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JP2009230065A - 電子写真用トナー - Google Patents

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忠洋 椿
Masahiro Maeda
正博 前田
Hideki Ikeda
英樹 池田
Yutaka Yamazaki
豊 山崎
Kenji Kihira
顕治 紀平
Yuta Suga
雄太 菅
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Abstract

【課題】帯電制御剤がトナー母体粒子に強固に結合し、良好な画像を得ることの可能な電子写真用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、帯電制御剤及び外添用シリカを外添した電子写真用トナーであって、前記帯電制御剤は解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕されたものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真用トナーに係り、特に、少量で良好な画像を得ることを可能とする電子写真用トナーに関する。
電子写真方式による画像形成は、一般に静電荷像をトナーにより現像して可視化し、現像により得られたトナー像を用紙に転写することにより行われる。このような画像形成に用いられるトナーの製造方法としては、粉砕法、重合法等があるが、一般には粉砕法が主流を占めている。
粉砕法の一般的な製造方法としては、結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の原料を乾式で混合した後、2軸押出機などで溶融混練し、冷却固化した後に粗粉砕を行い、混練粗砕物を得る。その後、ジェットミルなどで微粉砕を行い、適切な粒度分布になるように分級機で粒度調整を行う。さらにシリカなどの外添剤と一緒に混合機で混合することで外添処理を行い、異物や凝集物除去のため篩を通し、トナーを得る。
上述したように、帯電制御剤は、通常、結着樹脂とともに混練されるが、帯電現象はトナー粒子の表面で生じるため、トナー粒子の内部にある帯電制御剤は帯電現象に関与しない。そのため、非磁性一成分トナーにおいては、トナーの帯電の立ち上がりが特に要求されるので、帯電制御剤をトナーに外添することが多く提案されている。
帯電制御剤の外添方法は、乾式トナーの場合、母体トナーと帯電制御剤をミキサー内で強撹拌する手法が用いられ、重合トナーの場合、帯電制御剤を湿式で母体に処理する手法が大半を占めている。
乾式トナーにおいては、凝集、固着等の問題があるため、湿式法は適用できない。また、ミキサーにより強撹拌する場合、帯電制御剤の結晶粒子の粒径は10μm以上と大きいため、外添終了時にトナー母体に強固に付着させることは困難である。トナー母体に強固に帯電制御剤が付着していない場合、印字の際に現像槽内でトナーがせん断力を受けると帯電制御剤がトナー母体から遊離し、正常な摩擦帯電が行われなくなるため、帯電性の低下が生じ、画像にカブリ等が顕著に発生する。
本発明は以上のような事情の下になされ、帯電制御剤がトナー母体粒子に強固に結合し、良好な画像を得ることの可能な電子写真用トナーを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、帯電制御剤及び外添用シリカを外添した電子写真用トナーであって、前記帯電制御剤は解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕されたものであることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
このような電子写真用トナーにおいて、前記ジェットミルにより解砕された帯電制御剤の粒径を500nm以下とすることが出来る。また、前記解砕用シリカの量を、帯電制御剤100質量部に対し、0.5〜10質量部とすることが出来る。
また、前記解砕用シリカの平均粒径を20nm以下とすることが出来る。
本発明の第2の態様は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、帯電制御剤及びシリカを外添した電子写真用トナーであって、前記帯電制御剤は、500nm以下の平均粒径を有することを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
以上の本発明の第1及び第2の態様に係る電子写真用トナーにおいて、前記帯電制御剤として、LR−147、E−89、及びE−84からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが出来る。また、非磁性一成分現像装置に使用される電子写真用トナーとすることが出来る。
前記外添されるシリカは、平均粒径の異なる2種類以上のシリカの混合物であり、平均粒径の大きいシリカがシリコーンオイル処理されているものとすることが出来る。
本発明によると、帯電制御剤がトナー母体粒子に強固に結合し、良好な画像を得ることの可能な電子写真用トナーが提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーは、外添剤としての帯電制御剤が、解砕用シリカとともに、ジェットミルにより解砕されたものであることを特徴とする。
帯電制御剤は、通常、一次粒子として存在することはなく、凝集して粒径10μm程度の大きさとなっているため、トナー母体粒子に外添処理を施した場合、帯電制御剤粒子をトナー母体粒子表面に強固に付着させることは困難である。そのため、現像工程においてトナーがせん断力を受ける際に、トナー母体粒子から帯電制御剤が離脱し、帯電性の低下により画像にカブリ等が発生するという問題があった。
本発明では、外添処理前に、帯電制御剤をジェットミルにより解砕し、それを用いて外添処理を行なっている。その結果、帯電制御剤はトナー母体粒子表面に強固に付着するに十分小さい粒径とされ、外添処理によりトナー母体粒子表面に強固に付着する。そのため、現像工程においてトナーがせん断力を受ける際に、トナー母体粒子から帯電制御剤が離脱することがなく、帯電性の低下により画像にカブリ等が発生するという問題は生じない。
この場合、ジェットミルによる帯電制御剤の解砕は、微量の解砕用シリカとともに行なうことが必要である。帯電制御剤を単独で解砕したのでは、トナー母体粒子表面に強固に付着するに十分小さい粒径とすることは困難であり、また帯電制御剤粒子がトナー母体粒子表面に均一に付着することが困難となる。
解砕用シリカの量は、帯電制御剤100質量部に対し0.5〜10質量部であるのが好ましい。解砕用シリカの量が0.5質量部未満では、帯電制御剤を、トナー母体粒子表面に強固に付着するに十分小さい粒径とすることが困難となり、10質量部を超えると、流動性が過剰になり微粒化するためのせん断力が不足するため十分小さい粒径とすることが困難となる。
解砕用シリカの平均粒径は、20nm以下であるのが好ましい。解砕用シリカの平均粒径が20nmを超えると、シリカの流動性以外のスーペサー的効果が付与されるのでトナーの画像特性(現像性)に影響を与えるとなる。
なお、帯電制御剤の粒径が、トナー母体粒子表面に強固に付着するに十分小さいとは、例えば、500nm以下の場合を言う。帯電制御剤の粒径が500nmを超えると、現像工程においてトナーがせん断力を受ける際に、トナー母体粒子から帯電制御剤が離脱しやすくなる。
なお、帯電制御剤としては、通常、電子写真用トナーに使用される任意のものを使用可能であり、例えば、LR−147、E−89、E−84(いずれも商品名)等のアルミナを好ましく用いることが出来る。
以下、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーを製造する方法について、具体的に説明する。
まず、結着樹脂、着色剤、及び離型剤等を含む原料混合物を混合機により混合する。混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレンダー、ナウターミキサー等、任意のものを用いることが出来る。
使用可能な結着樹脂としては、公知のものを含む広い範囲から選択することができる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、およびスチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示でき、これらの樹脂を二種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が好ましい。
離型剤としては、通常、電子写真用トナーに使用される任意のものを使用可能である。
原料混合物は、次いで混練機に供給され、そこで溶融混練される。混練機としては、二軸押出し混練機及び単軸押出し混練機等の押出し混練機、連続式2本ロールミル、連続式3本ロールミル及びバッチ式ロールミル等のオープンロール型混練機等、任意の型のものを用いることができる。
混練機から排出された溶融混練物は、通常、トナーの製造に用いられる方法に従って、冷却され、粉砕され、分級されて、所定の平均粒径のトナー粒子母体が得られる。冷却手段、粉砕手段及び分級手段は、特に限定されず、通常トナーの製造に用いられるものを採用することが出来る。例えば、冷却には、圧延や空気流の吹き付けによる冷却手段を用いることができ、粉砕には、衝突板式粉砕機等の気流粉砕機を用いることができ、分級には、様々な気流分級機を用いることができる。
このようにして得たトナー粒子母体に対し、帯電制御剤及びシリカを外添処理するが、帯電制御剤は、次のようにして解砕されたものを用いる。即ち、帯電制御剤に対し0.5〜10質量部のシリカ(平均粒径20nm以下)を加えた混合物を、ジェットミルにより解砕し、500nm以下の平均粒径の帯電制御剤とする。
ジェットミルとは、ノズルから噴射される高圧・高速の気体により被処理物を粉砕する粉砕装置であり、本実施形態では、帯電制御剤の解砕に用いている。シリカとともにジェットミルにかけられた帯電制御剤は、高圧・高速の気体、例えば空気により加速され、粒子同士の衝突により解砕され、また衝突板への衝突により解砕される。
このようにして前解砕された帯電制御剤を、他の外添剤であるシリカ(外添用シリカ)とともに、トナー粒子母体に加え、混合・攪拌することにより、電子写真用トナーが得られる。外添用シリカは、平均粒径の異なる2種類以上のシリカの混合物とすることが出来、平均粒径の大きいシリカがシリコーンオイル処理されていることが望ましい。そうすることにより、スペーサー的効果及び表面エネルギーの低減により転写性に優れた画像が得られるという効果が得られる。
以下、本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
図1は、実施例及び比較例で用いる非磁性一成分画像形成装置を示す図である。本発明の電子写真用トナーは、非磁性一成分画像形成装置に好適に用いることが出来る。
図1に示す画像形成装置は、現像装置1と感光体ドラム2とを備えている。現像装置1は、内部にトナーを収容するトナーホッパー3、トナーを供給する供給ロール4、供給ロール4から供給されたトナーを感光体ドラム2に付与し、感光体ドラム2の表面の静電潜像を現像する弾性体からなる現像ロール5、この現像ロール5に摺接して、現像ロール5表面のトナー層の厚さを規制するドクターブレード6を具備している。感光体ドラム2の周囲には、感光体ドラム2の表面を一様に帯電する帯電ロール7、帯電した感光体ドラム2の表面に原稿像を露光して、静電潜像を形成するLED8が配置されている。
感光体ドラム2の下部には、転写ベルト9が感光体ドラム2の回転とともに走行しており、転写シート10により感光体ドラム2と接触して、現像されたトナー像は、用紙11に転写される。なお、転写後も感光体ドラム2の表面に残留する、転写されなかったトナーは、クリーニングブレード12により除去され、搬送チューブ13内の搬送スクリュー14によって、トナーホッパー3内の回収トナーホッパー15内に回収される。
実施例1〜6
結着樹脂としてポリエステル樹脂(軟化点133℃)92質量部、着色剤としてC.Iピグメントレッド57:1を4質量部、離型剤として「NP056」(三井化学(株)製:ポリプロピレンワックス)3重童部をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合した。
混合粉体を2軸混練機(スクリュウ径43mm、L/D=34)で溶融混練し、延伸し、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した後、衝突式粉砕機で粉砕し、風力分級機にて、トナー平均粒径が8.0μmになるように分級を行い、着色微粒子を得た。
得られた着色微粒子100質量部に対し、「NY50」(日本アエロジル(株)製:シリコーンオイル処理シリカ、30nm)を2.0質量部、「RX200」(日本アエロジル(株)製:ヘキサメチルヅシラザン処理シリカ、12nm)を0.5質量部と、下記表1に示す帯電制御剤(CCA)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。
なお、CCAは、ミニブレンダーで1分間、解砕用シリカとブレンドした後、解砕機として日本ニューマチック工業(株)製のIDS−2型を用いて、0.6MPaの圧力、3kg/hrのフィード量で解砕したものを用いた。実施例では、解砕用シリカの添加量を変えた5種のCCA1〜5と、CCAの種類を変えた2種のCCA6、CCA7を用いた。
着色微粒子に外添用シリカ及びCCAを混合した後、目開き90μm(メッシュ呼び名:166メッシュ)の超音波振動篩でふるいを行い、トナーを得た。超音波振動篩としては、(株)特寿工作所製のTMR−50(篩径500mm)を使用した。
比較例1〜3
解砕用シリカを用いずに解砕したCCA6を用いたこと(比較例1)、解砕しないCCA7を用いたこと(比較例2)、CCAを外添しないこと(比較例3)を除いて、実施例1〜6と同様にトナーを製造した。
Figure 2009230065
以上のようにして製造した実施例1〜6及び比較例1〜3のトナーについて、篩工程における目詰まり状態を評価し、これらのトナーを用いて形成した画像を評価した。
試験−1
(篩工程での目詰まり)
トナー製造時、飾工程での目詰まり状態を評価する。外添後のトナー3kgを超音波振動篩に投入し、篩が終了するまでの時間と篩後の目詰まり状態を評価した。
◎:篩時間が5分以内であり、篩目詰まりがない。
○:篩時間が5〜10分で、軽度の詰まりはあるが問題のないレベル。
×:篩時間が10分以上で、篩の目詰まりが多い。
試験−2
(画像評価)
図1に示すような非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横換算)機、プロセススピード129mm/sec)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%画像を12,000枚連続印字した後、A4サイズにて、ベタ画像、ハーフトーン画像、白紙画像を採取し、画像評価を行った。評価項目として、ベタ均一性(印字範囲内の濃度ムラを評価)、スジの発生、かぶり評価を行った。
なお、トナーの平均粒径は、測定装置としてマルチサイザーII(コールター(株)製)を用い、試料として、ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散したものを用い、アパーチャーは100μmで行い、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
また、外添剤の粒径は、解砕なしのCCAは電子顕微鏡より得られる粒径であり、解砕後の粒径はレーザー回折法により測定した。
試験結果を下記表2に示す
Figure 2009230065
上記表2から、シリカとともにジェットミルにより解砕した帯電制御剤を外添したトナー(実施例1〜6)は、いずれも篩工程での目詰まりがなく、画像評価は良好であることがわかる。
これに対し、解砕用シリカを用いずに解砕したCCA6を外添したトナー(比較例1)及び解砕しないCCA7を外添したトナー(比較例2)は、いずれも篩工程において目詰まりが発生し、画像評価において、スジが発生し、かぶりが生じた。また、帯電制御剤を外添しないトナー(比較例3)は、篩工程において目詰まりは発生しなかったが、画像評価は劣っていた。
本発明の一実施形態に係るトナーを用いる画像形成装置の概略を示す図である。
符号の説明
1…現像装置、2…感光体ドラム、3…トナーホッパー、4…供給ロール、5…現像ロール、6…ドクターブレード、7…帯電ロール、8…LED、9…転写ベルト、10…転写シート、11…用紙、12…クリーニングブレード、13…搬送チューブ、14…搬送スクリュー、15…回収トナーホッパー。

Claims (8)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、帯電制御剤及び外添用シリカを外添した電子写真用トナーであって、前記帯電制御剤は、解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕されたものであることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記ジェットミルにより解砕された帯電制御剤の粒径は、500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記解砕用シリカの量は、帯電制御剤100質量部に対し、0.5〜10質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記解砕用シリカの平均粒径が20nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、帯電制御剤及びシリカを外添した電子写真用トナーであって、前記帯電制御剤は、500nm以下の平均粒径を有することを特徴とする電子写真用トナー。
  6. 前記帯電制御剤がLR−147、E−89、及びE−84からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 非磁性一成分現像装置に使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記外添されたシリカは、平均粒径の異なる2種類以上のシリカの混合物であり、平均粒径の大きいシリカがシリコーンオイル処理されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用トナー。
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