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JP2010084669A - インバータ一体型電動圧縮機 - Google Patents

インバータ一体型電動圧縮機 Download PDF

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孝志 中神
Kouji Nakano
浩児 中野
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雅彦 浅井
Makoto Hattori
誠 服部
Kazuyoshi Niwa
和喜 丹羽
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Abstract

【課題】寄生容量結合によるノイズの迂回を低減して、低電圧ケーブルに繋がるノイズフィルタのノイズ除去効果を十分に発揮できるインバータ一体型電動圧縮機を提供する。
【解決手段】高圧電源から給電される直流電力を交流電力に変換してモータに印加するパワー基板210と、電動モータへの交流電力の印加を制御する制御基板211とを備えるインバータ装置20と、低電圧電源から給電される電力を制御基板211に対して供給する低電圧ケーブル31と制御基板211との間に配置される低電圧ノイズフィルタ基板30とを備える。低電圧ノイズフィルタ基板30を制御基板211と別個に設けることにより、寄生容量結合を低減して、ノイズ除去効果を十分に発揮させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機構を駆動する電動モータ、電動モータを制御するインバータ制御装置が圧縮機構と一体となったインバータ一体型電動圧縮機に関するものである。
エンジンを搭載しない電気自動車や燃料電池車等における車載空気調和装置は、冷媒を圧縮循環させる動力源として、電動モータを内蔵した圧縮機を有する。この圧縮機は、車載電源であるバッテリから供給された直流電力を三相交流電力に変換して電動モータに供給するインバータ装置を備える。省スペース化の要請から、インバータ装置が圧縮機構、電動モータとともに一つのハウジング内に組み込まれた一体型電動圧縮機が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
インバータ装置は、直流電力を三層交流電力に変換する複数個の半導体スイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やFET(Field Effect Transistor))が実装されたパワー基板と、CPU等の低電圧で動作する素子を有する制御通信回路が実装された制御基板とを備えている。
特開2004−190525号公報 特開2004−190547号公報
インバータ一体型電動圧縮機は、外部からのノイズがインバータ装置に流入するのを防ぐとともに、インバータ装置が発生するノイズを外部に漏洩させないために、制御基板に繋がる通信及び低電圧電源用のケーブル(以下、低電圧ケーブル)と制御基板との間にノイズフィルタを設けている。このノイズフィルタは、コモンモードチョークコイル、ノーマルモードチョークコイル、平滑コンデンサを備えている。これまで、これら部品から構成されるノイズフィルタは、制御基板上に実装されていた。
ところが、ノイズフィルタを制御基板上に実装すると、低電圧ケーブルが制御基板に接続されている部分と制御基板のCPU等の回路主要部とが近すぎるために、ノイズが伝播しやすく、ノイズフィルタの効果を十分に享受することができない。ここで、「近い」とは、空間的な近さのみならず、寄生容量結合による電気的な近さを含む意味である。つまり、ノイズは寄生容量結合成分を通ることができるので、外部からのノイズがノイズフィルタを迂回してインバータ装置に流入し、又は、インバータ装置からのノイズがノイズフィルタを迂回して外部に漏洩してしまう。
ノイズがノイズフィルタを迂回するのを避けるためには、ノイズフィルタ直下の導電パターンをなくす必要があるが、これは回路設計の自由度を奪う。また、制御基板が複数の層から構成されるような場合、ノイズフィルタ直下に内装導電パターンを設けることができない制約がある。
また、ノイズフィルタを実装するには、制御基板上にスペースが必要となり、その分だけ制御基板の面積が大きくなる。特に、寄生容量結合を小さくしようとすると、ノイズフィルタと導電パターンとの間に距離を空ける必要があり、ノイズフィルタを実装する以外にスペースが必要となる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、寄生容量結合によるノイズの迂回を低減して、低電圧ケーブルに繋がるノイズフィルタのノイズ除去効果を十分に発揮できるインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
本発明者は、これまで制御基板に実装されていたノイズフィルタを、制御基板とは別体の基板に実装することを着想した。別体の基板には、寄生容量結合の要因となる導電パターンを制御基板よりも少なくできるため、寄生容量結合によるノイズ迂回を最小限に抑えることができる。一方で、フィルタ基板を制御基板と別個に設けることは、その分だけスペースが必要となるが、これまでと同様のハウジングを用いても、制御基板の上方あるいは側方に、フィルタ基板を設ける余裕がある。したがって、制御基板とは別体の基板にノイズフィルタを実装しても、ハウジングを大きくする必要はない。
以上の検討結果に基づく本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、冷媒を吸入、圧縮して吐出する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動モータと、高圧電源から給電される直流電力を交流電力に変換して電動モータに印加するパワー基板と、電動モータへの交流電力の印加を制御する制御基板とを備え、電動モータの駆動を制御するインバータ制御装置と、低電圧電源から給電される電力を制御基板に対して供給する低電圧ケーブルと制御基板との間に配置される低電圧ノイズフィルタ基板と、圧縮機構、電動モータ、インバータ制御装置及び低電圧ノイズフィルタ基板を収容するハウジングと、を備えることを特徴とする。
本発明のインバータ一体型電動圧縮機において、ハウジングは、モジュール化されたインバータ制御装置を収容するインバータ収容部を備え、低電圧ノイズフィルタ基板は、インバータ収容部内の間隙に、制御基板の上方に制御基板に対して平行に、又は制御基板の側方に制御基板に対して垂直に配置させることができる。
本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、低電圧ノイズフィルタ基板と制御基板とが配線で繋がれており、配線と制御基板との接続部分と、低電圧ノイズフィルタ基板の配設位置が離間していても、配線を制御基板上に横断させることができる。低電圧ノイズフィルタ基板でノイズが除去されているので、配線が制御基板上を引き回されても、インバータ装置にノイズが浸入することがない。
本発明によれば、寄生容量結合によるノイズの迂回を低減して、低電圧ケーブルに繋がるノイズフィルタのノイズ除去効果を十分に発揮できるインバータ一体型電動圧縮機を提供する。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のインバータ一体型電動圧縮機1のインバータ収容部9の蓋を取り外した状態を示す平面図、図2は、さらにインバータモジュール21を取り外した状態の平面図、図3は、図1の状態の縦断面図である。
インバータ一体型電動圧縮機1は、その外郭を構成するほぼ円筒状のハウジング2を有している。ハウジング2は、電動モータ3が収容されるモータハウジング4と、図示省略の圧縮機構が収容される圧縮機ハウジング5とをボルト6により一体に締め付け固定して構成されている。ハウジング4、5は、アルミニウム合金をダイカストして作製されている。なお、ここでは、インバータ一体型電動圧縮機1の主にモータハウジング4側が図示されている。
ハウジング2内に内蔵される電動モータ3及び圧縮機構(図示省略)は、モータ軸7を介して連結され、電動モータ3の回転により圧縮機構が駆動されるように構成されている。ハウジング2(モータハウジング4)の後方端側の外周側部には、低圧冷媒ガスを吸入する吸入ポート8が設けられている。吸入ポート8からハウジング2内に吸入された冷媒ガスは、電動モータ3の周りをモータ軸7の軸線方向に流通後、圧縮機構に吸い込まれて圧縮される。圧縮機構で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、ハウジング2(圧縮機ハウジング5)内の吐出しチャンバに吐出された後、ハウジング2(圧縮機ハウジング5)の前方端側に設けられている図示略の吐出ポートから外部へと送出されるように構成されている。
このため、ハウジング2の電動モータ3が内蔵されているモータハウジング4側は、後方端側に設けられている吸入ポート8から低圧のガス冷媒が吸入され、それが圧縮機ハウジング5へと流通される低圧側部位とされる。また、モータハウジング4と結合されている圧縮機ハウジング5側は、内蔵される圧縮機構を境にしてその反モータハウジング4側が、圧縮された高圧の冷媒ガスが吐出される吐出チャンバが形成されている高圧側部位とされている。
ハウジング2には、たとえば後方端側の下部および前方端側の下部並びに上部の計3か所に図示略の取り付け足が設けられている。インバータ一体型電動圧縮機1は、この取り付け脚を介して車両の走行用原動機の側壁等に設けられる片持ち状のブラケットにボルトと腕固定設置され、車両に搭載される。なお、インバータ一体型電動圧縮機1は、一般にその一側面を片持ち型のブラケットに沿わせてモータ軸線方向を車両の前後方向または左右方向に向け、上下3点で片持ち支持されるのが通常である。
さらに、ハウジング2(モータハウジング4)の外周には、その上面部位に平面形状がほぼ矩形とされたインバータ収容部9が一体に成形されている。このインバータ収容部9は、上面が解放された所定高さの周囲壁91により囲われた箱状構造とされ、インバータ装置20を構成するインバータモジュール21が収容、設置される。インバータ収容部9の上面は、図示略の蓋で閉じられる。
インバータ収容部9は、ハウジング2の外周面に対応する部位がほぼ平らな底面とされており、その内部には、インバータモジュール21を構成するパワー基板210の裏面が接触される接触面10、インバータモジュール21が設置される設置ボス11、インバータ装置20で変換された三相交流電力を電動モータ3に給電するガラス密閉端子12が設置される取り付け溝13、高電圧用ノイズフィルタ(図示略)を介して高電圧の直流電力をインバータモジュール21に供給する中継バスパー14が設置される設置面15が設けられている。
このインバータ収容部9内には、インバータ装置20の回路部を構成するインバータモジュール21が設置ボス11にビス22を介して設置されている。インバータモジュール21は、複数個のIGBT等の半導体スイッチング素子とその駆動回路が実装されたパワー基板210と、CPU等の低電圧で駆動される制御通信回路が実装された制御基板211とが樹脂製のケースを構成して一体にモジュール化されたものである。パワー基板210の底面がインバータ収容部9内の接触面10に接触され、また、制御基板211はインバータモジュール21の箱状の上部開口を塞ぐ蓋として機能し、ハウジング2(モータハウジング4)内を流通する低圧冷媒ガスを介して冷却されるように設置されている。
インバータモジュール21には、その外周囲から突出するように、高電圧の直流電力が中継バスパー14を介してP−N端子23A、23Bと、インバータ装置20で変換された三相交流電力を電動モータ3にガラス密閉端子12を介して給電するU−V−W端子24A、24B、24Cとが設けられている。
インバータ収容部9内の一つのコーナの近傍であって、制御基板211の上にスペーサ32を介して低電圧ノイズフィルタ基板30が配設されている。また、低電圧ノイズフィルタ基板30は、制御基板211の通信回路部212を覆うように配設されている。通信及び低電圧電力給電用の低電圧ケーブル31は、低電圧ノイズフィルタ基板30を介して制御基板211の通信回路部212に繋がる導電パターン(図示略)と電気的に接続される。低電圧ノイズフィルタ基板30は、低電圧ケーブル31を介して外部からのノイズがインバータ装置20に流入するのを防ぐとともに、インバータ装置20が発生するノイズを外部に漏洩させないために設けられる。低電圧ノイズフィルタ基板30は、コモンモードチョークコイル、ノーマルモードチョークコイル、平滑コンデンサ等のノイズフィルタとして公知の部品から構成される。
以上のインバータ一体型電動圧縮機1によると、以下の効果を奏する。
車輌に搭載されている電源ユニットからの低電圧電力及び主コントローラからの指令信号は、低電圧ケーブル31、低電圧ノイズフィルタ基板30を経由して制御基板211の通信回路部212に供給される。したがって、ノイズ、電流リップルは、低電圧ノイズフィルタ基板30により除去され、制御基板211には至らない。また逆に、インバータ装置20が発生するノイズは、低電圧ノイズフィルタ基板30により、外部への漏洩が阻止される。
インバータ一体型電動圧縮機1は、これまで制御基板211上に実装していた低電圧ノイズフィルタを、制御基板211とは別体の低電圧ノイズフィルタ基板30に設けた。したがって、制御基板211上に低電圧フィルタ回路を実装する場合に比べて、寄生容量結合を低減できるので、ノイズフィルタはノイズ除去効果を十分に発揮できる。また、従来は寄生容量結合を避けるために、低電圧ノイズフィルタを実装する位置に制約があったが、別体の低電圧ノイズフィルタ基板30とすれば、このような制約を受けないので、制御基板211の回路設計の自由度が増し、制御基板211の利用できるスペースが広くなる。
インバータ一体型電動圧縮機1は、低電圧ノイズフィルタ基板30を、インバータ収容部9内のコーナの近傍に配設しているので、低電圧ノイズフィルタ基板30と周囲壁91とが近い。そうすると、インバータ収容部9内においてノイズが含まれる部分が少ないので、インバータ装置20に流入するノイズを最小化できる。また、インバータ一体型電動圧縮機1は、低電圧ノイズフィルタ基板30を、制御基板211の直上に設けている。そうすると、インバータ装置20から低電圧ノイズフィルタ基板30までの距離が短いので、インバータ装置20から発生するノイズの外部への漏洩を最小化できる。
また、インバータ一体型電動圧縮機1は、制御基板211とは別体の低電圧ノイズフィルタ基板30として設けたので、ノイズフィルタの分だけ制御基板211の面積を小さくできる。
さらに、制御基板211上に低電圧フィルタ回路を実装していた従来のインバータ一体型電動圧縮機において、インバータ収容部9内のインバータ装置20の上方には空隙が存在していた。インバータ一体型電動圧縮機1は、この空隙に低電圧ノイズフィルタ基板30を配設するので、ハウジング2の形状、寸方を変える必要がない。つまり、インバータ一体型電動圧縮機1は、ハウジング2内の無駄となっていた空隙を有効に活用し、かつノイズ除去効果を向上できる。
ところで、通信回路部212は、通信配線へのノイズ流入を防ぐために高電圧系のP−N端子23A、23BおよびU−V−W端子24A,24B,24Cから遠い、図1に示す位置(又はその近傍)に配置するのが望ましい。従来は低電圧ノイズフィルタを通信回路部212の付近に実装しなければならなかったため、ノイズフィルタ通過前のノイズが除去されていない部分を最小とするために、低電圧ケーブルの取り出し位置は、図4の一点破線で示す通信回路部212の直近に限られた。
しかるに、インバータ一体型電動圧縮機1は、低電圧ノイズフィルタ基板30を通過した後は、ノイズが除去されているので、低電圧ノイズフィルタ基板30と制御基板211とを繋ぐ配線33は、図4に示すように、比較的自由にインバータ収容部9内の制御基板211上を引き回すことができる。したがって、本発明によれば、図4に実線で囲むように、通信回路部212と離れた所に、低電圧ノイズフィルタ基板30を設け、あるいは低電圧ケーブル31の取り出し位置を設ける自由度が拡がる。
以上のインバータ一体型電動圧縮機1は、低電圧ノイズフィルタ基板30を制御基板211と平行に配置されているが、以下説明するように、本発明はこれに限らない。
図5、図6に示すように、インバータ収容部9の周囲壁91とインバータモジュール21との間に間隙がある。したがって、この間隙内に、低電圧ノイズフィルタ基板30を、制御基板211に対して垂直に配置することができる。もちろん、垂直に限らず任意の角度で配置できる。この場合、配線33は可撓性を有することが好ましい。
このように、ノイズフィルタを、低電圧ノイズフィルタ基板30として制御基板211とは別体とすることにより、インバータ収容部9の空いたスペースを有効に活用でき、しかもノイズフィルタのノイズ除去効果を十分に発揮できる。
本実施の形態におけるインバータ一体型電動圧縮機のインバータ収容部の蓋を取り外した状態を示す平面図である。 本実施の形態におけるインバータ一体型電動圧縮機のインバータモジュールを取り外した状態の平面図である。 図1の状態の縦断面図である。 他の本実施の形態におけるインバータ一体型電動圧縮機のインバータ収容部の蓋を取り外した状態を示す平面図である。 さらに他の本実施の形態におけるインバータ一体型電動圧縮機のインバータ収容部の蓋を取り外した状態を示す平面図である。 図5の状態の縦断面図である。
符号の説明
1…インバータ一体型電動圧縮機
2…ハウジング
3…電動モータ
4…モータハウジング
5…圧縮機ハウジング
9…インバータ収容部
20…インバータ装置、21…インバータモジュール、
210…パワー基板、211…制御基板、212…通信回路部
30…低電圧ノイズフィルタ基板、31…低電圧ケーブル

Claims (2)

  1. 冷媒を吸入、圧縮して吐出する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動する電動モータと、
    高圧電源から給電される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータに印加するパワー基板と、前記電動モータへの前記交流電力の印加を制御する制御基板とを備え、前記電動モータの駆動を制御するインバータ制御装置と、
    低電圧電源から給電される電力を前記制御基板に対して供給する低電圧ケーブルと前記制御基板との間に配置される低電圧ノイズフィルタ基板と、
    前記圧縮機構、前記電動モータ、前記インバータ制御装置及び前記低電圧ノイズフィルタ基板を収容するハウジングと、
    を備え、
    前記低電圧ノイズフィルタ基板は、前記制御基板とは別体であることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
  2. 前記ハウジングは、
    モジュール化された前記インバータ制御装置を収容するインバータ収容部を備え、
    前記低電圧ノイズフィルタ基板は、
    前記インバータ収容部内の間隙に、前記制御基板の上方に前記制御基板に対して平行に、又は前記制御基板の側方に前記制御基板に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
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