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JP2009222279A - 暖房装置 - Google Patents

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JP2009222279A JP2008065961A JP2008065961A JP2009222279A JP 2009222279 A JP2009222279 A JP 2009222279A JP 2008065961 A JP2008065961 A JP 2008065961A JP 2008065961 A JP2008065961 A JP 2008065961A JP 2009222279 A JP2009222279 A JP 2009222279A
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淳 日下
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Abstract

【課題】暖房対象空間を適切に暖房できながら、その暖房対象空間とは別の空間を良好に暖房し得る暖房装置を提供する。
【解決手段】暖房対象空間を暖房する暖房端末Pと、熱源機Gからの熱媒を暖房端末Pに供給する熱媒往き管1と、暖房端末Pを通過した熱媒を熱源機Gに戻す熱媒戻り管2とが設けられた暖房装置であって、熱媒往き管1及び熱媒戻り管2が、暖房対象空間Pとは別の空間の床部に、熱媒往き管1よりも熱媒戻り管2の方が床部の上面側に放熱し易い形態で配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、暖房対象空間を暖房する暖房端末と、
熱源機からの熱媒を前記暖房端末に供給する熱媒往き管と、
前記暖房端末を通過した熱媒を前記熱源機に戻す熱媒戻り管とが設けられた暖房装置に関する。
かかる暖房装置は、熱源機により熱媒を熱媒往き管及び熱媒戻り管を通して暖房端末に循環供給することにより、暖房端末にて熱媒の保有熱を暖房対象空間に放熱させて暖房対象空間を暖房するものであり、暖房端末としては、例えば、床暖房装置やファンコンベクタが設けられる。
ところで、近年、住宅内の各部の温度差を小さくする所謂温度バリアフリー化が望まれる場合があり、リビング、寝室等の人が長時間居ることになる暖房対象空間に加えて、廊下、脱衣室等の人が居る時間が短い場所も暖房したい要求がある場合がある。
このような要求を満たす従来例として、熱媒戻り管が暖房対象空間とは別の空間(例えば廊下)の床部に配設されて、その熱媒戻り管により、暖房端末を通過して熱源機に戻る熱媒から放熱させることにより、住宅内の居住空間における暖房対象空間とは別の空間も暖房するように構成されたものがある。
そして、この従来例では、熱媒往き管が断熱用テープが巻き付けられた状態でさや管に挿入されて、断熱状態で床下に配設されていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−163069号公報
従来の暖房装置では、熱媒戻り管からの放熱により、暖房対象空間とは別の空間を暖房することになるが、この熱媒戻り管からの放熱のみでは、放熱量が不足して、暖房対象空間とは別の空間を良好に暖房することができない場合があり、暖房対象空間とは別の空間に対する放熱量を増加させて、暖房対象空間とは別の空間を良好に暖房できるようにすることが望まれていた。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、暖房対象空間を適切に暖房できながら、その暖房対象空間とは別の空間を良好に暖房し得る暖房装置を提供することにある。
本発明の暖房装置は、暖房対象空間を暖房する暖房端末と、
熱源機からの熱媒を前記暖房端末に供給する熱媒往き管と、
前記暖房端末を通過した熱媒を前記熱源機に戻す熱媒戻り管とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記熱媒往き管及び前記熱媒戻り管が、前記暖房対象空間とは別の空間の床部に、前記熱媒往き管よりも前記熱媒戻り管の方が前記床部の上面側に放熱し易い形態で配設されている点にある。
即ち、熱媒往き管及び熱媒戻り管が、暖房対象空間とは別の空間の床部に、熱媒往き管よりも熱媒戻り管の方が床部の上面側に放熱し易い形態で配設されているので、熱媒戻り管から、その熱媒戻り管を通流する熱媒の保有熱が暖房対象空間とは別の空間の床部の上面側に放熱され、熱媒往き管からも、熱媒戻り管よりも放熱し難いものの、その熱媒往き管を通流する熱媒の保有熱が暖房対象空間とは別の空間の床部の上面側に放熱される。
つまり、熱媒往き管と熱媒戻り管との両方から暖房対象空間とは別の空間に放熱するので、暖房対象空間とは別の空間への放熱量を多くすることができ、しかも、熱媒戻り管により床部の上面側に効率良く放熱させることができるので、この点からも、暖房対象空間とは別の空間への放熱量を多くすることができるものとなるから、暖房対象空間とは別の空間を十分な放熱量にて良好に暖房することができるのである。
又、熱媒往き管により床部の上面側へ放熱させるものの、その放熱は、熱媒戻り管からの床部の上面側への放熱に比べて行われ難いものであるから、熱媒往き管を通して暖房端末に供給される熱媒の温度がその暖房端末による暖房対象空間の暖房に影響するようになるまで低下するのを抑制することができるものとなり、暖房端末による本来の暖房対象空間の暖房に影響を与えるのを抑制して、暖房対象空間を適切に暖房することができる。
ちなみに、一般には、床部の下方側部分を構成する床下地部により、その床下地部の上方側とその床下地部の下方側の床下とが断熱されるので、熱媒往き管及び熱媒戻り管夫々からの床下への放熱は抑制されることになる。
従って、暖房対象空間を適切に暖房できながら、その暖房対象空間とは別の空間を良好に暖房し得る暖房装置を提供することができるようになった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
上面に凹状の戻り管用溝部を備え且つ下面に凹状の往き管用溝部を備える状態に形成された配管部材が、前記暖房対象空間とは別の空間の床部における床下地部とその床下地部の上方に位置して前記床部の上面を形成する床仕上げ材との間に設けられ、
前記熱媒往き管及び前記熱媒戻り管が、前記熱媒戻り管を前記配管部材の戻り管用溝部に埋入し且つ前記熱媒往き管を前記配管部材の往き管用溝部に埋入した形態で配設されている点にある。
即ち、暖房対象空間とは別の空間の床部の床下地部と床仕上げ材との間に設けられた配管部材の上面の凹状の戻り管用溝部に熱媒戻り管が埋入され且つその配管部材の下面の凹状の往き管用溝部に熱媒往き管が埋入された形態で、熱媒往き管及び熱媒戻り管が配設されることにより、熱媒往き管及び熱媒戻り管が、暖房対象空間とは別の空間の床部に熱媒往き管よりも熱媒戻り管の方が床部の上面側に放熱し易い形態で配設されることになる。
つまり、配管部材の上面の凹状の戻り管用溝部に埋入されている熱媒戻り管からは、配管部材の上方の床仕上げ材を通してその床仕上げ材の上面側に効率良く放熱され、又、配管部材の下面の凹状の往き管用溝部に埋入されている熱媒往き管からは、配管部材及び床仕上げ材を通してその床仕上げ材の上面側に放熱されることになり、暖房対象空間とは別の空間を良好に暖房することができる。
しかも、熱媒戻り管による床仕上げ材の上面側への放熱を床仕上げ材を通して行わせるのに対して、熱媒往き管による床仕上げ材の上面側への放熱を配管部材及び床仕上げ材を通して行わせるようにすることにより、熱媒往き管による床仕上げ材の上面側への放熱が、熱媒戻り管による床仕上げ材の上面側への放熱に比べて、行われ難いものであるから、熱媒往き管を通して暖房端末に供給される熱媒の温度の低下を抑制して、暖房対象空間を適切に暖房することができる。
そして、熱媒往き管及び熱媒戻り管を床部に配設する作業は、例えば、配管部材をその下面の往き管用溝部に熱媒往き管を埋入した状態で床下地部上に配設し、続いて、その配管部材の上面の戻り管用溝部に熱媒戻り管を埋入する手順で行うことになり、このような配管部材を用いることにより、熱媒往き管及び熱媒戻り管を暖房対象空間とは別の空間の床部に熱媒往き管よりも熱媒戻り管の方が床部の上面側に放熱し易い形態で配設する作業を容易化することができる。
従って、上記の第1特徴構成により得られる効果に加えて、施工作業の容易化を図ることができるという効果を得ることができる。
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記熱媒往き管が前記暖房対象空間とは別の空間の床部に直線状に配設され、前記熱媒戻り管が前記暖房対象空間とは別の空間の床部に蛇行状に配設されている点にある。
即ち、熱媒往き管が暖房対象空間とは別の空間の床部に直線状に配設され、熱媒戻り管が暖房対象空間とは別の空間の床部に蛇行状に配設されているので、熱源機から暖房端末に至る熱媒往き管の管路長を極力短くし、暖房対象空間とは別の空間の床部における熱媒戻り管の管路長を極力長くすることができる。
このように、熱源機から暖房端末に至る熱媒往き管の管路長を極力短くすることにより、熱媒往き管からの床部の上面側への放熱を許容しながらもその放熱量を極力少なくして、暖房対象空間とは別の空間の暖房を補助しながらも、本来の暖房対象空間の暖房に影響を与えるのを抑制することができ、暖房対象空間とは別の空間の床部における熱媒戻り管の管路長を極力長くすることにより、熱媒戻り管からの床部の上面側への放熱量を極力多くして、暖房対象空間とは別の空間をより効果的に暖房することができる。
従って、暖房対象空間を適切に暖房できながら、暖房対象空間とは別の空間をより一層良好に暖房することができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
床暖房設備は、図1及び図2に示すように、暖房対象空間としてのリビングルームLの床部fに設置されて暖房対象空間を暖房する暖房端末としての床暖房パネルP、熱源機Gからの熱媒を前記床暖房パネルPに供給する熱媒往き管1、及び、前記床暖房パネルPを通過した熱媒を前記熱源機Gに戻す熱媒戻り管2等を備えて構成されている。
ちなみに、図1は、床暖房装置の概略の全体構成を示す斜視図であり、図2は、床暖房装置を設置した状態の住宅の一部切欠平面図を示す。
前記熱源機Gが脱衣室Dに隣接する状態で住宅の外部に設置され、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2が、前記リビングルームLとは別の空間としての前記脱衣室D及びその脱衣室Dと前記リビングルームLとを繋ぐ廊下Cにわたる床部fに、前記熱媒往き管1よりも前記熱媒戻り管2の方が床部fの上面側に放熱し易い形態で配設されている。
前記熱源機Gは、周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して簡単に説明すると、この熱源機Gは、熱媒加熱用の熱源用熱交換器を経由して熱媒を通流させる熱媒通流路、前記熱源用熱交換器を加熱するガスバーナ、そのガスバーナに燃焼用空気を供給する燃焼用送風機、及び、熱媒を前記熱媒通流路における熱媒送出用の出口に向けて流動させるように前記熱媒通流路に設けられた熱媒循環ポンプ等を備えて構成されている。
そして、前記熱媒往き管1が前記熱媒通流路の熱媒送出用の出口に接続され、前記熱媒戻り管2が前記熱媒通流路における熱媒戻し用の入口に接続されて、前記熱媒循環ポンプの通流作用により、前記熱源用熱交換器にてガスバーナの燃焼熱により加熱された熱媒が前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2を通して前記床暖房パネルPに循環供給されるように構成されている。
以下、前記床暖房パネルPについて説明を加える。
図1及び図3に示すように、この床暖房パネルPは、矩形状の板状基材21の上面に形成された凹状の熱媒流通管用溝部211に熱媒を通流させる熱媒流通管22を埋入し、そのように熱媒流通管22を埋入した状態の板状基材21の上面の全面にわたって均熱用シート状体23を貼着して構成されている。
又、床暖房パネルPの周縁部には、熱媒を熱媒流通管22に受け入れる熱媒受入口、及び、熱媒流通管22からの熱媒を排出する熱媒排出口を備えたヘッダ24が設けられている。
そして、上述のように構成された2枚の床暖房パネルPがリビングルームLの床部fに並べて敷設されている。
前記板状基材21は、例えば、熱伝導率が低い発泡ポリスチレン等の発泡樹脂により断熱性を有するように構成され、前記熱媒流通管22は、例えば、架橋ポリエチレン管やポリブテン樹脂管など可撓性のあるものが用いられ、その熱媒流通管22が板状基材21の上面の熱媒流通管用溝部211に蛇行状に配設されている。
又、均熱用シート状体23は、熱伝導率の高いアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせて接着自在なように構成されて、その均熱用シート状体23により、熱媒流通管22から放熱される熱を床暖房パネルPの上面の全面にわたって拡散させるように構成されている。
次に、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2の配設構造について説明を加える。尚、これら熱媒往き管1及び熱媒戻り管2は、前記床暖房パネルPの熱媒流通管22と同様に、架橋ポリエチレン管やポリブテン樹脂管など可撓性のあるものが用いられる。
図4に示すように、上面に凹状の戻り管用溝部32を備え且つ下面に凹状の往き管用溝部31を備える状態に形成された配管部材3が、前記暖房対象空間としてのリビングルームLとは別の脱衣室D及び廊下C夫々の床部fにおける床下地部4とその床下地部4の上方に位置して前記床部fの上面を形成する床仕上げ材5との間に設けられ、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2が、熱媒戻り管2を配管部材3の戻り管用溝部32に埋入し且つ熱媒往き管1を前記配管部材3の往き管用溝部31に埋入した形態で配設されることにより、前記熱媒往き管1よりも前記熱媒戻り管2の方が床部fの上面側に放熱し易い形態で配設されている。
前記配管部材3は、上記の床暖房パネルPを構成する板状基材21と同様の熱伝導率が低い発泡樹脂により矩形板状に構成されて、前記配管部材3が断熱性を有するように構成されている。
そして、複数枚の配管部材3を、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2の配設経路の形状に合わすように並べて、床下地部4の上部に設けることになる。
例えば、この実施形態では、図1及び図2に示すように、2枚の配管部材3が、脱衣室Dの床部fと廊下Cの床部fとにわたって、L字状に設けられている。尚、図示は省略するが、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2の配設対象の床部において、配管部材3に隣接して形成されるスペースには、配管部材3と同じ厚さの周辺用パネルが設けられる。
図1及び図2に示すように、配管部材3の下面に、凹状の往き管用溝部31が配管部材3の一側縁に沿って直線状に形成され、配管部材3の上面に、凹状の戻り管用溝部32が配管部材3の一側縁に沿って蛇行状に延びるように形成されている。
尚、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2の配管経路が曲がっている箇所については、前記往き管用溝部31及び前記戻り管用溝部32が前記配管経路に沿って曲がるように形成されることになる。
そして、図4に示すように、配管部材3の下面の直線状の往き管用溝部31に熱媒往き管1が埋入され、配管部材3の上面の蛇行状の戻り管用溝部32に熱媒戻り管2が埋入され、更に、戻り管用溝部32に熱媒戻り管32を埋入した状態の配管部材3の上面にその全面にわたって、前記床暖房パネルPの板状基材21に貼着する均熱用シート状体23と同様に構成した均熱用シート状体6が貼着される。
その均熱用シート状体6により、熱媒戻り管2から放熱される熱及び熱媒往き管1から放熱されて配管部材3を伝導してきた熱が配管部材3の上面の全面にわたって拡散されることになる。
つまり、上述のように構成された配管部材3に前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2夫々が埋入状態に配設されることにより、前記熱媒往き管1が前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fに直線状に配設され、前記熱媒戻り管2が前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fに蛇行状に配設されることになり、このように前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2が配設されることにより、前記熱媒往き管1よりも前記熱媒戻り管2の方が床部fの上面側に放熱し易い形態で配設されることになる。
次に、住宅の床部fについて説明を加える。
図3及び図4に示すように、床部fの床下地部4は、床下地基板41と、その床下地基板41の上面に間隔を隔てて並設された根太42と、床下地基板41の上面における隣接する根太42間に設けられた床断熱材43と、床下地基板上41に並設された根太42上に設けられた床下地上板44にて構成されている。
前記床断熱材43は、熱伝導率が低いグラスウール等の断熱性を有する材料にて構成されている。
つまり、床下地部4は、上述のように床下地上板44と床下地基板41との間に断熱材43を挟持する構成とすることにより、断熱性を有するように構成されている。
そして、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2が、熱媒戻り管2を前記配管部材3の戻り管用溝部32に埋入し且つ熱媒往き管1を前記配管部材3の往き管用溝部31に埋入した形態で、前記暖房対象空間としてのリビングルームLとは別の脱衣室D及び廊下C夫々の床部fにおける床下地部4と床仕上げ材5との間に設けられるので、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2が、前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fに、前記熱媒往き管1よりも前記熱媒戻り管2の方が前記床部fの上面側に放熱し易い形態で且つ床部fの下方側へ放熱し難い形態で配設されることになる。
前記床仕上げ材5はフローリング材等にて構成され、その床仕上げ材5の上面が床部fの上面となる。
次に、上述のように構成した暖房装置を設置する手順について、説明する。
先ず、2枚の床暖房パネルPをリビングルームLの床部fにおける床下地部4上に並べて敷設する。
続いて、2枚の配管部材3を、その下面の往き管用溝部31に熱媒往き管1を埋入した状態で、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2の配管経路に沿わせるように、脱衣室Dの床部fと廊下Cの床部fとに並べて敷設する。
続いて、熱媒戻り管2を、上述のように敷設した2枚の配管部材3の上面の戻り管用溝部32に埋入し、続いて、そのように戻り管用溝部32に熱媒戻り管32を埋入した状態の配管部材3の上面に均熱用シート状体6を貼着する。
続いて、熱媒往き管1の熱源機側の端部、熱媒戻り管2の熱源機側の端部をそれぞれ熱源機における熱媒通流路の熱媒送出用の出口、熱媒戻し用の入口に接続する。
又、熱媒往き管1の床暖房パネル側の端部を、2枚の床暖房パネルPのヘッダ24における熱媒受入口に対して並列接続し、並びに、熱媒戻り管2の床暖房パネル側の端部を、2枚の床暖房パネルPのヘッダ24における熱媒排排出口に対して並列接続する。
続いて、リビングルームL、廊下C及び脱衣室D夫々の床部fに床仕上げ材5を敷設する。
次に、上述のように構成した暖房装置の暖房作用について、説明する。
熱源機Gを運転させると、その熱源機Gの熱源用熱交換器においてガスバーナの燃焼熱により例えば60°Cに加熱された熱媒が前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2を通して前記床暖房パネルPに循環供給されることになり、床暖房パネルPから熱媒流通管22を通流する熱媒の保有熱が放熱されてリビングルームLが暖房される。
並びに、熱媒戻り管2から、その熱媒戻り管2を通流する熱媒の保有熱が脱衣室D及び廊下C夫々の床部fの上面側に放熱され、熱媒往き管1からも、熱媒戻り管2よりも放熱し難いものの、その熱媒往き管1を通流する熱媒の保有熱が脱衣室D及び廊下C夫々の床部fの上面側に放熱されるので、脱衣室D及び廊下Cを良好に暖房することができる。
しかも、熱媒戻り管2が配管部材3の上面に配設され、又、その熱媒戻り管2が脱衣室D及び廊下C夫々の床部fに蛇行状に配設されて、脱衣室D及び廊下C夫々の床部fでの熱媒往き管2の管路長を極力長くすることができるので、熱媒戻り管2により、脱衣室D及び廊下C夫々の床部fの上面側に効率良く放熱され、更に、配管部材3の上面に貼着されている均熱用シート状体6により熱媒戻り管2からの放熱をより一層促進させることができるので、脱衣室D及び廊下Cを更に良好に暖房することができる。
又、熱媒往き管1により床部fの上面側へ放熱させるものの、その放熱は、熱媒戻り管2からの床部fの上面側への放熱に比べて行われ難いものであるので、熱媒往き管1を通して床暖房パネルPに供給される熱媒の温度の低下を抑制することができるものとなり、床暖房パネルPによりリビングルームLを適切に暖房することができる。
又、熱媒往き管2を通流する熱媒からの放熱量を多くすることができることにより、熱源機Gの熱源用熱交換器に戻る熱媒の温度を極力低くすることができるので、その熱源用熱交換器における熱交換効率を向上して暖房効率を向上することができる。
ちなみに、例えば、60°Cにて熱源機Gから送出される熱媒を50°Cよりも低下させて熱源機Gに戻すことができる。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 熱媒往き管1及び熱媒戻り管2を、暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fに、前記熱媒往き管1よりも前記熱媒戻り管2の方が前記床部fの上面側に放熱し易い形態で配設するための具体構造は、上記の実施形態において例示した構造に限定されるものではない。
即ち、上記の実施形態では、上面に凹状の戻り管用溝部32を備え且つ下面に凹状の往き管用溝部31を備える状態に形成された配管部材3が、前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fにおける床下地部4とその床下地部4の上方に位置して前記床部fの上面を形成する床仕上げ材5との間に設けられ、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2が、熱媒戻り管2を配管部材3の戻り管用溝部32に埋入し且つ熱媒往き管1を前記配管部材3の往き管用溝部31に埋入した形態で配設される構造(以下、第1配設構造と称する場合がある)と、前記熱媒往き管1が前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fに直線状に配設され、前記熱媒戻り管2が前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fに蛇行状に配設される構造(以下、第2配設構造と称する場合がある)との両方を用いたが、いずれか一方のみを用いた構造でもよい。
第1配設構造を用いる場合は、前記熱媒往き管1及び前記熱媒戻り管2いずれも、直線状や蛇行状等、同じ形状に配設することになる。
又、第2配設構造を用いる場合は、前記暖房対象空間Lとは別の空間C,Dの床部fにおける床下地部4上に設けた配管部材の上面に、前記熱媒往き管1を直線状に配設し、並びに、前記熱媒戻り管2を蛇行状に配設して、その配管部材の上部に床仕上げ材5を設けることになる。
又、第1配設構造及び第2配設構造とは別の構造を用いてもよい。
例えば、熱媒往き管1を床下地部4上に配設し、そのように熱媒往き管1を配設した状態の床下地部4上にグラスウール等により柔軟性を有するように構成された断熱材を敷設し、その断熱材上に熱媒戻り管2を配設する構造を用いることができる。
(ロ) 上記の実施形態においては、配管部材3を断熱性を有するように構成する場合について例示したが、配管部材3を高い熱伝導性を有するように構成しても良い。
(ハ) 暖房端末の具体例は、上記の実施形態において例示した床暖房パネルPの他に、ファンコンベクタ、浴室暖房乾燥装置等、種々のものを適用することができる。
ちなみに、ファンコンベクタは、熱媒往き管1からの熱媒を通流させる端末用熱交換器、及び、暖房対象空間から吸い込んだ空気を前記端末用熱交換器に通風させた後に暖房対象空間に送出するように通風作用する循環用送風機等を備えて構成され、浴室暖房乾燥装置は、熱媒往き管1からの熱媒を通流させる端末用熱交換器、暖房対象空間としての浴室から吸引した空気を前記端末用熱交換器に通風させた後に浴室に送出するように通風作用する循環用送風機及び浴室の空気を排気する排気用送風機等を備えて構成されている。
(ニ) 熱媒往き管1及び熱媒戻り管2を配設する暖房対象空間とは別の空間の具体例としては、上記の実施形態において例示した脱衣室D及び廊下Cの床部に限定されるものではなく、住宅内の居住空間における種々の場所の床部を適用することができる。
そして、熱媒往き管1及び熱媒戻り管2を同じ場所の床部に並べて配設する場合に限定されるものではなく、熱媒往き管1及び熱媒戻り管2を、熱媒往き管1よりも熱媒戻り管2の方が床部の上面側に放熱し易い形態で配設する条件で、熱媒往き管1及び熱媒戻り管2夫々を配設する場所を一部異ならせる形態で配設しても良い。
その場合、熱媒戻り管2を住宅内の多数の場所の床部を経由する形態で配設するようにすると、住宅内の極力広い範囲を暖房することができる。
(ホ) 熱源機Gは、上記の実施形態のように加熱源としてガスバーナ等のバーナを備えて構成する場合に限定されるものではなく、例えば、電気ヒータを加熱源として備えて構成してもよい。
暖房装置の概略の全体構成を示す斜視図 暖房装置を設置した状態の住宅の一部切欠平面図 床暖房パネルを住宅の床部に配設した状態を示す縦断面図 熱媒往き管及び熱媒戻り管を住宅の床部に配設した状態を示す縦断面図
符号の説明
1 熱媒往き管
2 熱媒戻り管
3 配管部材
4 床下地部
5 床仕上げ材
31 往き管用溝部
32 戻り管用溝部
f 床部
C,D 暖房対象空間とは別の空間
G 熱源機
L 暖房対象空間
P 暖房端末

Claims (3)

  1. 暖房対象空間を暖房する暖房端末と、
    熱源機からの熱媒を前記暖房端末に供給する熱媒往き管と、
    前記暖房端末を通過した熱媒を前記熱源機に戻す熱媒戻り管とが設けられた暖房装置であって、
    前記熱媒往き管及び前記熱媒戻り管が、前記暖房対象空間とは別の空間の床部に、前記熱媒往き管よりも前記熱媒戻り管の方が前記床部の上面側に放熱し易い形態で配設されている暖房装置。
  2. 上面に凹状の戻り管用溝部を備え且つ下面に凹状の往き管用溝部を備える状態に形成された配管部材が、前記暖房対象空間とは別の空間の床部における床下地部とその床下地部の上方に位置して前記床部の上面を形成する床仕上げ材との間に設けられ、
    前記熱媒往き管及び前記熱媒戻り管が、前記熱媒戻り管を前記配管部材の戻り管用溝部に埋入し且つ前記熱媒往き管を前記配管部材の往き管用溝部に埋入した形態で配設されている請求項1記載の暖房装置。
  3. 前記熱媒往き管が前記暖房対象空間とは別の空間の床部に直線状に配設され、前記熱媒戻り管が前記暖房対象空間とは別の空間の床部に蛇行状に配設されている請求項1又は2記載の暖房装置。
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