JP2009209301A - 耐水性接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱圧条件で十分な耐水接着性を発現し、また温度変化による安定した粘度を示すことにより、安定した塗工性又は接着強度を有する耐水性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とを含有し、カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基含有量が0.5〜15モル%、鹸化度が70〜100モル%、重合度が100〜3000であり、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのカルボキシル基含有量が0.5〜10モル%、ゲル含有率が20〜99質量%、ガラス転移温度が−20〜80℃であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とを含有し、カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基含有量が0.5〜15モル%、鹸化度が70〜100モル%、重合度が100〜3000であり、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのカルボキシル基含有量が0.5〜10モル%、ゲル含有率が20〜99質量%、ガラス転移温度が−20〜80℃であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は耐水性接着剤組成物に関し、特に、合板等の加熱を主体とした接着に好適な耐水性接着剤組成物に関する。
一般に、木材用接着剤としては、耐水性や耐熱性等の点から、ホルムアルデヒド系樹脂、即ち尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等が広く使用されている。しかし、これらのホルムアルデヒド系樹脂を配合した接着剤は、合板の製造過程において、或いは製品化した後、合板の積層板内部の接着剤層から毒性のあるホルマリンを大気中へ放散するため、環境上の問題点があった。また、これらのホルムアルデヒド系樹脂接着剤は、例えば30℃で3時間以上経過すると接着剤のゲル化とともに粘度が上昇し、塗工性又は接着強度の低下を引き起こすことがあるため、実用上の面でも課題を残している。
近年、建築基準法の改正により、住宅建築などに使用されている建築材料から大気中へ放散するホルムアルデヒド濃度が厳しく制限されたこともあり、ホルムアルデヒドを含まない接着剤の研究が盛んに行われている。例えば、ホルムアルデヒドを使用せずに耐水性、耐熱性を向上させることができる接着剤として、ポリビニルアルコールを含む水溶液又は水性エマルジョンに、イソシアネート系化合物と、増粘剤又は充填剤とを配合してなる耐水接着剤が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また最近では、ポリアミドエポキシ樹脂を含有する木材用接着剤組成物(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特公昭51−30576(請求項1)
特開2001−003022(請求項1)
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明は、高温による粘度変化も少なく、見かけの塗工性も良好であるが、接着工程の圧締時に接着物が鉄製プレスと付着し、接着物の取り出しに支障を来すという問題点がある。また上記特許文献2に記載された発明は、合板などの熱圧を主体とする木材の接着には好適に用いることができるが、特に耐水接着性が十分でない。
本発明の目的は、特に熱圧において十分な耐水接着性を発現する耐水性接着剤組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、温度変化による安定した粘度を示すことにより、安定した塗工性又は接着強度を有し、また接着工程の圧締時における鉄製プレスへの付着のない作業性に優れた耐水性接着剤組成物を提供することにある。
請求項1に係る発明は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とを必須成分として含有してなる耐水性接着剤組成物であって、カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基含有量が0.5〜15モル%、鹸化度が70〜100モル%、重合度が100〜3000であり、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのカルボキシル基含有量が0.5〜10モル%、ゲル含有率が20〜99質量%、ガラス転移温度が−20〜80℃であることを特徴とする耐水性接着剤組成物である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、ポリアミドエポキシ樹脂が二塩基性カルボン酸系化合物とポリアルキレンポリアミン類を重縮合させて得られるポリアミンポリアミドに、エピハロヒドリンを反応させることにより得られるポリアミドエポキシ樹脂である耐水性接着剤組成物である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、カルボキシ変性ポリビニルアルコールに含まれる固形分100質量部に対して、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスを固形分で10〜500質量部含み、ポリアミドエポキシ樹脂を固形分で1.0〜100質量部含む耐水性接着剤組成物である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスがカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである耐水性接着剤組成物である。
本発明の耐水性接着剤組成物によれば、カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基含有量が0.5〜15モル%、鹸化度が70〜100モル%、重合度が100〜3000であり、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのカルボキシル基含有量が0.5〜10モル%、ゲル含有率が20〜99質量%、ガラス転移温度が−20〜80℃であることにより、熱圧において十分な耐水接着性を発現する。そのため、合板などの熱圧を主体とする木材の接着に好適に用いることができる。また温度変化による安定した粘度を保持できるため、塗工性にも優れ又安定した接着強度を保つことができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明の耐水性接着剤組成物は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とを必須成分として含有してなる耐水性接着剤組成物であり、特に熱圧条件で十分な耐水接着性を発現する。そのため、合板などの熱圧を主体とする木材の接着に好適に用いることができるが、具体的には、温度100〜150℃の一般的な圧締条件において、十分な耐水接着性を発現し、実用に耐え得る合板を作製することができる。また粘度安定性においては、40℃付近の高温環境下でも安定した粘度を保持できるため、塗工性にも優れ又安定した接着強度を保つことができる。
本発明の耐水性接着剤組成物が、100〜150℃の熱圧において十分な耐水接着性を発現する技術的な理由は、必ずしも明らかではないが、恐らくカルボキシ変性ポリビニルアルコールとカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスとポリアミドエポキシ樹脂の三者の間で硬化反応が協奏的に生起することによるものと推察される。
本発明の耐水性接着剤組成物の構成要素の一つであるカルボキシ変性ポリビニルアルコールとは、カルボキシル基を分子内に有するポリビニルアルコール系重合体をいう。このポリビニルアルコール系重合体は、例えば、ビニルエステル系単量体をエチレン性不飽和カルボン酸やその酸無水物と共重合させた後、鹸化させる(ランダム共重合体)方法、或いは末端にチオール基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在下、上記エチレン性不飽和カルボン酸やその酸無水物をラジカル重合する(ブロック重合体)方法により得ることができる。
前記ビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、などが挙げられる。また、エチレン性不飽和カルボン酸やその酸無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸などが挙げられる。また共重合に際し、本発明の目的を損なわない範囲で共重合可能な他の共重合単量体、例えばエチレン,イソブチレン,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,塩化ビニル,フッ化ビニル等を用いてもよい。
本発明で使用するカルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基含有量、即ちカルボキシル基変性量は、0.5〜15モル%の範囲内である。カルボキシル基変性量が0.5モル%未満では、充分な架橋密度が得られず、耐水性、耐熱性、耐煮沸性が向上し難く、一方、15モル%を超えると、一般に、ポリビニルアルコールの合成時の安定性を欠き良好なポリビニルアルコールが得られ難い。このうち、カルボキシル基変性量は、1.0〜10モル%の範囲内であることが好ましい。またカルボキシ変性ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100モル%の範囲内である。鹸化度が、この範囲から外れると、充分な耐水性、耐熱性、耐煮沸性が向上し難いなどの具合が生じる。このうち、鹸化度は80〜99モル%の範囲内であることが好ましい。更にカルボキシ変性ポリビニルアルコールの重合度は、100〜3000の範囲内である。重合度が、100未満では、充分な耐水性、耐熱性、耐煮沸性が向上し難く、一方、3000を超えると、一般に、ポリビニルアルコールの合成時の安定性を欠き良好なポリビニルアルコールが得られ難い。このうち、重合度は、500〜2500の範囲内であることが好ましい。
本発明の耐水性接着剤組成物の構成要素の一つであるカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスは、一般的には、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共役ジエン系単量体とを含む単量体を共重合して調製される。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。中でも汎用性とコストの点から、1,3−ブタジエンが最も好ましい。これら共役ジエン系単量体は、ラテックス皮膜に靭性を付与して高い接着強度を得るために必須である。前記の二種の単量体に加えて、例えば、スチレンを代表とする芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体を使用することができる。通常、5質量%以下の範囲で、水酸基、アミド基、アミノ基、メチロール基、グリシジル基、スルホン酸基、リン酸基などの官能基を有する各種ビニル系単量体も必要に応じて使用される。
本発明において好適とされるカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスには、スチレンとブタジエンとを主体とする共重合で調製されることにより得られるカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが挙げられる。本発明において、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが好適に選択される理由は、優れた接着強度を発現させるのに好適であり、また汎用性やコストの面から望ましいからである。カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスにおける各単量体成分の代表的な構成は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10質量%、1,3−ブタジエン20〜70質量%、スチレン10〜79.5質量%及びこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜50質量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の特に好ましい割合は、1.0〜8質量%である。本発明において好適なカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスには、この他、カルボキシ変性スチレン−イソプレン共重合体ラテックスが挙げられる。
本発明で使用するカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスは、特に制限はなく、公知の乳化重合法によって調製される。例えば、前記単量体、連鎖移動剤、界面活性剤、ラジカル重合開始剤、及び必要に応じて用いられる他の添加剤成分を基本構成成分とする分散系において、前記単量体を重合させ、合成樹脂粒子の水性分散液、即ちラテックスを製造する方法で調製される。このラテックス中の固形分濃度は40〜60質量%の範囲で選ばれ,また、その平均粒子径は40〜400nmの範囲内にあることが好ましく、50〜200nmの範囲内にあるのが特に好ましい。連鎖移動剤は、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスポリマーの分子量やゲル生成量を調整するために用いられる。例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類やα−メチルスチレンダイマーなど、通常の乳化重合で使用可能なものが使用できる。
本発明において用いられるカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのカルボキシル基含有量は0.5〜10モル%の範囲内である。下限値未満では接着強度の低下に加え、ラテックスの安定性の欠如といった不具合が生じ、上限値を越えるとラテックス、場合によっては接着剤組成物の双方に過度な増粘が生じるからである。このうち、カルボキシル基含有量は1〜8モル%の範囲内であることが好ましい。
カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのゲル含有率は20〜99質量%の範囲内である。前記範囲を外れた場合には、特に耐水接着強度が低下する。このうち、ゲル含有率は、30〜90質量%の範囲内であることが好ましい。
またカルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのガラス転移温度の範囲は、−20〜80℃である。ガラス転移温度が前記範囲を外れた場合には、常態接着強度に加えて耐水接着強度が低下する。
本発明の耐水性接着剤組成物の構成要素の一つであるポリアミドエポキシ樹脂としては、例えば、ポリアミンポリアミド類にエピハロヒドリンを反応して得られる樹脂などが挙げられる。ここで、ポリアミンポリアミド類としては、例えば、二塩基性カルボン酸系化合物と、ポリアルキレンポリアミン類との重縮合反応により得られる重縮合物などが挙げられる。
ポリアミンポリアミド類に使用される二塩基性カルボン酸系化合物とは、ジカルボン酸及びそのエステル、酸無水物などの誘導体である。ジカルボン酸類としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸及びジカルボン酸類のナトリウム、カリウム等の塩などが挙げられる。ジカルボン酸類として、異なる2種類以上のジカルボン酸類を混合して使用しても良い。ジカルボン酸類としては、中でも、炭素数3〜10程度の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に工業的にはアジピン酸が好適である。
ポリアミンポリアミド類に使用されるポリアルキレンポリアミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等が挙げられる。ポリアルキレンポリアミン類として、異なる2種類以上のポリアルキレンポリアミン類を混合して使用しても良い。ポリアルキレンポリアミン類としては、中でもジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが好ましい。ポリアミンポリアミド類を与える重縮合反応において、ポリアルキレンポリアミン類の末端アミノ基1当量に対してジカルボン酸類を、通常0.9〜1.4当量程度、好ましくは0.9〜1.2当量程度、使用する。また、前記重縮合反応においてアミノカルボン酸類やジアミン類を併用しても良い。アミノカルボン酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、アミノカプロン酸等のアミノカルボン酸及びそのエステル、カプロラクタム等のラクタム類が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等が挙げられる。重縮合反応としては、例えば、常圧下または減圧下にて、約50〜250℃程度の反応温度により、生成する水またはアルコールを系外に除去する方法などが挙げられる。
次に、前記重縮合反応によって得られたポリアミンポリアミド類の水溶液は、エピハロヒドリンとの反応に供される。ここで用いるエピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリンやエピブロムヒドリンなどが挙げられるが、中でもエピクロルヒドリンが好適である。ポリアミンポリアミド類とエピハロヒドリンとの反応は、樹脂分濃度約10〜70質量%程度、好ましくは20〜60質量%の水溶液中で行われる。ポリアミンポリアミド類とエピハロヒドリンとの反応において、ポリアミンポリアミド類の分子内アミノ基1当量に対し、通常、約0.85〜2モル程度、好ましくは1〜1.8モル程度のエピハロヒドリンを使用する。
本発明の耐水性接着剤組成物の調製は、先ずカルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスとを十分に混合して水分酸組成物を調製し、次いでこの水分酸組成物にポリアミドエポキシ樹脂を混合することにより行われる。
カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスの添加量は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分100質量部に対して、固形分で好ましくは10〜500質量部、更に好ましくは50〜250質量部となる量である。カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスの添加量が上記範囲を外れると、特に耐水接着強度が低下しやすいからである。
またポリアミドエポキシ樹脂の添加量は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分100質量部に対して、固形分で好ましくは1.0〜100質量部、更に好ましくは5〜70質量部となる量である。ポリアミドエポキシ樹脂の添加量が上記範囲を外れると、特に耐水接着強度が低下しやすいからである。
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度98モル%、重合度1700)を15質量%含有する水溶液100質量部と、固形分濃度が50質量%のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃)45質量部とを十分に混合して水分酸組成物を得た。前記水分散組成物に対して、ポリアミドエポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製 商品名スミレーズレジン675、濃度25質量%)12質量部を混合し、本願の耐水性接着剤組成物を調製した。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。この接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:150:20である。また、得られた接着剤組成物は、室温(20℃)において少なくとも10時間の静置状態で粘度上昇あるいはゲル化を全く示さず放置安定性は良好であった。
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度98モル%、重合度1700)を15質量%含有する水溶液100質量部と、固形分濃度が50質量%のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃)45質量部とを十分に混合して水分酸組成物を得た。前記水分散組成物に対して、ポリアミドエポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製 商品名スミレーズレジン675、濃度25質量%)12質量部を混合し、本願の耐水性接着剤組成物を調製した。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。この接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:150:20である。また、得られた接着剤組成物は、室温(20℃)において少なくとも10時間の静置状態で粘度上昇あるいはゲル化を全く示さず放置安定性は良好であった。
次いで、厚さ4.0mmの広葉樹合板と、厚さ1.3mmの南洋材単板を用意し、この合板の片面に、上記調製した接着剤組成物を250g/m2の塗布量で塗布した。これらの合板と単板を重ね合わせ、温度20℃、圧力1.2MPaの冷圧条件で20分間圧締した後、温度120℃、圧力0.79MPa(8kg/cm2)の条件で1分間加熱接着した後、一辺が75mmの正方形状の試験片を作製した。
<実施例2>
カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度99モル%、重合度1500のカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用した以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度99モル%、重合度1500のカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用した以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<実施例3>
カルボキシル基含有量2モル%、鹸化度98モル%、重合度1700のカルボキシ変性ポリビニルアルコール、及びカルボキシル基含有量5モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシル基含有量2モル%、鹸化度98モル%、重合度1700のカルボキシ変性ポリビニルアルコール、及びカルボキシル基含有量5モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<実施例4>
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率30質量%、ガラス転移温度70℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率30質量%、ガラス転移温度70℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<実施例5>
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに、カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度−10℃のカルボキシ変性スチレン−イソプレン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに、カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度−10℃のカルボキシ変性スチレン−イソプレン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<実施例6>
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと、及びポリアミドエポキシ樹脂の添加量を3.0質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:150:5である。
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと、及びポリアミドエポキシ樹脂の添加量を3.0質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:150:5である。
<実施例7>
固形分濃度が50質量%のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃)の添加量を15質量部として水分酸組成物を得たこと、及びポリアミドエポキシ樹脂の添加量を18質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:50:30である。
固形分濃度が50質量%のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃)の添加量を15質量部として水分酸組成物を得たこと、及びポリアミドエポキシ樹脂の添加量を18質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:50:30である。
<実施例8>
固形分濃度が50質量%のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃)の添加量を75質量部として水分酸組成物を得たこと、及びポリアミドエポキシ樹脂の添加量を42質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:250:70である。
固形分濃度が50質量%のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度20℃)の添加量を75質量部として水分酸組成物を得たこと、及びポリアミドエポキシ樹脂の添加量を42質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:250:70である。
<比較例1>
カルボキシ変性ポリビニルアルコールの代わりに、カルボキシル基含有量0モル%、鹸化度98モル%、重合度1700の非カルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシ変性ポリビニルアルコールの代わりに、カルボキシル基含有量0モル%、鹸化度98モル%、重合度1700の非カルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<比較例2>
カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度40モル%、重合度1500のカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度40モル%、重合度1500のカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<比較例3>
カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度99モル%、重合度70のカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製した。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。この耐水性接着剤組成物を用いて試験片の作製を試みたが、耐水性接着剤組成物の粘度が極端に低く、接着層に欠膠部が生じたため、適切な試験片を作製できなかった。
カルボキシル基含有量5.5モル%、鹸化度99モル%、重合度70のカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に、耐水性接着剤組成物を調製した。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。この耐水性接着剤組成物を用いて試験片の作製を試みたが、耐水性接着剤組成物の粘度が極端に低く、接着層に欠膠部が生じたため、適切な試験片を作製できなかった。
<比較例4>
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに、カルボキシル基含有量0モル%、ゲル含有率80質量%、ガラス転移温度20℃の非カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに、カルボキシル基含有量0モル%、ゲル含有率80質量%、ガラス転移温度20℃の非カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<比較例5>
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率15質量%、ガラス転移温度0℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率15質量%、ガラス転移温度0℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<比較例6>
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度90℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
カルボキシル基含有量2モル%、ゲル含有率87質量%、ガラス転移温度90℃のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用して水分酸組成物を得たこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。
<比較例7>
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを添加しなかったこと、及びポリアミドエポキシ樹脂を11.5質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:0:19.2である。
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを添加しなかったこと、及びポリアミドエポキシ樹脂を11.5質量部としたこと以外は、実施例3と同様に、耐水性接着剤組成物を調製し、試験片を得た。調製された耐水性接着剤組成物の組成について、以下の表1に示す。なお、調製した接着剤組成物におけるカルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックス、ポリアミドエポキシ樹脂の配合割合(質量部)は固形分基準で、100:0:19.2である。
<比較試験及び評価>
実施例1〜8、比較例1,2及び比較例4〜7で作製した各試験片について、耐温水、耐煮沸処理を行い、JAS普通合板規格に規定するI類浸漬剥離試験により、それぞれ接着性能を調べた。この結果を以下の表2に示す。耐温水処理は、試験片を70℃の温水中に2時間浸漬した後、60±3℃の温度で3時間乾燥するという条件で行い、この処理後の試験片について剥離状態を判定する。耐煮沸処理は、試験片を沸騰水中に4時間浸潰した後、60±3℃の温度で20時間乾燥し、これを沸騰水中に4時間浸潰し、更に60±3℃で3時間乾燥するという条件で行い、この処理後の試験片について剥離状態を判定する。なお、JAS普通合板規格に規定するI類浸漬剥離試験合格基準は、剥離率、即ち試験片の同一接着層の剥離する部分が、それぞれの側面における長さの1/3(33.3%)未満であることである。
実施例1〜8、比較例1,2及び比較例4〜7で作製した各試験片について、耐温水、耐煮沸処理を行い、JAS普通合板規格に規定するI類浸漬剥離試験により、それぞれ接着性能を調べた。この結果を以下の表2に示す。耐温水処理は、試験片を70℃の温水中に2時間浸漬した後、60±3℃の温度で3時間乾燥するという条件で行い、この処理後の試験片について剥離状態を判定する。耐煮沸処理は、試験片を沸騰水中に4時間浸潰した後、60±3℃の温度で20時間乾燥し、これを沸騰水中に4時間浸潰し、更に60±3℃で3時間乾燥するという条件で行い、この処理後の試験片について剥離状態を判定する。なお、JAS普通合板規格に規定するI類浸漬剥離試験合格基準は、剥離率、即ち試験片の同一接着層の剥離する部分が、それぞれの側面における長さの1/3(33.3%)未満であることである。
表2から明らかなように、実施例1〜8、比較例1,2及び比較例4〜7を比較すると、実施例1〜8は、耐温水処理及び耐煮沸処理による漬剥離試験の双方において、比較例1,2及び比較例4〜7よりも剥離率が低く、優れた接着性が発現することが確認された。比較例1及び5では、耐温水処理による漬剥離試験において、合格基準に達する高い接着性が発現することが確認されたものの、耐煮沸処理による漬剥離試験においては合格基準には達しなかった。また比較例2では、耐温水処理及び耐煮沸処理による漬剥離試験の双方において、合格基準に達する高い接着性が発現することが確認されたものの、実施例1〜8には及ばなかった。更に比較例3では、耐水性接着剤組成物の粘度が極端に低く、接着層に欠膠部を生じたため、適切な試験片を作製できなかった。
本発明の耐水性接着剤組成物は、熱圧条件で十分な耐水接着性を発現し、また温度変化による安定した粘度を示すことにより、安定した塗工性又は接着強度を有するため、合板などの熱圧を主体とする木材の接着剤として好適に利用することができる。
Claims (4)
- カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とを必須成分として含有してなる耐水性接着剤組成物であって、
前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基含有量が0.5〜15モル%、鹸化度が70〜100モル%、重合度が100〜3000であり、
前記カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスのカルボキシル基含有量が0.5〜10モル%、ゲル含有率が20〜99質量%、ガラス転移温度が−20〜80℃であること
を特徴とする耐水性接着剤組成物。 - ポリアミドエポキシ樹脂が二塩基性カルボン酸系化合物とポリアルキレンポリアミン類を重縮合させて得られるポリアミンポリアミドに、エピハロヒドリンを反応させることにより得られるポリアミドエポキシ樹脂である請求項1記載の耐水性接着剤組成物。
- カルボキシ変性ポリビニルアルコールに含まれる固形分100質量部に対して、カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスを固形分で10〜500質量部含み、
ポリアミドエポキシ樹脂を固形分で1.0〜100質量部含む請求項1又は2記載の耐水性接着剤組成物。 - カルボキシ変性ジエン系共重合体ラテックスがカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである請求項1ないし3いずれか1項に記載の耐水性接着剤組成物。
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-
2008
- 2008-03-06 JP JP2008055788A patent/JP2009209301A/ja active Pending
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