(21)には、圧縮機(30)、熱源側の熱交換器である室外熱交換器(34)、及び減圧機構である膨張弁(36)が、回路構成機器として設けられている。また、室外回路(21)には、圧縮機(30)に接続される四路切換弁(33)と、液側連絡配管(23)が接続される液側閉鎖弁(25)と、ガス側連絡配管(24)が接続されるガス側閉鎖弁(26)とが設けられている。
圧縮機(30)は、密閉容器状のケーシング内が圧縮後の冷媒で満たされる高圧ドーム型の圧縮機として構成されている。圧縮機(30)の吐出側は、吐出管(40)を介して四路切換弁(33)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(30)の吸入側は、吸入管(41)を介して四路切換弁(33)の第3ポート(P3)に接続されている。吸入管(41)には、密閉容器状のアキュームレータが回路構成機器として設けられている(図示省略)。
室外熱交換器(34)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。室外熱交換器(34)では、室外熱交換器(34)の近傍に設けられた室外ファン(12)によって送られる室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。なお、室外ファン(12)は、風量を複数段階に調節することができるように構成されている。
室外熱交換器(34)の一端は、四路切換弁(33)の第4ポート(P4)に接続されている。室外熱交換器(34)の他端は、液配管(42)を介して液側閉鎖弁(25)に接続されている。この液配管(42)には、開度可変の膨張弁(36)が設けられている。また、四路切換弁(33)の第2ポート(P2)はガス側閉鎖弁(26)に接続されている。
四路切換弁(33)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が互いに連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え可能となっている。
室外回路(21)では、圧縮機(30)の吸入側に、一対の吸入温度センサ(45a)及び吸入圧力センサ(46a)が設けられている。圧縮機(30)の吐出側に、一対の吐出温度センサ(45b)及び吐出圧力センサ(46b)が設けられている。また、室外熱交換器(34)のガス側には、室外ガス温度センサ(45c)が設けられている。室外熱交換器(34)の液側には、室外液温度センサ(45d)が設けられている。室外ファン(12)の近傍には、外気温度センサ(18)が設けられている。
《室内ユニット》
室内ユニット(13)の室内回路(22)には、利用側の熱交換器である室内熱交換器(37)が、回路構成機器として設けられている。室内熱交換器(37)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。室内熱交換器(37)では、室内熱交換器(37)の近傍に設けられた室内ファン(14)によって送られる室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。なお、室内ファン(14)は、風量を複数段階に調節することができるように構成されている。また、室内ユニット(13)では、室内に開口する吸込口と室内ファン(14)との間に吸込フィルタが設けられている(図示省略)。
室内回路(22)では、室内熱交換器(37)の液側に、室内液温度センサ(45e)が設けられている。室内熱交換器(37)のガス側に、室内ガス温度センサ(45f)が設けられている。室内ファン(14)の近傍には、室内温度センサ(19)が設けられている。
なお、上述した室外ユニット(11)の各種センサ(18,45,46)と、室内ユニット(13)の各種センサ(19,45,46)は、冷凍装置(10)の一部として考えてもよいし、後述する分析装置(50)の仮想モデル手段(31)の一部として考えてもよい。
《分析装置の構成》
この冷凍装置(10)は、据付場所で実際に稼働している運用中の冷凍装置(10)の状態を分析するための分析装置(50)を備えている。分析装置(50)は、運転状態検出部(51)とモデル作成部(52)と分析部(53)とを備えている。運転状態検出部(51)とモデル作成部(52)とは、仮想モデル作成手段(31)を構成している。また、分析部(53)は分析手段(53)を構成している。
運転状態検出部(51)は、据付場所で稼働を開始した後の運用中の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを検出するように構成されている。運転状態検出部(51)は、実測データとして、運転中の冷凍装置(10)の冷媒の物理量を検出する。具体的に、運転状態検出部(51)は、各温度センサ(45)の測定値及び各圧力センサ(46)の測定値を用いて、冷凍サイクルの低圧圧力、冷凍サイクルの高圧圧力、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度、圧縮機(30)の吐出冷媒の温度、および凝縮器として動作する熱交換器(34,37)の出口の冷媒の温度を、実測データとして検出する。運転状態検出部(51)は、冷凍サイクルを表す線図(例えば、モリエル線図、T−s線図)を作成するために最低限必要となる冷媒の物理量を検出する。
モデル作成部(52)は、図2に示すように、運用中の冷凍装置(10)を分析時の実際の状態(劣化度合い)でモデル化した仮想モデル(55)を作成するモデリングを行うように構成されている。仮想モデル(55)は、分析時の劣化度合いの冷凍装置(10)を仮想的に再現したものである。
モデル作成部(52)には、仮想モデル(55)の基礎となる基礎モデルが予め記憶されている。基礎モデルは、モデル化する対象(冷凍装置(10))を例えば物理法則を用いてモデル化したものである。モデル作成部(52)は、運転状態検出部(51)から出力された実測データを用いて、基礎モデルのパラメータを調整するパラメータ・チューニングを行うことによって、仮想モデル(55)を作成する
なお、パラメータ・チューニングに用いる実測データとしては、運転中の冷凍装置(10)の冷媒の物理量だけでなく、熱交換器(34,37)で冷媒と熱交換を行う熱媒体の物理量(例えば、室外空気の温度、室内空気の温度)を用いることが可能である。また、パラメータ・チューニングには、運用中の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データに加えて、試験運転時の冷凍装置(10)から得られる実測データや、別の冷凍装置(10)の故障時に得られる実測データを用いることが可能である。
本実施形態では、モデル作成部(52)が、仮想モデル(55)として物理モデル(55)を作成する解析的モデリングを行うように構成されている。この場合、モデル作成部(52)は、物理法則に基づく微分方程式などにより構成された基礎モデルのパラメータを、実測データを用いて調整する。
なお、モデル作成部(52)が、図3に示すように、仮想モデル(55)として数値的モデル(例えば、重回帰、オブザーバ)を作成する統計的モデリングを行うように構成されていてもよい。統計的モデリングでは、運用開始後から分析時までの冷凍装置(10)の実測データが用いられる。
また、モデル作成部(52)が、仮想モデル(55)としてルール・ベースモデル(例えば、強化学習)やブラック・ボックスモデル(例えば、自己組織化マップ(SOM))を作成する学習的モデリングを行うように構成されていてもよい。学習的モデリングでは、実測データに加えて、冷凍装置(10)に関する「if-then」形式の経験則データが用いられる。モデル作成部(52)は、3つのモデリングのうち1種類のモデリングだけを行ってもよいし、2種類以上のモデリングを行ってもよい。
分析部(53)は、モデル作成部(52)によって作成された仮想モデル(55)を用いて冷凍装置(10)の状態を分析するように構成されている。分析部(53)には、冷凍装置(10)の所定の運転条件を表す仮想入力データを予め記憶しているメモリが設けられている。本実施形態では、仮想入力データが、冷凍装置の標準的な運転条件を表すデータになっている。なお、仮想入力データは、標準的な運転条件ではなく、特殊な運転条件を表すデータであってもよい。
仮想入力データは、圧縮機(30)の回転速度、膨張弁(36)の開度、室外ファン(12)の回転速度および室内ファン(14)の回転速度などの回路構成機器の操作量のデータから構成されている。なお、仮想入力データとしては、熱交換器(34,37)で冷媒と熱交換を行う熱媒体の物理量(例えば、室外空気の温度、室内空気の温度)のデータを用いることも可能であり、上記操作量と併用することも可能である。
分析部(53)は、仮想入力データを仮想モデル(55)に入力することによって仮想モデル(55)が所定の運転条件で運転する状態をつくりだす入力動作と、その入力動作において所定の運転条件で運転する状態の仮想モデル(55)から得られる仮想出力データを取得して、その仮想出力データに基づいて冷凍装置の状態を分析する分析動作とを行うように構成されている。
図4に示す仮想出力データは、冷凍装置(10)の所定の運転条件における運転状態を表すデータである。仮想出力データは、冷媒回路(20)の所定の位置(例えば、圧縮機(30)の吐出側、圧縮機(30)の吸入側)における冷媒の物理量(例えば、圧力、温度、エンタルピ、エントロピ)、冷凍装置(10)の能力、冷凍装置(10)の運転効率(成績係数)、および冷媒回路(20)における冷媒の循環量などの項目のデータを含んでいる。仮想モデル(55)は、冷凍装置(10)を実際の状態(劣化度合い)でモデル化したものであるため、仮想出力データは、冷凍装置(10)の実際の状態(劣化度合い)が反映された分析用のデータとなる。本実施形態では、冷凍装置(10)の実際の状態が反映された仮想出力データが、分析部(53)自らが設定した所定の運転条件で取得される。
分析動作では、分析部(53)が、取得した仮想出力データを、例えば正常な状態の冷凍装置(10)の標準的な運転条件における運転状態を表す比較用のデータと比較することによって、冷凍装置(10)の状態を分析する。分析部(53)のメモリには、仮想出力データで得られるのと同じ項目のデータからなる比較用のデータが予め記憶されている。比較用のデータとしては、仮想入力データと同じ運転条件で、正常な状態の冷凍装置(10)を実際に運転させたときの各種センサ(45,46)の検出値から、予め作成したものを用いることができるし、正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)に同じ仮想入力データを入力した際に得られる基準モデル(60)の出力データから、作成したものを用いることもできる。分析部(53)は、仮想出力データと比較用のデータの比較を、同じ項目のデータ同士の間で行うことによって、冷凍装置(10)の状態を分析する。
−冷凍装置の運転動作−
冷凍装置(10)の運転動作について説明する。この冷凍装置(10)は、四路切換弁(33)によって冷房運転と暖房運転の切り換えを行うことができるように構成されている。
<冷房運転>
冷房運転では、四路切換弁(33)が第2状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(30)の運転が行われると、冷媒回路(20)では室外熱交換器(34)が凝縮器(34)となって室内熱交換器(37)が蒸発器(37)となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、冷房運転では、冷凍サイクルの低圧圧力の値(吸入圧力センサ(46a)の検出値)が一定値になるように圧縮機(30)の運転周波数が制御され、室内熱交換器(37)の出口の冷媒の過熱度(スーパーヒート)が所定の目標値(例えば5℃)になるように、膨張弁(36)の開度が調節される。
具体的に、圧縮機(30)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(34)で室外空気と熱交換して凝縮する。室外熱交換器(34)で凝縮した冷媒は、膨張弁(36)を通過する際に減圧され、その後に室内熱交換器(37)で室内空気と熱交換して蒸発する。室内熱交換器(37)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)で再び圧縮される。
<暖房運転>
暖房運転では、四路切換弁(33)が第1状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(30)の運転が行われると、冷媒回路(20)では室外熱交換器(34)が蒸発器(34)となって室内熱交換器(37)が凝縮器(37)となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、暖房運転では、冷凍サイクルの高圧圧力の値(吐出圧力センサ(46b)の検出値)が一定値になるように圧縮機(30)の運転周波数が制御され、室内熱交換器(37)の出口の冷媒の過冷却度(サブクール)が所定の目標値(例えば5℃)になるように、膨張弁(36)の開度が調節される。
具体的に、圧縮機(30)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(37)で室内空気と熱交換して凝縮する。室内熱交換器(37)で凝縮した冷媒は、膨張弁(36)を通過する際に減圧され、その後に室外熱交換器(34)で室外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器(34)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)で再び圧縮される。
−分析装置の動作−
分析装置(50)の動作について説明する。分析装置(50)は、冷房運転中や暖房運転中に、冷凍装置(10)の分析を行う。この分析は、例えば所定の周期で行われる。
冷凍装置(10)の分析では、まず運転状態検出部(51)が、各温度センサ(45)の測定値及び各圧力センサ(46)の測定値を用いて、分析時の冷凍サイクルの動作状態を表す物理量として、冷凍サイクルの低圧圧力、冷凍サイクルの高圧圧力、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度、圧縮機(30)の吐出冷媒の温度、および凝縮器として動作する熱交換器(34,37)の出口の冷媒の温度を検出する。運転状態検出部(51)の検出値は、分析時の冷凍装置(10)の実測データとなる。
次に、モデル作成部(52)は、下記の式1−11により構成された基礎モデルのパラメータを、運転状態検出部(51)が出力した実測データを用いて調整(パラメータ・チューニング)する解析的モデリングを行い、仮想モデル(55)として物理モデル(55)を作成する。
式1:Ccp×Mcp×Tcp’=Qcp
式2:Pcperr=Pcp−Pcpm
式3:n=n+Lex×Pexerr
上記式1−3は、圧縮機(30)において成立する物理法則に基づいて作成されている。上記式1−3において、Ccpは「圧縮機(30)内の冷媒の比熱」、Mcpは「圧縮機(30)内の冷媒の質量」、Tcpは「圧縮機(30)内の冷媒の温度」、Qcpは「圧縮機(30)内の冷媒の熱量」、Pcpは「圧縮機(30)内の圧力」、Pcpmは「圧縮機(30)内の測定圧力」、Pcperrは「圧縮機(30)における圧力偏差」、Pexerrは「熱交換器(34,37)における圧力偏差」、nは「圧縮機効率」、Lexは「内部エネルギーの学習係数」を表している。なお、cpは「圧縮機」、exは「熱交換器」を表す添字である。
式4:Mex’=Gin−Gout
式5:(Mu)’=Gin×hin−Gout×hout−Q
式6:(M/D)’=0
式7:Cex×Mex×Tex’=Qex
上記式4−7は、熱交換器(34,37)において成立する物理法則に基づいて作成されている。上記式4−7において、Cexは「熱交換器(34,37)内の冷媒の比熱」、Mexは「熱交換器(34,37)内の冷媒の質量」、Texは「熱交換器(34,37)内の冷媒の温度」、Qexは「熱交換器(34,37)内の冷媒の熱量」、Ginは「熱交換器(34,37)に流入する冷媒流量」、hinは「熱交換器(34,37)に流入する冷媒のエンタルピ」、Goutは「熱交換器(34,37)から流出した冷媒流量」、houtは「熱交換器(34,37)から流出した冷媒のエンタルピ」、uは「熱交換器(34,37)内の冷媒の内部エネルギー」、Dは「熱交換器(34,37)内の冷媒の密度」を表している。
式8:Gv=Kv×Av×{B×Rgus+(B−1)×Rliq}
式9:R={(Pin−Pout)×D}1/2
式10:Tverr=Tv−Tvm
式11:B=B+Lv×Tverr
上記式8−11は、膨張弁(36)において成立する物理法則に基づいて作成されている。上記式8−11において、Tvは「膨張弁(36)内の冷媒の温度」、Gvは「膨張弁(36)を流通する冷媒流量」、Kvは「膨張弁(36)における流量係数」、Avは「膨張弁(36)の流路面積」、Bは「ボイド率」、Pinは「膨張弁(36)に流入する前の冷媒の圧力」、Poutは「膨張弁(36)を通過後の冷媒の圧力」、Dは「膨張弁(36)における冷媒の密度」、Tvmは「膨張弁(36)における冷媒の測定温度」、Tverrは「膨張弁(36)における冷媒の温度偏差」、Lvは「ボイド率の学習係数」を表している。なお、vは「膨張弁」を表す添字である。また、gusは「ガス冷媒に関する変数」であることを表す添字であり、liqは「液冷媒に関する変数」であることを表す添字である。
モデル作成部(52)は、運転状態検出部(51)が出力した実測データを上記測定圧力Pcpmに当てはめて上記圧力偏差Pcperrを求め、内部エネルギーの学習係数Lexを学習させる。また、モデル作成部(52)は、運転状態検出部(51)が出力した実測データを上記測定温度Tvmに当てはめて上記温度偏差Tverrを求め、ボイド率の学習係数Lvを学習させる。つまり、基礎モデルのパラメータとして、内部エネルギーの学習係数Lex及びボイド率の学習係数Lvが調節される。その結果、分析時の状態の冷凍装置(10)をモデル化した物理モデル(55)が作成される。
続いて、分析部(53)は、標準的な運転条件のときの回路構成機器の操作量により構成された仮想入力データをメモリから読み出し、モデル作成部(52)で作成された物理モデル(55)に仮想入力データを入力する入力動作を行う。この入力動作によれば、分析時の劣化度合いの冷凍装置(10)の標準的な運転条件における運転状態を表す仮想出力データが取得される。
続いて、分析部(53)は、冷凍装置(10)の状態を判定する動作を分析動作として行う。この分析動作では、まず分析部(53)が、正常な状態の冷凍装置(10)の標準的な運転条件における運転状態を表す比較用のデータをメモリから読み出す。そして、分析部(53)は、仮想出力データを比較用のデータと比較することによって、冷凍装置(10)の状態を分析する。分析部(53)では、物理モデル(55)の仮想出力データから得られるデータの項目に応じて、故障診断、劣化診断、故障予知、劣化予測、寿命推定、性能診断、およびロス分析などを行うことができる。性能診断では、冷凍装置(10)の能力、運転効率、振動、騒音、安定性などの性能を診断することが可能である。ロス分析によれば、損失の増大に伴う性能低下の把握、損失の増大に伴う故障箇所の特定、不具合原因の把握を行うことが可能である。
例えば、冷媒回路(20)の所定の位置(圧縮機(30)の吐出側、圧縮機(30)の吸入側)における冷媒の物理量(圧力、温度、エンタルピ)、冷凍装置(10)の能力、冷凍装置(10)の運転効率(成績係数)、および冷媒回路(20)における冷媒の循環量の項目のデータが仮想出力データとして得られるように、物理モデル(55)が構成されている場合には、分析部(53)の分析動作において、冷媒回路(20)の冷媒量がどの程度の不足状態になっているかのが判定される。
また、冷凍装置(10)の能力、および冷凍装置(10)の運転効率(成績係数)のデータ値が仮想出力データとして得られるように、物理モデル(55)が構成されている場合には、分析部(53)の分析動作において、圧縮機(30)が損傷(例えば、焼き付き、モータの損傷、インバータの劣化)がどの程度の状態になっているかのが判定される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、冷凍装置(10)の実際の状態を表す仮想出力データが、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件で取得されるようにしている。このため、分析装置(50)自らが設定する所定の運転条件に対して、仮想出力データとの比較に用いる比較用のデータを準備すれば、冷凍装置(10)の状態を分析することができる。従って、比較用のデータを様々な運転条件に対して準備する必要がないので、比較用のデータのデータ量を削減することができる。
また、例えば、仮想モデルを定期的に作成し、その度に仮想モデル(55)に同じ運転条件を入力すれば、一定の運転条件で仮想モデル(55)の変化を観察することが可能である。つまり、一定の運転条件で冷凍装置(10)の状態の変化を観察することが可能である。従って、分析装置(50)をそのように構成してもよい。この場合、比較用のデータなしに、冷凍装置(10)の状態を分析することが可能である。
−実施形態の変形例1−
上記実施形態の変形例1について説明する。この変形例1では、モデル作成部(52)が、冷凍装置(10)の仮想モデル(55)ではなく、回路構成機器の1つである圧縮機(30)の仮想モデル(55)を作成する。
具体的に、モデル作成部(52)は、分析時の状態の圧縮機(30)(実稼働状態の圧縮機(30))をモデル化した仮想モデル(55)を作成するように構成されている。モデル作成部(52)は、下記の式12−23により構成された基礎モデルのパラメータを、運転状態検出部(51)が出力した実測データを用いて調整(パラメータ・チューニング)する統計的モデリングを行い、仮想モデル(55)として図5に示すオブザーバ(55)(数値的モデル)を作成する。
式12:Mig’+Mil’=Gsuc
式13:Mig’+Mil’=Mog’+Mol’
式14:Mdg’=Gog+Glg−Gdis
式15:Mdl’=Gol−Glg
式16:(Mig×vig)’+(Mil×vil)’=0
式17:(Mog×vog)’+(Mol×vol)’=0
式18:(Mdg×vdg)’+(Mdl×vdl)’=Gog×vog+Gol×vol−Gdis×vdg
式19:(Mig×uig)’+(Mil×uil)’+Lcomp=−pi(Mig×vig)’−pi(Mil×vil)’
式20:(Mog×uog)’+(Mol×uol)’+Lcomp=−po(Mog×vog)’−po(Mol×vol)’
式21:(Mdg×udg)’+hog×Mog’−hdg×Mdis’=−pd(Mdg×vdg)’−Qdg+Qdl+Qloss
式22:(Mdl×udl)’+hol×Mol’=−pd(Mdl×vdl)’−Qdl−Qgl
式23:Mw×Cw×Tw’=−Qout−Qdg−Qdl+Qloss
上記式12−23において、M’=dM/dtであり、T’=dT/dtである。また、Mは「冷媒の質量」、Gは「冷媒流量」、vは「冷媒の体積」、uは「冷媒の内部エネルギー」、pは「冷媒の圧力」、hは「冷媒のエンタルピ」、Qは「冷媒の熱量」を表している。また、これらの変数に添えられている前側の添字は、これらの変数が圧縮機(30)のどの部分の冷媒の物理量であるかを表しており、iは「圧縮機(30)の吸入側」、oは「圧縮機(30)の吐出側」、dは「圧縮機(30)のシリンダ内」の冷媒であることを表している。また、これらの変数に添えられている後ろ側の添字は、これらの変数が液冷媒の値であるかガス冷媒の値であるかをを表しており、gが「ガス冷媒」、lが「液冷媒」であることを表している。例えば、Migは「圧縮機(30)の吸入側のガス冷媒の質量」を表し、poは「圧縮機(30)の吐出側の冷媒の圧力」を表している。
また、Gsucは「圧縮機(30)の吸入される冷媒流量」、Gdisは「圧縮機(30)から吐出される冷媒流量」、Mdisは「圧縮機(30)から吐出される冷媒の質量」、Lcompは「圧縮機(30)の動力」、Mwは「圧縮機(30)の容器の質量」、Cwは「圧縮機(30)の容器の比熱」、Twは「圧縮機(30)の容器の温度」、Qlossは「圧縮機(30)での熱損失量」、Qoutは「圧縮機(30)からの放熱量」を表している。
上記式12−15は、圧縮機(30)内の冷媒の質量に関する微分方程式であり、式16−18は、圧縮機(30)内の冷媒の容積に関する微分方程式であり、式19−23は、圧縮機(30)内の冷媒のエネルギーに関する微分方程式である。
モデル作成部(52)は、上記基礎モデルにおける、圧縮機(30)内の液冷媒とガス冷媒の比率によって定まるパラメータと、圧縮機(30)からの吐出される冷媒流量によって定まるパラメータとを、運転状態検出部(51)が出力した実測データを用いて調整して、オブザーバ(55)を作成する。その際、分析部(53)は、圧縮機(30)の実際の回転速度をオブザーバ(55)に入力することによって得られるオブザーバ(55)の推定出力と実際の圧縮機(30)から得られる出力との差である出力誤差をオブザーバ(55)にフィードバックする動作を、出力誤差がなくなるまで繰り返す。出力誤差は、上記回転速度を補正する補正量に変換されてオブザーバ(55)にフィードバックされる。
続いて、分析部(53)は、圧縮機(30)の標準的な動作条件(例えば、回転速度)を表す仮想入力データをメモリから読み出し、モデル作成部(52)で作成されたオブザーバ(55)に仮想入力データを入力する入力動作を行う。この入力動作によれば、分析時の劣化度合いの圧縮機(30)の標準的な動作条件における動作状態を表す仮想出力データ(例えば、圧縮機効率)が取得される。
続いて、分析部(53)は、圧縮機(30)の状態を判定する動作を分析動作として行う。この分析動作では、まず分析部(53)が、正常な状態の圧縮機(30)の標準的な動作条件における動作状態を表す比較用のデータをメモリから読み出す。分析部(53)のメモリには、仮想出力データで得られるのと同じ項目のデータからなる比較用のデータが予め記憶されている。比較用のデータとしては、仮想入力データと同じ動作条件で、正常な状態の圧縮機(30)を実際に運転させたときのセンサの検出値から、予め作成したものを用いることができるし、正常な状態の圧縮機(30)をモデル化した基準モデル(60)に同じ仮想入力データを入力した際に得られる基準モデル(60)の出力データから、作成したものを用いることもできる。
そして、分析部(53)は、仮想出力データを比較用のデータと比較することによって、圧縮機(30)の状態を分析する。分析部(53)は、仮想出力データと比較用のデータの比較を、同じ項目のデータ同士の間で行うことによって、圧縮機(30)の状態を分析する。分析部(53)では、圧縮機(30)がどの程度損傷しているかのが判定される。
この変形例1では、圧縮機(30)の実際の状態が反映された仮想出力データが、分析装置(50)自らが設定した所定の動作条件で取得されるようにしている。このため、分析装置(50)自らが設定する所定の動作条件に対して、仮想出力データとの比較に用いる比較用のデータを準備すれば、圧縮機(30)の状態を分析することができる。従って、比較用のデータを様々な動作条件に対して準備する必要がないので、比較用のデータのデータ量を削減することができる。
また、例えば、仮想モデルを定期的に作成し、その度に仮想モデル(55)に同じ動作条件を入力すれば、一定の動作条件で仮想モデル(55)の変化を観察することが可能である。つまり、一定の動作条件で圧縮機(30)の状態の変化を観察することが可能である。従って、分析装置(50)をそのように構成してもよい。この場合、比較用のデータなしに、圧縮機(30)の状態を分析することが可能である。
−実施形態の変形例2−
上記実施形態の変形例2について説明する。この変形例2では、モデル作成部(52)が、正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)を作成し、仮想モデル(55)を基準モデル(60)と比較することによって分析時の冷凍装置(10)の状態を分析する。このモデル同士の比較では、パラメータや変数が比較される。
具体的に、モデル作成部(52)は、冷凍装置(10)を据え付けた直後に、運転状態検出部(51)が検出した実測データを用いて、予め設定されている基礎モデルのパラメータを調整することによって、基準モデル(60)を作成する。図6に示すように、基準モデル(60)を作成する際は、基礎モデルのパラメータを調整した基準モデル(60)の出力と実測データとの偏差(基準用偏差)を基準モデル(60)にフィードバックする動作が、基準用偏差がなくなるまで繰り返される。また、仮想モデル(55)を作成する際も、同様に、基礎モデルのパラメータを調整した仮想モデル(55)の出力と実測データとの偏差(判定用偏差)を仮想モデル(55)にフィードバックする動作が、判定用偏差がなくなるまで繰り返される。
分析部(53)で行われる比較・判定では、基準モデル(60)のパラメータである基準用パラメータと、仮想モデル(55)のパラメータである判定用パラメータとを比較することによって、冷凍装置(10)の状態が判定される。また、比較・判定では、基準モデル(60)の変数である基準用変数と、仮想モデル(55)の変数である判定用変数とを比較することによって、冷凍装置(10)の状態が判定される。また、比較・判定では、基準モデル(60)を作成する際にフィードバックされる基準用偏差と、仮想モデル(55)を作成する際にフィードバックされる判定用偏差とを比較することによって、冷凍装置(10)の状態が判定される。つまり、モデル同士の比較に加えて、仮想モデル(55)を作成する過程の出力と、基準モデル(60)を作成する過程の出力とに基づいて、冷凍装置(10)の状態が判定される。これら比較・判定では、例えば、フィルタの目詰まり、および熱交換器(34,37)の熱交換効率の低下度合いが、どの程度の状態になっているのかが判定される。
この変形例2では、仮想モデル(55)の出力そのものではなく、仮想モデル(55)のパラメータ、仮想モデル(55)の変数、および仮想モデル(55)の出力と実測データとの偏差を用いて、冷凍装置(10)の状態が分析される。
この変形例2では、正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)を比較することによって、冷凍装置(10)の状態が分析される。冷凍装置(10)の実際の状態は、仮想モデル(55)自体に反映される。このため、正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)との違いから、比較用のデータなしに、冷凍装置(10)の状態を分析することが可能である。すなわち、比較用のデータを予め準備することなく、冷凍装置(10)の状態を分析することが可能である。
なお、この変形例2では、冷凍装置(10)の仮想モデル(55)を冷凍装置(10)の基準モデル(60)と比較したが、分析装置(50)が、正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の回路構成機器(例えば、圧縮機(30))をモデル化した基準モデル(60)と、その回路構成機器の仮想モデル(55)を比較することによって、その回路構成機器の状態を分析することも可能である。この構成では、回路構成機器の実際の状態が、仮想モデル(55)自体に反映さえる。このため、正常な状態の回路構成機器をモデル化した基準モデル(60)と仮想モデル(55)との違いから、比較用のデータを予め準備することなく、回路構成機器の状態を分析することが可能である。
−実施形態の変形例3−
上記実施形態の変形例3について説明する。この変形例3では、分析部(53)が、標準的な運転条件における仮想モデル(55)の出力である仮想出力データを用いて、各回路構成機器におけるエクセルギの変化量や、各回路構成機器において冷媒に出入りする熱量を算出するように構成されている。分析部(53)は、各回路構成機器におけるエクセルギの変化量や、各回路構成機器において冷媒に出入りする熱量を用いて、冷凍装置(10)の状態を分析する動作を、分析動作として行う。
具体的に、分析部(53)は、仮想出力データとして、圧縮機(30)の入口(蒸発器(34,37)の出口)における冷媒の温度及びエントロピ(図7における点Aの座標値)と、圧縮機(30)の出口(凝縮器(34,37)の入口)における冷媒の温度及びエントロピ(図7における点Bの座標値)と、膨張弁(36)の入口(凝縮器(34,37)の出口)における冷媒の温度及びエントロピ(図7における点Eの座標値)と、膨張弁(36)の出口(蒸発器(34,37)の入口)における冷媒の温度及びエントロピ(図7における点Gの座標値)と、凝縮器(34,37)に流入する空気の温度と、蒸発器(34,37)に流入する空気の温度とを取得する。
ここで、T−s線図(図7)において、冷凍サイクルを表すラインを利用して領域分けされた各領域の面積を用いると、回路構成機器(圧縮機(30)、凝縮器(34,37)、膨張弁(36)、蒸発器(34,37))におけるエクセルギの変化量を知ることが可能である。図7において、Thは、凝縮器(34,37)に流入する空気の温度、Tcは、蒸発器(34,37)に流入する空気の温度をそれぞれ表している。
また、点Aは、圧縮機(30)の入口(蒸発器(34,37)の出口)の冷媒の温度とエントロピから定まる点である。点Bは、圧縮機(30)の出口(凝縮器(34,37)の入口)の冷媒の温度とエントロピから定まる点である。点Eは、膨張弁(36)の入口(凝縮器(34,37)の出口)の冷媒の温度とエントロピから定まる点である。点Gは、膨張弁(36)の出口(蒸発器(34,37)の入口)の冷媒の温度とエントロピから定まる点である。
また、点Cは、点Bを通る等圧線と飽和蒸気線とが交わる点である。点Dは、点Cを通る等温線と飽和液線とが交わる点である。点Fは、点Eを通る等エンタルピ線と飽和液線とが交わる点である。点Hは、点Gを通る等温線と飽和蒸気線とが交わる点である。また、点Iは、点Aを通る等エントロピ線上で温度がTcになる点である。点Jは、点Aを通る等エントロピ線上で温度がThになる点である。点Kは、点Gを通る等エントロピ線上で温度がThになる点である。点Lは、点Gを通る等エントロピ線上で温度がTcになる点である。点Mは、点Bを通る等エントロピ線上で温度がThになる点である。
図7では、圧縮機(30)におけるエクセルギの増加量(圧縮機(30)の入力)が、(a)の領域の面積で表される。圧縮機(30)において冷媒に出入りする熱量(圧縮機(30)で生じる損失の大きさ)が、(b)の領域の面積で表される。凝縮器(34,37)におけるエクセルギの減少量(凝縮器(34,37)で生じる損失の大きさ)が、(c)の領域の面積で表される。膨張弁(36)におけるエクセルギの減少量(膨張弁(36)で生じる損失の大きさ)が、(d)の領域の面積で表される。蒸発器(34,37)におけるエクセルギの減少量(蒸発器(34,37)で生じる損失の大きさ)が、(e)の領域の面積で表される。逆カルノーサイクルの仕事量が(f)の領域の面積で表される。凝縮器(34,37)において冷媒に出入りする熱量(凝縮器(34,37)における放熱量)が、点Bから点Cと点Dを経て点Eに至る線の下側の領域、つまり(a)の領域に(g)の領域を加えた領域の面積(図2においてハッチングされた全面積)で表される。蒸発器(34,37)において冷媒に出入りする熱量(蒸発器(34,37)における吸熱量)が、点Gから点Hを経て点Aに至る線の下側の領域、つまり(g)の領域の面積で表される。なお、これらの値は、分析時の劣化度合いの冷凍装置(10)の標準的な運転条件における値となる。
本実施形態では、分析部(53)が、点A、点B、点Eおよび点Gの座標値と、Thの値及びTcの値とを用いて、点C、点D、点F、点H、点I、点J、点K、点Lおよび点Mの座標値を算出して、各領域の面積を算出する。
分析部(53)は、(b)の領域の面積を算出することによって、圧縮機(30)で生じる損失の大きさを算出する。また、分析部(53)は、(c)の領域の面積を算出することによって、凝縮器(34,37)で生じる損失の大きさを算出する。また、分析部(53)は、(d)の領域の面積を算出することによって、膨張弁(36)で生じる損失の大きさを算出する。また、分析部(53)は、(e)の領域の面積を算出することによって、蒸発器(34,37)で生じる損失の大きさを算出する。そして、分析部(53)は、各回路構成機器で生じる損失の大きさを、正常な状態の損失の値である基準値と比較することによって、各回路構成機器の状態や、冷媒回路(20)において冷媒漏れが生じているか否かを診断する。なお、正常な状態の損失の値は、予め分析部(53)のメモリに記憶されている。
この変形例3では、分析装置(50)自らが設定した所定の運転条件における回路構成機器でのエクセルギの変化量を用いて、冷凍装置(10)の状態が分析される。このため、回路構成機器におけるエクセルギの変化量を算出して冷凍装置(10)の状態を分析する場合でも、分析装置(50)自らが設定する所定の運転条件に対して比較用のデータを準備すれば、冷凍装置(10)を分析することができるので、比較用のデータのデータ量を削減することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、分析装置(50)が分析するのが、室外ユニット(11)に対して複数台の室内ユニット(13)が接続されたマルチタイプの空気調和装置(10)であってもよい。
また、上記実施形態について、分析装置(50)が分析するのが、食品を冷蔵又は冷凍するための庫内を冷却する冷凍装置(10)、室内の冷暖房と庫内の冷却とを行う冷凍装置(10)、熱交換器を流通する冷媒の熱を吸着剤の加熱又は冷却に用いる調湿機能付きの冷凍装置(10)、或いは、いわゆるエコキュート(登録商標)のような給湯機能を有する冷凍装置(10)であってもよい。
また、上記実施形態について、分析装置(50)が分析するのが、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行う冷凍装置(10)であってもよい。この冷凍装置(10)では、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも低い値に設定される通常の冷凍サイクルでは凝縮器となる熱交換器が、放熱器(ガスクーラ)として動作する。冷媒としては、例えば二酸化炭素が用いられる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置の状態を分析する分析装置、及びその分析装置を備えた冷凍装置について有用である。
本発明の実施形態に係る冷凍装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る分析装置におけるモデリングの流れを表すブロック図である。 本発明の実施形態に係る分析装置におけるモデリングの別の流れを表すブロック図である。 本発明の実施形態に係る分析装置の動作を表すブロック図である。 本発明の実施形態の変形例1に係る分析装置の動作を表すブロック図である。 本発明の実施形態の変形例2に係る分析装置の動作を表すブロック図である。 本発明の実施形態の変形例3に係る分析装置の動作を説明するためのT−s線図である。
符号の説明
10 冷凍装置
20 冷媒回路
30 圧縮機
34 室外熱交換器
36 膨張弁
37 室内熱交換器
50 分析装置
51 冷媒状態検出部(仮想モデル作成手段)
52 モデル作成部(仮想モデル作成手段)
53 分析部(分析手段)

Claims (7)

  1. 冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置であって、
    実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、
    上記冷凍装置(10)の所定の運転条件を表す仮想入力データを上記仮想モデル(55)に入力し、該仮想モデル(55)から得られる冷凍装置(10)の所定の運転条件における運転状態を表す仮想出力データに基づいて、冷凍装置(10)の状態を分析する分析手段(53)とを備えていることを特徴とする分析装置。
  2. 請求項1において、
    上記冷凍装置(10)の冷媒回路(20)には、圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられる一方、
    上記分析手段(53)は、上記仮想出力データとして取得した上記回路構成機器の出入口における冷媒の物理量を用いて該回路構成機器におけるエクセルギの変化量を算出し、該回路構成機器におけるエクセルギの変化量を用いて上記冷凍装置(10)の状態を分析することを特徴とする分析装置。
  3. 冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置であって、
    実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、
    正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の冷凍装置(10)をモデル化した基準モデル(60)と上記仮想モデル(55)を比較することによって上記冷凍装置(10)の状態を分析する分析手段(53)とを備えていることを特徴とする分析装置。
  4. 圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置であって、
    実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)の回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、
    上記回路構成機器の所定の動作条件を表す仮想入力データを上記仮想モデル(55)に入力し、該仮想モデル(55)から得られる回路構成機器の所定の動作条件における動作状態を表す仮想出力データに基づいて、冷凍装置(10)の状態を分析する分析手段(53)とを備えていることを特徴とする分析装置。
  5. 圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)の状態を分析する分析装置であって、
    実際に運用中の冷凍装置(10)から得られる実測データを用いて、該冷凍装置(10)の回路構成機器を実際の状態でモデル化した仮想モデル(55)を作成する仮想モデル作成手段(31)と、
    正常な状態の冷凍装置(10)から実際に得られる実測データを用いて正常な状態の回路構成機器をモデル化した基準モデル(60)と上記仮想モデル(55)を比較することによって上記回路構成機器の状態を分析する分析手段(53)とを備えていることを特徴とする分析装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記仮想モデル作成手段(31)は、物理法則に基づいて作成された基礎モデルのパラメータを上記実測データを用いて調整することによって、上記仮想モデル(55)を作成することを特徴とする分析装置。
  7. 圧縮機(30)、減圧機構(36)、及び熱交換器(34,37)が回路構成機器として設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、
    請求項1乃至6の何れか1つに記載の分析装置(50)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
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