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JP2009234687A - 自動給送装置、該自動給送装置を備えた電子機器 - Google Patents

自動給送装置、該自動給送装置を備えた電子機器 Download PDF

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JP2009234687A
JP2009234687A JP2008080583A JP2008080583A JP2009234687A JP 2009234687 A JP2009234687 A JP 2009234687A JP 2008080583 A JP2008080583 A JP 2008080583A JP 2008080583 A JP2008080583 A JP 2008080583A JP 2009234687 A JP2009234687 A JP 2009234687A
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Abstract

【課題】 被記録材に傷や接触痕が付いてしまう虞が少なく、給送用ローラの外周面に摩耗や傷等が生ずる虞が少なく、かつ被記録材の重送を高い精度で防止することが可能な自動給送装置を実現する。
【解決手段】 給送用ローラ74が回転すると、給送される記録紙P1の先端に検出レバー32の検出腕部322が押動され、検出レバー32が符号Cで示した方向へ揺動変位し、無端ベルト35が符号Dで示した回転方向へ回転する。リタードローラ31は、記録紙P2と記録紙P3との接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、無端ベルト35の回転により逆転方向Eへ回転する。リタードローラ31の外周面に係止されている記録紙P3は、逆送方向YBへ逆送され、その上に重なっている記録紙P2がリタードローラ31の外周面に接して係止された状態となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、被記録材を一ずつ自動給送する自動給送装置、該自動給送装置を備えた電子機器に関する。
用紙等の被記録材を一ずつ自動給送する自動給送装置を備えた電子機器が公知である。例えば、被記録材の記録面に文字や画像等の記録を実行する手段を備えたインクジェットプリンタ等の記録装置、記録実行済みの被記録材の記録面に記録されている文字や画像等を読み取る手段を備えたファクシミリ、コピー機、スキャナ装置等である。このような電子機器に搭載される自動給送装置は、給送手段により給送される一の被記録材に重なった状態で給送されようとする他の被記録材を前記一の被記録材から分離する分離手段とを備えているのが一般的である。
給送手段の一例としては、例えば、モータ等の駆動力源の回転駆動力で回転する給送用ローラを設けたものが公知である。給送用ローラの外周面に被記録材を押圧して面接触させた状態で給送用ローラを回転させることによって、給送用ローラの外周面と被記録材との接触面の摩擦抵抗により被記録材が回転方向へ送られて給送される。
また、分離手段の一例としては、所定の摩擦抵抗面を有する分離パッドや所定の従動回転抵抗を付与されて軸支されるリタードローラ等を給送用ローラの外周面に所定の押圧力で押圧するものが一般的である。このような分離手段においては、給送用ローラの外周面と分離面(分離パッド、リタードローラの外周面)とで被記録材を挟持したときに、給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が、分離面と被記録材との接触面に作用する。それによって、給送用ローラの外周面に接している被記録材は、給送用ローラの回転により給送され、他の被記録材は、先端近傍が分離パッドやリタードローラの外周面で係止されるので、複数の被記録材が重なった状態で給送される重送が防止される(例えば、特許文献1を参照)。
この分離パッド又はリタードローラによる分離手段は、2枚の被記録材が重なった状態で給送用ローラと分離パッド又はリタードローラとの間に挟持された状態では極めて高い分離性能を発揮する。しかし、3枚以上の被記録材が重なった状態で給送用ローラと分離パッド又はリタードローラとの間に挟持された状態では、被記録材間に挟まれた状態の被記録材が存在することになる。そのため、分離面に対する被記録材の進入角度等の条件によっては、その被記録材間に挟まれた状態の被記録材が分離面に接することなくそのまま重送されてしまう可能性があった。
このような課題を解決可能な従来技術の一例としては、リタードローラの上流側に、リタードローラの回転に従動して逆送方向へ回転する逆転ローラを設けた自動給送装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。この従来技術によれば、逆転ローラの回転によって、給送用ローラとリタードローラとの間に複数の被記録材が一気に進入する虞を低減させることができる。
また、他の従来技術の一例としては、分離手段として、モータ等の回転駆動力が伝達されて逆送方向へ駆動回転する回転軸に、トルクリミッタ等で一定の回転抵抗を付与した状態で支持されるリバースローラを備えた自動給送装置が公知である(例えば、特許文献2を参照)。この従来技術によれば、給送用ローラとリバースローラとの間に複数の被記録材が挟持されたときには、そのリバースローラの逆送方向への駆動回転によって、給送される被記録材から他の被記録材が分離されるとともに、分離された他の被記録材が給送用トレイ等へ向けて逆送される。
そのため、3枚以上の被記録材が重なった状態で給送用ローラとリバースローラとの間に挟持された状態では、リバースローラの外周面に接している被記録材が順次分離されながら逆送されていく。したがって、リタードローラによる分離手段と比較して、被記録材間に挟まれた状態の被記録材が分離面に接することなくそのまま重送されてしまう虞が少なく、そのような状態においても高い分離性能を発揮することができる。
特開平9−67035号公報 特開2005−324938号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術においては、給送用ローラとリタードローラとの間に複数の被記録材が進入することを完全に排除することは困難である。したがって、3枚以上の被記録材が重なった状態で給送用ローラとリタードローラとの間に挟持されてしまう可能性が依然としてあり、そうなった場合に被記録材の重送が生ずる虞があった。
また、特許文献2に記載された従来技術においては、少なくとも被記録材の給送中にリバースローラに接している被記録材には、給送方向と対向する逆送方向への送り力が常に作用し続けることになる。したがって、その被記録材がリバースローラを通過するまでの間、その被記録材にバックテンションが作用するとともに、被記録材とリバースローラの外周面との接触面に傷や接触痕が付いてしまう虞があった。
さらに、特許文献2に記載された従来技術においては、給送用トレイや給送用カセット等に被記録材が載置されていない状態で給送動作が行われた場合、つまり空給送動作が行われた場合には、給送用ローラの外周面とリバースローラの外周面とが直接接触した状態で、その接触部分に相反する方向の回転駆動力が作用することになる。そのため、給送用ローラ又はリバースローラの外周面が短期間に摩耗してしまったり、給送用ローラ又はリバースローラの外周面に傷や変形等が生じてしまったりして、被記録材の給送精度や分離性能が低下してしまう虞があった。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、被記録材に傷や接触痕が付いてしまう虞が少なく、給送用ローラの外周面に摩耗や傷等が生ずる虞が少なく、かつ被記録材の重送を高い精度で防止することが可能な自動給送装置を実現することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材を一ずつ自動給送する自動給送装置において、駆動力源の回転駆動力が伝達されて回転する給送用ローラと、前記給送用ローラの外周面に付勢された状態で回転可能に支持される分離部材と、前記分離部材が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で前記分離部材に回転伝達可能に係合する回転体と、給送経路を給送される被記録材と係合して変位する検出部材と、前記検出部材の変位に連動して、被記録材を逆送する方向へ前記分離部材が回転する回転方向へ前記回転体を回転させる逆送機構と、を備え、前記所定の回転抵抗は、前記給送用ローラの外周面と前記分離部材の外周面とで被記録材を挟持した状態で、前記給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に作用する摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に作用する摩擦力より大きい、ことを特徴とした自動給送装置である。
分離部材は、給送用ローラの外周面に付勢された状態で回転可能に支持される。また、分離部材は、所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で回転体と回転伝達可能に係合している。したがって、分離部材は、所定の回転抵抗をもって従動回転可能に支持されて、給送用ローラの外周面に付勢された状態となる。そして、分離部材の回転抵抗は、給送用ローラの外周面と分離部材の外周面とで被記録材を挟持した状態における給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に作用する摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に作用する摩擦力より大きい。それによって、給送用ローラの回転により給送される被記録材に他の被記録材が重なった状態で給送される重送が防止される。
例えば、1枚の被記録材が給送用ローラの外周面と分離部材の外周面とで挟持された状態では、その被記録材は、給送用ローラの外周面との接触面に作用する摩擦力によって給送経路へ給送されていく。このとき、給送される被記録材に接している分離部材は、給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に作用する摩擦力より小さい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、その被記録材の給送に従動して回転する。
また、例えば、2枚の被記録材が重なった状態で給送用ローラの外周面と分離部材の外周面とで挟持された状態では、給送用ローラの外周面に接している給送されるべき被記録材は、給送用ローラの外周面との接触面に作用する摩擦力によって給送経路へ給送されていく。他方、分離部材は、被記録材同士の接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されている。したがって、分離部材は、その回転抵抗によって停止した状態が維持される。それによって、一面が給送されるべき被記録材に接して他面が分離部材の外周面に接している被記録材は、その停止している分離部材に係止される。
さらに、例えば、3枚以上の被記録材が重なった状態で給送用ローラの外周面と分離部材の外周面とで挟持された状態では、給送用ローラの外周面に接している給送されるべき被記録材は、給送用ローラの外周面との接触面に作用する摩擦力によって給送経路へ給送されていく。また、分離部材の外周面に接している被記録材は、その停止している分離部材に係止される。そして、給送用ローラの回転により給送される被記録材と分離部材の外周面に接して係止されている被記録材との間にある被記録材は、そのままでは、給送される被記録材に引きずられるようにして重送されてしまう可能性がある。
このとき、給送経路を給送される被記録材と係合して検出部材が変位すると、その検出部材の変位に連動して、被記録材を逆送する方向へ分離部材が回転する。それによって、分離部材に係止されている被記録材が逆送され、その上に重なっている被記録材が分離部材の外周面に接して係止された状態となる。さらに、その被記録材も分離部材の逆送方向への回転によって逆送され、さらにその上に重なっている被記録材が分離部材の外周面に接して係止された状態となる。
すなわち、給送用ローラの回転により給送される被記録材と分離部材の外周面との間にある被記録材は、分離部材の逆送方向への回転によって順次逆送されることになる。したがって、給送用ローラの外周面と分離部材の外周面とで挟持されていた3枚以上の被記録材は、給送経路を給送される被記録材と係合して検出部材が変位する間に、給送用ローラの回転により給送される被記録材以外の被記録材が全て逆送される。それによって、給送される被記録材に引きずられるようにして他の被記録材が重送されてしまうことを未然に防止することができる。
また、検出部材の変位に連動して回転する回転体は、分離部材が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で分離部材に回転伝達可能に係合している。そして、分離部材は、給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に作用する摩擦力より小さい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されている。そのため、給送用ローラの外周面と分離部材の外周面との間に1枚の被記録材が挟持された状態においては、分離部材は、検出部材が変位しても逆送方向へは回転せず、その被記録材の給送に従動して回転することになる。したがって、給送されるべき被記録材の給送が分離部材によって妨げられることはない。
そして、逆送方向へ回転させようとする力が分離部材に作用するのは、給送経路を給送される被記録材が検出部材に係合して、その検出部材が変位する間だけである。すなわち、給送される被記録材に給送方向と対向する逆送方向への送り力が作用するのは、給送経路を給送される被記録材が検出部材に係合して、その検出部材が変位する間だけである。したがって、給送される被記録材の分離部材の外周面が接する部分に傷や接触痕が付いてしまう虞を低減させることができる。
さらに、現実に被記録材が給送経路を給送されない限り、検出部材は変位しない。つまり、空給送動作が行われたときに、逆送方向へ回転させる力が分離部材に作用することはない。したがって、空給送動作が行われた場合に、給送用ローラの外周面と分離部材の外周面との接触部分に相反する方向の回転駆動力が作用することはない。それによって、給送用ローラ又は分離部材の外周面に摩耗や傷等が生ずる虞を低減させることができる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の自動給送装置によれば、被記録材に傷や接触痕が付いてしまう虞が少なく、給送用ローラの外周面に摩耗や傷等が生ずる虞が少なく、かつ被記録材の重送を高い精度で防止することが可能な自動給送装置を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の自動給送装置において、前記回転体と前記分離部材とを回転伝達可能に連結する無端ベルトを備え、前記無端ベルトと前記回転体又は前記分離部材とが摺接係合し、当該摺接係合部分に生じる摩擦力によって前記所定の回転抵抗が生じる、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、回転体と分離部材とを無端ベルトで回転伝達可能に係合させ、その無端ベルトと回転体又は分離部材とを摺接係合させ、その摺接係合部分に生じる摩擦力を利用して分離部材の所定の回転抵抗を生じさせる。それによって、分離部材が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で、分離部材と回転体とを回転伝達可能に係合させることができる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様に記載の自動給送装置において、前記分離部材は、前記回転体の外周面と摺接係合する無端ベルトであり、当該摺接係合部分に生じる摩擦力によって前記所定の回転抵抗が生じる、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、分離部材として回転体の外周面と摺接係合する無端ベルトを設け、その摺接係合部分に生じる摩擦力を利用して分離部材の所定の回転抵抗を生じさせる。それによって、分離部材が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で、分離部材と回転体とを回転伝達可能に係合させることができる。
本発明の第4の態様は、前述した第1の態様に記載の自動給送装置において、前記分離部材と前記回転体とは、同一の回転軸に回転自在に軸支された状態で摺接係合し、当該摺接係合部分に生じる摩擦力によって前記所定の回転抵抗が生じる、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、分離部材と回転体とを同一の回転軸に回転自在に軸支した状態で摺接係合させ、その摺接係合部分に生じる摩擦力を利用して分離部材の所定の回転抵抗を生じさせる。それによって、分離部材が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で、分離部材と回転体とを回転伝達可能に係合させることができる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の自動給送装置において、給送される被記録材から前記分離部材により分離された他の被記録材を戻す戻し手段を備えている、ことを特徴とした自動給送装置である。
給送される被記録材から分離部材により分離された他の被記録材を戻す戻し手段を設けることによって、給送用ローラと分離部材との間に被記録材が介在している状態から給送動作が開始されることを防止することができる。したがって、被記録材の給送時に、給送用ローラと分離部材との間に挟持される被記録材の数をより少なくすることができる。それによって、被記録材の重送をさらに確実に防止することができるとともに、紙ジャム等が生ずる虞をより低減させることができる。
本発明の第6の態様は、所定の搬送方向へ被記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される被記録材に記録を実行する手段又は前記搬送手段により搬送される被記録材に記録されている情報を読み取る手段と、前記搬送手段へ被記録材を給送する前述した第1〜第5の態様のいずれかに記載の自動給送装置と、を備えた電子機器である。
本発明の第6の態様に記載の電子機器によれば、所定の搬送方向へ被記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される被記録材に記録を実行する手段又は搬送手段により搬送される被記録材に記録されている情報を読み取る手段とを備えた電子機器において、前述した第1〜第5の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明は以下説明する実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「電子機器」の一例であるインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタ50の側断面図であり、図2は、その要部平面図である。
インクジェットプリンタ50は、記録紙Pをインクジェットプリンタ50の内部へ給送するための自動給送装置70を備えている。また、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている「被記録材」としての記録紙Pを搬送方向Yへ搬送する「搬送手段」としての搬送駆動ローラ51及び搬送従動ローラ52を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面にインクを噴射する「記録実行手段」としての記録ヘッド62を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、記録実行後の記録紙Pを搬送方向Yへ排出するための排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。
自動給送装置70は、ホッパ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73及び給送用ローラ74を備えている。ホッパ71は、給送する記録紙Pが載置され、給送用ローラ74の回転に連動して動作する揺動機構(図示せず)により、給送用ローラ74へ向けて揺動する。それによって、ホッパ71に載置されている記録紙Pを給送用ローラ74の外周面に押圧することができる。また、ホッパ71には、対をなす対称構造の左エッジガイド72及び右エッジガイド73が記録紙Pの幅方向X(搬送方向Yと交差する方向)へスライド変位可能に配設されている。給送用ローラ74は、給送用ローラ軸741に一体的に配設されており、図示していない給送用モータの回転力で給送用ローラ軸741が回転することによって回転する。記録紙Pは、給送用ローラ74の回転により、給送経路75を通じて、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接面へ向けて給送される。
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、図示していない搬送用モータの回転駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラ52は、従動回転可能に軸支され、図示していないばね等の付勢手段によって搬送駆動ローラ51の外周面に押圧付勢されている。自動給送装置70により給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量でプラテン53上を搬送される。
記録ヘッド62は、キャリッジ61の底部に配設されている。記録ヘッド62のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズル(図示せず)が配設されている。キャリッジ61は、記録ヘッド62のヘッド面とプラテン53上の記録紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ記録紙Pの幅方向Xへ往復動可能に、キャリッジガイド軸56に支持されている。キャリッジ61は、図示していないキャリッジ駆動用モータの回転軸に配設された駆動プーリ(図示せず)と従動プーリ(図示せず)との間に掛架された無端ベルト(図示せず)が連結されており、無端ベルトを介してキャリッジ駆動用モータの回転駆動力が伝達されて幅方向Xへ往復動する。
キャリッジ61の往復動領域の一方側には、公知のキャッピング装置57が設けられている。記録を実行しない待機状態においては、キャリッジ61がキャッピング装置57の上まで移動して停止し、キャッピング装置57に配設されているキャップCPによって記録ヘッド62のヘッド面が封止される。このキャリッジ61の停止位置は、ホームポジションHPとして規定される。
プラテン53は、記録紙Pの搬送方向Yに沿って形成された多数のプラテンリブ(図示せず)を有している。プラテン53上を搬送される記録紙Pは、このプラテンリブの頂部で裏面側から支持される。記録紙Pは、このプラテン53に支持された領域において、記録ヘッド62により記録面にドットを形成されて記録が実行される。記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、プラテンリブの頂部によって規定される。
プラテン53上を搬送される記録紙Pは、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62のヘッド面から記録紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量で搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録面への記録が実行される。インク噴射後の記録紙Pは、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により搬送方向Yへ搬送されて排出される。これらの一連の記録制御は、図示していない制御回路により実行される。
<本発明に係る自動給送装置の第1実施例>
つづいて、本発明に係る自動給送装置70の第1実施例について、図3〜図9を参照しながら説明する。
図3〜図9は、本発明に係る自動給送装置70の第1実施例を図示した側面図である。
自動給送装置70は、前記のホッパ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73、給送用ローラ74及び給送経路75の他、分離装置30と抑えローラ76とを備えている。分離装置30は、「分離部材」としてのリタードローラ31、「検出部材」としての検出レバー32、係止部33、「回転体」としての歯車34及び無端ベルト35を有している。
リタードローラ31は、給送用ローラ74の外周面に付勢された状態で回転可能に支持される。より具体的には、リタードローラ31は、回転軸311が給送用ローラ74へ向けて進退可能に支持されるとともに、回転軸311が図示していないばね等の付勢手段によって給送用ローラ74へ向けて付勢されている。検出レバー32は、給送経路75を給送される記録紙P1と係合して変位する。より具体的には、検出レバー32は、軸部321で揺動可能に軸支されており、軸部321を挟んで一方側に検出腕部322、他方側に扇形歯車323がそれぞれ設けられている。検出腕部322は、図示の如く、定位位置において一部が給送経路75に突出する。抑えローラ76は、給送経路75に沿って給送される記録紙P1が給送経路75から浮き上がることを規制するためのローラであり、図示の位置に回転自在に軸支されている。
歯車34は、軸部341で回転自在に軸支されている。軸部341は、検出レバー32の扇形歯車322と回転伝達可能に噛合している。係止部33は、検出レバー32の扇形歯車322が当接して、検出レバー32の揺動位置を規制する。無端ベルト35は、リタードローラ31の回転軸311と歯車34との間に掛架されており、リタードローラ31と歯車34とを回転伝達可能に連結している。歯車34は、検出レバー32の変位に連動して、記録紙P1を逆送する方向(給送方向YFの逆方向)へリタードローラ31が回転する方向へ回転する(逆送機構)。
無端ベルト35は、リタードローラ31の回転軸311と歯車34とを回転伝達可能に連結しつつ、リタードローラ31の回転軸311の外周面と摺接係合する。歯車34は、その摺接係合部分に生じる摩擦力によって、リタードローラ31が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態でリタードローラ31に回転伝達可能に係合する。すなわち、リタードローラ31は、所定の回転抵抗をもって従動回転可能に支持されて、給送用ローラ74の外周面に付勢された状態となる。
この所定の回転抵抗は、例えば、給送用ローラ74の外周面とリタードローラ31の外周面とで2枚の記録紙P1、P2を挟持した状態では(図4)、給送用ローラ74の外周面と記録紙P1との接触面に作用する摩擦力より小さく記録紙P1と記録紙P2との接触面に作用する摩擦力より大きくなるように設定される。尚、この回転抵抗は、例えば、無端ベルト35の内周面とリタードローラ31の回転軸311の外周面とが摺接する部分における摩擦係数や無端ベルト35のベルトテンション等を調整することで増減調整することができる。
つづいて、分離装置30における記録紙Pの分離動作について、引き続き図3〜図9を参照しながら説明する。
図3は、給送動作を開始した直後の状態を図示したものであり、1枚の記録紙P1が給送用ローラ74の外周面とリタードローラ31の外周面とで挟持されたときの状態を図示したものである。
記録紙P1は、給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へ回転すると、給送用ローラ74の外周面との接触面に作用する摩擦力によって、給送経路75を通じて給送方向YFへ給送されていく。このとき、給送される記録紙P1に接しているリタードローラ31は、給送用ローラ74の外周面と記録紙P1との接触面に作用する摩擦力より小さい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、その記録紙P1の給送に従動して符号Bで示した回転方向へ回転する。したがって、給送されるべき記録紙P1の給送が妨げられることはない。
このとき、リタードローラ31が符号Bで示した回転方向へ回転することによって、同じ回転方向へ回転しようとする力が無端ベルト35に作用し、歯車34を介して検出レバー32を揺動させようとする力が作用する。しかし、検出レバー32は、係止部33によってその揺動方向への揺動が規制されているため、その揺動姿勢が維持される。したがって、歯車34及び無端ベルト35は回転せず、リタードローラ31は、無端ベルト35の内周面に回転軸311が摺接しながら符号Bで示した回転方向へ回転する。
図4及び図5は、給送動作を開始した直後の状態を図示したものであり、2枚の記録紙P1、P2が給送用ローラ74の外周面とリタードローラ31の外周面とで挟持されたときの状態を図示したものである。
給送用ローラ74の外周面に接している給送されるべき記録紙P1は、給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へ回転すると、給送用ローラ74の外周面との接触面に作用する摩擦力によって、給送経路75を通じて給送方向YFへ給送されていく。他方、リタードローラ31は、記録紙P1と記録紙P2との接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されている。したがって、リタードローラ31は、その回転抵抗によって停止した状態が維持され、一面が給送されるべき記録紙P1に接して他面がリタードローラ31の外周面に接している記録紙P2は、その停止しているリタードローラ31の外周面に係止される。このようにして、給送される記録紙P1に引きずられるようにして他の記録紙P2が重送されてしまうことが防止される(図4)。
そして、給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へさらに回転すると、給送方向YFへ給送される記録紙P1の先端に検出レバー32の検出腕部322が押動され、検出レバー32が符号Cで示した方向へ揺動変位する。それによって、検出レバー32の扇形歯車322及び歯車34を介して、無端ベルト35が符号Dで示した回転方向へ回転する。このとき、リタードローラ31は、記録紙P1と記録紙P2との接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、符号Eで示した回転方向(以下、「逆転方向E」という。)へ回転する。それによって、リタードローラ31の外周面に係止されている記録紙P2は、逆送方向YBへ逆送され、ホッパ71へ押し戻される(図5)。
図6〜図9は、給送動作を開始した直後の状態を図示したものであり、3枚の記録紙P1〜P3が給送用ローラ74の外周面とリタードローラ31の外周面とで挟持されたときの状態を図示したものである。
給送用ローラ74の外周面に接している給送されるべき記録紙P1は、給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へ回転すると、給送用ローラ74の外周面との接触面に作用する摩擦力によって、給送経路75を通じて給送方向YFへ給送されていく。また、リタードローラ31の外周面に接している記録紙P3は、その停止しているリタードローラ31に係止される(図6)。そして、給送用ローラ74の回転により給送される記録紙P1とリタードローラ31の外周面に接して係止されている記録紙P3との間にある記録紙P2は、そのままでは、給送される記録紙P1に引きずられるようにして重送されてしまう可能性がある(図7)。
この状態から、給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へさらに回転すると、給送方向YFへ給送される記録紙P1の先端に検出レバー32の検出腕部322が押動され、検出レバー32が符号Cで示した方向へ揺動変位する。それによって、検出レバー32の扇形歯車322及び歯車34を介して、無端ベルト35が符号Dで示した回転方向へ回転する。このとき、リタードローラ31は、記録紙P2と記録紙P3との接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、無端ベルト35の回転により逆転方向Eへ回転する(図8)。それによって、リタードローラ31の外周面に係止されている記録紙P3は、逆送方向YBへ逆送され、その上に重なっている記録紙P2がリタードローラ31の外周面に接して係止された状態となる(図9)。
すなわち、給送用ローラ74の回転により給送される記録紙P1とリタードローラ31の外周面との間にある記録紙P2、P3は、リタードローラ31の逆転方向Eへの回転によって順次逆送されることになる。したがって、記録紙P2、P3は、給送経路75を給送される記録紙P1と係合して検出レバー32が変位する間に、ホッパ71へ向けて全て逆送される。それによって、給送される記録紙P1に引きずられるようにして他の記録紙P2が重送されてしまうことを未然に防止することができる。
そして、リタードローラ31を逆転方向Eへ回転させようとする力がリタードローラ31に作用するのは、給送経路75を給送される記録紙P1の先端が検出レバー32を押動して、その検出レバー32が符号Cで示した方向へ変位する間だけである。すなわち、給送される記録紙P1に給送方向YFと対向する逆送方向YBへの送り力が作用するのは、給送経路75を給送される記録紙P1の先端が検出レバー32を押動して、その検出レバー32が符号Cで示した方向へ変位する間だけである。したがって、給送される記録紙P1のリタードローラ31の外周面が接する部分に傷や接触痕が付いてしまう虞を低減させることができる。
さらに、現実に記録紙P1が給送経路75を給送されない限り、検出レバー32は変位しない。つまり、空給送動作が行われたときには、リタードローラ31を逆転方向Eへ回転させる力がリタードローラ31に作用することはない。したがって、空給送動作が行われた場合に、給送用ローラ74の外周面とリタードローラ31の外周面との接触部分に相反する方向の回転駆動力が作用することはない。それによって、給送用ローラ74又はリタードローラ31の外周面に摩耗や傷等が生ずる虞を低減させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、記録紙Pに傷や接触痕が付いてしまう虞が少なく、給送用ローラ74の外周面に摩耗や傷等が生ずる虞が少なく、かつ記録紙Pの重送を高い精度で防止することが可能な自動給送装置70を実現することができる。
また、本発明に係る自動給送装置70は、上記の第1実施例に加えて、給送される記録紙P1からリタードローラ31により分離された他の記録紙P2、P3をホッパ71へ向けて戻す戻し手段を備えているのが好ましい。それによって、給送用ローラ74とリタードローラ31との間に記録紙Pが介在している状態から給送動作が開始されることを防止することができるので、記録紙Pの重送をさらに確実に防止することができるとともに、紙ジャム等が生ずる虞をより低減させることができる。
尚、戻し手段としては、例えば、給送された記録紙P1の後端が給送用ローラ74から離脱した後、リタードローラ31の外周面に先端近傍が係止された記録紙P2、P3の先端に係合して、その記録紙P2、P3をホッパ71へ向けて押し戻す揺動体を設ければ良い。あるいは、給送された記録紙P1の後端が給送用ローラ74から離脱した後、給送用ローラ74を逆回転させて、リタードローラ31の外周面に先端近傍が係止された記録紙P2、P3をホッパ71へ向けて逆送するようにしても良い。
<本発明に係る自動給送装置の第2実施例>
つづいて、本発明に係る自動給送装置70の第2実施例について、図10を参照しながら説明する。
図10は、本発明に係る自動給送装置70の第2実施例を図示した側面図である。尚、第2実施例の自動給送装置70については、分離装置30の構成以外は第1実施例と同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
第2実施例の分離装置30は、「検出部材」としての検出レバー32、係止部33、「回転体」としての歯車34、ベルト支持ローラ36及び「分離部材」としてのリタードベルト37を有している。尚、検出レバー32及び係止部33については、第1実施例の分離装置30と同じであるため、説明は省略する。
リタードベルト37は、歯車34とベルト支持ローラ36との間に掛架されている。ベルト支持ローラ36は、回転自在に軸支されており、リタードベルト37の回転に従動して回転する。また、ベルト支持ローラ36は、給送用ローラ74へ向けて進退可能に支持されるとともに、図示していないばね等の付勢手段によって給送用ローラ74へ向けて付勢されている。歯車34は、検出レバー32の変位に連動して、記録紙P1を逆送する方向へリタードベルト37が回転する方向へ回転する(逆送機構)。
リタードベルト37は、歯車34の外周面と摺接係合する。その摺接係合部分に生じる摩擦力によって、歯車34は、リタードベルト37が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態でリタードベルト37に回転伝達可能に係合する。すなわち、リタードベルト37は、所定の回転抵抗をもって従動回転可能に支持されて、給送用ローラ74の外周面に付勢された状態となる。この所定の回転抵抗は、第1実施例において説明した通りである。
つづいて、第2実施例の分離装置30における記録紙Pの分離動作について、引き続き図10を参照しながら説明する。
図10は、給送動作を開始した直後の状態を図示したものであり、3枚の記録紙P1〜P3が給送用ローラ74の外周面とリタードベルト37の外周面とで挟持されたときの給送動作を図示したものである。
給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へ回転すると、給送方向YFへ給送される記録紙P1の先端に検出レバー32の検出腕部322が押動され、検出レバー32が符号Cで示した方向へ揺動変位する。それによって、検出レバー32の扇形歯車322を介して、歯車34が符号Dで示した回転方向へ回転する。このとき、リタードベルト37は、記録紙P2と記録紙P3との接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、その歯車34の回転により逆転方向Eへ回転する。それによって、リタードベルト37の外周面に係止されている記録紙P3は、逆送方向YBへ逆送され、その上に重なっている記録紙P2がリタードベルト37の外周面に接して係止された状態となる。
すなわち、給送用ローラ74の回転により給送される記録紙P1とリタードベルト37の外周面との間にある記録紙P2、P3は、リタードベルト37の逆転方向Eへの回転によって順次逆送されることになる。したがって、記録紙P2、P3は、給送経路75を給送される記録紙P1と係合して検出レバー32が変位する間に、ホッパ71へ向けて全て逆送される。それによって、給送される記録紙P1に引きずられるようにして他の記録紙P2が重送されてしまうことを未然に防止することができる。
<本発明に係る自動給送装置の第3実施例>
つづいて、本発明に係る自動給送装置70の第3実施例について、図11を参照しながら説明する。
図11は、本発明に係る自動給送装置70の第3実施例を図示した側面図である。尚、第3実施例の自動給送装置70については、分離装置30の構成以外は第1実施例と同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
第3実施例の分離装置30は、「分離部材」としてのリタードローラ31、「検出部材」としての検出レバー38及び「回転体」としての円板39を有している。尚、リタードローラ31については、第1実施例の分離装置30と同じであるため、説明は省略する。
検出レバー38は、給送経路75を給送される記録紙P1と係合して変位する。より具体的には、検出レバー38は、軸部381で揺動可能に軸支されており、軸部381を挟んで一方側に検出腕部382、他方側にリンク腕部383がそれぞれ設けられている。検出腕部322は、図示の如く、定位位置において一部が給送経路75に突出している。
円板39は、リタードローラ31の回転軸311に軸支されており、回転伝達可能にリタードローラ31の側面に係合する。また、円板39は、凸部391が検出レバー32のリンク腕部383と係合している。したがって、円板39は、検出レバー32の変位に連動して、記録紙P1を逆送する方向へリタードローラ31が回転する方向へ回転する(逆送機構)。
また、円板39は、リタードローラ31の側面に摺接係合する。その摺接係合部分に生じる摩擦力によって、円板39は、リタードローラ31が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態でリタードローラ31に回転伝達可能に係合する。すなわち、リタードローラ31は、所定の回転抵抗をもって従動回転可能に支持されて、給送用ローラ74の外周面に付勢された状態となる。この所定の回転抵抗は、第1実施例において説明した通りである。
つづいて、第3実施例の分離装置30における記録紙Pの分離動作について、引き続き図11を参照しながら説明する。
図11は、給送動作を開始した直後の状態を図示したものであり、3枚の記録紙P1〜P3が給送用ローラ74の外周面とリタードローラ31の外周面とで挟持されたときの給送動作を図示したものである。
給送用ローラ74が符号Aで示した回転方向へ回転すると、給送方向YFへ給送される記録紙P1の先端に検出レバー32の検出腕部322が押動され、検出レバー32が符号Cで示した方向へ揺動変位する。それによって、検出レバー32のリンク腕部383が符号Fで示した方向へ揺動し、円板39の凸部391がリンク腕部383に押動され、円板39が符号Dで示した回転方向へ回転する。
このとき、リタードローラ31は、記録紙P2と記録紙P3との接触面に作用する摩擦力より大きい回転抵抗をもって従動回転可能に支持されているため、その円板39の回転により逆転方向Eへ回転する。それによって、リタードローラ31の外周面に係止されている記録紙P3は、逆送方向YBへ逆送され、その上に重なっている記録紙P2がリタードローラ31の外周面に接して係止された状態となる。
すなわち、給送用ローラ74の回転により給送される記録紙P1とリタードローラ31の外周面との間にある記録紙P2、P3は、リタードローラ31の逆転方向Eへの回転によって順次逆送されることになる。したがって、記録紙P2、P3は、給送経路75を給送される記録紙P1と係合して検出レバー32が変位する間に、ホッパ71へ向けて全て逆送される。それによって、給送される記録紙P1に引きずられるようにして他の記録紙P2が重送されてしまうことを未然に防止することができる。
インクジェットプリンタの側断面図。 インクジェットプリンタの要部平面図。 1枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 2枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 2枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 3枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 3枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 3枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 3枚の記録紙が給送されるときの状態を図示した側面図(第1実施例)。 本発明に係る自動給送装置の第2実施例を図示した側面図。 本発明に係る自動給送装置の第3実施例を図示した側面図。
符号の説明
30 分離装置、31 リタードローラ、32、38 検出レバー、33 係止部、34 歯車、35 無端ベルト、36 ベルト支持ローラ、37 リタードベルト、39 円板、50 インクジェットプリンタ、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、56 キャリッジガイド軸、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、70 自動給送装置、71 ホッパ、72 左エッジガイド、73 右エッジガイド、74 給送用ローラ、75 給送経路、P 記録紙、X 幅方向、Y 搬送方向

Claims (6)

  1. 被記録材を一ずつ自動給送する自動給送装置において、
    駆動力源の回転駆動力が伝達されて回転する給送用ローラと、
    前記給送用ローラの外周面に付勢された状態で回転可能に支持される分離部材と、
    前記分離部材が所定の回転抵抗をもって従動回転可能な状態で前記分離部材に回転伝達可能に係合する回転体と、
    給送経路を給送される被記録材と係合して変位する検出部材と、
    前記検出部材の変位に連動して、被記録材を逆送する方向へ前記分離部材が回転する回転方向へ前記回転体を回転させる逆送機構と、を備え、
    前記所定の回転抵抗は、前記給送用ローラの外周面と前記分離部材の外周面とで被記録材を挟持した状態で、前記給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に作用する摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に作用する摩擦力より大きい、ことを特徴とした自動給送装置。
  2. 請求項1に記載の自動給送装置において、前記回転体と前記分離部材とを回転伝達可能に連結する無端ベルトを備え、前記無端ベルトと前記回転体又は前記分離部材とが摺接係合し、当該摺接係合部分に生じる摩擦力によって前記所定の回転抵抗が生じる、ことを特徴とした自動給送装置。
  3. 請求項1に記載の自動給送装置において、前記分離部材は、前記回転体の外周面と摺接係合する無端ベルトであり、当該摺接係合部分に生じる摩擦力によって前記所定の回転抵抗が生じる、ことを特徴とした自動給送装置。
  4. 請求項1に記載の自動給送装置において、前記分離部材と前記回転体とは、同一の回転軸に回転自在に軸支された状態で摺接係合し、当該摺接係合部分に生じる摩擦力によって前記所定の回転抵抗が生じる、ことを特徴とした自動給送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動給送装置において、給送される被記録材から前記分離部材により分離された他の被記録材を押し戻す戻し手段を備えている、ことを特徴とした自動給送装置。
  6. 所定の搬送方向へ被記録材を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される被記録材に記録を実行する手段又は前記搬送手段により搬送される被記録材に記録されている情報を読み取る手段と、
    前記搬送手段へ被記録材を給送する請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動給送装置と、を備えた電子機器。
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