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JP2010071437A - 同期噛合機構 - Google Patents

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JP2010071437A
JP2010071437A JP2008242204A JP2008242204A JP2010071437A JP 2010071437 A JP2010071437 A JP 2010071437A JP 2008242204 A JP2008242204 A JP 2008242204A JP 2008242204 A JP2008242204 A JP 2008242204A JP 2010071437 A JP2010071437 A JP 2010071437A
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Japan
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coupling sleeve
pressing block
cone surface
meshing mechanism
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JP2008242204A
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Masashi Yoshino
將志 吉野
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/04Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
    • F16D23/06Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Abstract

【課題】クラッチギヤの外周コーン面にボークリングの内周コーン面が喰い付いて、シフトイン不良を生ずることのないようにした同期噛合機構を提案する。
【解決手段】カップリングスリーブのスライド時、その内周スプライン歯の先端チャンファ面がボークリング本体13のチャンファ13aと接する前に、カップリングスリーブの内周傾斜面が突起14cを介し押圧ブロック14およびボークリング本体13を対応する軸線方向(図の左斜め上方)へ変位させ、両者のコーン面14a,13bをクラッチギヤ外周コーン面に摩擦接触させる。その後は、カップリングスリーブの内周傾斜面が突起14cを押して押圧ブロック14を径方向内方へ押し、クラッチギヤ外周コーン面への押圧ブロック押し付け力を増大させる。この押し付け力増大と、押圧ブロックコーン面14aの小面積とで、押圧ブロック14の面圧が大きくなり、ボークリング本体13がクラッチギヤ外周コーン面に喰い付くのを防止し得て、シフトイン不良の問題を解消することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、マニュアルトランスミッション等に用いる同期噛合機構に関し、特に、回転メンバ間の回転同期がとれた後における噛合不良をなくす技術に関するものである。
同期噛合機構は、同軸相対回転可能な回転メンバ間の回転同期をとって、これら回転メンバを相互に回転係合させる用をなすもので、従来から種々のものが提案されているが、
大抵の場合、上記回転メンバの一方と共に回転するシンクロハブと、他方の回転メンバと共に回転するクラッチギヤと、シンクロハブの外周に軸線方向スライド可能に回転係合させたカップリングスリーブと、該カップリングスリーブの軸線方向スライドに伴って軸線方向へ押圧されるボークリングとで、概ね構成される。
作用に当たっては、上記ボークリングの軸線方向押圧時にボークリングが内周コーン面をクラッチギヤの外周コーン面に摩擦接触されることにより、上記他方の回転メンバおよびクラッチギヤを、上記一方の回転メンバおよびシンクロハブに対し回転同期させる。
そして、カップリングスリーブを更に軸線方向へスライドさせると、カップリングスリーブの内周におけるチャンファがボークリングの外周チャンファ間に入り込み、これによるボークリングの回転割り出しによって、カップリングスリーブのチャンファがクラッチギヤの外周における歯溝に整列し、カップリングスリーブをクラッチギヤに噛合させることができ、回転メンバを相互に回転係合させ得る。
ところで、上記の回転同期をとるに際しては従来、例えば特許文献1,2に記載のような構成や、特許文献3に記載のような構成を採用することが提案されている。
特許文献1,2に記載の同期噛合機構にあっては、
クラッチギヤをカップリングスリーブに回転同期させるに際し、ボークリングの内周コーン面をクラッチギヤの外周コーン面に摩擦接触させ、その後カップリングスリーブのチャンファをボークリングのチャンファに押し付けることにより、ボークリングの内周コーン面をクラッチギヤの外周コーン面に大きな力で押圧させて、上記の回転同期を実現する。
特許文献3に記載の同期噛合機構にあっては、
クラッチギヤをカップリングスリーブに回転同期させるに際し、ボークリングの内周コーン面がクラッチギヤの外周コーン面に摩擦接触された時に発生する円周方向力をサポート同期力発生機構により、クラッチギヤに向かう軸線方向のサポート同期力に変換し、このサポート同期力によりボークリングの内周コーン面をクラッチギヤの外周コーン面に大きな力で押圧させて、上記の回転同期を実現する。
特開平06−033952号公報 実開平06−008824号公報 特開2005−114156号公報
しかし、特許文献1,2に記載された同期噛合機構、および、特許文献3に記載された同期噛合機構のいずれにおいても、
ボークリング全体を一体的に、その内周コーン面がクラッチギヤの外周コーン面に押圧させるため、
回転同期させるべきメンバ間の相対回転が大きくて、要求される同期容量が大きくなるとき、クラッチギヤ外周コーン面に対するボークリング内周コーン面の押圧力も大きくなって、これらコーン面間に喰い付きを生じ易くなる。
このため、ボークリングがクラッチギヤに対し相対回転し難くなって上記ボークリングの回転割り出しが困難になり、カップリングスリーブの内周チャンファがクラッチギヤの外周歯溝に侵入し難く、クラッチギヤに対するカップリングスリーブの噛合難、所謂マニュアルトランスミッションにおけるシフト入り不良の問題を生じ易い。
本発明は、ボークリングの改良により上記のような問題を生ずることのないようにした同期噛合機構を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による同期噛合機構は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となる同期噛合機構を説明するに、これは、
同軸相対回転可能な回転メンバの一方と共に回転するシンクロハブと、他方の回転メンバと共に回転するクラッチギヤと、上記シンクロハブの外周に軸線方向スライド可能に回転係合させたカップリングスリーブと、該カップリングスリーブの軸線方向スライドに伴って軸線方向へ押圧されるボークリングとを具え、
該ボークリングの軸線方向押圧時にボークリングが内周コーン面を上記クラッチギヤの外周コーン面に摩擦接触されることにより、上記他方の回転メンバおよびクラッチギヤを、上記一方の回転メンバおよびシンクロハブに対し回転同期させて、カップリングスリーブを上記軸線方向スライド時にクラッチギヤに噛合させ得るようにしたものである。
本発明は、かかる同期噛合機構におけるボークリングを、以下のような特異な構成とする。
このボークリングは、ボークリング本体とは別体に、また上記ボークリング内周コーン面の一部を含むよう構成されると共に、上記カップリングスリーブの軸線方向スライドに伴って該ボークリング本体を軸線方向へ押圧するよう構成された押圧ブロックを具える。
また、上記クラッチギヤに対するカップリングスリーブの噛合を可能にするボークリング本体の回転割り出しが可能となるよう、上記ボークリング本体と押圧ブロックとを相対回転可能にして回転係合させた構成となす。
かかる本発明の同期噛合機構によれば、
カップリングスリーブが、上記特異な構成の押圧ブロックを介しボークリング本体を軸線方向に押圧して、ボークリング本体の内周コーン面および押圧ブロックの内周コーン面をクラッチギヤの外周コーン面に摩擦接触させるため、
面積が小さな押圧ブロックの内周コーン面とクラッチギヤ外周コーン面との間における面圧が、大面積のボークリング本体内周コーン面とクラッチギヤ外周コーン面との間における面圧よりも大きくなる。
従って、要求される同期容量が大きくなっても、押圧ブロックの内周コーン面がクラッチギヤ外周コーン面に喰い付くだけで、ボークリング本体内周コーン面がクラッチギヤ外周コーン面に喰い付くことはなく、ボークリング本体はクラッチギヤに対して容易に相対回転可能な状態に保たれる。
また、ボークリング本体と押圧ブロックとが上記のように相対回転可能に回転係合されているため、
押圧ブロックの内周コーン面が上記のごとくクラッチギヤ外周コーン面に喰い付いても、ボークリング本体はクラッチギヤに対して相対回転可能である。
よって、ボークリング本体の上記回転割り出しを妨げられることがなく、これによりクラッチギヤに対するカップリングスリーブの噛合が容易に実現可能であって、マニュアルトランスミッションにおけるシフト入り不良の問題を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す第1実施例および第2実施例に基づき詳細に説明する。
[第1実施例]
図1,2は、本発明の第1実施例になる同期噛合機構の全体を示し、図3,4は、同実施例の同期噛合機構におけるボークリングのインサートキー係合部を示し、図5は、同実施例になる同期噛合機構の動作説明図である。
図1,2により同期噛合機構の全体を説明するに、この同期噛合機構は、一方の回転メンバであるカウンターシャフト1と、他方の回転メンバである第1変速ギヤ2または第2変速ギヤ3との間を選択的に駆動結合するよう構成する。
第1変速ギヤ2および第2変速ギヤ3はそれぞれ、カウンターシャフト3上に回転自在に支持し、これら第1変速ギヤ2および第2変速ギヤ3を相互に軸線方向に離間させて両者間にシンクロハブ4を介在させる。
シンクロハブ4は、カウンターシャフト1上に一体回転可能にセレーション嵌合し、このシンクロハブ4を、第1変速ギヤ2および第2変速ギヤ3と共に、カウンターシャフト1上で軸線方向に固定する。
第1変速ギヤ2および第2変速ギヤ3の相互に隣接するボス部にそれぞれ、第1クラッチギヤ5および第2クラッチギヤ6を嵌着し、これら第1クラッチギヤ5および第2クラッチギヤ6の外周にそれぞれ、同仕様のチャンファ付きギヤ歯5a,6aを形成する。
シンクロハブ4の外周には、カップリングスリーブ7を軸線方向スライド可能にスプライン嵌合し、その内周スプライン歯7aをクラッチギヤ歯5a,6aに噛合可能な仕様とする。
カップリングスリーブ7の内周と、シンクロハブ4の外周との間に、軸線方向へ延在するインサートキー8を介在させ、このインサートキー8は図1に明示するごとく、複数個(図示例では3個)を1組として円周方向等間隔に配置する。
そして図2に明示するごとく、各インサートキー8を共通なスプレッドスプリング9により径方向外方へ附勢して、インサートキー8の凸部8aをカップリングスリーブ7の内周凹部7bに陥入させる。
これによりインサートキー8が、カップリングスリーブ7の軸線方向スライド時に、当初はこのカップリングスリーブ7と共に軸線方向へ変位し得るようにする。
第1,2クラッチギヤ5,6にそれぞれ、相互に接近する方向へ延在する先細形状の外周コーン面5b,6bを設定し、これらクラッチギヤ外周コーン面5b,6bの周囲に第1および第2ボークリング11,12を同心に配置する。
これらボークリング11,12はそれぞれ、円環状のボークリング本体13と3個の押圧ブロック14とよりなる同様なものとする。
ボークリング本体13はそれぞれ外周に、カップリングスリーブ7のスプライン歯7aがボークリング本体13を回転割り出し可能に噛み込み得るチャンファ13aを具え、内周に、クラッチギヤ外周コーン面5b,6bと同傾斜のコーン面13bを有する。
3個の押圧ブロック14はそれぞれ、図3に示すようにボークリング本体13と別体とし、図1に明示するようにインサートキー8の箇所に配して図4のごとくボークリング本体13に組み込む。
各押圧ブロック14は、ボークリング本体13のコーン面13bに連なるコーン面14aを有し、このコーン面14aとボークリング本体13のコーン面13bとでボークリング11,12の内周コーン面を構成する。
各押圧ブロック14には更に、対応するインサートキー8の端部が図2に示すように係合するインサートキー溝14bを形成し、該インサートキー溝14bの溝幅を前記ボークリング本体13の回転割り出しが可能な大きさとする。
また、インサートキー溝14bを形成した各押圧ブロック14の凸部頂面には突起14cを設け、これら突起14cは図2の下部に示すように、カップリングスリーブ7が軸線方向へスライドする時、そのスプライン歯7aがチャンファ13aに達する前に、カップリングスリーブ7の内周傾斜面7cによって径方向内方へ押されるようなものとする。
従って、これら押圧ブロック14の突起14cおよびカップリングスリーブ7の内周傾斜面7cは、本発明における押し付け力増大手段を構成する。
図3,4に示すごとく各押圧ブロック14の周方向両端にそれぞれフランジ部14dを延設し、ボークリング本体13には、該フランジ部14dを受容する凹部13cを設け、これらにより、図4に示す押圧ブロック14の組み込み状態で、各押圧ブロック14がボークリング本体13から径方向外方へ抜け出ることのないよう抑止する径方向抑止部を構成する。
しかして各押圧ブロック14は、図4に示す押圧ブロック14の組み込み状態で、前記ボークリング本体13の回転割り出しが可能となるよう、ボークリング本体13に対し周方向両側へ相対変位可能にし、そのための各押圧ブロック14とボークリング本体13との間における隙間αを、ボークリング本体13の回転割り出し量Lの半分に定める。
[同期噛合機構の作用・効果]
図1〜4につき上記した同期噛合機構の作用を、カップリングスリーブ7が第1変速ギヤ2をカウンターシャフト1に結合する場合につき、図5に基づいて以下に説明する。
図5(a)は、カップリングスリーブ7が軸線方向へスライドする前の初期状態を示す。
この状態からカップリングスリーブ7が軸線方向へスライドすると、その内周スプライン歯7aの先端におけるチャンファ面が図5(b)のようにボークリング本体13のチャンファ13aと接する前に、カップリングスリーブ7の内周傾斜面7cが突起14cを介し押圧ブロック14およびボークリング本体13を対応する軸線方向へ変位させ、両者のコーン面14a,13bをクラッチギヤ5の外周コーン面5bに摩擦接触させる。
その後は押圧ブロック14およびボークリング本体13が上記の軸線方向変位を行い得ないため、カップリングスリーブ7の内周傾斜面7cが突起14cを押して押圧ブロック14を径方向内方へ押し、クラッチギヤ外周コーン面5bに対する押圧ブロックコーン面14aの押し付け力を増大させる。
当該クラッチギヤ外周コーン面5bに対する押圧ブロックコーン面14aの押し付け力増大は、上記した押圧ブロック14およびボークリング本体13のコーン面14a,13bとクラッチギヤ外周コーン面5bとの摩擦接触とで、クラッチギヤ5(変速ギヤ2)をカウンターシャフト1(シンクロハブ4およびカップリングスリーブ7)に対し回転同期させることができる。
かかる回転同期状態で、図5(b)の隙間2α=Lにより示すごとくボークリング本体13の回転割り出しを行うことができ、図5(c)に示すようにカップリングスリーブ7を、その内周スプライン歯7aの先端におけるチャンファ面がボークリング本体13のチャンファ13aと接した位置にスライドさせることができる。
ここで上記回転同期のための同期力を発生させる押圧ブロック14のコーン面14aおよびボークリング本体13のコーン面13bは、コーン面14aの面積の方がコーン面13bの面積よりも小さいため、
クラッチギヤ外周コーン面5bに対する押圧ブロック14の面圧は、クラッチギヤ外周コーン面5bに対するボークリング本体13の面圧よりも大きくなり、押圧ブロック14はボークリング本体13よりも、クラッチギヤ外周コーン面5bに対して喰い付き易く、ボークリング本体13がクラッチギヤ外周コーン面5bに対して喰い付くことは殆どない。
この傾向は、カップリングスリーブ7の内周傾斜面7cが突起14cを押して押圧ブロック14を径方向内方へ押し、クラッチギヤ外周コーン面5bに対する押圧ブロックコーン面14aの押し付け力を増大させることで、一層顕著になる。
カップリングスリーブ7を更に軸線方向へスライドさせようとすると、図5(d)に示すように、カップリングスリーブ7の内周スプライン歯7aの先端におけるチャンファ面がボークリング本体13のチャンファ13aとのカム作用によりボークリング本体13を、そのチャンファ13a間の溝がカップリングスリーブ7の内周スプライン歯7aと整列する位置に押し分け回転される。
ところで、上記のごとく押圧ブロック14のコーン面14aが小さいため、また押圧ブロック14が径方向内方へ押し付けられるため、押圧ブロック14の面圧が高くてこの押圧ブロック14が要求同期力の大部分を受け持つこととなり、
その分、ボークリング本体13の同期力分担割合が小さくなって、ボークリング本体13がコーン面5bに喰い付くことは殆どない。
このためボークリング本体13の上記押し分け回転が何ら支障なく行われ、
図5(c)のチャンファ接触状態から同図(d)のチャンファ押し分け状態を経て、同図(e)のごとくカップリングスリーブ7の内周スプライン歯7aがクラッチギヤ5のギヤ歯5a間における歯溝内に侵入したシフト終了状態に至るシフト入り作動が重くなったり、不能になるようなシフト入り不良の問題を生ずることがない。
ちなみに、要求同期力が大きくて押圧ブロック14がコーン面5bに喰い付いたとしても、ボークリング本体13のチャンファ押し分け回転は割り出し回転と逆方向であり、
また、ボークリング本体13と押圧ブロック14とが、割り出し量Lに相当する隙間2αだけ相対回転可能にして回転係合されているため、
ボークリング本体13の上記押し分け回転が不能になることは決してなく、上記シフト入り不良の問題を生ずることはない。
なお本実施例においては、インサートキー8および押圧ブロック14を複数セット1組(図示例では3セット1組)として設け、これらを円周方向等間隔に配したため、
カップリングスリーブ7の軸線方向スライドによるボークリング本体13の軸線方向押圧力が周方向に等しく分散され、上記の作用効果を確実に達成することができる。
また、押圧ブロック14およびボークリング本体13との間に、押圧ブロック14を径方向外方へ抑止するための径方向抑止部14d,13cを設定したため、
カップリングスリーブ7の内周傾斜面7cが突起14cを押して押圧ブロック14を径方向内方へ押し、クラッチギヤ外周コーン面5bに対する押圧ブロックコーン面14aの押し付け力を増大させるという作用を確実に生起させることができ、前記の作用効果を確実に達成することができる。
[第2実施例]
図6,7は、本発明の第2実施例になる同期噛合機構の全体を示し、図8,9は、同実施例の同期噛合機構におけるボークリングのインサートキー係合部を示し、図10は、同実施例になる同期噛合機構の動作説明図である。
本実施例においても、同期噛合機構は図6,7に全体を示すように、一方の回転メンバであるカウンターシャフト1と、他方の回転メンバである第1変速ギヤ2または第2変速ギヤ3との間を選択的に駆動結合するよう構成し、
基本的には図1,2におけると同様なものとするため、以下では、図8,9につき相違点のみを説明するにとどめる。
つまり本実施例においては、図7に示すごとく第1,2クラッチギヤ5,6の外周コーン面5b,6bを囲むよう、これらの同心に配して設けた第1および第2ボークリング11,12をそれぞれ、図8,9に示すような円環状のボークリング本体13と3個の押圧ブロック14とよりなる同様な構成となす。
ボークリング本体13は外周に、カップリングスリーブ7のスプライン歯7a(図6,7参照)がボークリング本体13を回転割り出し可能に噛み込み得るチャンファ13aを具え、内周に、クラッチギヤ外周コーン面5b,6b(図6,7参照)と同傾斜のコーン面13bを有する。
3個の押圧ブロック14はそれぞれ、図8に示すようにボークリング本体13と別体とし、図6に明示するようにインサートキー8の箇所に配して図9のごとくボークリング本体13に組み込む。
各押圧ブロック14は、ボークリング本体13のコーン面13bに連なるコーン面14aを有し、このコーン面14aとボークリング本体13のコーン面13bとでボークリング11,12の内周コーン面を構成する。
各押圧ブロック14には更に、対応するインサートキー8の端部が図7に示すように係合するインサートキー溝14bを形成し、該インサートキー溝14bの溝幅を前記ボークリング本体13の回転割り出しが可能な大きさとする。
また、インサートキー溝14bを形成した各押圧ブロック14の凸部には、ボークリング13の回転方向両側面に傾斜カム面14eを設定する。
これら傾斜カム面14eは平坦面とするが、その傾斜方向を、カム面14eがシンクロハブ4の後述する対応カム面に衝接するとき、押圧ブロック14をボークリング本体13と共に対応するクラッチギヤ5,6に向かわせる軸線方向分力(サポート同期力)が発生するような傾斜方向とする。
図8,9に示すごとく各押圧ブロック14の周方向両端にそれぞれフランジ部14dを延設し、ボークリング本体13には、該フランジ部14dを受容する凹部13cを設け、これらにより、図9に示す押圧ブロック14の組み込み状態で、各押圧ブロック14がボークリング本体13から径方向外方へ抜け出ることのないよう抑止する径方向抑止部を構成する。
しかして各押圧ブロック14は、図9に示す押圧ブロック14の組み込み状態で、前記ボークリング本体13の回転割り出しが可能となるよう、ボークリング本体13に対し周方向両側へ相対変位可能にし、そのための各押圧ブロック14とボークリング本体13との間における隙間αを、ボークリング本体13の回転割り出し量Lの半分に定める。
[同期噛合機構の作用・効果]
図6〜9につき上記した同期噛合機構の作用を、カップリングスリーブ7が第1変速ギヤ2をカウンターシャフト1に結合する場合につき、図10に基づいて以下に説明する。
図10(a)は、カップリングスリーブ7が軸線方向へスライドする前の初期状態を示す。
この状態からカップリングスリーブ7が軸線方向へスライドすると、これに伴って押圧ブロック14およびボークリング本体13が同じ軸線方向へ変位され、両者のコーン面14a,13bがクラッチギヤ5の外周コーン面5bに摩擦接触される。
この摩擦接触により、押圧ブロック14およびボークリング本体13が図10(b)に示すように割り出し回転されるが、押圧ブロック14は更に、その傾斜カム面14eをクラッチハブ4の内周における対応カム面4aに衝接され、両者のカム作用で生じたサポート同期力により、押圧ブロック14のコーン面14aを一層強い力でクラッチギヤ5の外周コーン面5bに押し付ける。
従って、これら押圧ブロック14の傾斜カム面14eおよびクラッチハブ4の対応カム面4aは、本発明における押し付け力増大手段を構成する。
かくて、クラッチギヤ5(変速ギヤ2)とカウンターシャフト1(シンクロハブ4およびカップリングスリーブ7)との間における回転同期が促進されると共に、ボークリング本体13を図10(b)に示す割り出し回転位置にすることができる。
かかる回転同期後のボークリング本体13の回転割り出しにより、図10(c)に示すごとくカップリングスリーブ7を、その内周スプライン歯7aの先端におけるチャンファ面がボークリング本体13のチャンファ13aと接したチャンファ接触位置にスライドさせることができる。
ここで上記回転同期のための同期力を発生させる押圧ブロック14のコーン面14aおよびボークリング本体13のコーン面13bは、コーン面14aの面積の方がコーン面13bの面積よりも小さいため、
クラッチギヤ外周コーン面5bに対する押圧ブロック14の面圧は、クラッチギヤ外周コーン面5bに対するボークリング本体13の面圧よりも大きくなり、押圧ブロック14はボークリング本体13よりも、クラッチギヤ外周コーン面5bに対して喰い付き易く、ボークリング本体13がクラッチギヤ外周コーン面5bに対して喰い付くことは殆どない。
この傾向は、押圧ブロック14が傾斜カム面14eをクラッチハブ4の対応カム面4aに衝接された時のカム作用で生じたサポート同期力により押圧ブロック14のコーン面14aを一層強い力でクラッチギヤ5の外周コーン面5bに押し付けるため、一層顕著になる。
カップリングスリーブ7を更に軸線方向へスライドさせようとすると、図10(d)に示すように、カップリングスリーブ7の内周スプライン歯7aの先端におけるチャンファ面がボークリング本体13のチャンファ13aとのカム作用によりボークリング本体13を、そのチャンファ13a間の溝がカップリングスリーブ7の内周スプライン歯7aと整列する位置に押し分け回転される。
ところで、上記のごとく押圧ブロック14のコーン面14aが小さいため、また押圧ブロック14がカム面14e,4aのカム作用によりクラッチギヤ外周コーン面5bへの押し付け力を増大されるため、押圧ブロック14の面圧が高くてこの押圧ブロック14が要求同期力の大部分を受け持つこととなり、
その分、ボークリング本体13の同期力分担割合が小さくなって、ボークリング本体13がコーン面5bに喰い付くことは殆どない。
このためボークリング本体13の上記押し分け回転が何ら支障なく行われ、
図10(c)のチャンファ接触状態から同図(d)のチャンファ押し分け状態を経て、同図(e)のごとくカップリングスリーブ7の内周スプライン歯7aがクラッチギヤ5のギヤ歯5a間における歯溝内に侵入したシフト終了状態に至るシフト入り作動が重くなったり、不能になるようなシフト入り不良の問題を生ずることがない。
ちなみに、要求同期力が大きくて押圧ブロック14がコーン面5bに喰い付いたとしても、ボークリング本体13のチャンファ押し分け回転は割り出し回転と逆方向であり、
また、ボークリング本体13と押圧ブロック14とが、割り出し量Lに相当する隙間2αだけ相対回転可能にして回転係合されているため、
ボークリング本体13の上記押し分け回転が不能になることは決してなく、上記シフト入り不良の問題を生ずることはない。
なお本実施例においても、押圧ブロック14およびボークリング本体13との間に、押圧ブロック14を径方向外方へ抑止するための径方向抑止部14d,13cを設定したため、
押圧ブロック14がカム面14e,4aのカム作用によりクラッチギヤ外周コーン面5bへの押し付け力を増大さるという作用を確実に生起させることができ、前記の作用効果を確実に達成することができる。
本発明の一実施例になる同期噛合機構の全体を示す正面図である。 同実施例の同期噛合機構を、図1のII-II線上で断面とし、矢の方向に見て示す縦断側面図である。 同実施例の同期噛合機構におけるボークリングのインサートキー係合部を示す分解斜視図である。 同ボークリングのインサートキー係合部を組み立て状態で示す斜視図である。 同実施例になる同期噛合機構の作用説明図で、 (a)は、その初期状態を示す作用説明図、 (b)は、その割り出し状態を示す作用説明図、 (c)は、そのチャンファ接触状態を示す作用説明図、 (d)は、そのチャンファ押し分け状態を示す作用説明図、 (e)は、そのシフト終了状態を示す作用説明図である。 本発明の他の実施例になる同期噛合機構の全体を示す正面図である。 同実施例の同期噛合機構を、図6のVII-VII線上で断面とし、矢の方向に見て示す縦断側面図である。 同実施例の同期噛合機構におけるボークリングのインサートキー係合部を示す分解斜視図である。 同ボークリングのインサートキー係合部を組み立て状態で示す斜視図である。 同実施例になる同期噛合機構の作用説明図で、 (a)は、その初期状態を示す作用説明図、 (b)は、その割り出し状態を示す作用説明図、 (c)は、そのチャンファ接触状態を示す作用説明図、 (d)は、そのチャンファ押し分け状態を示す作用説明図、 (e)は、そのシフト終了状態を示す作用説明図である。
符号の説明
1 カウンターシャフト(一方の回転メンバ)
2 第1変速ギヤ(他方の回転メンバ)
3 第2変速ギヤ(他方の回転メンバ)
4 シンクロハブ
4a カム面(カム部:押し付け力増大手段)
5 第1クラッチギヤ
6 第2クラッチギヤ
5a,6a チャンファ
5b,6b 外周コーン面
7 カップリングスリーブ
7a スプライン歯
7c 内周傾斜面(押し付け力増大手段)
8 インサートキー
9 スプレッドスプリング
11 第1ボークリング
12 第2ボークリング
13 ボークリング本体
13a チャンファ
13b コーン面
13c 凹部(径方向抑止部)
14 押圧ブロック
14a コーン面
14b インサートキー溝
14c 突起(押し付け力増大手段)
14d フランジ部(径方向抑止部)
14e 傾斜カム面(カム部:押し付け力増大手段)

Claims (6)

  1. 同軸相対回転可能な回転メンバの一方と共に回転するシンクロハブと、他方の回転メンバと共に回転するクラッチギヤと、前記シンクロハブの外周に軸線方向スライド可能に回転係合させたカップリングスリーブと、該カップリングスリーブの軸線方向スライドに伴って軸線方向へ押圧されるボークリングとを具え、
    該ボークリングの軸線方向押圧時にボークリングが内周コーン面を前記クラッチギヤの外周コーン面に摩擦接触されることにより、前記他方の回転メンバおよびクラッチギヤを、前記一方の回転メンバおよびシンクロハブに対し回転同期させて、カップリングスリーブを前記軸線方向スライド時にクラッチギヤに噛合させ得るようにした同期噛合機構において、
    前記ボークリングは、ボークリング本体とは別体に、また前記ボークリング内周コーン面の一部を含むよう構成されると共に、前記カップリングスリーブの軸線方向スライドに伴って該ボークリング本体を軸線方向へ押圧するよう構成された押圧ブロックを具え、
    前記クラッチギヤに対するカップリングスリーブの噛合を可能にするボークリング本体の回転割り出しが可能となるよう、前記ボークリング本体と押圧ブロックとを相対回転可能にして回転係合させたことを特徴とする同期噛合機構。
  2. 請求項1に記載の同期噛合機構において、
    前記押圧ブロックを、ボークリングの円周方向等間隔の複数箇所に設けたことを特徴とする同期噛合機構。
  3. 請求項1または2に記載の同期噛合機構において、
    前記回転同期中に前記クラッチギヤ外周コーン面に対する前記押圧ブロックの押し付け力を増大させる押し付け力増大手段を設けたことを特徴とする同期噛合機構。
  4. 請求項3に記載の同期噛合機構において、
    前記カップリングスリーブの軸線方向スライドに伴って該カップリングスリーブの内周面が前記押圧ブロックをボークリングの径方向内方へ押動するための突起を押圧ブロックに設け、
    これらカップリングスリーブの内周面および押圧ブロックの突起により前記押し付け力増大手段を構成したことを特徴とする同期噛合機構。
  5. 請求項3に記載の同期噛合機構において、
    前記押圧ブロックの内周コーン面が前記クラッチギヤ外周コーン面に摩擦接触された時に発生する押圧ブロックの円周方向力を、クラッチギヤに向かう軸線方向のサポート同期力に変換するカム部を押圧ブロックとシンクロハブとの間に設定し、
    該カム部により前記押し付け力増大手段を構成したことを特徴とする同期噛合機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の同期噛合機構において、
    前記押圧ブロックおよびボークリング本体との間に、押圧ブロックを径方向外方へ抑止するための径方向抑止部を設定したことを特徴とする同期噛合機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102767580A (zh) * 2011-05-04 2012-11-07 现代自动车株式会社 手动变速器的同步装置
CN102788100A (zh) * 2011-05-17 2012-11-21 现代自动车株式会社 用于变速器的同步装置

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