JP2010048721A - テラヘルツ計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】テラヘルツ波信号の出力効率を向上させ、また、高速かつ高信頼性を有するテラヘルツ計測装置を提供する。
【解決手段】レーザ光ビーム11Aを出射するフェムト秒レーザ発生装置11と、レーザ光ビーム11Aをs波プローブ光ビーム11B及びs波プローブ光ビーム11Bと偏光方向の異なるp波ポンプ光ビーム11Cに2分岐させる分岐部と、p波ポンプ光ビーム11Cが入射することによりテラヘルツ波11Dを出射する非線形結晶19Aと、非線形結晶19Aから出射し被測定物100を透過したテラヘルツ波11Eとs波プローブ光ビーム11Bとの光軸を一致させるシクロオレフィンミラー22と、光軸が一致したテラヘルツ波11Eとs波プローブ光ビーム11Bとの入射により、光学変調された光信号を検出するバランスディテクタ25とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】レーザ光ビーム11Aを出射するフェムト秒レーザ発生装置11と、レーザ光ビーム11Aをs波プローブ光ビーム11B及びs波プローブ光ビーム11Bと偏光方向の異なるp波ポンプ光ビーム11Cに2分岐させる分岐部と、p波ポンプ光ビーム11Cが入射することによりテラヘルツ波11Dを出射する非線形結晶19Aと、非線形結晶19Aから出射し被測定物100を透過したテラヘルツ波11Eとs波プローブ光ビーム11Bとの光軸を一致させるシクロオレフィンミラー22と、光軸が一致したテラヘルツ波11Eとs波プローブ光ビーム11Bとの入射により、光学変調された光信号を検出するバランスディテクタ25とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、テラヘルツ計測装置に関し、特にテラヘルツ波を用いて被測定物の特性計測またはイメージングを高速かつ高精度に行う装置に関する。
近赤外光とミリ波の間に位置する0.1THzから100THzまでの周波数域(テラヘルツ領域と呼ばれる)の電磁波は、様々な物質を透過するミリ波の性質と、直進性を有する赤外光の性質を併せ持つ。従って、このテラヘルツ領域の電磁波は、様々な応用が考えられ非常に重要である。近年、半導体技術、生医学応用、農業、セキュリティ、研究開発、環境調査、通信などの分野において、テラヘルツ発生技術やテラヘルツ光源を用いたイメージングや検出技術が注目されている。
テラヘルツ波の発生と検出に関する技術は、赤外光やミリ波などの他の光源ほど開発が進んでいないが、基礎研究では潜在能力が高いことが示されている。現在、テラヘルツ波の発生に関しては、ピコ秒からフェムト秒の高出力近赤外域レーザ(波長約780nm)を用いた光伝導(PC)アンテナまたは非線形光学素子を用いてテラヘルツ放射を行う方式が研究されている。PCアンテナは、半絶縁性GaAs基板上に低温成長したGaAs層の上に、電極を形成することにより作製される。PCアンテナ間の間隙は、一般に、数マイクロメータのオーダーである。PCスイッチ間に高ピークパワーのレーザ光が照射されると、電子正孔対が生成される。一方で、電極間に印加された高電圧により、レーザ光照射で生成された電子が加速される。この加速された電子により、PCアンテナからテラヘルツ波が放射される。ホールは低動作速度のため、放射には関与しない。また、ZnTe、GaSe、GaP、LiNbO3等の非線形光学材料に、高ピークパワーのフェムト秒レーザを照射することによってもテラヘルツ波が放射される。テラヘルツ放射波はピコ秒オーダーのパルス光であり、それをフーリエ変換することによりテラヘルツスペクトルが得られる。
上記テラヘルツ波を被測定物に照射し、その透過波または反射波を検出することにより、当該被測定物の特性を計測すること、又は、当該被測定物のイメージングを行うことが可能である。
図12は、従来のテラヘルツイメージング装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツイメージング装置500は、フェムト秒レーザ発生装置501と、λ/2板502と、偏光ビームスプリッタ503と、偏光板504と、ミラー505A、505B、505C及び505Dと、ビーム拡大レンズ506A及び506Bと、チョッパ507と、光遅延ミラー508と、非線形結晶509A及び509Bと、Siウェハ510と、レンズ511と、Siミラー512と、λ/4板513と、偏光プリズム514と、バランスディテクタ515と、ロックインアンプ516と、パーソナルコンピュータ517とを備える。フェムト秒レーザ発生装置501から出射されたフェムト秒レーザビーム501A(波長780〜850nm)は、λ/2板502を透過後、偏光ビームスプリッタ503により、ポンプ光ビーム及びプローブ光ビームに2分岐される。ポンプ光ビームはチョッパ507、光遅延ミラー508及びビーム拡大レンズ506Aを通過して、テラヘルツエミッタ素子である非線形結晶509Aを励起し、テラヘルツ波を放射させる。放射されたテラヘルツ波はSiウェハ510、被測定物550及びレンズ511を透過し、Siミラー512に入射する。
一方、プローブ光ビームは、偏光板504を通過し、ミラー505D、505C、505Bで反射し、ビーム拡大レンズ506Bを通過してSiミラー512で反射される。
上記テラヘルツ波に変換されたポンプ光ビーム及びプローブ光ビームは、同じ距離を伝搬してSiミラー512に入射する。そして、Siミラー512から出射したポンプ光ビーム及びプローブ光ビームは、非線形結晶509Bにフォーカスされる。そして、非線形結晶509Bで、プローブ光ビームは、ポンプ光ビームであるテラヘルツ波の電界によって光学変調され、λ/4板513及び偏光プリズム514を通過する。通過したプローブ光ビームは、バランスディテクタ515により、テラヘルツ波信号として強度測定される。このテラヘルツ波信号の強度測定を、光遅延ミラー508をスキャンさせて行うことにより、テラヘルツ波信号の時間応答特性がロックインアンプ516にて検出される。
上述したようなイメージング装置としてのみならず、テラヘルツ波は、環境計測などへの応用としても利用される。
図13は、従来のテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置600は、フェムト秒レーザ発生装置601と、λ/2板602と、偏光ビームスプリッタ603と、偏光板604と、ミラー605A、605B、605C及び605Dと、レンズ606A、606B、610A及び610Bと、チョッパ607と、光遅延ミラー608と、光伝導スイッチ609A及び609Bと、Siミラー612と、ロックインアンプ613と、パーソナルコンピュータ614とを備える。本装置は、図12に記載されたテラヘルツイメージング装置500と比較して、ポンプ光をテラヘルツ波に変換するところから、被測定物650を通過したテラヘルツ波を検出するところまでの構成が異なる。テラヘルツ計測装置600は、気体などを通過したテラヘルツ波の吸収スペクトル等の変化を検出することにより、気体を構成する微量成分の変化を観測する場合などに用いられる。以下、図12に記載されたテラヘルツイメージング装置500と同じ点は説明を省略し、異なる点のみ説明する。
ポンプ光ビームはチョッパ607、光遅延ミラー608及びレンズ606Aを通過して、テラヘルツエミッタ素子である光伝導スイッチ609Aを励起し、テラヘルツ波を放射させる。放射されたテラヘルツ波はレンズ610A、被測定物650、及びレンズ610Bを透過し、信号検出機能を有する光伝導スイッチ609Bへ入射する。
一方、プローブ光ビームは、偏光板604を通過し、ミラー605D、605C、605B及びSiミラー612で反射され、レンズ606Bを通過し、光伝導スイッチ609Bへ入射する。
上記テラヘルツ波に変換されたポンプ光ビーム及びプローブ光ビームは、同じ距離を伝搬して光伝導スイッチ609Bに入射する。これらにより、光伝導スイッチ609Bでテラヘルツ波の電界に応じた光電流が発生する。この光電流の時間応答特性は、光遅延ミラー608をスキャンさせることにより、ロックインアンプ613にてテラヘルツ波信号として測定される。
図14(a)は、従来のテラヘルツ計測装置の測定結果を表すグラフである。同図において、5〜10psecにて、被測定物550の情報を有する出力信号波形が観測される。また、図14(b)は、従来のテラヘルツ計測装置の測定結果をフーリエ変換した結果を表すグラフである。同図において、1THz以下の範囲にて被測定物550の情報を有する出力信号波形が観測される。図14(a)及び図14(b)に記載された観測波形は、光遅延ミラー508の1回のスキャンによりサンプリングされて得られた、被測定物550の一点における出力信号である。被測定物550のイメージングを実行するには、上記光遅延ミラー508スキャンを、テラヘルツ波の照射点を変えて繰り返し行う。この被測定物550がある場合の測定スペクトルと、被測定物550がない場合の参照スペクトルとを比較することにより、被測定物550の画像信号や吸収スペクトルが得られる。
Yonera.T., Miyamaru.F., Tani.M., Hangyo.M., "Millisecond THz imaging based on two-dimensional EO sampling using a high speed CMOS camera", Conference on Lasers and Electro-Optics, 2004年5月16〜21日, vol.1 特開2006−177716号公報
Yonera.T., Miyamaru.F., Tani.M., Hangyo.M., "Millisecond THz imaging based on two-dimensional EO sampling using a high speed CMOS camera", Conference on Lasers and Electro-Optics, 2004年5月16〜21日, vol.1
しかしながら、上述した従来のテラヘルツ計測装置では、被測定物の特性測定またはイメージングのため、十分なパワーを有するテラヘルツ波を発生させる必要があるため、高ピーク出力のフェムト秒レーザ発生装置が用いられる。また、その高出力のフェムト秒レーザ発生装置は非常に高コストである。
また、検出されるテラヘルツ波信号は、その光路に配置された各デバイスでの反射や透過により減衰して微弱信号となるため、テラヘルツ波発生素子やテラヘルツ波検出素子は高出力フェムト秒レーザビームに対し、一対一の組み合わせで用いられる。特に、テラヘルツ波とプローブ光とを結合させる結合素子は、従来Siミラーが用いられている。Siミラーは、テラヘルツ波を透過させプローブ光を反射させるハーフミラーとしての機能を有する。しかし、Siミラーは、テラヘルツ波に対する透過率が十分でないため、テラヘルツ波を減衰させる一要因でもある。
また、フェムト秒レーザビームとテラヘルツ波とが一対一の組み合わせで用いられる測定系では、一点計測を繰り返すことにより、2Dスキャニングして被測定物の画像を得る。この計測方法は、必要とされるイメージング速度及び計測精度などにも悪影響を及ぼすこととなる。
上記課題に鑑み、本発明は、テラヘルツ波信号の出力効率を向上させたテラヘルツ計測装置を提供することを目的とする。さらに、出力効率が向上した測定系により、高速かつ高信頼性を有するテラヘルツ計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るテラヘルツ計測装置は、テラヘルツ波を被測定物に照射することにより当該被測定物の特性を計測するテラヘルツ計測装置であって、レーザ光ビームを出射する光源と、前記レーザ光ビームをプローブ光ビームならびに当該プローブ光ビームと偏光方向の異なるポンプ光ビームに2分岐させる分岐部と、前記ポンプ光ビームが入射することにより第1のテラヘルツ波を出射するテラヘルツ波発生部と、前記テラヘルツ波発生部から出射し前記被測定物を透過又は反射した前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの光軸を一致させる、ポリマーからなる光学結合素子を有する結合部と、前記結合部により光軸が一致した前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光信号を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
電磁波領域において、屈折率が小さい材料ほど、テラヘルツ波をはじめとした電磁波の透過率が高く、かつ、反射率が低い。ポリマーは、電磁波領域においてSiよりも屈折率が低い。
この構成をとることにより、光学結合素子のテラヘルツ波及びプローブ光ビームに対する透過率がSiからなる従来の光学結合素子よりも高いので、テラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。さらには、この出力効率の向上により、レーザ光ビームの出力を低減させることが可能となる。
また、前記光学結合素子は、シクロオレフィン(Cycloolefin)からなることが好ましい。
シクロオレフィン材料はテラヘルツ波に対して低吸収であり、また、赤外プローブ光に対して無散乱の特長を有する。これにより、テラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。
また、前記結合部は、複数の前記光学結合素子がアレイ状に配置され、前記複数の光学結合素子は、それぞれ、前記第1のテラヘルツ波を透過させ、かつ、前記プローブ光ビームの一部を透過させ一部を反射させてもよい。
ポリマー材料を光学結合素子として用いることにより、検出されるテラヘルツ波の出力効率が向上する。これにより、レーザ光ビームまたはテラヘルツ波発生素子で発生したテラヘルツ波をアレイ状に多分岐させても、各々のテラヘルツ波を十分検出することが可能となる。また、多分岐されたテラヘルツ波のそれぞれに対し、多分岐されたプローブ光ビームのそれぞれを対応づけて光学的に結合させることができる。よって、1本のレーザ光ビームから多数のテラヘルツ波を検出することが可能となり、高速なテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波発生部は、前記ポンプ光ビームを複数のポンプ光ビームに分岐させる第1のビームスプリッタアレイと、前記複数のポンプ光ビームが入射することにより複数のテラヘルツ波ビームを発生するテラヘルツ波エミッタ素子とを備え、前記複数のテラヘルツ波ビームである前記第1のテラヘルツ波を前記被測定物へ出射してもよい。
これにより、ポンプ光ビームを多分岐することが可能となるので、これらのビームから発生した多数のテラヘルツ波ビームとアレイ状に配置された光学結合素子にて多分岐されたプローブ光ビームとを、各々結合させることが可能となる。よって、光遅延ミラーを1回スキャンさせることにより、複数点での画像信号が得られるので、高速かつ高信頼性を有するテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチアレイ又は非線形結晶であり、前記検出部は、光伝導スイッチアレイ又は非線形結晶を備えてもよい。
これにより、光源からフェムト秒でパルス化されたレーザ光ビームをテラヘルツ波エミッタ素子に入射させることで、テラヘルツ波を発生させることが可能となる。また、テラヘルツ波による電界で光学変調された出力信号を効率よく検出することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチアレイであり、前記検出部は、光伝導スイッチアレイを備えてもよい。
これにより、微弱なテラヘルツ信号を発生させ計測する測定系が構築されるので、気体などを通過したテラヘルツ波の吸収スペクトル等の変化を検出することにより、気体を構成する微量成分の変化を観測する環境計測分野などに適用することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波発生部は、前記ポンプ光ビームが入射することにより第2のテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波エミッタ素子と、前記第2のテラヘルツ波を複数のテラヘルツ波ビームに分岐させる第2のビームスプリッタアレイとを備え、前記複数のテラヘルツ波ビームである前記第1のテラヘルツ波を前記被測定物へ出射してもよい。
これにより、テラヘルツ波発生素子にて発生した単一のテラヘルツ波を多分岐することが可能となる。また多分岐されたテラヘルツ波ビームが微弱信号となっても、これらのテラヘルツ波ビームとアレイ状に配置された高透過率を有する光学結合素子にて多分岐されたプローブ光ビームとを、各々効率よく結合させることが可能となる。よって、光遅延ミラーを1回スキャンすることにより、複数点での画像信号が得られ高速かつ高信頼性を有するテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチ又は非線形結晶であり、前記検出部は、光伝導スイッチアレイ又は非線形結晶を備えてもよい。
これにより、光源からフェムト秒でパルス化されたレーザ光ビームをテラヘルツ波エミッタ素子に入射させることで、テラヘルツ波を発生させることが可能となる。また、テラヘルツ波による電界で光学変調された出力信号を効率よく検出することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチであり、前記検出部は、光伝導スイッチアレイを備えてもよい。
これにより、微弱なテラヘルツ信号を発生させ計測する測定系が構築されるので、気体などを通過したテラヘルツ波の吸収スペクトル等の変化を検出することにより、気体を構成する微量成分の変化を観測する環境計測分野などに適用することが可能となる。
また、前記テラヘルツ波エミッタ素子は、非線形結晶であり、前記検出部は、非線形結晶を備えてもよい。
これにより、比較的高出力のテラヘルツ信号を発生させ計測する測定系が構築されるので、被測定物に関する画像を構築するイメージング分野などに適用することが可能となる。
また、前記検出部は、前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光学変調された光信号を出射する前記非線形結晶と、前記光信号を検出するアレイ状の平衡型光検出素子を備えてもよい。
これにより、非線形結晶から出力された変調信号の雑音を低減して検出することができるので、高S/N比を有する高精度の出力信号が得られる。
また、前記検出部は、前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光学変調された光信号を出射する前記非線形結晶と、前記光信号を検出するCCDイメージセンサとを備えてもよい。
これにより、検出された各画像信号から合成されたイメージの同時性が確保される。よって高精度な静止画像を取得することが可能となる。
また、前記検出部は、前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光学変調された光信号を出射する前記非線形結晶と、前記光信号を検出するCMOSイメージセンサとを備えてもよい。
これにより、本発明のテラヘルツ計測装置の低消費電力化および低コスト化が図られる。
また、本発明は、上記のような特徴を有するテラヘルツ計測装置として実現することができるだけでなく、このようなテラヘルツ計測装置を備えるテラヘルツイメージング装置としても、上記と同様の構成と効果がある。
本発明のテラヘルツ計測装置によれば、シリコンより低屈折率のポリマーを光学結合素子として用いるので、テラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。また、プローブ光ビームの出力も低減させることができる。また、これにより、多分岐されたテラヘルツ波ビームとプローブ光ビームとをアレイ状の上記光学結合素子にて結合することができるので、高速かつ高信頼性を有するイメージングが可能となる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1におけるテラヘルツ計測装置は、ポンプ光ビームが入射することにより第1のテラヘルツ波を出射するテラヘルツ波発生部と、被測定物を通過した第1のテラヘルツ波とプローブ光ビームとを光学的に結合させる、ポリマーからなる光学結合素子を有する結合部とを備える。これにより、光学結合素子のテラヘルツ波及びプローブ光ビームに対する透過率が高いので、テラヘルツ波信号の出力効率が向上する。
本発明の実施の形態1におけるテラヘルツ計測装置は、ポンプ光ビームが入射することにより第1のテラヘルツ波を出射するテラヘルツ波発生部と、被測定物を通過した第1のテラヘルツ波とプローブ光ビームとを光学的に結合させる、ポリマーからなる光学結合素子を有する結合部とを備える。これにより、光学結合素子のテラヘルツ波及びプローブ光ビームに対する透過率が高いので、テラヘルツ波信号の出力効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置1は、フェムト秒レーザ発生装置11と、λ/2板12と、偏光ビームスプリッタ13と、偏光板14と、ミラー15A、15B、15C及び15Dと、ビーム拡大レンズ16A及び16Bと、チョッパ17と、光遅延ミラー18と、非線形結晶19A及び19Bと、Siウェハ20と、レンズ21と、シクロオレフィンミラー22と、λ/4板23と、偏光プリズム24と、バランスディテクタ25と、ロックインアンプ26と、パーソナルコンピュータ27とを備える。なお、本願に係る図面において紙面に平行な偏光をp波、紙面に垂直な偏光をs波と呼ぶことにする。
フェムト秒レーザ発生装置11は、フェムト秒のパルス幅を有するパルスレーザ光を出力するデバイスとして機能し、例えば、波長780〜850nmのパルスレーザ光が出力される。
フェムト秒レーザ発生装置11から出射された短パルスのレーザ光ビーム11A(波長800nm、パルス幅120fsec、繰り返し1kHz、p波直線偏光)は、λ/2板12によって直線偏光のまま、偏光方向が変えられる。
偏光方向が変化したレーザ光ビーム11Aは、分岐部である偏光ビームスプリッタ13により、p波ポンプ光ビーム11C及びs波プローブ光ビーム11Bに分割される。
p波ポンプ光ビーム11Cは、チョッパ17を通過し、ミラー15Aで向きを変えた後、光遅延ミラー18に入射する。
光遅延ミラー18は、p波ポンプ光ビーム11Cの光遅延(パルスのタイミング)を調整する機能を有する。すなわち、光遅延ミラー18は、入射方向に移動機構を有しており、光パルスのタイミングをpsecオーダーで変化させることができる。
光遅延調整されたp波ポンプ光ビーム11Cは、ビーム拡大レンズ16Aを通過して、テラヘルツ発生部である非線形結晶19Aに入射する。非線形結晶19Aは、例えば、ZnTe結晶が用いられる。非線形結晶19Aは、p波ポンプ光ビーム11CがZnTe結晶中を通過するとき、非線形効果により第1のテラヘルツ波であるテラヘルツ波11Dを発生させる。
放射されたテラヘルツ波11Dは、Siウェハ20を通過し、被測定物100により吸収を受け、被測定物100の吸収スペクトル情報を有するテラヘルツ波11Eとなる。このテラヘルツ波11Eは、レンズ21を通過し、光学結合素子であるシクロオレフィンミラー22へ入射する。
一方、s波プローブ光ビーム11Bは、偏光板14を通過し、ミラー15D、15C及び15Bで反射し、ビーム拡大レンズ16Bを通過してシクロオレフィンミラー22で一部反射される。
シクロオレフィンミラー22は、シクロオレフィンを材料とした光学結合素子であり、結合部を構成する。シクロオレフィンはポリマーであり、電磁波領域における屈折率はSiに比べ低い。また、シクロオレフィンはテラヘルツ波に対して低吸収であると同時に、赤外光に対して無散乱の特徴を有する。
シクロオレフィンミラー22で反射したs波プローブ光ビーム11Bと、シクロオレフィンミラー22を通過したテラヘルツ波11Eとは、その後同一の光路で非線形結晶19Bに入射する。非線形結晶19Bでは、テラヘルツ波11Eの電界によってポッケルス効果が生じ、複屈折が生じる。このため、s波に直線偏光したs波プローブ光ビーム11Bは楕円偏光に変化する。すなわち、s波プローブ光ビーム11Bは、p波の成分を有するようになる。非線形結晶19Bは、例えば、(110)ZnTe基板が用いられる。
非線形結晶19Bから出射された上記プローブ光は、λ/4板23を通過し、偏光プリズム24にて2分岐される。
バランスディテクタ25は、偏光プリズム24から2分岐して出力され、互いに位相反転状態である2つのプローブ光の差分を電気信号に変換し、ロックインアンプ26へ出力する。
したがって、バランスディテクタ25から出力された電気信号は、シクロオレフィンミラー22から出射したテラヘルツ波11Eの大小と関係つけることができ、シクロオレフィンミラー22から出射したテラヘルツ波11Eの電界に比例した信号となる。また、上記p波成分のプローブ光が平衡型にて入力されていることにより、雑音レベルが低減されるので、高S/N比を有する電気信号が得られる。
なお、バランスディテクタ25の代わりに非平衡入力型のディテクタを用いてもよい。この場合には、高S/N比を有する電気信号は得られないが、偏光プリズム24及びλ/4板23の代わりに偏光板が配置される。これにより、テラヘルツ計測装置の部品点数が削減され、当該装置の簡素化が図られる。
上述したテラヘルツ波11Eの強度測定を、光遅延ミラー18をスキャンさせて行うことにより、被測定物100の一点におけるテラヘルツ波信号の時間応答特性が、ロックインアンプ26にて検出される。
図2(a)は、本発明の実施の形態1に係るテラヘルツ計測装置の測定結果を表すグラフである。同図において、12〜15psecにて、被測定物100を通過したテラヘルツ波11Eを反映した出力信号波形が観測される。
また、図2(b)は、本発明の実施の形態1に係るテラヘルツ計測装置の測定結果をフーリエ変換した結果を表すグラフである。同図において、1THz以下の範囲にて被測定物100を通過したテラヘルツ波11Eを反映した出力信号波形が観測される。
図2(a)及び図2(b)に記載された観測波形は、光遅延ミラー18を1回スキャンさせることによりサンプリングされた、被測定物100の一点における出力信号である。被測定物100のイメージングを実行するには、光遅延ミラー18のスキャンを、テラヘルツ波11Dの照射点を変えて繰り返し行う。この被測定物100がある場合の測定スペクトルと、被測定物100がない場合の参照スペクトルとを比較することにより、被測定物100の画像信号や吸収スペクトル分布が得られる。
また、図2(b)において、1THz以下の範囲での信号強度のピーク値は、図14(b)に記載された、Siミラーが用いられた場合のものと比較して、明確に増加していることが解る。これは、シクロオレフィンミラー22が、図12及び図13に記載されたSiミラー512及び612と比較して、テラヘルツ波の透過率が高いことに起因するものである。
ここで、光学結合素子を構成する材料として、シクロオレフィンがSiよりも優れていることを説明する。
図3は、異なる媒質を通過する電磁波の進行経路を表す図である。電磁波が屈折率n1の媒質Aから屈折率n2の媒質Bに入射するとき、電磁波はSnellの法則に従い、媒質Bの内部に入射する。すなわち、媒質Aと媒質Bとの界面において入射角をθ1、出射角をθ2としたとき、以下の式1
n1・sinθ1=n2・sinθ2 (式1)
の関係が成立する。このとき、p波(紙面に平行な偏光)に偏光した電磁波の媒質B表面における反射率Rpは、以下の式2
Rp=|(n1cosθ2−n2cosθ1)/(n1cosθ2+n2cosθ1)|2(式2)
で表される。また、s波(紙面に垂直な偏光)に偏光した電磁波の媒質B表面における反射率Rsは、以下の式3
Rs=|(n1cosθ1−n2cosθ2)/(n1cosθ1+n2cosθ2)|2(式3)
で表される。
n1・sinθ1=n2・sinθ2 (式1)
の関係が成立する。このとき、p波(紙面に平行な偏光)に偏光した電磁波の媒質B表面における反射率Rpは、以下の式2
Rp=|(n1cosθ2−n2cosθ1)/(n1cosθ2+n2cosθ1)|2(式2)
で表される。また、s波(紙面に垂直な偏光)に偏光した電磁波の媒質B表面における反射率Rsは、以下の式3
Rs=|(n1cosθ1−n2cosθ2)/(n1cosθ1+n2cosθ2)|2(式3)
で表される。
また、p波に偏光した電磁波の媒質B表面における透過率Tp、及びs波に偏光した電磁波の媒質B表面における透過率Tsは、それぞれ、以下の式4及び式5
Tp=(1−Rp)2 (式4)
Ts=(1−Rs)2 (式5)
で表される。
Tp=(1−Rp)2 (式4)
Ts=(1−Rs)2 (式5)
で表される。
図4(a)は、式1〜式5を用いて計算されたSiの反射率及び透過率の入射角依存性を表すグラフである。同図における反射率Rp及びRsならびに透過率Tp及びTsは、Siの屈折率が3.146であるとして計算されている。一方、図4(b)は、式1〜式5を用いて計算されたシクロオレフィンの反射率及び透過率の入射角依存性を表すグラフである。同図における反射率Rp及びRsならびに透過率Tp及びTsは、シクロオレフィンの屈折率が1.49であるとして計算されている。両図に記載されたグラフを比較すると、p波においては、シクロオレフィンを媒質とした方が、底角から高角(70deg)付近まで高い透過率Tp及び低い反射率Rpを保持していることがわかる。s波においても同様に、シクロオレフィンを媒質とした方が、底角から高角(60deg)付近まで高い透過率Ts及び低い反射率Rsを保持していることがわかる。
図5は、入射角が45度の場合の反射率及び透過率の屈折率依存性を表すグラフである。図5に記載されたグラフから、光学結合素子としては、低屈折率を有する材料の方が、高透過率及び低反射率が得られるので有利であることがわかる。
表1は、シクロオレフィンとSiとの透過率Tp及びTsならびに反射率Rp及びRsを比較したものである。
本実施の形態のようにポンプ光ビームをp波に偏光させることにより、発生したp波テラヘルツ波は、表1に記載された透過率Tpに対応した透過率にてシクロオレフィンミラー22を透過する。一方、プローブ光ビームをs波に偏光させることにより、s波プローブ光ビームは表1に記載された反射率Rsに対応した反射率にてシクロオレフィンミラー22を反射する。
本実施の形態及び上記考察により、シクロオレフィンを材料とした光学結合素子のテラヘルツ波及びプローブ光ビームに対する透過率は、Siからなる従来の光学結合素子よりも高いので、テラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。また、この出力効率の向上により、レーザ光ビームの出力を低減させることが可能となる。
なお、光学結合素子は、シクロオレフィンでなくてもよく、ポリマーであればよい。これは、電磁波領域において、ポリマーがSiよりも屈折率が低いことに起因するものである。シクロオレフィン以外のポリマーとしては、例えば、テフロン(登録商標)が挙げられる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるテラヘルツ計測装置は、ポンプ光ビームが入射することにより複数のテラヘルツ波ビームを出射するテラヘルツ波発生部と、被測定物を通過した当該複数のテラヘルツ波ビームと、複数のビームに分岐されたプローブ光ビームとを光学的に結合させる複数の光学結合素子を有する結合部とを備える。これにより、1本のレーザ光ビームから多数のテラヘルツ波を検出することが可能となり、高速かつ高信頼性を有するテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
本発明の実施の形態2におけるテラヘルツ計測装置は、ポンプ光ビームが入射することにより複数のテラヘルツ波ビームを出射するテラヘルツ波発生部と、被測定物を通過した当該複数のテラヘルツ波ビームと、複数のビームに分岐されたプローブ光ビームとを光学的に結合させる複数の光学結合素子を有する結合部とを備える。これにより、1本のレーザ光ビームから多数のテラヘルツ波を検出することが可能となり、高速かつ高信頼性を有するテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態2について、図面を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係るテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置2は、フェムト秒レーザ発生装置11と、λ/2板12と、偏光ビームスプリッタ13と、偏光板14と、ミラー15A、15B、15C及び15Dと、ビーム拡大レンズ16A及び16Bと、チョッパ17と、光遅延ミラー18と、Siウェハ20と、ロックインアンプ26と、パーソナルコンピュータ27と、ビームスプリッタアレイ31と、非線形結晶32A及び32Bと、光学結合素子アレイ33と、偏光板34と、フォトダイオードアレイ35とを備える。同図に記載されたテラヘルツ計測装置2は、図1に記載されたテラヘルツ計測装置1と比較して、p波ポンプ光ビーム11Cがビーム拡大レンズ16Aを通過した点から、テラヘルツ波を反映した電気信号がロックインアンプ26に入力される点までの経路における構成が異なる。以下、実施の形態1に係るテラヘルツ計測装置1と同じ点は説明を省略し、異なる点のみ説明する。
光遅延調整されたp波ポンプ光ビーム11Cは、ビーム拡大レンズ16Aを通過して、ビームスプリッタアレイ31に入射する。
ビームスプリッタアレイ31は、テラヘルツ発生部の構成要素であり、例えば、n個のガラスビームスプリッタで構成される。p波ポンプ光ビーム11Cは、まず、1段目に配置されたガラスビームスプリッタに入射し、所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置された非線形結晶32Aへ出射する。また2分岐された他方のビームは、2段目(図中では下段)に配置されたガラスビームスプリッタに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置された非線形結晶32Aへ出射する。また2分岐された他方のビームは、3段目(図中では下段)に配置されたガラスビームスプリッタに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。以下、同様の2分岐がn段目に配置されたガラスビームスプリッタまで繰り返される。この一連の動作により、p波ポンプ光ビーム11Cは、一定の遅延時間を有して連続的に出射される平行なn本のp波ポンプ光ビームへと変換される。
上記n本のp波ポンプ光ビームは、同じくテラヘルツ発生部の構成要素である非線形結晶32Aに入射する。非線形結晶32Aは、例えば、ZnTe結晶が用いられる。非線形結晶32Aは、n本のp波ポンプ光ビームがZnTe結晶中を通過するとき、非線形効果により第1のテラヘルツ波であるn本のテラヘルツ波ビーム11Fを発生させる。
放射されたn本のテラヘルツ波ビーム11Fは、それぞれ、一定の遅延時間をもって、Siウェハ20を通過し、被測定物200により吸収を受け、被測定物200の各点における吸収スペクトル情報を有するn本のテラヘルツ波ビーム11Gとなる。このn本のテラヘルツ波ビーム11Gは、それぞれ、一定の遅延時間をもって、光学結合素子アレイ33へ入射する。
一方、s波プローブ光ビーム11Bは、偏光板14を通過し、ミラー15D、15C及び15Bで反射し、ビーム拡大レンズ16Bを通過して光学結合素子アレイ33で反射される。
光学結合素子アレイ33は、図1に記載されたシクロオレフィンミラー22がアレイ状に配置された結合部であり、例えば、n個のシクロオレフィンミラーで構成される。
s波プローブ光ビーム11Bは、まず、1段目に配置されたシクロオレフィンミラーに入射し、所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置された非線形結晶32Bへ出射される。また2分岐された他方のビームは、2段目(図中では下段)に配置されたシクロオレフィンミラーに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置された非線形結晶32Bへ出射される。また2分岐された他方のビームは、3段目(図中では下段)に配置されたシクロオレフィンミラーに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。以下、同様の2分岐がn段目に配置されたシクロオレフィンミラーまで繰り返される。この一連の動作により、s波プローブ光ビーム11Bは、一定の遅延時間を有して連続的に出射される平行なn本のプローブ光ビームへと変換される。
本実施の形態のようにポンプ光ビームをp波に偏光させることにより、発生したp波のテラヘルツ波ビーム11Gは、それぞれ、表1に記載された透過率Tpに対応した透過率にて光学結合素子アレイ33の各シクロオレフィンミラーを透過する。一方、プローブ光ビームをs波に偏光させることにより、s波プローブ光ビーム11Bは表1に記載された反射率Rsに対応した反射率にて光学結合素子アレイ33の各シクロオレフィンミラーを反射する。
前述したn本のテラヘルツ波ビーム11Fと、上記n本のプローブ光ビームとは、上記シクロオレフィンミラー毎にタイミング調整されたペアとなり、その後、同一の光路で非線形結晶32Bに入射する。非線形結晶32Bでは、n本のテラヘルツ波ビーム11Fの電界により、照射された各々の点においてポッケルス効果が生じ、複屈折が生じる。このため、s波に直線偏光したn本のプローブ光ビームは楕円偏光に変化する。すなわち、n本のプローブ光ビームは、それぞれ、p波の成分を有するようになる。非線形結晶32Bは、例えば、(110)ZnTe基板が用いられる。
非線形結晶32Bの各点から出射された上記n本のプローブ光は、それぞれ、偏光板34へ入射する。
偏光板34はp波プローブ光しか通過させないようにしてあるため、プローブ光のp波成分のみを有するn本のビームが、一定の遅延時間を有して連続的にフォトダイオードアレイ35に達する。したがって、フォトダイオードアレイ35の検出信号は、光学結合素子アレイ33の表面から出射したテラヘルツ波の大小と関係つけることができ、光学結合素子アレイ33の表面から出射したテラヘルツ波の電界に比例した信号となる。
なお、フォトダイオードアレイ35の代わりに平衡入力型のバランスディテクタアレイを用いてもよい。この場合には、フォトダイオードアレイ35を用いた場合と比較して、高S/N比を有する電気信号が得られる。
上述したn本のテラヘルツ波ビーム11Gの強度測定を行うことにより、例えば、被測定物200のテラヘルツ波信号の時間応答特性が、光遅延ミラー18をスキャンさせることなくロックインアンプ26にて検出される。これにより、高速なテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
あるいは、上述したn本のテラヘルツ波ビーム11Gの強度測定を、光遅延ミラー18を1回スキャンさせて行うことにより、例えば、被測定物200の一列におけるテラヘルツ波信号の時間応答特性が、ロックインアンプ26にて検出される。つまり、本実施の形態によれば、光遅延ミラー18を1回スキャンさせることにより被測定物200の一点計測を実行する場合に比べ、光遅延ミラー18のスキャン回数を1/nに低減することが可能となる。
本発明の実施の形態2は、光学結合素子アレイ33の構成要素である各光学素子として、シクロオレフィンミラーを適用することにより実現される。シクロオレフィンに代表されるポリマーを光学結合素子の材料として用いることにより、被測定物200を通過したテラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。よって、被測定物200へ照射するテラヘルツ波を多分岐させても、出力信号を検出できる強度レベルを維持できる。これにより、1本のレーザ光ビームから多数のテラヘルツ波を検出することが可能となり、高速なテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
図7は、本発明の実施の形態2に係る第1の変形例を示すテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置3は、フェムト秒レーザ発生装置11と、λ/2板12と、偏光ビームスプリッタ13と、偏光板14と、ミラー15A、15B、15C及び15Dと、ビーム拡大レンズ16A及び16Bと、チョッパ17と、光遅延ミラー18と、非線形結晶19A及び32Bと、Siウェハ20と、ロックインアンプ26と、パーソナルコンピュータ27と、光学結合素子アレイ33と、偏光板34と、フォトダイオードアレイ35と、ビームスプリッタアレイ41とを備える。同図に記載されたテラヘルツ計測装置3は、図6に記載されたテラヘルツ計測装置2と比較して、ポンプ光ビーム11Cがビーム拡大レンズ16Aを通過した点から、複数のテラヘルツ波ビームがSiウェハ20に入射する点までの経路における構成が異なる。以下、実施の形態2に係るテラヘルツ計測装置2と同じ点は説明を省略し、異なる点のみ説明する。
光遅延調整されたp波ポンプ光ビーム11Cは、ビーム拡大レンズ16Aを通過して、テラヘルツ波発生部の構成要素である非線形結晶19Aに入射する。
非線形結晶19Aは、例えば、ZnTe結晶が用いられる。非線形結晶19Aは、p波ポンプ光ビーム11CがZnTe結晶中を通過するとき、非線形効果により第2のテラヘルツ波を発生させる。第2のテラヘルツ波はビームスプリッタアレイ41に入射する。
ビームスプリッタアレイ41は、テラヘルツ波発生部の構成要素であり、例えば、n個のSiビームスプリッタで構成される。第2のテラヘルツ波は、まず、1段目に配置されたSiビームスプリッタに入射し、所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置されたSiウェハ20へ出射する。また2分岐された他方のビームは、2段目(図中では下段)に配置されたSiビームスプリッタに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置されたSiウェハ20へ出射する。また2分岐された他方のビームは、3段目(図中では下段)に配置されたSiビームスプリッタに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。以下、同様の2分岐がn段目に配置されたSiビームスプリッタまで繰り返される。この一連の動作により、第2のテラヘルツ波は、一定の遅延時間を有して連続的に出射される平行なn本のテラヘルツ波ビーム11Hへと変換される。
上記n本のテラヘルツ波ビーム11Hは、それぞれ、Siウェハ20を通過し、被測定物200に入射する。
本発明の実施の形態2に係る第1の変形例は、光学結合素子アレイ33の構成要素である各光学結合素子として、シクロオレフィンミラーを適用することにより実現される。実施の形態2と同様、ポリマーを光学結合素子の材料として用いることにより、被測定物200を通過したテラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。これにより、1本のレーザ光ビームから多数のテラヘルツ波を検出することが可能となり、高速なテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態2に係る第2の変形例を示すテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置4は、フェムト秒レーザ発生装置11と、λ/2板12と、偏光ビームスプリッタ13と、偏光板14と、ミラー15A、15B、15C及び15Dと、ビーム拡大レンズ16A及び16Bと、チョッパ17と、光遅延ミラー18と、Siウェハ20と、ロックインアンプ26と、パーソナルコンピュータ27と、非線形結晶32Bと、光学結合素子アレイ33と、偏光板34と、フォトダイオードアレイ35と、ビームスプリッタアレイ31と、光伝導スイッチアレイ51Aと、レンズアレイ52とを備える。同図に記載されたテラヘルツ計測装置4は、図6に記載されたテラヘルツ計測装置2と比較して、テラヘルツ波発生素子が光伝導スイッチアレイ51Aである点、及び、被測定物と光学結合素子アレイ33との間にレンズアレイ52が配置されている点が構成として異なる。以下、実施の形態2に係るテラヘルツ計測装置2と同じ点は説明を省略し、異なる点のみ説明する。
ビームスプリッタアレイ31は、テラヘルツ発生部の構成要素であり、例えば、n個のガラスビームスプリッタで構成される。p波ポンプ光ビーム11Cは、まず、1段目に配置されたガラスビームスプリッタに入射し、所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置された光伝導スイッチアレイ51Aのうちの1段目の光伝導スイッチへ向けて出射される。また2分岐された他方のビームは、2段目(図中では下段)に配置されたガラスビームスプリッタに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、後段に配置された光伝導スイッチアレイ51Aのうちの2段目の光伝導スイッチへ向けて出射される。また2分岐された他方のビームは、3段目(図中では下段)に配置されたガラスビームスプリッタに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。以下、同様の2分岐がn段目に配置されたガラスビームスプリッタまで繰り返される。この一連の動作により、p波ポンプ光ビーム11Cは、一定の遅延時間を有して連続的に出射される平行なn本のp波ポンプ光ビームへと変換される。
上記n本のp波ポンプ光ビームは、同じくテラヘルツ発生部の構成要素である光伝導スイッチアレイ51Aに入射する。
光伝導スイッチアレイ51Aは、例えば、低温成長のGaAsで構成された光伝導スイッチ型のテラヘルツ波発生素子がアレイ状に配列されている。各光伝導スイッチは、表面に正電極と負電極が形成されており、電極間には約30Vの電圧が印加されている。p波ポンプ光ビームが入射されない場合は、各光伝導スイッチの表面は絶縁体であり、電流が流れない。しかし、p波ポンプ光ビームが照射されると、キャリアがGaAs内部で生成する。そのキャリアは各光伝導スイッチ表面に形成された電極による電圧印加により、瞬時に移動し、この移動のため過渡電流が各光伝導スイッチ内に流れる。この過渡電流によりn本のテラヘルツ波ビーム11Jが放射される。
本発明の実施の形態2に係る第2の変形例は、光学結合素子アレイ33の構成要素である各光学素子として、シクロオレフィンミラーを適用することにより実現される。実施の形態2と同様、ポリマーを光学結合素子の材料として用いることにより、被測定物300を通過したテラヘルツ波信号の出力効率を向上させることができる。これにより、1本のレーザ光ビームから多数のテラヘルツ波を検出することが可能となり、高速なテラヘルツ計測を実現することが可能となる。
図9は、本発明の実施の形態2に係る第3の変形例を示すテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置5は、フェムト秒レーザ発生装置11と、λ/2板12と、偏光ビームスプリッタ13と、偏光板14と、ミラー15A、15B、15C及び15Dと、ビーム拡大レンズ16A及び16Bと、チョッパ17と、光遅延ミラー18と、Siウェハ20と、ロックインアンプ26と、パーソナルコンピュータ27と、ビームスプリッタアレイ31と、光学結合素子アレイ33と、光伝導スイッチアレイ51A及び51Bとを備える。テラヘルツ計測装置5は、気体などを通過したテラヘルツ波の吸収スペクトル等の変化を検出することにより、気体を構成する微量成分の変化を観測する場合などに用いられる。同図に記載されたテラヘルツ計測装置5は、図8に記載されたテラヘルツ計測装置4と比較して、テラヘルツ波及びプローブ光ビームを検出する検出部の構成、及びレンズアレイ52が配置されていない点が異なる。以下、実施の形態2に係る第2の変形例を示すテラヘルツ計測装置4と同じ点は説明を省略し、異なる点のみ説明する。
一定の遅延時間を有して連続的に出射される平行なn本のテラヘルツ波ビーム11Jは、被測定物300を通過したn本のテラヘルツ波ビーム11Kとなり、それぞれ、光伝導スイッチアレイ51Bの有するn個の光伝導スイッチへと入射する。
一方、s波プローブ光ビーム11Bは、偏光板14を通過し、ミラー15D、15C及び15Bで反射し、ビーム拡大レンズ16Bを通過して光学結合素子アレイ33で反射される。
光学結合素子アレイ33は、図1に記載されたシクロオレフィンミラー22がアレイ状に配置された結合部であり、例えば、n個のシクロオレフィンミラーで構成される。
s波プローブ光ビーム11Bは、まず、1段目に配置されたシクロオレフィンミラーに入射し、所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、光学結合素子アレイ33と被測定物300との間に配置された光伝導スイッチアレイ51Bのうち1段目の光伝導スイッチへ出射される。また2分岐された他方のビームは、2段目(図中では下段)に配置されたシクロオレフィンミラーに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。2分岐された一方のビームは、光学結合素子アレイ33と被測定物300との間に配置された光伝導スイッチアレイ51Bのうち2段目の光伝導スイッチへ出射される。また2分岐された他方のビームは、3段目(図中では下段)に配置されたシクロオレフィンミラーに入射し、上記と同様の所定の割合で2分岐される。以下、同様の2分岐がn段目に配置されたシクロオレフィンミラーまで繰り返される。この一連の動作により、s波プローブ光ビーム11Bは、一定の遅延時間を有して連続的に出射される平行なn本のプローブ光ビームへと変換される。
光伝導スイッチアレイ51Bに到達したn本のテラヘルツ波ビーム11K及び上記n本のプローブ光ビームとは、上記シクロオレフィンミラー毎にタイミング調整されたペアとなり、光伝導スイッチアレイ51Bの有する各光伝導スイッチに入射する。これらにより、各光伝導スイッチで各テラヘルツ波ビームの電界に応じた光電流が発生する。この光電流の時間応答特性は、ロックインアンプ26にてテラヘルツ波信号として測定される。
上述したn本のテラヘルツ波ビーム11Kの強度測定をほぼ同時に行うことにより、例えば、被測定物300のテラヘルツ波信号が、広い面積にわたり検出される。これにより、高速なテラヘルツイメージングを実現することが可能となる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る第4の変形例を示すテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置6は、本実施の形態に係るテラヘルツ計測装置2と本実施の形態に係る第3の変形例であるテラヘルツ計測装置5とを組み合わせたものである。つまり、図9に記載されたテラヘルツ計測装置5の光伝導スイッチアレイ51Aを、非線形結晶32Aに置き換えたものである。よって、それ以外のテラヘルツ計測装置5と同様の構成については説明を省略する。
この構成においても、本実施の形態に係る第3の変形例であるテラヘルツ計測装置5と同様の効果を奏する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る第5の変形例を示すテラヘルツ計測装置の機能構成図である。同図に記載されたテラヘルツ計測装置7は、本実施の形態に係る第2の変形例であるテラヘルツ計測装置4の構成を一部変形したものである。つまり、図8に記載されたテラヘルツ計測装置4の検出部を構成するフォトダイオードアレイ35を、CCD/CMOSイメージセンサ61に置き換えたものである。よって、それ以外のテラヘルツ計測装置4と同様の構成については説明を省略する。
検出部の構成要素としてCCDイメージセンサが配置された場合、当該CCDイメージセンサで検出された各画像信号から合成されたイメージの同時性が確保される。よって高精度な静止画像を取得することが可能となる。
検出部の構成要素としてCMOSイメージセンサが配置された場合、本発明のテラヘルツ計測装置の低消費電力化および低コスト化が図られる。
以上のように、本実施の形態によれば、シクロオレフィンに代表されるポリマーが光学結合素子として用いられることにより、フェムト秒レーザを複数ビームに分けても、ポンプ光路長とプローブ光路長を同じにしてあれば、広い面積のイメージングを実現できることになる。そして、アレイ化された光学結合素子及びテラヘルツ検出素子を使用する事によって、短時間で空間的なテラヘルツ信号が得られ、光遅延ミラーをスキャンせずに高速でテラヘルツ信号が検出される。これにより、リアルタイムでのテラヘルツ計測やテラヘルツイメージングが可能となる。
なお、実施の形態1及び2では、被測定物に入射したテラヘルツ波の透過モードを計測したが、本発明はテラヘルツ波の反射モードを計測する場合にも適用される。光照射によってキャリアを発生する材料の場合、例えば、半絶縁性GaAs基板の表面に付着した異物(有機物)を調べたい場合などに有用である。この場合、被測定物の表面で反射したテラヘルツ波を光学結合素子に入射させることにより、実施の形態1及び2と同様の効果を有するテラヘルツ計測装置を実現することが可能である。
以上、実施の形態1及び2について述べてきたが、本発明に係るテラヘルツ計測装置は、上記実施の形態に限定されるものではない。実施の形態1及び2における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施形態や、実施の形態1及び2に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係るテラヘルツ計測装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
本発明は、センシング分野やイメージング分野における検出装置として利用でき、特にセキュリティ、非破壊検査、バイオ/メディカル、食品検査/農業、環境など、高精度かつ高速な計測が要求されるテラヘルツ計測装置として用いるのに最適である。
1、2、3、4、5、6、7、600 テラヘルツ計測装置
11、501、601 フェムト秒レーザ発生装置
11A レーザ光ビーム
11B s波プローブ光ビーム
11C p波ポンプ光ビーム
11D、11E テラヘルツ波
11F、11G、11H、11J、11K テラヘルツ波ビーム
12、502、602 λ/2板
13、503、603 偏光ビームスプリッタ
14、34、504、604 偏光板
15A、15B、15C、15D、505A、505B、505C、505D、605A、605B、605C、605D ミラー
16A、16B、506A、506B ビーム拡大レンズ
17、507、607 チョッパ
18、508、608 光遅延ミラー
19A、19B、32A、32B、509A、509B 非線形結晶
20、510 Siウェハ
21、511、606A、606B、610A、610B レンズ
22 シクロオレフィンミラー
23、513 λ/4板
24、514 偏光プリズム
25、515 バランスディテクタ
26、516、613 ロックインアンプ
27、517、614 パーソナルコンピュータ
31、41 ビームスプリッタアレイ
33 光学結合素子アレイ
35 フォトダイオードアレイ
51A、51B 光伝導スイッチアレイ
52 レンズアレイ
61 CCD/CMOSイメージセンサ
100、200、300 被測定物
500 テラヘルツイメージング装置
512、612 Siミラー
609A、609B 光伝導スイッチ
11、501、601 フェムト秒レーザ発生装置
11A レーザ光ビーム
11B s波プローブ光ビーム
11C p波ポンプ光ビーム
11D、11E テラヘルツ波
11F、11G、11H、11J、11K テラヘルツ波ビーム
12、502、602 λ/2板
13、503、603 偏光ビームスプリッタ
14、34、504、604 偏光板
15A、15B、15C、15D、505A、505B、505C、505D、605A、605B、605C、605D ミラー
16A、16B、506A、506B ビーム拡大レンズ
17、507、607 チョッパ
18、508、608 光遅延ミラー
19A、19B、32A、32B、509A、509B 非線形結晶
20、510 Siウェハ
21、511、606A、606B、610A、610B レンズ
22 シクロオレフィンミラー
23、513 λ/4板
24、514 偏光プリズム
25、515 バランスディテクタ
26、516、613 ロックインアンプ
27、517、614 パーソナルコンピュータ
31、41 ビームスプリッタアレイ
33 光学結合素子アレイ
35 フォトダイオードアレイ
51A、51B 光伝導スイッチアレイ
52 レンズアレイ
61 CCD/CMOSイメージセンサ
100、200、300 被測定物
500 テラヘルツイメージング装置
512、612 Siミラー
609A、609B 光伝導スイッチ
Claims (14)
- テラヘルツ波を被測定物に照射することにより当該被測定物の特性を計測するテラヘルツ計測装置であって、
レーザ光ビームを出射する光源と、
前記レーザ光ビームをプローブ光ビームならびに当該プローブ光ビームと偏光方向の異なるポンプ光ビームに2分岐させる分岐部と、
前記ポンプ光ビームが入射することにより第1のテラヘルツ波を出射するテラヘルツ波発生部と、
前記テラヘルツ波発生部から出射し前記被測定物を透過又は反射した前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの光軸を一致させる、ポリマーからなる光学結合素子を有する結合部と、
前記結合部により光軸が一致した前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光信号を検出する検出部とを備える
テラヘルツ計測装置。 - 前記光学結合素子は、シクロオレフィン(Cycloolefin)からなる
請求項1記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記結合部は、複数の前記光学結合素子がアレイ状に配置され、
前記複数の光学結合素子は、それぞれ、前記第1のテラヘルツ波を透過させ、かつ、前記プローブ光ビームの一部を透過させ一部を反射させる
請求項1または2に記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波発生部は、
前記ポンプ光ビームを複数のポンプ光ビームに分岐させる第1のビームスプリッタアレイと、
前記複数のポンプ光ビームが入射することにより複数のテラヘルツ波ビームを発生するテラヘルツ波エミッタ素子とを備え、
前記複数のテラヘルツ波ビームである前記第1のテラヘルツ波を前記被測定物へ出射する
請求項3記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチアレイ又は非線形結晶であり、
前記検出部は、光伝導スイッチアレイ又は非線形結晶を備える
請求項4記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチアレイであり、
前記検出部は、光伝導スイッチアレイを備える
請求項4記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波発生部は、
前記ポンプ光ビームが入射することにより第2のテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波エミッタ素子と、
前記第2のテラヘルツ波を複数のテラヘルツ波ビームに分岐させる第2のビームスプリッタアレイとを備え、
前記複数のテラヘルツ波ビームである前記第1のテラヘルツ波を前記被測定物へ出射する
請求項3記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチ又は非線形結晶であり、
前記検出部は、光伝導スイッチアレイ又は非線形結晶を備える
請求項7記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波エミッタ素子は、光伝導スイッチであり、
前記検出部は、光伝導スイッチアレイを備える
請求項7記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記テラヘルツ波エミッタ素子は、非線形結晶であり、
前記検出部は、非線形結晶を備える
請求項4または7に記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記検出部は、前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光学変調された光信号を出射する前記非線形結晶と、
前記光信号を検出するアレイ状の平衡型光検出素子を備える
請求項5、8及び10のうちいずれか1項に記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記検出部は、前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光学変調された光信号を出射する前記非線形結晶と、
前記光信号を検出するCCDイメージセンサとを備える
請求項5、8及び10のうちいずれか1項に記載のテラヘルツ計測装置。 - 前記検出部は、前記第1のテラヘルツ波と前記プローブ光ビームとの入射により光学変調された光信号を出射する前記非線形結晶と、
前記光信号を検出するCMOSイメージセンサとを備える
請求項5、8及び10のうちいずれか1項に記載のテラヘルツ計測装置。 - 請求項1〜13のうちいずれか1項に記載のテラヘルツ計測装置を備え、前記被測定物の画像信号を出力する
テラヘルツイメージング装置。
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