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JP2009522380A - 抗腫瘍活性を有するタキソール誘導体 - Google Patents

抗腫瘍活性を有するタキソール誘導体 Download PDF

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JP2009522380A
JP2009522380A JP2008549744A JP2008549744A JP2009522380A JP 2009522380 A JP2009522380 A JP 2009522380A JP 2008549744 A JP2008549744 A JP 2008549744A JP 2008549744 A JP2008549744 A JP 2008549744A JP 2009522380 A JP2009522380 A JP 2009522380A
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alkyl
salt
hydroxyl
group
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JP2008549744A
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スン,ピャオヤン
ライ,シンシェン
ユアン,カイホン
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Shanghai Hengrui Pharmaceutical Co Ltd
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Shanghai Hengrui Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

以下の式:
【化1】
Figure 2009522380

(式中、R1、R2、Z1、Z2、Z3およびZ4が、明細書通りに定義される)
で表されるタキソール誘導体またはそれらの塩類。それらの調製法および抗腫瘍剤としてのそれらの使用もまた開示する。

Description

本発明は、抗腫瘍活性を有する新規なタキソール誘導体に関する。
タキソールは、タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)の樹幹から少量を得ることができる以下の化学式
Figure 2009522380
で表される天然化合物である。
タキソールは、抗腫瘍活性を有し、その作用機序は、細胞分裂時に微小管の脱重合阻害作用に基づき、それによって臨床適用における一般的な抗腫瘍剤とは異なる抗腫瘍剤として期待されたことは当該技術分野で知られている。
タキソールは、天然供給源からごく少量だけ得ることができるが、最近、タキソール誘導体の合成が、以下の構造:
Figure 2009522380
を有する出発物質の10−O−デアセチルバッカチンIIIを用いることによって開示された。
タキソール前駆体として式IIIで表される化合物は、比較的大量にイチイ科(taxaceous)植物の葉などから得ることができる。化合物の中でとりわけ、以下の構造:
Figure 2009522380
を有する化合物(タキソテール(Taxotere)(商標))は、タキソールと同様か、またはそれよりも高い抗腫瘍活性を有する化合物として注目されており、現在抗腫瘍剤として開発中である。
タキソールおよびタキソテール(商標)もまた、所望の抗腫瘍化合物である。しかしながら、臨床試験によれば、前記化合物は、消化器癌、特に大腸癌に対する効力が低いことが知られており、そのため、より強力な抗腫瘍作用を有する誘導体の開発に大きな関心が向けられている。
タキソール誘導体の9位は、一般にケトン基であるが、9位が還元されている幾つかの誘導体も知られている。9位にα−配置ヒドロキシル基を有する化合物は、天然供給源から得られ、前記化合物の化学的修飾により得られた種々のタイプの9位α−ヒドロキシル基誘導体が報告されている。また、9位にβ−配置ヒドロキシル基を有する化合物は、還元剤を用いて10−O−デアセチルバッカチンIIIを還元することによって化学的に合成できることが当該技術分野で知られており、前記化合物の化学的修飾により得られた種々のタイプの9位β−ヒドロキシル基誘導体が報告されている(例えば、国際公開第94/20088号パンフレットを参照)。
本発明者は、鋭意検討した結果、前述の9位β−ヒドロキシル基タキソール誘導体の抗腫瘍活性は、その9位ヒドロキシル基および10位ヒドロキシル基が環式アセタールに変換される場合に大幅に増加することを見出した。これに基づいて、本発明は達成された。
したがって、本発明は、以下の一般式:
Figure 2009522380
で表される化合物またはその塩類に関するものであり、
式中:
1またはR2の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン置換アルキルまたは
Figure 2009522380
からなる群から選択されるR1、R2、Nおよび/またはOから構成される基を表し;
1は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルを表し;
2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルを表し;
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基を表し、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基の各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アシル、アミドおよびアシルオキシからなる群から選択される1つ以上の基により任意に置換されており;
4は、アルキル、アリールまたはアルコキシを表し、前記アルキル、アリールまたはアルコキシの各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキル、アルコキシル、フェニル、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アシル、アミドおよびアシルオキシからなる群から選択される1つ以上の基により任意に置換されており;
置換基Z3が結合している3’位の配置は、双方の配置のうちの1つであり得るが、天然タキソールと同じ配置であることが好ましい。また、7位の配置は、α−配置またはβ−配置のいずれかである。
本発明のタキソール誘導体は、それ自体の遊離形態で、ならびに酸付加塩またはカルボン酸塩の形態であり得る。酸付加塩の例としては、限定はしないが、硫酸塩、硝酸塩、臭素酸水素塩、ヨウ素酸水素塩、およびリン酸塩を含んでなる無機酸塩類、ならびに限定はしないが、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、および乳酸塩を含んでなる有機酸塩類が挙げられる。
カルボキシル基の塩類の例は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩類、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩類、ならびにアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、N−メチルグルカミン塩、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩などを含む無機塩類または有機塩類のいずれかであり得る。
本発明の化合物の調製法は、以下に記載される通りである。反応中、置換基は必要に応じて、保護基により保護することができ、各置換基の変換順序は特に限定されない。
合成法:
Figure 2009522380
上記反応スキームにおいて、
1またはR2の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン置換アルキルまたは
Figure 2009522380
からなる群から選択されるR1、R2、Nおよび/またはOから構成される基を表す。
本発明の化合物は、肺癌、消化器癌、卵巣癌、子宮癌、乳癌、肝臓癌、頭頸部癌、血液癌、腎臓癌、睾丸腫瘍などの種々の癌治療に使用できる。
本発明の化合物の好適な投与経路としては、限定はしないが、静脈内、筋内、皮下などの種々の注射、または経口投与、経皮吸収などの種々の他の投与経路を挙げることができる。好ましい投与経路は、液剤による静脈内注射および経口である。液剤は、薬理学的に許容できる酸による酸付加体またはナトリウムなどのアルカリ金属塩を形成することにより調製できる。経口投与の場合、化合物は、その遊離形態または塩の形態であり得る。
好適な製薬製剤は、本発明の種々の投与によって選択でき、従来の様式で製剤化できる。本発明の抗腫瘍剤の剤形において、経口投与の例としては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油剤または水性懸濁剤などが挙げられる。注射投与の場合、安定化剤、防腐剤、可溶化剤などを製剤に使用できる。注射剤を含有する助剤は、容器に調剤でき、凍結乾燥などによる固体製剤(使用前に再度溶解できる)から作製できる。
液体製剤としては、液剤、懸濁剤、乳剤などが挙げられる。懸濁化剤、乳化剤などは、前記製剤を調製する際に添加剤として使用できる。
本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトの癌治療に使用できる。ヒトの場合、適切な間隔で1日1回反復して投与することが好ましいと考えられる。
投与用量は、約0.5〜約50mg/m2体表面積、好ましくは約1〜約20mg/m2体表面積である。
以下の実施例および試験例は、本発明をより明瞭に理解し、実施するために当業者に提供されるが、これらは、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではなく、あくまでその例示および典型例とみなすべきである。
Figure 2009522380
ステップ1
9β−10−デアセチル−9−ジヒドロバッカチンIII
Figure 2009522380
10−デアセチルバッカチンIII A(1.4g、2.57mmol、1.0当量)、40mlの無水ジクロロメタンおよび40mlの無水1,4−ジオキサンを、250mlの乾燥三頚フラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、25℃〜30℃の温度を維持しながら溶液を得た。次いでこの溶液に、攪拌しながら水素化ホウ素t−ブチルアンモニウム(2.65g、0.3mmol、4.0当量)を加えて混合物を形成した。添加が完了したら、混合物を25℃〜30℃で19時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=40:1)による反応追跡により、出発物質が完全に反応したことが示される。この混合物を、氷/塩浴内で冷却し、1N塩酸溶液でpH6に調整した。次いで、この混合物に水を素早く加え、氷浴を除去した。混合物を0.5〜1時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(100mL×4)で抽出して有機抽出物を得た。有機抽出物を合わせて、水(25ml×1)と飽和ブライン(25ml×1)とで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して残渣を得た。溶出液として(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール=15:25:1)を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して85%の収率で9β−10−デアセチル−9−ジヒドロバッカチンIII B(1.2g、白色様固体)を得た。
Rf=0.42(酢酸エチル:メタノール=40:1(V/V))。
MW=546、ESI−MS:[M+H]+=547。
1H−NMR(CD3OD、400MHz):δ8.11〜7.4(m,5H,Ar−H)、6.1(d,J=5.3Hz,1H,C2−H)、5.1(d,J=5.7Hz,1H,C10−H)、5.0(d,J=8.9Hz,1H,C5−H)、4.8(b,1H,C13−H)、4.6〜4.5(d,J=5.7Hz,1H,C9−H)、4.3〜4.2(d,J=7.7Hz,1H,C20−Hα)、4.2〜4.1(d,J=7.7Hz,1H,C20−Hβ)、3.9(dd,J=7.3Hz,J’=9.7Hz,1H,C7−H)、3.3〜3.2(d,J=4.9Hz,1H,C3−H)、2.6〜2.4(m,1H,C6−Hα)、2.4〜2.3(m,1H,C14−Hα)、2.3〜2.2(m,1H,C14−Hβ)、2.2(s,3H,Ac−CH3)、1.9(s,3H,C18−H)、1.9〜1.8(m,1H,C6−Hβ)、1.7(s,3H,C16−H)、1.6(s,3H,C19−H)、1.2(s,3H,C17−H)。
ステップ2
9β−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)バッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ1から得られた化合物、9β−10−デアセチル−9−ジヒドロバッカチンIII B(1.2g、2.20mmol、1.0当量)を、60mlの無水ジクロロメタンに懸濁して溶液を得た。次いでこの溶液に、アクロレインジエチルアセタール(1.68ml、11.0mmol、5.0当量)および二塩化ビス(シクロペンタジエニル)チタン(IV)(0.05g、0.22mmol、0.2当量)を、アルゴン雰囲気下、攪拌しながら加えて混合物を形成した。添加が完了したら、混合物を24℃〜28℃の温度に維持しながら18時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=40:1)による反応追跡により、出発物質が完全に反応したことが示される。この反応をトリエチルアミンでクエンチし(pH7に調整)、減圧下、ロータリー・エバポレーションにより溶液を留去して残渣を得た。溶出液として(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して75.9%の収率で9β−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)バッカチンIII C(0.979g、白色様固体)を得た。
Rf=0.44(溶出液:ヘキサン:酢酸エチル=1:1(V/V))。
MW=584、ESI−MS:[M+H]+=585。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.2〜7.4(m,5H,Ar−H)、6.2〜5.9(m,1H,CH2=CH−H)、6.1〜6.0(d,J=5.7Hz,1H,C2−H)、5.6〜5.5(d,J=17.4Hz,1H,トランス−CH2=CH−)、5.5〜5.4(d,J=10.9Hz,1H,シス−CH2=CH−)、5.3(d,J=7.3Hz,1H,C10−H)、5.2(d,J=6.1Hz,1H,C5−H)、5.1(s,1H,OH)、4.8(b,1H,C13−H)、4.6(d,J=8.1Hz,CH2=CH−)、4.4(d,J=8.5Hz,1H,C20−Hα)、4.3(d,J=8.5Hz,1H,C20−Hβ)、4.1(m,1H,C7−H)、3.9(d,J=6.9Hz,1H,C9−H)、3.1〜3.0(d,J=5.3Hz,C3−H)、2.4〜2.3(m,1H,C6−Hα)、2.4〜2.3(s,3H,Ac−CH3)、2.3〜2.1(m,2H,C14−H)、2.0〜1.9(m,1H,C6−Hβ)、1.9(s,3H,C18−H)、1.8(s,OH)、1.7〜1.6(s,3H,C16−H)、1.6(s,3H,C19−H)、1.3〜1.2(s,OH)、1.2(s,3H,C17−H)。
ステップ3
9β−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)−7−O−トリエチルシリルバッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ2から得られた化合物、β−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)バッカチンIII C(2.298g、3.93mmol、1.0当量)を、アルゴン雰囲気下、500mlの乾燥三頚フラスコ中の無水ジクロロメタンに溶解して溶液を得た。ドライアイス/アセトン浴で冷却後、この溶液に、−78℃の温度に維持しながら2,6−ジ−t−ブチル−ピリジン(1.27g、5.62mmol、1.56当量)を加えてから、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(1.38ml、6.13mmol、1.56当量)を滴下しながらゆっくりと加えて混合物を得た。添加が完了したら、混合物を−78℃で40分間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)による反応追跡により、出発物質が完全に反応したことが示される。この反応を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50ml)を加えることによってクエンチした。ドライアイス/アセトン浴を除去し、温度を室温まで温めた。この混合物を、有機相と水相とに分離した。水相を酢酸エチル(100ml×4)で抽出して有機抽出物を得た。有機抽出物を合わせて、飽和ブライン(25ml×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して残渣を得た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して80%の収率で9β−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)−7−O−トリエチルシリルバッカチンIII D(2.208g、発泡体またはワックス状固体)を得た。
Rf=0.49(溶出液:ヘキサン:酢酸エチル=1:1(V/V))。
MW=698、ESI−MS:[M+H]+=699。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.2〜7.4(m,5H,Ar−H)、6.3〜6.1(m,1H,CH2=CH−H)、5.9(d,J=5.3Hz,1H,C2−H)、5.6〜5.5(d,J=17.8Hz,1H,トランス−CH2=CH−)、5.5〜5.4(d,J=10.7Hz,1H,シス−CH2=CH−)、5.4〜5.3(d,J=8.5Hz,1H,C10−H)、5.1(d,J=6.1Hz,1H,C5−H)、4.9〜4.7(m,1H,C9−H)、4.8〜4.7(b,1H,C13−H)、4.6(b,1H,OH)、4.4〜4.3(d,ABタイプ,J=8.5Hz,2H,C20−H)、4.0〜3.9(m,1H,C7−H)、3.2(d,J=5.3Hz,1H,C3−H)、2.3(s,3H,Ac−CH3)、2.5〜2.0(m,4H,C6−H,C14−H)、2.0〜1.9(s,1H,C18−H)、1.8〜1.7(s,1H,OH)、1.6(s,3H,C16−H)、1.6〜1.5(s,3H,C19−H)、1.1(s,3H,C17−H)、1.1〜0.9(t,J=7.7Hz,9H,SiCH2CH3)、0.7〜0.6(q,J=7.7Hz,6H,SiCH2CH3)。
ステップ4
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−(トリエチルメチルシロキシ)−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)−7−O−トリエチルシリルバッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ3から生じた化合物、9β−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)−7−O−トリエチルシリルバッカチンIII D(1.85g、2.65mmol、1.0当量)を、アルゴン雰囲気下、68.5mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、−55℃に冷却して第一液を得た。緩やかに攪拌しながら、無水テトラヒドロフラン中リチウムヘキサメチルジシラジド(4ml、1M/L、1.5当量)を第一液に滴下しながら加えて、−55℃の温度で0.5時間攪拌して第二液を得た。(3R,4R)−1−(t−ブチルカルボキシル)−3−(トリエチルメチルシロキシ)−4−フェニルニトロヘテロブチル−2−オン(3.02g、8.0mmol、3.0当量)の無水テトラヒドロフラン(21.5ml)溶液を、第二液に滴下しながら加えて混合物を得た。添加が完了したら、ドライアイス/アセトン浴を除去する。この混合物をドライアイス/水浴中で0.5〜1時間攪拌し、180mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。添加が完了したら、混合物を酢酸エチル(180ml×4)で抽出して有機抽出物を形成した。有機抽出物を合わせて、飽和ブライン(50ml×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル=8:1を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して85.6%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−(トリエチルメチルシロキシ)−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)−7−O−トリエチルシリルバッカチンIII E(2.432g、白色様固体)を得た。
Rf=0.34(ヘキサン:酢酸エチル=8:1(V/V))。
MW=1075、ESI−MS:[M+H]+=1076。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.2〜7.2(m,10H,Ar−H)、6.3〜6.0(m,2H)、5.9(d,J=5.3Hz,1H,C2−H)、5.6〜5.5(d,J=17.5Hz,1H,トランス−CH2=CH−)、5.5〜5.4(d,J=10.4Hz,1H,シス−CH2=CH−)、5.6〜5.4(m,1H,C9−H)、5.3〜5.2(d,J=9.1Hz,1H,C10−H)、5.1〜5.0(d,J=5.9Hz,1H,C5−H)、4.9〜4.8(m,1H)、4.6(d,J=8.8Hz,1H)、4.6〜4.5(b,1H,OH)、4.5〜4.3(d,ABタイプ,J=8.5Hz,2H,C20−H)、4.0〜3.9(dd,1H,J=5.1Hz,J’=10.5Hz)、3.2(d,J=5.6Hz,1H)、2.5(s,3H,Ac−CH3)、2.5〜2.0(m,5H)、1.8(s,3H)、1.6〜1.5(s,12H,t−Bu,CH3)、1.4〜1.3(s,3H)、1.3〜1.2(s,3H)、1.1〜0.9(t,J=7.8Hz,9H)、0.8〜0.7(t,J=8.0Hz,9H)、0.7〜0.6(m,6H)、0.5〜0.3(m,6H)。
ステップ5
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)バッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ4から得られた化合物、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−(トリエチルメチルシロキシ)−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)−7−O−トリエチルシリルバッカチンIII E(0.819g、0.761mmol、1.0当量)を、アルゴン雰囲気下、100mlの乾燥三頚フラスコ中、10mlの無水テトラヒドロフランに加えて溶液を形成した。10mlの無水テトラヒドロフラン中、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.96g、3.04mmol、4.0当量)の溶液を、氷/塩浴内で前記溶液に30分かけて滴下により加えた。反応混合物に、40mlの飽和ブラインと40mlの酢酸エチルとを加え、酢酸エチル(100mL×4)で抽出して有機抽出物を形成した。有機抽出物を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して残渣を形成した。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:メタノール=25:15:1を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して92.4%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)バッカチンIII F(0.596g、白色様固体)を得た。
Rf=0.38(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール=25:15:1(V/V))。
MW=847、ESI−MS:[M+H]+=848。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.2〜7.2(m,10H,Ar−H)、6.2〜5.9(m,3H)、5.7〜5.6(d,J=9.9Hz,1H)、5.6〜5.5(d,J=16.9Hz,1H,トランス−CH2=CH−)、5.5〜5.4(d,J=10.5Hz,1H,シス−CH2=CH−)、5.4〜5.2(m,1H)、5.3(d,J=7.2Hz,1H)、5.2(d,J=6.4Hz,1H,CH2=CH−)、5.1(b,1H,OH)、4.7〜4.6(b,1H)、4.6〜4.5(d,J=7.8Hz,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=8.6Hz,2H,C20−H)、4.2(b,1H)、4.1(m,1H)、3.9〜3.8(d,J=7.0Hz,1H)、2.9(d,J=4.8Hz,1H)、2.4〜2.3(dd,J=9.8Hz,J’=15.2Hz,1H)、2.3(s,3H,Ac−CH3)、2.3〜2.0(m,3H)、1.9(s,1H)、1.7(s,3H,CH3)、1.6(s,3H,CH3)、1.6〜1.5(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
ステップ6
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2,3−ジヒドロキシルプロピリデン)バッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ5から得られた化合物、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−アリリデン)バッカチンIII F(0.596g、0.703mmol、1.0当量)を、アルゴン雰囲気下、100mlの三頚フラスコ中のN−メチル−モルホリンN−オキシド(0.412g、3.51mmol、5.0当量)にさらに加えて第一液を得、次いで第一液を、15mlのテトラヒドロフラン、15mlのアセトンおよび15mlの水の混液に溶解して第二液を形成した。攪拌しながら、四酸化オスミウムのt−ブチルアルコール溶液(0.725ml、35.7mg、0.2当量)を第二液に加えて、28℃以下の温度で一晩維持しながら混合物を形成した。添加が完了したら、混合物を90mlの10%チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、10分間攪拌し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出して有機抽出物を得た。有機抽出物を合わせて、25mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液と25mlの飽和ブラインとで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して残渣を形成した。溶出液としてジクロロメタン:メタノール=20:1を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して98%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2,3−ジヒドロキシルプロピリデン)バッカチンIII G(0.61g、白色様固体)を得た。
Rf−0.24(ジクロロメタン:メタノール=20:1(V/V))。
MW=881、ESI−MS:[M+H]+=882。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.2〜7.2(m,10H,Ar−H)、6.2〜6.1(m,H)、6.1〜6.0(d,J=5.4Hz,1H)、5.7〜5.6(m,1H)、5.4〜5.2(m,2H)、5.1(s,1H)、4.9(d,J=6.5Hz,1H)、4.9〜4.7(m,1H)、4.6(s,1H)、4.5〜4.2(dd,ABタイプ,J=8.5Hz,2H)、4.2〜4.0(m,2H)、4.0〜3.7(m,5H)、2.9(d,J=6.8Hz,1H)、2.5〜2.3(dd,J=9.8Hz,J’=15.2Hz,1H)、2.3(s,3H)、2.3〜2.2(m,2H)、2.2〜2.0(m,2H)、1.9(b,1H)、1.7(s,3H,CH3)、1.65(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.4〜1.3(s,3H,CH3,2種の異性体)。
ステップ7
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ6から得られた化合物、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2,3−ジヒドロキシルプロピリデン)バッカチンIII G(0.556g、0.63mmol、1.0当量)を、7mlのテトラヒドロフラン、7mlのメタノール、7mlの水の混液に溶解し、室温で溶液を形成した。次に攪拌しながら、この溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(0.887g、4.16mmol、6.6当量)を加えて、混合物を形成した。添加が完了したら、混合物を室温で2時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)による反応追跡により、出発物質が完全に反応したことが示される。得られた混合物に、50mlの水と50mlの飽和ブラインとを加え、酢酸エチル(80ml×3)で抽出した。有機抽出物を合わせて、25mlの水と25mlのブラインとで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII H(0.582g、白色様固体)が得られ、これを以下に用いた。
実施例1
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(2S,4S)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イルメチル]バッカチンIII
Figure 2009522380
ステップ7から得られた化合物、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII H(0.545g、0.63mmol、1.0当量)を、アルゴン雰囲気下、100mlの三頚フラスコ中30mlの無水メタノールに溶解して溶液を形成した。次にこの溶液に、少量の乾燥用モレキュラーシーブ(4Å)および(S,S)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(0.568g、4.16mmol、6.6当量)を、室温で攪拌しながら加えて混合物を形成した。添加が完了したら、混合物を室温で30分間攪拌した。この混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.261g、4.16mmol、6.6当量)を加えた。添加が完了したら、混合物を室温で1.5時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=10:10:1)による反応追跡により、出発物質が完全に反応したことが示される。生じた混合物を、70mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチル(100ml×4)で抽出して有機抽出物を形成した。有機抽出物を合わせて、25mlの水と25mlの飽和ブラインとで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して残渣を形成した。最初の溶出液としてヘキサン:ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=20:10:10:2、次いでジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=30:10:2を用いるシリガゲル・カラムクロマトグラフィにより残渣を精製して70%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(2S,4S)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イルメチル]バッカチンIII I(0.412g、白色様固体)を得た。
Rf=0.29(ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=10:10:1(V/V))。
MW=933、ESI−MS:[M+H]+=933.9。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.5Hz,2H,Ar−H)、7.7〜7.5(t,J=7.0Hz,1H,Ar−H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1〜6.0(m,H)、5.7〜5.6(d,J=9.4Hz,1H)、5.3(d,J=9.4Hz,1H)、5.2(d,J=7.0Hz,1H)、5.1(s,1H)、5.0〜4.9(b,1H)、4.7〜4.6(d,J=8.2Hz,1H)、4.6(b,1H)、4.4(b,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=8.4Hz,2H)、4.2〜4.0(m,2H)、4.0(d,J=7.9Hz,1H)、3.8(d,J=7.1Hz,1H)、3.7〜3.6(d,J=7.8Hz,1H)、3.6(b,1H)、3.1〜3.0(m,2H)、3.0〜2.9(m,1H)、2.9(d,J=4.7Hz,1H)、2.7(m,J=10.2Hz,1H)、2.4(dd,J=9.7Hz,J’=14.6Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜2.2(m,1H)、2.2〜2.0(m,2H)、1.9(b,1H)、1.9〜1.8(m,1H)、1.8〜1.7(m,1H)、1.65(s,3H,CH3)、1.60(s,3H,CH3)、1.55(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例2
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(2R,4R)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イルメチル]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から生じた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としての(R,R)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩と反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、68%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(2R,4R)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イルメチル]バッカチンIII J(0.4g、白色様固体)を得た。
Rf=0.32(ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=10:10:1(V/V))。
MW=933、ESI−MS:[M+H]+=933.9。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.11(d,J=7.3Hz,2H,Ar−H)、7.59(t,J=7.3Hz,1H,Ar−H)、7.19〜7.53(m,7H)、6.1〜6.0(m,2H)、5.6(d,J=9.0Hz,1H)、5.3(d,J=7.1Hz,1H)、5.2(d,J=7.0Hz,1H)、5.1(s,1H)、5.0(b,1H)、4.7〜4.6(d,J=7.8Hz,1H)、4.6(s,1H)、4.5〜4.4(s,1H)、4.4〜4.3(dd,ABタイプ,J=8.2Hz,2H)、4.2〜4.0(m,3H)、3.8(d,J=7.0Hz,1H)、3.7(d,J=8.5Hz,1H)、3.6(b,1H)、3.1(m,1H)、3.1〜2.9(m,2H)、2.9(d,J=4.7Hz,1H)、2.7(m,1H)、2.4(dd,J=9.8Hz,J’=14.9Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜2.2(m,1H)、2.2〜2.0(m,2H)、1.9(b,1H)、1.8(m,1H)、1.7〜1.6(m,1H)、1.7(s,3H,CH3)、1.65(s,3H,CH3)、1.6(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例3
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−メトキシメチルアミノエチリデン)バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としてのO,N−2−ジメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、85%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−メトキシルメチルアミノエチリデン)バッカチンIII K(0.48g、白色様固体)を得た。
Rf=0.39(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール=20:20:1(V/V))。
MW=895、ESI−MS:[M+H]+=895.7、[M+Na]+=917.6。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.4Hz,2H,Ar−H)、7.6(t,J=7.1Hz,1H,Ar−H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.2〜6.0(m,2H)、5.7〜5.6(m,1H)、5.3(d,J=6.6Hz,1H)、5.2(d,J=6.3Hz,1H)、5.1(b,1H)、5.1〜5.0(b,1H)、4.7〜4.4(m,1H)、4.6(b,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=8.6Hz,2H)、4.2(m,1H)、4.1(m,1H)、3.8(d,J=6.6Hz,1H)、3.6〜3.5(s,3H,OCH3)、3.1〜3.0(m,2H)、2.95(b,1H)、2.9(m,1H)、2.85(b,1H)、2.7〜2.6(s,3H,NCH3)、2.4〜2.3(dd,J=10.8Hz,J’=14.1Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜2.2(m,1H)、1.9(b,1H)、1.7(s,3H,CH3)、1.60(s,3H,CH3)、1.55(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例4
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシルル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(4−ピロリジン)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としての4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、64.5%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(4−ピロリジン)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII L(0.402g、白色様固体)を得た。
Rf=0.29(ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=40:4:0.25(V/V))。
MW=988、ESI−MS:[M+H]+=988.9。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.6Hz,2H,Ar−H)、7.6(t,J=7.4Hz,1H,Ar−H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1(b,2H)、6.0(d,J=4.7Hz,1H)、5.7(d,J=9.8Hz,1H)、5.2(d,J=7.4Hz,1H)、5.1(b,2H)、5.0(t,J=4.4Hz,1H)、4.7(d,J=8.2Hz,1H)、4.6(b,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=8.6Hz,2H)、4.1〜4.0(m,1H)、3.8(d,J=7.4Hz,1H)、3.2〜3.0(m,6H)、2.9(b,1H)、2.8〜2.7(m,2H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜1.9(m,12H)、1.9(s,1H)、1.9〜1.8(m,1H)、1.65(s,3H)、1.55(s,3H)、1.5(s,3H)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H)、1.4〜1.3(m,2H)、1.3〜1.2(m,2H)。
実施例5
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(S)−(2−ピロリジン−1−メチル)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としての(S)−(+)−1(2−ピロリジンメチル)ピロリジンと反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、73.3%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(S)−(2−ピロリジン−1−メチル)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII M(0.457g、白色様固体)を得た。
Rf=0.2(ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=40:2:0.25(V/V))。
MW=988、ESI−MS:[M+H]+=988.8。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.6Hz,2H)、7.6(t,J=7.4Hz,1H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1(b,1H)、6.0(d,J=5.1Hz,1H)、5.7〜5.6(d,J=9.8Hz,1H)、5.2(d,J=7.5Hz,1H)、5.1(b,1H)、5.0(d,J=4.5Hz,1H)、4.6(b,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=8.6Hz,2H)、4.1〜4.0(b,1H)、3.8(d,J=7.0Hz,1H)、3.3〜3.2(m,2H)、3.0〜2.8(m,6H)、2.8〜2.6(m,2H)、2.6〜2.4(m,1H)、2.4〜2.3(dd,J=9.8Hz,J’=15.3Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜2.0(m,4H)、1.9(b,5H)、1.9〜1.7(m,4H)、1.7(s,3H,CH3)、1.6(m,5H)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.4〜1.3(t,2H)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例6
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−(2−フルオロ−エチル)−メチルアミノエチリデン)]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としての(2−フルオロ−エチル)−メチル−アミン酢酸塩と反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、56%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−(2−フルオロ−エチル)−メチルアミノエチリデン)]バッカチンIII N(0.322g、白色様固体)を得た。
Rf=0.17(ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=10:10:1(V/V))。
MW=911、ESI−MS:[M+H]+=911.8。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.0Hz,2H)、7.6(t,J=7.0Hz,1H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1〜6.0(m,2H)、5.7(d,J=9Hz,1H)、5.3(d,J=8Hz,1H)、5.1(b,1H)、5.0(b,1H)、4.6(b,2H)、4.5(t,J=5Hz,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=8Hz,2H)、4.1(b,1H)、3.8(d,J=7Hz,1H)、3.0〜2.8(m,6H)、2.5(s,3H,CH3)、2.4(dd,J=9Hz,J’=15Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜2.0(m,4H)、1.9(b,1H)、1.7(s,3H,CH3)、1.6(s,3H,CH3)、1.55(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例7
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(R)−(2−ピロリジン−1−メチル)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質として(R)−(+)−1(2−ピロリジンメチル)ピロリジンと反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、58%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(R)−(2−ピロリジン−1−メチル)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII O(0.362g、白色様固体)を得た。
Rf=0.28(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=20:20:1:1(V/V))。
MW=988、ESI−MS:[M+H]+=988.9。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.6Hz,2H)、7.6(t,J=7.4Hz,1H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1〜6.0(m,2H)、5.7〜5.6(d,J=9.4Hz,1H)、5.3(d,J=10.3Hz,1H)、5.2(d,J=7.3Hz,1H)、5.1(s,1H)、5.0(dd,ABタイプ,J=3.4Hz,J’=6.4Hz,1H)、4.7(b,1H)、4.6(s,1H)、4.4〜4.3(dd,ABタイプ,J=8.6Hz,1H)、4.2(b,1H)、4.1(m,1H)、3.8(d,J=7.3Hz,1H)、3.3〜3.2(m,2H)、2.9(m,1H)、2.8〜2.4(m,1H)、2.4〜2.3(m,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜1.9(m,4H)、1.9(s,1H)、1.9〜1.7(m,1H)、1.7(s,3H,CH3)、1.6(m,5H)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例8
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(4−モルホリン)−ピペリジンエチリデン]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としての4−ピペリジン−4−イル−モルホリンと反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、74.4%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(4−モルホリン)−ピペリジンエチリデン)]バッカチンIII P(0.47g、白色様固体)を得た。
Rf=0.18(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=30:10:3:2(V/V))。
MW=1004、ESI−MS:[M+H]+=1004.9。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.5Hz,2H)、7.6(t,J=7.4Hz,1H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1〜6.0(m,2H)、5.6(d,J=9.8Hz,1H)、5.3(d,J=6.6Hz,1H)、5.2(d,J=6.3Hz,1H)、5.1(b,2H)、5.0(b,1H)、4.7(d,J=8.2Hz,1H)、4.6(b,1H)、4.4〜4.3(dd,ABタイプ,J=8.5Hz,2H)、4.0(m,1H)、3.8(d,J=7.2Hz,1H)、3.8〜3.7(m,4H)、3.2〜3.0(m,2H)、2.9〜2.8(m,1H)、2.8〜2.7(m,2H)、2.6〜2.5(m,4H)、2.4〜2.3(dd,J=9.8Hz,J’=15.3Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜2.0(m,6H)、1.9(b,1H)、1.9〜1.7(m,2H)、1.7(s,3H,CH3)、1.65(s,3H,CH3)、1.55(s,3H,CH3)、1.4(s,3H)、1.3(s,9H,t−Bu)。
実施例9
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(シクロプロピルアミノ)−ピペリジンエチリデン]バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としてのシクロプロピル−ピペリジン−4−イル−アミンと反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、47%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−[2−N−(シクロプロピルアミノ)−ピペリジンエチリデン]バッカチンIII Q(0.29g、白色様固体)を得た。
Rf=0.20(ヘキサン:ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=30:10:2:3(V/V))。
MW=974、ESI−MS:[M+H]+=974.9。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.3Hz,2H)、7.6(t,J=7.3Hz,1H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1〜6.0(m,2H)、5.6(d,J=9.8Hz,1H)、5.3(d,J=7.5Hz,1H)、5.2(d,J=6.4Hz,1H)、5.1(b,1H)、5.0(t,J=3.9Hz,1H)、4.7(d,J=8.3Hz,1H)、4.6(b,1H)、4.4〜4.2(dd,ABタイプ,J=18.5Hz,J’=9.8Hz,2H)、4.2〜4.1(m,1H)、4.1〜4.0(m,1H)、3.8(d,J=7.2Hz,1H)、3.1〜2.7(m,5H)、2.6〜2.5(m,3H)、2.4〜2.3(dd,J=9.8Hz,J’=15.3Hz,1H)、2.3(s,3H,CH3)、2.3〜1.9(m,9H)、1.9〜1.8(m,3H)、1.6(s,3H,CH3)、1.55(s,3H,CH3)、1.5(s,3H,CH3)、1.4(s,9H,t−Bu)、1.3(s,3H,CH3)。
実施例10
9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−モルホリンエチリデン)バッカチンIII
Figure 2009522380
標題化合物は、ステップ7から得られた化合物H、9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−アセトアルデヒドバッカチンIII Hを、出発物質としてのモルホリンと反応させることによって、実施例1に記載されたものと同じ工程の下で調製され、89%の収率で9β−13−O−[(2R,3S)−3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシル−3−フェニルプロピオニル]−10−デアセチル−9−ジヒドロ−9,10−O−(2−モルホリンエチリデン)バッカチンIII Q(0.517g、白色様固体)を得た。
Rf=0.22(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=20:20:1:1(V/V))。
MW=921、ESI−MS:[M+H]+=921.7。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):δ8.1(d,J=7.3Hz,2H)、7.59(t,J=7.3Hz,1H)、7.5〜7.2(m,7H)、6.1〜6.0(m,2H)、5.6(d,J=10.0Hz,1H)、5.3(d,J=10.0Hz,1H)、5.2(d,J=6.9Hz,1H)、5.1(s,1H)、5.0(t,J=3.9Hz,1H)、4.7(d,J=8.3Hz,1H)、4.6(s,1H)、4.4(d,J=8.3Hz,1H)、4.3(d,J=8.3Hz,1H)、4.2〜4.0(m,2H)、3.9〜3.6(m,5H)、2.9(d,J=4.9Hz,1H)、2.8〜2.7(dd,ABタイプ,J=18.4Hz,J’=4.4Hz,2H)、2.7〜2.5(m,4H)、2.3(s,3H)、2.5〜1.9(m,4H)、1.9(s,1H)、1.65(s,3H)、1.6(s,3H)、1.4(s,9H)、1.3(s,6H)。
試験実施例1
ヌードマウスにおけるヒトA549非小細胞肺癌(NSCLC)腫瘍の異種移植に対するSHR−110008およびタキソテールの治療効果
試験動物:
動物種:BALB/cA−ヌードマウス
動物数:対照群は9匹のマウス、薬剤投与チームは5匹のマウス。
環境:SPFレベル。
試験プロトコル:
動物を動物小屋に1週間順応させ、皮下注射によりヒトA549 NSCLC腫瘍を接種した。腫瘍が100〜300mm3に成長したら、マウスを無作為にSHR−110008とタキソテール(0日目)のチームに分けた。SHR−110008の用量は、10mg/kgおよび16mg/kgであり、タキソテールの用量は、別に12mg/kgおよび19mg/kgであった。投与経路は静脈内注射である。SHR−110008(10mg/kg)およびタキソテール(12mg/kg)を、0日目、4日目、8日目に合計3回投与した。SHR−110008(10mg/kg)およびタキソテール(12mg/kg)を、0日目、7日目に全部で2回投与した。マウスの腫瘍体積と体重を1週当り2〜3回測定した。腫瘍の体積(V)の計算式は:V=1/2×a×b2であり、a:腫瘍の長さ、b:腫瘍の幅である。
結果:
Figure 2009522380
0日目:最初の投薬時;n日目:最初の投薬から14日目後;*P<0.01対対照。
Figure 2009522380
0日目:最初の投薬時;n日目:最初の投薬から14日目後;*P<0.01対対照。
結論:
好適な投与スケジュールのもとで表1、表2および図1を参照すると、SHR−110008の治療効果および毒性は、タキソテールのものよりも良好であった。
試験実施例2
ヌードマウスにおけるヒトA549非小細胞肺癌(NSCLC)腫瘍の異種移植に対するShr1021−47の治療効果
試験動物:
動物種:BALB/cA−ヌードマウス
動物数:対照群は12匹のマウス、薬剤投与チームは6匹のマウス。
試験プロトコル:
細胞培養:ヒトA549 NSCLC腫瘍細胞を、対数増殖期のままインビトロで培養した。
移植:ヌードマウスに皮下接種するために調製細胞を採取する。
接種:脇の下の一方に接種するために無菌条件で腫瘍塊を採取する。
グループ分けと用量設計:スライディングキャリパにより移植腫瘍の直径を測定する。腫瘍が100〜250mm3に成長したら、マウスを無作為にShr1021−47(8mg/kg、12mg/kg、16mg/kg)およびタキソテール(12mg/kg)の群に分けた。
投与経路と期日:静脈内(i.v)投与。Shr1021−47およびタキソテールを、0日目、7日目に合計2回投与した。マウスの腫瘍体積と体重を1週当り2〜3回測定した。
評価基準:腫瘍の体積(V)の計算式は:V=1/2×a×b2であり、a:腫瘍の長さ、b:腫瘍の幅である。測定値に従って相対腫瘍体積(RTV)を算出する。その式は:RTV=Vt/V0である。V0は、0日目の腫瘍体積を示し;Vtは、測定ごとの腫瘍体積を示す。抗腫瘍活性の指標はT/C(%)である。その式は:TRTV/CRTV×100であり、TRTV:治療群のRTV、CRTV:対照群のRTVである。
結果:
Figure 2009522380
0日目:最初の投薬時;n日目:治療効果が実際に最良であった日。この試験において、n日目とは、最初の投薬から14日目後のことである。
結論:
図2および表3を参照すると、Shr1021−47は、ヌードマウスにおけるヒトA549NSCLC腫瘍の成長を明らかに抑制した。Shr1021−47の毒性は少々大きいが、それは、マウスにとって十分忍容性であり得る。Shr1021−47の効力は、タキソテールよりも良好であった。
ヌードマウスにおける腫瘍に対する化合物SHR−110008およびタキソテールの体重効果を示す図である。 ヌードマウスにおける腫瘍に対する化合物SHR1021−47の体重効果(*P<0.01)を示す図である。

Claims (15)

  1. 化学式(I)の化合物またはその塩類であって、
    Figure 2009522380
    式中:
    1またはR2は独立して、水素、アルキル、ハロゲン置換アルキルまたは
    Figure 2009522380
    からなる群から選択されるR1、R2、Nおよび/またはOから構成される基を表し;
    1は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、またはC1〜C3アルキルを表し;
    2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、またはC1〜C3アルキルを表し;
    3は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、単環式5員または6員C6〜C10アリールまたはC6〜C10を表し、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシル、フェニル、アミノ、C1〜C3アルキルアミノ、C1〜C3アルコキシルカルボニル、C6〜C10アリールオキシカルボニル、アシル、アミドおよびアシルオキシからなる群から選択される1つ以上の基により任意に置換されており;
    4は、C1〜C6アルキル、C6〜C10アリールおよびC1〜C6アルコキシを表し、前記アルキル、アリールまたはアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシル、フェニル、アミノ、C1〜C3アルキルアミノ、C1〜C3アルコキシルカルボニル、C6〜C10アリールオキシカルボニル、アシル、アミドおよびアシルオキシからなる群から選択される1つ以上の基により任意に置換されている;
    の化合物またはその塩類。
  2. 1およびZ2がフッ素である、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  3. 1がヒドロキシルであり、Z2が水素である、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  4. 1がヒドロキシルであり、Z2がメチルである、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  5. 1がt−ブトキシである、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  6. 3がフェニルである、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  7. 3が、5員環または6員環を有する単環式基または複素環式基である、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  8. 3が、単環式5員環または6員環を有する複素環式基であり、前記環構造の架橋原子として酸素原子、窒素原子または硫黄原子を有する、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  9. 3が、単環式5員環または6員環を有する不飽和複素環式基であり、前記環構造の架橋原子として酸素原子、窒素原子または硫黄原子を有する、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  10. 3が、フリル、ピロリルまたはピリジルである、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  11. 3が、2−メチル−1−アクリルである、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  12. 1およびR2が、C1〜C6アルキルまたは水素である、請求項1に記載の化合物またはその塩類。
  13. 以下:
    Figure 2009522380
    (式中、R1およびR2の各々が独立して、水素、アルキル、ハロゲン置換アルキルまたは
    Figure 2009522380
    からなる群から選択されるR1、R2、Nおよび/またはOから構成される基を表す)
    を含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の調製法。
  14. Figure 2009522380
    における式(II)の化合物を製造するために式(I)の化合物を反応させることを含んでなり、
    式中、Zは、水素または以下の式(III):
    Figure 2009522380
    の基を表し、
    式(III)のZ1、Z2、Z3およびZ4の定義は、請求項1〜13に定義されたものと同じであり;
    酸触媒は、塩化ジシクロペンタジエニルチタン;塩化銅;酢酸銅;硝酸ビスマスおよびトリフルオロ酢酸銅、好ましくは、塩化ジシクロペンタジエニルチタンを含んでなり;
    反応温度は、−78℃から200℃であり、より好ましくは、0〜50℃であり、最も好ましくは、25℃であり;
    溶媒は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチル、エーテル、石油エーテルおよびイソプロピルエーテルなど、好ましくは、アセトニトリルおよびジクロロメタンを含んでなる、請求項14に記載の方法。
  15. 抗腫瘍治療用薬物の調製における、個々にまたは他の薬物と組み合わせた、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその塩類の使用。
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